JP2817620B2 - メカニカル拡管機ヘッド - Google Patents
メカニカル拡管機ヘッドInfo
- Publication number
- JP2817620B2 JP2817620B2 JP10776394A JP10776394A JP2817620B2 JP 2817620 B2 JP2817620 B2 JP 2817620B2 JP 10776394 A JP10776394 A JP 10776394A JP 10776394 A JP10776394 A JP 10776394A JP 2817620 B2 JP2817620 B2 JP 2817620B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pipe
- liner
- die
- roundness
- head
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、溶接鋼管の拡管に用
いる拡管機に係り、より詳しくはUOE鋼管の拡管工程
において、特に製造可能範囲外となるサイズに拡管加工
する場合に好適なメカニカル拡管機ヘッドに関する。
いる拡管機に係り、より詳しくはUOE鋼管の拡管工程
において、特に製造可能範囲外となるサイズに拡管加工
する場合に好適なメカニカル拡管機ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】UOE鋼管の製造工程において、通常サ
イズのOプレス加工は図7(A)に示すごとく、上ダイ
ス11と下ダイス12との間にストップライナー13a
を挿入してパイプ10を真円に成形する方法がとられ
る。また、サイズの異なるパイプに対しては、図7
(B)に示すごとく、Oプレスの上ダイス11および下
ダイス12にパイプの外径に合せたインサートライナー
15(図面は2枚重ね)を内嵌して成形する方法がとら
れる。このため、通常サイズのUOE鋼管のOプレス工
程においては、あるピッチ毎(例えば2インチピッチ)
にダイス(46インチ、48インチ、54インチ、56
インチ等)とインサートライナーを保有している。
イズのOプレス加工は図7(A)に示すごとく、上ダイ
ス11と下ダイス12との間にストップライナー13a
を挿入してパイプ10を真円に成形する方法がとられ
る。また、サイズの異なるパイプに対しては、図7
(B)に示すごとく、Oプレスの上ダイス11および下
ダイス12にパイプの外径に合せたインサートライナー
15(図面は2枚重ね)を内嵌して成形する方法がとら
れる。このため、通常サイズのUOE鋼管のOプレス工
程においては、あるピッチ毎(例えば2インチピッチ)
にダイス(46インチ、48インチ、54インチ、56
インチ等)とインサートライナーを保有している。
【0003】一方、パイプのサイズが前記の通常サイズ
を外れる中間サイズ(例えば40.3インチ、41イン
チ等)のパイプの場合は、図7(C)に示すごとく、1
サイズ下の上ダイス11と下ダイス12を使用するとと
もに、ダイスの間に通常のストップライナーよりも厚肉
のストップライナー13bを挿入してOプレス加工がな
されている。
を外れる中間サイズ(例えば40.3インチ、41イン
チ等)のパイプの場合は、図7(C)に示すごとく、1
サイズ下の上ダイス11と下ダイス12を使用するとと
もに、ダイスの間に通常のストップライナーよりも厚肉
のストップライナー13bを挿入してOプレス加工がな
されている。
【0004】ところが、厚肉のストップライナーを用い
ると、Oプレス後のパイプ形状が図7(C)に示すごと
く極端に縦楕円形状となってしまい、後工程で拡管処理
が必要となる。
ると、Oプレス後のパイプ形状が図7(C)に示すごと
く極端に縦楕円形状となってしまい、後工程で拡管処理
が必要となる。
【0005】真円度、外径等の形状および寸法精度の向
上のために行われる拡管処理に用いられる拡管機には、
メカニカル拡管方式と水圧拡管方式があるが、UOE鋼
管のように大径鋼管の拡管処理には、厚肉、高強度材の
拡管が水圧方式に比べて容易なメカニカル拡管機が採用
される。このメカニカル拡管機は、周知の通り、主シリ
ンダ、ホーン、拡管ヘッドよりなる拡管機本体と、拡管
機に鋼管を一定長さずつ送込むアキシャルインフィー
ド、およびウォーキングビーム式に鋼管の搬送を行うク
ロスフィードの3者で構成されている。このメカニカル
拡管機における従来のヘッドは、図8に示すごとく、ド
ローバ1によって主シリンダ(図面省略)と連結された
コーン2が、油圧によって軸方向に引かれることによ
り、コーン2とジョー3のくさび作用によってジョー3
が広がり、このジョーの外側に配されているダイ4がパ
イプ10を押し広げて所定の寸法に拡管する機構となっ
ている。5はドローバ止めボルト、6はダイ止め金具で
ある。
上のために行われる拡管処理に用いられる拡管機には、
メカニカル拡管方式と水圧拡管方式があるが、UOE鋼
管のように大径鋼管の拡管処理には、厚肉、高強度材の
拡管が水圧方式に比べて容易なメカニカル拡管機が採用
される。このメカニカル拡管機は、周知の通り、主シリ
ンダ、ホーン、拡管ヘッドよりなる拡管機本体と、拡管
機に鋼管を一定長さずつ送込むアキシャルインフィー
ド、およびウォーキングビーム式に鋼管の搬送を行うク
ロスフィードの3者で構成されている。このメカニカル
拡管機における従来のヘッドは、図8に示すごとく、ド
ローバ1によって主シリンダ(図面省略)と連結された
コーン2が、油圧によって軸方向に引かれることによ
り、コーン2とジョー3のくさび作用によってジョー3
が広がり、このジョーの外側に配されているダイ4がパ
イプ10を押し広げて所定の寸法に拡管する機構となっ
ている。5はドローバ止めボルト、6はダイ止め金具で
ある。
【0006】また、特公昭60−50524号公報に
は、楕円状になったUOE鋼管等の大径溶接管の管端を
真円に矯正する装置が提案されている。この装置は、図
9(A)(B)に示すごとく、回転機構に連結され軸方
向に移動可能なテーパ付きマンドレル31と、そのマン
ドレルに接しパイプ30に内接する拡管用テーパ付き小
ローラ32よりなり、前記小ローラ32を支持棒33を
介して保持盤34に半径方向に移動自在に取付けた自在
ジョイント35に連結し、前記保持盤34を固定盤36
に回転できるように取付けた構造となったもので、パイ
プ30の管端部へマンドレル31を押込み、小ローラ3
2を保持盤34と共に回転させることによって管端部を
拡管加工し、真円度矯正を行うものである。
は、楕円状になったUOE鋼管等の大径溶接管の管端を
真円に矯正する装置が提案されている。この装置は、図
9(A)(B)に示すごとく、回転機構に連結され軸方
向に移動可能なテーパ付きマンドレル31と、そのマン
ドレルに接しパイプ30に内接する拡管用テーパ付き小
ローラ32よりなり、前記小ローラ32を支持棒33を
介して保持盤34に半径方向に移動自在に取付けた自在
ジョイント35に連結し、前記保持盤34を固定盤36
に回転できるように取付けた構造となったもので、パイ
プ30の管端部へマンドレル31を押込み、小ローラ3
2を保持盤34と共に回転させることによって管端部を
拡管加工し、真円度矯正を行うものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、図8に示す
従来のメカニカル拡管機ヘッドの場合は、以下に記載す
る問題点がある。すなわち、このヘッドの場合、拡管率
は約1%程度であり、UO鋼管の最大外径60インチ
(直径1524mm)でも拡管によって伸びる外径は、
最大でも15mm程度である。一方、Oプレスダイス径
は通常2インチピッチのみであるため、中間的なサイズ
のパイプを成形する場合は、前記したごとく1サイズ下
のプレスダイスを使用し、かつストップライナーを厚く
してダイス径を見掛け上大きくすることで対応してい
る。そのため、中間的サイズのパイプを製造する場合
は、Oプレス後に大きな縦楕円が生じ、規格外れとなら
ないためには拡管処理を必要とするが、特に厚肉高強度
材による中間サイズのパイプの製造においては、現状の
1%程度の拡管率ではOプレスでの加工歪が拡管後も残
存し、縦楕円不良が多発する傾向にある。
従来のメカニカル拡管機ヘッドの場合は、以下に記載す
る問題点がある。すなわち、このヘッドの場合、拡管率
は約1%程度であり、UO鋼管の最大外径60インチ
(直径1524mm)でも拡管によって伸びる外径は、
最大でも15mm程度である。一方、Oプレスダイス径
は通常2インチピッチのみであるため、中間的なサイズ
のパイプを成形する場合は、前記したごとく1サイズ下
のプレスダイスを使用し、かつストップライナーを厚く
してダイス径を見掛け上大きくすることで対応してい
る。そのため、中間的サイズのパイプを製造する場合
は、Oプレス後に大きな縦楕円が生じ、規格外れとなら
ないためには拡管処理を必要とするが、特に厚肉高強度
材による中間サイズのパイプの製造においては、現状の
1%程度の拡管率ではOプレスでの加工歪が拡管後も残
存し、縦楕円不良が多発する傾向にある。
【0008】また、図9(A)(B)に示す管端真円度
矯正装置の場合は、(1)管端部のみの真円度改善しか
できないため、2分割品や現地切下げ等が生じた場合、
その箇所の真円度が悪化する、(2)管端部が拡管され
ることにより管中央部との外径差が生じ、流体を通すパ
イプとしては流体抵抗が大きくなり好ましくない、
(3)加工量が大きいため管端部の機械的性質が著しく
劣化する、(4)サイズ替時に行うマンドレルの交換に
多くの手間と時間を要する、(5)既設のラインに新た
に設置しなければならないためコスト的に不利である、
等の問題点がある。
矯正装置の場合は、(1)管端部のみの真円度改善しか
できないため、2分割品や現地切下げ等が生じた場合、
その箇所の真円度が悪化する、(2)管端部が拡管され
ることにより管中央部との外径差が生じ、流体を通すパ
イプとしては流体抵抗が大きくなり好ましくない、
(3)加工量が大きいため管端部の機械的性質が著しく
劣化する、(4)サイズ替時に行うマンドレルの交換に
多くの手間と時間を要する、(5)既設のラインに新た
に設置しなければならないためコスト的に不利である、
等の問題点がある。
【0009】この発明は、上記した従来技術の問題点に
鑑みなされたもので、特に図8に示すメカニカル拡管機
ヘッドの問題点を解決すべく、拡管前の大きな縦楕円の
矯正に有効でかつ拡管後の真円度を中間サイズにおいて
も確保することが可能なメカニカル拡管機ヘッドを提供
しようとするものである。
鑑みなされたもので、特に図8に示すメカニカル拡管機
ヘッドの問題点を解決すべく、拡管前の大きな縦楕円の
矯正に有効でかつ拡管後の真円度を中間サイズにおいて
も確保することが可能なメカニカル拡管機ヘッドを提供
しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、ドローバに
よって主シリンダーと連結されたコーン、該コーンの外
周に摺動可能に配したジョー、該ジョーの外側に取付け
られたダイとからなるメカニカル拡管機ヘッドにおい
て、前記ジョーとダイとの間に真円度矯正ライナーを挿
入しダイ外形が楕円形状となるように構成すること、ま
た前記真円度矯正ライナーは、プレート板状であって、
同一肉厚で厚肉のものと薄肉のもの、およびダイとの接
触面がテーパ状となした薄肉のものと厚肉のものとで構
成することを特徴とするものである。
よって主シリンダーと連結されたコーン、該コーンの外
周に摺動可能に配したジョー、該ジョーの外側に取付け
られたダイとからなるメカニカル拡管機ヘッドにおい
て、前記ジョーとダイとの間に真円度矯正ライナーを挿
入しダイ外形が楕円形状となるように構成すること、ま
た前記真円度矯正ライナーは、プレート板状であって、
同一肉厚で厚肉のものと薄肉のもの、およびダイとの接
触面がテーパ状となした薄肉のものと厚肉のものとで構
成することを特徴とするものである。
【0011】
【作用】ドローバによって主シリンダーと連結されたコ
ーン、該コーンの外周に摺動可能に配したジョー、該ジ
ョーの外側に取付けられたダイとからなるメカニカル拡
管機ヘッドは、ドローバによって軸方向に引かれるコー
ンとジョーのくさび作用によってダイが半径方向へ均等
に広がり拡管されるが、この発明のヘッドの場合は、ジ
ョーとダイとの間にダイ外形が楕円形状を呈するごとく
真円度矯正ライナーを挿入することにより、拡管前の縦
楕円形状のパイプを横方向へ大きく拡管することができ
るので、拡管後の真円度を中間サイズにおいても確保す
ることができる。
ーン、該コーンの外周に摺動可能に配したジョー、該ジ
ョーの外側に取付けられたダイとからなるメカニカル拡
管機ヘッドは、ドローバによって軸方向に引かれるコー
ンとジョーのくさび作用によってダイが半径方向へ均等
に広がり拡管されるが、この発明のヘッドの場合は、ジ
ョーとダイとの間にダイ外形が楕円形状を呈するごとく
真円度矯正ライナーを挿入することにより、拡管前の縦
楕円形状のパイプを横方向へ大きく拡管することができ
るので、拡管後の真円度を中間サイズにおいても確保す
ることができる。
【0012】真円度矯正ライナーを、同一肉厚で厚肉の
ものと薄肉のもの、およびダイとの接触面がテーパ状と
なした薄肉のものと厚肉のものとで構成するのは、ダイ
外形を楕円形状にするためであり、かつテーパを付けた
のは、ダイス間での高さ段差をなくすためである。すな
わち、ダイ間に高さ段差があると拡管中にパイプ内面に
擦疵が付くため、これを防止すべくテーパを付したライ
ナーを用いることとした。このテーパはダイとの接触面
側に付けるので、ダイのテーパ付ライナーとの接触面も
そのテーパ面に合うように形成する。
ものと薄肉のもの、およびダイとの接触面がテーパ状と
なした薄肉のものと厚肉のものとで構成するのは、ダイ
外形を楕円形状にするためであり、かつテーパを付けた
のは、ダイス間での高さ段差をなくすためである。すな
わち、ダイ間に高さ段差があると拡管中にパイプ内面に
擦疵が付くため、これを防止すべくテーパを付したライ
ナーを用いることとした。このテーパはダイとの接触面
側に付けるので、ダイのテーパ付ライナーとの接触面も
そのテーパ面に合うように形成する。
【0013】この発明の矯正ライナー付きヘッドによれ
ば、ダイ外形を楕円形状に形成することができるので、
管端部の真円度は勿論、管中央部まで良好な真円度が得
られる。管中央部の真円度は、特にUOE鋼管にとって
は極めて重要である。すなわち、UOE鋼管は溶接シー
ムが1本のため管端部の周方向1ケ所に溶接入熱による
残留応力が集中する。そのため、拡管後のパイプを中央
部で切断した場合にはその切断部の真円度が切断前に比
べて非常に悪化する可能性が強くなり、規格外れとなる
場合が多分にある。そのため、管中央部はより良好な真
円度を確保しておく必要がある。
ば、ダイ外形を楕円形状に形成することができるので、
管端部の真円度は勿論、管中央部まで良好な真円度が得
られる。管中央部の真円度は、特にUOE鋼管にとって
は極めて重要である。すなわち、UOE鋼管は溶接シー
ムが1本のため管端部の周方向1ケ所に溶接入熱による
残留応力が集中する。そのため、拡管後のパイプを中央
部で切断した場合にはその切断部の真円度が切断前に比
べて非常に悪化する可能性が強くなり、規格外れとなる
場合が多分にある。そのため、管中央部はより良好な真
円度を確保しておく必要がある。
【0014】
【実施例】図1はこの発明に係るメカニカル拡管機ヘッ
ドの構造例を示す縦断側面図、図2は同上ヘッドの正面
図、図3は同上ヘッドにおける真円度矯正ライナーを拡
大して示す斜視図で、(A)は同一肉厚の厚肉ライナ
ー、(B)はテーパ付きの厚肉ライナー、(C)はテー
パ付きの薄肉ライナー、(D)は同一肉厚の薄肉ライナ
ーをされぞれ示す。なおここでは、ダイが12分割され
た構造の拡管機ヘッドを例にとり説明する。
ドの構造例を示す縦断側面図、図2は同上ヘッドの正面
図、図3は同上ヘッドにおける真円度矯正ライナーを拡
大して示す斜視図で、(A)は同一肉厚の厚肉ライナ
ー、(B)はテーパ付きの厚肉ライナー、(C)はテー
パ付きの薄肉ライナー、(D)は同一肉厚の薄肉ライナ
ーをされぞれ示す。なおここでは、ダイが12分割され
た構造の拡管機ヘッドを例にとり説明する。
【0015】すなわち、この発明に係るメカニカル拡管
機ヘッドは、ドローバ1と一体構造のコーン2の外周に
摺動可能に配設したジョー3と、パイプ10と接するダ
イ4との間に真円度矯正ライナー7をダイ4の外形が楕
円形状となるようにサンドイッチ状に介在させて構成す
る。その際、真円度矯正ライナー7は、コーン2の上下
の辺に当たる位置には、図3(D)に示す同一肉厚の薄
肉ライナー7−4を、コーン2の左右の辺に当たる位置
には図3(A)に示す同一肉厚の厚肉ライナー7−1
を、その他の斜辺に当たる位置には図3(B)(C)に
示すテーパ付き厚肉ライナー7−2とテーパ付き薄肉ラ
イナー7−3を、それぞれダイの外面に段差が付かない
ように用いる。この真円度矯正ライナーはダイ4にネジ
止めにて固定する。
機ヘッドは、ドローバ1と一体構造のコーン2の外周に
摺動可能に配設したジョー3と、パイプ10と接するダ
イ4との間に真円度矯正ライナー7をダイ4の外形が楕
円形状となるようにサンドイッチ状に介在させて構成す
る。その際、真円度矯正ライナー7は、コーン2の上下
の辺に当たる位置には、図3(D)に示す同一肉厚の薄
肉ライナー7−4を、コーン2の左右の辺に当たる位置
には図3(A)に示す同一肉厚の厚肉ライナー7−1
を、その他の斜辺に当たる位置には図3(B)(C)に
示すテーパ付き厚肉ライナー7−2とテーパ付き薄肉ラ
イナー7−3を、それぞれダイの外面に段差が付かない
ように用いる。この真円度矯正ライナーはダイ4にネジ
止めにて固定する。
【0016】中間サイズのパイプの製造において、Oプ
レス後に大きな縦楕円が生じたパイプの拡管処理に上記
構造のメカニカル拡管機ヘッドを用いた場合、縦楕円が
生じたパイプは当該ヘッドにより横方向へ大きく拡管さ
れるので、拡管後の真円度を確保することができる。ま
た、ダイの外面には段差がないため、拡管中にパイプ内
面に擦疵が付くこともない。
レス後に大きな縦楕円が生じたパイプの拡管処理に上記
構造のメカニカル拡管機ヘッドを用いた場合、縦楕円が
生じたパイプは当該ヘッドにより横方向へ大きく拡管さ
れるので、拡管後の真円度を確保することができる。ま
た、ダイの外面には段差がないため、拡管中にパイプ内
面に擦疵が付くこともない。
【0017】拡管加工による塑性変形量はパイプのサイ
ズ(肉厚t/外径D)に依存するため、矯正ライナー7
の厚みの差を変えることで真円度の矯正量を変えること
ができる。図4はこの発明者らが各種のパイプサイズ
(t/D)と矯正ライナー厚み差および真円度矯正量と
の関係を実験的に求めたデータである。このデータよ
り、矯正ライナーを用いることによりすべてのサイズで
真円度矯正の効果が得られることがわかる。また、矯正
ライナーの位置を変えることで、様々な種類の方向の真
円度不良にも対応できる。
ズ(肉厚t/外径D)に依存するため、矯正ライナー7
の厚みの差を変えることで真円度の矯正量を変えること
ができる。図4はこの発明者らが各種のパイプサイズ
(t/D)と矯正ライナー厚み差および真円度矯正量と
の関係を実験的に求めたデータである。このデータよ
り、矯正ライナーを用いることによりすべてのサイズで
真円度矯正の効果が得られることがわかる。また、矯正
ライナーの位置を変えることで、様々な種類の方向の真
円度不良にも対応できる。
【0018】実施例1 対象サイズが外径40.3インチ(直径1024m
m)、肉厚29.1mm、長さ12200mmのUOE
鋼管(ブレード:API X65)の拡管処理を、図1
〜図3に示す矯正ライナー付きヘッドと、図8に示す従
来のヘッド(矯正ライナーなし)を用いて行った場合の
真円度を図5に示す。本実施例では真円度目標値(最大
外系ー最小外径)を5.0mm以下と設定し、使用した
矯正ライナーの厚みt1、t2、t3(図3参照)は、
それぞれ8.0mm、6.0mm、4.0mm(ライナ
ーの厚み差=4.0mm)であった。
m)、肉厚29.1mm、長さ12200mmのUOE
鋼管(ブレード:API X65)の拡管処理を、図1
〜図3に示す矯正ライナー付きヘッドと、図8に示す従
来のヘッド(矯正ライナーなし)を用いて行った場合の
真円度を図5に示す。本実施例では真円度目標値(最大
外系ー最小外径)を5.0mm以下と設定し、使用した
矯正ライナーの厚みt1、t2、t3(図3参照)は、
それぞれ8.0mm、6.0mm、4.0mm(ライナ
ーの厚み差=4.0mm)であった。
【0019】従来のヘッド(矯正ライナーなし)を用い
て拡管処理を行った場合には、規格外れのパイプが発生
したが、真円度矯正ライナー付きのヘッドを使用するこ
とで規格外れが皆無となり、拡管後の真円度(縦径ー横
径)も図5のデータより明らかなごとく平均値で4mm
程度マイナス側へ変化させることができた。
て拡管処理を行った場合には、規格外れのパイプが発生
したが、真円度矯正ライナー付きのヘッドを使用するこ
とで規格外れが皆無となり、拡管後の真円度(縦径ー横
径)も図5のデータより明らかなごとく平均値で4mm
程度マイナス側へ変化させることができた。
【0020】実施例2 対象サイズが外径29.0インチ(直径737.5m
m)、肉厚28.2mm、長さ12200mmのUOE
鋼管(ブレード:API X65)の拡管処理を、実施
例1と同様に、図1〜図3に示す矯正ライナー付きヘッ
ドと、図8に示す従来のヘッド(矯正ライナーなし)を
用いて行った場合の真円度を図6に、管端部真円度合格
率と管中央部真円度(縦ー横)を表1に、それぞれ示
す。本実施例では真円度目標値(最大外系ー最小外径)
を7.3mm以下(1%外径)と設定し、使用した矯正
ライナーの厚みt1、t2、t3(図3参照)は、それ
ぞれ11.5mm、11mm、10.5mm(ライナー
の厚み差=1.0mm)であった。
m)、肉厚28.2mm、長さ12200mmのUOE
鋼管(ブレード:API X65)の拡管処理を、実施
例1と同様に、図1〜図3に示す矯正ライナー付きヘッ
ドと、図8に示す従来のヘッド(矯正ライナーなし)を
用いて行った場合の真円度を図6に、管端部真円度合格
率と管中央部真円度(縦ー横)を表1に、それぞれ示
す。本実施例では真円度目標値(最大外系ー最小外径)
を7.3mm以下(1%外径)と設定し、使用した矯正
ライナーの厚みt1、t2、t3(図3参照)は、それ
ぞれ11.5mm、11mm、10.5mm(ライナー
の厚み差=1.0mm)であった。
【0021】図6および表1の結果より明らかなごと
く、この発明の真円度矯正ライナー付きヘッドを用いた
場合には、管端部および管中央部共に真円度が向上し
た。
く、この発明の真円度矯正ライナー付きヘッドを用いた
場合には、管端部および管中央部共に真円度が向上し
た。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】以上説明したごとく、この発明のUOE
鋼管拡管機ヘッドによれば、以下に記載する効果を奏す
る。 (1)Oプレス後のパイプ形状が極端に縦楕円となる中
間サイズパイプの真円度を管全長にわたって確保するこ
とができる。 (2)既存の拡管機に容易に適用することができ、コス
トが安価につく。 (3)管端部から中央部まで全長同じ拡管率で加工する
ことができるので、流体抵抗の小さなパイプを得ること
ができる。 (4)矯正ライナーの厚みの差を変えることで真円度の
矯正量を変えることができる。 (5)矯正ライナーの位置を変えることで、様々な種類
の方向の真円度不良にも対応できる。 (6)ヘッドの個数を増加させることなく製造可能パイ
プサイズを増やすことができる。
鋼管拡管機ヘッドによれば、以下に記載する効果を奏す
る。 (1)Oプレス後のパイプ形状が極端に縦楕円となる中
間サイズパイプの真円度を管全長にわたって確保するこ
とができる。 (2)既存の拡管機に容易に適用することができ、コス
トが安価につく。 (3)管端部から中央部まで全長同じ拡管率で加工する
ことができるので、流体抵抗の小さなパイプを得ること
ができる。 (4)矯正ライナーの厚みの差を変えることで真円度の
矯正量を変えることができる。 (5)矯正ライナーの位置を変えることで、様々な種類
の方向の真円度不良にも対応できる。 (6)ヘッドの個数を増加させることなく製造可能パイ
プサイズを増やすことができる。
【図1】この発明に係るメカニカル拡管機ヘッドの構造
例を示す縦断側面図である。
例を示す縦断側面図である。
【図2】同上ヘッドの正面図である。
【図3】同上ヘッドにおける真円度矯正ライナーを拡大
して示す斜視図で、(A)は同一肉厚の厚肉ライナー、
(B)はテーパ付きの厚肉ライナー、(C)はテーパ付
きの薄肉ライナー、(D)は同一肉厚の薄肉ライナーを
それぞれ示す。
して示す斜視図で、(A)は同一肉厚の厚肉ライナー、
(B)はテーパ付きの厚肉ライナー、(C)はテーパ付
きの薄肉ライナー、(D)は同一肉厚の薄肉ライナーを
それぞれ示す。
【図4】この発明者らが各種のパイプサイズ(t/D)
と矯正ライナー厚み差および真円度矯正量との関係を実
験的に求めたデータである。
と矯正ライナー厚み差および真円度矯正量との関係を実
験的に求めたデータである。
【図5】この発明の実施例1における真円度を従来と比
較して示す図である。
較して示す図である。
【図6】この発明の実施例2における真円度を従来と比
較して示す図である。
較して示す図である。
【図7】UOE鋼管の製造工程におけるOプレス加工方
法を例示したもので、(A)は通常のOプレス加工方
法、(B)はインサートライナーを用いたOプレス加工
方法、(C)は通常サイズを外れた中間サイズパイプの
Oプレス加工方法をそれぞれ示す。
法を例示したもので、(A)は通常のOプレス加工方
法、(B)はインサートライナーを用いたOプレス加工
方法、(C)は通常サイズを外れた中間サイズパイプの
Oプレス加工方法をそれぞれ示す。
【図8】従来のメカニカル拡管機ヘッドの構造例を示す
縦断側面図である。
縦断側面図である。
【図9】従来の管端真円度矯正装置を例示したもので、
(A)は一部破断側面図、(B)は正面図である。
(A)は一部破断側面図、(B)は正面図である。
1 ドローバ 2 コーン 3 ジョー 4 ダイ 5 ドローバ止めボルト 6 ダイ止め金具 7 真円度矯正ライナー 10 パイプ
Claims (2)
- 【請求項1】 ドローバによって主シリンダーと連結さ
れたコーン、該コーンの外周に摺動可能に配したジョ
ー、該ジョーの外側に取付けられたダイとからなるメカ
ニカル拡管機ヘッドにおいて、前記ジョーとダイとの間
に真円度矯正ライナーを挿入しダイ外形が楕円形状とな
るように構成したことを特徴とするメカニカル拡管機ヘ
ッド。 - 【請求項2】 真円度矯正ライナーは、プレート板状で
あって、同一肉厚で薄肉のものと厚肉のもの、およびダ
イとの接触面がテーパ状となした薄肉のものと厚肉のも
のとで構成することを特徴とする請求項1記載のメカニ
カル拡管機ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10776394A JP2817620B2 (ja) | 1994-04-22 | 1994-04-22 | メカニカル拡管機ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10776394A JP2817620B2 (ja) | 1994-04-22 | 1994-04-22 | メカニカル拡管機ヘッド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07290170A JPH07290170A (ja) | 1995-11-07 |
JP2817620B2 true JP2817620B2 (ja) | 1998-10-30 |
Family
ID=14467383
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10776394A Expired - Fee Related JP2817620B2 (ja) | 1994-04-22 | 1994-04-22 | メカニカル拡管機ヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2817620B2 (ja) |
Families Citing this family (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3250466B2 (ja) * | 1996-09-13 | 2002-01-28 | 住友金属工業株式会社 | メカニカル拡管機用拡管ダイス |
KR100541720B1 (ko) * | 2002-11-02 | 2006-01-11 | 주식회사 스틸카스피 | 베어링용 내,외측레이스 및 저어널베어링의 제조방법 |
JP6003841B2 (ja) * | 2013-08-01 | 2016-10-05 | Jfeスチール株式会社 | Uoe鋼管のピーキング低減方法 |
WO2016009653A1 (ja) * | 2014-07-18 | 2016-01-21 | Jfeスチール株式会社 | 拡管機 |
CN104588442B (zh) * | 2015-01-26 | 2017-09-19 | 上汽通用五菱汽车股份有限公司 | 一种加强筋矫正装置 |
EP3184183A1 (fr) * | 2015-12-22 | 2017-06-28 | Carrosserie Technic | Écarteur mécanique |
CN105710147B (zh) * | 2016-02-05 | 2017-11-10 | 攀钢集团成都钢钒有限公司 | 拉拔式扩制特大口径j55套管的生产方法 |
CN107597889A (zh) * | 2017-09-25 | 2018-01-19 | 西安长峰机电研究所 | 一种半封闭结构薄壁筒体热校形装置 |
CN109277437A (zh) * | 2018-10-10 | 2019-01-29 | 中国航发哈尔滨东安发动机有限公司 | 一种薄壁管轴端部箍圆装置 |
CN109530491B (zh) * | 2018-12-19 | 2024-06-07 | 浙江振兴阿祥集团有限公司 | 一种免润滑的涨型整圆模具 |
CN112058952A (zh) * | 2020-07-16 | 2020-12-11 | 成都飞机工业(集团)有限责任公司 | 一种用于内焊缝盒形件的分体式校形工装 |
KR102438796B1 (ko) * | 2021-09-13 | 2022-08-31 | (주)금강 | 피가공물을 균일하게 확장시키는 다방향 실린더 및, 이를 이용한 파이프 확관 방법 |
CN113732114A (zh) * | 2021-09-29 | 2021-12-03 | 江南工业集团有限公司 | 一种大直径薄壁圆环胀圆工具及其使用方法 |
-
1994
- 1994-04-22 JP JP10776394A patent/JP2817620B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07290170A (ja) | 1995-11-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2817620B2 (ja) | メカニカル拡管機ヘッド | |
JP2003285117A (ja) | バルジ加工用素管の製造法、バルジ成形品及びその製造法 | |
JP2760269B2 (ja) | バルジ形状配管の製造方法 | |
JP2871532B2 (ja) | Uo鋼管の製造方法 | |
JP3250466B2 (ja) | メカニカル拡管機用拡管ダイス | |
JP5333281B2 (ja) | Uoe鋼管の拡管時湾曲防止方法 | |
JPH09103819A (ja) | 引抜き加工による形状精度が優れたパイプの製造方法及び引抜き加工用工具 | |
JP2019177395A (ja) | 鋼板の端曲げ方法および装置並びに鋼管の製造方法および設備 | |
JP5040189B2 (ja) | 異形管の曲げ加工方法および加工された自動車用部品 | |
JPH06198337A (ja) | 溶接鋼管矯正方法 | |
JP6566231B1 (ja) | 鋼板の端曲げ方法および装置並びに鋼管の製造方法および設備 | |
JP4906849B2 (ja) | 鋼管の拡管成形方法および鋼管の拡管成形装置 | |
JP6566232B1 (ja) | 鋼板の端曲げ方法および装置並びに鋼管の製造方法および設備 | |
JP2002113524A (ja) | 金属管加工用中子および金属管の加工方法 | |
JP2007160383A (ja) | 溶接部特性の良好な電縫管の製造方法 | |
JPH11285729A (ja) | Uoe鋼管の製造方法 | |
US3222905A (en) | Method of forming tubular metal products by extrusive rolling | |
JPS603995A (ja) | 大径溶接鋼管の製造方法 | |
JPS59199117A (ja) | Uoe方式による鋼管製造法 | |
JP4946206B2 (ja) | 異形管の曲げ加工方法および曲げ加工装置、並びに加工された自動車用部品 | |
JP2004195504A (ja) | 鋼管の成形装置、成形方法、及び製造設備列 | |
JP4442973B2 (ja) | 鋼管管端の拡管方法 | |
JPH0394936A (ja) | Uoe鋼管の拡管方法 | |
JPS58221616A (ja) | 不等肉厚溶接鋼管の製造方法 | |
JPS61147930A (ja) | 鋼管の整形拡管方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |