JP4907080B2 - 異形管の引張曲げ加工方法および加工された自動車用部品 - Google Patents

異形管の引張曲げ加工方法および加工された自動車用部品 Download PDF

Info

Publication number
JP4907080B2
JP4907080B2 JP2004375966A JP2004375966A JP4907080B2 JP 4907080 B2 JP4907080 B2 JP 4907080B2 JP 2004375966 A JP2004375966 A JP 2004375966A JP 2004375966 A JP2004375966 A JP 2004375966A JP 4907080 B2 JP4907080 B2 JP 4907080B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bending
deformed
tube
deformed pipe
die
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2004375966A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006181593A (ja
Inventor
淳 富澤
吾郎 山田
徳昌 亀岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP2004375966A priority Critical patent/JP4907080B2/ja
Publication of JP2006181593A publication Critical patent/JP2006181593A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4907080B2 publication Critical patent/JP4907080B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Bending Of Plates, Rods, And Pipes (AREA)

Description

本発明は、異形管の引張曲げ加工方法およびそれで加工された自動車用部品に関し、さらに詳しくは高強度で、かつ薄肉のテーパ形状の被加工管であっても、曲げ加工限界を大幅に向上させることができる異形管の引張曲げ加工方法、およびこの加工法により得られた自動車用部品に関するものである。
近年、自動車業界においては、地球環境への配慮とともに車体に対する安全性の要求が高まり、自動車部品の軽量化および高強度化に対する要請がますます厳しくなっており、燃費向上や衝突安全性の向上といった観点から、自動車用部品の開発が進められている。このような要請に対応するため、従来とは全く異なる強度レベルからなる高張力鋼板、例えば、引張強さが590MPa以上、780MPa以上、または900MPa以上という高強度の素材が広く用いられるようになっている。
一方、これらの素材の高強度化とともに、従来の自動車用部品の構造を見直すことも行われている。例えば、特許文献1には、センターピラーを対象にして部品構造を見直す提案が示されている。具体的には、車体のセンターピラー部は、上端側が小径、下端側が大径であり、上端側から下端側へ向かい外周形状(断面)が漸次変化する細長の形状をなしていることから、通常のプレス品のスポット溶接による組み立て構造を、テーパ形状の異形管を用いた閉断面構造に変更することにしている。
従来から用いられていた開断面構造の部品を閉断面にすることにより、部品全体としての剛性や衝突特性が大幅に向上させることができる。また、特許文献1に開示される例によれば、通常のストレート管の形状に替えて、断面形状が長手方向に変化するテーパ形状の異形管を素材に用いることにより、部品の製造工程を簡略化できるとともに、剛性を高め必要な部品強度を確保できることから、自動車用部品の装着スペースや重量を減少させることができるとしている。
ところで、上述の通り、製造工程上のメリットを有する異形管であっても、多様な自動車用部品に適用しようとすると、所定形状の異形管に曲げ加工を施すことが必要になる。また、曲げ加工を施した異形管をハイドロフォームの素材として用いることによって、さらに適用範囲を拡大することが可能になり、優れた性能を有する自動車用部品を得ることができる。
このような異形管の曲げ加工技術の開発要求に対して、特許文献2には、テーパ管の如き棒状素材の曲げ加工方法として、素材と同一の半円形の溝を有し、かつこの溝が周上除々に半径を変え、素材と接触する部分の半径が素材の半径と常に等しくなるように成形されているローラとダイスとによって、テーパ形状の棒状素材を挟み、ローラを回転させながらダイスに沿わせて曲げ変形を行う方法が開示されている。
また、特許文献3には、テーパ管を所定の形状に折り曲げるための曲げ金型と、この曲げ金型に添設したテーパ管を回転ベースにより曲げ金型に沿って加圧しつつ回動するロールガイドとを設けて、このロールガイドの凹溝曲面を曲げ加工後のテーパ管の形状に略同じ曲面により形成し、これらの曲げ金型とロールガイドとによって曲げ加工するテーパ管の曲げ加工装置が提案されている。
特開2001−321842号公報
特開昭49−94347号公報 特開2001−47141号公報
前述の通り、自動車用部品の加工技術の多様化にともなう、テーパ形状の異形管の曲げ加工技術の開発要求に対応し、異形管の加工方法や加工装置が提案されている。しかし、特許文献2、3で提案されているのは、いずれも街路灯等に使用されるテーパ丸管の曲げ加工であり、それほどの加工精度や加工限界が要求される技術ではなく、いわゆる押し付け曲げ加工に基づく加工方法や加工装置である。
図1は、特許文献2、3で提案される押し付け曲げ加工の内容を説明する図である。同(a)はローラ2とダイス3との間の溝空間にテーパ丸管(異形管)1を挿入した状態を示し、(b)は曲げ加工の進行状態を示し、(c)は曲げ加工が終了した状態を示している。しかし、押し付け曲げ加工は、単に素管をダイス型に押し付けながら成型する方法であるため、曲げ内周側に座屈が生じ易く、薄肉の異形管の曲げ加工に適用するのは困難である。
特に、自動車車体の軽量化に対応するため、引張強さが580MPa級を超えるような高強度の異形管を曲げ加工する場合には、押し付け曲げ加工では特に曲げ内周側にしわの発生が顕著となり、曲げ成形法として採用することができないという問題がある。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、異形管の曲げ加工に際して、自動車用部品の加工技術の多様化にともない、薄肉の異形管を被加工材とする場合であっても、また高強度の異形管を成形加工する場合であっても、加工性能を確保することができるとともに、作業能率に優れた異形管の引張曲げ加工方法、およびこの加工法により得られた自動車用部品を提供することを目的としている。
本発明者らは、前述の課題を達成するため、ストレート管の曲げ加工限界について各種の曲げ加工方法に基づいて検討を加えた。曲げ加工限界には管の肉厚/外径比(t/D)および曲げ半径/外径比(r/D)が大きく影響を与えることから、当然のことながら薄肉管の曲げ加工限界は著しく低下する。
また、管の曲げ加工において加工限界の要因となるのは、曲げ外周側での引張応力による破断(割れ発生)、曲げ内周側での圧縮応力による座屈(しわ発生)、さらに偏平などにみられる断面形状の変形発生である。
このような観点に基づいて各種の曲げ加工方法を検討した結果、曲げ加工限界について引張曲げ加工が他の曲げ加工方法に比べ優れることに着目した。すなわち、引張曲げ加工ではストレート素管の両端をクランプし、ダイス型を回転させながら引張応力を付与しつつ成形する方法であり、管が引張られながら曲げ加工が施されることから、曲げ内周側での圧縮応力による座屈が発生しにくく、曲げ半径も小さくできることによる。
しかしながら、引張曲げ加工をテーパ形状の異形管に適用する場合には、テーパ素管の両端をクランプする必要があるが、両端のうち外径または周長が漸次減少する側の管端部(以下、本明細書では「小周長側端部」という)ですべりが発生し、曲げ成形の過程において充分に引張応力を付与することができないという問題がある。
具体的には、通常のストレート管において、管の外径をDとすると、経験上クランプ長さは1.5Dから2Dの範囲が必要になる。しかし、異形管の引張曲げ加工において、小周長側端部でその対極となる外径または周長が漸次増加する側の管端部(以下、本明細書では「大周長側端部」という)に加わる引張応力を支えようとすると、通常のストレート管のクランプ長さに比べ、極めて長いクランプ長さが必要になる。
また、クランプ部が先細り形状になっているため、一旦軸方向にすべりが発生すると、クランプ部との接触面が離れ、クランプ力が解放されるため、曲げ成形の過程を通じて拘束することが困難になる。これらを解消するため、クランプ長さを過大に設計せざるを得ず、製品形状に大きな制約が生じることになる。
そこで、種々のクランプ方法について試行錯誤を繰り返した結果、異形管の小周長側端部のクランプにおいて、塑性変形を与えることよって管端部でのすべりを防止できること、また、小周長側端部の内面に保持工具を装着することよって管端部でのすべりを防止できることを明らかにし、いずれも引張曲げ加工をテーパ形状の異形管に適用する場合に有効であることを知見した。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、下記(1)〜(3)の異形管の引張曲げ加工方法、および(4)の自動車用部品を要旨としている。
(1)軸方向の一方から他方にかけて周長が漸次増加または減少する異形管を、その曲げ加工後の形状と略同一の孔型を有する回転曲げダイスと、異形管の形状と略同一の孔型を有する孔型ガイドとで外周から前記異形管を保持して引張曲げ加工する方法であって、当該異形管の先端側に設けられる加工端をクランプするとともにその対極となる送り端をクランプし、前記異形管を前記回転曲げダイスに嵌合させつつ、前記異形管の加工端を前記回転曲げダイスの回転に同調して移動させ、前記孔型ガイドを前記異形管の送り端と同じ速度で移動させるとともに、前記異形管の送り端を加工端の移動速度より遅く移動させ、または移動させることなく保持し、同時に前記異形管の両端のうち、小周長側端部を構成する加工端または送り端に塑性変形を与えて加工端または送り端の移動時のすべりを防止することによって曲げ加工を行うことを特徴とする異形管の引張曲げ加工方法である。
(2)上記(1)の異形管の引張曲げ加工方法では、前記異形管の両端のうち、小周長側端部に塑性変形を与える場合には、当該小周長側端部を保持する孔型寸法に起因して形成すること、或いは締め付けダイの表面粗度または締め付けダイ表面に付与された突起や溝によって施すことができる。
(3)上記(1)、(2)の異形管の引張曲げ加工方法では、前記異形管の内面に略一致した形状の芯金を装着して内面を拘束しつつ曲げ加工を行うこと、または前記異形管の送り端の移動速度を加工部位に応じて調整しつつ曲げ加工を行うことが望ましい。
(4)上記(1)〜(3)の異形管の引張曲げ加工方法によって加工され、ブレーキペダルおよびシートフレームの車体基材、またはリインフォースの車体骨格部材に用いられることを特徴とする自動車用部品である。
本発明で規定する「異形管」とは、断面形状が軸方向に変化することにより、軸方向の一方から他方にかけて周長が漸次増加または減少するテーパ丸管、テーパ角管、およびこれらの組み合わせからなるテーパ管を意味する。
本発明の異形管の引張曲げ加工方法によれば、曲げ内周側での圧縮応力による座屈発生を抑制し、曲げ半径も小さくできることから、曲げ加工限界を大幅に向上させることができ、高強度で、かつ薄肉のテーパ形状の異形管を用いる場合であっても、曲げ精度に優れ、加工欠陥の少ない自動車用部品を曲げ成形できる。
これにより、一層、車体の軽量化とともにコスト低減が図れ、益々高度化する自動車用部品に対する要求レベルにも対応することができる。
本発明の異形管の引張曲げ加工方法の具体的な内容を図面に基づいて説明する。
図2は、本発明の引張曲げ加工方法を実施するための装置構成を示す図であり、(a)は曲げ加工前に異形管をセットした状態を示し、(b)は曲げ加工が進行している状態を示している。図2(a)に示すように、異形管1の先端側にセットされる加工端は、小周長側端部からなり、回転曲げダイス3に設けられた金型クランプ4と締め付けダイ5とでクランプされる。
一方、異形管1の後端側となる送り端は、大周長側端部からなり、図示されない送り装置に接続されたロッド7に取り付けられた保持装置6と後端クランプダイ8とに挟み込まれた状態で加工装置にセットされる。
図3は、本発明が採用する加工装置の回転曲げダイス、締め付けダイおよび孔型ガイドの構成を示す斜視図であり、(a)は回転曲げダイスの構成、(b)は締め付けダイの構成、(c)孔型ガイドの構成をそれぞれ示している。回転曲げダイス3には金型クランプ4が設けられており、これらの内周面には異形管の曲げ加工後の形状と略同一の孔型3aが設けられている。また、締め付けダイ5には異形管の先端部の形状と略同一の孔型5aが設けられ、金型クランプ4とで異形管1の加工端を挟み込む。さらに、孔型ガイド9には異形管の形状と略同一の孔型9aが設けられている。
図3に示す構成からなる金型クランプ4および締め付けダイ5でクランプされた異形管1は、図2(b)に示すように、回転曲げダイス3により加工端が回転され、曲げ加工に進行する。すなわち、異形管1を孔型3aを有する回転曲げダイス3に嵌合させつつ、異形管1の加工端を回転曲げダイス3の回転にともなって移動させ、曲げ加工が進むにつれて、異形管1の曲げ内周部が回転曲げダイス3の孔型3aに拘束され製品形状に保持される。
図2(b)に示す曲げ加工では、異形管1の送り端側の送り速度と加工端側の回転曲げダイス3の回転速度を制御することにより、異形管1の送り端を加工端の移動速度より遅く移動させる。これにより、異形管1の曲げ加工部には、適度な引張応力を付与することができるので、曲げ内周側に発生する座屈を抑制でき、薄肉異形管における曲げ加工限界を改善できる。
一方、異形管1の曲げ加工部に大きな引張応力を付与する必要がある場合、または曲げ加工部が微小な場合には、異形管1の送り端を移動させることなく保持することができる。また、異形管1の曲げ加工部位に応じて、付与する引張応力の調整を要する場合には、異形管1の送り端の移動速度を加工部位に応じて調整しつつ曲げ加工を行うのが望ましい。
前記図2に示す加工装置では、異形管1の側面は、別の送り装置(図示せず)に接続されたロッド10に接続された孔型ガイド9に保持されている。孔型ガイド9は、異形管1の曲げ加工部を外周側から保持することによって、異形管の断面形状の変形発生を抑制できる。通常、孔型ガイド9は異形管の送り速度と同じ速度でよい。この場合には、孔型ガイド9と保持装置6とを一体構造することができる。
前記図2に示す加工装置では、異形管1の加工端を小周長側端部で構成しているが、本発明ではこのセット状態に限定されるものではなく、加工端を大周長側端部で構成し、送り端を小周長側端部で構成することができる。
前述の通り、異形管1の引張曲げ加工の際し、その両端をクランプするのにともない小周長側端部ですべりが発生し、曲げ加工部に充分な引張応力を付与することができない事態が発生する。これに対し種々の対応が可能であるが、本発明の引張曲げ加工方法では、実操業を想定した場合により実現可能な対策として、小周長側端部に塑性変形を与えることよって管端部で発生するすべりを防止する手段、または小周長側端部の内面に保持工具を装着することよって管端部で発生するすべりを防止する手段を採用できる。
以下に、これらの手段の具体的な内容を説明するが、その内容は単に例示であり、これらの手段に限定されるものではない。また、例示では小周長側端部を加工端としているが、小周長側端部を送り端としても同様の効果が得られる。まず、異形管の小周長側端部に塑性変形を与える手段については、次の(a)〜(c)が例示できる。
(a)異形管の小周長側端部を保持する金型クランプと締め付けダイとの孔型寸法を、小周長側端部に塑性変形が生ずるような寸法に設計し、クランプ力を高める。
(b)異形管の小周長側端部を保持する金型クランプと締め付けダイとの孔型表面の粗度を大きくし、小周長側端部に微小な塑性変形が生ずる場合であっても、クランプ力を高めるようにする。より具体的には、小周長側端部を保持するクランプ部の孔型表面の粗度はRmax>100μmに以上するのが望ましい。
(c)異形管の小周長側端部を保持する金型クランプと締め付けダイとの孔型表面に微少な突起や溝を付与し、小周長側端部に微小な塑性変形が生ずる場合であっても、クランプ力を高めるようにする。
次に、小周長側端部の内面に保持工具を装着する手段については、具体的な保持工具とその装着要領を図面を用いて例示する。
図4は、本発明が採用する保持工具とその装着要領の1例を説明する斜視図である。本発明の引張曲げ加工方法では、異形管1に挿入してその内面から小周長側端部を保持する保持工具11を用いることができる。図4に示す保持工具11の先端側は小周長側端部の内径より小径の円柱であり、後端側は円錐状に拡がり小周長側端部の内径より大径となっており、小周長側端部の内径より小径となる円柱部の左右にはスリット11sが刻まれている。
このように保持工具11を構成することによって、異形管1の内面に挿入された保持工具11により小周長側端部をその内面から保持することができる。図4では、保持工具11は円柱状で構成される場合を示したが、異形管の形状に応じて、他に角柱状、多角柱状にすることができる。
前記図2に示す装置構成で曲げ加工を行う場合は、回転曲げダイスに設けられた金型クランプ4と締め付けダイ5の内面にもスリット4s、5sが刻まれており、異形管1の加工端が金型クランプ4と締め付けダイ5とにクランプされた後、保持工具11を掛止するため、これらのスリット4s、5s、11sにストッパー12が挿入される。この状態で曲げ加工部に引張応力が作用しても、ストッパー12で掛止され保持工具11で支持されて、小周長側端部はすべりを発生することなく引張曲げ加工が行われる。
しかも、異形管1の小周長側端部に要するクランプ長さは、保持具11を用いることにより、ストレート管を引張曲げ加工する場合に必要とするクランプ長さをより短くすることができる。
図5は、本発明が採用する芯金の断面構成を示す図である。本発明の引張曲げ加工方法では、図5に示すような異形管の内面形状に略一致した曲げに追従可能な芯金13を用いることによって、異形管の内面を拘束しつつ引張曲げ加工を行うことができる。このため、芯金13の追従作用により曲げ加工限界を大幅に拡大することが可能になる。
さらに、本発明に適用できる芯金は、図5に示す構造の芯金13に限定されず、例えば、ウレタンゴムを異形管の内面形状に略一致した形状に加工し、それを芯金として用いることもできる。
本発明の引張曲げ加工方法では、対象とする異形管の断面形状が特異な形状である場合、例えば、幅方向の厚みtが均一である場合(後述する図6(b)に示す断面形状例)、または曲げ内周側から曲げ外周側に亘り厚みtが増大する場合(後述する図7(b)に示す断面形状例)には、さらに改善した曲げ加工方法を適用することができる。
図6は、異形管の断面形状が幅方向の厚みtが均一である場合に適用できる引張曲げ加工方法を説明する図であり、(a)はその方法を実施するための装置構成を、(b)は曲げ加工における加工部位の断面を、(c)はワイパーダイスの断面構成をそれぞれ示している。
図7は、異形管の断面形状が曲げ内周側から曲げ外周側に亘り厚みtが増大する場合に適用できる引張曲げ加工方法を説明する図であり、(a)はその方法を実施するための装置構成を、(b)は曲げ加工における加工部位の断面を、(c)はワイパーダイスの断面構成をそれぞれ示している。
図6、図7に示す加工方法では、加工後の異形管1のほぼ全幅に亘り厚みt方向に拘束する孔型を有する回転曲げダイス3を用いて引張曲げ加工を行うが、孔型ガイド9には孔型を設けておらず、単に異形管1の外周側面を支えるだけである。図6(a)、図7(a)に示す装置構成によれば、前記図2示す装置構成に比べ、異形管1が回転曲げダイス3から受ける拘束面積が大きくなるため、曲げ加工部の断面変形を抑制できることから、良好な異形管の製品を得ることができる。
また、図6(a)、図7(a)に示す装置構成では、回転曲げダイス3の入り側にあって、異形管1を厚みt方向に拘束するワイパーダイス14を設けることができる。異形管1の断面形状が幅方向の厚みtが均一である場合、または断面形状が曲げ内周側から曲げ外周側に亘り厚みtが増大する場合に適用できるワイパーダイス14の断面構成を、図6(c)、図7(c)に示すが、ワイパーダイス14を設けることによって、さらに曲げ加工部の断面変形を抑制できることから、良好な異形管の製品を得ることができる。
一方、異形管の断面形状が幅方向の厚みtが均一であり、または断面形状が曲げ内周側から曲げ外周側に亘り厚みtが増大し、かつ片側が直角となる異形管1を曲げ加工する場合には、孔型ガイド9は異形管1の送り方向に自由に前進できることから、異形管1の送り速度と孔型ガイド9の送り速度を個別に設定できる。この場合に、異形管1の送り速度に比べ、孔型ガイド9の送り速度を速くすれば、異形管1の曲げ外周側に摩擦力による圧縮力を付加することができる。この圧縮力を付加する作用により、異形管の曲げ外周側の引張応力による割れ発生を抑制することができる。
本発明の引張曲げ加工方法では、高強度で、かつ薄肉の異形管を安定した品質特性で曲げ成形することができることから、例えば、図8に示すブレーキペダルの他にも、シートフレームなどの車体基材、またはリインフォースなどの車体骨格部材として適用することができる。
本発明の引張曲げ加工方法による効果を確認するため、表1に示す特性の薄鋼板を用いて、供試用の異形管として2種類のテーパ管を作製した。
まず、表1に示す薄鋼板Aを用いて、プレス成形により、厚みが20mm一定で、小周長側端部幅が19mm、大周長側端部幅が50mmで、コーナRが4〜5mmであり、管長さが440mm、軸方向に対称なテーパ管を作製した(以下、「テーパ管A」という)。
次に、表1に示す薄鋼板Bを用いて、UO成形により、小周長側端部がφ22mm、大周長側端部がφ42mmで、管長さが440mmのテーパ管を作製した(以下、「テーパ管B」という)。
Figure 0004907080
(実施例1)
得られたテーパ管Aを用いて、表2に示す各条件で曲げ加工を実施し、加工後の状況を表面観察した。また、それぞれのクランプ方式についてクランプ長さを変化させ、すべりが発生しない最小のクランプ長さを調査した。観察結果および調査結果を表3に示す。
Figure 0004907080
Figure 0004907080
表3に示す結果から、本発明法によれば従来法(押し付け曲げ加工)では困難であった薄肉異形管であっても、良好な加工精度で曲げ成形が可能になることが分かる。また、本発明法によればクランプ長さもストレート管の引張曲げで必要とされるクランプ長さより短くできることも明らかである。
(実施例2)
得られたテーパ管Bを用いて、表4に示す各条件で曲げ加工を実施し、加工後の状況を表面観察し、その結果を表5に示した。
Figure 0004907080
Figure 0004907080
表5の結果が示すように、本発明法によれば、従来法(押し付け曲げ加工)では困難であった高強度で薄肉異形管であっても、良好な曲げ成形が可能になった。さらに、本発明法では芯金を併用することで、しわ防止が可能で、より広い成形可能範囲が得られることも分かった。
本発明の異形管の引張曲げ加工方法によれば、曲げ内周側での圧縮応力による座屈発生を抑制し、曲げ半径も小さくできることから、曲げ加工限界を大幅に向上させることができ、高強度で、かつ薄肉のテーパ形状の異形管を用いる場合であっても、曲げ精度に優れ、加工欠陥の少ない自動車用部品を曲げ成形できる。
これにより、一層、車体の軽量化とともにコスト低減が図れ、益々高度化する自動車用部品に対する要求レベルにも対応することができるので、自動車用部品の加工技術として広く適用できる。
先行技術である押し付け曲げ加工の内容を説明する図であり、(a)はローラ2とダイス3との間の溝空間にテーパ丸管(異形管)1を挿入した状態を示し、(b)は曲げ加工の進行状態を示し、(c)は曲げ加工が終了した状態を示している。 本発明の引張曲げ加工方法を実施するための装置構成を示す図であり、(a)は曲げ加工前に異形管をセットした状態を示し、(b)は曲げ加工が進行している状態を示している。 本発明が採用する加工装置の回転曲げダイス、締め付けダイおよび孔型ガイドの構成を示す斜視図であり、(a)は回転曲げダイスの構成、(b)は締め付けダイの構成、(c)孔型ガイドの構成をそれぞれ示している。 本発明が採用する保持工具とその装着要領の1例を説明する斜視図である。 本発明が採用する芯金の断面構成を示す図である。 異形管の断面形状が幅方向の厚みtが均一である場合に適用できる引張曲げ加工方法を説明する図である。 異形管の断面形状が曲げ内周側から曲げ外周側に亘り厚みtが増大する場合に適用できる引張曲げ加工方法を説明する図である。 本発明の引張曲げ加工方法が適用できるブレーキペダルを示す図である。
符号の説明
1:異形管、テーパ管、 2:ロール
3:ダイス、回転曲げダイス3、 4:金型クランプ
5、締め付けダイ、 6:保持装置
7:ロッド、 8:後端クランプダイ
9:孔型ガイド、 10:ロッド

Claims (6)

  1. 軸方向の一方から他方にかけて周長が漸次増加または減少する異形管を、その曲げ加工後の形状と略同一の孔型を有する回転曲げダイスと、異形管の形状と略同一の孔型を有する孔型ガイドとで外周から前記異形管を保持して引張曲げ加工する方法であって、
    当該異形管の先端側に設けられる加工端をクランプするとともにその対極となる送り端をクランプし、
    前記異形管を前記回転曲げダイスに嵌合させつつ、前記異形管の加工端を前記回転曲げダイスの回転に同調して移動させ、前記孔型ガイドを前記異形管の送り端と同じ速度で移動させるとともに、
    前記異形管の送り端を加工端の移動速度より遅く移動させ、または移動させることなく保持し、
    同時に前記異形管の両端のうち、小周長側端部を構成する加工端または送り端に塑性変形を与えて加工端または送り端の移動時のすべりを防止することによって曲げ加工を行うことを特徴とする異形管の引張曲げ加工方法。
  2. 前記小周長側端部に与えられる塑性変形が、当該小周長側端部を保持する孔型寸法に起因して形成され、或いは締め付けダイの表面粗度または締め付けダイ表面に付与された突起や溝によって施されることを特徴とする請求項1に記載の異形管の引張曲げ加工方法。
  3. 前記異形管の両端のうち、小周長側端部の内面に保持工具を装着して加工端の移動時、または送り端の移動時のすべりを防止することを特徴とする請求項1に記載の異形管の引張曲げ加工方法。
  4. 前記異形管の内面に略一致した形状の芯金を装着して内面を拘束しつつ、曲げ加工を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の異形管の引張曲げ加工方法。
  5. 前記異形管の送り端の移動速度を加工部位に応じて調整しつつ、曲げ加工を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の異形管の引張曲げ加工方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の引張曲げ加工方法によって加工され、ブレーキペダルおよびシートフレームの車体基材、またはリインフォースの車体骨格部材に用いられることを特徴とする自動車用部品。
JP2004375966A 2004-12-27 2004-12-27 異形管の引張曲げ加工方法および加工された自動車用部品 Active JP4907080B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004375966A JP4907080B2 (ja) 2004-12-27 2004-12-27 異形管の引張曲げ加工方法および加工された自動車用部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004375966A JP4907080B2 (ja) 2004-12-27 2004-12-27 異形管の引張曲げ加工方法および加工された自動車用部品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006181593A JP2006181593A (ja) 2006-07-13
JP4907080B2 true JP4907080B2 (ja) 2012-03-28

Family

ID=36735071

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004375966A Active JP4907080B2 (ja) 2004-12-27 2004-12-27 異形管の引張曲げ加工方法および加工された自動車用部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4907080B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106825144A (zh) * 2016-11-21 2017-06-13 合肥兰赫箱包制造有限公司 一种箱包胚料双边四角同步折弯机

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2405154B1 (es) * 2011-10-21 2014-08-04 Batz, S.Coop. Método de fabricación de un pedal para un vehículo motor, y pedal obtenido según el método de fabricación
CN106670272B (zh) * 2016-11-21 2019-01-22 安徽兰赫智能制造有限公司 一种箱包折弯机四角同步折弯机构
CN108326096B (zh) * 2018-02-09 2019-07-26 江苏新泰隆管件有限公司 金属扭弯装置
CN111957774A (zh) * 2020-06-24 2020-11-20 东风汽车底盘系统有限公司 一种导向臂侧弯成型工装

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57204824U (ja) * 1981-06-22 1982-12-27
JPS5939423A (ja) * 1982-08-30 1984-03-03 Hitachi Ltd 引張曲げ加工方法
JPS60137524A (ja) * 1983-12-27 1985-07-22 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 管の曲げ加工方法
JPS60231527A (ja) * 1984-04-27 1985-11-18 Sumitomo Metal Ind Ltd 管の曲げ加工方法
JPH03234320A (ja) * 1990-02-09 1991-10-18 Hitachi Ltd パイプ曲げ加工装置
JPH07155851A (ja) * 1993-12-06 1995-06-20 Kobe Steel Ltd 曲げ加工方法
JP3715077B2 (ja) * 1997-06-11 2005-11-09 バブコック日立株式会社 管の曲げ加工装置
JP2001232420A (ja) * 2000-02-23 2001-08-28 Watanabe Seisakusho:Kk 管材曲成装置
JP3833874B2 (ja) * 2000-05-10 2006-10-18 三菱自動車工業株式会社 車体部材

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106825144A (zh) * 2016-11-21 2017-06-13 合肥兰赫箱包制造有限公司 一种箱包胚料双边四角同步折弯机
CN106825144B (zh) * 2016-11-21 2019-01-22 安徽兰赫智能制造有限公司 一种箱包胚料双边四角同步折弯机

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006181593A (ja) 2006-07-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5162102B2 (ja) 異形管の曲げ加工方法およびその曲げ加工装置、並びにそれらを用いた曲げ加工製品
EP3225321B1 (en) A method of producing a steel pipe
US10618363B2 (en) Torsion beam manufacturing method and torsion beam manufacturing apparatus
JP4993951B2 (ja) パイプの曲げ加工方法および装置
US8468698B2 (en) Spinning method
JP4907080B2 (ja) 異形管の引張曲げ加工方法および加工された自動車用部品
JP2006326637A (ja) パイプ曲げ加工装置及びパイプ曲げ加工方法
JP7163854B2 (ja) 金属製曲管製造方法
JP5040189B2 (ja) 異形管の曲げ加工方法および加工された自動車用部品
JP4946206B2 (ja) 異形管の曲げ加工方法および曲げ加工装置、並びに加工された自動車用部品
JP4270921B2 (ja) 有底管およびその成形方法
JPH09103819A (ja) 引抜き加工による形状精度が優れたパイプの製造方法及び引抜き加工用工具
JP4906849B2 (ja) 鋼管の拡管成形方法および鋼管の拡管成形装置
JP5037020B2 (ja) 金属管部品の製造方法
JP7036195B2 (ja) 成形品の製造方法
JP2007185697A (ja) 金属管の加工方法及び加工装置
US6253596B1 (en) Process and device for producing pipes as per the UOE process
JP7041319B2 (ja) 筒状部材の製造方法
Chatti et al. New incremental methods for springback compensation by stress superposition
WO2023136172A1 (ja) 中空部材の製造方法
RU2774676C2 (ru) Способ гибки труб и станок для осуществления способа
JP2009255166A (ja) パイプの曲げ加工方法および装置
JP2010179319A (ja) 異径鋼管の製造方法
JP2000140947A (ja) ベンディングロールによるパイプ成形方法及びパイプ
CN109803877B (zh) 仪表板横梁、托架组及仪表板横梁接合体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090410

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090421

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090618

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091215

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100212

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100817

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101117

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20101130

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20101117

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20110128

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111014

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150120

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4907080

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150120

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150120

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350