JP2009255166A - パイプの曲げ加工方法および装置 - Google Patents

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裕二 橋本
Toyohisa Shingu
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Abstract

【課題】高強度薄肉鋼管を素材パイプとして、曲げ部内側にしわを発生させることなく、高作業能率で、所望の曲げ形状となるように曲げ加工を施すことができる加工方法および装置を提供する。
【解決手段】パイプ10の被曲げ部10Bに対向するカリバ付きの曲げ形状部、これと連なってパイプの非被曲げ部10Aに対向するカリバ付きの曲がり部を有する固定された曲げ金型1のカリバ内に素材パイプを装入し、該曲げ金型と押さえ金型3あるいはさらに支持金型4とで保持したのち、回転移動可能な押付け金型2を、素材パイプの所定の箇所に押付けて所定の周長絞り率となるように縮径させつつ、曲げ金型の曲げ形状に沿って回転移動させて、所定の曲げ形状に加工する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の足回り、バンパ、ボディ等の部材用として好適なパイプである、高強度薄肉鋼管の曲げ加工方法に係り、とくにハイドロフォーミングの予成形曲げ加工を施されるパイプの曲げ加工方法および装置に関する。
パイプのプレス曲げ加工方法は、例えば非特許文献1に示されるように、パイプをその長さ方向の二つの支持点に当接させたパイプ支持子で支持し、該二つの支持点の間のパイプ部分をプレス曲げ金型で押し込むことにより、パイプを曲げる加工方法である。
また、効率的な管の曲げ加工方法として、回転引き曲げ加工方法が知られている。回転引き曲げ加工方法では、回転可能な曲げ型と、曲げ加工前の管軸方向に直進可能な押し型とで、管を挟持し、管の先端を曲げ型にクランプで固定して、曲げ型を回転させることで、管を曲げ型の外周に沿って曲げ加工することができる。このような回転引き曲げ加工方法は、円形断面管の曲げ加工に広く適用されている。
この回転引き曲げ加工方法を利用して、軸芯部に空間が設けられている長尺の材料を曲げ加工する装置が、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された曲げ加工装置は、外周面が曲面状の成型ドラムと、材料の先部を保持して成型ドラムの外周面に沿うように引っ張る引張保持部材と、材料に対し引張方向と逆方向への抵抗力を与える抵抗力付与手段とが設けられた装置である。そして、抵抗力付与手段は、加圧シューと、この加圧シューを材料に対し加圧する加圧装置からなり、加圧シューで材料表面に加圧力を与え、動摩擦抵抗力を作用させる。この抵抗力付与手段により、材料に引張抵抗力が付与され、材料が曲げられる際に発生する曲げ応力を緩和して扁平変形や皺変形を抑制でき、さらには座屈変形力を緩和できるとしている。
特開平11−267765号公報
日本塑性加工学会編「チューブフォーミング」コロナ社、1992年10月30日、P38−39
素材パイプを、自動車のバンパのような、図3に示す形状の部材、すなわち中央部が直線的な形状で、両端に曲げ形状を有する部材に加工する際に、上記したプレス曲げ加工方法を使用すると、パイプが曲げ金型に沿わず、所望の形状に加工できないという問題があった。また、素材パイプを大径の高強度薄肉鋼管とした場合には、曲げ内側にしわが発生するという問題もあった。また、回転引き曲げ加工方法を利用した場合には、マンドレルを使用し複数回の加工を必要とするうえ、回転引き曲げ加工に伴い、中央部も移動するため、両端を同時に曲げ加工できず、作業能率が低下するという問題があった。
本発明は、かかる従来技術の問題を有利に解決し、高強度鋼管、好ましくは高強度薄肉鋼管を素材パイプとして、該素材パイプに、曲げ部内側にしわを発生させることなく、高作業能率で、所望の曲げ形状となるように曲げ加工を施すことができる、パイプの曲げ加工方法および装置を提供することを目的とする。なお、ここでいう「高強度鋼管」とは、引張強さTSが680MPa以上の鋼管をいい、「薄肉鋼管」とは、肉厚/外径比(t/D)が4%以下の鋼管をいう。
本発明者らは、上記した目的を達成するため、鋭意研究した結果、次のことを把握した。
(1)素材パイプの曲げ加工部の周長を絞り、かつ所定の曲げ形状となるように曲げ加工を施すのがよい。
(2)そのためには、固定した曲げ金型と、回転移動(回転または回転+回転中心の移動を意味する)可能な押付け金型とを用いるのがよい。
(3)さらに、曲げ金型は、前記素材パイプの被曲げ部に対向する曲げ形状部の他、これと連なって前記素材パイプの非被曲げ部に対向する曲がり部を有するものを用いるのがよい。
これにより、高強度薄肉鋼管であっても、曲げ部内側にしわの発生を防止できることを知見した。また、固定した曲げ金型と、2個の回転移動可能な押付け金型とを利用すれば、パイプの両端部に同時に曲げ加工を施すことが可能となり、加工能率が向上するという知見も得た。
本発明は、上記した知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(請求項1)
高強度鋼管からなる素材パイプの所定の箇所に曲げ加工を施すに当たり、前記素材パイプの被曲げ部に対向するカリバ付きの曲げ形状部、これと連なって前記素材パイプの非被曲げ部に対向するカリバ付きの曲がり部を有する固定された曲げ金型の前記カリバ内に前記素材パイプを装入し、該曲げ金型と押さえ金型あるいはさらに支持金型とで保持したのち、回転移動可能な押付け金型を、前記素材パイプの所定の箇所に押付けて所定の周長絞り率となるように縮径させつつ、前記曲げ金型の曲げ形状に沿って回転移動させて、所定の曲げ形状に加工することを特徴とするパイプの曲げ加工方法。
(請求項2)
前記所定の周長絞り率を曲げ部分の最大で3%以上の周長絞り率とすることを特徴とする請求項1に記載のパイプの曲げ加工方法。
(請求項3)
前記曲げ金型の曲がり部の曲率半径を、前記曲げ金型の曲げ形状部の曲率半径の0.3倍以上2.0倍以下の曲率半径とすることを特徴とする請求項1または2に記載のパイプの曲げ加工方法。
(請求項4)
前記高強度鋼管が、780MPa以上級高強度薄肉鋼管であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のパイプの曲げ加工方法。
(請求項5)
前記高強度鋼管が、1300MPa級高強度薄肉鋼管であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のパイプの曲げ加工方法。
(請求項6)
さらに、前記曲げ金型と前記素材パイプの間に、しわ押さえ工具を設置し、前記所定の曲げ形状への加工時に、前記曲げ金型の曲げ形状に沿って回転移動させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のパイプの曲げ加工方法。
(請求項7)
高強度鋼管からなる素材パイプの所定の箇所に曲げ加工を施すパイプの曲げ加工装置であって、前記素材パイプの被曲げ部に対向するカリバ付きの曲げ形状部およびこれと連なって前記素材パイプの非被曲げ部に対向するカリバ付きの曲がり部を有する曲げ金型と、前記素材パイプの非被曲げ部をその初期位置に拘束する押さえ金型あるいはさらに支持金型と、前記素材パイプの所定の箇所に押付けて該所定の箇所を前記曲げ金型に当接させて所定の周長絞り率で縮径させることが可能でかつ前記曲げ金型の曲げ形状に沿って回転移動することが可能な押付け金型とを有することを特徴とするパイプの曲げ加工装置。
(請求項8)
前記所定の周長絞り率を曲げ部分の最大で3%以上の周長絞り率とすることを特徴とする請求項7に記載のパイプの曲げ加工装置。
(請求項9)
前記曲げ金型の曲がり部の曲率半径を、前記曲げ金型の曲げ形状部の曲率半径の0.3倍以上2.0倍以下の曲率半径とすることを特徴とする請求項7または8に記載のパイプの曲げ加工装置。
(請求項10)
前記高強度鋼管が、780MPa以上級高強度薄肉鋼管であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載のパイプの曲げ加工装置。
(請求項11)
前記高強度鋼管が、1300MPa級高強度薄肉鋼管であることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載のパイプの曲げ加工装置。
(請求項12)
さらに、前記曲げ金型と前記素材パイプの間に設置されるしわ押さえ工具を有することを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載のパイプの曲げ加工装置。
本発明によれば、高強度鋼管を、曲げ加工部内側にしわを発生させることなく、また減肉を生じることもなく、高い作業能率で所望の曲げ形状に曲げ加工することができ、産業上格段の効果を奏する。また、本発明によれば、パイプの両端部に、同時に、異なる曲げ形状の加工部を形成することも可能となり、生産性が顕著に向上し、曲げ加工の効率化に寄与するという効果もある。
また、本発明によれば、曲げ角度が大きい場合に発生することがある曲げ側面のしわを抑えることができる。
(a)は本発明の1例における初期段階を示す概略図、(b)は押付け金型のカリバを示す断面図、(c)は曲げ金型のカリバを示す断面図である。 図1の初期段階からの曲げ加工の終了段階を示す概略図である。 図2の終了段階におけるパイプ形状を示す概略図である。 本発明装置の好適形態の1例を示す概略図((a)側面視、(b)平面視)である。 しわ押さえ工具を追加した本発明実施形態の1例を示す概略図((a)曲げ加工前、(b)曲げ加工後)である。
本発明のパイプの曲げ加工方法では、例えば図1に初期段階を示すように、曲げ金型1、押付け金型2、さらに締付け金型3を用い、これらを図示のように配置する。図1は、本発明の曲げ加工装置の1例を示しており、素材パイプ10の被曲げ部10Bに対向するカリバ付きの曲げ形状部およびこれと連なって素材パイプ10の非被曲げ部10Aに対向するカリバ付きの曲がり部を有する曲げ金型1と、素材パイプ10の非被曲げ部10Aをその初期位置に拘束する押さえ金型3あるいはさらに支持金型4と、素材パイプ10の所定の箇所に押付けて該所定の箇所を曲げ金型1に当接させて所定の周長絞り率で縮径させることが可能でかつ曲げ金型1の曲げ形状に沿って回転移動することが可能な押付け金型2とを有する。
この例では、パイプ10を同時にその長さ方向の2箇所で曲げるため、曲げ金型1を2個使用するが、パイプ10を1箇所だけで曲げればよいときは、曲げ金型1を1個のみ使用することにしてもよい。また、押さえ金型3だけではパイプ10の非被曲げ部10Aの安定保持が困難であるときは、支持金型4を付加して、これと押さえ金型3とでパイプ10の非被曲げ部10Aを保持するとよい。
曲げ金型1は固定とする。固定方法はとくに限定されない。曲げ金型1には素材パイプ10が当接可能なようにカリバ1aが刻設される。曲げ金型1のカリバ1aは、幅方向にパイプ当接面が、素材パイプ10の径dに適合した径Dを有する孔型の内面と同じ曲がり形状を有する。曲げ金型1のカリバ1aのカリバ深さdはパイプ外径の半分以下とすることが好ましい。
曲げ金型1のパイプ被曲げ部10B対向面(曲げ形状部)はその長さ方向が、パイプ10の目標曲げ半径に応じて、例えば曲率半径R,Rの曲がり形状に設計されている。この曲率半径R、Rは、互いに同じか異なるかのいずれの値としてもよい。
さらに、曲げ加工開始時にパイプの変形をスムーズに行わせて安定したしわ発生抑制効果を得るためには、曲げ金型1のパイプ非被曲げ部10B対向面はその長さ方向を曲がり形状とされる必要があり、この曲がり形状とされた部分(曲がり部)が、例えば曲率半径R,Rの曲がり形状に設計されている。この曲がり部の曲率半径R,Rの好適範囲はそれぞれ、R=0.3×R〜2.0×R、R=0.3×R〜2.0×R、である。
また、押付け金型2は、素材パイプ10を押付け、曲げ金型1の曲げ形状に沿って回転移動可能に配設される。例えば図4に示すように、押付け金型2には、押付け可能なように油圧シリンダ(図示せず)および曲げ半径方向31に移動可能な半径方向移動レール機構20と、さらに回転の接線方向32に移動可能なように前記半径方向移動レール機構20を載せた接線方向移動レール機構21と、回転移動可能なように前記接線方向移動レール機構21を載せた回転テーブル機構22とを付設することが好ましい。なお、30は回転テーブル機構22の回転中心である。ただし使用方法によっては、前記接線方向移動レール機構21は付設せず、前記半径方向移動レール機構20を直接前記回転テーブル機構22に載せてもよい。
押付け金型2にはパイプ10が当接可能なようにカリバ2aが刻設されている。押付け金型2のカリバ2aは、幅方向にパイプ当接面が素材パイプ10の径dに適応した径Dを有する孔型の内面と同じ曲がり形状を有し、かつ素材パイプ10の周長を所定の周長絞り率で絞ることが可能なようにカリバ深さdを調整されて、刻設される。ここで、周長絞り率とは、次式で定義される量である。
周長絞り率=(曲げ加工前のパイプ外周長−曲げ加工後のパイプの被曲げ加工部の外周長)/初期パイプ外周長(×100%)
周長絞り率が、曲げ部分全域にわたって同じになることはないので、ここでいう所定周長絞り率とは曲げ部分の中の最大値を意味する。
また、押さえ金型3は、素材パイプ10を曲げ金型1と協働して保持し、曲げ加工時に素材パイプ10の非被曲げ部10Aのすべり移動が生じず、曲げの反力を十分押さえることが可能な程度に素材パイプ10を固定可能に配設される。押さえ金型3には、素材パイプ10が当接可能なようにカリバ(図示省略)が刻設される。また、必要に応じて付加される支持金型4においても押さえ金型3と同様のカリバが刻設される。このカリバは、パイプ当接面が、長手方向に直線形状を呈するように、幅方向に素材パイプ10の外径に適応した孔径を有する孔型の内面と同じ曲がり形状を有するように刻設される。
本発明ではまず、素材パイプ10を曲げ金型1と押さえ金型3(あるいはさらに支持金型4)とで保持する。ついで、素材パイプ10の曲げ加工を施そうとする箇所に、押付け金型2を当接させる。この状態を模式的に図1に示す。
そして、押付け金型2を素材パイプ10に押付けながら、曲げ金型1の曲げ形状に沿って回転移動させる(すなわち、押付け金型2を回転軸の周りに回転させる、あるいはさらに前記回転軸を移動させる)。これにより、素材パイプ10の、曲げ金型1と押付け金型2とで挟まれた箇所の周長を絞ることができ、かつ所定の曲げ形状に素材パイプ10を加工できる。というのは、本発明では、押付け金型2は、素材パイプの周長を所定の周長絞り率で絞ることが可能なように、カリバ深さdをパイプ半径より小さくなるように調整して、カリバ2aが刻設してあるからである。このような押付け金型2を曲げ金型1の曲げ形状に沿って回転移動させることにより、素材パイプ10の周長を絞りながら(すなわち素材パイプ10の被曲げ加工部を縮径させながら)、曲げ加工することができ、素材パイプ10が高強度薄肉鋼管であっても、曲げ内側(すなわち加工後の被曲げ加工部の内曲がり側)にしわが発生するのを抑制できる。
図2は、図1を初期段階としたプレス曲げ加工の終了段階を示している。曲げ金型1と押付け金型2とで挟まれた箇所は、押付け金型2の押付けおよび回転移動により所定の周長絞り率で絞られ縮径し、かつ、曲げ金型1の曲げ形状に倣わされて曲がるので、曲げ加工後のパイプ10は、図3に示すような形状になる。
もっとも、所定の周長絞り率が曲げ部分の最大で3%未満(無論0%超に限る)であると、管のt/Dと曲げRの関係によっては曲げ内側のしわ発生防止効果が不安定となるので、所定の周長絞り率は3%以上にとるのが好ましい。
また、素材パイプが780MPa以上級高強度薄肉鋼管である場合は、これより低級の高強度薄肉鋼管である場合と比べて、本発明による曲げ内側のしわ発生抑制効果が、より顕著に発現するので、本発明では、効果の顕著性の点で、素材パイプに780MPa以上級高強度薄肉鋼管を用いることが好ましい。なお、より好ましくは、素材パイプに1300MPa級高強度薄肉鋼管を用いることである。
ところで、曲げ金型と押付け金型を用いて素材パイプを縮径(周長絞り)しながら曲げる際、例えば素材パイプのt/Dが2.5%を下回るくらいに小さくなり、曲げRが250mm程度となる場合には、曲げ角度が例えば20度を超えるくらいに大きくなると、曲げ加工中にパイプの曲げ側面のしわが発生する場合がある。また、素材パイプのt/Dが例えば1.8%を下回るくらいに小さくなると、曲げRが250mmの場合で曲げ角度が20度より更に小さくても同様にパイプの曲げ側面のしわが発生しやすくなる。
これに対しては、例えば図5に示すように、曲げ金型1と素材パイプ10の間に、しわ押さえ工具5を設置し、所定の曲げ形状への加工時に、曲げ金型1の曲げ形状に沿って回転移動させることで、曲げ側面のしわの発生を抑えることが可能である。このようなしわ押さえ工具5は、押付け金型2を設置するベースに固定して取付けることが可能である。また、しわ押さえ工具は、そのカリバー内面をパイプ外面に接触させるように設置するか、後述するようにわずかに離して設置するようにする。
ただし、このしわ押さえ工具5を追加した手段によれば、押付け金型2の押付け量を抑制することになるため、曲げ内側のしわが発生しやすくなる傾向がある。この傾向を緩和するには、しわ押さえ工具5の初期位置を、図5のように、曲げ曲率中心位置Cを通り初期セット状態の素材パイプの管軸に直交する基準面に関して締付け金型3の反対側とし、前記基準面からしわ押さえ工具5(の近端部)までの距離xを、素材パイプ外径Dに対し、0≦x≦D/2、に設定するのがよい。
また、しわ押さえ工具5の使用下で、押付け金型2の押付け量を大きくとりたい場合は、xを0mmより大きくした上で、しわ押さえ工具5のパイプ曲げ内側当接部の厚さyを、曲げ金型1に重ならない程度まで大きくするとよいが、yの大きさは、素材パイプ外径Dの5%以下とするのが好ましい。
外径89.1mm、肉厚2.0mmの1300MPa級高強度薄肉鋼管を素材パイプに用いて、表1に示す各曲げ加工方法で、管長手方向の2箇所を、曲げ半径R=250mm、曲げ角度=20度に曲げ成形する曲げ加工を実施し、成形の可/不可(OK/NG)を目視判定するとともに、管1000本の曲げに要した加工時間を測定した。それらの結果を表1に併記した。
表1より、本発明例1では、縮径させながらの押付け曲げにより、曲げ内側のしわ発生が抑えられ、また、2箇所同時の曲げ加工により、加工時間は約3時間であった。これに対し、比較例1では、2箇所同時の曲げ加工により、加工時間は本発明例1と同等であったが、縮径なしの通常の押付け曲げにより、曲げ内側にしわが発生し、成形不可であった。また、比較例2では、回転引き曲げにより、本発明例1と同様に成形可であったが、回転引き曲げでは一度に1箇所しか加工できず、2箇所に対しては計二度の加工を要するため、加工時間は約6時間であった。
Figure 2009255166
外径89.1mm、肉厚2.0mmの1300MPa級高強度薄肉鋼管を素材パイプに用いて、表2に示す各曲げ加工方法で、管長手方向の2箇所を、曲げ半径R=250mm、曲げ角度=25度に曲げ成形する曲げ加工を実施し、曲げ側面および曲げ内側のしわ発生の有無を目視判定した。その結果を表2に併記した。
表2より、曲げ角度が大きい場合、本発明例2のようにしわ押さえ工具を追加することで、曲げ内側のしわのみならず、曲げ側面のしわ発生をも抑えることができることがわかる。
Figure 2009255166
1 曲げ金型
1a 曲げ金型のカリバ
2 押付け金型
2a 押付け金型のカリバ
3 押さえ金型
4 支持金型
5 しわ押さえ工具
10 パイプ(素材パイプまたは加工後のパイプ)
10A 非被曲げ部(パイプ非被曲げ部)
10B 被曲げ部(パイプ被曲げ部)
20 半径方向移動レール機構
21 接線方向移動レール機構
22 回転テーブル機構
30 回転中心
31 曲げ半径方向
32 回転の接線方向

Claims (12)

  1. 高強度鋼管からなる素材パイプの所定の箇所に曲げ加工を施すに当たり、前記素材パイプの被曲げ部に対向するカリバ付きの曲げ形状部、これと連なって前記素材パイプの非被曲げ部に対向するカリバ付きの曲がり部を有する固定された曲げ金型の前記カリバ内に前記素材パイプを装入し、該曲げ金型と押さえ金型あるいはさらに支持金型とで保持したのち、回転移動可能な押付け金型を、前記素材パイプの所定の箇所に押付けて所定の周長絞り率となるように縮径させつつ、前記曲げ金型の曲げ形状に沿って回転移動させて、所定の曲げ形状に加工することを特徴とするパイプの曲げ加工方法。
  2. 前記所定の周長絞り率を曲げ部分の最大で3%以上の周長絞り率とすることを特徴とする請求項1に記載のパイプの曲げ加工方法。
  3. 前記曲げ金型の曲がり部の曲率半径を、前記曲げ金型の曲げ形状部の曲率半径の0.3倍以上2.0倍以下の曲率半径とすることを特徴とする請求項1または2に記載のパイプの曲げ加工方法。
  4. 前記高強度鋼管が、780MPa以上級高強度薄肉鋼管であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のパイプの曲げ加工方法。
  5. 前記高強度鋼管が、1300MPa級高強度薄肉鋼管であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のパイプの曲げ加工方法。
  6. さらに、前記曲げ金型と前記素材パイプの間に、しわ押さえ工具を設置し、前記所定の曲げ形状への加工時に、前記曲げ金型の曲げ形状に沿って回転移動させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のパイプの曲げ加工方法。
  7. 高強度鋼管からなる素材パイプの所定の箇所に曲げ加工を施すパイプの曲げ加工装置であって、前記素材パイプの被曲げ部に対向するカリバ付きの曲げ形状部およびこれと連なって前記素材パイプの非被曲げ部に対向するカリバ付きの曲がり部を有する曲げ金型と、前記素材パイプの非被曲げ部をその初期位置に拘束する押さえ金型あるいはさらに支持金型と、前記素材パイプの所定の箇所に押付けて該所定の箇所を前記曲げ金型に当接させて所定の周長絞り率で縮径させることが可能でかつ前記曲げ金型の曲げ形状に沿って回転移動することが可能な押付け金型とを有することを特徴とするパイプの曲げ加工装置。
  8. 前記所定の周長絞り率を曲げ部分の最大で3%以上の周長絞り率とすることを特徴とする請求項7に記載のパイプの曲げ加工装置。
  9. 前記曲げ金型の曲がり部の曲率半径を、前記曲げ金型の曲げ形状部の曲率半径の0.3倍以上2.0倍以下の曲率半径とすることを特徴とする請求項7または8に記載のパイプの曲げ加工装置。
  10. 前記高強度鋼管が、780MPa以上級高強度薄肉鋼管であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載のパイプの曲げ加工装置。
  11. 前記高強度鋼管が、1300MPa級高強度薄肉鋼管であることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載のパイプの曲げ加工装置。
  12. さらに、前記曲げ金型と前記素材パイプの間に設置されるしわ押さえ工具を有することを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載のパイプの曲げ加工装置。
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