JP7469631B2 - 差厚管の製造装置、差厚管の製造方法および差厚管 - Google Patents

差厚管の製造装置、差厚管の製造方法および差厚管 Download PDF

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本発明は、差厚管の製造装置、差厚管の製造方法、差厚管に関する。
従来から、下記特許文献1に記載のスタビライザの製造方法が知られている。
特許第6521914号公報
本願発明者は、鋭意検討した結果、以下の事項を見出した。
(1)前記スタビライザの製造方法では、スタビライザを製造するときに、スタビライザの内面にしわが生じるおそれがあること。
(2)この種のしわが、スタビライザのみならず、一般的な差厚管を製造する際にも生じること。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、高品質な差厚管を製造することを目的とする。
(1)本発明の一態様に係る差厚管の製造装置は、軸方向の第1側に位置する第1端部を含む大径部と、前記軸方向の第2側に位置する第2端部を含み前記大径部よりも小径な小径部と、前記大径部と前記小径部とを繋ぎ、前記大径部から前記小径部に向けて徐々に小径になるテーパー部と、を備える金属管から、第1端部が第2端部よりも厚く、かつ、第1端部における外径が、第2端部における外径よりも大きい差厚管を製造する装置であって、前記金属管が配置されるダイ空間と、前記ダイ空間の内面に形成され、前記ダイ空間に配置された前記金属管の前記テーパー部を、前記金属管に対して前記第2側から支持する支持面と、を備える第1ダイと、前記ダイ空間に配置された前記金属管の前記第2端部を、前記金属管に対して前記第2側から支持するとともに、前記第1ダイに対して、前記金属管の軸方向に相対的に移動可能である第2ダイと、前記ダイ空間に配置された前記金属管内に、前記大径部との間に前記金属管の径方向の隙間をあけた状態で配置されるマンドレルと、前記ダイ空間に配置された前記金属管の前記第1端部を、前記金属管に対して前記第1側から押圧するパンチと、前記第1ダイ、前記第2ダイ、前記マンドレル及び前記パンチを備えるプレス機を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記ダイ空間に前記金属管が配置され、かつ、前記金属管内に前記マンドレルが配置された状態で、前記パンチに前記第1端部を押圧させるときに、前記第2ダイに前記第2端部を支持させたまま、前記第2ダイを前記第2側に移動させる
(2)本発明の一態様に係る差厚管の製造装置は、軸方向の第1側に位置する第1端部を含む大径部と、前記軸方向の第2側に位置する第2端部を含み前記大径部よりも小径な小径部と、前記大径部と前記小径部とを繋ぎ、前記大径部から前記小径部に向けて徐々に小径になるテーパー部と、を備える金属管から、第1端部が第2端部よりも厚く、かつ、第1端部における外径が、第2端部における外径よりも大きい差厚管を製造する装置であって、前記金属管が配置されるダイ空間と、前記ダイ空間の内面に形成され、前記ダイ空間に配置された前記金属管の前記テーパー部を、前記金属管に対して前記第2側から支持する支持面と、を備える第1ダイと、前記ダイ空間に配置された前記金属管の前記第2端部を、前記金属管に対して前記第2側から支持するとともに、前記第1ダイに対して、前記金属管の軸方向に相対的に移動可能である第2ダイと、前記ダイ空間に配置された前記金属管内に、前記大径部との間に前記金属管の径方向の隙間をあけた状態で配置されるマンドレルと、前記ダイ空間に配置された前記金属管の前記第1端部を、前記金属管に対して前記第1側から押圧するパンチと、前記第1ダイ、前記第2ダイ、前記マンドレル及び前記パンチを備えるプレス機を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記ダイ空間に前記金属管が配置され、かつ、前記金属管内に前記マンドレルが配置され、かつ、前記第2ダイと前記第2端部との間に前記軸方向の隙間をあけた状態で、前記パンチに前記第1端部を押圧させることで、少なくとも前記第2端部が前記第2ダイに突き当たるまで前記金属管を前記第2側に押圧する第1工程と、前記第1工程の後、前記第2ダイを前記第2側に移動させることで、前記第2ダイと前記第2端部との間に前記軸方向の隙間を再びあける第2工程と、を繰り返し実施する。
本願発明者は、鋭意検討した結果、本態様とは異なる態様、すなわち、第2ダイが第1ダイに固定されている態様において、以下の事項を見出した。
(1)ダイ空間に金属管が配置され、かつ、金属管内にマンドレルが配置され、かつ、第2ダイが第2端部を支持した状態で、パンチが第1端部を押圧すると、金属管が軸方向に圧縮され、金属管の大径部を形成する材料が、マンドレルと大径部との間の隙間に流入し、その結果、差厚管において厚肉となる部分が増肉されること。
(2)金属管が一定以上の荷重で圧縮されると、金属管がテーパー部の内面を起点として折れ曲がり、この起点が差厚管にしわとして残留すること。
本態様に係る差厚管の製造装置では、以下の二通りの方法により差厚管を製造することができる。
(第1の方法)
この方法では、ダイ空間に金属管が配置され、かつ、金属管内にマンドレルが配置された状態で、パンチが第1端部を押圧する。このとき、第2ダイに第2端部を支持させたまま、第2ダイを第2側に移動させる。これにより、金属管全体が軸方向に圧縮されつつも、金属管を形成する材料が、金属管の全長にわたって第1側から第2側に流動する。
前述のように、金属管が圧縮させられることで、マンドレルと大径部との間の隙間に、大径部を形成する材料が流れ込み、差厚管において厚肉となる部分が増肉される。またこのとき、金属管のうち、第1ダイの支持面とパンチとの間に位置する部分が中心となって軸方向に圧縮される。そのため、この部分を中心に圧縮応力が生じて金属管が塑性変形し、金属管のうち、増肉される部分をはじめ、小径部のうちのテーパー部の近傍に位置する部分においても硬度が高まる。
また前述したように、金属管全体では、金属管を構成する材料が軸方向の第1側から第2側に流動する。これにより、仮に金属管が一定以上の荷重で圧縮されて、テーパー部の内面に前述の折れ曲がりの起点が発生したとしても、この起点の位置が第1側から第2側に移動する。これにより、折れ曲がりの起点が、第1ダイの支持面よりも第2側に移動する。ここで、ダイ空間において第1ダイとマンドレルとの間に形成される環状の空間のうち、支持面よりも第2側に位置する部分(すなわち、小径部が配置される部分。以下、第2空間という。)は、支持面よりも第1側に位置する部分(すなわち、大径部が配置される部分。以下、第1空間という。)よりも径方向に狭い。よって、折れ曲がりの起点が広い空間から狭い空間に移動すると言える。そのため、この起点の跡に形成され得るしわに相当する空間に、金属管の変形に伴って流動する材料が流れ込み易くなり、しわの発生が抑制される。
以上より、この製造装置を用いた差厚管の製造方法によれば、差厚管において応力が集中し易いテーパー部近傍における硬度を高めることができる。したがって、この差厚管に、例えば軸力が加えられ、その軸力に起因して応力集中箇所であるテーパー部前後において応力が集中して発生したとしても、予期せぬ変形や損傷を抑制することができる。さらに、前述のように製造過程におけるしわの発生を抑えることができる。これらから、高品質な差厚管を製造することができる。
(第2の方法)
この方法では、以下に示す第1工程と第2工程とを繰り返し実施する。
第1工程では、ダイ空間に金属管が配置され、かつ、金属管内にマンドレルが配置され、かつ、第2ダイと第2端部との間に軸方向の隙間をあけた状態で、パンチに第1端部を押圧させる。このとき、第2ダイと第2端部との間に軸方向の隙間があいていることから、金属管には軸力が過度に大きくは加わらない。一方、金属管を形成する材料は、前述の第1の方法と同様に、金属管の全長にわたって第1側から第2側に流動する。このように金属管全体が軸方向に圧縮されつつ、材料が流動することで、差厚管において厚肉になる部分が増肉されていく。このとき、前述したように金属管に軸力が過度に大きくは加わらないことから、前述の折れ曲がりの発生は抑えられる。
なお、この第1工程では、少なくとも第2端部が第2ダイに突き当たるまで金属管を第2側に押圧する。そのため、前述の折れ曲がりが生じない範囲で金属管に適度に軸力を加えることができる。その結果、差厚管において厚肉となる部分を中心に圧縮応力を生じさせ、金属管を適度に塑性変形させることができる。
そして、第1工程の後、第2ダイを第2側に移動させることで、第2ダイと第2端部との間に軸方向の隙間を再びあける。その後、再び第1工程を実施する。
以上より、この製造装置を用いた差厚管の製造方法によれば、差厚管において応力が集中し易いテーパー部近傍における硬度を高めることができる。したがって、この差厚管に、例えば軸力が加えられ、その軸力に起因して応力集中箇所であるテーパー部前後において応力が集中して発生したとしても、予期せぬ変形や損傷を抑制することができる。さらに、前述のように製造過程においてしわの発生の要因となる折れ曲がりの発生を抑えることができる。これらから、高品質な差厚管を製造することができる。
)本発明の一態様に係る差厚管の製造装置は、軸方向の第1側に位置する第1端部を含む大径部と、前記軸方向の第2側に位置する第2端部を含み前記大径部よりも小径な小径部と、前記大径部と前記小径部とを繋ぎ、前記大径部から前記小径部に向けて徐々に小径になるテーパー部と、を備える金属管から、第1端部が第2端部よりも厚く、かつ、第1端部における外径が、第2端部における外径よりも大きい差厚管を製造する装置であって、前記金属管が配置されるダイ空間と、前記ダイ空間の内面に形成され、前記ダイ空間に配置された前記金属管の前記テーパー部を、前記金属管に対して前記第2側から支持する支持面と、を備える第1ダイと、前記ダイ空間に配置された前記金属管の前記第2端部を、前記金属管に対して前記第2側から支持する第2ダイと、前記ダイ空間に配置された前記金属管内に、前記大径部との間に前記金属管の径方向の隙間をあけた状態で配置されるマンドレルと、前記ダイ空間に配置された前記金属管の前記第1端部を、前記金属管に対して前記第1側から押圧するパンチと、を備え、前記第1ダイおよび前記第2ダイによって構成される連結ダイが、前記第2ダイの前記軸方向の位置を互いに異ならせて複数設けられている。
)上記()に係る差厚管の製造装置では、前記連結ダイ、前記マンドレルおよび前記パンチを備えるプレス機を制御する制御部を更に備え、前記制御部は、前記ダイ空間に前記金属管が配置され、かつ、前記金属管内に前記マンドレルが配置され、かつ、前記第2ダイと前記第2端部との間に前記軸方向の隙間をあけた状態で、前記パンチに前記第1端部を押圧させることで、少なくとも前記第2端部が前記第2ダイに突き当たるまで前記金属管を前記第2側に押圧する工程を、前記連結ダイを入れ替えて繰り返し実施する。
本態様に係る差厚管の製造装置では、上記第2の方法と同様の方法により差厚管を製造することができる。
すなわち、まず、複数の連結ダイのうちの1つの連結ダイにおけるダイ空間に金属管が配置され、かつ、金属管内にマンドレルが配置され、かつ、第2ダイと第2端部との間に軸方向の隙間をあけた状態で、パンチに第1端部を押圧させる。このとき、第2ダイと第2端部との間に軸方向の隙間があいていることから、金属管には軸力が過度に大きくは加わらない。一方、金属管を形成する材料は、金属管の全長にわたって第1側から第2側に流動する。このように金属管全体が軸方向に圧縮されつつ、材料が流動することで、差厚管において厚肉になる部分が増肉されていく。このとき、前述したように金属管に軸力が過度に大きくは加わらないことから、前述の折れ曲がりの発生は抑えられる。
なおこのとき、少なくとも第2端部が第2ダイに突き当たるまで金属管を第2側に押圧する。そのため、前述の折れ曲がりが生じない範囲で金属管に適度に軸力を加えることができる。その結果、差厚管において厚肉となる部分を中心に圧縮応力を生じさせ、金属管を適度に塑性変形させることができる。
その後、この連結ダイから金属管を取り出す。そして別の連結ダイにおいて、再び上記プレス加工を実施する。
以上より、この製造装置を用いた差厚管の製造方法によれば、差厚管において応力が集中し易いテーパー部近傍における硬度を高めることができる。したがって、この差厚管に、例えば軸力が加えられ、その軸力に起因して応力集中箇所であるテーパー部前後において応力が集中して発生したとしても、予期せぬ変形や損傷を抑制することができる。さらに、前述のように製造過程においてしわの発生の要因となる折れ曲がりの発生を抑えることができる。これらから、高品質な差厚管を製造することができる。
)本発明の一態様に係る差厚管の製造方法は、軸方向の第1側に位置する第1端部を含む大径部と、前記軸方向の第2側に位置する第2端部を含み前記大径部よりも小径な小径部と、前記大径部と前記小径部とを繋ぎ、前記大径部から前記小径部に向けて徐々に小径になるテーパー部と、を備える金属管から、第1端部が第2端部よりも厚く、かつ、第1端部における外径が、第2端部における外径よりも大きい差厚管を、差厚管の製造装置を用いて製造する方法であって、前記差厚管の製造装置は、前記金属管が配置されるダイ空間と、前記ダイ空間の内面に形成され、前記ダイ空間に配置された前記金属管の前記テーパー部を、前記金属管に対して前記第2側から支持する支持面と、を備える第1ダイと、前記ダイ空間に配置された前記金属管の前記第2端部を、前記金属管に対して前記第2側から支持するとともに、前記第1ダイに対して、前記金属管の軸方向に相対的に移動可能である第2ダイと、前記ダイ空間に配置された前記金属管内に、前記大径部との間に前記金属管の径方向の隙間をあけた状態で配置されるマンドレルと、前記ダイ空間に配置された前記金属管の前記第1端部を、前記金属管に対して前記第1側から押圧するパンチと、を備え、前記ダイ空間に前記金属管が配置され、かつ、前記金属管内に前記マンドレルが配置された状態で、前記パンチに前記第1端部を押圧させるときに、前記第2ダイに前記第2端部を支持させたまま、前記第2ダイを前記第2側に移動させる。
)本発明の一態様に係る差厚管の製造方法は、軸方向の第1側に位置する第1端部を含む大径部と、前記軸方向の第2側に位置する第2端部を含み前記大径部よりも小径な小径部と、前記大径部と前記小径部とを繋ぎ、前記大径部から前記小径部に向けて徐々に小径になるテーパー部と、を備える金属管から、第1端部が第2端部よりも厚く、かつ、第1端部における外径が、第2端部における外径よりも大きい差厚管を、差厚管の製造装置を用いて製造する方法であって、前記差厚管の製造装置は、前記金属管が配置されるダイ空間と、前記ダイ空間の内面に形成され、前記ダイ空間に配置された前記金属管の前記テーパー部を、前記金属管に対して前記第2側から支持する支持面と、を備える第1ダイと、前記ダイ空間に配置された前記金属管の前記第2端部を、前記金属管に対して前記第2側から支持するとともに、前記第1ダイに対して、前記金属管の軸方向に相対的に移動可能である第2ダイと、前記ダイ空間に配置された前記金属管内に、前記大径部との間に前記金属管の径方向の隙間をあけた状態で配置されるマンドレルと、前記ダイ空間に配置された前記金属管の前記第1端部を、前記金属管に対して前記第1側から押圧するパンチと、を備え、前記ダイ空間に前記金属管が配置され、かつ、前記金属管内に前記マンドレルが配置され、かつ、前記第2ダイと前記第2端部との間に前記軸方向の隙間をあけた状態で、前記パンチに前記第1端部を押圧させることで、少なくとも前記第2端部が前記第2ダイに突き当たるまで前記金属管を前記第2側に押圧する第1工程と、前記第1工程の後、前記第2ダイを前記第2側に移動させることで、前記第2ダイと前記第2端部との間に前記軸方向の隙間を再びあける第2工程と、を繰り返し実施する。
)本発明の一態様に係る差厚管の製造方法は、軸方向の第1側に位置する第1端部を含む大径部と、前記軸方向の第2側に位置する第2端部を含み前記大径部よりも小径な小径部と、前記大径部と前記小径部とを繋ぎ、前記大径部から前記小径部に向けて徐々に小径になるテーパー部と、を備える金属管から、第1端部が第2端部よりも厚く、かつ、第1端部における外径が、第2端部における外径よりも大きい差厚管を、上記()または()に係る差厚管の製造装置を用いて製造する方法であって、前記ダイ空間に前記金属管が配置され、かつ、前記金属管内に前記マンドレルが配置され、かつ、前記第2ダイと前記第2端部との間に前記軸方向の隙間をあけた状態で、前記パンチに前記第1端部を押圧させることで、少なくとも前記第2端部が前記第2ダイに突き当たるまで前記金属管を前記第2側に押圧する工程を、前記連結ダイを入れ替えて繰り返し実施する。
)本発明の一態様に係る差厚管は、軸方向の第1側に位置する第1端部を含む厚肉部と、前記軸方向の第2側に位置する第2端部を含み前記厚肉部よりも薄肉で、かつ、外径が前記厚肉部の外径よりも小さい薄肉部と、前記厚肉部と前記薄肉部とを繋ぎ、前記厚肉部から前記薄肉部に向けて徐々に薄肉になるテーパー部と、を備え、前記薄肉部のうち、前記テーパー部から、前記薄肉部の肉厚の半分に相当する距離、離れた部分の硬度は、前記第2端部から、前記薄肉部の肉厚に相当する距離、離れた部分の硬度よりも高い。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、高品質な差厚管を製造することを目的とする。
本発明の一実施形態に係る差厚管を示す側面図である。 図1に示す差厚管の縦断面図である。 図1に示す差厚管となる金属管の側面図である。 図2に示す金属管の縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係る差厚管の製造装置を構成する第1ダイおよび第2ダイを示す縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係る差厚管の製造装置を構成するプラグを示す縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係る差厚管の製造装置を構成するマンドレルおよびパンチを示す縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係る差厚管の製造装置の制御ブロック図である。 図5から図8に示す差厚管の製造装置を用いて金属管から差厚管を製造する差厚管の第1の製造方法を説明するフローチャートである。 図9に示す差厚管の製造方法における準備工程を示す差厚管の製造装置の縦断面図である。 図9に示す差厚管の製造方法における拡径工程を示す差厚管の製造装置の縦断面図である。 図9に示す差厚管の製造方法における増肉工程を示す差厚管の製造装置の縦断面図である。 図9に示す差厚管の製造方法における増肉工程を示す差厚管の製造装置の縦断面図であって、図12に示す状態よりも金属管が圧縮された状態を示す縦断面図である。 図9に示す差厚管の製造方法における増肉工程を示す差厚管の製造装置の縦断面図であって、図13に示す状態よりも金属管が圧縮された状態を示す縦断面図である。 図9に示す差厚管の製造方法における増肉工程を示す差厚管の製造装置の縦断面図であって、図14に示す状態よりも金属管が圧縮された状態を示す縦断面図である。 図9に示す差厚管の製造方法における金属管のミーゼス応力の分布をグレースケールによって示す図であって、図10に相当する状態を示す図である。 図9に示す差厚管の製造方法における金属管のミーゼス応力の分布をグレースケールによって示す図であって、図11に相当する状態を示す図である。 図9に示す差厚管の製造方法における金属管のミーゼス応力の分布をグレースケールによって示す図であって、図12に相当する状態を示す図である。 図9に示す差厚管の製造方法における金属管のミーゼス応力の分布をグレースケールによって示す図であって、図13に相当する状態を示す図である。 図9に示す差厚管の製造方法における金属管のミーゼス応力の分布をグレースケールによって示す図であって、図14に相当する状態を示す図である。 図9に示す差厚管の製造方法における金属管のミーゼス応力の分布をグレースケールによって示す図であって、図15に相当する状態を示す図である。 図17に示すミーゼス応力の分布を示す図における要部の拡大図である。 図18に示すミーゼス応力の分布を示す図における要部の拡大図である。 図19に示すミーゼス応力の分布を示す図における要部の拡大図である。 図20に示すミーゼス応力の分布を示す図における要部の拡大図である。 図21に示すミーゼス応力の分布を示す図における要部の拡大図である。 本発明の第2実施形態に係る差厚管の製造装置を構成する第1の連結ダイを示す縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る差厚管の製造装置を構成する第2の連結ダイを示す縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る差厚管の製造装置を構成する第3の連結ダイを示す縦断面図である。 図27から図29に示す差厚管の製造装置を用いて金属管から差厚管を製造する差厚管の製造方法を説明するフローチャートである。 図30に示す差厚管の製造方法における準備工程を示す差厚管の製造装置の縦断面図である。 図30に示す差厚管の製造方法における拡径工程を示す差厚管の製造装置の縦断面図である。 図30に示す差厚管の製造方法における増肉工程を示す差厚管の製造装置の縦断面図である。 図30に示す差厚管の製造方法における増肉工程を示す差厚管の製造装置の縦断面図であって、図33に示す状態よりも金属管が圧縮された状態を示す縦断面図である。 図30に示す差厚管の製造方法における増肉工程を示す差厚管の製造装置の縦断面図であって、図34に示す状態よりも金属管が圧縮された状態を示す縦断面図である。 図30に示す差厚管の製造方法における増肉工程を示す差厚管の製造装置の縦断面図であって、図35に示す状態から連結ダイを入れ替えた状態を示す縦断面図である。 図30に示す差厚管の製造方法における増肉工程を示す差厚管の製造装置の縦断面図であって、図36に示す状態よりも金属管が圧縮された状態を示す縦断面図である。 図30に示す差厚管の製造方法における増肉工程を示す差厚管の製造装置の縦断面図であって、図37に示す状態よりも金属管が圧縮された状態を示す縦断面図である。 図30に示す差厚管の製造方法における金属管のミーゼス応力の分布をグレースケールによって示す図であって、図31に相当する状態を示す図である。 図30に示す差厚管の製造方法における金属管のミーゼス応力の分布をグレースケールによって示す図であって、図32に相当する状態を示す図である。 図30に示す差厚管の製造方法における金属管のミーゼス応力の分布をグレースケールによって示す図であって、図33に相当する状態を示す図である。 図30に示す差厚管の製造方法における金属管のミーゼス応力の分布をグレースケールによって示す図であって、図34に相当する状態を示す図である。 図30に示す差厚管の製造方法における金属管のミーゼス応力の分布をグレースケールによって示す図であって、図35に相当する状態を示す図である。 図30に示す差厚管の製造方法における金属管のミーゼス応力の分布をグレースケールによって示す図であって、図36に相当する状態を示す図である。 図30に示す差厚管の製造方法における金属管のミーゼス応力の分布をグレースケールによって示す図であって、図37に相当する状態を示す図である。 図30に示す差厚管の製造方法における金属管のミーゼス応力の分布をグレースケールによって示す図であって、図38に相当する状態を示す図である。 図40に示すミーゼス応力の分布を示す図における要部の拡大図である。 図41に示すミーゼス応力の分布を示す図における要部の拡大図である。 図42に示すミーゼス応力の分布を示す図における要部の拡大図である。 図43に示すミーゼス応力の分布を示す図における要部の拡大図である。 図44に示すミーゼス応力の分布を示す図における要部の拡大図である。 図45に示すミーゼス応力の分布を示す図における要部の拡大図である。 図46に示すミーゼス応力の分布を示す図における要部の拡大図である。 図5から図7に示す差厚管の製造装置を用いて金属管から差厚管を製造する差厚管の第2の製造方法を説明するフローチャートである。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る差厚管、差厚管の製造装置、差厚管の製造方法を説明する。なお、図1から図7に示す差厚管や差厚管の製造装置の縮尺は、図9から図15に示す差厚管や差厚管の製造装置の縮尺とは異なっている。
(差厚管10)
図1および図2に示すように、本実施形態に係る差厚管10は、軸方向の位置によって厚さが異なる管である。差厚管10では、軸方向の位置によらず内径が同等であり、かつ、軸方向の位置によって外径が異なっている。言い換えると、差厚管10は、厚肉の部分が、薄肉の部分に比べて径方向の外側に向けて張り出されてなる。
差厚管10は、例えば、自動車の車体を構成する車体部材としての活用が検討されている。この場合、肉厚が異なる部分を有する差厚管10によって、車体部材に求められる下記性能を実現することが期待されている。前記性能としては、衝突等の衝撃を受けた際に衝撃荷重によって潰されて衝突エネルギーを吸収する部分と、潰れずに車体を保護する部分と、を有することが挙げられる。
差厚管10は、例えば、鋼管(ステンレス鋼管も含む)である。差厚管10は、例えば、JIS規格により規定されるSTKM11Aにより形成される。また、アルミニウム合金やチタン合金、マグネシウム合金、ニッケル合金、銅合金など、鋼以外の金属管でも良い。差厚管10は、軸方向から見た平面視における形状に制限はない。本実施形態では、差厚管10の平面視における形状は、真円形状である。
差厚管10は、厚肉部11と、薄肉部12と、テーパー部13と、を備えている。
厚肉部11は、第1端部14を含む。薄肉部12は、第2端部15を含む。薄肉部12は、厚肉部11よりも薄肉である。薄肉部12の外径は、厚肉部11の外径よりも小さい。テーパー部13は、厚肉部11と薄肉部12とを繋ぐ。テーパー部13は、厚肉部11から薄肉部12に向けて徐々に薄肉になる。なお厚肉部11は、薄肉部12に比べて軸方向に大きくてもよく、軸方向に小さくてもよい。厚肉部11の軸方向の大きさが、薄肉部12の軸方向の大きさと同等であってもよい。
この差厚管10では、薄肉部12のうち、テーパー部13から、薄肉部12の肉厚tの半分に相当する距離、離れた部分(以下、第1部分12aという)の硬度は、第2端部15から、薄肉部12の肉厚tに相当する距離、離れた部分(以下、第2部分12bという)の硬度よりも高い。このような硬度の相対関係は、後述する製造方法により製造されることで実現される。例えば、第1部分12aの硬度は、第2部分12bの硬度の1.1倍以上1.5倍以下である。
なお硬度は、例えば、以下のように測定することができる。
硬度の測定は、基本的にJIS Z 2244:2009(以下、単に規格という)に記載のビッカース硬さ試験に準ずる。すなわち、上記規格に規定される圧子を、第1部分12aおよび第2部分12bそれぞれの外周面に押し込む。このとき圧子は、第1部分12a、第2部分12bそれぞれにおいて、周方向に同等の間隔をあけて5か所押し当てて硬度を測定する。第1部分12a、第2部分12bそれぞれの硬度(それぞれの外周面の硬度)は、5か所の測定結果の平均値とする。
(金属管20)
差厚管10は、図3および図4に示す金属管20から成形される。金属管20は、軸方向の全長にわたって同径である。なお金属管20の第1端部21は、差厚管10の第1端部14と対応する。金属管20の第2端部22は、差厚管10の第2端部15と対応する。以下では、金属管20において、軸方向に沿う第1端部21側を第1側D1といい、軸方向に沿う第2端部22側を第2側D2という。
(差厚管の製造装置30の第1実施形態)
差厚管の製造装置30(以下、単に製造装置30という。)は、金属管20から差厚管10を製造する。図5から図8に示すように、製造装置30は、プレス機31と、プレス機31を制御する制御部32と、を備えている。
(プレス機31)
プレス機31は、第1ダイ41と、第2ダイ42と、プラグ43と、マンドレル44と、パンチ45と、を備えている。このプレス機31は、いわゆる多軸プレスである。
図5に示すように、第1ダイ41は、筒状である。第1ダイ41は、ダイ空間46と、支持面47と、を備えている。
ダイ空間46は、第1ダイ41の内部空間である。ダイ空間46には、金属管20が配置される。支持面47は、ダイ空間46の内面に形成されている。支持面47は、金属管20のうちの後述のテーパー部25を支持する。なおダイ空間46には、いわゆる抜きテーパーが設けられていてもよい。
第2ダイ42は、筒状である。第2ダイ42には、プラグ43やマンドレル44が差し込まれる。第2ダイ42は、ダイ空間46に配置された金属管20の第2端部22を、金属管20に対して第2側D2から支持する。第2ダイ42は、第1ダイ41に対して、金属管20の軸方向に相対的に移動可能である。
図6に示すように、プラグ43は、ダイ空間46に配置された金属管20を拡径させる。プラグ43は、先細りの軸状である。プラグ43は、第1ダイ41に対して、金属管20の軸方向に相対的に移動可能である。プラグ43は、ダイ空間46に配置された金属管20内に入り込む。プラグ43の外径は、金属管20の内径よりも大きい。プラグ43は、金属管20を径方向の内側から押し広げることで拡径させる。
図7に示すように、マンドレル44は、ダイ空間46に配置された金属管20内に配置される。マンドレル44は、軸方向の全長にわたって同径の軸状である。マンドレル44は、第1ダイ41に対して、金属管20の軸方向に相対的に移動可能である。マンドレル44は、ダイ空間46に配置された金属管20内に差し込まれる。なおマンドレル44には、いわゆる抜きテーパーが設けられていてもよい。
パンチ45は、ダイ空間46に配置された金属管20の第1端部21を、金属管20に対して第1側D1から押圧する。パンチ45は、マンドレル44と一体に設けられている。パンチ45は、マンドレル44の軸方向の端部に繋がっている。パンチ45は、マンドレル44と同様に、第1ダイ41に対して、金属管20の軸方向に相対的に移動可能である。パンチ45は、ダイ空間46に差し込まれる。
なお、パンチ45が金属管20の第1端部21を押圧するとき、マンドレル44の第2側D2の端部は、第2ダイ42内に差し込まれている。
(制御部32)
制御部32は、情報処理装置によって構成される。制御部32は、例えば、バスで接続されたCPU(Central Processor Unit)、メモリ及び補助記憶装置を備えている。制御部32は、プログラムを実行することによって動作する。
制御部32は、第2ダイ42、プラグ43、マンドレル44(パンチ45)それぞれを駆動させる図示しない駆動源に接続されている。
(差厚管の製造装置30を用いた差厚管の第1の製造方法)
次に、上記製造装置30を用いた差厚管10の第1の製造方法について説明する(第2の製造方法については後述する)。
この方法は、図9に示すように、準備工程S1、拡径工程S2、増肉工程S3、取り出し工程S4の4つの工程を含む。本実施形態では、これらの各工程において、金属管20の軸方向が上下方向となり、第2側D2が下側となるように、製造装置30が設置される。
なお、以下の製造方法では、金属管20の第2端部22寄りの部分を拡径させる。以下の説明では、拡径される前の金属管20を素管20Aということがあり、拡径された後の金属管20を拡径管20Bということがある。
また、図10から図15は、製造過程を説明する縦断面図であり、図16から図21は、図10から図15に示す各状態に対応する金属管20(差厚管10)のミーゼス応力の分布を示す図であり、図22から図26は、図17から図21に示す図における要部の拡大図である。図10から図26において、金属管20(差厚管10)の色が薄いほど、発生しているミーゼス応力が高いことを示している。なおミーゼス応力は、FEM解析により導出した。
(準備工程S1)
図10、図16に示すように、準備工程S1では、プレス機31を準備するとともに、プレス機31に素管20Aを配置する。このときまず、第2ダイ42をダイ空間46に配置する。その後、素管20Aを、ダイ空間46に配置する。このとき、素管20Aの第2端部22は、第2ダイ42に突き当たっている。
(拡径工程S2)
図11、図17、図22に示すように、拡径工程S2では、プラグ43を素管20Aに差し込み、素管20Aの第1端部21よりの部分を拡径させる。このとき、プラグ43が素管20Aの第1端部21から素管20A内に差し込まれ、プラグ43が素管20Aの第1端部21を径方向の内側から押し広げる。その結果、素管20Aのうちの第1端部21寄りの部分が拡径し、素管20Aが拡径管20Bとなる。
なお拡径管20Bは、大径部23と、小径部24と、テーパー部25と、を備えている。大径部23は、第1端部21を含む。小径部24は、第2端部22を含む。小径部24は大径部23よりも小径である。テーパー部25は、大径部23と小径部24とを繋ぐ。テーパー部25は、大径部23から小径部24に向けて徐々に小径になる。
ダイ空間46内で前述のように拡径管20Bが形成されることで、第1ダイ41の支持面47が、拡径管20Bのテーパー部13を、拡径管20Bに対して第2側D2から支持する。さらにこのとき、マンドレル44と、ダイ空間46に配置された拡径管20Bとの間に、径方向の隙間Sが設けられる。
(発明者による検討)
ところで、本願発明者は、鋭意検討した結果、本態様とは異なる態様、すなわち、第2ダイ42が第1ダイ41に固定されている態様において、以下の事項を見出した。
(1)ダイ空間46に拡径管20Bが配置され、かつ、拡径管20B内にマンドレル44が配置され、かつ、第2ダイ42が第2端部22を支持した状態で、パンチ45が第1端部21を押圧すると、拡径管20Bが軸方向に圧縮され、拡径管20Bの大径部23を形成する材料が、マンドレル44と大径部23との間の隙間Sに流入し、その結果、差厚管10において厚肉となる部分が増肉されること。
(2)拡径管20Bが一定以上の荷重で圧縮されると、拡径管20Bがテーパー部25の内面を起点として折れ曲がり、この起点が差厚管10にしわとして残留すること。
そこで本願発明者は、以下の増肉工程S3に想到した。
(増肉工程S3)
図12から図15、図18から図20、図23から図26に示すように、増肉工程S3では、ダイ空間46に拡径管20Bが配置され、かつ、拡径管20B内にマンドレル44が配置された状態で、パンチ45が第1端部21を押圧する。このとき、支持面47にテーパー部25を支持させ、かつ、第2ダイ42に第2端部22を支持させたまま、第2ダイ42を第2側D2に移動させる。これにより、拡径管20B全体が軸方向に圧縮されつつも、拡径管20Bを形成する材料が、拡径管20Bの全長にわたって第1側D1から第2側D2に流動する。なお、このときの第2ダイ42の移動速度(押圧速度)は、例えば、パンチ45の移動速度の20~40%を満たすことが好ましい。
前述のように、拡径管20Bが圧縮させられることで、マンドレル44と大径部23との間の隙間Sに、大径部23を形成する材料が流れ込み、差厚管10において厚肉となる部分が増肉される。またこのとき、拡径管20Bのうち、支持面47とパンチ45との間に位置する部分が中心となって軸方向に圧縮される。そのため、この部分を中心に圧縮応力が生じて拡径管20Bが塑性変形し、拡径管20Bのうち、増肉される部分をはじめ、小径部24のうちのテーパー部25の近傍に位置する部分においても硬度が高まる。
また前述したように、拡径管20B全体では、拡径管20Bを構成する材料が軸方向の第1側D1から第2側D2に流動する。これにより、仮に拡径管20Bが一定以上の荷重で圧縮されて、テーパー部25の内面に前述の折れ曲がりの起点29が発生したとしても、この起点29の位置が第1側D1から第2側D2に移動する。これにより、折れ曲がりの起点29が、第1ダイ41の支持面47よりも第2側D2に移動する。ここで、ダイ空間46において第1ダイ41とマンドレル44との間に形成される環状の空間のうち、支持面47よりも第2側D2に位置する部分(すなわち、小径部24が配置される部分。以下、第2空間S2という。)は、支持面47よりも第1側D1に位置する部分(すなわち、大径部23が配置される部分。以下、第1空間S1という。)よりも径方向に狭い。よって、折れ曲がりの起点29が広い空間から狭い空間に移動すると言える。そのため、この起点29の跡に形成され得るしわに相当する空間に、拡径管20Bの変形に伴って流動する材料が流れ込み易くなり、しわの発生が抑制される。
(取り出し工程S4)
増肉工程S3終了し、拡径管20Bが差厚管10に成形された後、ダイ空間46から差厚管10を取りだして、差厚管10の製造が完了する。
以上説明したように、本実施形態に係る差厚管の製造方法によれば、差厚管10において応力が集中し易いテーパー部13近傍における硬度を高めることができる。したがって、この差厚管10に、例えば軸力が加えられ、その軸力に起因して応力集中箇所であるテーパー部13前後において応力が集中して発生したとしても、予期せぬ変形や損傷を抑制することができる。さらに、前述のように製造過程においてしわの発生を抑えることができる。これらから、高品質な差厚管10を製造することができる。
(差厚管の製造装置50の第2実施形態)
次に、本発明に係る差厚管の製造装置50の第2実施形態を、図面を参照して説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。また、図27から図29に示す差厚管の製造装置の縮尺は、図31から図39に示す差厚管の製造装置の縮尺とは異なっている。
図27に示すように、本実施形態に係る製造装置50では、第1ダイ41と第2ダイ42とが一体に形成されている。第1ダイ41と第2ダイ42とは相対的に移動不能である。以下では、第1ダイ41および第2ダイ42によって構成されるダイを連結ダイ51という。
図27から図29に示すように、製造装置50は、複数の連結ダイ51を備えている。連結ダイ51は、第2ダイ42の軸方向の位置を互いに異ならせて複数設けられている。なお図示の例では、第2ダイ42の軸方向の位置は、図27に示す第1の連結ダイ51a、図28に示す第2の連結ダイ51b、図29に示す第3の連結ダイ51cの順に第2側D2に位置している。なお連結ダイ51は、2つであってもよく、4つ以上であってもよい。
(差厚管の製造装置50を用いた差厚管の製造方法)
次に、上記製造装置50を用いた差厚管10の製造方法について説明する。
この方法は、図9に示すように、準備工程S1、拡径工程S2、増肉工程S3、取り出し工程S4の4つの工程を含む。
なお、図31から図38は、製造過程を説明する縦断面図であり、図39から図46は、図31から図38に示す各状態に対応する金属管20(差厚管10)のミーゼス応力の分布を示す図であり、図47から図53は、図39から図46に示す図における要部の拡大図である。図39から図53において、金属管20(差厚管10)の色が薄いほど、発生しているミーゼス応力が高いことを示している。
(準備工程S1)
図31、図39に示すように、準備工程S1では、連結ダイ51に素管20Aを配置する。このとき、複数の連結ダイ51のうち、第2ダイ42が最も第1側D1に位置する連結ダイ51である第1の連結ダイ51aに素管20Aを配置する。このとき、素管20Aの第2端部22は、第2ダイ42に突き当たっている。
(拡径工程S2)
図32、図40、図47に示すように、拡径工程S2では、プラグ43を素管20Aに差し込み、素管20Aの第1端部21よりの部分を拡径させる。このとき、プラグ43が素管20Aの第1端部21から素管20A内に差し込まれ、プラグ43が素管20Aの第1端部21を径方向の内側から押し広げる。その結果、素管20Aのうちの第1端部21寄りの部分が拡径し、素管20Aが拡径管20Bとなる。
(増肉工程S3)
増肉工程S3は、ダイ交換工程S31と、プレス工程S32と、を含む。
(ダイ交換工程S31)
図33、図41、図48に示すように、ダイ交換工程S31では、拡径管20Bが配置される連結ダイ51を入れ替える。本実施形態では、拡径工程S2において第1の連結ダイ51aに配置されている拡径管20Bを、第2の連結ダイ51bに移動させる。第2の連結ダイ51bにおいて、拡径管20Bの第2端部22と第2ダイ42との間には、軸方向の隙間があいている。
(プレス工程S32)
図34、図35、図42、図43、図49、図50に示すように、プレス工程S32では、第2の連結ダイにおいて、ダイ空間46に拡径管20Bが配置され、かつ、拡径管20B内にマンドレル44が配置され、かつ、第2ダイ42と第2端部15との間に軸方向の隙間をあけた状態で、パンチ45に第1端部21を押圧させる。このとき、第2ダイ42と第2端部22との間に軸方向の隙間があいていることから、拡径管20Bには軸力が過度に大きくは加わらない。一方、拡径管20Bを形成する材料は、前述の製造装置30による製造方法と同様に、拡径管20Bの全長にわたって第1側D1から第2側D2に流動する。このように拡径管20B全体が軸方向に圧縮されつつ、材料が流動することで、差厚管10において厚肉になる部分が増肉されていく。このとき、前述したように拡径管20Bに軸力が過度に大きくは加わらないことから、前述の折れ曲がりの発生は抑えられる。
なおこのとき、少なくとも第2端部22が第2ダイ42に突き当たるまで拡径管20Bを第2側D2に押圧する。そのため、前述の折れ曲がりが生じない範囲で拡径管20Bに適度に軸力を加えることができる。その結果、差厚管10において厚肉となる部分を中心に圧縮応力を生じさせ、拡径管20Bを適度に塑性変形させることができる。
その後、この連結ダイ51から拡径管20Bを取り出す。
増肉が完了されていない場合、図36、図44、図51に示すように、ダイ交換工程S31に戻る。そして図37、図38、図45、図46、図52、図53に示すように、別の連結ダイ51(本実施形態では第3の連結ダイ51c)において、プレス工程S32を実施する。
増肉が完了している場合、すなわち、拡径管20Bが差厚管10に成形されている場合、次の取り出し工程S4に移行する。
(取り出し工程S4)
増肉工程S3終了後、ダイ空間46から差厚管10を取りだして、差厚管10の製造が完了する。
以上より、この製造装置50を用いた差厚管の製造方法によれば、差厚管10において応力が集中し易いテーパー部13近傍における硬度を高めることができる。したがって、この差厚管10に、例えば軸力が加えられ、その軸力に起因して応力集中箇所であるテーパー部13前後において応力が集中して発生したとしても、予期せぬ変形や損傷を抑制することができる。さらに、前述のように製造過程においてしわの発生の要因となる折れ曲がりの発生を抑えることができる。これらから、高品質な差厚管10を製造することができる。
(第1実施形態の差厚管の製造装置30を用いた第2の製造方法)
ここで、第2実施形態に係る製造装置50を用いた差厚管の製造方法は、第1実施形態に係る製造装置30にも応用できる。以下では、この製造方法を、製造装置30を用いた第2の製造方法として説明する。
第2の製造方法では、第1の製造方法に対して、増肉工程S3が異なっている。
この方法では、増肉工程S3において、以下に示すダイ移動工程S33(第2工程)とプレス工程S34(第1工程)とを繰り返し実施する。
(ダイ移動工程S33)
ダイ移動工程S33では、第2ダイ42を第2側D2に移動させる。これにより、直前の工程(拡径工程S2やプレス工程S34)後に第2ダイ42が拡径管20Bの第2端部22に接触していたとしても、第2ダイ42と第2端部22との間に軸方向の隙間があく。
(プレス工程S34)
プレス工程S34では、ダイ空間46に拡径管20Bが配置され、かつ、拡径管20B内にマンドレル44が配置され、かつ、第2ダイ42と第2端部22との間に軸方向の隙間をあけた状態で、パンチ45に第1端部21を押圧させる。このとき、第2ダイ42と第2端部22との間に軸方向の隙間があいていることから、拡径管20Bには軸力が過度に大きくは加わらない。一方、拡径管20Bを形成する材料は、前述の第1の方法と同様に、拡径管20Bの全長にわたって第1側D1から第2側D2に流動する。このように拡径管20B全体が軸方向に圧縮されつつ、材料が流動することで、差厚管10において厚肉になる部分が増肉されていく。このとき、前述したように拡径管20Bに軸力が過度に大きくは加わらないことから、前述の折れ曲がりの発生は抑えられる。
なお、このプレス工程S34では、少なくとも第2端部22が第2ダイ42に突き当たるまで拡径管20Bを第2側D2に押圧する。そのため、前述の折れ曲がりが生じない範囲で拡径管20Bに適度に軸力を加えることができる。その結果、差厚管10において厚肉となる部分を中心に圧縮応力を生じさせ、拡径管20Bを適度に塑性変形させることができる。
プレス工程S34の後、増肉が完了されていない場合、ダイ移動工程S33に戻り、プレス工程S34を再び実施する。
増肉が完了している場合、すなわち、拡径管20Bが差厚管10に成形されている場合、取り出し工程S4に移行する。
以上より、この製造装置30を用いた差厚管の第2の製造方法によれば、製造装置50を用いた差圧管の製造方法と同様の作用効果を得ることができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
上述した制御部32が備える各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Progammable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。
上述した制御部32が実行するプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。各プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
前記実施形態では、制御部32が、プレス機31を制御するが、本発明はこれに限られない。例えば、オペレーター(人)がプレス機31を制御してもよい。
拡径工程S2はなくてもよい。例えば、予め拡径された金属管20を用いて差厚管10を製造してもよい。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
10 差厚管
11 厚肉部
12 薄肉部
13 テーパー部
14 第1端部
15 第2端部
20 金属管
21 第1端部
22 第2端部
23 大径部
24 小径部
25 テーパー部
30、50 製造装置
31 プレス機
32 制御部
41 第1ダイ
42 第2ダイ
43 プラグ
44 マンドレル
45 パンチ
46 ダイ空間
47 支持面
51 連結ダイ
D1 第1側
D2 第2側
S 隙間
S33 ダイ移動工程(第2工程)
S34 プレス工程(第1工程)

Claims (8)

  1. 軸方向の第1側に位置する第1端部を含む大径部と、前記軸方向の第2側に位置する第2端部を含み前記大径部よりも小径な小径部と、前記大径部と前記小径部とを繋ぎ、前記大径部から前記小径部に向けて徐々に小径になるテーパー部と、を備える金属管から、第1端部が第2端部よりも厚く、かつ、第1端部における外径が、第2端部における外径よりも大きい差厚管を製造する装置であって、
    前記金属管が配置されるダイ空間と、前記ダイ空間の内面に形成され、前記ダイ空間に配置された前記金属管の前記テーパー部を、前記金属管に対して前記第2側から支持する支持面と、を備える第1ダイと、
    前記ダイ空間に配置された前記金属管の前記第2端部を、前記金属管に対して前記第2側から支持するとともに、前記第1ダイに対して、前記金属管の軸方向に相対的に移動可能である第2ダイと、
    前記ダイ空間に配置された前記金属管内に、前記大径部との間に前記金属管の径方向の隙間をあけた状態で配置されるマンドレルと、
    前記ダイ空間に配置された前記金属管の前記第1端部を、前記金属管に対して前記第1側から押圧するパンチと、
    前記第1ダイ、前記第2ダイ、前記マンドレル及び前記パンチを備えるプレス機を制御する制御部と、を備え
    前記制御部は、前記ダイ空間に前記金属管が配置され、かつ、前記金属管内に前記マンドレルが配置された状態で、前記パンチに前記第1端部を押圧させるときに、前記第2ダイに前記第2端部を支持させたまま、前記第2ダイを前記第2側に移動させる差厚管の製造装置。
  2. 軸方向の第1側に位置する第1端部を含む大径部と、前記軸方向の第2側に位置する第2端部を含み前記大径部よりも小径な小径部と、前記大径部と前記小径部とを繋ぎ、前記大径部から前記小径部に向けて徐々に小径になるテーパー部と、を備える金属管から、第1端部が第2端部よりも厚く、かつ、第1端部における外径が、第2端部における外径よりも大きい差厚管を製造する装置であって、
    前記金属管が配置されるダイ空間と、前記ダイ空間の内面に形成され、前記ダイ空間に配置された前記金属管の前記テーパー部を、前記金属管に対して前記第2側から支持する支持面と、を備える第1ダイと、
    前記ダイ空間に配置された前記金属管の前記第2端部を、前記金属管に対して前記第2側から支持するとともに、前記第1ダイに対して、前記金属管の軸方向に相対的に移動可能である第2ダイと、
    前記ダイ空間に配置された前記金属管内に、前記大径部との間に前記金属管の径方向の隙間をあけた状態で配置されるマンドレルと、
    前記ダイ空間に配置された前記金属管の前記第1端部を、前記金属管に対して前記第1側から押圧するパンチと、
    前記第1ダイ、前記第2ダイ、前記マンドレル及び前記パンチを備えるプレス機を制御する制御部と、を備え
    前記制御部は、
    前記ダイ空間に前記金属管が配置され、かつ、前記金属管内に前記マンドレルが配置され、かつ、前記第2ダイと前記第2端部との間に前記軸方向の隙間をあけた状態で、前記パンチに前記第1端部を押圧させることで、少なくとも前記第2端部が前記第2ダイに突き当たるまで前記金属管を前記第2側に押圧する第1工程と、
    前記第1工程の後、前記第2ダイを前記第2側に移動させることで、前記第2ダイと前記第2端部との間に前記軸方向の隙間を再びあける第2工程と、を繰り返し実施する差厚管の製造装置。
  3. 軸方向の第1側に位置する第1端部を含む大径部と、前記軸方向の第2側に位置する第2端部を含み前記大径部よりも小径な小径部と、前記大径部と前記小径部とを繋ぎ、前記大径部から前記小径部に向けて徐々に小径になるテーパー部と、を備える金属管から、第1端部が第2端部よりも厚く、かつ、第1端部における外径が、第2端部における外径よりも大きい差厚管を製造する装置であって、
    前記金属管が配置されるダイ空間と、前記ダイ空間の内面に形成され、前記ダイ空間に配置された前記金属管の前記テーパー部を、前記金属管に対して前記第2側から支持する支持面と、を備える第1ダイと、
    前記ダイ空間に配置された前記金属管の前記第2端部を、前記金属管に対して前記第2側から支持する第2ダイと、
    前記ダイ空間に配置された前記金属管内に、前記大径部との間に前記金属管の径方向の隙間をあけた状態で配置されるマンドレルと、
    前記ダイ空間に配置された前記金属管の前記第1端部を、前記金属管に対して前記第1側から押圧するパンチと、を備え、
    前記第1ダイおよび前記第2ダイによって構成される連結ダイが、前記第2ダイの前記軸方向の位置を互いに異ならせて複数設けられている差厚管の製造装置。
  4. 前記連結ダイ、前記マンドレルおよび前記パンチを備えるプレス機を制御する制御部を更に備え、
    前記制御部は、前記ダイ空間に前記金属管が配置され、かつ、前記金属管内に前記マンドレルが配置され、かつ、前記第2ダイと前記第2端部との間に前記軸方向の隙間をあけた状態で、前記パンチに前記第1端部を押圧させることで、少なくとも前記第2端部が前記第2ダイに突き当たるまで前記金属管を前記第2側に押圧する工程を、前記連結ダイを入れ替えて繰り返し実施する請求項に記載の差厚管の製造装置。
  5. 軸方向の第1側に位置する第1端部を含む大径部と、前記軸方向の第2側に位置する第2端部を含み前記大径部よりも小径な小径部と、前記大径部と前記小径部とを繋ぎ、前記大径部から前記小径部に向けて徐々に小径になるテーパー部と、を備える金属管から、第1端部が第2端部よりも厚く、かつ、第1端部における外径が、第2端部における外径よりも大きい差厚管を、差厚管の製造装置を用いて製造する方法であって、
    前記差厚管の製造装置は、
    前記金属管が配置されるダイ空間と、前記ダイ空間の内面に形成され、前記ダイ空間に配置された前記金属管の前記テーパー部を、前記金属管に対して前記第2側から支持する支持面と、を備える第1ダイと、
    前記ダイ空間に配置された前記金属管の前記第2端部を、前記金属管に対して前記第2側から支持するとともに、前記第1ダイに対して、前記金属管の軸方向に相対的に移動可能である第2ダイと、
    前記ダイ空間に配置された前記金属管内に、前記大径部との間に前記金属管の径方向の隙間をあけた状態で配置されるマンドレルと、
    前記ダイ空間に配置された前記金属管の前記第1端部を、前記金属管に対して前記第1側から押圧するパンチと、を備え、
    前記ダイ空間に前記金属管が配置され、かつ、前記金属管内に前記マンドレルが配置された状態で、前記パンチに前記第1端部を押圧させるときに、前記第2ダイに前記第2端部を支持させたまま、前記第2ダイを前記第2側に移動させる差厚管の製造方法。
  6. 軸方向の第1側に位置する第1端部を含む大径部と、前記軸方向の第2側に位置する第2端部を含み前記大径部よりも小径な小径部と、前記大径部と前記小径部とを繋ぎ、前記大径部から前記小径部に向けて徐々に小径になるテーパー部と、を備える金属管から、第1端部が第2端部よりも厚く、かつ、第1端部における外径が、第2端部における外径よりも大きい差厚管を、差厚管の製造装置を用いて製造する方法であって、
    前記差厚管の製造装置は、
    前記金属管が配置されるダイ空間と、前記ダイ空間の内面に形成され、前記ダイ空間に配置された前記金属管の前記テーパー部を、前記金属管に対して前記第2側から支持する支持面と、を備える第1ダイと、
    前記ダイ空間に配置された前記金属管の前記第2端部を、前記金属管に対して前記第2側から支持するとともに、前記第1ダイに対して、前記金属管の軸方向に相対的に移動可能である第2ダイと、
    前記ダイ空間に配置された前記金属管内に、前記大径部との間に前記金属管の径方向の隙間をあけた状態で配置されるマンドレルと、
    前記ダイ空間に配置された前記金属管の前記第1端部を、前記金属管に対して前記第1側から押圧するパンチと、を備え、
    前記ダイ空間に前記金属管が配置され、かつ、前記金属管内に前記マンドレルが配置され、かつ、前記第2ダイと前記第2端部との間に前記軸方向の隙間をあけた状態で、前記パンチに前記第1端部を押圧させることで、少なくとも前記第2端部が前記第2ダイに突き当たるまで前記金属管を前記第2側に押圧する第1工程と、
    前記第1工程の後、前記第2ダイを前記第2側に移動させることで、前記第2ダイと前記第2端部との間に前記軸方向の隙間を再びあける第2工程と、を繰り返し実施する差厚管の製造方法。
  7. 軸方向の第1側に位置する第1端部を含む大径部と、前記軸方向の第2側に位置する第2端部を含み前記大径部よりも小径な小径部と、前記大径部と前記小径部とを繋ぎ、前記大径部から前記小径部に向けて徐々に小径になるテーパー部と、を備える金属管から、第1端部が第2端部よりも厚く、かつ、第1端部における外径が、第2端部における外径よりも大きい差厚管を、請求項またはに記載の差厚管の製造装置を用いて製造する方法であって、
    前記ダイ空間に前記金属管が配置され、かつ、前記金属管内に前記マンドレルが配置され、かつ、前記第2ダイと前記第2端部との間に前記軸方向の隙間をあけた状態で、前記パンチに前記第1端部を押圧させることで、少なくとも前記第2端部が前記第2ダイに突き当たるまで前記金属管を前記第2側に押圧する工程を、前記連結ダイを入れ替えて繰り返し実施する差厚管の製造方法。
  8. 軸方向の第1側に位置する第1端部を含む厚肉部と、
    前記軸方向の第2側に位置する第2端部を含み前記厚肉部よりも薄肉で、かつ、外径が前記厚肉部の外径よりも小さい薄肉部と、
    前記厚肉部と前記薄肉部とを繋ぎ、前記厚肉部から前記薄肉部に向けて徐々に薄肉になるテーパー部と、を備え、
    前記薄肉部のうち、前記テーパー部から、前記薄肉部の肉厚の半分に相当する距離、離れた部分の硬度は、前記第2端部から、前記薄肉部の肉厚に相当する距離、離れた部分の硬度よりも高い差厚管。
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