JP2001105034A - パイプベンダー - Google Patents

パイプベンダー

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JP2001105034A
JP2001105034A JP28894599A JP28894599A JP2001105034A JP 2001105034 A JP2001105034 A JP 2001105034A JP 28894599 A JP28894599 A JP 28894599A JP 28894599 A JP28894599 A JP 28894599A JP 2001105034 A JP2001105034 A JP 2001105034A
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pipe
core
metal
bending
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JP28894599A
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Takumi Kojima
匠 小島
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 芯金を用いるパイプベンダーにあって、芯金
に潤滑剤を塗布しなくても、被加工管の湾曲部における
滑りが良く、曲げ加工に際しての被加工管の内面と芯金
の焼き付きがなく、加工後の芯金の引き出しがスムーズ
なパイプベンダーを提供することを目的とする。 【解決手段】 回転する回転型に被加工管を締め付け型
で固定し、被加工管の内部に円柱状の芯金を挿嵌し、被
加工管の背部を抑え型で抑えて前記回転型を回転させて
曲げ加工を行なうパイプベンダーにおいて、前記芯金
を、芯金円柱の先端に芯金駒を首振り可能に連結して構
成し、該芯金駒の外周部に同芯金駒の母材より低摩擦性
・耐蝕性の溶着層を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、管の曲げ加工を行
なうパイプベンダーに関し、より詳しくは、曲げ加工時
の管断面の変形を防止するために、被加工管の内部に芯
金を挿嵌して曲げ加工を行なうパイプベンダーに関す
る。
【0002】
【従来の技術】鋼管等の冷間曲げ加工方法の1つに回転
引き曲げ型方式(Rotary Draw Bendi
ng)がある。この回転引き曲げ型方式による管の曲げ
加工に際して、一般に、その曲げ加工時に発生する管断
面の変形(楕円化)、管内側の皺の発生を防止すること
を目的として、管内部に芯金が挿嵌される。
【0003】回転引き曲げ型方式を用いるパイプベンダ
ーの1例が特開昭55−128324号に記載されてい
る。このパイプベンダーについて図4を参照して説明す
る。このパイプベンダーは、本体51、曲げ型52、回
転テーブル53、固定テーブル54、芯金55、締め付
け型56、抑え型57により構成されている。被加工管
60を曲げ加工する場合、回転する曲げ型52に、被加
工管60を、回転テーブル53上の締め付け型56で挟
持し、被加工管60内に芯金55を挿嵌し、被加工管6
0の背部を抑え型57で抑えて曲げ型52を回転してゆ
くと、被加工管60は曲げ型52の回転にしたがって引
き曲げられる。
【0004】 回転引き曲げ型方式を用いる他のパイプ
ベンダーとして、曲率半径の小さい曲げ加工や、樹脂
管、鉛管等の曲げ加工用に、芯金の先端に首振り可能な
自在芯金を連結したものが、特開平6−185687
号、特開平8−141658号に記載されている。
【0005】芯金を用いて管曲げ加工を行う従来のパイ
プベンダーにおいては、被加工管の湾曲部(曲げの開始
点)での滑りを良くするために、また、被加工管の内面
と芯金の焼き付きを防止して管曲げ加工終了後の芯金の
引き出しをスムーズにするために、芯金の先端部外面に
グリース等の潤滑剤を塗布した後、該芯金を被加工管の
内部に挿嵌して曲げ加工が行われる。このように曲げ加
工された被加工管の内面にはグリース等の潤滑剤が付着
することとなるため、曲げ加工後に、被加工管の内面の
グリース等潤滑剤をエアー洗浄し、或いはウエスにより
拭き取り、その後溶接により接続加工を施し、最後に酸
洗い処理を施して製品となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の通り、従来のパ
イプベンダーでは、芯金の先端部外面にグリース等の潤
滑剤を塗布した後、該芯金を被加工管の内部に挿嵌して
曲げ加工を行ない、曲げ加工の後に被加工管の内面に付
着したグリース等潤滑剤をエアー洗浄し、或いはウエス
により拭き取る作業を行なっているが、被加工管の内面
に僅かでも潤滑剤が残留していると、次の溶接接続工程
において、かかる残留した潤滑剤が加熱され被加工管の
内面に固化し、後工程の酸洗い処理の効果を減ずる結果
となる。そのため、被加工管内面に付着した潤滑剤は、
溶接接続工程の前に完全に除去することが要求され、そ
の除去作業には多大の工数を要し、これが製品のコスト
アップ要因となる。
【0007】本発明は、かかる課題に鑑み、芯金を被加
工管の内部に挿嵌して被加工管の曲げ加工を行うパイプ
ベンダーにおいて、芯金にグリース等の潤滑剤を塗布し
なくても、被加工管の内面での芯金の滑りが良く、曲げ
加工に際して被加工管内面と芯金の焼き付きを防止で
き、曲げ加工後の芯金の引き出しがスムーズなパイプベ
ンダーを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達するため
に、本発明の第1の発明は、回転する回転型に被加工管
を締め付け型で固定し、被加工管の内部に円柱状の芯金
を挿嵌し、被加工管の背部を抑え型で抑えて前記回転型
を回転させて曲げ加工を行なうパイプベンダーにおい
て、前記芯金は、円柱状の芯金円柱と、その先端に首振
り可能に連結された芯金駒からなり、該芯金駒の外周部
には同芯金駒の母材より低摩擦性・耐蝕性の溶着層を備
えていることを特徴とする。この第1の発明のパイプベ
ンダーは、比較的小さな曲率半径(管径の1.5倍前
後)の湾曲加工用に用いることができ、芯金駒の外周部
に低摩擦性の溶着層を備えているため、潤滑剤を塗布し
なくても、被加工管内面と芯金外面との滑りが良く、被
加工管の内面は綺麗に仕上げられ、また芯金駒外周部に
損傷が発生することも無い。また、芯金駒外周部の溶着
層は耐蝕性をも備えているため、芯金駒の寿命は一層向
上する。
【0009】本発明の第2の発明は、第1の発明におい
て、芯金駒が複数個連結されていることを特徴とする。
芯金駒を複数個連結したことで、被加工管の断面の変
形、内面の皺の発生を抑えて、より曲率半径の小さい湾
曲加工用に用いることができる。
【0010】本発明の第3の発明は、回転する回転型に
被加工管を締め付け型で固定し、被加工管の内部に円柱
状の芯金を挿嵌し、被加工管の背部を抑え型で抑え前記
回転型を回転させて曲げ加工を行なうパイプベンダーに
おいて、前記円柱状の芯金の先端外周部は曲面状に形成
されており、該芯金先端外周部には同芯金の母材より耐
蝕性と低摩擦性、耐蝕性の溶着層を備えていることを特
徴とする。この第3の発明のパイプベンダーは、比較的
大きな曲率半径(管径の2.5倍前後)の湾曲加工用に
用いることができ、円柱状の芯金の先端外周部に低摩擦
性の溶着層を備えているため、潤滑剤を塗布しなくて
も、被加工管内面と芯金外面との滑りが良く、被加工管
の内面は綺麗に仕上げられ、また芯金先端曲状部に損傷
が発生することも無い。また、芯金先端外周部の溶着層
は耐蝕性をも備えているため、芯金の寿命は一層向上す
る。
【0011】本発明の第4の発明は、上記第1乃至第3
の発明のパイプベンダーにおいて、溶着層はコバルトを
ベースとする金属間化合物からなることを特徴とする。
コバルトをベースとする金属間化合物からなる溶着層は
低摩擦性と耐蝕性の双方に優れており、芯金の寿命を向
上させる。上記第1〜第3の発明において、芯金駒或い
は芯金に設けられる溶着層の材質として好適である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、管を湾曲させる回転引
き曲げ型方式(Rotary Draw Bending)のパイプベンダ
ーに用いられる治具の1つである芯金の先端部を改良し
たものである。以下、図面に基づいて本発明の実施の形
態を説明する。図1は本発明の第1実施形態にかかるパ
イプベンダーの平面部分断面図、図2は第1実施形態に
かかるパイプベンダーにおける芯金の拡大図、図3は本
発明の第2実施形態にかかるパイプベンダーの芯金の拡
大図である。
【0013】図1において、1は鋼管10を曲げ加工す
るパイプベンダーである。回転テーブル(図示省略)上
に回転型2(図4の曲げ型52に相当するもの)が固定
されており、同回転型2は回転テーブルと共に軸Pを中
心に回転可能である。また回転型2に対向して締め付け
型3が鋼管10を挟持するように回転テーブル上に載置
されている。パイプベンダー1の本体(図示省略)に
は、二点鎖線の位置から実線の位置までスライド可能
に、抑え型4が設けられている。芯金5がロッド6に支
持されて鋼管10内に挿嵌されている。
【0014】図1及び図2に示すように、芯金5は、芯
金円柱12と、芯金円柱12に首振り可能に連結された
芯金駒13(2個連結)から構成されている。芯金円柱
12の、芯金駒13が連結された側と反対側の端にはロ
ッド6が螺合し、取付けられている。ロッド6の他端
は、管曲げ装置1の本体(図示省略)に設けられたロッ
ド駆動装置(図示省略)に接続されている。鋼管10の
曲げ加工が進むにつれ、芯金5は、ロッド駆動装置に駆
動されるロッド6を介して鋼管10内部の湾曲加工部に
向かって押し込まれる。
【0015】芯金円柱12は、鋼管10の内径より僅か
に小さい外径を有し、図2に示すように、芯金円柱12
の外周面12aの先端部には、鋼管10の曲げ加工曲率
半径によって決められる曲率半径のR部12bが形成さ
れている。また、芯金円柱12の軸芯には、後述する連
結部材16の球面部16cを支える球座12cと、保持
金具17を挿持する段付き座12dが設けられている。
【0016】芯金駒13は、曲面状の外周面15aを有
し、所定幅(M)に形成された芯金リング15と、同芯
金リング15の内周側凸部15bを挟持する連結部材1
6と、二分割の保持金具17とで構成されている。連結
部材16には、凸状の球面部16cを支える球座16b
が設けられている。該連結部材16は、芯金リング15
の側面に螺子により着脱可能に固定されている。2つの
芯金リング15にそれぞれ固定された各連結部材16
は、その各々の球面部16cを、前記芯金円柱12の球
座12c及び連結部材16の球座16bに各々挿持され
し、保持金具17(2分割)で芯金円柱12及び芯金リ
ング15に着脱可能に固定して連結されている。このよ
うにして、た2個の芯金駒13は、芯金円柱12に対し
首振り可能となっている。
【0017】本実施形態においては、2個の芯金駒13
を芯金円柱12に首振り可能に連結したが、1個でも、
或いは、3個又はそれ以上の個数を芯金円柱12に連結
してもよい。
【0018】芯金円柱12、連結部材16及び保持金具
17は炭素鋼(SKD11)で作られている。芯金駒1
3を構成する芯金リング15は、母材を一般鋼材(A)
[SS400]とし、その外周にSUS材(B)を1〜
3mmのバタリング処理をし、該SUS材(B)の外周
に自己潤滑作用があるコバルトをベースとした金属間化
合物(C)[トリバロイT−400(商品名)(Co6
2%、Mo28%)]を溶着肉盛して、それを製品寸法
に仕上げ加工したものである。溶着肉盛したことで、コ
バルトをべースとする金属間化合物は芯金駒の母材に強
固に固着し、またその加工コストを廉価にできる。かか
るコバルトをベースとした金属間化合物であるトリバロ
イT−400(商品名)は、自己潤滑作用を有し、前記
母材より低摩擦性のものであると同時に、低摩耗性、耐
蝕性、耐磨耗性、耐掻傷性にも優れた表面硬化肉盛材で
ある。なお、芯金円柱12、連結部材16、保持金具1
7の材質は上述したものに限定されない。また芯金円柱
12、連結部材16、保持金具17の材質は各々異にし
ても良い。
【0019】自己潤滑性材料としては、上記の他に、黒
鉛や二硫化モリブデンなどがあり、これらは潤滑剤を与
えなくても摩擦係数の小さい材料であり、これらを用い
ることもできる。その他、芯金駒の母材より低摩擦、耐
蝕性の材質を用いることができる。 「低摩擦性」と
いう語は、被加工管内面との摩擦係数が、一般鋼材[S
S400]の場合の摩擦係数より小さいものを言う。
【0020】芯金円柱に芯金駒を取り付けてなる芯金
は、比較的曲率半径の小さい(例えば、管径の1.5倍
前後)湾曲加工に使うことができる。湾曲加工において
鋼管10の最大の変形荷重が作用する個所に、芯金円柱
12に首振り可能に連結した芯金駒13を配設するとと
もに、芯金駒13の外周部に自己潤滑作用のある金属間
化合物トリバロイT−400(商品名)(Co62%、
Mo28%)を溶着したため、鋼管10が変形荷重を受
けながら摺動する際の芯金と鋼管10内面との摩擦抵抗
が少なく、摩擦抵抗を和らげるために粘着性の強いグリ
ース等の潤滑剤を芯金駒に塗布する必要はなく、その塗
布作業を省くことができる。また一方、鋼管10内面に
潤滑剤が付着することはなく、それを取り除くためのエ
アー洗浄、ウエスによる拭き取りの作業は不用となる。
殊に、後工程に溶接接続、酸洗い工程が含まれる場合に
は、従来の技術ではでも、グリース等潤滑剤を完全に除
去することを要求されたが、上記第1実施形態のもので
は、作業が要らず、その多大な工数を削減できるため、
作業の効率化と生産性の著しい向上を図ることができ
る。さらに、さらに、コバルトをベースとする金属間化
合物は耐蝕性にも優れ、芯金の耐久性寿命は一層向上
し、それによる加工コストの低減をも図ることができ
る。
【0021】図3を参照して本発明の第2実施形態に係
る芯金について説明する。なお、芯金を除く管曲げ装置
の構成は第1実施形態のものと同一であり、その説明は
省略する。図3に示す芯金20は、比較的大きな曲率半
径(例えば、管径の2.5倍前後)の湾曲加工に用いる
ことができる。なお、芯金20の各部寸法は、被加工管
のサイズによって決められる。芯金20の母材は一般鋼
材(A)〔SS400〕で形成され、芯金20の先端面
20aから長さ(L)の曲状円錐部20b及び円柱部2
0cの一部に亘りSUS材(B)を1〜3mm程度のバ
タリング処理をし、該SUS材(B)の外周に自己潤滑
作用のあるコバルトをベースとした金属間化合物トリバ
ロイT−400(商品名)を溶着肉盛し、それを製品寸
法に合わせて仕上げ加工されている。溶着肉盛したこと
で、コバルトをべースとする金属間化合物は芯金の母材
に強固に固着し、またその加工コストを廉価にできる。
なお、芯金円柱12の材質は上述したものに限定されな
い。また、溶着肉盛りする材料は、上記のコバルトをベ
ースとした金属間化合物の他に、第1実施形態の説明に
おいて示した前述の自己潤滑作用のある金属、その他芯
金の母材より低摩擦性、耐蝕性の材質を用いることがで
きる。のは第1実施形態の場合と同様である。
【0022】このように形成された芯金20を用いて鋼
管を湾曲加工する場合、芯金20と鋼管の内面との摩擦
抵抗が少なく、芯金の先端外周面に粘着性の強いグリー
ス等潤滑剤を塗布する必要はなく、その塗布作業を省く
ことができる。また潤滑剤を塗布する必要がないため、
被加工管内面に潤滑剤が付着することがなく、潤滑剤を
取り除くためのエアー洗浄、ウエスによる拭き取り作業
は不用となる。殊に、後工程に溶接接続、酸洗い工程が
含まれる場合には、従来の技術では、でも、グリース等
潤滑剤を完全に除去することを要求されたが、上記本発
明の第2実施形態では、その多大な工数を削減できるた
め、作業が要らず、作業の効率化と生産性の著しい向上
を図ることができる。さらに、コバルトをベースとする
金属間化合物は耐蝕性にも優れ、芯金の耐久性寿命向上
による加工コストの低減を図ることができる。
【0023】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の管曲げ
装置において、第1の発明では、(1)円柱状の芯金の
先端に、外周部に低摩擦性、耐蝕性の自己潤滑作用のあ
る金属溶着層を設けた芯金駒を芯金円柱の先端に首振り
可能に取り付け連結したことで、芯金駒にグリース等潤
滑剤を塗布しなくても、被加工管の湾曲部内面における
芯金の滑りが良く、曲げ加工に際して被加工管内面と芯
金の焼き付きがなく、曲げ加工後の芯金の引き出しがス
ムーズとなり、さらには、管の内面は綺麗に仕上げら
れ、芯金駒の損傷もなくなり、管曲げ加工の容易化を図
ることができる。加えて、芯金駒にグリース等潤滑剤を
塗布する作業も、が不要であり、一方、被加工管の曲げ
加工後に、グリース等潤滑剤を油脂類を除去する作業も
必要がなくなる。り、殊に、被加工管の曲げ加工時に被
加工管内面にグリース等の潤滑剤が付着しないため、曲
げ加工の後に、溶接接続、酸洗い工程を含む場合でも、
従来技術のように溶接接続時の加熱により被加工管内面
にでの潤滑剤がの固化するということはなく、酸洗い効
果の向上と、また酸洗い液の汚染減少を図ることがで
き、管曲げ作業の効率化と生産性の向上を図ることがで
きる。また、芯金駒外周部の溶着層は耐蝕性をも備えて
いるため、芯金の寿命が向上し、加工コストの一層の低
減を図ることができる。
【0024】また、第2の発明では、(2)円柱状の芯
金の芯金円柱の先端には、外周部に低摩擦性、耐蝕性の
自己潤滑作用のある金属溶着層を設けた芯金駒を複数個
の芯金駒を連結したことで、第1の発明(1)のものが
奏する効果に加え、より曲率半径の小さい、管の曲げ加
工にも適用できる。
【0025】また、第3の発明では、(3)先端部が先
細の曲面状に形成された円柱状の芯金を具えるパイプベ
ンダにおいて、円柱状芯金の先端部外周曲状部に、低摩
擦性、耐蝕性の自己潤滑作用のある金属溶着層を設けた
ことで、芯金にグリース等潤滑剤を塗布しなくても、被
加工管の湾曲部内面における芯金の滑りが良く、曲げ加
工に際して被加工管内面と芯金の焼き付きがなく、曲げ
加工後の芯金の引き出しがスムーズとなり、さらには、
管の内面は綺麗に仕上げられ、芯金の損傷もなくなり、
管曲げ加工の容易化を図ることができる。加えて、芯金
にグリース等潤滑剤を塗布する作業も、被加工管の曲げ
加工後にグリース等潤滑剤を除去する作業も必要がなく
なる。殊に、被加工管の曲げ加工時に被加工管内面にグ
リース等の潤滑剤が付着しないため、曲げ加工の後に溶
接接続、酸洗い工程を含む場合でも、従来技術のように
溶接接続時の加熱により被加工管内面に潤滑剤が固化す
るということはなく、酸洗い効果の向上と、また酸洗い
液の汚染減少を図ることができ、管曲げ作業の効率化と
生産性の向上を図ることができる。また、芯金外周部の
溶着層は耐蝕性をも備えているため、芯金の寿命が向上
し、加工コストの一層の低減を図ることができる。
(1)の装置が奏する効果と同様の効果を奏する他、さ
らに、芯金駒を芯金円柱の先端部に連結して芯金を構成
する第1の発明のもの上記(1)のパイプベンダに使用
される芯金に比べて、芯金の製作は容易かつ廉価であ
る。
【0026】さらに、第4の発明では、溶着層の材質を
低摩擦性と耐蝕性の双方に優れたコバルトをベースとす
る金属間化合物とし、これは上記第1〜第3の発明にお
いて、芯金駒或いは芯金に設けられる溶着層の材質とし
て好適である。(4)上記金属溶着層を、自己潤滑作用
を有して低摩擦性の、また耐蝕性、耐摩耗性、耐掻傷性
にも優れた表面硬化肉盛材であるコバルトをベースとす
る金属間化合物により形成したことで、前述の(1)〜
(3)のものが奏する効果に加え、芯金の耐久性が向上
するという効果を奏する。また、自己潤滑作用のある金
属層を、溶着により、芯金駒又は芯金先端の母材外周部
に溶着により形成したことで、該金属層と母材とが非常
に強固なものとなり、またその加工コストを廉価なもの
とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1実施形態に係るパイプベン
ダー管曲げ装置の平面部分断面図である。
【図2】図2は第1実施形態に係るパイプベンダー管曲
げ装置における芯金の拡大図である。
【図3】図3は本発明の第2実施形態に係る芯金の拡大
図である。
【図4】図4は、従来の回転引き曲げ型方式のパイプベ
ンダー管曲げ装置の平面部分断面図である。
【符号の説明】
1 パイプベンダー管曲げ装置 2 回転型 3 締め付け型 4 抑え型 5 芯金 6 ロッド 10 鋼管 12 芯金円柱 13 芯金駒 15 芯金リング 16 連結部材 17 保持金具 20 芯金50 管曲げ装置 51 本体 52 曲げ型 53 回転テーブル 54 固定テーブル 55 芯金 57 抑え型 60 被加工管
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年10月28日(1999.10.
28)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 パイプベンダー
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、管の曲げ加工を行
なうパイプベンダーに関し、より詳しくは、曲げ加工時
の管断面の変形を防止するために、被加工管の内部に芯
金を挿嵌して曲げ加工を行なうパイプベンダーに関す
る。
【0002】
【従来の技術】鋼管等の冷間曲げ加工方法の1つに回転
引き曲げ型方式(Rotary Draw Bending)がある。この
回転引き曲げ型方式による管の曲げ加工に際して、一般
に、その曲げ加工時に発生する管断面の変形(楕円
化)、管内側の皺の発生を防止することを目的として、
管内部に芯金が挿嵌される。
【0003】回転引き曲げ型方式を用いるパイプベンダ
ーの1例が特開昭55−128324号に記載されてい
る。このパイプベンダーについて図4を参照して説明す
る。このパイプベンダーは、本体51、曲げ型52、回
転テーブル53、固定テーブル54、芯金55、締め付
け型56、抑え型57により構成されている。被加工管
60を曲げ加工する場合、回転する曲げ型52に、被加
工管60を、回転テーブル53上の締め付け型56で挟
持し、被加工管60内に芯金55を挿嵌し、被加工管6
0の背部を抑え型57で抑えて曲げ型52を回転してゆ
くと、被加工管60は曲げ型52の回転にしたがって引
き曲げられる。
【0004】回転引き曲げ型方式を用いる他のパイプベ
ンダーとして、曲率半径の小さい曲げ加工や、樹脂管、
鉛管等の曲げ加工用に、芯金の先端に首振り可能な自在
芯金を連結したものが、特開平6−185687号、特
開平8−141658号に記載されている。
【0005】芯金を用いて管曲げ加工を行う従来のパイ
プベンダーにおいては、被加工管の湾曲部(曲げの開始
点)での滑りを良くするために、また、被加工管の内面
と芯金の焼き付きを防止して管曲げ加工終了後の芯金の
引き出しをスムーズにするために、芯金の先端部外面に
グリース等の潤滑剤を塗布した後、該芯金を被加工管の
内部に挿嵌して曲げ加工が行われる。このように曲げ加
工された被加工管の内面にはグリース等の潤滑剤が付着
することとなるため、曲げ加工後に、被加工管の内面の
グリース等潤滑剤をエアー洗浄し、或いはウエスにより
拭き取り、その後溶接により接続加工を施し、最後に酸
洗い処理を施して製品となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の通り、従来のパ
イプベンダーでは、芯金の先端部外面にグリース等の潤
滑剤を塗布した後、該芯金を被加工管の内部に挿嵌して
曲げ加工を行ない、曲げ加工の後に被加工管の内面に付
着したグリース等潤滑剤をエアー洗浄し、或いはウエス
により拭き取る作業を行なっているが、被加工管の内面
に僅かでも潤滑剤が残留していると、次の溶接接続工程
において、かかる残留した潤滑剤が加熱され被加工管の
内面に固化し、後工程の酸洗い処理の効果を減ずる結果
となる。そのため、被加工管内面に付着した潤滑剤は、
溶接接続工程の前に完全に除去することが要求され、そ
の除去作業には多大の工数を要し、これが製品のコスト
アップ要因となる。
【0007】本発明は、かかる課題に鑑み、芯金を被加
工管の内部に挿嵌して被加工管の曲げ加工を行うパイプ
ベンダーにおいて、芯金にグリース等の潤滑剤を塗布し
なくても、被加工管の内面での芯金の滑りが良く、曲げ
加工に際して被加工管内面と芯金の焼き付きを防止で
き、曲げ加工後の芯金の引き出しがスムーズなパイプベ
ンダーを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達するため
に、本発明の第1の発明は、回転する回転型に被加工管
を締め付け型で固定し、被加工管の内部に円柱状の芯金
を挿嵌し、被加工管の背部を抑え型で抑えて前記回転型
を回転させて曲げ加工を行なうパイプベンダーにおい
て、前記芯金は、芯金円柱と、その先端に首振り可能に
連結された芯金駒からなり、該芯金駒の外周部には同芯
金駒の母材より低摩擦性・耐蝕性の溶着層を備えている
ことを特徴とする。この第1の発明のパイプベンダー
は、比較的小さな曲率半径(管径の1.5倍前後)の湾
曲加工用に用いることができ、芯金駒の外周部に低摩擦
性の溶着層を備えているため、潤滑剤を塗布しなくて
も、被加工管内面と芯金外面との滑りが良く、被加工管
の内面は綺麗に仕上げられ、また芯金駒外周部に損傷が
発生することも無い。また、芯金駒外周部の溶着層は耐
蝕性をも備えているため、芯金駒の寿命は一層向上す
る。
【0009】本発明の第2の発明は、第1の発明におい
て、芯金駒が複数個連結されていることを特徴とする。
芯金駒を複数個連結したことで、被加工管の断面の変
形、内面の皺の発生を抑えて、より曲率半径の小さい湾
曲加工用に用いることができる。
【0010】本発明の第3の発明は、回転する回転型に
被加工管を締め付け型で固定し、被加工管の内部に円柱
状の芯金を挿嵌し、被加工管の背部を抑え型で抑え前記
回転型を回転させて曲げ加工を行なうパイプベンダーに
おいて、前記円柱状の芯金の先端外周部は曲面状に形成
されており、該芯金先端外周部には同芯金の母材より低
摩擦性、耐蝕性の溶着層を備えていることを特徴とす
る。この第3の発明のパイプベンダーは、比較的大きな
曲率半径(管径の2.5倍前後)の湾曲加工用に用いる
ことができ、円柱状の芯金の先端外周部に低摩擦性の溶
着層を備えているため、潤滑剤を塗布しなくても、被加
工管内面と芯金外面との滑りが良く、被加工管の内面は
綺麗に仕上げられ、また芯金先端曲状部に損傷が発生す
ることも無い。また、芯金先端外周部の溶着層は耐蝕性
をも備えているため、芯金の寿命は一層向上する。
【0011】本発明の第4の発明は、上記第1乃至第3
の発明のパイプベンダーにおいて、溶着層はコバルトを
ベースとする金属間化合物からなることを特徴とする。
コバルトをベースとする金属間化合物からなる溶着層は
低摩擦性と耐蝕性の双方に優れており、上記第1〜第3
の発明において、芯金駒或いは芯金に設けられる溶着層
の材質として好適である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、管を湾曲させる回転引
き曲げ型方式(Rotary Draw Bending)のパイプベンダ
ーに用いられる治具の1つである芯金の先端部を改良し
たものである。以下、図面に基づいて本発明の実施の形
態を説明する。図1は本発明の第1実施形態にかかるパ
イプベンダーの平面部分断面図、図2は第1実施形態に
かかるパイプベンダーにおける芯金の拡大図、図3は本
発明の第2実施形態にかかるパイプベンダーの芯金の拡
大図である。
【0013】図1において、1は鋼管10を曲げ加工す
るパイプベンダーである。回転テーブル(図示省略)上
に回転型2(図4の曲げ型52に相当するもの)が固定
されており、同回転型2は回転テーブルと共に軸Pを中
心に回転可能である。また回転型2に対向して締め付け
型3が鋼管10を挟持するように回転テーブル上に載置
されている。パイプベンダー1の本体(図示省略)に
は、二点鎖線の位置から実線の位置までスライド可能
に、抑え型4が設けられている。芯金5がロッド6に支
持されて鋼管10内に挿嵌されている。
【0014】図1及び図2に示すように、芯金5は、芯
金円柱12と、芯金円柱12に首振り可能に連結された
芯金駒13(2個連結)から構成されている。芯金円柱
12の、芯金駒13が連結された側と反対側の端にはロ
ッド6が螺合し、取付けられている。ロッド6の他端
は、パイプベンダー1の本体(図示省略)に設けられた
ロッド駆動装置(図示省略)に接続されている。
【0015】芯金円柱12は、鋼管10の内径より僅か
に小さい外径を有し、図2に示すように、芯金円柱12
の外周面12aの先端部には、鋼管10の曲げ加工曲率
半径によって決められる曲率半径のR部12bが形成さ
れている。また、芯金円柱12の軸芯には、後述する連
結部材16の球面部16cを支える球座12cと、保持
金具17を挿持する段付き座12dが設けられている。
【0016】芯金駒13は、曲面状の外周面15aを有
し、所定幅(M)に形成された芯金リング15と、同芯
金リング15の内周側凸部15bを挟持する連結部材1
6と、二分割の保持金具17とで構成されている。連結
部材16には、凸状の球面部16cを支える球座16b
が設けられている。該連結部材16は、芯金リング15
の側面に螺子により着脱可能に固定されている。2つの
芯金リング15にそれぞれ固定された各連結部材16
は、その各々の球面部16cを、前記芯金円柱12の球
座12c及び連結部材16の球座16bに各々挿持さ
れ、保持金具17(2分割)で芯金円柱12及び芯金リ
ング15に着脱可能に連結されている。このようにし
て、2個の芯金駒13は、芯金円柱12に対し首振り可
能となっている。
【0017】本実施形態においては、2個の芯金駒13
を芯金円柱12に首振り可能に連結したが、1個でも、
或いは、3個又はそれ以上の個数を芯金円柱12に連結
してもよい。
【0018】芯金円柱12、連結部材16及び保持金具
17は炭素鋼(SKD11)で作られている。芯金駒1
3を構成する芯金リング15は、母材を一般鋼材(A)
[SS400]とし、その外周にSUS材(B)を1〜
3mmのバタリング処理をし、該SUS材(B)の外周
に自己潤滑作用があるコバルトをベースとした金属間化
合物(C)[トリバロイT−400(商品名)(Co6
2%、Mo28%)]を溶着肉盛して、それを製品寸法
に仕上げ加工したものである。溶着肉盛したことで、コ
バルトをべースとする金属間化合物は芯金駒の母材に強
固に固着し、またその加工コストを廉価にできる。かか
るコバルトをベースとした金属間化合物であるトリバロ
イT−400(商品名)は、自己潤滑作用を有し、前記
母材より低摩擦性のものであると同時に、低摩耗性、耐
蝕性、耐磨耗性、耐掻傷性にも優れた表面硬化肉盛材で
ある。なお、芯金円柱12、連結部材16、保持金具1
7の材質は上述したものに限定されない。また芯金円柱
12、連結部材16、保持金具17の材質は各々異にし
ても良い。
【0019】自己潤滑性材料としては、上記の他に、黒
鉛や二硫化モリブデンなどがあり、これらは潤滑剤を与
えなくても摩擦係数の小さい材料であり、これらを用い
ることもできる。その他、芯金駒の母材より低摩擦、耐
蝕性の材質を用いることができる。
【0020】芯金円柱に芯金駒を取り付けてなる芯金
は、比較的曲率半径の小さい(例えば、管径の1.5倍
前後)湾曲加工に使うことができる。湾曲加工において
鋼管10の最大の変形荷重が作用する個所に、芯金円柱
12に首振り可能に連結した芯金駒13を配設するとと
もに、芯金駒13の外周部に自己潤滑作用のある金属間
化合物トリバロイT−400(商品名)(Co62%、
Mo28%)を溶着したため、鋼管10が変形荷重を受
けながら摺動する際の芯金と鋼管10内面との摩擦抵抗
が少なく、摩擦抵抗を和らげるために粘着性の強いグリ
ース等の潤滑剤を芯金駒に塗布する必要はなく、その塗
布作業を省くことができる。また一方、鋼管10内面に
潤滑剤が付着することはなく、それを取り除くためのエ
アー洗浄、ウエスによる拭き取り作業は不用となる。殊
に、後工程に溶接接続、酸洗い工程が含まれる場合に
は、従来の技術では、グリース等潤滑剤を完全に除去す
ることを要求されたが、上記第1実施形態のものでは、
その多大な工数を削減できるため、作業の効率化と生産
性の著しい向上を図ることができる。さらに、コバルト
をベースとする金属間化合物は耐蝕性にも優れ、芯金の
寿命は一層向上し、それによる加工コストの低減をも図
ることができる。
【0021】図3を参照して本発明の第2実施形態に係
る芯金について説明する。なお、芯金を除く管曲げ装置
の構成は第1実施形態のものと同一であり、その説明は
省略する。図3に示す芯金20は、比較的大きな曲率半
径(例えば、管径の2.5倍前後)の湾曲加工に用いる
ことができる。なお、芯金20の各部寸法は、被加工管
のサイズによって決められる。芯金20の母材は一般鋼
材(A)〔SS400〕で形成され、芯金20の先端面
20aから長さ(L)の曲状円錐部20b及び円柱部2
0cの一部に亘りSUS材(B)を1〜3mm程度のバ
タリング処理をし、該SUS材(B)の外周に自己潤滑
作用のあるコバルトをベースとした金属間化合物トリバ
ロイT−400(商品名)を溶着肉盛し、それを製品寸
法に合わせて仕上げ加工されている。溶着肉盛したこと
で、コバルトをべースとする金属間化合物は芯金の母材
に強固に固着し、またその加工コストを廉価にできる。
なお、芯金円柱12の材質は上述したものに限定されな
い。また、溶着肉盛りする材料は、上記のコバルトをベ
ースとした金属間化合物の他に、第1実施形態の説明に
おいて示した自己潤滑作用のある金属、その他芯金の母
材より低摩擦性、耐蝕性の材質を用いることができる。
【0022】このように形成された芯金20を用いて鋼
管を湾曲加工する場合、芯金20と鋼管の内面との摩擦
抵抗が少なく、芯金の先端外周面に粘着性の強いグリー
ス等潤滑剤を塗布する必要はなく、その塗布作業を省く
ことができる。また潤滑剤を塗布する必要がないため、
被加工管内面に潤滑剤が付着することがなく、潤滑剤を
取り除くためのエアー洗浄、ウエスによる拭き取り作業
は不用となる。殊に、後工程に溶接接続、酸洗い工程が
含まれる場合には、従来の技術では、グリース等潤滑剤
を完全に除去することを要求されたが、上記本発明の第
2実施形態では、その多大な工数を削減できるため、作
業の効率化と生産性の著しい向上を図ることができる。
さらに、コバルトをベースとする金属間化合物は耐蝕性
にも優れ、芯金の寿命向上による加工コストの低減を図
ることができる。
【0023】
【発明の効果】以上、説明したように、第1の発明で
は、外周部に低摩擦性、耐蝕性の溶着層を設けた芯金駒
を芯金円柱の先端に首振り可能に連結したことで、芯金
駒にグリース等潤滑剤を塗布しなくても、被加工管の湾
曲部内面における芯金の滑りが良く、曲げ加工に際して
被加工管内面と芯金の焼き付きがなく、曲げ加工後の芯
金の引き出しがスムーズとなり、さらには、管の内面は
綺麗に仕上げられ、芯金駒の損傷もなくなり、管曲げ加
工の容易化を図ることができる。加えて、芯金駒にグリ
ース等潤滑剤を塗布する作業も、被加工管の曲げ加工後
にグリース等潤滑剤を除去する作業も必要がなくなる。
殊に、被加工管の曲げ加工時に被加工管内面にグリース
等の潤滑剤が付着しないため、曲げ加工の後に溶接接
続、酸洗い工程を含む場合でも、従来技術のように溶接
接続時の加熱により被加工管内面に潤滑剤が固化すると
いうことはなく、酸洗い効果の向上と、また酸洗い液の
汚染減少を図ることができ、管曲げ作業の効率化と生産
性の向上を図ることができる。また、芯金駒外周部の溶
着層は耐蝕性をも備えているため、芯金の寿命が向上
し、加工コストの一層の低減を図ることができる。
【0024】また、第2の発明では、芯金円柱の先端外
周部に低摩擦性、耐蝕性の溶着層を設けた芯金駒を複数
個連結したことで、第1の発明が奏する効果に加え、よ
り曲率半径の小さい管の曲げ加工にも適用できる。
【0025】また、第3の発明では、先端部が先細の曲
面状に形成された円柱状芯金の先端部外周曲状部に、低
摩擦性、耐蝕性の溶着層を設けたことで、芯金にグリー
ス等潤滑剤を塗布しなくても、被加工管の湾曲部内面に
おける芯金の滑りが良く、曲げ加工に際して被加工管内
面と芯金の焼き付きがなく、曲げ加工後の芯金の引き出
しがスムーズとなり、さらには、管の内面は綺麗に仕上
げられ、芯金の損傷もなくなり、管曲げ加工の容易化を
図ることができる。加えて、芯金にグリース等潤滑剤を
塗布する作業も、被加工管の曲げ加工後にグリース等潤
滑剤を除去する作業も必要がなくなる。殊に、被加工管
の曲げ加工時に被加工管内面にグリース等の潤滑剤が付
着しないため、曲げ加工の後に溶接接続、酸洗い工程を
含む場合でも、従来技術のように溶接接続時の加熱によ
り被加工管内面に潤滑剤が固化するということはなく、
酸洗い効果の向上と、また酸洗い液の汚染減少を図るこ
とができ、管曲げ作業の効率化と生産性の向上を図るこ
とができる。また、芯金外周部の溶着層は耐蝕性をも備
えているため、芯金の寿命が向上し、加工コストの一層
の低減を図ることができる。さらに、芯金駒を芯金円柱
の先端部に連結して芯金を構成する第1の発明のものに
比べて、芯金の製作は容易かつ廉価である。
【0026】さらに、第4の発明では、溶着層の材質を
低摩擦性と耐蝕性の双方に優れたコバルトをベースとす
る金属間化合物とし、これは上記第1〜第3の発明にお
いて、芯金駒或いは芯金に設けられる溶着層の材質とし
て好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1実施形態に係るパイプベン
ダーの平面部分断面図である。
【図2】図2は第1実施形態に係るパイプベンダーにお
ける芯金の拡大図である。
【図3】図3は本発明の第2実施形態に係る芯金の拡大
図である。
【図4】図4は、従来の回転引き曲げ型方式のパイプベ
ンダーの平面部分断面図である。
【符号の説明】 1 パイプベンダー 2 回転型 3 締め付け型 4 抑え型 5 芯金 6 ロッド 10 鋼管 12 芯金円柱 13 芯金駒 15 芯金リング 16 連結部材 17 保持金具 20 芯金 51 本体 52 曲げ型 53 回転テーブル 54 固定テーブル 55 芯金 57 抑え型 60 被加工管

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転する回転型に被加工管を締め付け型で
    固定し、被加工管の内部に円柱状の芯金を挿嵌し、被加
    工管の背部を抑え型で抑えて前記回転型を回転させて曲
    げ加工を行なうパイプベンダーにおいて、前記芯金は、
    円柱状の芯金円柱と、その先端に首振り可能に連結され
    た芯金駒からなり、該芯金駒の外周部には同芯金駒の母
    材より低摩擦性・耐蝕性の溶着層を備えていることを特
    徴とするパイプベンダー。
  2. 【請求項2】 上記芯金駒が複数個連結されていること
    を特徴とする請求項1に記載のパイプベンダー。
  3. 【請求項3】 回転する回転型に被加工管を締め付け型
    で固定し、被加工管の内部に円柱状の芯金を挿嵌し、被
    加工管の背部を抑え型で抑え前記回転型を回転させて曲
    げ加工を行なうパイプベンダーにおいて、前記円柱状の
    芯金の先端外周部は曲面状に形成されており、該芯金先
    端外周部には同芯金の母材より低摩擦性・耐蝕性の溶着
    層を備えていることを特徴とするパイプベンダー。
  4. 【請求項4】 上記溶着層はコバルトをベースとする金
    属間化合物からなることを特徴とする請求項1乃至3に
    記載のパイプベンダー。
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