JP5853745B2 - ハイドロフォーム加工による溶接用中空部材の製造方法 - Google Patents
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Description
素材管11は、その長さ方向の中央部分がキャビティ7内に位置するように金型1内に配置され、その素材管11の両端(管端部13A、13B)が金型1の素材管端部支持部位1A、1Bに支持されている。またその素材管11の管端部13A、13Bは、管内の空間を密閉するための管端封止部材15A、15Bによってシールされている。これらの管端封止部材15A、15Bは、単に素材管11を密閉するばかりでなく、素材管11をその軸線方向に沿って圧縮する(軸押しする)ための軸押し部材を兼ねており、その少なくとも一方は、図示しない油圧シリンダなどの軸押し駆動装置に連結されている。またこれらの管端封止部材15A、15Bのうち、一方の管端封止部材15Aには、素材管11内に加圧用液体、例えば水を導入して加圧するための導入路17が形成されており、他方の管端封止部材15Bには、素材管11内の空気を排除するための排出路19が、必要に応じて形成されている。
なお、排出路19を設けない場合は、素材管11とシール部材15A、15Bに間隙を持たせた状態で加圧用液体を導入し、この間隙から空気を十分に追い出した後、シール部材15A、15Bを管軸方向に移動して間隙を閉じる。
そして前述のようにハイドロフォーム加工によって所定の形状に成形された中空部材の場合、ハイドロフォーム加工により成形した後、改めて管端部に切削加工などの機械加工を施して、傾斜状開先面を形成するのが一般的である。しかしながらこのような方法では、ハイドロフォーム加工による成形と、傾斜状開先面の形成とを別工程で行なうため、工程数が多くならざるを得ず、高コストを要するとともに、生産性も低くなるという問題がある。
すなわち、本発明は、
中空管状をなす素材管の両端部を、軸押し部材を兼ねる管端封止部材によりシールし、その素材管を金型内に配置して、素材管の内側空間に液圧を加えるとともに、素材管の両端部からその軸線に沿った方向に加圧して、素材管を金型のキャビティ内面に沿った形状に成形するハイドロフォーム加工を適用して、中空部材を製造する方法において、
前記管端封止部材として、外径が素材管の外径に等しい基体部と、その基体部から突出しかつ外径が素材管の管端部の内径より小さい挿入部であって、しかもその挿入部の外周面と素材管の管端部の内周面との間のクリアランスSおよび素材管の管端部厚みTが
0<S≦0.2×T
の関係を充たす挿入部と、前記基体部の外周面と挿入部の外周面との間の段差部分から軸線方向に沿って突出する突出部とを有し、かつその突出部の内周側に、所定角度で傾斜する傾斜面が形成された封止部材を用い、
素材管内に成形のための液圧を加える以前の段階で、前記管端封止部材の挿入部を素材管の管端部内に挿入するとともに、素材管を、その管端部の外周面が金型の素材管端部支持部位の内面に接するように金型内に配置した状態で、管端封止部材に軸線方向に沿う加圧力を加えて、管端封止部材の傾斜面を含む段差部分により素材管の管端部の端面を加圧し、
これにより素材管の管端部に前記傾斜面に沿う溶接用の傾斜状開先部を形成すると同時に、管端部の内周面が内側に隆起するように塑性変形させて、その隆起部分を前記挿入部の外周面に密着させることによって管端部を封止し、
その後、素材管内に成形のための液圧を加えるとともに、素材管に軸線方向に沿った成形用加圧力を加えることを特徴とする、ハイドロフォーム加工による溶接用中空部材の製造方法、
にある。
したがって本発明によれば、自動車・建設機械など、複雑な形状を有しかつ傾斜状開先面を有する溶接用中空部材が要求される分野でその工業的意義は大きい。
このとき、管端部13Aの端面には、突出部傾斜面27Aにより斜め内側への力が加えられ、しかも管端部13Aの外周面は金型1の内面により拘束されているから、管端部13Aは、その内周面が内側に隆起する方向に変形する。そして、その隆起部分34の高さが、前記クリアランス32の寸法Sに達すれば、隆起部分34が、管端封止部材15Aの挿入部22の外周面に接する状態となる。さらに管端封止部材15Aに対する軸線方向加圧を継続すれば、管端部13Aの内側の隆起部分34が挿入部22の外周面に密着する。この隆起部分34は、管端部13Aの周方向に沿って環状に連続しているから、隆起部分34と挿入部22の外周面との密着によって、素材管11の管端部13Aが封止される。同時に、管端封止部材15Aの突出部傾斜面27Aによって押し込まれた部分の表面が、突出部傾斜面27Aに沿って角度θで傾斜する面、すなわち傾斜状開先面29となる(図3参照)。
例えば、管端封止時における管端封止部材15A(15B)における挿入部22の外周面と素材管11の管端部13A(13B)の内周面との間のクリアランス32の寸法Sと、素材管11の管端部13A(13B)の厚みTとは、
0<S≦0.2×T・・・・・・(1)
の条件を満たすことが好ましい。
図4(A)、(B)において、管端封止部材15Aには、段差部分26の前面の全体が傾斜面27Aとなるように突出部27が形成されている。このような管端封止部材15Aを用いた場合においても、図1(A)、(B)に示した実施形態と同様に、管端部13Aを封止すると同時に、傾斜状開先面36(但し図2とは異なり、ルート面35がないもの)を形成することができる。
その場合における、他方の管端部13Bについての管端封止部材15Bと、それによる封止状況の例を、図5の(A)、(B)に示す。なお図5(A)、(B)において、図1(A)、(B)に示される要素と同一の要素については、図1(A)、(B)と同一の符号を付し、その説明は省略する。
すなわち、既に述べたように、液圧付与および軸押し以前の段階で、素材管11を金型にセットして型締めした後、管端封止部材15Bの側から軸線方向に沿った加圧力が加えられれば、管端封止部材15Bの垂直段差面37によって、素材管11の端面が軸線方向に沿って押圧される。この加圧力によって、素材管11の管端部13Bは、長さ方向の一部分もしくは数箇所において、肉厚が増加する方向に圧縮変形する。このとき、管端部13Bの外周面は、図5の(B)に示しているように、金型1における素材管端部支持部位1Bの内面により拘束されているから、管端部13Bの変形は、その内周面が内側に隆起する方向に生じる。そして、その隆起部分34の高さが、前記クリアランス32の寸法Sに達すれば、隆起部分34が、管端封止部材15Bの挿入部22の外周面に接する状態となる。さらに管端封止部材15Bに対する軸線方向加圧を継続すれば、管端部13Bの内側の隆起部分34が挿入部22の外周面に密着する。この隆起部分34は、管端部13Bの周方向に沿って環状に連続しているから、隆起部分34と挿入用突出部22の外周面との密着によって、素材管11の管端部13Bが封止される。
このような管端封止部材の挿入部を素材管の両端に挿入して、金型にセットし、型締めを行なってから、管端封止部材に軸線方向に、500kNの加圧力を加えて、管端部を、その外周面を拘束しながら軸線方向に沿って押圧した。これによって管端部の端面を斜め内側に押圧して傾斜状開先面を形成すると同時に、管端部の内周側が隆起するように塑性変形させ、その隆起部分を管端封止部材の挿入部の外周面に密着させた。
以上のようにして両端を封止した素材管内に、加圧用液体として水を充填し、その後、加圧力1500kNにて軸押ししながら、素材管内の加圧用液体に50MPaの圧力を加え、ハイドロフォーム加工を行った。
この過程では、管端封止部材の個所からの加圧用液体の漏洩はなく、確実に封止されていることが確認された。また、成形後の成形品を調べたところ、管端部の端面に、角度θで傾斜する傾斜状開先面が周方向に均一に形成されており、また全体として金型のキャビティ内面に沿った形状に精確に加工されていることが確認された。また上記の傾斜状開先面を含む管端部の外面には、特に凹凸や皺の発生もなく、良好な外観品質を有していることが確認された。
1A、1B 素材管端部支持部位
11 素材管
13A、13B 管端部
15A、15B 管端封止部材
20 基体部
22 挿入部
26 段差部分
27 突出部
27A 傾斜面
29 傾斜状開先面
32 クリアランス
34 隆起部分
Claims (1)
- 中空管状をなす素材管の両端部を、軸押し部材を兼ねる管端封止部材によりシールし、その素材管を金型内に配置して、素材管の内側空間に液圧を加えるとともに、素材管の両端部からその軸線に沿った方向に加圧して、素材管を金型のキャビティ内面に沿った形状に成形するハイドロフォーム加工を適用して、中空部材を製造する方法において、
前記管端封止部材として、外径が素材管の外径に等しい基体部と、その基体部から突出しかつ外径が素材管の管端部の内径より小さい挿入部であって、しかもその挿入部の外周面と素材管の管端部の内周面との間のクリアランスSおよび素材管の管端部厚みTが
0<S≦0.2×T
の関係を充たす挿入部と、前記基体部の外周面と挿入部の外周面との間の段差部分から軸線方向に沿って突出する突出部とを有し、かつその突出部の内周側に、所定角度で傾斜する傾斜面が形成された封止部材を用い、
素材管内に成形のための液圧を加える以前の段階で、前記管端封止部材の挿入部を素材管の管端部内に挿入するとともに、素材管を、その管端部の外周面が金型の素材管端部支持部位の内面に接するように金型内に配置した状態で、管端封止部材に軸線方向に沿う加圧力を加えて、管端封止部材の傾斜面を含む段差部分により素材管の管端部の端面を加圧し、
これにより素材管の管端部に前記傾斜面に沿う溶接用の傾斜状開先部を形成すると同時に、管端部の内周面が内側に隆起するように塑性変形させて、その隆起部分を前記挿入部の外周面に密着させることによって管端部を封止し、
その後、素材管内に成形のための液圧を加えるとともに、素材管に軸線方向に沿った成形用加圧力を加えることを特徴とする、ハイドロフォーム加工による溶接用中空部材の製造方法。
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