JP5080097B2 - 溶融塩電気アルミニウムめっき浴及びそれを用いためっき方法 - Google Patents
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また、本発明は前記電気アルミニウムめっき浴を用いる電気めっき方法を提供する。
本発明で用いる(A)アルミニウムハロゲン化物は、AlX3で表され、Xはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲンであり、塩素もしくは臭素が好ましい。経済性を考慮すると塩素が最も好ましい。
具体的なN−アルキルピリジニウムハライド類としては、例えばN−メチルピリジニウムクロライド、N−メチルピリジニウムブロマイド、N−エチルピリジニウムクロライド、N−エチルピリジニウムブロマイド、N−ブチルピリジニウムクロライド、N−ブチルピリジニウムブロマイド、N−ヘキシルピリジニウムクロライド、N−ヘキシルピリジニウムブロマイド、2−メチル−N−プロピルピリジニウムクロライド、2−メチル−N−プロピルピリジニウムブロマイド、3−メチル−N−エチルピリジニウムクロライド、3−メチル−N−エチルピリジニウムブロマイドなどが挙げられる。
具体的なN−アルキルイミダゾリウムハライド類及びN,N’−アルキルイミダゾリウムハライド類としては、例えば1−メチルイミダゾリウムクロライド、1−メチルイミダゾリウムブロマイド、1−エチルイミダゾリウムクロライド、1−エチルイミダゾリウムブロマイド、1−プロピルイミダゾリウムクロライド、1−プロピルイミダゾリウムブロマイド、1−オクチルイミダゾリウムクロライド、1−オクチルイミダゾリウムブロマイド、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムクロライド、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムブロマイド、1,3−ジメチルイミダゾリウムクロライド、1,3−ジメチルイミダゾリウムブロマイド、1,3−ジエチルイミダゾリウムクロライド、1,3−ジエチルイミダゾリウムブロマイド、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムクロライド、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムブロマイド、1−ブチル−3−ブチルイミダゾリウムクロライド、1−ブチル−3−ブチルイミダゾリウムブロマイドなどが挙げられる。
具体的なN−アルキルピラゾリウムハライド類及びN,N’−アルキルピラゾリウムハライド類としては、例えば1−メチルピラゾリウムクロライド、1−メチルピラゾリウムブロマイド、1−プロピルピラゾリウムクロライド、1−プロピルピラゾリウムブロマイド、1−ブチルピラゾリウムクロライド、1−ブチルピラゾリウムブロマイド、1−ヘキシルピラゾリウムクロライド、1−ヘキシルピラゾリウムブロマイド、1−メチル−2−エチルピラゾリウムクロライド、1−メチル−2−エチルピラゾリウムブロマイド、1−メチル−2−プロピルピラゾリウムクロライド、1−メチル−2−プロピルピラゾリウムブロマイド、1−プロピル−2−メチルピラゾリウムクロライド、1−プロピル−2−メチルピラゾリウムブロマイド、1−ブチル−2−メチルピラゾリウムクロライド、1−ブチル−2−メチルピラゾリウムブロマイド、1−へキシル−2−メチルピラゾリウムクロライド、1−へキシル−2−メチルピラゾリウムブロマイド、1,2−ジメチルピラゾリウムクロライド、1,2−ジメチルピラゾリウムブロマイド、1,2−ジエチルピラゾリウムクロライド、1,2−ジエチルピラゾリウムブロマイドなどが挙げられる。
また、(C)DMSは、好ましくは20モル%を越えない範囲で、より好ましくは1〜20モル%の範囲で、さらに好ましくは、2〜15モル%の範囲で含有される。DMSの含有量をこのような範囲とすることにより、浴の融点が上昇するのを抑え、アルミニウムハロゲン化物の蒸気の発生を抑制することができる。
(D)有機重合体として用いるスチレン系ポリマーとしては、具体的には、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、m−メチルスチレンなどのスチレン系ホモポリマー、これら同士のコポリマー、あるいはスチレン系モノマーと他の重合性のビニル系モノマーとのコポリマーが挙げられる。前記ビニル系モノマーの例としては、無水マレイン酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、メチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、イタコン酸、アクリルアミド、アクリルニトリル、マレイミド、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フマル酸エステル、ビニルエチルエーテル、塩化ビニルなどが挙げられる。これらのうち、炭素数が3〜10のα、β−不飽和カルボン酸又はそのアルキル(炭素数1〜3)エステルが好ましい。
(D)有機重合体として用いる脂肪族ジエン系ポリマーとしては、ブタジエン、イソプレン、ペンタジエンなどの重合体などが挙げられる。好ましくは、1,2又は3,4構造の分枝鎖を有する重合体、又はこれらと他の重合性ビニル系モノマーとのコポリマーである。前記ビニル系モノマーとしては、上記スチレン系ポリマーについて記載したものと同様のものが挙げられる。
(D)有機重合体の重量平均分子量は、200〜80000の範囲が好ましい。特に、重量平均分子量が300〜5000程度の低中分子量のポリスチレン及びポリ−α−メチルスチレンは、溶融塩溶解性が良く最も好ましい。その添加量は、0.1〜50g/lの範囲が好ましく、より好ましくは1〜10g/lの範囲である。(D)有機重合体をこのような範囲で用いると、デンドライド析出を防止し、表面平滑効果を発揮し、めっきやけが発生するのを防止できる。
脂肪族アルデヒドは、例えば炭素数2〜12の脂肪族アルデヒドであり、具体的にはトリブロモアセトアルデヒド、メタアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、ラウリルアルデヒドなどが挙げられる。
芳香族アルデヒドは、例えば炭素数7〜10の芳香族アルデヒドであり、具体的には0−カルボキシベンズアルデヒド、ベンズアルデヒド、0−クロルベンズアルデヒド、p−トルアルデヒド、アニスアルデヒド、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒドなどが挙げられる。
芳香族ケトンとしては、例えば炭素数8〜14の芳香族ケトンであり、具体的にはベンザルアセトン、ベンゾフェノン、アセトフェノン、塩化テレフタロイルベンジルなどが挙げられる。
含窒素不飽和複素環化合物は、例えば炭素数3〜14の窒素複素環化合物であり、具体的にはピリミジン、ピラジン、ピリダジン、s−トリアジン、キノキサリン、フタラジン、1,10−フェナントロリン、1,2,3−ベンゾトリアゾール、アセトグアナミン、塩化シアヌル、イミダゾール−4−アクリル酸などが挙げられる。
S含有複素環化合物は、例えば炭素数3〜14のS含有複素環化合物であり、具体的にはチオウラシル、チオニコチン酸アミド、s−トリチアン、2−メルカプト−4,6−ジメチルピリミジンなどが挙げられる。
S含有置換基を有する芳香族炭化水素は、例えば炭素数7〜20のS含有置換基を有する芳香族炭化水素であり、具体的にはチオ安息香酸、チオインジゴ、チオインドキシル、チオキサンテン、チオキサントン、2−チオクマリン、チオクレゾール、チオジフェニルアミン、チオナフトール、チオフェノール、チオベンズアミド、チオベンズアニリド、チオベンズアルデヒド、チオナフテンキノン、チオナフテン、チオアセトアニリドなどが挙げられる。
芳香族カルボン酸及びその誘導体は、例えば炭素数7〜15の芳香族カルボン酸及びその誘導体であり、具体的には安息香酸、テレフタル酸、安息香酸エチルなどが挙げられる。
二重結合を有する脂肪族カルボン酸及びその誘導体は、例えば炭素数3〜12の二重結合を有する脂肪族カルボン酸及びその誘導体であり、具体的にはアクリル酸、クロトン酸、メタクリル酸、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
アセチレンアルコール化合物としては、例えばプロパギルアルコールなどが挙げられる。
フッ素樹脂としては、例えば平均分子量が500〜1300の三フッ化塩化エチレン樹脂などが挙げられる。
(F)光沢剤の添加量は、好ましくは0.001〜0.1モル/lの範囲であり、より好ましくは0.002〜0.02モル/lの範囲である。本発明の電気アルミニウムめっき浴においては、(F)光沢剤をこのような範囲で用いると、平滑効果が得られ、高電流密度でめっきを施した場合でも、黒色スマット状の析出を生じることはない。
本発明においては、(D)有機重合体及び(E)光沢剤を併用することにより、一層均一性、平滑性が向上する。
このようなAl−Zn合金めっき液を用いて得られるAl−Zn合金めっき皮膜中のZn供析率は、好ましくは1〜40重量%であり、より好ましくは3〜35重量%であり、最も好ましくは10〜30重量%である。このようなZn供析率とすることにより、Alめっき皮膜の耐食性が良好となる。
このようなAl−Mn合金めっき液を用いて得られるAl−Mn合金めっき皮膜中のMn供析率は、好ましくは1〜40重量%であり、より好ましくは3〜35重量%であり、最も好ましくは10〜30重量%である。このようなMn供析率とすることにより、Alめっき皮膜の耐食性が良好となる。
このようなAl−Zr合金めっき浴を用いて得られるAl−Zr合金めっき皮膜中のZr供析率は、好ましくは1〜40重量%であり、より好ましくは3〜35重量%であり、最も好ましくは10〜30重量%である。このようなZr供析率とすることにより、Alめっき皮膜の耐食性が良好となる。
AlCl3、DMS、1−メチル−3プロピルイミダゾリウムブロマイドを4:1:1のモル比に混合し80℃で溶解させた。次に、99.99%のAl線を液に12時間浸漬し、液中の不純物である鉄を置換除去して、めっき液1Lを調製した。陰極として用いる銅板(板厚0.5mm)を、めっき前処理として、アルカリ脱脂、アルカリ電解洗浄及び酸洗し、水洗後乾燥を行った。前記銅板を陰極、アルミニウム板(純度99.9%)を陽極として、乾燥窒素ガス雰囲気中で、80℃に保った前記めっき浴に1分間浸漬して活性化を行い、同じめっき液で直流にてアルミニウムめっきを行った。尚、めっき浴はスターラーでゆるやかに攪拌した。表1に示すすべての条件で、塩化アルミニウム蒸気の発生がほとんどなく、白色のアルミめっき皮膜が得られた(表1)。
AlCl3、DMS、1−メチル−3プロピルイミダゾリウムブロマイドを2.5:0.25:1のモル比に混合し75℃で溶解させた。次に99.99%のAl線を液に12時間浸漬し、液中の不純物である鉄を置換除去し、表2に示す添加剤を添加して、めっき液1Lを調製した。陰極として用いる銅板(板厚0.5mm)を、めっき前処理として、アルカリ脱脂、アルカリ電解洗浄及び酸洗し、水洗後乾燥を行った。前記銅板を陰極、アルミニウム板(純度99.9%)を陽極として、乾燥窒素ガス雰囲気中で、70℃に保った前記めっき浴に1分間浸漬して活性化を行い、同じめっき液で直流にてアルミニウムめっきを行った。尚、めっき浴はスターラーでゆるやかに攪拌した。表2に示すすべての条件で、塩化アルミニウムの蒸気の発生がほとんどなく、白色から半光沢のアルミめっき皮膜が得られた(表2)。
AlCl3、DMS、1−メチル−3プロピルイミダゾリウムブロマイドを2.5:0.25:1のモル比に混合し75℃で溶解させた。次に99.99%のAl線を液に12時間浸漬し、液中の不純物である鉄を置換除去し、塩化亜鉛を15g/l添加してめっき液1Lを調製した。陰極として用いる銅板(板厚0.5mm)を、めっき前処理として、アルカリ脱脂、アルカリ電解洗浄及び酸洗し、水洗後乾燥を行った。前記銅板を陰極、アルミニウム板(純度99.9%)を陽極として、乾燥窒素ガス雰囲気中で、70℃に保った前記めっき浴に1分間浸漬して活性化を行い、同じめっき液で2A/dm2(パルス)にてAl−Zn合金めっきを行った。尚、めっき浴は無攪拌とした。塩化アルミニウム蒸気の発生がほとんどなく、白色半光沢のAl−Znめっき皮膜が得られた(表3)。
AlCl3、DMS、1−メチル−3プロピルイミダゾリウムブロマイドを2.5:0.25:1のモル比に混合し75℃で溶解させた。次に99.99%のAl線を液に12時間浸漬し、液中の不純物である鉄を置換除去し、塩化マンガンを15g/l添加してめっき液1Lを調製した。陰極として用いる銅板(板厚0.5mm)を、めっき前処理として、アルカリ脱脂、アルカリ電解洗浄及び酸洗し、水洗後乾燥を行った。前記銅板を陰極、アルミニウム板(純度99.9%)を陽極として、乾燥窒素ガス雰囲気中で、70℃に保った前記めっき浴に1分間浸漬して活性化を行い、同じめっき液で3A/dm2(パルス)にてAl−Mn合金めっきを行った。尚、めっき浴はゆるやかに攪拌した。塩化アルミニウム蒸気の発生がほとんどなく、光沢のあるAl−Mnめっき皮膜が得られた(表3)。
AlCl3、DMS、1−メチル−3プロピルイミダゾリウムブロマイドを2.5:0.25:1のモル比に混合し75℃で溶解させた。次に99.99%のAl線を液に12時間浸漬し、液中の不純物である鉄を置換除去し、塩化ジルコニウムを10g/l添加してめっき液1Lを調製した。陰極として用いる銅板(板厚0.5mm)を、めっき前処理として、アルカリ脱脂、アルカリ電解洗浄及び酸洗し、水洗後乾燥を行った。前記銅板を陰極、アルミニウム板(純度99.9%)を陽極として、乾燥窒素ガス雰囲気中で、70℃に保った前記めっき浴に1分間浸漬して活性化を行い、同じめっき液で2A/dm2(直流)にてAl−Zr合金めっきを行った。尚、めっき浴はスターラーでゆるやかに攪拌した。塩化アルミニウム蒸気の発生がほとんどなく、白色半光沢のAl−Zr合金めっき皮膜が得られた(表3)。
AlCl3、DMSを2:1のモル比で混合し、窒素雰囲気中120℃で溶解させ、めっき液1Lの調製を試みたがAlCl3の蒸気がひどく、白色結晶がめっき液容器の蓋に多量付着し、めっき液の調整が困難であった。また、めっき操作も困難であり、試験を中断した(表4)。
AlCl3、DMS、1−メチル−3プロピルイミダゾリウムブロマイドを2.5:1:0.25のモル比で混合、窒素雰囲気中100℃で溶解させたが、塩化アルミニウム蒸気の発生が激しくめっき操作が困難であった(表4)。
Al合金めっき皮膜のZn、Mn及びZr供析率(%)並びに厚さは、蛍光X線分析装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製、マイクロエレメントモニターSEA5120)を用いて測定した。
Claims (4)
- (A)アルミニウムハロゲン化物、(B)N−アルキルピリジニウムハライド類、N−アルキルイミダゾリウムハライド類、N,N’−アルキルイミダゾリウムハライド類、N−アルキルピラゾリウムハライド類及びN,N’−アルキルピラゾリウムハライド類からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物及び(C)ジメチルスルホンを混合溶融してなる電気アルミニウムめっき浴であって、
(A)アルミニウムハロゲン化物のモル数と、(B)化合物及び(C)ジメチルスルホンの総モル数((B)+(C))との比率が1:1〜3:1の範囲であり、
ジメチルスルホンが20モル%を超えない範囲で含まれる、電気アルミニウムめっき浴。 - (D)スチレン系ポリマー及び脂肪族ジエン系ポリマーからなる群より選ばれる1種又は2種以上の有機重合体及び(E)光沢剤から選ばれる1種又は2種以上の添加剤を含む請求項1記載の電気アルミニウムめっき浴。
- ハロゲン化亜鉛、ハロゲン化マンガン及びハロゲン化ジルコニウムからなる群より選ばれる化合物を含む請求項1又は2記載の電気アルミニウムめっき浴。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の電気アルミニウムめっき浴を用いる電気めっき方法。
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