JP5078879B2 - 酸性度が低い1−ブロモプロパン - Google Patents
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Description
本発明は、酸性種が経時的に生じる傾向が低い完成1−ブロモプロパン生成物を提供するものである。本発明では、特に、完成1−ブロモプロパン生成物の性能を悪化させることなく60℃で少なくとも30日間に渡って10ppm未満の酸性度を保持すると言った要求を満たす完成1−ブロモプロパン生成物を提供することができる。驚くべきことに、1−ブロモプロパン生成物混合物を過マンガン酸塩である酸化剤と接触させておくとそれから生じさせる完成1−ブロモプロパン生成物に酸が生成する度合が低下するか或は抑制されることを見いだした。特に、本発明に従って1−ブロモプロパン生成物混合物に過マンガン酸塩を用いた処理を受けさせておくと、完成1−ブロモプロパン生成物の酸性度が低くなり(そのような処理を受けさせていない完成1−ブロモプロパン生成物に比べて)、そしてしばしば、過マンガン酸塩処理を受けさせておいた完成1−ブロモプロパン生成物が示す酸性度は60℃で少なくとも30日に渡って10ppm未満のままである。本明細書で用いる如き用語「完成1−ブロモプロパン生成物」は、過マンガン酸塩を用いた処理を受けさせ、その過マンガン酸塩をそれから除去しそして場合によりさらなる精製を受けさせておいてもよい1−ブロモプロパン生成物混合物を表す。同様に、用語「1−ブロモプロパン生成物混合物」は、一般に、1−ブロモプロパン製造過程中に一緒に生じる1種以上の不純物を含有する1−ブロモプロパンを表す。より具体的には、本発明の方法で用いる1−ブロモプロパン生成物混合物は、一般に、1−ブロモプロパンを含有しかつ1−ブロモプロパン製造過程中に一緒に生じた1種以上の不純物を含有するが、そのような不純物はこの上に記述した通りである。
になるであろう。
用語「ppm」は、本明細書で特に明記しない限り、100万部当たりの部(重量/重量)を意味する。
る。その過マンガン酸塩含有1−ブロモプロパン生成物混合物を水または無機塩基の水溶液で洗浄する方法が精製1−ブロモプロパン生成物を得る目的で過マンガン酸塩を分離する好適な方法である。操作を塩基性条件下で実施する利点は、その過マンガン酸塩含有1−ブロモプロパン生成物混合物に水を用いた洗浄または無機塩基水溶液を用いた洗浄を受けさせるとその過マンガン酸塩含有1−ブロモプロパン生成物混合物からプロピオン酸が抽出される点にある。理論で範囲を限定することを望むものでないが、過マンガン酸塩はプロパノールおよびプロピオンアルデヒドを酸化させてプロピオン酸にすると考えており、従って、過マンガン酸塩含有1−ブロモプロパン生成物混合物を水または無機塩基の水溶液で洗浄するとそのようにして生じたプロピオン酸が除去されるであろう(加うるに、消費されなかった過マンガン酸塩も除去される)。その精製1−ブロモプロパン生成物に対してさらなる精製段階、例えば蒸留または水および/または無機塩基水溶液を用いた1回以上の追加的洗浄などを実施することも可能である。
量部の過マンガン酸塩の比率で混合し、より好適には、過マンガン酸塩と1−ブロモプロパン生成物混合物を1−ブロモプロパン生成物混合物1000重量部当たり約0.75から約2.5重量部の過マンガン酸塩の比率で混合する。本発明を実施する時に過マンガン酸塩をより多い量で用いることも可能であるが、特に必要ではない、と言うのは、この直ぐ上に記述した量を用いることで優れた結果が達成されるからである。
マンガン酸塩を用いた処理単独で充分であり得る。
1−ブロモプロパン生成物混合物であるそのような精製1−ブロモプロパン生成物は新規な組成物である。過マンガン酸塩と接触させておいた精製1−ブロモプロパン生成物を含有して成る組成物の水含有量を好適には約100ppm未満にし、その組成物の水含有量をより好適には80ppm未満にする。
ロパン生成物の水含有量を電量カールフィッシャー分析で測定した。
完成1−ブロモプロパン生成物の調製を1−プロパノールおよびHBrを用いて下記の如く実施した:
(1)1−プロパノール(9000L)を反応槽に仕込んだ。この反応槽内で冷却および撹拌する混合物の温度を<45℃に保持しながら前記反応槽へのHBrの最大限の流し込み(200m3・時−1)を開始した。反応が完了した後の混合物を30℃に冷却した。水(300L)を加えた後、その混合物を撹拌した。撹拌を止めて、その混合物を沈降させた。その結果として生じた有機相と水相を分離させて、その水相を廃棄した。
(2)その有機相(1−ブロモプロパン生成物混合物)を撹拌しながら、その有機相(1−ブロモプロパン生成物混合物)にNaOH水溶液(48%、500L)および水(100L)を加えた。撹拌を止め、層分離を起こさせた後、その水層を廃棄した。
(3)その有機層(12500kg)の蒸留を開始し、集まった最初の300リットルを廃棄した。留出してきた有機層を既に撹拌している水(1000kg)の中に蒸留塔頭部の温度が80℃に到達するまで流し込ませた。その留出液(12000kg)と水(1000kg)の混合物にNaOH水溶液(23%)をpHが8から10の範囲になるまで加えた。その混合物を撹拌した。撹拌を止めた後、その混合物を沈降させた。その結果として生じた有機相と水相を分離させ、その水相を廃棄した。
(4)その有機相に水を加えた後、その混合物を撹拌した。その混合物にNaOH水溶液(23重量%)をpHが8から10の範囲になるまで加えた。その混合物を撹拌した。撹拌を止めた後、その混合物を沈降させた。その結果として生じた有機相と水相を分離させ、その水相を廃棄した。
(5)その有機相をCaCl2を入れておいたカラムの中に1−ブロモプロパン生成物の最終的水含有量が80ppm未満になるまで通すことで乾燥させた。ブチレンオキサイドを前記1−ブロモプロパン生成物混合物にブチレンオキサイド濃度が約450−500ppmになるに充分な量で加えた。
−ブロモプロパン生成物混合物(1150g)を水(88.5g)に加えた。NaOH水溶液(23%)をpHが8から10の範囲になるまで加えた。そのpHを得た後、KMnO4固体を加えて、その混合物を3時間撹拌した。その有機相に抽出を受けさせた。この上に示した調製を再び参照して、段階4を省き、段階(5)(ブチレンオキサイドの添加を包含)を実施した。その完成1−ブロモプロパン生成物が最初に示した結果ばかりでなく60℃で10日後および30日後に示した結果も表2に完成1−ブロモプロパン生成物に存在する量として要約する。
イプで言及する](例えば別の反応体、溶媒など)に接触する前にそれらが存在するようにそれらを同定すると理解されるべきである。結果として生じる混合物または溶液または反応媒体中でどんな予備的化学変化、変換および/または反応(もしあれば)が起ころうとも問題でない、と言うのは、そのような変化、変換および/または反応は特定の反応体および/または成分を本開示に従って要求する条件下で一緒にする結果として自然に起こる事であるからである。このように、所望の化学操作もしくは反応の実施に関連してか或は所望の操作もしくは反応の実施で用いるべき混合物を生じさせる時に一緒にすべき材料であるとして反応体および成分を同定する。また、ある態様で物質、成分および/または材料を現在時制(「で構成させる」、「含んで成る」、「である」など)で言及することがあり得るかもしれないが、そのような言及は、本開示に従ってそれを他の1種以上の物質、成分および/または材料と最初に接触、ブレンドまたは混合する直ぐ前の時間にそれが存在していたように当該物質、成分または材料を言及するものである。
Claims (23)
- 過マンガン酸塩と1−ブロモプロパン生成物混合物を混合することで過マンガン酸塩含有1−ブロモプロパン生成物混合物を生じさせそして前記過マンガン酸塩含有1−ブロモプロパン生成物混合物から精製1−ブロモプロパン生成物を回収する、ただし前記1−ブロモプロパン生成物混合物は1−ブロモプロパンと1−ブロモプロパン製造過程中に一緒に生じた1種以上の不純物との混合物である、ことを特徴とする1−ブロモプロパンの精製方法。
- 過マンガン酸塩と1−ブロモプロパン生成物混合物を混合することで過マンガン酸塩含有1−ブロモプロパン生成物混合物を生じさせそして前記過マンガン酸塩含有1−ブロモプロパン生成物混合物から精製1−ブロモプロパン生成物を回収する、ただし前記1−ブロモプロパン生成物混合物は1−プロパノールと臭化水素との反応生成物である、ことを特徴とする1−ブロモプロパンの精製方法。
- 前記過マンガン酸塩が固体形態である請求項1または2記載の方法。
- 前記過マンガン酸塩が過マンガン酸ナトリウムまたは過マンガン酸カリウムである請求項1または2記載の方法。
- 前記過マンガン酸塩と前記1−ブロモプロパン生成物混合物を1−ブロモプロパン生成物混合物1000重量部当たり0.1から5重量部の過マンガン酸塩の比率で混合する請求項1または2記載の方法。
- 前記混合に先立って前記1−ブロモプロパン生成物混合物を水または少なくとも1種の無機塩基の水溶液で少なくとも1回洗浄しておく請求項1または2記載の方法。
- 前記精製1−ブロモプロパン生成物を水または少なくとも1種の無機塩基の水溶液で少なくとも1回洗浄する請求項1または2記載の方法。
- 少なくとも1種の1,2−エポキシドを前記精製1−ブロモプロパン生成物を混合する請求項1または2記載の方法。
- 前記1,2−エポキシドがブチレンオキサイドである請求項8記載の方法。
- 前記1,2−エポキシドを前記精製1−ブロモプロパン生成物中の1,2−エポキシドの濃度が100ppmから600ppm(重量/重量)の範囲内になる量で混合する請求項8記載の方法・
- 水、少なくとも1種の無機塩基の1種以上の水溶液および過マンガン酸塩のみを前記1−ブロモプロパン生成物混合物と接触させる請求項1または2記載の方法。
- 水および少なくとも1種の無機塩基の1種以上の水溶液のみを前記精製1−ブロモプロパン生成物と接触させる請求項1または2記載の方法。
- 更に前記精製1−ブロモプロパン生成物にさらなる精製を受けさせることにより完成1−ブロモプロパン生成物を生じさせることも含んで成り、ここで、前記完成1−ブロモプロパン生成物が60℃で30日後に示す酸性度がHBrのppmとして10ppm未満である請求項1または2記載の方法。
- 過マンガン酸塩と1−ブロモプロパン生成物混合物を含有して成り、過マンガン酸塩が1−ブロモプロパン生成物混合物1000重量部当たり0.1から5重量部の過マンガン酸塩の比率で存在する、ただし前記1−ブロモプロパン生成物混合物は1−ブロモプロパンと1−ブロモプロパン製造過程中に一緒に生じた1種以上の不純物との混合物である、ことを特徴とする1−ブロモプロパンを精製するための組成物。
- 前記1−ブロモプロパン生成物混合物の純度が少なくとも90%である請求項14記載の組成物。
- 該組成物中に前記1−ブロモプロパン生成物混合物と過マンガン酸塩のみが存在する請求項14または15記載の組成物。
- 1−ブロモプロパン生成物混合物を過マンガン酸塩と接触させた後に前記過マンガン酸塩を除去して得られる精製1−ブロモプロパン生成物を含有して成る、ただし前記1−ブロモプロパン生成物混合物は1−ブロモプロパンと1−ブロモプロパン製造過程中に一緒に生じた1種以上の不純物との混合物である、ことを特徴とする脱脂または洗浄用剤。
- 1,2−エポキシドが存在しそして前記1,2−エポキシドの濃度が250ppmから500ppmである請求項17記載の脱脂または洗浄用剤。
- 前記1,2−エポキシドがブチレンオキサイドである請求項18記載の脱脂または洗浄用剤。
- 水の含有量が100ppm未満である請求項17記載の脱脂または洗浄用剤。
- 60℃で30日後に示す酸性度がHBrのppmとして10ppm未満である請求項17記載の脱脂または洗浄用剤。
- 前記精製1−ブロモプロパン生成物および少なくとも1種の1,2−エポキシドのみが存在する請求項17〜21のいずれか記載の脱脂または洗浄用剤。
- 前記精製1−ブロモプロパン生成物のみが存在する請求項17記載の脱脂または洗浄用剤。
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