JPH11286462A - フッ素化飽和炭化水素の製造方法 - Google Patents
フッ素化飽和炭化水素の製造方法Info
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- JPH11286462A JPH11286462A JP10414598A JP10414598A JPH11286462A JP H11286462 A JPH11286462 A JP H11286462A JP 10414598 A JP10414598 A JP 10414598A JP 10414598 A JP10414598 A JP 10414598A JP H11286462 A JPH11286462 A JP H11286462A
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- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C19/00—Acyclic saturated compounds containing halogen atoms
- C07C19/08—Acyclic saturated compounds containing halogen atoms containing fluorine
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Abstract
和炭化水素と−CH2 −CHF−結合を有するフッ素化
飽和炭化水素との混合物から−CH2 −CHF−結合を
有するフッ素化飽和炭化水素を非常に効率よく、および
/または高純度で得る。 【解決手段】 上記フッ素化飽和炭化水素の混合物を原
料として用い、該原料中の−CHF−CHF−結合を有
するフッ素化飽和炭化水素を選択的に脱フッ化水素し、
得られた反応生成物から−CH=CF−結合を有するフ
ッ素化不飽和炭化水素を蒸留により除去するか、また
は、脱フッ化水素処理によって得られた反応生成物をそ
のまま水素化処理する。
Description
剤、溶剤、重合溶剤などとして有用なフッ素化飽和炭化
水素の製造方法に関する。
として、不燃性、低毒性、安定性に優れたCFC113
や1,1,1−トリクロロエタンを主成分とする溶剤組
成物が広く使用されてきている。しかし、各種のCFC
類や1,1,1−トリクロロエタン、四塩化炭素などが
オゾン層を破壊することが指摘され、オゾン層保護の観
点からCFC113や1,1,1−トリクロロエタンな
どについても1995年末をもって世界的にその生産が
全廃され、使用規制が実施されている。
してこれまでにHCFC225やHCFC141bなど
のハイドロクロロフルオロカーボン類が提案され使用さ
れているが、これらの化合物も僅かとはいえオゾン層破
壊力をもつため、その使用には期限が設けられている。
また、塩素系溶剤についても塩化メチレンやトリクロロ
エチレン、パークロロエチレンなどの従来からあるもの
については安全性(発ガン性や中毒)の面で問題を抱え
ており、各種の規制が設けられ、あるいは検討されてい
る。
性、安定性などを保持ししかもオゾン層破壊の元凶であ
る塩素原子を含まない化合物の提案が種々なされてい
る。例えば、パーフルオロ−n−ヘプタンのようなパー
フルオロカーボン類を主成分とするもの(WO92−0
3205号公報など)、鎖状ハイドロフルオロカーボン
を主成分とするもの(WO95−06693号公報、特
表平6−501949号公報など)、特定の環状のハイ
ドロフルオロカーボン類を主成分とするもの(WO95
−05448号公報)などがあげられる。
ドロフルオロカーボン類はオゾン層破壊の心配がないこ
と、そのままあるいは有機溶剤とともに用いることによ
り、仕上がりの良い洗浄性能を発揮する上では好ましい
ものであるが、各々に改善すべき問題点があった。例え
ば、パーフルオロカーボン類は地球温暖化係数が高く、
地球環境保全上の新たな問題を生じる恐れがある。ま
た、鎖状あるいは環状のハイドロフルオロカーボン類は
種々の構造が提案されているが、その構造上の問題があ
る。例えば、−CF2 CHFCHFCF2 −結合を有す
るものはアルカリや水存在下での安定性に欠けるなどの
欠点を有していた。
ら、トリハイドロフルオロエチレン基−CH2 −CHF
−をもつフッ素化飽和炭化水素が、適度な汚れ成分の溶
解性、プラスチックなどへの低アタック性、熱や化学薬
品への優れた安定性、不燃性の保持などにより、また、
塩素を含まないことからオゾン層破壊力がなく、さらに
大気寿命が短いことから地球温暖化係数が低いことなど
により、新世代のフッ素系材料として期待されている。
−CH2 −CHF−をもつフッ素化飽和炭化水素の製造
方法としては、従来炭素数3のフッ素化炭化水素を対象
とするものが中心であった。例えば、特開平8−259
477号公報においてはCF3 CH=CF2 を水素化す
る方法、特開平7−89676号公報においてはジクロ
ロペンタフルオロプロパンやトリクロロペンタフルオロ
プロパンの塩素原子を加水素分解する方法が提案されて
いる。これらは、3つの水素を二段階で導入する点や、
必要な部位に塩素原子を選択的に配置した原料を事前に
合成する点で効率の悪いものであり、改善の必要性があ
った。炭素数が4以上のトリハイドロフルオロエチレン
基−CH2 −CHF−をもつフッ素化飽和炭化水素で
は、可燃性のモノフルオロ化合物以外についてはその選
択的な、あるいは高純度に容易に単離ができる製造方法
は知られていない。例えば、1,1,2,2,3,3,
4−ヘプタフルオロシクロペンタンは、1,1,2,
2,3,3,4,5−オクタフルオロシクロペンタン合
成の際に副生することが知られているが(ジャーナル・
オブ・ケミカル・ソサイエティーC、P548、196
8年)、それを単離することは記載されていない。実際
この二つの化合物は沸点もほとんど同一で蒸留による分
離は不可能である。
トリハイドロフルオロエチレン基−CH2 CHF−を持
つフッ素化飽和炭化水素、特に炭素数が3より大きいも
のの製造法は未だ確立されていなかった。本発明の目的
は、−CHF−CHF−結合をもつフッ素化飽和炭化水
素と−CH2 −CHF−結合をもつフッ素化飽和炭化水
素との両者を含む混合フッ素化飽和炭化水素から、−C
H2 −CHF−結合をもつ高純度のフッ素化飽和炭化水
素を高度な選択性をもって効率よく製造することのでき
る方法を提供することにある。
がもつ課題に鋭意取り組み検討を行った結果、−CHF
−CHF−結合を有するフッ素化飽和炭化水素および−
CH2 −CHF−結合を有するフッ素化飽和炭化水素の
両者を含む混合フッ素化飽和炭化水素を出発原料として
用い、該原料中の−CHF−CHF−結合を有するフッ
素化飽和炭化水素を選択的に脱フッ化水素すると、生成
した反応混合物の蒸留によって、あるいは混合物のまま
水素化に供することにより、非常に効率よくトリハイド
ロフルオロエチレン基(−CH2 −CHF−結合)をも
つフッ素化飽和炭化水素が得られることを見出し、本発
明を完成するにいたった。
F−結合を有するフッ素化飽和炭化水素および−CH2
−CHF−結合を有するフッ素化飽和炭化水素の両者を
含む混合フッ素化飽和炭化水素を原料として用い、該原
料中の−CHF−CHF−結合を有するフッ素化飽和炭
化水素を選択的に脱フッ化水素する第一工程、およびそ
れに引き続き、生成した−CH=CF−結合を有するフ
ッ素化不飽和炭化水素を蒸留により除去する第二工程を
含んでなることを特徴とする、−CH2 −CHF−結合
を有する高純度フッ素化飽和炭化水素の製造方法が提供
される。
F−結合を有するフッ素化飽和炭化水素および、このフ
ッ素化飽和炭化水素の−CHF−CHF−結合の代わり
に−CH2 −CHF−結合を有し、その他の構造は同一
のフッ素化飽和炭化水素の両者を含む混合フッ素化飽和
炭化水素を原料として用い、該原料中の−CHF−CH
F−結合を有するフッ素化飽和炭化水素を選択的に脱フ
ッ化水素する第一工程、およびそれに引き続き、生成し
た−CH=CF−結合を有するフッ素化不飽和炭化水素
から、反応せずに残存している−CH2 −CHF−結合
を有するフッ素化飽和炭化水素を分離することなく、両
者を含む混合フッ素化飽和炭化水素の水素化処理を行う
第二工程を含んでなることを特徴とする、−CH2 −C
HF−結合を有するフッ素化飽和炭化水素の製造方法が
提供される。この製造方法において、−CHF−CHF
−結合を有するフッ素化飽和炭化水素が1,1,2,
2,3,3,4,5−オクタフルオロシクロペンタンで
あり、−CH2 −CHF−結合を有するフッ素化飽和炭
化水素が1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロ
シクロペンタンであることが好ましい。
するフッ素化不飽和炭化水素の製造方法において原料と
して用いる−CHF−CHF−結合を有するフッ素化飽
和炭化水素としては、通常、炭素数4〜10のフッ素化
飽和炭化水素が用いられ、好ましくは、炭素数4〜6の
フッ素化飽和炭化水素が用いられ、その具体例として
は、1,1,1,2,3,4,4,4−オクタフルオロ
−n−ブタン、1,1,1,2,2,3,4,5,5,
5−デカフルオロ−n−ペンタン、1,1,1,2,
2,3,3,4,5,6,6,6−ドデカフルオロ−n
−ヘキサンおよび1,1,1,2,2,3,4,5,
5,6,6,6−ドデカフルオロ−n−ヘキサンなどの
鎖状フッ素化飽和炭化水素;ならびに1,1,2,2,
3,4−ヘキサフルオロシクロブタン、1,1,2,
2,3,4−ヘキサフルオロシクロペンタン、1,1,
2,2,3,4,5−ヘプタフルオロシクロペンタン、
1,1,2,2,3,3,4,5−オクタフルオロシク
ロペンタンおよび1,1,2,2,3,3,4,4,
5,6−デカフルオロシクロヘキサンなどの環状フッ素
化飽和炭化水素が挙げられる。これらの中では炭素数5
のもの、および環状構造を有するものが好ましく、とり
わけ炭素数が5の環状フッ素化飽和炭化水素がより好ま
しく、1,1,2,2,3,3,4,5−オクタフルオ
ロシクロペンタンが最も好ましい。
用いる混合フッ素化飽和炭化水素は上記の−CHF−C
HF−結合を有するフッ素化飽和炭化水素と−CH2 −
CHF−結合を有するフッ素化飽和炭化水素との混合物
である。−CH2 −CHF−結合を有するフッ素化飽和
炭化水素としては、通常、炭素数4〜10のフッ素化飽
和炭化水素が用いられ、好ましくは、炭素数4〜6のフ
ッ素化飽和炭化水素が用いられ、その具体例としては、
1,1,1,2,4,4,4−ヘプタフルオロ−n−ブ
タン、1,1,1,2,2,3,5,5,5−ノナフル
オロ−n−ペンタン、1,1,1,2,2,4,5,
5,5−ノナフルオロ−n−ペンタン、1,1,1,
2,2,3,3,4,6,6,6−ウンデカフルオロ−
n−ヘキサン、1,1,1,2,2,3,3,5,6,
6,6−ウンデカフルオロ−n−ヘキサンおよび1,
1,1,2,2,4,5,5,6,6,6−ウンデカフ
ルオロ−n−ヘキサンなどの鎖状フッ素化飽和炭化水
素;ならびに1,1,2,2,3−ペンタフルオロシク
ロブタン、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオ
ロシクロペンタンおよび1,1,2,2,3,3,4,
4,5−ノナフルオロシクロヘキサンなどの環状フッ素
化飽和炭化水素が挙げられる。これらの中では炭素数5
のもの、および環状構造を有するものが好ましく、とり
わけ炭素数が5の環状フッ素化飽和炭化水素がより好ま
しく、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシ
クロペンタンが最も好ましい。また、−CHF−CHF
−結合を有するフッ素化飽和炭化水素と−CH2 −CH
F−結合を有するフッ素化飽和炭化水素とは、それぞ
れ、これらの結合以外の部分の構造が互いに同一である
ことが好ましい。従って、最も好ましい混合フッ素化飽
和炭化水素の具体例としては、オクタフルオロシクロペ
ンテンの水素化によって得られる1,1,2,2,3,
3,4,5−オクタフルオロシクロペンタンと1,1,
2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンと
の混合物が挙げられる。上記混合フッ素化飽和炭化水素
中の−CHF−CHF−結合を有するフッ素化飽和炭化
水素(A)と、−CH2 −CHF−結合を有するフッ素
化飽和炭化水素(B)との割合は、格別限定されない
が、通常、A=0.01〜99.9重量%、B=99.
9〜0.01重量%の範囲で適宜選ばれる。
ッ素化飽和炭化水素(A)と−CH2 −CHF−結合を
有するフッ素化飽和炭化水素(B)との混合物を、例え
ば、相間移動触媒の存在下にアルカリ性化合物で処理す
ると、−CHF−CHF−結合を有するフッ素化飽和炭
化水素(A)が選択的に脱フッ化水素されて−CH=C
F−結合を有するフッ素化不飽和炭化水素となる。従っ
て、反応生成物は主として−CH=CF−結合を有する
フッ素化不飽和炭化水素と−CH2 −CHF−結合を有
するフッ素化飽和炭化水素との混合物である。脱フッ化
水素反応によって生成する−CH=CF−結合を有する
フッ素化不飽和炭化水素としては、通常、炭素数4〜1
0のフッ素化不飽和炭化水素、好ましくは、炭素数4〜
6のフッ素化不飽和炭化水素が挙げられ、その具体例と
しては、1,1,1,2,4,4,4−ヘプタフルオロ
−2−ブテン、1,1,1,3,4,4,5,5,5−
ノナフルオロ−2−ペンテン、1,1,1,2,4,
4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロ−2−ヘキ
セン、1,1,1,3,4,4,5,5,6,6,6−
ウンデカフルオロ−2−ヘキセン、1,1,1,2,
2,3,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロ−2−
ヘキセンおよび1,1,1,2,2,4,5,5,6,
6,6−ウンデカフルオロ−2−ヘキセンなどの鎖状フ
ッ素化不飽和炭化水素;ならびに1,1,2,2,3,
4−ヘキサフルオロシクロブテン、1,3,3,4,4
−ペンタフルオロシクロペンテン、1,4,4,5,5
−ペンタフルオロシクロペンテン、1,3,3,4,
4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテンおよび1,
1,3,3,4,4,5,5,6−ノナフルオロシクロ
ヘキセンなどの環状フッ素化不飽和炭化水素が挙げられ
る。これらの中では炭素数5のもの、および環状構造を
有するものが好ましく、とりわけ炭素数が5の環状フッ
素化不飽和炭化水素がより好ましく、1,3,3,4,
4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテンが最も好ま
しい。
用いて実施することが好ましい。アルカリ性化合物とし
ては、通常、アルカリ金属、アルカリ土類金属および遷
移金属の炭酸塩、ならびにアルカリ金属およびアルカリ
土類金属の炭酸水素塩などが用いられる。炭酸塩の具体
例としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよび炭酸バ
リウムなど;また、炭酸水素金属塩の具体例としては炭
酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カ
リウムなどが挙げられる。これらのアルカリ性化合物は
単独でまたは2種以上を組合せて用いることができる。
アルカリ性化合物の使用量は、出発原料である混合フッ
素化飽和炭化水素中の−CHF−CHF−結合を有する
フッ素化飽和炭化水素に対し等量以上であればよい。
水素は相間移動触媒の存在下に行うことが好ましい。相
間移動触媒としては、合成反応で一般に用いられるもの
であれば特に制限はなく、例えば、第4級アンモニウム
ハライド類、第4級ホスホニウムハライド類などのよう
な第4級塩類;クラウンエーテル類、ポリオキシアルキ
レングリコール類などのようなポリエーテル類;アミノ
アルコール類;などが挙げられ、特に第4級塩類が好ま
しい。第4級塩類は、窒素原子およびリン原子などのよ
うなヘテロ原子に4個の炭素含有置換基が結合して生じ
るカチオン(陽性イオン)と、対アニオン(陰性イオ
ン)からなる。
の原子であれば特に限定されないが、窒素原子およびリ
ン原子が好ましい。該ヘテロ原子の4つの炭素含有置換
基の炭素数は、特に限定されないが、通常1〜30、よ
り好ましくは1〜20である。かかる置換基としてはヘ
テロ原子に直接結合した炭素を含んでいれば特に制限は
ないが、例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル
基、アルケニル基、アルキニル基などが挙げられる。こ
れらの炭素含有置換基には、アルコキシ基、ハロゲン原
子、アルキルチオ基などの反応に影響を及ぼさない置換
基;その炭素含有置換基構造内にカルボニル基、スルホ
ニル基、スルフィニル基などの反応に影響しない2価の
置換基などを含んでもよい。また、該炭素含有置換基が
お互いに結合して環状をなしてもよい。該炭素含有置換
基は、好ましくは、アルキル基、アリール基およびアラ
ルキル基である。
チル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、ラウリ
ル、ヘキサデシルなどのアルキル基;フェニル基、2−
メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチル
フェニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル、
2−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基、2−メ
トキシベンジル基、4−メトキシベンジル基などのアラ
ルキル基;置換基が環状で窒素原子と結合した場合のピ
リジニウムやピコリニウムなどが挙げられる。これらの
置換基は反応に影響を及ぼさない置換基を有していても
よい。対アニオン(陰性イオン)としては、例えば、ハ
ライド、ヒドロキシド、ハイドロキシスルフェートなど
が挙げられるが、好ましくはハライドである。ハライド
は、特に限定されないが、具体的に、フルオライド、ブ
ロマイド、クロライド、アイオダイドが挙げられ、好ま
しくはブロマイドおよびクロライドである。
モニウムハライド類、第4級ホスホニウムハライド類、
第4級アンモニウムヒドロキシド類、第4級ホスホニウ
ムヒドロキシド類、第4級アンモニウムハイドロゲンス
ルフェート類、第4級ホスホニウムハイドロゲンスルフ
ェート類などが挙げられ、4級アンモニウムハライド
類、第4級ホスホニウムハライド類が好ましく、第4級
ホスホニウムハライド類がより好ましい。相間移動触媒
の好ましい例としては、テトラメチルアンモニウムブロ
マイド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラ
エチルアンモニウムブロマイド、テトラプロピルアンモ
ニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイ
ド、テトラブチルアンモニウムクロライド、セチルトリ
メチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリエチルア
ンモニウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウ
ムクロライドなどのような第4級アンモニウムハライド
類;テトラブチルホスホニウムブロマイド、ベンジルト
リフェニルホスホニウムクロライド、ブチルトリフェニ
ルホスホニウムブロマイドなどのような第4級ホスホニ
ウムハライド類;15−クラウン−5、18−クラウン
−6、ジベンゾ−18−クラウン−6、ジベンゾ−24
−クラウン−8、ジシクロヘキシル−18−クラウン−
6などのようなクラウンエーテル類;ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリ
コールモノメチルエーテルなどのようなポリオキシアル
キレングリコール類;トリス[2−(2−メトキシエト
キシ)エチル]アミン、クリプテートなどのようなアミ
ノアルコール類;などが挙げられる。これらの中でも、
テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルア
ンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロ
マイド、テトラプロピルアンモニウムブロマイド、テト
ラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモ
ニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムブロ
マイド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、
トリメチルベンジルアンモニウムブロマイド、トリオク
チルメチルアンモニウムクロライドがより好ましい。特
にテトラブチルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリ
フェニルホスホニウムクロライド、ブチルトリフェニル
ホスホニウムブロマイドなどが好ましい。
で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ
る。相間移動触媒の使用量は、反応条件により適宜選択
され、−CHF−CHF−結合を有するフッ素化飽和炭
化水素に基づき、通常0.001〜20重量%、好まし
くは0.01〜10重量%。より好ましくは0.15重
量%の範囲である。反応に供する出発原料はそのまま、
または有機溶媒に溶解した形で用いることができる。溶
媒は、本発明の方法において反応に不活性であれば格別
な限定はなく、溶媒の具体例としては、n−ペンタン、
n−ヘプタン、n−オクタン、シクロペンタン、シクロ
ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどのn−ペ
ンタン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロペンタ
ン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、
炭化水素類、エチレングリコールモノメチルエーテルな
どのエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド、N−メチルピロリドンのようなアミド類、ジ
メチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ジメチルイ
ミダゾリジノンのようなウレア類、パーフルオロヘキサ
ン、パーフルオロノナンなどのパーフルオロ炭化水素や
パーフルオロエーテルなどのフッ素系溶媒が挙げられ
る。溶媒は、用いないか、または炭化水素類およびフッ
素系溶媒を用いることが好ましい。溶媒は用いないほう
がより好ましい。
溶解した形で用いられるが、好ましくは、水を用いずに
そのまま反応に供する。脱フッ化水素反応相の形態は均
一系、固液反応、二相率のいずれでもよいが二相系が好
ましい。反応温度は通常常温〜100℃の範囲から選ば
れ、好ましくは30〜70℃である。反応圧力は通常常
圧から5気圧、好ましくは常圧〜3気圧程度である。反
応時間は通常10分から10時間であり、好ましくは3
0分間〜5時間である。
く、還流凝縮器を設けた反応器を用い、蒸留塔を反応器
に付設して最も沸点の低いフッ素化不飽和炭化水素を留
出させ、連続的に精製・分離する方法を採ることができ
る。特に生成するフッ素化不飽和炭化水素の重合性が高
い場合は上記のような反応実施形態は特に有効である。
反応に用いた相間移動触媒は生成物中に溶解しており、
水との二相系においても分配して溶存するので、簡単な
蒸留などの操作によって相間移動触媒は除去することが
望ましい。相間移動触媒の除去によって、フッ素化不飽
和炭化水素生成物を次工程で処理したり、製品として利
用する際の悪影響を防止することができる。
物、すなわち、主として−CH=CF−結合を有するフ
ッ素化不飽和炭化水素と−CH2 −CHF−結合を有す
るフッ素化飽和炭化水素との混合物から、−CH=CF
−結合を有するフッ素化不飽和炭化水素を分離除去する
ための蒸留法は格別限定されることはなく常法に従って
行えばよい。効率のよい理論段数の高い蒸留塔が望まし
い。脱フッ化水素反応により生成した−CH=CF−結
合を有するフッ素化不飽和炭化水素と、反応せずに残存
している−CH2 −CHF−結合を有するフッ素化飽和
炭化水素を分離することなく、両者を含む混合フッ素化
飽和炭化水素の水素化処理を行うことによって−CH2
−CHF−結合を有するフッ素化飽和炭化水素を製造す
ることができる。
CH=CF−結合を有するフッ素化不飽和炭化水素と、
反応せずに残存している−CH2 −CHF−結合を有す
るフッ素化飽和炭化水素との混合物の水素化処理につい
て説明する。水素化反応に使用される水素は、ガス状で
あればよい。水素の使用量は、−CH=CF−結合を含
有するフッ素化不飽和炭化水素に対して過剰量で使用す
ることが有利である。例えば、1モルの−CH=CF−
結合を含有するフッ素化不飽和炭化水素1モル当たり2
モル以上の、好適には2〜50モルの水素を使用すれば
よい。水素化反応には、通常貴金属触媒が用いられる。
使用される貴金属触媒は、貴金属または貴金属化合物な
どである。貴金属としては、例えば、パラジウム、ロジ
ウム、ルテニウム、レニウム、白金などが挙げられ、な
かでもパラジウム、ロジウム、ルテニウムが好ましい。
貴金属化合物としては、酢酸パラジウムなどの酸化物、
塩化パラジウムなどのハロゲン化物などが挙げられる。
これらの貴金属触媒は、単一で使用してもよいし、2種
類以上の金属からなる合金、いわゆるバイメタル触媒と
して用いてもよい。
が好ましい。貴金属触媒を担持させる担体の種類および
担体の形状、大きさは特に制限されるものでない。担体
の種類としては活性炭、アルミナ、チタニア、ジルコニ
アおよびこれらをフッ素化水素処理したものが好まし
い。担体の形状は、粉末でも球形、ペレット状などの成
形体でもよい。担体に対する貴金属の担持量は、通常、
0.05〜20重量%のものが用いられる。好ましい担
持量は、担体が粉末の場合、0.1〜20重量%であ
り、担体が成形体の場合、0.1〜10重量%である。
より好ましくは、1〜10重量%担持の粉末触媒であ
る。
は気相反応が可能である。液相反応では溶剤を用いるこ
とができる。気相反応では希釈剤を必要により用いるこ
とができる。また、気相反応では、固定床型気相反応、
流動床型気相反応などの方式をとることもできる。液相
反応で使用する溶剤としては、特に制限はなく、脂肪族
炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハイドロフルオロカー
ボン類、アルコール類、エーテル類、ケトン類、エステ
ル類、水などが挙げられる。脂肪族炭化水素類として
は、通常、その炭素数が4〜15のものが用いられ、そ
の具体例としては、n−ブタン、n−ペンタン、メチル
ペンタン、n−ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキ
サンなどが挙げられる。
フルオロメチルベンゼンなどが挙げられる。ハイドロフ
ルオロカーボン類の具体例としては、ペンタフルオロエ
タン、ペンタフルオロプロパン、ヘキサフルオロブタ
ン、デカフルオロペンタンなどが挙げられる。アルコー
ル類としては、通常、その炭素数が、1〜10、好まし
くは1〜6のものが用いられる。アルコール類の具体例
としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノール、シクロペンタノールなどが挙げられる。エー
テル類としては、通常、その炭素数が4〜10、好まし
くは4〜6のものが用いられ、その具体例としては、ジ
エチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレング
リコールジメチルエーテルなどが挙げられる。ケトン類
は、通常、その炭素数が3〜10、好ましくは3〜8の
ものが用いられその具体例としては、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルブチ
ルケトン、シクロペンタノンなどが挙げられる。エステ
ル類としては、通常、その炭素数4〜10、好ましくは
4〜8のものが用いられ、その具体例としては、例え
ば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、プロピオ
ン酸メチル、酪酸メチル、吉草酸メチルなどが挙げられ
る。
または2種以上組み合わせて使用してもよい。溶剤の使
用量は、特に制限はなく、例えば、−CH=CF−結合
を含有するフッ素化不飽和炭化水素100重量部に対し
て、通常、80重量部以下であり、好ましくは、50重
量部以下である。気相反応の際使用する希釈剤として
は、本水素化反応に不活性なガスであればよい。不活性
ガスは、窒素ガス、希ガス、炭化水素ガス、ハイドロフ
ルオロカーボンガスなどである。希ガスの具体例として
は、アルゴンガスやヘリウムガスなど;炭化水素ガスの
具体例としては、メタンガス、エタンガス、プロパンガ
ス、ブタンガスなど;ハイドロフルオロカーボンガスの
具体例としては、ペンタフルオロエタン、ペンタフルオ
ロプロパン、ヘキサフルオロブタン、デカフルオロペン
タンなど;が挙げられる。これらの希釈剤は、単独で使
用してもよく、または2種以上組み合わせて使用しても
よい。
ば、−CH=CF−結合を含有するフッ素化不飽和炭化
水素100重量部に対して、通常、0〜500重量部、
好ましくは、0〜200重量部である。本水素化反応の
反応系の圧力は、通常、常圧〜50kgf/cm2 程度
であり、好ましくは常圧〜20kgf/cm2 である。
反応温度は、通常、常温〜350℃程度であり、好まし
くは常温〜200℃程度である。また、本反応において
は、必要に応じて、反応系内を攪拌または振とうする。
原料を連続的に反応器へ供給し、反応生成物を連続的に
反応器から抜き出す連続反応が採用される。使用する反
応容器は、バッチ反応の場合圧力容器であり、連続反応
では、直列に連結した1個またはそれ以上の反応器、例
えばカスケード式反応器を使用することができる。反応
容器の材料は、例えば、ステンレススチールなどが適し
ている。一般に、ステンレススチール製反応器は、使用
前に例えば硝酸処理してコンディショニングすることが
有利である。
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。実施例中の%は重量基準である。 実施例1 冷却管および攪拌機を付した1Lのガラス製反応器に
1,1,2,2,3,3,4,5−オクタフルオロシク
ロペンタンと1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフル
オロシクロペンタンが20:80(GC面積比)である
混合物を200g、n−テトラブチルアンモニウムブロ
ミド10g、1mol/l炭酸カリウム水溶液400m
lを入れ、30℃にて強攪拌した。8時間後、攪拌を停
止し、静置した。下層をガスクロマトグラフィー(日立
製作所製263−70)にて分析したところ、1,1,
2,2,3,3,4,5−オクタフルオロシクロペンタ
ンはすべて消失していた。有機層を分離し、水洗後、硫
酸マグネシウムで乾燥、ろ過をして、181gの生成物
を得た。このものを更にガスクロマトグラフィーにて分
析したところ、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフ
ルオロシクロペンタンを78%、1,3,3,4,4,
5,5−ヘプタフルオロシクロペンテンを17%、1,
2,3,3,4,4,5−ヘプタフルオロシクロペンテ
ンを2%含む混合物であり、1,1,2,2,3,3,
4−ヘプタフルオロシクロペンタンの分解率は2%であ
った。次に、この混合物181gを300mlの蒸留釜
に入れ、精留塔(ヘリパック充填塔、理論段数7段)に
て蒸留精製(還流比30:1)を行った。その結果、目
的物である1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオ
ロシクロペンタンが102.5g(純度95%、蒸留収
率69.0%)で得られた。
1,1,2,2,3,3,4,5−オクタフルオロシク
ロペンタンと1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフル
オロシクロペンタンが78:22(GC面積比)である
混合物を970g、n−テトラブチルアンモニウムブロ
ミド15g、2.5mol/l炭酸カリウム水溶液17
00mlを入れ、45℃にて強攪拌した。6時間後、攪
拌を停止し、静置させた。下層をガスクロマトグラフィ
ー(日立製作所製263−70)にて分析したところ、
1,1,2,2,3,3,4,5−オクタフルオロシク
ロペンタンはすべて消失していた。有機層を分離し、水
洗後、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過をして、884g
の生成物を得た。このものをさらにガスクマトグラフィ
ーにて分析したところ、、1,1,2,2,3,3,4
−ヘプタフルオロシクロペンタンを22%、1,3,
3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテンを
70%、1,2,3,3,4,4,5−ヘプタフルオロ
シクロペンテンを6%含む混合物であり、1,1,2,
2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンの分解
率は1%であった。次に、この混合物を1Lの蒸留釜に
入れ、スルーザー精留塔(理論段数55段)にて蒸留精
製を行った。その結果、目的物である1,1,2,2,
3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンが105g
(純度99%、蒸留収率53.4%)で得られた。
器に1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフ
ルオロペンタン、1,1,1,2,4,4,5,5,5
−ノナフルオロペンタン及び1,1,1,3,4,4,
5,5,5−ノナフルオロペンタンをそれぞれ34、4
4、22%ずつ含有する混合物50g、n−テトラブチ
ルアンモニウムブロミド2.5g、2.5mol/l炭
酸カリウム水溶液35mlを入れ、45℃にて強攪拌し
た。約1時間後、精留塔の上部より還流比30:1で生
成物の抜き出しを開始し、氷水で冷却した受器に捕集し
た。徐々に反応温度を上げて行き、精留塔の上部の温度
が下がり始めたところで反応を停止した。その結果、目
的物であるノナフルオロペンタン(異性体の混合物で純
度99%)が17g(蒸留収率51%)で得られた。
ン1000gに、低極性化合物であるn−トリデカンを
3重量%溶解させた。容量1LのSUS316製オート
クレーブに粉末の5重量%パラジウム担持活性炭触媒5
0gを仕込み、減圧脱気した。このオートクレーブに先
に調製したn−トリデカン含有オクタフルオロシクロペ
ンテンを注入した後、40℃にて攪拌しながら水素をゲ
ージ圧0〜6kgf/cm2 の範囲でブロックチャージ
を繰り返して反応させた。水素の吸収が止まったところ
で、反応を停止させた。反応液からフィルターで触媒を
取り除き、ろ液を炭酸ナトリウム、飽和重曹水で中和し
た。 に、水洗し、モレキュラーシーブスで乾燥後、蒸
留によって、高沸点成分であるn−トリデカンを取り除
いた。得られた留分をガスクロマトグラフィーにて分析
した結果、1,1,2,2,3,3,4,5−オクタフ
ルオロシクロペンタンと1,1,2,2,3,3,4−
ヘプタフルオロシクロペンタンを89:11の割合(G
C面積比)で含む混合物であった。
混合物920g、n−テトラブチルアンモニウムブロミ
ド14g、2.5mol/l炭酸カリウム水溶液185
0mlを仕込み、45℃にて強攪拌した。8時間後、反
応を停止し、静置させた。下層をガスクロマトグラフィ
ー(日立製作所製263−70)にて分析し、1,1,
2,2,3,3,4,5−オクタフルオロシクロペンタ
ンが完全に消失していることを確認した。有機層を分離
し、水洗後、モレキュラーシーブスにて乾燥、単蒸留し
て精製した。得られた留分をさらにガスクロマトグラフ
ィーにて分析した結果、1,3,3,4,4,5,5−
ヘプタフルオロシクロペンテンを79%、1,2,3,
3,4,4,5−ヘプタフルオロシクロペンテンを9%
含む混合物であり、1,1,2,2,3,3,4−ヘプ
タフルオロシクロペンタンを10%含む混合物であっ
た。
クレーブに粉末の5重量%パラジウム担持活性炭触媒2
5gを仕込み、減圧脱気した。このオートクレーブにn
−トリデカンを25g、上記のフッ素化混合物を820
g注入した。反応混合物を50℃にて30分間攪拌した
後、水素をゲージ圧0〜10kgf/cm2 の範囲でブ
ロックチャージを繰り返して反応させた。水素の吸収が
止まったところで、反応を停止した。反応液からフィル
ターにて触媒を取り除き、ろ液を炭酸ナトリウム、飽和
重曹水で中和し、さらに水洗してモレキュラーシーブス
にて乾燥させた。得られた有機物をガスクロマトグラフ
ィーにて分析した結果、1,1,2,2,3,3,4−
ヘプタフルオロシクロペンタンと1,1,2,2,3,
3−ヘキサフルオロシクロペンタンを94:6の割合
(GC面積比)で含む混合物であった。この混合物を容
量1Lの蒸留釜に入れ、蒸留塔(理論段数55段)にて
蒸留したところ、目的化合物である1,1,2,2,
3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンが424g
(純度、98%)が得られた。
F−結合をもつフッ素化飽和炭化水素と−CH2 −CH
F−結合をもつフッ素化飽和炭化水素との両者を含む混
合フッ素化飽和炭化水素の脱フッ化水素処理およびそれ
に続く蒸留分離によって−CH2 −CHF−結合をもつ
高純度のフッ素化飽和炭化水素を高度な選択性をもって
効率よく製造することができる。または、上記の脱フッ
化水素処理に続き、蒸留分離を行うことなく、反応生成
混合物をそのまま水素化に供することにより−CH2 −
CHF−結合をもつフッ素化飽和炭化水素を非常に効率
よく得ることができる。
素の製造方法、すなわち、−CHF−CHF−結合を有
するフッ素化飽和炭化水素および、−CH2 −CHF−
結合を有するフッ素化飽和炭化水素の両者を含む混合フ
ッ素化飽和炭化水素を原料として用い、該原料中の−C
HF−CHF−結合を有するフッ素化飽和炭化水素を選
択的に脱フッ化水素する第一工程、およびそれに引き続
き、生成した−CH=CF−結合を有するフッ素化不飽
和炭化水素を蒸留により除去する第二工程を含んでなる
ことを特徴とする、−CH2 −CHF−結合を有する高
純度フッ素化飽和炭化水素の製造方法;ならびに(2)
本発明の−CH2 −CHF−結合を有するフッ素化飽和
炭化水素の製造方法、すなわち、−CHF−CHF−結
合を有するフッ素化飽和炭化水素および、このフッ素化
飽和炭化水素の−CHF−CHF−結合の代わりに−C
H2 −CHF−結合を有し、その他の構造は同一のフッ
素化飽和炭化水素の両者を含む混合フッ素化飽和炭化水
素を原料として用い、該原料中の−CHF−CHF−結
合を有する−CHF−CHF−結合を有するフッ素化飽
和炭化水素を選択的に脱フッ化水素する第一工程、およ
びそれに引き続き、生成した−CH=CF−結合を有す
るフッ素化不飽和炭化水素から、反応せずに残存してい
る−CH2 −CHF−結合を有するフッ素化飽和炭化水
素を分離することなく、両者を含む混合フッ素化飽和炭
化水素の水素化処理を行う第二工程を含んでなることを
特徴とする、−CH2 −CHF−結合を有するフッ素化
飽和炭化水素の製造方法の好ましい実施態様をまとめる
と以下のとおりである。
ッ素化飽和炭化水素は、4〜6個の炭素、より好ましく
は5個の炭素を有し、また、好ましくは環状構造を有
し、最も好ましくは1,1,2,2,3,3,4,5−
オクタフルオロシクロペンタンである。 (2)−CH=CF−結合を有するフッ素化不飽和炭化
水素は、4〜6個の炭素、より好ましくは5個の炭素を
有し、また、好ましくは環状構造を有し、最も好ましく
は、1,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシク
ロペンテンである。
ッ素化飽和炭化水素は、4〜6個の炭素、より好ましく
は5個の炭素を有し、また、好ましくは環状構造を有
し、最も好ましくは1,1,2,2,3,3,4−ヘプ
タフルオロシクロペンタンである。 (4)−CH2 −CHF−結合を有するフッ素化飽和炭
化水素の選択的脱フッ素化水素反応は、混合フッ素化飽
和炭化水素原料を相間移動触媒の存在下にアルカリ性化
合物で処理することによって行う。(5)前項(4)の
アルカリ性化合物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属
および遷移金属の水酸化物;アルカリ土類金属の酸化
物;アルカリ金属、アルカリ土類金属および遷移金属の
炭酸塩;アルカリ金属およびアルカリ土類金属の炭酸水
素塩;アルカリ金属およびアルカリ土類金属の脂肪酸
塩;アミン;ならびにアルキル金属化合物の中から選ば
れ、より好ましくはアルカリ金属炭酸塩およびアルカリ
金属炭酸水素塩の中から選ばれる。
アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩、クラウンエー
テル、ポリエーテルおよびアミノアルコールの中から選
ばれ、より好ましくは第4級アンモニウム塩および第4
級ホスホニウム塩の中から選ばれる。 (7)前項(4)または(6)の相間移動触媒の量は、
−CHF−CHF−結合を有するフッ素化飽和炭化水素
に基づき、0.001〜20重量%、より好ましくは
0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜5重
量%である。 (8)脱フッ化水素反応は、温度が常温〜150℃、よ
り好ましくは常温〜100℃、さらに好ましくは30〜
70℃、圧力が常圧〜10気圧、より好ましくは常圧か
ら5気圧、時間が10分〜10時間、より好ましくは3
0分から5時間行われる。 (9)水素化反応に使用する水素の量は、−CH=CF
−結合をもつフッ素化不飽和炭化水素1モルに対し、2
モル以上、より好ましくは2〜50モルである。 (1
0)水素化反応は、パラジウム、ロジウム、ルテニウ
ム、レニウムおよび白金の中から選ばれた貴金属または
その化合物の存在下に行う。 (11)前項(10)の貴金属またはその化合物は、担
体に0.05〜20重量%担持させて反応に供する。 (12)水素化反応は、常圧〜50kgf/cm2 、よ
り好ましくは常圧〜20kgf/cm2 の圧力下に常温
〜350℃、より好ましくは常温〜200℃の温度にて
行う。
Claims (3)
- 【請求項1】 −CHF−CHF−結合を有するフッ素
化飽和炭化水素および−CH2 −CHF−結合を有する
フッ素化飽和炭化水素の両者を含む混合フッ素化飽和炭
化水素を原料として用い、該原料中の−CHF−CHF
−結合を有するフッ素化飽和炭化水素を選択的に脱フッ
化水素する第一工程、およびそれに引き続き、生成した
−CH=CF−結合を有するフッ素化不飽和炭化水素を
蒸留により除去する第二工程を含んでなることを特徴と
する、−CH2 −CHF−結合を有する高純度フッ素化
飽和炭化水素の製造方法。 - 【請求項2】 −CHF−CHF−結合を有するフッ素
化飽和炭化水素およびこのフッ素化飽和炭化水素の−C
HF−CHF−結合の代わりに−CH2 −CHF−結合
を有し、その他の構造は同一のフッ素化飽和炭化水素の
両者を含む混合フッ素化飽和炭化水素を原料として用
い、該原料中の−CHF−CHF−結合を有するフッ素
化飽和炭化水素を選択的に脱フッ化水素する第一工程、
およびそれに引き続き、生成した−CH=CF−結合を
有するフッ素化不飽和炭化水素から、反応せずに残存し
ている−CH2 −CHF−結合を有するフッ素化飽和炭
化水素を分離することなく、両者を含む混合フッ素化飽
和炭化水素の水素化処理を行う第二工程を含んでなるこ
とを特徴とする、−CH2 −CHF−結合を有するフッ
素化飽和炭化水素の製造方法。 - 【請求項3】 −CHF−CHF−結合を有するフッ素
化飽和炭化水素が1,1,2,2,3,3,4,5−オ
クタフルオロシクロペンタンであり、−CH2 −CHF
−結合を有するフッ素化飽和炭化水素が1,1,2,
2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンである
請求項2記載の製造方法。
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