JP2001322956A - 1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロペンの製造方法 - Google Patents

1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロペンの製造方法

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JP2001322956A
JP2001322956A JP2001156192A JP2001156192A JP2001322956A JP 2001322956 A JP2001322956 A JP 2001322956A JP 2001156192 A JP2001156192 A JP 2001156192A JP 2001156192 A JP2001156192 A JP 2001156192A JP 2001322956 A JP2001322956 A JP 2001322956A
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hexachloropropene
pentafluoro
product
dichloropropane
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Seiji Takubo
征司 田窪
Hiroichi Aoyama
博一 青山
Tatsuo Nakada
龍夫 中田
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価にしかも容易かつ高収率に、1,1,
1,3,3−ペンタフルオロプロパン(又は1,1,
1,3,3−ペンタフルオロ−2,3−ジクロロプロパ
ン)の合成原料となる目的生成物を製造すること。 【解決手段】 1,1,1,2,2,3,3−ヘプタク
ロロプロパンを相間移動触媒の存在下にアルカリ金属水
酸化物の水溶液と反応させることを特徴とする、1,
1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロペンの製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷媒、発泡剤、洗
浄剤として使用されているCFCやHCFCの代替化合
物となりえる有用な化合物である、特にウレタン発泡剤
として有用な1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロ
パンの合成中間体となりえる1,1,1,2,3,3−
ヘキサクロロプロペンの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】1,1,1,3,3−ペンタフルオロプ
ロパンの製造方法については、1,2,2−トリクロロ
ペンタフルオロプロパンを原料とした水素還元反応
(U.S.P.2,942,036)が知られている。
【0003】しかし、この方法では、収率が低く、還元
が十分に行われていない2−クロロペンタフルオロプロ
ペンや、1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン
を生成するため、工業的には適していない。
【0004】他方、1,1,1,3,3−ペンタフルオ
ロ−2−ハロゲノ−3−クロロプロパンはそれ自身、医
農薬中間体として有用であるとともに、フッ素化または
還元を行うことにより種々の冷媒、発泡剤、洗浄剤とし
て使われているHCFC、CFCの代替品としてのハイ
ドロフルオロカーボンに誘導することができ、また脱塩
酸することで種々の樹脂のモノマーに誘導できる工業的
に有用な化合物である。特に1,1,1,3,3−ペン
タフルオロ−2,3−ジクロロプロパンは1,1,1,
3,3−ペンタフルオロプロパンの原料として有用にな
り得る。
【0005】これまで、ハロゲン化プロペンをハロゲン
化アンチモンの存在下にHFで液相にてフッ素化させる
方法は知られている。例えばE.T.McBeeらは、
1,1,1−トリフルオロ−2,3,3−トリクロロプ
ロペンをアンチモン触媒の存在下にHFを用いてフッ素
化して、1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−2,3
−ジクロロプロパンを得ている(J.Am.Chem.
Soc.70,2023,(1948))。
【0006】しかしながら、この反応では、原料である
1,1,1−トリフルオロ−2,3,3−トリクロロプ
ロペン、HF、アンチモン触媒を反応器に反応前に一度
に仕込んでいるために、 250℃という高い反応温度が必
要なばかりでなく、1,1,1,3,3−ペンタフルオ
ロ−2,3−ジクロロプロパンの収率は50%と低く、工
業的に行える反応とはいえない。
【0007】また、1,1,1,2,3,3−ヘキサク
ロロプロペンは、種々の医農薬中間体として有用であ
り、このプロペンの塩素をHFでフッ素化することによ
り種々のフッ素化合物の中間体を合成できる有用な原料
である。特に、1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−
2,3−ジクロロプロパン(HCFC225da)の原
料として有用である。
【0008】一般に、1,1,1,2,3,3−ヘキサ
クロロプロペンは、1,1,1,2,2,3,3−ヘプ
タクロロプロパンの脱HClで合成される。原料となる
1,1,1,2,2,3,3−ヘプタクロロプロパン
は、安価な工業原料であるクロロホルムとテトラクロロ
エチレンより容易に合成できる安価な工業原料である。
【0009】これまで、1,1,1,2,3,3−ヘキ
サクロロプロペンは、アルコールを溶媒としてKOHな
どのアルカリ金属水酸化物により1,1,1,2,2,
3,3−ヘプタクロロプロパンを脱塩酸して合成する方
法が知られている(J.Am.Chem.Soc., 6
3,1438(1941))。
【0010】しかし、この方法は、反応溶媒としてアル
コールを用いるために、反応後に生成したアルカリ金属
塩化物を濾過し、その後に蒸留などの操作を用いて生成
物をアルコールより分離する必要がある。
【0011】また、400℃程度に加熱した反応管に通じ
ることにより、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタク
ロロプロパンより得られることも知られているが、この
反応は高い温度が必要であり、反応によってHClが生
成するために反応管の材質に高価な金属を使うことが必
要である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような問題点が生じず、1,1,1,3,3−ペンタ
フルオロプロパン(HFC245fa)の合成原料とし
て好適な1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロペ
ンを工業的に容易に実施可能で安価に製造する方法を提
供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、1,1,
1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法につい
て鋭意検討した結果、1,1,1,3,3−ペンタフル
オロ−2,3−ジクロロプロパンを原料として、パラジ
ウム等の貴金属触媒の存在下に気相法で水素還元反応
(接触還元)を行えば、高収率にて、目的物が得られる
ことを見い出した。
【0014】即ち、1,1,1,3,3−ペンタフルオ
ロ−2,3−ジクロロプロパンを原料として、パラジウ
ム等の貴金属触媒の存在下に特に30〜450℃の温度にて
気相法で水素還元反応を行うことによって、80%以上の
高選択率にて、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプ
ロパンを製造する方法である。
【0015】ここでは、特に、貴金属触媒を用いて、気
相法で水素還元を行うことが重要である。気相反応の方
式としては、固定床型気相反応、流動床型気相反応など
の方式をとることができる。
【0016】貴金属触媒の貴金属としてはパラジウム、
白金等が挙げられ、反応の選択性の点で、つまり副生物
の生成量が少ない点でパラジウムが好ましく、活性炭、
シリカゲル、酸化チタン及びジルコニアその他のうちか
ら選ばれた少なくとも一種からなる担体に担持されたも
のが好ましい。
【0017】また、担体の粒径については反応にほとん
ど影響を及ぼさないが、好ましくは0.1〜100mmが好適で
ある。
【0018】また、担持濃度としては0.05〜10(重量)
%と幅広く使用可能であるが、通常は0.5〜5%担持品
が推奨される。反応温度は、通常、30〜450℃であり、
好ましくは70〜400 ℃である。
【0019】1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−
2,3−ジクロロプロパンの水素還元反応において、水
素と原料との割合は大幅に変動させ得る。しかしなが
ら、通常、少なくとも化学量論量の水素を使用して水素
化を行う。出発物質の全モルに対して、化学量論量より
かなり多い量、例えば8モルまたはそれ以上の水素を使
用し得る。
【0020】反応の圧力は特に限定されず、加圧下、減
圧下、常圧下で可能であるが、減圧下では装置が複雑に
なるため、加圧下、常圧下で反応を行う方が好ましい。
【0021】接触時間は、通常、0.1〜300秒であり、特
には1〜30秒である。
【0022】原料である1,1,1,3,3−ペンタフ
ルオロ−2,3−ジクロロプロパンは公知の化合物であ
って、1,1,1−トリフルオロ−2,3,3−トリク
ロロプロペンのフッ素化反応により得ることができる
(E.T.McBEE,ANTHONY TRUCHA
N and R.O.BOLT,J.Amer.Che
m.Soc., vol 70, 2023 〜2024(1948))。
【0023】また、本発明者は、1,1,1,3,3−
ペンタフルオロプロパンの製造方法について鋭意検討し
た結果、1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−2,3
−ジクロロプロパンを原料として、ジルコニウム及びバ
ナジウムより選ばれた少なくとも一種の元素をパラジウ
ムに添加した触媒の存在下に、気相法で水素還元反応を
行えば、高収率にて、目的物が得られることを見出し
た。
【0024】即ち、1,1,1,3,3−ペンタフルオ
ロ−2,3−ジクロロプロパンを原料として、ジルコニ
ウム及びバナジウムより選ばれた少なくとも一種の元素
をパラジウムに添加した触媒の存在下に、特に30〜450
℃の温度にて気相法で水素還元反応を行うことによっ
て、80%以上の高収率にて、1,1,1,3,3−ペン
タフルオロプロパンを製造する方法である。
【0025】ここでは、特に、ジルコニウム及びバナジ
ウムより選ばれた少なくとも一種の元素をパラジウムに
添加した触媒を用いて、気相法で水素還元反応を行うこ
とが重要である。気相反応の方式としては、固定床型気
相反応、流動床型気相反応などの方式をとることができ
る。
【0026】パラジウムに対するジルコニウム及び/又
はバナジウムの添加量は、モル比で通常、0.01〜4であ
り、好ましくは0.1〜2である。
【0027】ジルコニウム及びバナジウムより選ばれた
少なくとも一種の元素を添加した触媒は、活性炭、シリ
カゲル、酸化チタン及びジルコニアその他のうちから選
ばれた少なくとも一種からなる担体に担持されたものが
好ましい。
【0028】この場合、担持させる上記金属は、塩の形
態であってよく、これには、硝酸塩、酸化物塩、酸化
物、塩化物等が使用できる。また、担体の粒径について
は反応にほとんど影響を及ぼさないが、好ましくは0.1
〜100mmが好適である。
【0029】担持濃度としては、0.05〜10%と幅広いも
のが使用可能であるが、通常0.5〜5%担持品が推奨さ
れる。反応温度は、通常30〜450℃、好ましくは70〜400
℃である。
【0030】1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−
2,3−ジクロロプロパンの水素還元反応において、水
素と原料の割合は大幅に変動させ得る。しかしながら、
通常、少なくとも化学量論量の水素を使用して水素化を
行う。出発物質の全モルに対して、化学量論量よりかな
り多い量、例えは8モルまたはそれ以上の水素を使用し
得る。
【0031】反応の圧力は特に限定されず、加圧下、減
圧下、常圧下で可能であるが、減圧下では装置が複雑に
なるため、加圧下、常圧下で反応を行う方が好ましい。
接触時間は、通常0.1〜300秒、特には1〜30秒である。
【0032】また、本発明者は、 で表されるハロゲン化プロペン(例えば1,1,1,
2,3,3−ヘキサクロロプロペン)を3ハロゲン化ア
ンチモン及び/又は5ハロゲン化アンチモンの存在下に
フッ化水素で液相にてフッ素化し、この際、3ハロゲン
化アンチモン及び/又は5ハロゲン化アンチモンに対し
5倍モル以上のフッ化水素を反応系内に存在させること
を特徴とする、1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−
2−ハロゲノ−3−クロロプロパン(例えば1,1,
1,3,3−ペンタフルオロ−2,3−ジクロロプロパ
ン)の製造方法を見出した。
【0033】即ち、例えば、上記一般式Iのハロゲン化
プロペンを3ハロゲン化アンチモンであるフッ化塩化ア
ンチモン及びHF共存下にてフッ素化して、1,1,
1,3,3−ペンタフルオロ−2−ハロゲノ−3−クロ
ロプロパンを製造するものである。
【0034】ここでは、反応系に加えられた塩化アンチ
モンはHFの存在下に部分的にフッ素化され、SbCl
xFy(x+y=5)となることが知られているが、ハ
ロゲン化プロペンのように塩素化され得る水素または二
重結合をもつ化合物のフッ素化の触媒として用いる場合
には、フッ素含有量が多いほどフッ素化の反応は速やか
に進み、副反応生成物である塩素化生成物の生成を抑え
ることができることを見い出した。
【0035】また、加えた3ハロゲン化アンチモン及び
/又は5ハロゲン化アンチモンに対し過剰量のHFを共
存させることにより、3ハロゲン化アンチモン及び/又
は5ハロゲン化アンチモンのフッ素含有量を高く保ち、
また付加反応を促進し、選択率よく1,1,1,3,3
−ペンタフルオロ−2−ハロゲノ−3−クロロプロパン
を合成できることを見出した。
【0036】反応器内に仕込むHFの量は、消費される
HFに生成物と同伴して抜ける量を加えたものである。
即ち、これにより、反応系内のHF量を一定に保つ。し
かしながら、反応器の容量の許す範囲での変動は、HF
の過剰率を維持できれば許される。また、反応前に、必
要量のHFを全て反応器内に仕込んでおくこともでき
る。
【0037】反応器内に仕込んでいくハロゲン化プロペ
ンの時間あたりの導入量(仕込み速度)は、系内に加え
たフッ化塩化アンチモンに対して少なくしなければなら
ないが、少なくすることは、反応器の容量あたりの生産
量を下げるので好ましくない。
【0038】しかし、あまり多くすると、フッ化塩化ア
ンチモンのフッ素含有量の低下が起こり、反応は進行す
るものの選択率が低下する。即ち、ハロゲン化プロペン
の導入量は、仕込んだフッ化塩化アンチモンに対し、通
常、100倍モル/Hr以下、2倍モル/Hr以上に設定す
る。好ましくは、50倍モル/Hr以下、5倍モル/Hr以上
に設定するのが望ましい。
【0039】反応温度は40℃以上であれば反応は進行す
るが、その場合、仕込んだフッ化塩化アンチモンに対す
るハロゲン化プロペンの導入量を少なくしなければ選択
率が低下する。
【0040】反応温度が高いことは生産性及び選択率の
点においても有利であるが、反応圧力は反応温度に従っ
て高く維持されなければならない。反応圧力を高く維持
することは設備上のコストを増大させるので、実用上、
反応は50℃から 150℃の範囲で行うのが望ましい。
【0041】また、反応圧力は反応温度に従って上昇さ
せ、HFと生成物の分離を行うために、3Kg/cm2から3
0Kg/cm2の範囲で適切な圧力を選べる。そして、反応を
一定圧力に保ちながら、反応系内に原料であるハロゲン
化プロペンをゆっくり仕込み、かつフッ化水素も仕込
み、生成する1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−2
−ハロゲノ−3−クロロプロパンを抜き出していくこと
によって、目的物を高収率で得ることができる。
【0042】反応系内のフッ化塩化アンチモンと共存さ
せるHFの量を多くすることは、反応の選択率には影響
を与えないが、多くすることは反応器容量あたりの生産
性を低下させる。少ない場合は、反応は進行するもの
の、選択率の低下を避けるためにはハロゲン化プロペン
の導入量を少なくしなければならない。実用的には、フ
ッ化塩化アンチモンに対しフッ化水素を5倍モル以上に
して反応を行うべきであり、500倍モル以下で行うこと
が望ましい。より好ましくは、50倍モル以上、200倍モ
ル以下のHFを共存させる。
【0043】なお、上記において使用可能な3ハロゲン
化アンチモン、5ハロゲン化アンチモンとしては上記以
外にも、SbF3及びSbCl5の混合物又はSbF3をCl2により一
部SbCl2F3としたもの等が使用可能である。
【0044】本発明者は、上述した問題を解決するため
に鋭意検討の結果、ヘプタクロロプロパンの脱塩酸反応
において1,1,1,2,2,3,3−ヘプタクロロプ
ロパンとKOH水溶液等のアルカリ金属水酸化物の水溶
液とを適切な相間移動触媒の存在下に反応させることに
より、穏やかな反応条件で反応が進行することを見出
し、本発明を完成させるに至った。
【0045】即ち、本発明は、1,1,1,2,2,
3,3−ヘプタクロロプロパンを相間移動触媒の存在下
にアルカリ金属水酸化物の水溶液と反応させることを特
徴とする、1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロ
ペンの製造方法に係るものである。
【0046】一般的に、アルカリ金属水酸化物のような
イオン性の化合物はヘプタクロロプロパンには溶解しな
い。そのため、アルコールのような相溶性の溶媒を用い
て反応を行うことが一般に行われる。しかしこの方法
は、反応後に、使用した反応溶媒を生成した目的物から
分離しなければならない。また、アルカリ金属水酸化物
の水溶液を用いて2相系で反応を行うことも考えられる
が、2相系で行うと、一般的に反応は遅く、激しい条件
がしばしば必要になる。
【0047】しかし、本発明に基いて、アルカリ金属水
酸化物の水溶液を用いた2相系での反応を、相間移動触
媒、特に下記に示すようなテトラアルキルアンモニウム
塩もしくはテトラアルキルホスホニウム塩の存在下に行
うと、穏やかな条件ですみやかに反応が進行することを
見出した。
【0048】反応に用いるテトラアルキルアンモニウム
塩のカチオンとしては、ベンジルトリエチルアンモニウ
ム、トリオクチルメチルアンモニウム、トリカプリルメ
チルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、などが
挙げられる。
【0049】また、テトラアルキルホスホニウム塩のカ
チオンとしては、テトラブチルホスホニウム、トリオク
チルエチルホスホニウムなどが挙げられる。
【0050】上記のカチオンと塩を構成するアニオンは
限定されないが、一般的に塩素イオン、硫酸水素イオン
などが挙げられる。
【0051】しかしながら、上記のものは例示したにす
ぎず、触媒の種類を限定するものではない。
【0052】また、上記の反応に使用可能なアルカリ金
属水酸化物としては、NaOH、KOHなどが例示され
る。このアルカリ金属水酸化物の水溶液の濃度は限定さ
れないが、5〜50%であってよく、望ましくは20〜40%
で反応を行う。
【0053】これらの水溶液は、反応後、生成したアル
カリ金属塩化物を沈澱法、濾過などの方法で除去し、再
度アルカリ金属水酸化物を加えて再利用できる。
【0054】反応は2相系で行われ、容易に相分離し、
目的物である1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプ
ロペン粗生成物が得られる。得られた粗生成物は蒸留に
より容易に精製でき、使用した触媒および未反応のヘプ
タクロロプロパンを回収することが可能である。
【0055】反応温度は通常、室温〜80℃で行い、望ま
しくは40℃〜60℃で行う。
【0056】また、原料である1,1,1,2,2,
3,3−ヘプタクロロプロパンは、テトラクロロエチレ
ンとクロロホルムとを塩化アルミニウム等のルイス酸触
媒の存在下に反応させることによって得ることができる
(特開昭61−118333号等参照)。
【0057】上記した本発明の製造方法で得られる生成
物は次のように使用することができる。
【0058】まず、本発明の製造方法によって得られた
1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロペンを原料
とし、これを上記の製造方法によって1,1,1,3,
3−ペンタフルオロ−2,3−ジクロロプロパンに誘導
し、これを上記の製造方法によって1,1,1,3,3
−ペンタフルオロプロパンに導くことができる。この一
連の工程によって、容易に入手しうる安価な原料より、
高収率にて目的物が得られ、経済性に優れる。
【0059】この場合、本発明の製造方法によって得ら
れた1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロペンを
上記の製造方法によって1,1,1,3,3−ペンタフ
ルオロ−2,3−ジクロロプロパンに導き、これを生成
物として取り出すことができる。この工程では、得られ
た生成物を医農薬中間体や樹脂モノマー中間体として利
用できるという利点が得られる。
【0060】また、上記の製造方法によって得られた
1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−2,3−ジクロ
ロプロパンを原料とし、これを上記の製造方法によって
1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンに導くこ
とができる。この一連の工程によって、高収率にてウレ
タン発泡剤として重要な1,1,1,3,3−ペンタフ
ルオロプロパンが得られるという利点が得られる。
【0061】
【実施例】以下、本発明の実施例を参考例と共に種々説
明するが、これらの実施例は本発明の技術的思想に基い
て様々に変形可能である。
【0062】参考例1 内径2cm、長さ40cmのSUS316製反応管に、活性炭
に0.5%濃度で担持されたパラジウム触媒20ccを充填
し、窒素ガスを流しながら、電気炉にて250℃に加熱し
た。所定の温度に達した後、窒素ガスを水素ガスに変
え、しばらく流した。
【0063】次に、予め気化させておいた1,1,1,
3,3−ペンタフルオロ−2,3−ジクロロプロパンを
16.7cc/分で、水素ガスを140cc/分で反応管に導入し
た。反応温度は250℃を保った。
【0064】生成ガスは、水洗し、塩化カルシウムで乾
燥後、ガスクロマトグラフィにより分析を行った。結果
を第1表に示す。
【0065】参考例2 水素ガスの流量を140cc/分、1,1,1,3,3−ペ
ンタフルオロ−2,3−ジクロロプロパンを17cc/分、
反応温度を270℃にし、他は参考例1と同様に反応を行
った。結果を第1表に示す。
【表1】第1表
【0066】この結果から、反応率100%で80%以上の
高選択率で目的とする化合物を得ることができる。
【0067】参考例3 内径2cm、長さ40cmのSUS316製反応管に、活性炭
にパラジウムが0.5%、ジルコニウムが0.25%担持され
た触媒20ccを充填し、窒素ガスを流しながら、電気炉に
て250℃に加熱した。所定の温度に達した後、窒素ガス
を水素ガスに変え、しばらく流した。
【0068】次に、予め気化させておいた1,1,1,
3,3−ペンタフルオロ−2,3−ジクロロプロパンを
16.7cc/分で、水素ガスを 140cc/分で反応管に導入し
た。反応温度は250℃を保った。
【0069】生成ガスは、水洗し、塩化カルシウムで乾
燥後、ガスクロマトグラフィにより分析を行った。結果
を第2表に示す。
【0070】参考例4 水素ガスの流量を120cc/分、1,1,1,3,3−ペ
ンタフルオロ−2,3−ジクロロプロパンを35cc/分に
変えた以外は、参考例3と同様に反応を行った。結果を
第2表に示す。
【0071】参考例5 内径2cm、長さ40cmのSUS316製反応管に、活性炭
にパラジウムが0.5%、バナジウムが0.25%担持された
触媒20ccを充填し、窒素ガスを流しながら、電気炉にて
250℃に加熱した。所定の温度に達した後、窒素ガスを
水素ガスに変え、しばらく流した。
【0072】次に、予め気化させておいた1,1,1,
3,3−ペンタフルオロ−2,3−ジクロロプロパンを
16.7cc/分で、水素ガスを140cc/分で反応管に導入し
た。反応温度は 250℃を保った。
【0073】生成ガスは、水洗し、塩化カルシウムで乾
燥後、ガスクロマトグラフィにより分析を行った。結果
を第2表に示す。
【0074】参考例6 水素ガスの流量を280cc/分、1,1,1,3,3−ペ
ンタフルオロ−2,3−ジクロロプロパンを32cc/分に
変えた以外は、参考例5と同様に反応を行った。結果を
第2表に示す。
【表2】第2表
【0075】この結果から、反応率100%で80%以上の
高選択率で目的とする化合物を得ることができる。
【0076】参考例7 コンデンサー付きの 500mlハステロイ製オートクレイブ
にSbCl5を29.9g(0.1mol)入れ、これを冷却した後
に、HF300g(15mol)を加えた。その後、徐々に温度
を上げ、80℃で3時間反応させた。
【0077】温度を80℃に保ったまま、1,1,1,
2,3,3−ヘキサクロロプロペンを0.2mol/Hr、HF
を1.2mol/Hrで加えた。反応器の重量が一定になるよう
に、反応圧力を9Kg/cm2 から11Kg/cm2 の範囲に制御
した。
【0078】反応中、コンデンサー上部より生成した塩
酸および生成物を抜き出し、塩酸を水洗後、生成物をド
ライアイストラップで捕集した。1,1,1,2,3,
3−ヘキサクロロプロペンを249g(1mol)加えたところ
で、反応を停止した。
【0079】反応後、圧力を徐々に下げていき、内容物
を抜き出した。生成物として190gの有機物を得た。
【0080】生成物中の97%が目的とする、参考例1等
で出発原料として使用可能な(以下、同様)1,1,
1,3,3−ペンタフルオロ−2,3−ジクロロプロパ
ンであることをGLCで確認した(収率91%)。主な副
生物は、反応中間体である1,1,1,3−テトラフル
オロ−2,3,3−トリクロロプロパンであり、塩素が
付加したハロゲン化プロパンは認められなかった。
【0081】参考例8 コンデンサー付きの500mlハステロイ製オートクレイブ
にSbCl5を29.9g(0.1mol)入れ、これを冷却した後
に、HF300g(15mol)を加えた。その後、徐々に温度
を上げ、80℃で3時間反応させた。
【0082】温度を80℃に保ったまま、1,1,1,2
−テトラフルオロ−3,3−ジクロロプロペンを0.2mol
/Hr、HFを0.6mol/Hrで加えた。反応圧力を9Kg/cm
2から11Kg/cm2の範囲に制御した。
【0083】反応中、コンデンサー上部より生成した塩
酸および生成物を抜き出し、塩酸を水洗後、生成物をド
ライアイストラップで捕集した。1,1,1,2−テト
ラフルオロ−3,3−ジクロロプロペンを183g(1mol)
加えたところで、反応を停止した。
【0084】反応後、圧力を徐々に下げていき、内容物
を抜き出した。生成物として有機物177gを得た。
【0085】生成物中の98.5%が目的とする1,1,
1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−クロロプロパン
であることをGLCで確認した(収率94%)。
【0086】主な副生物は、反応中間体である1,1,
1,2,3−ペンタフルオロ−3,3−ジクロロプロパ
ンであり、塩素が付加したハロゲン化プロパンは認めら
れなかった。
【0087】参考例9 コンデンサー付きの500mlハステロイ製オートクレイブ
にSbCl5を29.9g(0.1mol)入れ、これを冷却した後
に、HF300g(15mol)を加えた。その後、徐々に温度
を上げ、80℃で3時間反応させた。
【0088】温度を80℃に保ったまま、1,1,1−ト
リフルオロ−2,3,3−トリクロロプロペンを0.2mol
/Hr、HFを0.8mol/Hrで加えた。反応圧力を10Kg/cm
2から12Kg/cm2の範囲に制御した。
【0089】反応中、コンデンサー上部より生成した塩
酸および生成物を抜き出し、塩酸を水洗後、生成物をド
ライアイストラップで捕集した。1,1,1−トリフル
オロ−2,3,3−トリクロロプロペンを199g(1mol)
加えたところで、反応を停止した。
【0090】反応後、圧力を徐々に下げていき、内容物
を抜き出した。生成物として有機物198gを得た。
【0091】生成物中の98%が目的とする1,1,1,
3,3−ペンタフルオロ−2,3−ジクロロプロパンで
あることをGLCで確認した(収率96%)。
【0092】主な副生物は、反応中間体である1,1,
1,3−テトラフルオロ−2,3,3−トリクロロプロ
パンであり、塩素が付加したハロゲン化プロパンは認め
られなかった。
【0093】参考例10 コンデンサー付きの 500mlハステロイ製オートクレイブ
にSbCl5を29.9g(0.1mol)、SbF3を17.9g(0.1mol)
入れた以外は参考例7と同様にして反応を行った。
【0094】生成物として有機物196gを得た。生成物
中の98%が目的とする1,1,1,3,3−ペンタフル
オロ−2,3−ジクロロプロパンであることをGLCで
確認した(収率94%)。主な副生成物は1,1,1−テ
トラフルオロ−2,3,3−トリクロロプロパンであ
り、塩素が付加した化合物は認められなかった。
【0095】上記の結果から、容易かつ高収率に1,
1,1,3,3−ペンタフルオロ−2−ハロゲノ−3−
クロロプロパンを製造することができる。
【0096】実施例1 ジムロート冷却管および滴下ロートを付けた 500ml丸底
フラスコに、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタクロ
ロプロパン285.5g(1.0mol)およびテトラブチルアンモ
ニウムクロライド0.3g(0.1mmol)を入れた。
【0097】これを40℃に保ち、激しく攪拌しながら、
20%KOH水溶液250mlを1時間かけて滴下した。滴下
終了後、攪拌を止めて、下層の有機層を分析した。原料
である1,1,1,2,2,3,3−ヘプタクロロプロ
パンは消失し、有機層は1,1,1,2,3,3−ヘキ
サクロロプロペンのみであった。
【0098】反応液を分液ロートに移し、有機層を分け
取った。飽和食塩水で2度洗浄後、硫酸マグネシウムで
乾燥し、237g(95%)の(参考例7等の出発原料とし
て使用可能な:以下、同様)粗1,1,1,2,3,3
−ヘキサクロロプロペンを得た。
【0099】実施例2 ジムロート冷却管および滴下ロートを付けた 500ml丸底
フラスコに、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタクロ
ロプロパン285.5g(1.0mol)およびトリカプリルメチル
アンモニウムクロライド0.3g(0.1mmol)を入れた。
【0100】これを40℃に保ち、激しく攪拌しながら、
20%KOH水溶液 250mlを1時間かけて滴下した。滴下
終了後、1時間反応をさせた。その後、攪拌を止めて、
下層の有機層を分析した。原料である1,1,1,2,
2,3,3−ヘプタクロロプロパンは消失し、有機層は
1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロペンのみで
あった。
【0101】反応液を分液ロートに移し、有機層を分け
取った。飽和食塩水で2度洗浄後、硫酸マグネシウムで
乾燥し、232g(93%)の粗1,1,1,2,3,3−
ヘキサクロロプロペンを得た。
【0102】実施例3 ジムロート冷却管および滴下ロートを付けた 500ml丸底
フラスコに、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタクロ
ロプロパン285.5g(1.0mol)およびテトラブチルホスホ
ニウムクロライド0.3g(0.1mmol) を入れた。
【0103】これを40℃に保ち、激しく攪拌しながら、
20%KOH水溶液 250mlを1時間かけて滴下した。滴下
終了後、攪拌を止めて、下層の有機層を分析した。原料
である1,1,1,2,2,3,3−ヘプタクロロプロ
パンは消失し、有機層は1,1,1,2,3,3−ヘキ
サクロロプロペンのみであった。
【0104】反応液を分液ロートに移し、有機層を分け
取った。飽和食塩水で2度洗浄後、硫酸マグネシウムで
乾燥し、239g(96%)の粗1,1,1,2,3,3−
ヘキサクロロプロペンを得た。
【0105】実施例4 ジムロート冷却管および滴下ロートを付けた 500ml丸底
フラスコに、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタクロ
ロプロパン285.5g(1.0mol)およびトリオクチルメチル
アンモニウムクロライド0.3g(0.1mmol)を入れた。
【0106】これを40℃に保ち、激しく攪拌しながら、
20%KOH水溶液250mlを1時間かけて滴下した。滴下
終了後、2時間反応をさせた。その後、攪拌を止めて、
下層の有機層を分析した。原料である1,1,1,2,
2,3,3−ヘプタクロロプロパンは消失し、有機層は
1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロペンのみで
あった。
【0107】反応液を分液ロートに移し、有機層を分け
取った。飽和食塩水で2度洗浄後、硫酸マグネシウムで
乾燥し、237g(95%)の粗1,1,1,2,3,3−
ヘキサクロロプロペンを得た。
【0108】比較例1 ジムロート冷却管および滴下ロートを付けた500ml丸底
フラスコに、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタクロ
ロプロパン285.5g(1.0mol)を入れた。
【0109】これを40℃に保ち、激しく攪拌しながら、
20%KOH水溶液250mlを1時間かけて滴下した。滴下
終了後、3時間反応をさせた。その後、攪拌を止めて、
下層の有機層を分析した。
【0110】反応はわずかしか進んでおらず、有機層の
63%は原料である1,1,1,2,2,3,3−ヘプタ
クロロプロパンであり、反応率は37%であった。
【0111】上記の結果から、本発明に基づく反応によ
って、容易に1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプ
ロペンを製造することができる。
【0112】実施例5 用いるアルカリ水溶液を20%KOH水溶液から20%NaOH水
溶液に置き換えた以外は実施例1と同様にして反応を行
ったところ、232g(93%)の粗1,1,1,2,3,
3−ヘキサクロロプロペンを得た。
【0113】参考例11 コンデンサー付きの 500mlハステロイ製オートクレイブ
にSbCl5 を29.9g(0.1mol)、SbCl3を22.9g(0.1mol)入
れた以外は参考例7と同様にして反応を行った。
【0114】生成物として有機物194gを得た。生成物
中の98%が目的とする1,1,1,3,3−ペンタフル
オロ−2,3−ジクロロプロパンであることをGLCで
確認した(収率93%)。主な副生成物は1,1,1−テ
トラフルオロ−2,3,3−トリクロロプロパンであ
り、塩素が付加した化合物は認められなかった。
【0115】
【発明の作用効果】本発明は、1,1,1,2,2,
3,3−ヘプタクロロプロパンを相間移動触媒の存在下
にアルカリ金属水酸化物の水溶液と反応させているの
で、工業的に容易に実施可能で安価に1,1,1,2,
3,3−ヘキサクロロプロペンを製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中田 龍夫 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC13 BA02 BA28 BA65 BB31 4H039 CA29 CG20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,1,1,2,2,3,3−ヘプタク
    ロロプロパンを相間移動触媒の存在下にアルカリ金属水
    酸化物の水溶液と反応させることを特徴とする、1,
    1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロペンの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 相間移動触媒がテトラアルキルアンモニ
    ウム塩である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 相間移動触媒がテトラアルキルホスホニ
    ウム塩である、請求項1に記載の製造方法。
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