JPH11180908A - 1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法及びその製造中間体の製造方法 - Google Patents

1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法及びその製造中間体の製造方法

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JPH11180908A
JPH11180908A JP9350829A JP35082997A JPH11180908A JP H11180908 A JPH11180908 A JP H11180908A JP 9350829 A JP9350829 A JP 9350829A JP 35082997 A JP35082997 A JP 35082997A JP H11180908 A JPH11180908 A JP H11180908A
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JP
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pentafluoropropane
pentachloropropane
hydrogen fluoride
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Tatsuo Nakada
龍夫 中田
Noriaki Shibata
典明 柴田
Takashi Shibanuma
俊 柴沼
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価に入手できる1,1,1,3,3−ペン
タクロロプロパンから、反応器材質や触媒再生の問題を
解決して、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパ
ンに導ける中間体を効率良く製造すると共に、効率良く
1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを製造す
ること。 【解決手段】 1,1,1,3,3−ペンタクロロプロ
パンを180℃以上、無触媒でフッ化水素と反応させて
主として1,1,1−トリフルオロ−3−クロロプロペ
ン及び/又は1,1,1,3−テトラフルオロプロペン
からなる中間体を得、さらにこれを触媒存在下でフッ素
化することにより1,1,1,3,3−ペンタフルオロ
プロパンを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷媒、発泡剤、洗
浄剤として使用されているCFCやHCFCの代替化合
物となりうる有用な化合物である1,1,1,3,3−
ペンタフルオロプロパンの製造方法及びその製造中間体
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】1,1,1,3,3−ペンタフルオロプ
ロパンの製造方法としてこれまでに、ペンタクロロプロ
パンをフッ素化触媒存在下でフッ化水素によってフッ素
化する方法が知られている(WO96/01797)。
【0003】しかし、この反応は一般的に5価のアンチ
モン(ハロゲン化アンチモン)を触媒にして反応を行う
ものであるが、選択性を高く保つため、また生産性を上
げるためには、フッ化水素溶媒を用い、これにハロゲン
化アンチモンを溶解した条件で反応を行う必要があるの
で、これらの反応条件で使用できる反応器材質は限ら
れ、一般的に高価な耐蝕材料が必要になってくる。しか
も、このように高価な耐蝕材料を用いても十分な耐蝕性
をもつものはなく、頻繁な保守が必要となる。また、原
料中に含まれる水分により触媒の劣化が進行し、これの
再生処理が必要になってくる。
【0004】また、1,1,1,3−テトラクロロプロ
ペンまたは1,1,3,3−テトラクロロプロペンを原
料にし、これをフッ化水素でフッ素化し、1,1,1−
トリフルオロ−3−クロロプロペンを合成した後に、こ
れをフッ素化触媒存在下にフッ素化し、ペンタフルオロ
プロパンを製造する方法も知られている(WO97/0
8117)。
【0005】しかし、この反応では、原料であるテトラ
クロロプロペンは1,1,1,3,3−ペンタクロロプ
ロパンより塩基を用いて脱塩酸することで得られるが、
反応後に脱水、蒸留工程が必要となり、これらの原料製
造工程は煩雑である。
【0006】また、ヘキサクロロプロペンのフッ素化に
よって得られる1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−
2,3−ジクロロプロパンの還元反応により、1,1,
1,3,3−ペンタフルオロプロパンを製造する方法も
知られている(EP611744)。
【0007】しかし、この方法も、原料合成、還元の2
段階の反応が必要であり、プロセスが煩雑である。
【0008】また、1,1,1,3,3−ペンタフルオ
ロプロペンの水素添加により、1,1,1,3,3−ペ
ンタフルオロプロパンを合成する方法も知られている
(Bull. Acad. Sci. USSR Div. Chem. Sci. (Eng. Tras
l) 1312 (1960))。
【0009】しかし、この方法は、原料である1,1,
1,3,3−ペンタフルオロプロぺンの製造は多段階で
非常に煩雑であってその入手が困難であり、工業的に実
施することは困難である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、安価
に入手できる1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパ
ンから効率良く1,1,1,3,3−ペンタフルオロプ
ロパンを製造する方法を提供することにある。
【0011】また、本発明の他の目的は、1,1,1,
3,3−ペンタフルオロプロパンに導ける中間体を効率
良く製造する方法も提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、1,1,
1,3,3−ペンタフルオロプロパンの効率的かつ安価
な製造プロセスについて、安価に入手できる1,1,
1,3,3−ペンタクロロプロパンのフッ素化反応にお
いて、上記した文献にみられるように触媒が存在するた
めの反応器材質の問題、再生の問題を解決するために鋭
意検討を行った結果、反応温度を所定温度以上、特に1
80℃以上とすることで無触媒でもフッ化水素によるフ
ッ素化が十分に進行し、1,1,1,3,3−ペンタフ
ルオロプロパンの中間体である1,1,1−トリフルオ
ロ−3−クロロプロペンが効率良く得られることを見出
し、更に、この1,1,1−トリフルオロ−3−クロロ
プロペンを触媒存在下でフッ化水素でフッ素化すること
により、容易に1,1,1,3,3−ペンタフルオロプ
ロパンに誘導できることを見出し、本発明に到達したも
のである。
【0013】即ち、本発明は、1,1,1,3,3−ペ
ンタクロロプロパンを無触媒でフッ化水素と反応させて
主として1,1,1−トリフルオロ−3−クロロプロペ
ン及び/又は1,1,1,3−テトラフルオロプロペン
からなる中間体を得、さらにこれを触媒存在下でフッ素
化することにより1,1,1,3,3−ペンタフルオロ
プロパンを得る、1,1,1,3,3−ペンタフルオロ
プロパンの製造方法に係るものである。
【0014】本発明はまた、1,1,1,3,3−ペン
タクロロプロパンを無触媒でフッ化水素と反応させて主
として1,1,1−トリフルオロ−3−クロロプロペン
及び/又は1,1,1,3−テトラフルオロプロペンを
得る、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの
製造中間体の製造方法も提供するものである。
【0015】本発明の製造方法では、特に、1,1,
1,3,3−ペンタクロロプロパンとフッ化水素との反
応を180℃以上で、かつ反応温度でのフッ化水素の蒸
気圧以上の圧力で行い、得られた中間体のフッ素化を気
相で行う。
【0016】本発明の製造方法を反応スキームで示す
と、基本的には次の通りである。
【化1】
【0017】これまでは、フッ化水素による1,1,
1,3,3−ペンタクロロプロパンのフッ素化が無触媒
で進行することは知られていなかった。しかし、本発明
者は、反応温度を特に180℃以上とすることにより、
1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンから1,
1,1−トリフルオロ−3−クロロプロペンが生成する
ことをはじめて見出し、本発明を完成させたものであ
る。
【0018】このような無触媒での反応条件(反応スキ
ームI)のうち、反応温度を180℃以上とすることが
必要であるが、その上限温度は350℃とするのが、反
応圧力を抑制し、設備に対するコスト的な負担を低減す
る意味では望ましい。また、反応温度は更に200〜3
00℃であるのが望ましく、反応温度以外にも、反応圧
力は加圧下、特に60〜150kg/cm2 (約6〜1
5MPa)とすることが望ましい。また、反応物質の供
給量としては、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロ
パン1モルに対しフッ化水素を5モル以上とするのが望
ましい。
【0019】本発明によれば、反応スキームIで示され
るように、無触媒で1,1,1,3,3−ペンタクロロ
プロパンのフッ化水素との反応が進行することにより、
触媒存在下で起こる材質腐食の問題が大幅に軽減され、
触媒の再生の問題は発生しないこととなる。これによ
り、工業的にも実施できるようになった。
【0020】また、原料として、安価に入手できる1,
1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(特開平8−2
39333号公報参照)を用いることができるので、原
料としてテトラクロロプロペンなどを用いる上述した従
来技術の場合に比較して脱塩酸工程を省略でき、簡便な
反応となる。
【0021】本発明において、1,1,1,3,3−ペ
ンタクロロプロパンのフッ素化反応は、バッチ式でも、
連続的にも実施できる。
【0022】また、反応の進行に伴い副生した塩酸また
は生成物を抜いていくなど、半連続的にも実施できる。
好ましくは、反応温度に設定されたフッ化水素中に原料
であるペンタクロロプロパン及び消費量に見合うフッ化
水素を導入し、反応に伴って生成する塩酸及び生成物を
抜き出す。
【0023】また、1,1,1,3,3−ペンタクロロ
プロパンのフッ素化反応の圧力は、反応温度に対して、
フッ化水素もしくは生成物が液相として存在するのに足
る圧力であれば実施可能である。
【0024】また、反応器の材質は広い範囲の材質が使
用可能である。ハステロイC、モネルなど一般的に知ら
れているクロム系耐蝕材料は勿論、SUS316、炭素
鋼なども使用可能である。
【0025】本発明において、1,1,1−トリフルオ
ロ−3−クロロプロペン等からなる中間体を反応スキー
ムIIに基づいてフッ素化(特に気相でのフッ素化)する
のに用いる触媒は、一般的に知られている触媒が使用可
能である。
【0026】これには、金属ハロゲン化物及び/又はそ
のオキシハロゲン化物、例えばクロムのフッ化物又はそ
のオキシフッ化物が挙げられる。
【0027】即ち、金属ハロゲン化物又は金属酸化物、
またはこれらを担体に担持した触媒が使用可能であり、
これらはフッ化水素を用いて金属フッ化物、金属オキシ
フッ化物として用いられる。特に好ましくは、クロムの
酸化物をフッ化水素を用いてフッ素化したフッ化クロム
が用いられる。
【0028】また、反応スキームIIにおいて、1,1,
1−トリフルオロ−3−クロロプロペン等からなる中間
体の気相フッ素化の反応温度は特に限定されないが、あ
まり低い温度で反応を行うと、反応速度が低下し、生産
性が低下する。しかし、あまり高い温度は、平衡で生成
する1,1,1,3−テトラフルオロプロペンの選択率
を上昇させ、その結果として主たる目的物である1,
1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの選択率を下
げることになる。そのため、反応温度は200℃から3
50℃の範囲に設定されるのが好ましく、より好ましく
は250℃から300℃に設定される。
【0029】この気相フッ素化反応において、反応圧力
は1〜5kg/cm2 G(約1×105 〜5×105
a)、接触時間は2〜10秒とすることが望ましい。ま
た、反応物質の供給量としては、1,1,1−トリフル
オロ−3−クロロプロペン等の中間体1モルに対し、フ
ッ化水素を5〜20モルとするのが望ましい。フッ化水
素(HF)の過剰率は特に限定されないが、大きいほど
目的とする1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパ
ンの選択率は上がるが、生産性は低下する。そこで、こ
れは2〜30モル内で適切に選ばれる。
【0030】
【発明の作用効果】本発明は上述した如く、1,1,
1,3,3−ペンタクロロプロパンを無触媒でフッ化水
素と反応させて主として1,1,1−トリフルオロ−3
−クロロプロペン及び/又は1,1,1,3−テトラフ
ルオロプロペンからなる中間体を得、さらにこれを触媒
存在下でフッ素化することにより1,1,1,3,3−
ペンタフルオロプロパンを得ているので、安価に入手で
きる1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンから、
反応器材質や触媒再生の問題を解決して、1,1,1,
3,3−ペンタフルオロプロパンに導ける中間体を効率
良く製造できると共に、効率良く1,1,1,3,3−
ペンタフルオロプロパンを製造することができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例について詳細に説明す
る。
【0032】実施例1 オートクレイブに1,1,1,3,3−ペンタクロロプ
ロパン43.3g(0.2mol)及びフッ化水素30
g(1.5mol)を導入し、これらを200℃で5時
間、100kg/cm2 (約10MPa)の圧力で反応
させた。
【0033】反応後、オートクレイブ内の有機物を低沸
点物質として抜き出した。留出ガスは水洗後、塩化カル
シウムを充填した乾燥管に通じ、ドライアイスで冷却し
たトラップに捕集した。
【0034】無色透明液体として23.2gの生成物を
得た。捕集した生成物を下記の条件下でのGLC(気液
クロマトグラフィー)によって分析した。分析結果を下
記に示す。
【0035】GLC条件: Porapack Q(Waters社製のガスクロ充填剤:以下、同
様)(3m):100℃、4分後に、10℃/minで
230℃まで昇温。検出器TCD(熱伝導度型ガスクロ
検出器:以下、同様)。 保持時間(min) GC面積(%) 同定化合物 8.2 0.30 R−1234 10.7 2.52 R−245fa 13.2 82.76 R−1233 15.6 9.6 R−1233 20.0 0.28 R−1232
【0036】 ここで、R−1234 :1,1,1,1,3−テトラ
フルオロプロペン R−245fa:1,1,1,3,3−ペンタフルオロ
プロパン R−1233 :1,1,1−トリフルオロ−3−クロ
ロプロペン R−1232 :1,1−ジフルオロ−1,3−ジクロ
ロプロペン であり(以下、同様)、上記の結果から、無触媒でのフ
ッ化水素との反応によって1,1,1−トリフルオロ−
3−クロロプロペンが高効率で得られることが分かる。
【0037】実施例2 硝酸クロム水溶液にアンモニアを滴下して水酸化クロム
を得、これを打錠して400℃で焼成した。その後、フ
ッ化水素でフッ素化し、フッ化クロム触媒を得た。
【0038】反応管に上記のフッ化クロム触媒を20g
充填し、250℃に温度を設定した。この反応管に、実
施例1と同様な反応で得られた反応混合物をガスで15
ml/min、及びフッ化水素をガスで285ml導入
し、250℃で常圧で反応させた。
【0039】留出ガスは水洗後、塩化カルシウムを充填
した乾燥管に通じ、乾燥した。留出ガスを下記の条件で
のGLCを用いて分析し、下記の結果を得た。
【0040】GLC条件: Porapack Q(3m):100℃、4分後に、10℃/m
inで230℃まで昇温。検出器TCD。 保持時間(min) GC面積(%) 同定化合物 8.2 13.06 R−1234 10.7 53.38 R−245fa 13.2 30.26 R−1233 15.6 3.30 R−1233
【0041】この結果から、目的物である1,1,1,
3,3−ペンタフルオロプロパンが高効率で得られるこ
とが分かる。
【0042】比較例1 オートクレイブに1,1,1,3,3−ペンタクロロプ
ロパン43.3g(0.2mol)及びフッ化水素30
g(1.5mol)を導入し、これらを120℃で10
時間、10kg/cm2 (約1MPa)の圧力で反応さ
せた。
【0043】反応後、オートクレイブ内の有機物を分析
したが、フッ素化は全く進行せず、原料のみが回収され
た。
【0044】このように、180℃より低い温度では反
応は進行しないことが、明らかとなった。
【0045】実施例3 オートクレイブに1,1,1,3,3−ペンタクロロプ
ロパン43.3g(0.2mol)及びフッ化水素30
g(1.5mol)を導入し、これらを250℃で5時
間反応させた。反応圧力は150kg/cm2 (約1.
5×107 Pa)まで上昇した。
【0046】反応後、オートクレイブ内の有機物を低沸
点物質として抜き出した。留出ガスは水洗後、塩化カル
シウムを充填した乾燥管に通じ、ドライアイスで冷却し
たトラップに捕集した。
【0047】無色透明液体として23.9gの生成物を
得た。捕集した生成物を下記の条件下でのGLCを用い
て分析し、下記の結果を得た。
【0048】GLC条件: Porapack Q(3m):100℃、4分後に、10℃/m
inで230℃まで昇温。検出器TCD。 保持時間(min) GC面積(%) 同定化合物 8.2 0.76 R−1234 10.7 6.57 R−245fa 13.2 83.66 R−1233 15.6 8.96 R−1233
【0049】この結果から、実施例1に比べ、反応温度
及び反応圧力を上げると、生成物中に1,1,1,3,
3−ペンタフルオロプロパンが増えることが分かった。
これを分離すれば、中間体としての1,1,1−トリフ
ルオロ−3−クロロプロペンを更にフッ素化することが
できる。
【0050】実施例4 オートクレイブに1,1,1,3,3−ペンタクロロプ
ロパン43.3g(0.2mol)及びフッ化水素30
g(1.5mol)を導入し、これらを220℃で10
時間反応させた。反応圧力は123kg/cm2 (約
1.23×107Pa)まで上昇した。
【0051】反応後、オートクレイブ内の有機物を低沸
点物質として抜き出した。留出ガスは水洗後、塩化カル
シウムを充填した乾燥管に通じ、ドライアイスで冷却し
たトラップに捕集した。
【0052】無色透明液体として24.3gの生成物を
得た。捕集した生成物をGLCを用いて分析を行った。
分析結果を下記に示す。
【0053】GLC条件: Porapack Q(3m):100℃、4分後に、10℃/m
inで230℃まで昇温。検出器TCD。 保持時間(min) GC面積(%) 同定化合物 8.2 0.40 R−1234 10.7 4.96 R−245fa 13.2 85.75 R−1233 15.6 8.8 R−1233 20.0 0.05 R−1232
【0054】上記の結果から、無触媒でのフッ化水素と
の反応によって1,1,1−トリフルオロ−3−クロロ
プロペンが高効率で得られることが分かる。
【0055】実施例5 オートクレイブに1,1,1,3,3−ペンタクロロプ
ロパン43.3g(0.2mol)及びフッ化水素30
g(1.5mol)を導入し、これらを180℃で10
時間反応させた。反応圧力は94kg/cm2 (約0.
94×107 Pa)まで上昇した。
【0056】反応後、オートクレイブ内の有機物を低沸
点物質として抜き出した。留出ガスは水洗後、塩化カル
シウムを充填した乾燥管に通じ、ドライアイスで冷却し
たトラップに捕集した。
【0057】無色透明液体として18.2gの生成物を
得た。捕集した生成物をGLCを用いて分析を行った。
分析結果を下記に示す。また、反応器内部に未反応で原
料である1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンが
6.5g残っていた。
【0058】GLC条件: Porapack Q(3m):100℃、4分後に、10℃/m
inで230℃まで昇温。検出器TCD。 保持時間(min) GC面積(%) 同定化合物 8.2 0.23 R−1234 10.7 2.87 R−245fa 13.2 85.75 R−1233 15.6 8.00 R−1233 20.0 3.13 R−1232
【0059】上記の結果から、無触媒でのフッ化水素と
の反応によって1,1,1−トリフルオロ−3−クロロ
プロペンが高効率で得られることが分かる。
【0060】比較例2 オートクレイブに1,1,1,3,3−ペンタクロロプ
ロパン43.3g(0.2mol)及びフッ化水素30
g(1.5mol)を導入し、これらを150℃で10
時間反応させた。反応圧力は70kg/cm2 (約0.
70×107 Pa)まで上昇した。
【0061】反応後、オートクレイブ内の有機物を低沸
点物質として抜き出した。留出ガスは水洗後、塩化カル
シウムを充填した乾燥管に通じ、ドライアイスで冷却し
たトラップに捕集した。
【0062】無色透明液体として2.25gの生成物を
得た。捕集した生成物をGLCを用いて分析を行った。
分析結果を下記に示す。また、反応器内部に未反応で原
料である1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンが
37.9g残っていた。
【0063】GLC条件: Porapack Q(3m):100℃、4分後に、10℃/m
inで230℃まで昇温。検出器TCD。 保持時間(min) GC面積(%) 同定化合物 8.2 0 R−1234 10.7 0 R−245fa 13.2 87.99 R−1233 15.6 7.67 R−1233 20.0 4.34 R−1232
【0064】実施例6 実施例2と同様な反応を反応温度300℃で行った。留
出ガスをGLCを用いて分析を行った。分析結果を下記
に示す。
【0065】GLC条件: Porapack Q(3m):100℃、4分後に、10℃/m
inで230℃まで昇温。検出器TCD。 保持時間(min) GC面積(%) 同定化合物 8.2 33.15 R−1234 10.7 33.27 R−245fa 13.2 30.17 R−1233 15.6 3.40 R−1233
【0066】この結果から、目的物である1,1,1,
3,3−ペンタフルオロプロパンが高効率に得られるこ
とが分かる。
【0067】実施例7 実施例2と同様な反応を反応温度400℃で行った。留
出ガスをGLCを用いて分析を行った。分析結果を下記
に示す。
【0068】GLC条件: Porapack Q(3m):100℃、4分後に、10℃/m
inで230℃まで昇温。検出器TCD。 保持時間(min) GC面積(%) 同定化合物 8.2 53.05 R−1234 10.7 14.28 R−245fa 13.2 29.36 R−1233 15.6 3.30 R−1233
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 17/25 C07C 17/25 21/18 21/18 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,1,1,3,3−ペンタクロロプロ
    パンを無触媒でフッ化水素と反応させて主として1,
    1,1−トリフルオロ−3−クロロプロペン及び/又は
    1,1,1,3−テトラフルオロプロペンからなる中間
    体を得、さらにこれを触媒存在下でフッ素化することに
    より1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを得
    る、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記1,1,1,3,3−ペンタクロロ
    プロパンと前記フッ化水素との反応を反応温度でのフッ
    化水素の蒸気圧以上の圧力で行い、得られた前記中間体
    の前記フッ素化を気相で行う、請求項1に記載した1,
    1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記1,1,1,3,3−ペンタクロロ
    プロパンと前記フッ化水素との反応を180℃以上で行
    う、請求項2に記載した1,1,1,3,3−ペンタフ
    ルオロプロパンの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記中間体の前記フッ素化を金属ハロゲ
    ン化物及び/又はそのオキシハロゲン化物の存在下で行
    う、請求項1に記載した1,1,1,3,3−ペンタフ
    ルオロプロパンの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記金属ハロゲン化物がクロムのフッ化
    物又はそのオキシフッ化物である、請求項4に記載した
    1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 1,1,1,3,3−ペンタクロロプロ
    パンを無触媒でフッ化水素と反応させて主として1,
    1,1−トリフルオロ−3−クロロプロペン及び/又は
    1,1,1,3−テトラフルオロプロペンを得る、1,
    1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造中間体
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記1,1,1,3,3−ペンタクロロ
    プロパンと前記フッ化水素との反応を反応温度でのフッ
    化水素の蒸気圧以上の圧力で行う、請求項6に記載した
    1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造中
    間体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記1,1,1,3,3−ペンタクロロ
    プロパンと前記フッ化水素との反応を180℃以上で行
    う、請求項7に記載した1,1,1,3,3−ペンタフ
    ルオロプロパンの製造中間体の製造方法。
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