JP2010100613A - 1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法 - Google Patents

1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】工業的に優位性のある、1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法を提供する。
【解決手段】以下の工程を含む、1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
第1工程:1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンに、フッ化水素を反応させることにより、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを得る工程。
第2工程:第1工程で得られた1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンに、気相中、フッ素化触媒存在下、フッ化水素を反応させることにより、1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを得る工程。
【選択図】なし

Description

本発明は、医農薬、機能性材料の中間原料、プロペラント、マグネシウム製造の保護ガス、発泡剤あるいは冷媒等として有用な1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法に関する。
1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法としては、従来、1,3,3,3−テトラフルオロ−1−ヨウ化プロパンをアルコール性水酸化カリウムにより脱ヨウ化水素する方法(非特許文献1)、または1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンをジブチルエーテル中で水酸化カリウムにより脱フッ化水素する方法(非特許文献2)などが知られている。また、特許文献1では1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンをクロム/活性炭触媒で脱フッ化水素する方法が、特許文献2ではクロムベースの触媒との接触により1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンから1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを得る方法が開示されている。
一方、一般的なフルオロアルカン化合物における、気相中での脱フッ化水素反応の例として、特許文献3に1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンをガス状態にして活性炭又は酸化クロム触媒と接触させることで、対応するプロペンを製造する方法、そして特許文献4ではフルオロエタンを活性炭と接触させて熱分解する方法が開示されている。
一方、本発明の中間体である1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造方法としては、特許文献5に、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法における第1工程として、気相で1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンをフッ化水素と反応させて1,1,1−トリフルオロ−3−クロロ−2−プロペン(1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン)を得る方法が開示されている。また、特許文献6に1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法における第1工程として、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを無触媒でフッ化水素と反応させて1,1,1−トリフルオロ−3−クロロ−2−プロペン(1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン)を得る方法が開示されている。特許文献7では、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造方法として、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを反応容器中、ルイス酸触媒またはルイス酸触媒の混合物の存在下、150℃より低い温度で、液相で反応させること、反応容器中で生成した塩化水素及び1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを連続的に取り出すこと、及び1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを単離する方法が開示されている。
また、特許文献8には、ハロゲン化オレフィンのフッ素化として、気相で1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンをフッ素化触媒存在下フッ化水素によりフッ素化することによりフッ素化させる方法が報告されている。
また、特許文献9では、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンをフッ化水素と反応させ、1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを得る方法が開示されている。
特開平11−140002号公報 特開2000−63300号公報 特開平9−67281号公報 米国特許2480560号明細書 特開平9−183740号公報 特開平11−180908号公報 国際公開2005−014512号公報 特開昭48−72105号公報 特開平10−7604号公報
R.N.Haszeldineら,J.Chem.Soc.1953,1199−1206; CA 48 5787f I.L.Knunyantsら,Izvest.Akad.Nauk S.S.S.R.,Otdel.Khim.Nauk.1960,1412−18;CA 55,349f
上記、非特許文献1や非特許文献2のような水酸化カリウムにより脱ハロゲン化水素する方法は、反応率および選択率に優れた方法ではあるが、溶媒を用いなければならないこと、水酸化カリウムが化学量論量以上必要であること、また反応の結果生成するカリウム塩が多大となること等から工業的に適用するには困難な点が多かった。
また、気相中でのフルオロアルカン化合物の脱フッ化水素反応は、反応条件が過酷である割には、転化率がそれほど高くないのが一般的であった。例えば特許文献3の方法は、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンを、ガス状態にして活性炭または酸化クロム触媒によって行う方法であるが、選択率はほぼ定量的であるが、転化率が4%〜50%程度であった。
Figure 2010100613
また、特許文献4では、750〜900℃程度の、かなりの高温にて熱分解を行っているが、この方法でも転化率も40%程度である。
Figure 2010100613
上述のような脱ハロゲン化水素において、転化率を向上させるには反応条件をさらに過酷なものにしなければならず、また、高温での反応であることからも、生成物のタール化、炭化、反応器の耐久性等、工業的に製造することは相当な困難を強いられることが予想される。
一方、ハロゲン化オレフィンの選択的なフッ素化は、以前から制御の面で難があった。例えば特許文献8の方法では、フッ素化は良好に進行し、該目的物を得る一方、フッ素原子の異なる副生成物が生成するために選択性が低下することがあった(以下参照)。
Figure 2010100613
また、従来よりハロゲン化オレフィンの骨格にトリフルオロメチル基(CF3基)を持つ基質のフッ素化反応も知られている。しかしながら、フッ素原子の強い電子求引性の為、フッ素化の反応性に関してもフッ素原子のない基質と比べて大きく異なってくる。特許文献9での方法は、該目的物は得られるが、同時にフッ素化が更に進行して得られる高次フッ素化生成物、すなわち1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)が副生し、選択性が低下することがあった(以下参照)。
Figure 2010100613
また、特許文献5の方法は、取り扱いが危険なフッ化水素を用いる必要があるという安全上の問題のほか、選択性が低いこと、生成する塩化水素、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、未反応1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、フッ化水素との分離精製が難しく装置的な負荷が大きくなる等、改良すべき点があり工業的な製造方法としては必ずしも好ましくない。
フッ素化または塩素化フッ素化炭化水素の気相フッ素化触媒としては、アルミナ、クロミアをフッ素化して調製したアルミニウムまたはクロムのオキシフルオリドや、各種の金属を担持した担持触媒が知られている。文献(Chemistry of Organic Fluorine Compounds: 2nd Ed.(1976) Milos Hudlicky,p99)には、五塩化アンチモンを活性炭に吸着させた触媒を用いて、1,1,2,2−テトラクロロエタンにフッ化水素と塩素を200℃で反応させ、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタンを65%の収率で得られることが記載されている。また、EP712826号公開公報には五塩化アンチモンを活性炭に担持した触媒が、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタンをフッ化水素でフッ素化して1,1,1−トリフルオロエタンとすることができることが開示されている。これらは何れも塩素化エタン類のフッ素化に有効な触媒の一つとして五塩化アンチモン担持活性炭を提供するものということができる。
ところが、ハロゲン化プロパン類をフッ素化触媒存在下フッ化水素でフッ素化する際には、特許文献5に開示された、フッ素化活性が顕著であるとされているクロムを触媒とした気相反応の場合においても見られるように、フッ素化プロペン類の生成または原料フッ素化プロペンが未反応のまま残ることによる、目的物の収率の低下という問題が生じる。
これらのことから、本発明の目的物である1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを、工業的規模で効率的かつ高収率で得る製造方法の確立が望まれていた。
本発明者らは、かかる問題を解決するため、鋭意検討した結果、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを原料とし、以下の2工程を経ることにより、変換率ならびに目的とする1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの選択率を高め、その結果、目的生成物から蒸留分離し難い原料または中間生成物である不飽和化合物の含有量を著しく低減させ得ることを見出し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、以下の工程を含む、1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法である。
[発明1]
以下の工程を含む、1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
第1工程:1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンに、フッ化水素を反応させることにより、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを得る工程。
第2工程:第1工程で得られた1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンに、気相中、フッ素化触媒存在下、フッ化水素を反応させることにより、1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを得る工程。
[発明2]
第2工程で得られた1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを、更に以下の工程を経由することを特徴とする、発明1に記載の方法。
A工程:第2工程で得られた1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含む反応混合物から過剰量のフッ化水素(HF)、及び1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを取り除く工程。
B工程:A工程の後に、さらに残りのフッ化水素(HF)を取り除く工程。
C工程:B工程で得られた1,3,3,3−テトラフルオロプロペンから塩化水素(HCl)を取り除く工程。
[発明3]
1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンに、フッ化水素を反応させることにより、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを得る(第1工程)際、気相中、フッ素化触媒の非存在下で反応を行うことを特徴とする、発明1に記載の方法。
[発明4]
反応圧力として0.1〜1.0MPaの範囲で、かつ反応温度として150〜350℃の範囲で反応を行うことを特徴とする、発明3に記載の方法。
[発明5]
1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンに、フッ化水素を反応させることにより、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを得る(第1工程)際、液相中、フッ素化触媒の非存在下で反応を行うことを特徴とする、発明1に記載の方法。
[発明6]
反応圧力として0.5〜6.0MPaの範囲で、かつ反応温度として100〜200℃の範囲で反応を行うことを特徴とする、発明5に記載の方法。
[発明7]
1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを、気相中、フッ素化触媒存在下、フッ化水素と反応させる(第2工程)際、フッ素化触媒が活性炭、又はクロム、チタン、アルミニウム、マンガン、ニッケル、コバルト、ジルコニウムの中から選ばれる1種または2種以上の金属の酸化物、フッ化物、塩化物、フッ化塩化物、オキシフッ化物、オキシ塩化物、オキシフッ化塩化物を担持した活性炭、アルミナ、フッ素化アルミナ、フッ化アルミニウム、ジルコニア又はフッ素化ジルコニアであることを特徴とする、発明1に記載の方法。
[発明8]
反応圧力として0.1〜1.0MPaの範囲で、かつ反応温度として200〜600℃の範囲で反応を行うことを特徴とする、発明7に記載の方法。
[発明9]
発明1乃至8の何れかの方法で得られた1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを精製することを特徴とする、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
[発明10]
発明9で得られたトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンより分離された、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン中に含まれる1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを第2工程の原料に再び用いることにより行うことを特徴とする、発明1乃至9の何れかに記載の方法。
これまでに、本発明の第1工程のように、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンにフッ化水素を反応させて1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを製造する方法は、特許文献5−7に挙げられているように、数多くの文献が存在するが、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンに対し、フッ化水素を反応させて1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを得、続いて該プロペンを用いて気相中、フッ素化触媒存在下、フッ化水素と反応させることにより、1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを工業スケールで効率良く製造する例はこれまで知られていなかった。
また、本発明の第1工程において、フッ素化触媒の非存在下(本明細書では「無触媒」とも言う)で反応を行うことにより、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを高い収率で得る知見も得た。
また、第1工程では反応が進むにつれて、反応系内に塩化水素(HCl)が副生するが、本発明では、ここで副生する塩化水素を取り除くことで、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの変換率及び選択率を向上させ、さらに第2工程においても高選択率かつ高収率で目的物である1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを得る知見も得た。
また、第2工程については、特定の金属を用いることが好ましい知見も得た。
このように、本発明の製造方法は工業的に実施可能な容易な反応条件において、従来技術よりも高い収率で目的化合物が製造可能である。環境負荷がかからず、高い生産性で目的とする1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造できることとなった。
本発明の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法により、工業的に入手可能な1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを原料とし、好適な反応条件下で各工程が良好に進行し、良好な収率で1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造できるという効果を奏する。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明では、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンに、フッ化水素を反応させることにより、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを得(第1工程)、続いて第1工程で得られた1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンに、気相中、フッ素化触媒存在下、フッ化水素を反応させることにより、1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを得る(第2工程)工程によってなる。
スキーム1として以下にまとめる。
Figure 2010100613
まず、第1工程について説明する。第1工程は1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンに、フッ化水素を反応させることにより、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを得る工程である。
第1工程の出発原料である1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンは、公知の方法で製造することができるが、例えば、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンは、塩化ビニリデンとクロロホルムとを銅アミン触媒存在下に反応させる方法(M.Kotoraら、React.Kinet.Catal.Lett.,44,2、1991,415.)、四塩化炭素と塩化ビニルとを銅アミン触媒存在下に反応させる方法(M.Kotoraら、J.Mol.Catal.,77,1992,51.)、四塩化炭素と塩化ビニルとを塩化第一鉄触媒存在下に反応させる方法(J.Org.Chem.USSR,第3巻,1969,2101頁)、特開平8−239333号公報等で得ることができる。
本工程において、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンに対するフッ化水素のモル比は化学量論以上必要であり、通常、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン1モルに対してフッ化水素は3モル以上であれば1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの生成に十分な量であるが、タールの生成を防ぐためには6モル以上が好ましい。
本工程はフッ素化触媒の存在下で行うこともできるが、フッ素化触媒の非存在下(無触媒とも言う)で当該反応を行うことが、本発明における大きな特徴の一つである。無触媒でフッ化水素を反応させることにより、問題となっていた触媒の廃棄又はリサイクル、反応容器の腐食、そして経済性という問題がなくなり、工業的なスケールで容易に製造できることとなった。なお、本工程においては、液相または気相にて実施することができる。
本工程はフッ素化触媒の存在下で行う際、詳細は後述するが、本工程における反応条件(液相又は気相)により、用いる触媒が異なってくる。
本工程において、気相中で反応を行う場合には、用いるフッ素化触媒は、金属化合物を担体に担持して使用される。またアルミナ、チタニア、ステンレス鋼等をフッ素化したもの(例えば、フッ素化アルミナ)や活性炭もフッ素化触媒として使用できる。担持触媒としては、例えばアルミニウム、クロム、マンガン、ニッケル、コバルトからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を担体に担持した触媒が挙げられる。担体としてはアルミナ、フッ素化アルミナ、フッ化アルミニウム、活性炭などが使用される。この触媒の調製方法は特に限定されないが、硝酸塩、塩化物等の可溶性化合物を溶解した溶液を担体に含浸させるか、スプレーし、次いで乾燥した後、金属塩が担持された担体を加熱下においてフッ化水素、塩化水素、塩化フッ化炭化水素等と接触させることで、担持させた金属または担体の一部または全部をハロゲン修飾させることで得られる。
担体をフッ素化する方法はどの様な方法でも良いが、例えば、フッ素化アルミナは乾燥用や触媒担体用として市販されているアルミナに加熱しながら気相でフッ化水素を流通させたり、または常温付近でフッ化水素水溶液をスプレーしたり、その水溶液に浸漬し、次いで乾燥することで調製することができる。
触媒または担体として用いる活性炭は、木材、木炭、椰子殻炭、パーム核炭、素灰等を原料とする植物系、泥炭、亜炭、褐炭、瀝青炭、無煙炭等を原料とする石炭系、石油残滓、オイルカーボン等を原料とする石油系または炭化ポリ塩化ビニリデン等の合成樹脂系がある。これら市販の活性炭から選択し使用することができ、例えば、瀝青炭から製造された活性炭(三菱化学カルゴン製BPL粒状活性炭)、椰子殻炭(日本エンバイロケミカルズ製G2c、G2x、GS3c、GS3x、C2c、C2x、X2M、三菱化学カルゴン製PCB)等が挙げられるが、これらに限定されない。形状、大きさも通常粒状で用いられるが、球状、繊維状、粉体状、ハニカム状等反応器に適合すれば通常の知識範囲の中で使用することができる。本発明において使用する活性炭は比表面積の大きな活性炭が好ましい。活性炭の比表面積ならびに細孔容積は、市販品の規格の範囲で十分であるが、それぞれ400m2/gより大きく、0.1cm3/gより大きいことが望ましい。またそれぞれ800〜3000m2/g、0.2〜1.0cm3/gであればよい。さらに活性炭を担体に用いる場合、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基性水溶液に常温付近で10時間程度またはそれ以上の時間浸漬するか、活性炭を触媒担体に使用する際に慣用的に行われる硝酸、塩酸、フッ酸等の酸による前処理を施し、予め担体表面の活性化ならびに灰分の除去を行うことが望ましい。
第1工程を液相で行う場合は、別途触媒として下に示す高原子価金属ハロゲン化物をそのまま、又は担体に担持した触媒、又は活性炭が使用できる。
高原子価金属としては、アンチモン、タンタル、ニオブ、モリブデン、スズ、チタンなどが挙げられ、アンチモン、タンタルは好ましく、アンチモンが最も好ましい。担持された高原子価金属ハロゲン化物は、SbQ5(Qはそれぞれ独立にフッ素、塩素、臭素、ヨウ素を表す。以下同じ)、TaQ5、NbQ5、MoQ5、SnQ4、TiQ4などで表されるハロゲン化物であって、オキシハロゲン化物であってはならず、酸素を含有することは活性を低下させることとなるので避けなければならない。
調製方法としては特に限定されず金属ハロゲン化物が活性炭に付着しておればよい。常温付近で液体である化合物、例えば、五塩化アンチモン、四塩化スズまたは四塩化チタンなどの場合、後に述べるような塩基性物質、酸または熱水による処理や脱水処理の前処理を必要に応じて施した活性炭にそのまま滴下、スプレー、浸漬等の方法で直接付着させることができる。また、常温で液体または固体の化合物である場合には、化合物を溶媒に溶解した溶液へ活性炭を浸漬し含浸させるか、スプレーなどの方法で活性炭に付着させる。次いで、このようにして得られた金属化合物の付着した活性炭を加熱または/および減圧して乾燥した後、金属ハロゲン化物の付着した活性炭を加熱下においてフッ化水素、塩素、塩化水素、塩化フッ化炭化水素等と接触させることで触媒は調製される。特に五塩化アンチモンを担持した場合、100℃以上で1当量以上の塩素により処理することが触媒の活性化に望ましい。
本工程では、溶媒を加えて反応を行うこともできる。しかしながら、出発原料の1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンは、常温・常圧下で液体であるため、それ自身溶媒も兼ねることから、反応系に溶媒を共存させない条件下で反応させることも可能である。別途溶媒を加える場合には金属ハロゲン化物を分解しない溶媒であればよい。具体的には、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジエチルエーテルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、塩化メチレン、クロロホルム、テトラクロロエチレン、テトラクロロエタンなどの塩素系溶剤、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、3,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、トリフルオロメチルベンゼンなどのフッ素系溶剤、および3−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパンなどの本発明の方法における出発原料、中間体もしくは生成物であるフッ素化プロパンなどが挙げられる。
例えば、五塩化アンチモン、五塩化ニオブ、五塩化タンタル、五塩化モリブデンなどの溶剤としては3−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、トリフルオロメチルベンゼンなど、フッ素系溶剤は好適である。これらの溶媒を使用する際または溶媒を用いない場合でも水などのハロゲン化物と反応性を有する物質を溶媒および処理系から除去し、実質的に水の不存在下において担持させるのが好ましい。
触媒調製に用いる高原子価金属ハロゲン化物としては通常取りうる最高の原子価を有するハロゲン化物が好ましい。したがって、具体的にはアンチモン(V:酸化数をいう。以下同じ))、スズ(IV)、チタン(IV)、ニオブ(V)、タンタル(V)、モリブテン(V)であるのが好ましい。しかしながら、金属ハロゲン化物を担体に担持した後に、通常取りうる最高の酸化数に塩素などで酸化すること、さらには、金属化合物を担持し次いでハロゲン化および/または高次酸化することで高原子価金属ハロゲン化物を担持した触媒としてもよい。
触媒調製に用いる金属ハロゲン化物は、具体的には、アンチモン化合物としては、五塩化アンチモン、三塩化二フッ化アンチモン、三塩化アンチモン、五臭化アンチモン、三臭化アンチモン、五フッ化アンチモン、三フッ化アンチモン、三沃化アンチモン等のハロゲン化アンチモンが挙げられ、五塩化アンチモンが最も好ましいものとして挙げることができる。同様にスズ化合物としては、四塩化スズ、二塩化スズ、チタン化合物としては、四塩化チタン、三塩化チタン、ニオブ化合物としては、五塩化ニオブ、タンタル化合物としては、五塩化タンタル、モリブテン化合物としては、五塩化モリブデンが挙げられる。
使用する触媒調製に用いる高原子価金属ハロゲン化物の担持量は活性炭100重量部に対し0.1〜500重量部であり、好ましくは1〜250重量部である。また、二種以上の金属を併せて触媒活性を調節することも好ましい。その場合、アンチモンハロゲン化物(特に五塩化アンチモン)を主成分として、他のニオブ化合物(特に五塩化ニオブ)またはタンタル化合物(特に五塩化タンタル)、スズ、チタン、ニオブ、タンタル、モリブテンのハロゲン化物を組み合わせるのが好ましい。副成分金属/主成分金属の原子比は、副成分金属を含まない場合でもよいので50/50〜0/100とすることができ、30/70〜0/100が好ましい。
本工程にかかる反応の接触時間は、通常0.1〜300秒であり、生産性の面から好ましくは1〜60秒である。
本工程の反応温度は通常、100〜450℃であるが、本工程における好ましい温度範囲については、液相反応では100〜200℃が好ましく、気相反応では150〜350℃が好ましい。反応温度が100℃未満では反応速度が小さい。液相中又は気相中の反応については、上述の温度範囲が好ましい範囲として挙げられる。
本工程における反応圧力としては、通常、0.1〜6.0MPaの範囲であるが、本工程における好ましい反応範囲については、液相反応では原料有機物、中間物質およびフッ化水素が反応系内で液化するのが好ましいことから0.5〜6.0MPaが好ましく、気相反応では0.1〜5.0MPaの範囲である。なお、気相反応においては、実際上は0.1〜1.0MPa程度で行うのが好ましい。
なお、本工程は液相反応であり、流通式または半流通式であることが好ましいが、バッチ式であってもかまわない。
反応器は、常圧又は加圧下で反応を行う際、圧力に耐えるもの、また耐熱性とフッ化水素、塩化水素等に対する耐食性を有する材質で作られれば良く、鉄、ステンレス鋼、ハステロイ、モネル、白金などが好ましい。また、これらの金属でライニングされた材料で作ることもできる。
なお、本工程の反応が進行していくにつれて、反応系内に塩化水素(HCl)が徐々に発生する為、生成する塩化水素及び目的物である1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを反応系より抜き出す方法が、本工程において好ましい態様の一つである。第1工程において、反応後に1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンが得られるが、当該プロペンとさらにフッ化水素が反応して、第2工程の目的物である1,3,3,3−テトラフルオロプロペンが生成することがある。ここで前述した塩化水素を取り除くことは、後段の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの生成を促進することにつながり、収率を向上させることができる。
また、塩化水素の存在は、反応基質の空間速度または接触時間の観点から見ると、反応器の容積を必要以上に大きくしなければならないというデメリットがある。
また、第1工程では、塩化水素を完全に分離することが困難な場合には、後述する第2工程の後処理工程にて、目的物から容易に分離することが可能である。
なお、本工程において常圧以上の圧力で反応させる場合には、反応生成物(反応ガス)自体が加圧された状態で反応器から取り出される。反応生成物に含まれる塩化水素、及び塩化水素以外の成分を気液分離または蒸留分離する際、凝縮に要する冷却エネルギーを、加圧状態では凝縮温度が上昇するため、本工程を常圧で行う場合に比べ著しく軽減できるという利点がある。
一方、本工程で生成する微量の高沸点有機化合物は第2工程におけるフッ素化触媒の活性低下の原因となることがあるので、一部の有機化合物を除去することは好ましく、比較的沸点の高い有機化合物を除去する工程を加えることは好ましい。その手段は特に限定されないが、例えば、活性炭による吸着、硫酸での吸収、溶媒吸収、または冷却して液化分離するなどの方法が適宜採用できる。
本工程における1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの精製方法は特に限定されないが、例えば、生成物は最初に水又はアルカリ性水溶液で洗浄されて塩化水素、フッ化水素などの酸性物質が除去され、乾燥の後、蒸留に付されて有機不純物が除かれる。簡便には、水又はアルカリ性水溶液による洗浄をせずにそのまま有機不純物および塩化水素を蒸留分離し、微量のフッ化水素とともに第2工程の原料として使用することができる。
また、本工程の反応により反応器から生成物とともに排出される過剰のフッ化水素は、塩化水素を蒸留等により分離後、冷却凝縮した有機物/フッ化水素の2層から分離回収し、再度反応に用いることができる。
次に第2工程について説明する。第2工程は、第1工程で得られた1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを、気相中、フッ素化触媒存在下、フッ化水素と反応させることにより、1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを得る工程である。
本工程における出発原料である1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンは、二重結合を有する化合物であり、構造異性体であるシス体、トランス体が存在するが、第2工程において、シス体、あるいはトランス体、又はシス体及びトランス体の混合物であっても反応に特に問題なく、良好に進行する。
本工程でフッ素化触媒として用いる活性炭は、木材、のこくず、木炭、椰子殻炭、パーム核炭、素灰などを原料とする植物質系、泥炭、亜炭、褐炭、瀝青単、無煙炭などを原料とする石炭系、石油残渣、硫酸スラッジ、オイルカーボンなどを原料とする石油系あるいは合成樹脂を原料とするものなどがある。このような活性炭は、各種のものが市販されているのでそれらのうちから選んで使用すればよい。例えば、瀝青炭から製造された活性炭(カルゴン粒状活性炭BPL(三菱化学カルゴン(株)製)など)や椰子殻炭(PCB(三菱化学カルゴン(株)製)、G2x(日本エンバイロケミカルズ(株)製など)を挙げることができるが、当然これらの種類、製造業者に限られることはない。また、これらの活性炭は通常粒状で使用するが、その形状、大きさは特に限定されず、通常の知識をもって反応器の大きさを基準に決定することができる。
本工程でフッ素化触媒として用いる金属は、周期律表の4族、5族、6族、7族、8族、9族、10族、11族、13族、14族あるいは15族に属する金属から選ばれる。これらの金属のうち、フッ素化触媒は、好ましくはクロム、チタン、アルミニウム、マンガン、ニッケル、コバルト、ジルコニウムの中から選ばれる1種または2種以上の金属の酸化物、フッ化物、塩化物、フッ化塩化物、オキシフッ化物、オキシ塩化物、オキシフッ化塩化物を担持した活性炭である。また、担体として、アルミナ、フッ素化アルミナ、フッ化アルミニウム、ジルコニア又はフッ素化ジルコニアも使用できる。
これらの金属担持活性炭触媒を調製する方法は限定されないが、活性炭そのまま、または予めフッ化水素、塩化水素、塩素化フッ素化炭化水素などによりハロゲンで修飾された活性炭にクロム、チタン、マンガン、ニッケル、コバルトの中から選ばれる1種または2種以上の金属の可溶性化合物を溶解した溶液を含浸するか、スプレーすることで調製される。
金属担持量は0.1〜80wt%、好ましくは1〜40wt%が適当である。活性炭に担持させる金属の可溶性化合物としては、水、エタノール、アセトンなどの溶媒に溶解する該当金属の硝酸塩、塩化物、酸化物などが挙げられる。具体的には、硝酸クロム、三塩化クロム、三酸化クロム、重クロム酸カリウム、三塩化チタン、硝酸マンガン、塩化マンガン、二酸化マンガン、硝酸ニッケル、塩化ニッケル、硝酸コバルト、塩化コバルトなどを用いることができる。
何れの方法で金属を担持した触媒も、使用の前に所定の反応温度以上の温度で予めフッ化水素、フッ素化(および塩素化)炭化水素などのフッ素化剤で処理し、反応中の触媒の組成変化を防止することが有効である。また、反応中に酸素、塩素、フッ素化または塩素化炭化水素などを反応器中に供給することは触媒寿命の延長、反応率、反応収率の向上に有効である。
反応温度は200〜600℃、好ましくは300〜500℃であり、反応温度200℃よりも低ければ反応は遅く実用的ではない。反応温度が600℃を超えると触媒寿命が短くなり、また、反応は速く進行するが分解生成物等が生成し、1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの選択率が低下するので好ましくない。
触媒の賦活法はフッ素化触媒の再生に用いられる通常の方法を採用することができ、乾燥空気、塩素、フッ化水素等を活性低下した触媒と適宜接触させることにより再活性化することができる。
反応圧力は特に限定されないが、装置の面から0.1〜1.0MPaで行うのが好ましい。系内に存在する原料有機物、中間物質およびフッ化水素が、反応系内で液化しないような条件を選ぶことが望ましい。接触時間は、通常0.1〜300秒、好ましくは5〜60秒である。
反応器は、耐熱性とフッ化水素、塩化水素等に対する耐食性を有する材質で作られれば良く、ステンレス鋼、ハステロイ、モネル、白金などが好ましい。また、これらの金属でライニングされた材料で作ることもできる。
本工程において、反応領域へ供給する1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン/フッ化水素のモル比は反応温度により変わりうるが、1/1〜1/60、好ましくは1/1〜1/30である。フッ化水素が1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの60モル倍を超えると同一反応器における有機物処理量の減少ならびに反応系から排出された未反応フッ化水素と生成物との混合物の分離に支障をきたし、一方、フッ化水素が1モル倍よりも少ないと反応率が低下し、選択率が低下するので好ましくない。
本工程においては、化学量論よりも過剰量のフッ化水素を使用することが好ましいので、未反応のフッ化水素は未反応有機物および生成物から分離し、反応系へリサイクルする。フッ化水素と有機物の分離は、公知の手段で行うことができるが、以下に詳細に説明する。
本工程で得られた1,3,3,3−テトラフルオロプロペンは、二重結合を有する化合物であり、シス体、及びトランス体の構造異性体が存在し、本工程ではこれらの混合物として得られる。この他に、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(シス体及びトランス体)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、過剰量のフッ化水素、そして塩化水素等を含む反応混合物として得られることが多い。
また、1,3,3,3−テトラフルオロプロペンは、フッ化水素とは共沸組成を示すことがある為、これらの混合物から、特にフッ化水素を取り除くことは、非常に困難であった。
ここで本工程では、以下の工程、すなわち、
A工程:第2工程で得られた1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含む反応混合物から過剰量のフッ化水素(HF)、及び1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを取り除く工程。
B工程:A工程後に、さらに残りのフッ化水素(HF)を取り除く工程。
C工程:B工程で得られた1,3,3,3−テトラフルオロプロペンから塩化水素(HCl)を取り除く工程。
以上、A工程〜C工程を経ることで、1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含む有機物からフッ化水素を効率よく分離することができ、さらに該プロペンに含まれる、第1工程由来の塩化水素も取り除くことで、該プロペンの純度を向上させることが可能である。
A工程では、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、過剰量のフッ化水素、そして塩化水素等を含む反応混合物を蒸留分離等の操作を行うことにより、低沸分の塩化水素を含む1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、過剰量のフッ化水素を未反応の1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン等の高沸成分とともに分離する。
ここで分離した高沸成分は、そのまま第2工程に戻し原料として再使用することができる。
B工程にてフッ化水素を取り除く際に用いる試剤としては、特に制限はなく、例えば、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム等とフッ化水素の錯体を形成させて分離することができ、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム等のカルシウム塩又はこれらの水溶液と反応させることにより、フッ化カルシウム(CaF2)として固定化処理を行い、該プロペンからフッ化水素を取り除くことができる。
また、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩等とフッ化水素を反応させることで、それぞれ対応するフッ化金属塩として固定化処理を行い、該プロペンからフッ化水素を取り除くこともできる。
一方、硫酸を用いることでも、該プロペンからフッ化水素を良好に取り除くことが可能である。硫酸を用いる場合、硫酸の量は、上記反応混合物に含まれるフッ化水素の量に依存する為、当業者が適宜調整することができる。例えば、溶解度の温度に対するグラフを用いて、100%硫酸中のフッ化水素の溶解度から、必要とされる硫酸の最小量を決めることができる(例えば30℃では、約34gのフッ化水素が100gの100%硫酸に溶解する)。
硫酸の純度は特に限定されないが、好ましくは50%以上の純度であり、約98%〜100%の純度を有するものがさらに好ましい。通常は市販されている工業用硫酸(98%)が使用できる。
この処理は、反応生成物が液化しない温度であればよく、通常約20℃〜約100℃、好ましくは約25℃〜約50℃、より好ましくは約25℃〜約40℃で行われる。
例えば、硫酸で処理する際、取り除いたフッ化水素や、A工程で用いた硫酸は、それぞれ分離し、回収して再び再利用することも可能である。すなわち、このフッ化水素を別の反応の出発原料として使用し、硫酸を抽出工程での使用に再利用することができる。
次に、C工程について説明する。B工程で得られた1,3,3,3−テトラフルオロプロペンから、該プロペン中に含まれる塩化水素(HCl)を取り除く(C工程)ことができ、塩化水素ガスを取り除く方法については、通常、有機化合物中に含まれる塩化水素を取り除く任意の方法(蒸留や水洗、抽出蒸留等)が挙げられる。また、これらを組み合わせて塩化水素を除去することも可能であり、例えば、水を用いる際は、特に制限はなく、用いる際の温度や量、接触方法については当業者が適宜調整することができる。
なお、フッ化水素の分離工程では、飽和塩酸を用いることができ、この場合フッ化水素は水溶液として回収されるので、無水にするには蒸留等により分離する必要がある。
以上、A工程〜C工程を経由することにより、1,3,3,3−テトラフルオロプロペンが高い純度で得られるが、ここで精製操作を行うことで、1,3,3,3−テトラフルオロプロペンから選択的にトランス体である、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを極めて高純度で得ることができる。精製操作としては、特に制限はないが、脱酸後、中和、水洗し、ゼオライト等により脱水乾燥後蒸留等により精製を行う。
蒸留操作が、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを高純度で得ることができることからも、特に好ましい態様として挙げられる。蒸留操作における蒸留塔の材質には制限はなく、ガラス製のもの、ステンレス製のもの、四フッ化エチレン樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、PFA樹脂、ガラスなどを内部にライニングしたもの等を、用いることができる。蒸留塔中には、充填剤を詰めることもできる。蒸留は、減圧条件下で行うと、比較的低い温度で達成できるため、簡便であり、好ましい。この蒸留に要求される蒸留搭の段数に制限はないが、5〜100段が好ましく、さらに好ましくは10〜50段である。
このように、蒸留操作を行うことで、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンが得られるが、ここでシス体である、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンや、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(シス体及びトランス体)が高沸分として得られる。これらの高沸成分は第2工程の原料として再び用いることができる。廃棄物を削減できることからも、高沸分の再使用は極めて有用な方法である。
[実施例]
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されない。ここで、組成分析値の「%」とは、反応混合物を直接ガスクロマトグラフィー(特に記述のない場合、検出器はFID)によって測定して得られた組成の「面積%」を表す。
[調製例1]
三菱化学カルゴン製椰子殻破砕炭100g(PCB 4×10メッシュ)を純水150gに浸漬し、別途40gの特級試薬CrCl3・6H2Oを100gの純水に溶かし調製した溶液と混合攪拌し、一昼夜放置した。次に濾過して活性炭を取り出し、電気炉中で200℃に保ち、2時間焼成した。得られたクロム担持活性炭を、電気炉を備えた直径5cm長さ30cmの円筒形SUS316L製反応管に充填し、窒素ガスを流しながら200℃まで昇温し、水の流出が見られなくなった時点で、窒素ガスにフッ化水素を同伴させその濃度を徐々に高めた。充填されたクロム担持活性炭へのフッ化水素の吸着によるホットスポットが反応管出口端に達したところで反応器温度を400℃に上げ、その状態を2時間保ち触媒の調製を行った。
[調製例2]
三菱化学カルゴン製椰子殻破砕炭100g(PCB 4×10メッシュ)を純水150gに浸漬し、別途200gの20%TiCl3水溶液と混合攪拌し、一昼夜放置した。次に濾過して活性炭を取り出し、電気炉中で200℃に保ち、2時間焼成した。得られたチタン担持活性炭を電気炉を備えた直径5cm長さ30cmの円筒形SUS316L製反応管に充填し、窒素ガスを流しながら200℃まで昇温し、水の流出が見られなくなった時点で、窒素ガスにフッ化水素を同伴させその濃度を徐々に高めた。充填されたチタン担持活性炭へのフッ化水素の吸着によるホットスポットが反応管出口端に達したところで反応器温度を400℃に上げ、その状態を2時間保ち触媒の調製を行った。
[調製例3]
336gの特級試薬CrCl3・6H2Oを純水に溶かして1Lとした。この溶液に直径5mm、表面積340m2の粒状γ−アルミナ250mlを浸漬し、一昼夜放置した。次に濾過してγ−アルミナを取り出し、熱風循環式乾燥器中で100℃に保ち、さらに一昼夜乾燥した。得られたクロム担持アルミナを、電気炉を備えた直径5cm長さ30cmの円筒形SUS316L製反応管に充填し、窒素ガスを流しながら300℃まで昇温し、水の流出が見られなくなった時点で、窒素ガスにフッ化水素を同伴させその濃度を徐々に高めた。充填されたクロム担持アルミナのフッ素化によるホットスポットが反応管出口端に達したところで反応器温度を450℃に上げ、その状態を1時間保ち触媒の調製を行った。
[調製例4]
1リットルガラス製フラスコに、表面積1200m2/g、細孔径18オングストロームの粒状椰子殻炭(日本エンバイロケミカルズ(株)製粒状白鷺G2X、4〜6メッシュ)0.2リットルを入れ130〜150℃に加温した後真空ポンプにより水分を除去した。水分の留出が認められなくなった時点でフラスコ内に窒素を導入して常圧とした。
第1工程:1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造
還流冷却管および圧力センサー等を設けた容量2000mlの耐圧容器に、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(240fa)を217g仕込み、続いてフッ化水素を370g仕込んで反応器制御温度を160℃に設定し昇温した。反応の進行とともに塩化水素の発生により系内の圧力が上昇してきて、約30分後に4.0MPaを超えたところで、還流器を100℃に調整し、還流器後部に備えた背圧弁を調節して反応器内圧を4〜4.2MPaに制御した。
系内圧力を一定に保ちながら原料240faを1g/minおよびフッ化水素を0.74g/min導入しながら、反応生成物および副成塩化水素等を、背圧弁を経由して系外に捕集した。酸性ガスを除去した後、ドライアイス−アセトン−トラップに回収し、有機物をガスクロマトグラフィーで分析した結果を表1に示した。
Figure 2010100613
第2工程:1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造
電気炉を備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(SUS316L製、直径1インチ・長さ30cm)に気相フッ素化触媒として調製例1で調製した触媒を150ml充填した。約100ml/分の流量で窒素ガスを流しながら反応管の温度を200℃に上げ、フッ化水素を約0.10g/分の速度で窒素ガスに同伴させた。そのまま反応管の温度を500℃まで昇温し1時間保った。次に反応管の温度を400℃に下げ、フッ化水素を0.15g/分の供給速度とし、第1工程で得られた1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを予め気化させて0.06g/分の速度で反応器へ供給開始した。反応開始1時間後には反応は安定したので、その時から2時間にわたって、反応器から流出する生成ガスを水中に吹き込み酸性ガスを除去した後、ドライアイス−アセトン−トラップで6.0gの有機物を捕集した。捕集した有機物をガスクロマトグラフィーで分析した結果を表2に示した。
Figure 2010100613
第1工程:1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造
還流器温度を95℃に調整した以外は実施例1と同様の準備段階の後、表1に示す条件で実施例1と同様の反応操作、回収操作、分析を行った。結果を表1に示す。
第2工程:1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造
第1工程で得られた1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンに対し、調製例2で調製した触媒を用い、実施例1と同様の準備段階の後、表2に示す条件で実施例1と同様の反応操作、回収操作、分析を行った。結果を表2に示す。
第1工程:1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造
還流器温度を85℃に調整し、240faを1.7g/minおよびフッ化水素を0.94g/minとした以外は実施例1と同様の準備段階の後、表1に示す条件で実施例1と同様の反応操作、回収操作、分析を行った。結果を表1に示す。
第2工程:1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造
第1工程で得られた1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンに対し、活性炭を単独で用い、表2に示す条件で実施例1と同様の反応操作、回収操作、分析を行った。結果を表2に示す。
第2工程:1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造
実施例1の第1工程と同様の操作で得られた1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンに対し、調製例3で得られた触媒を用い、表2に示す条件で実施例1と同様の反応操作、回収操作、分析を行った。結果を表2に示す。
第2工程:1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造
実施例1の第1工程と同様の操作で得られた1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンに対し、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを25モル%混合し原料とした。調製例3で得られた触媒を用い、表2に示す条件で実施例1と同様の反応操作、回収操作、分析を行った。結果を表2に示す。
第1工程:1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造
電気炉を備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(第一反応器:SUS316L製、直径2.5cm、長さ30cm)に気相フッ素化触媒として触媒調製例4で調製した活性炭を150ミリリットル充填した。約160ミリリットル/分の流量で窒素ガスを流しながら反応管の温度を200℃に上げ、フッ化水素を約0.2g/分の速度で窒素ガスに同伴し、そのまま反応管温度を250℃まで昇温し、フッ化水素の供給速度を0.75g/分とし、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを0.42g/分の速度で反応器に供給した。系内の圧力は反応器後部に備えた背圧弁により0.8MPaとした。反応開始2時間後には反応は安定したので、反応器から流出する生成ガスを水中に吹き込み酸性ガスを除去した後、ドライアイス−アセトン−トラップで捕集した。捕集した有機物をガスクロマトグラフィーで分析した結果を表3に示した(なお、本実施例においては、第2工程までは行っていない)。
Figure 2010100613
第1工程:1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造
還流冷却器と攪拌機を備えたSUS316L製1リットルオートクレーブに、調製例4に示した活性炭100ミリリットル、1,1,2,2−テトラクロロエタン0.3モル(50.4g)を仕込み、攪拌しながら温度を180℃に保ち、フッ化水素の供給速度を0.75g/分、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを0.42g/分の速度で反応器に供給した。反応の進行とともに塩化水素の発生により系内の圧力は上昇するが、反応器後部に備えた背圧弁により1MPaとした。
反応開始3時間後には反応は安定したので、反応器から流出する生成ガスを水中に吹き込み酸性ガスを除去した後、ドライアイス−アセトン−トラップで捕集した。捕集した有機物をガスクロマトグラフィーで分析した結果を表3に示した(なお、本実施例においては、第2工程までは行っていない)。
第1工程:1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造
反応器に触媒を用いずに実施例1と同様の反応操作、回収操作、そして分析を行った。ガスクロマトグラフィーで分析した結果を表3に示した(なお、本実施例においては、第2工程までは行っていない)。

Claims (10)

  1. 以下の工程を含む、1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
    第1工程:1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンに、フッ化水素を反応させることにより、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを得る工程。
    第2工程:第1工程で得られた1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンに、気相中、フッ素化触媒存在下、フッ化水素を反応させることにより、1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを得る工程。
  2. 第2工程で得られた1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを、更に以下の工程を経由することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
    A工程:第2工程で得られた1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含む反応混合物から過剰量のフッ化水素(HF)、及び1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを取り除く工程。
    B工程:A工程の後に、さらに残りのフッ化水素(HF)を取り除く工程。
    C工程:B工程で得られた1,3,3,3−テトラフルオロプロペンから塩化水素(HCl)を取り除く工程。
  3. 1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンに、フッ化水素を反応させることにより、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを得る(第1工程)際、気相中、フッ素化触媒の非存在下で反応を行うことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 反応圧力として0.1〜1.0MPaの範囲で、かつ反応温度として150〜350℃の範囲で反応を行うことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンに、フッ化水素を反応させることにより、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを得る(第1工程)際、液相中、フッ素化触媒の非存在下で反応を行うことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  6. 反応圧力として0.5〜3.0MPaの範囲で、かつ反応温度として100〜200℃の範囲で反応を行うことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを、気相中、フッ素化触媒存在下、フッ素化剤と反応させる(第2工程)際、フッ素化触媒が活性炭、又はクロム、チタン、アルミニウム、マンガン、ニッケル、コバルト、ジルコニウムの中から選ばれる1種または2種以上の金属の酸化物、フッ化物、塩化物、フッ化塩化物、オキシフッ化物、オキシ塩化物、オキシフッ化塩化物を担持した活性炭、アルミナ、フッ素化アルミナ、フッ化アルミニウム、ジルコニア又はフッ素化ジルコニアであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  8. 反応圧力として0.1〜1.0MPaの範囲で、かつ反応温度として200〜600℃の範囲で反応を行うことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  9. 請求項1乃至8の何れかの方法で得られた1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを精製することを特徴とする、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  10. 請求項9で得られたトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンより分離された、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン中に含まれる1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを第2工程の原料に再び用いることにより行うことを特徴とする、請求項1乃至9の何れかに記載の方法。
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