JP2000063302A - フッ素化プロパンの製造方法 - Google Patents

フッ素化プロパンの製造方法

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JP2000063302A
JP2000063302A JP10231969A JP23196998A JP2000063302A JP 2000063302 A JP2000063302 A JP 2000063302A JP 10231969 A JP10231969 A JP 10231969A JP 23196998 A JP23196998 A JP 23196998A JP 2000063302 A JP2000063302 A JP 2000063302A
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propane
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fluorinated
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Yasuo Hibino
泰雄 日比野
Akira Ishihara
章 石原
Shozo Kaneda
省三 金田
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Central Glass Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C17/00Preparation of halogenated hydrocarbons
    • C07C17/093Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens
    • C07C17/20Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens of halogen atoms by other halogen atoms
    • C07C17/202Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens of halogen atoms by other halogen atoms two or more compounds being involved in the reaction
    • C07C17/206Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens of halogen atoms by other halogen atoms two or more compounds being involved in the reaction the other compound being HX

Abstract

(57)【要約】 【課題】ハロゲン化プロパンまたはハロゲン化プロペン
をフッ化水素でフッ素化してフッ素化プロペンを製造す
る工業的に適した方法を提供する。 【解決手段】一般式(1) C3abc (1) (式中、Xはそれぞれ独立に塩素原子、臭素原子または
ヨウ素原子を表し、aは1〜6、bは0〜6、cは1〜
7の整数を表し、a+b+c=8である。)で表される
ハロゲン化プロパンを気相でフッ素化触媒存在下フッ化
水素でフッ素化して、一般式(2) C3jkl (2) (式中、Xはそれぞれ独立に塩素原子、臭素原子または
ヨウ素原子を表し、jは1〜6、kは2〜7、lは0〜
5の整数を表し、j+k+l=8である。)で表される
フッ素化プロパンを製造する方法であって、触媒がアン
チモン化合物を活性炭に担持した触媒であるフッ素化プ
ロパンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化プロパンを
フッ素化してフッ素化プロパンを製造する方法に関し、
特にポリウレタンフォ−ム等の発泡剤あるいは冷媒等と
して有用な1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパ
ンの製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロ
パンの製造方法としては従来、CF3−CClX−C
2Clを接触水素化する方法(特開平6−25623
5号公報)、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−
1−プロペンをPd−Al23で水素化する方法(Iz
vest.Akad.Nauk S.S.S.R.,O
tdel.Khim.Nauk.1960,1412−
18;CA 55,349f)、1,2,2−トリク
ロロペンタフルオロプロパンを水素化する方法(USP
2942036号明細書)、1,1,1,3,3−ペ
ンタクロロプロパンを触媒の存在下フッ化水素で液相フ
ッ素化する方法(USP5,574,192号明細
書)、気相で1,1,1,3,3−ペンタクロロプロ
パンを触媒の存在下フッ化水素でフッ素化する方法(特
開平9−002983号公報)、同じく気相で1,
1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを触媒の存在下
フッ化水素でフッ素化し1−クロロ−3,3,3−トリ
フルオロロプロペンを得、さらに塩化水素を除いた同化
合物を触媒の存在下フッ化水素で気相フッ素化する方法
(特開平9−183740号公報)等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記した特開平6−2
56235号公報またはUSP2942036号明細書
などに記載された水素化による塩素原子の水素置換は反
応率および選択率に優れた方法ではあるが、触媒の劣化
が著しく、また、原料であるフッ素化塩素化物を予め調
製しなければならず、工業的に適用するには困難な点が
多い。一方、前記で示したオレフィンへの水素付加に
よる方法はすぐれた1,1,1,3,3−ペンタフルオ
ロプロパンの製造方法であるが、原料となる1,1,
3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロペンを入手する
ことが困難であり工業的に採用するには問題がある。U
SP5,574,192号明細書の方法は液相法であ
り、連続法による工業的方法としては困難な点が多い。
また気相中クロム触媒等にて1,1,1,3,3−ペン
タクロロプロパンまたは1−クロロ−3,3,3−トリ
フルオロプロペンをフッ素化すると化学平衡のため無視
できない量の1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプ
ロペン(トランス体、沸点21.0℃)ならびに1,
3,3,3−テトラフルオロプロペン(シス体)が目的
生成物1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン
(沸点15.3℃)と混在し生成する。この化学平衡を
生成物側に偏らせるために、2段階の反応工程の途中第
二工程の前で塩化水素を除く分離工程が必要となる等複
雑な操作を要する。
【0004】
【問題点を解決するための具体的手段】本発明者らはか
かる従来技術の問題点に鑑み、工業的規模での製造に適
したフッ素化プロパン、特に1,1,1,3,3−ペン
タフルオロプロパンの製造方法を確立するべく各種の製
造プロセスについて鋭意検討を加えたところ、対応する
ハロゲン化プロパンまたはハロゲン化プロペンを特定の
金属の化合物が担持された活性炭を触媒として使用し、
常圧または加圧下、気相においてフッ化水素でフッ素化
することにより、一段でフッ素化プロパンを生成せしめ
ることを見出し、本発明に到達したものである。
【0005】すなわち、本発明は、一般式(1) C3abc (1) (式中、Xはそれぞれ独立に塩素原子、臭素原子または
ヨウ素原子を表し、aは1〜6、bは0〜6、cは1〜
7の整数を表し、a+b+c=8である。)で表される
ハロゲン化プロパンを気相でフッ素化触媒存在下フッ化
水素でフッ素化して、一般式(2) C3jkl (2) (式中、Xはそれぞれ独立に塩素原子、臭素原子または
ヨウ素原子を表し、jは1〜6、kは2〜7、lは0〜
5の整数を表し、j+k+l=8である。)で表される
フッ素化プロパンを製造する方法であって、触媒がアン
チモン化合物を活性炭に担持した触媒であるフッ素化プ
ロパンの製造方法である。
【0006】本発明にかかる一般式(1)で表されるハ
ロゲン化プロパンは、プロパンの水素原子の一つ以上が
ハロゲン(ハロゲンは、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素を
いう。以下同じ。)で置換された化合物である。フッ素
以外のハロゲンとしては塩素が経済的理由でもっとも好
ましい。一般式(1)で表されるハロゲン化プロパンと
しては、特に限定されないが、メチレン基(−CH
2−)を有するものが好ましい。具体的には、例えば
1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパン、1,
1,1,3,3−ペンタクロロプロパン、1,1,1,
3−テトラクロロプロパン、1,1,3,3−テトラク
ロロプロパン、1,1,3,3−テトラクロロプロパ
ン、1,1,3−トリクロロプロパン、1,1,1−ト
リクロロプロパン、1,1−ジクロロプロパン、1,3
−ジクロロプロパン等およびこれらの塩素原子の一部が
フッ素に置換されたハロゲン化プロパン、例えば、1,
1,1−トリクロロ−3−フルオロプロパン、3−クロ
ロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、3,3−ジク
ロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、1,1−ジ
クロロ−1−フルオロプロパン、1,1−ジクロロ−
3,3−ジフルオロプロパンなどが挙げられ、これらの
異性体であってもよく、またこれらの混合物であっても
よい。さらに、好ましいフッ素化プロパンとしては、
1,1,1,3−テトラクロロ−3−フルオロプロパ
ン、1,1,1−トリクロロ−3,3−ジフルオロプロ
パン、1,1,3−トリクロロ−1,3−ジフルオロプ
ロパン、1,3,3−トリクロロ−1,1−ジフルオロ
プロパン、1,3−ジクロロ−1,1,3−トリフルオ
ロプロパン、1−クロロ−1,1,3,3−テトラフル
オロプロパン、1,1,3,3−テトラクロロ−1−フ
ルオロプロパン、3−クロロ−1,1,1,3−テトラ
フルオロプロパン、1,1,1,3−テトラクロロ−3
−フルオロプロパン、1,1,1−トリクロロ−3,3
−ジフルオロプロパン、1,1,3−トリクロロ−1,
3−ジフルオロプロパン,1,1−ジクロロ−1,3,
3−トリフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,
1,3−トリフルオロプロパン、1−クロロ−1,1,
3,3−テトラクロロプロパン、3−クロロ−1,1,
1,3−テトラフルオロプロパン、などが例示できる。
【0007】本発明の方法により生成する一般式(2)
で表されるフッ素化プロパンは、出発原料となる上記一
般式(1)で表されるハロゲン化プロパンのフッ素以外
のハロゲンが1個以上フッ素原子で置換されたフッ素化
プロパンである。通常は上記一般式(1)で表されるハ
ロゲン化プロパンとして例示したものが一般式(2)で
表される本発明の方法による生成物として得られる。し
たがって、具体的には、原料よりもフッ素原子数の多い
3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパ
ン、1,1,1,3−テトラクロロ−3−フルオロプロ
パン、1,1,1−トリクロロ−3,3−ジフルオロプ
ロパン、1,1,3−トリクロロ−1,3−ジフルオロ
プロパン、1,3,3−トリクロロ−1,1−ジフルオ
ロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,3−トリフル
オロプロパン、1−クロロ−1,1,3,3−テトラフ
ルオロプロパン、1,1,3,3−テトラクロロ−1−
フルオロプロパン、3−クロロ−1,1,1,3−テト
ラフルオロプロパン、1,1,1,3−テトラクロロ−
3−フルオロプロパン、1,1,1−トリクロロ−3,
3−ジフルオロプロパン、1,1,3−トリクロロ−
1,3−ジフルオロプロパン,1,1−ジクロロ−1,
3,3−トリフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−
1,1,3−トリフルオロプロパン、1−クロロ−1,
1,3,3−テトラクロロプロパン、3−クロロ−1,
1,1,3−テトラフルオロプロパン、1,1,1,
3,3−ペンタフルオロプロパンなどが例示できる。こ
れらのフッ素化プロパンを出発原料としてハロゲン−フ
ッ素交換反応を充分進行させると、R1−CH2CH−
(R22(式中、R1はトリハロメチル基、R2はハロゲ
ンを表す。)で表されるハロゲン化プロパンからは、反
応条件を適宜選択することで、1,1,1,3,3−ペ
ンタフルオロプロパンが得られることになる。
【0008】本発明に使用する原料物質は公知の方法で
製造することができるが、例えば、1、1,1,3,3
−ペンタクロロプロパンは、塩化ビニリデンとクロロホ
ルムとを銅アミン触媒存在下に反応させる方法(M.K
otoraら、React.Kinet.Catal.
Lett.,44,2、1991,415.)、四塩化
炭素と塩化ビニルとを銅アミン触媒存在下に反応させる
方法(M.Kotoraら、J.Mol.Cata
l.,77,1992,51.)、四塩化炭素と塩化ビ
ニルとを塩化第一鉄触媒存在下に反応させる方法(J.
Org.Chem.USSR,3,1969,210
1.)等で得ることができる。
【0009】本発明にかかるフッ素化触媒は、アンチモ
ンを担体に担持させたものである。アンチモンは五ハロ
ゲン化アンチモンとして担持されているのが好ましい。
担体は活性炭、アルミナ、フッ素化アルミナ、フッ化ア
ルミ、ジルコニア、フッ素樹脂などであるが、活性炭、
フッ化アルミ等が好ましく、活性炭が特に好ましい。調
製方法としては特に限定されずアンチモン化合物が担体
に吸着または結合しておればよい。常温付近で液体であ
る五塩化アンチモンの場合、担体にそのまま滴下、スプ
レー、浸漬等の方法で直接付着させることができる。ま
た、溶媒に溶解した溶液へ活性炭等の担体を浸漬し含浸
させるか、スプレーなどの方法で担体に付着させる。次
いで、このようにして得られたアンチモン化合物の付着
した担体を加熱または/および減圧して乾燥した後、加
熱下においてフッ化水素、塩化水素、塩化フッ化炭化水
素等と接触させることで、担持させた金属または活性炭
の一部もしくは全部をハロゲン修飾させ触媒は調製され
る。溶媒としてはアンチモン化合物を溶解でき、その際
その化合物を分解しない溶媒であればよい。具体的に
は、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ルなどの低級アルコール類、メチルセロソルブ、エチル
セロソルブ、ジエチルエーテルなどのエーテル類、アセ
トン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ベンゼン、
トルエン、キシレンなどの芳香族化合物、酢酸エチル、
酢酸ブチルなどのエステル類、塩化メチレン、クロロホ
ルム、テトラクロロエチレン、テトラクロロエタンなど
の塩素系溶剤、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタ
ン、3,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフ
ルオロプロパンなどのフッ素系溶剤、および3−クロロ
−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、3,3−
ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパンなどの本
発明の方法における出発原料、中間体もしくは生成物で
あるフッ素化プロパンなどが挙げられる。例えば、五塩
化アンチモンの溶媒としてはエタノールや3−クロロ−
1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、3,3−ジ
クロロ−1,1,1−トリフルオロプロパンなど、フッ
素系溶剤は好適である。これらの溶媒を使用する際また
は溶媒を用いない場合でも水などのハロゲン化物と反応
性を有する物質を溶媒および処理系から除去し、実質的
に水の不存在下において担持させるのが好ましい。
【0010】副成分として触媒調製に用いるIVa族、
IVb族、Va族、Vb族またはVIb族の金属の化合
物としては、ハロゲン化物が好ましく、通常取りうる最
高の原子価を有するハロゲン化物がより好ましい。した
がって、具体的にはスズ(IV:原子価をいう。以下同
じ))、チタン(IV)、アンチモン(V)、ニオブ
(V)、タンタル(V)、モリブテン(V)のなかから
選ばれる1種または2種以上の金属のハロゲン化物であ
るのが好ましい。しかしながら、金属化合物を担体に担
持した後に、ハロゲン化物とし、および/または通常取
りうる最高の原子価に酸化等の方法で変換する方法をと
ってもかまわない。
【0011】したがって、触媒調製に用いるIVa族、
IVb族、Va族、Vb族またはVIb族の金属の化合
物は、具体的には、アンチモン化合物としては、五塩化
アンチモン、三塩化二フッ化アンチモン、三塩化アンチ
モン、五臭化アンチモン、三臭化アンチモン、五フッ化
アンチモン、三フッ化アンチモン、三沃化アンチモン等
のハロゲン化アンチモンが挙げられ、五塩化アンチモン
が最も好ましいものとして挙げることができる。これら
は二種類以上で使用することもできる。同様にスズ化合
物としては、四塩化スズ、二塩化スズ、チタン化合物と
しては、四塩化チタン、三塩化チタン、ニオブ化合物と
しては、五塩化ニオブ、タンタル化合物としては、五塩
化タンタル、モリブテン化合物としは、五塩化モリブデ
ンが挙げられる。
【0012】本発明に使用する触媒調製に用いるアンチ
モン化合物の担持量は担体100重量部に対し0.1〜
500重量部であり、好ましくは1〜250重量部であ
る。また、副成分の金属を併せて触媒活性を調節するこ
とも好ましい。その場合、他のIVa族、IVb族、V
a族、Vb族またはVIb族の金属の化合物、特にス
ズ、チタン、アンチモン、ニオブ、タンタル、モリブテ
ンのハロゲン化物、さらにそれぞれの最高原子価のハロ
ゲン化物、すなわち、四塩化チタン、四塩化スズ、五塩
化ニオブ、五塩化タンタル、五塩化モリブデンなどを組
み合わせるのが好ましい。副成分金属/アンチモンの原
子比は、副成分金属を含まない場合でもよいので50/
50〜0/100とすることができ、30/70〜1/
99が好ましい。
【0013】本発明に用いる活性炭は、木材、木炭、椰
子殻炭、パーム核炭、素灰等を原料とする植物系、泥
炭、亜炭、褐炭、瀝青炭、無煙炭等を原料とする石炭
系、石油残滓、オイルカーボン等を原料とする石油系ま
たは炭化ポリ塩化ビニリデン等の合成樹脂系がある。こ
れら市販の活性炭から選択し使用することができ、例え
ば、瀝青炭から製造された活性炭(東洋カルゴン製BP
L粒状活性炭)、椰子殻炭(武田薬品工業製粒状白鷺G
X、SX、CX、XRC、東洋カルゴン製PCB)等が
挙げられるが、これらに限定されない。形状、大きさも
通常粒状で用いられるが、球状、繊維状、粉体状、ハニ
カム状等反応器に適合すれば通常の知識範囲の中で使用
することができる。また反応形式は固定床、流動床等い
ずれであってもよい。
【0014】本発明において使用する活性炭は比表面積
の大きな活性炭が好ましい。活性炭の比表面積ならびに
細孔容積は、市販品の規格の範囲で十分であるが、それ
ぞれ400m2/gより大きく、0.1cm3/gより大
きいことが望ましい。また、それぞれ800〜3000
2/g、0.2〜1.0cm3/gであればよい。さら
に活性炭を担体に用いる場合、水酸化アンモニウム、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基性水溶液に常
温付近で10時間程度またはそれ以上の時間浸漬する
か、活性炭を触媒担体に使用する際に慣用的に行われる
硝酸、塩酸、フッ酸等の酸による前処理を施し、予め担
体表面の活性化ならびに灰分の除去を行うことが望まし
い。
【0015】また、本発明の触媒ではいずれの方法によ
り前処理される場合も、金属ハロゲン化物を担持処理す
る際に加水分解等により劣化しないように前もって加熱
したり、減圧等することで水分除去を可及的に行うのが
望ましい。
【0016】何れの方法で調製した触媒も、使用の前に
予めフッ化水素、フッ素化または塩素化炭化水素などの
フッ素化剤および/または塩素と接触させておき、反応
中の触媒の組成変化、短寿命化、異常反応などを防止す
ることが有効である。また、反応中に酸素、塩素、フッ
素化または塩素化炭化水素などを反応器中に供給するこ
とは触媒寿命の延長、反応率、反応収率の向上に有効で
ある。特に塩素の導入は触媒活性の向上、維持に好まし
く、原料であるC3化合物100モルに対し0.1〜1
0モル程度同伴させることが望ましい。
【0017】本発明の方法の反応温度は50〜350
℃、好ましくは100〜300℃であり、150〜25
0℃がより好ましい。反応温度が50℃より低ければ、
原料が液化し高沸点化合物が生成しやすく、触媒活性の
低下を招くこととなり実用的ではない。反応温度を高く
すれば触媒の揮散等により寿命が短くなり、また反応は
速く進行するが分解生成物等が生成し生成するフッ素化
プロパンの選択率が低下するので好ましくない。
【0018】本発明の原料ハロゲン化プロパンに対する
フッ化水素のモル比は化学平衡の観点からフッ化水素が
多い方が生成物側に有利であるが、反応器、後処理設備
等の負荷が大きくなり経済性に支障がでる。例えば、原
料が1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンの場
合、フッ化水素/有機物のモル比はおおよそ1/5〜1
/50であり、好ましくは1/6〜1/20である。一
般的にC3abc(式中、Xはそれぞれ独立に塩素原
子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、aは1〜6、b
は0〜6、cは1〜7の整数を表し、a+b+c=8で
ある。)を最大限にフッ素化する場合、フッ化水素量は
有機物に対しcモル以上であればよい。
【0019】本発明の反応圧力は、系内に存在する原料
有機物、中間物質およびフッ化水素が反応系内で液化せ
ず、触媒の力学的条件に適合することが望ましいことか
ら、0〜1.0MPa(ゲージ圧)程度とするのが好ま
しく、とりわけ好ましくは0〜0.2MPa(ゲージ
圧)である。
【0020】本発明の方法の接触時間は、通常0.1〜
300秒、生産性の面から好ましくは1〜60秒であ
る。反応器は、耐熱性とフッ化水素、塩化水素等に対す
る耐食性を有する材質で作られれば良く、ステンレス
鋼、ハステロイ、モネル、白金などが好ましい。また、
これらの金属でライニングされた材料で作ることもでき
る。
【0021】本発明の方法で製造されるフッ素化プロパ
ンは、ハロゲン化炭化水素のフッ化水素によるフッ素化
生成物に対して行われる一般的な精製方法が適用でき
る。例えば、反応器より流出する目的生成物を含んだ有
機物と未反応フッ化水素と生成塩化水素などからなる反
応器流出ガスは水洗浄、塩基性溶液洗浄など、溶解度の
差を利用した分離、抽出分離または蒸留などにより塩化
水素、フッ化水素などの酸性ガスを除去した後、有機物
についてさらに精製蒸留することで目的とするフッ素化
プロパンを得ることができる。
【0022】例えば、原料を1,1,1,3,3−ペン
タクロロプロパンとする場合、1,1,1,3,3−ペ
ンタフルオロプロパン、1,3,3,3−テトラフルオ
ロプロペン、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプ
ロペンなどを含む反応器流出ガスは、塩化水素、フッ化
水素、有機物混合物(この例ではフッ化水素と有機物は
互いに溶解している。)中のフッ化水素を硫酸等に吸収
し、続いて塩化水素を水等に吸収分離し、洗浄乾燥後、
蒸留分離等で精製する。
【0023】以下に、実施例をもって本発明をより詳細
に説明するが、これらの実施態様に限られるものではな
い。実施例および表において有機物組成の「%」はガス
クロマトグラムの「面積%」である。
【0024】
【実施例】[触媒調製例1]1リットルガラス製フラス
コに、表面積1200m2/g、細孔径18オングスト
ロームの粒状椰子殻炭(武田薬品工業製粒状白鷺GX、
4〜6メッシュ)0.2リットルを入れ130〜150
℃に加温した後真空ポンプにより減圧し水分を除去し
た。水分の留出が認められなくなった時点でフラスコ内
に窒素を導入して常圧とし、100gの五塩化アンチモ
ンを滴下ロートにて1時間にわたり撹拌しながら活性炭
層に導入した。五塩化アンチモンを含浸した活性炭は約
1時間、150℃に保持して熟成した。 [実施例1]電気炉を備えた円筒形反応管からなる気相
反応装置(反応器:SUS316L製、直径2.5c
m、長さ30cm)に気相フッ素化触媒として触媒調製
例1で調製した触媒を100ミリリットル充填した。約
160ミリリットル/分の流量で窒素ガスを流しながら
反応管の温度を80℃に上げ、そこでフッ化水素を約
0.2g/分の速度で窒素ガスに同伴し、そのまま反応
管温度を100℃まで昇温し1時間保った。次に反応管
温度を180℃に上げ、窒素ガスの供給を停止しフッ化
水素の供給速度を0.67g/分とし、塩素を1.5m
g/分の速度で、1,1,1,3,3−ペンタクロロプ
ロパンを予め気化させて0.46g/分の速度で反応器
に供給した。
【0025】反応開始2時間後には反応は安定したの
で、反応器から流出する生成ガスを水中に吹き込み塩化
水素、フッ化水素などの酸性ガスを除去した後、ドライ
アイス−アセトン−トラップで捕集した。捕集した有機
物をガスクロマトグラフィーで分析した結果を表1に示
した。
【0026】
【表1】
【0027】PCP:1,1,1,3,3−ペンタクロロプ
ロパン CTFP(t):1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペ
ン(トランス) CTFP(c):1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペ
ン(シス) PFP : 1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン TFP(t): 1,3,3,3−テトラフルオロプロペン
(トランス) TFP(c): 1,3,3,3−テトラフルオロプロペン
(シス) TeFP: 3−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロ
プロパン TiFP: 3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロ
プロパン [実施例2]実施例1の反応終了後、反応器の温度を室
温まで下げた。再び同様の準備段階の後、フッ化水素の
供給速度を0.16g/分とし、1,1,1,3,3−
ペンタクロロプロパンの代わりに3−クロロ−1,1,
1,3−テトラフルオロプロパンを0.32g/分の速
度で反応器へ供給した以外は実施例1と同様の反応操
作、回収操作、分析を行った。結果を表1に示す。
【0028】[実施例3]実施例7の反応終了後、反応器
の温度を室温まで下げた。再び同様の準備段階の後、フ
ッ化水素の供給速度を0.31g/分とし、1,1,
1,3,3−ペンタクロロプロパンの代わりに3,3−
ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパンを0.3
5g/分の速度で反応器へ供給した以外は実施例1と同
様の反応操作、回収操作、分析を行った。結果を表1に
示す。
【0029】
【発明の効果】本発明のフッ素化プロパンの製造法は、
ハロゲン化プロパン類のハロゲン−フッ素交換が効率的
に進行するためフッ素化プロパンの工業的製法として有
用である。特に、1,1,1,3,3−ペンタフルオロ
プロパンを製造するに当たって、入手の容易な1,1,
1,3,3−ペンタクロロプロパンを原料とし、連続的
に簡便な方法で1,1,1,3,3−ペンタフルオロプ
ロパンを製造できるので、工業的な製造法として有用で
ある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 19/14 C07C 19/14 19/16 19/16 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 金田 省三 埼玉県川越市今福中台2805番地 セントラ ル硝子株式会社化学研究所内 Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 BA08A BA08B BB08A BB08B BC20A BC24A BC26A BC26B BC49A BC53A BD04A BD04B BD12A BD12B BD13A BD14A BD15A CB69 DA01 FA02 FB06 FB77 4H006 AA02 AC30 BA10 BA11 BA12 BA13 BA14 BA37 BA55 BC13 BE01 EA02 4H039 CA51 CD10 CD20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) C3abc (1) (式中、Xはそれぞれ独立に塩素原子、臭素原子または
    ヨウ素原子を表し、aは1〜6、bは0〜6、cは1〜
    7の整数を表し、a+b+c=8である。)で表される
    ハロゲン化プロパンを気相でフッ素化触媒存在下フッ化
    水素でフッ素化して、一般式(2) C3jkl (2) (式中、Xはそれぞれ独立に塩素原子、臭素原子または
    ヨウ素原子を表し、jは1〜6、kは2〜7、lは0〜
    5の整数を表し、j+k+l=8である。)で表される
    フッ素化プロパンを製造する方法であって、触媒がアン
    チモン化合物を活性炭に担持した触媒であるフッ素化プ
    ロパンの製造方法。
  2. 【請求項2】アンチモン化合物が五ハロゲン化アンチモ
    ンまたは三ハロゲン化アンチモン(ハロゲンはフッ素、
    塩素、臭素またはヨウ素をいう)である請求項1記載の
    フッ素化プロパンの製造方法。
  3. 【請求項3】フッ素化触媒が、五ハロゲン化アンチモン
    と周期律表のIVa族、IVb族、Va族、Vb族また
    はVIb族の金属(アンチモンを除く)のハロゲン化物
    の組成がアンチモン50%以上(原子比)であるように
    活性炭に担持した触媒である請求項1記載のフッ素化プ
    ロパンの製造方法。
  4. 【請求項4】フッ素化触媒が、五ハロゲン化アンチモン
    と周期律表のIVa族、IVb族、Va族、Vb族また
    はVIb族の金属(アンチモンを除く)のハロゲン化物
    から選ばれた一種以上を実質的に水の不存在下において
    活性炭に担持した触媒である請求項1乃至3に記載のフ
    ッ素化プロパンの製造方法。
  5. 【請求項5】反応系中に一般式(1)で表されるハロゲ
    ン化プロパン100モルに対し0.1〜10モルの塩素
    を存在させることを特徴とする請求項1乃至4記載のフ
    ッ素化プロパンの製造方法。
  6. 【請求項6】一般式(1)で表されるハロゲン化プロパ
    ンおよび一般式(2)で表されるフッ素化プロパン類が
    メチレン基(−CH2−)を有することを特徴とする請
    求項1乃至5記載のフッ素化プロパンの製造方法。
  7. 【請求項7】一般式(1)で表されるハロゲン化プロパ
    ンが1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン、3,
    3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、3
    −クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、
    1,3,3−トリクロロ−1,1−ジフルオロプロパ
    ン、1,1,3,3−テトラクロロ−1−フルオロプロ
    パン1,1,3−トリクロロ−1,3−ジフルオロプロ
    パン、1,1,1−トリクロロ−3,3−ジフルオロプ
    ロパン、1,1,1,3−テトラクロロ−3−フルオロ
    プロパン、1−クロロ−1,1,3,3−テトラフルオ
    ロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,3−トリフル
    オロプロパンであり、一般式(2)で表されるフッ素化
    プロパンが1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパ
    ンであることを特徴とする請求項1乃至6記載のフッ素
    化プロパンの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012507604A (ja) * 2008-10-31 2012-03-29 ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド 1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパン及びフッ化水素の共沸混合物様組成物
CN108033871A (zh) * 2012-02-14 2018-05-15 霍尼韦尔国际公司 1,3,3,3-四氟丙烯的制备

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