空気入りタイヤは、未加硫ゴムからなるトレッド等の複数のタイヤ構成部材から構成され、これら各種部材を組み合わせてグリーンタイヤを成型し、加硫成型して所定形状に形成される。このグリーンタイヤの成型工程では、従来、各タイヤ構成部材を予め所定の断面形状等に形成しておき、それらを成型ドラム上で順次貼り合わせる等して成型するタイヤ成型装置が広く使用されている。この装置では、タイヤ構成部材、例えばゴム部材であるトレッドは、未加硫ゴムを押出機の口金の開口部から所定の断面形状に連続して押し出し、裁断等して所定形状に形成されるのが一般的である。
ところが、建設車両用ラジアルタイヤ(ORRタイヤ:Off the Road Radial Tire)を代表とする大型や超大型タイヤ等では、タイヤの大きさに比例して、トレッド全体の断面積も大きく、かつ長さも長くなり、その重量も重くなる結果、上記したようにトレッドを一体に形成するのが難しく、その取り扱いも困難になる。そのため、このような空気入りタイヤでは、その種類やサイズ等によっては、押出機の能力やグリーンタイヤの成型効率等の観点から、トレッドを一体に形成せずに、未加硫のシート状ゴムを積層して所定形状に形成することがある(特許文献1参照)。
図5は、このようにトレッドを形成して製造した従来の空気入りタイヤの構造を模式的に示すタイヤ幅方向の半断面図である。
この空気入りタイヤ80は、図示のように、一対のビードコア90(図では一方のみ示す)と、その間に亘ってトロイダル状に延びるカーカス91と、カーカス91の外周側に重ね合わせて配置された複数層(図では4層)のベルト92と、ベルト92の外周側に隣接して形成された、トレッド部81の外周面及び側面等を構成するトレッド(トレッドゴム)70等を備えている。
また、この空気入りタイヤ80では、グリーンタイヤの成型時に、カーカス91やベルト92等からなるグリーンケースの外周側に、所定厚さのシート状ゴム71を巻き付けて半径方向内側から外側(図では下側から上側)に向かって重ね合わせて積層することで、トレッド70(グリーントレッド)を所定の断面形状に形成している。その後、トレッド70を、加硫成型して各種溝等からなる所定のトレッドパターンを含む最終形状(製品形状)に成型する。
このようにシート状ゴム71を積層して形成されるトレッド70は、ラミネートトレッド、又は積層トレッドと呼ばれており、上記した未加硫ゴムを押出機の口金開口部から押し出して一体に形成する一体型のトレッドと区別される。また、このようにトレッド70及びグリーンタイヤを成型する成型(製造)方法は、ラミネーター製法又はラミネーション製法と呼ばれ、充分な成形能力の押出機を備えていない小規模のタイヤ生産工場等では、トラックやバス用等の重荷重用タイヤや乗用車用タイヤ等の、建設車両用タイヤ以外のタイヤの成型にも採用されることがある。
ところで、このようにトレッド70を形成したタイヤでは、積層したシート状ゴム71の幅方向(図では左右方向)の端部間や、タイヤ側面側(図では左面側)のトレッド70とサイドゴム93(又はタイヤケース)間に接着不良や剥離、又はベア等が発生し、ショルダ部82を中心とした不良が生じ易くなる傾向がある。同時に、シート状ゴム71の幅方向の端部の重なりによりトレッド70の側面側に段差が生じて、グリーンタイヤのショルダ部82に段差部が形成される結果、製品タイヤの同付近に外観不良やベア又は空隙等の欠陥が生じて、製品不良が発生し、或いは品質が低下する恐れもある。そのため、この従来の空気入りタイヤ80では、最外側に積層する最外側シート状ゴム72の幅を他のシート状ゴム71の幅よりも広く形成してトレッド70の側面側まで配置し、ショルダ部82の段差部を覆って上記した各問題の発生を抑制している。
しかしながら、この従来の空気入りタイヤ80では、最外側シート状ゴム72によりシート状ゴム71の端部及び段差部を覆い、タイヤ外表面側の段差の程度を軽減等できるものの、段差部は形成時の状態でグリーンタイヤ内に残留する。加えて、この段差部の凹凸に応じて、グリーンタイヤの外表面に凹凸が表出することがあり、これら内部の段差部や表面の凹凸等に起因して、この空気入りタイヤ80では、製品タイヤに外観不良や欠陥が発生し、製品不良や品質低下が起こる恐れがある。また、この空気入りタイヤ80では、積層したシート状ゴム71の端部間にエアが残留し、或いは端部付近のシート状ゴム71同士やサイドゴム93との接着力が不足して、それらの間に接着不良や剥離、又はベアや空隙等の欠陥が生じる恐れもある。
そこで、従来、グリーンタイヤの成型時に、シート状ゴム71の端部をロールにより押圧し、その付近に残留するエアを抜きつつ端部等同士を圧着して接着力を高めた後、その表面にカバーシート(カバーテープ)ゴムを貼り付けることが広く行われている。
図6は、特許文献に記載されたものではないが、この押圧に使用される従来のロール(押圧ロール)を示す模式図であり、図6Aはロールの軸方向から見た図を、図6Bはロールの半径方向から見た図を、それぞれ示している。
また、図7は、この従来の押圧ロールを使用してグリーンタイヤを成型する手順を模式的に示す斜視図である。
この従来の押圧ロール100は、図6に示すように、所定厚さの略円盤状をなし、軸芯位置に取り付けられた支持軸101により、軸線周りに回転自在に支持されている。また、この押圧ロール100は、略平歯車状に形成されたギア状ロールであり、その外周面に、半径方向外側に向かって突出する突起100Aが周方向に所定間隔で複数配置されている。
この押圧ロール100を使用してグリーンタイヤ75を成型するときには、図7Aに示すように、まず、膨出等させて形成したグリーンケース76を回転(図7Aの矢印K)させ、その外周側に未加硫のシート状ゴム71を巻き付けて積層する。また、押圧ロール100の外周面の突起100A(図7Aでは示せず)を、グリーンタイヤ75の側面側から、シート状ゴム71の幅方向の端部に所定の力で押し付け、その段差部71Dを押圧しながら形成されるトレッド70の側面に沿って移動させる。この押圧ロール100による押圧を、トレッド70の両側面側の両段差部71Dの略全体に亘って行い、シート状ゴム71の両端部付近に残留するエアを抜きつつ端部等同士を押圧して圧着(接着)し、トレッド70を形成する。
次に、図7Bに示すように、形成されたトレッド70の側面側に、ゴム用セメント(例えばPC(プレキュアセメント))等の接着剤110を刷毛で塗る等して、段差部71Dの全体及び、その周辺部分に接着剤110を塗布する。続いて、図7Cに示すように、接着剤110を塗布した部分に、所定厚さのカバーシートゴム111を重ね合わせて配置して、段差部71Dの全体を覆うようにトレッド70の側面側に貼り付ける。次に、回転自在な略円盤状のステッチャーロール120の外周面を、カバーシートゴム111の外面に押し付け、グリーンタイヤ75を回転(図7Cの矢印K)させてカーバーシートゴム111をステッチングする。
その際、ステッチャーロール120をグリーンタイヤ75の外面に沿って移動させて、カバーシートゴム111の全体を、ステッチャーロール120の外周面で押圧してステッチングする。このカバーシートゴム111の貼り付け及びステッチングをグリーンタイヤ75の幅方向の両側で行い、カバーシートゴム111を、段差部71Dを含むトレッド70の側面側の全体に接着して配置し、グリーンタイヤ75を成型する。
以上のグリーンタイヤ75の成型時に、この従来の押圧ロール100(図6参照)は、シート状ゴム71の端部等同士の接着や残留エア抜き等を主目的に使用され、外周面に形成された突起100Aにより端部の接着力を向上させる効果等を高めている。即ち、この押圧ロール100は、主に突起100Aでシート状ゴム71の段差部71D側を押圧して、シート状ゴム71の端部等に対する押圧力を大きくし、この強い力(圧力)で押圧して、シート状ゴム71の端部付近に残留するエアをより確実に排出させつつ端部等同士の接着力を高めている。
しかしながら、この従来の押圧ロール100では、シート状ゴム71の端部側の接着力等を向上させる効果はあるものの、段差部71Dの凸部を磨り潰す等して段差の程度を小さくする効果は極めて小さく、押圧後の段差部71Dは、ほぼ押圧前の状態に維持される。そのため、このように形成された空気入りタイヤでは、上記した従来の空気入りタイヤ80と同様に、製品不良が発生したり、或いは品質が低下する恐れがある。加えて、この押圧ロール100を使用したタイヤ成型方法(図7参照)では、カバーシートゴム111の分だけ予め準備する部材数が増加するとともに、その貼り付けに要する作業、即ち、接着剤110の塗布やカバーシートゴム111の貼り付け、及びそのステッチング等に多大な手間や工数が必要である。また、グリーンタイヤ75の成型毎に、貼り付け作業に所定の時間(例えば1つのグリーンタイヤ75の成型に2.5分程度)が必要であり、それらに応じてタイヤ製造の生産性が低くなるという問題もある。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のタイヤ成型装置は、所定厚さのシート状ゴムを、回転するグリーンケースに巻き付け及び積層してゴム部材を形成し、グリーンタイヤを成型するためのものである。以下では、図5に示す従来の空気入りタイヤ80と同様に、シート状ゴムを積層してタイヤ構成部材であるトレッドを所定形状に形成する場合を例に採り説明する。
図1は、本実施形態のタイヤ成型装置の構成を示す正面図であり、成型するグリーンタイヤの半径方向から見たタイヤ成型装置の要部を模式的に示している。
このタイヤ成型装置1は、図示のように、軸線周りに回転可能な支持体2と、支持体2を回転させる回転駆動手段10と、支持体2の幅方向の両外側(図では左側の一方側のみ示す)に配置されたロール21等からなるシート状ゴム71の押圧装置20と、を備えている。
なお、このロール21を備える押圧装置20は、支持体2を挟んだ逆側(図では右側)にも略対称な状態で配置されているが、これら両押圧装置20は同様に構成され、支持体2を挟んで左右対称に作動等するため、以下では図示の一方側の押圧装置20について詳細に説明する。
支持体2は、外面側にグリーンケース76やグリーンタイヤ75を着脱可能に装着等して支持するための、例えば拡縮可能な成型ドラムや支持リング等であり、外面側に配置されるグリーンケース76やグリーンタイヤ75とともに、それらの形状を維持した状態で軸線周りに一体に回転する。
回転駆動手段10は、略水平方向(図では左右方向)に延びる回転軸11と、回転軸11を軸線周りに回転させるための駆動部12等からなり、回転軸11の一端側(図では右端側)が駆動部12に連結されて回転可能に支持されている。この駆動部12は、内部に、図示しない電動モータ等の駆動源や、その回転動力を回転軸11に伝達する複数の歯車又は伝動ベルトとプーリー等を有し、駆動源からの回転動力を伝達して回転軸11を軸線周りに所定速度で回転させる。また、この回転駆動手段10の回転軸11の先端側(図では左端側)には、支持体2が略同芯状に取り付けられ、回転駆動手段10は、回転軸11を介して支持体2を軸線周りに回転させる。
ここで、図1に示す例では、支持体2の外面にグリーンケース76及び成型途中のグリーンタイヤ75が配置された状態のタイヤ成型装置1を示しており、タイヤ成型装置1は、それらを膨出等させた所定形状で支持体2により支持している。また、このグリーンケース76は、例えば略円筒状のバンド成型ドラムの外周面にカーカス等を巻回して円筒状のバンドを成型し、その両端側に一対のビードコアを装着してバンド端部を折り返した後、バンドを他の成型ドラム(シェーピングドラム)に乗せ変えて略トロイダル状に膨出(シェーピング)させ、その外周側にベルトを貼り付ける等、周知の工程を経て形成される。
即ち、グリーンケース76は、その形成手順や方法等を問わず、カーカスやベルト等の未加硫のタイヤ構成部材からなる、膨出等させた成型途中のグリーンタイヤ75であり、上記したように形成されて支持体2に装着され、又は支持体2(この場合は成型ドラム)上で同様にして形成される等して、支持体2の外面側に配置される。なお、支持体2は、グリーンタイヤ75の種類や成型方法によっては、成型するグリーンタイヤ75の形状に対応した略トロイダル状の外面形状を有する剛体コアでもよく、この場合には、支持体2の外面にタイヤ構成部材が順次配置等されてグリーンケース76が形成される。
本実施形態のタイヤ成型装置1は、上記した従来の空気入りタイヤ80やグリーンタイヤ75(図5、図7参照)と同様に、このグリーンケース76を支持体2と一体に回転させ、その外面側(ここでは外周面)に、供給装置(図示せず)から供給される所定厚さのシート状ゴム71を巻き付けて巻回する。このように巻回されるシート状ゴム71は、例えばカレンダーロール(圧延ロール)を有するシーティング(カレンダー)装置により未加硫ゴムをシート状に圧延し、その幅が巻回に必要な幅になるように幅方向の両端部を切断する等して、所定幅の連続したシート状に形成される。
タイヤ成型装置1は、このシート状ゴム71を、グリーンケース76に巻き付けながら、外周面に複数の錐状部材を有する回転自在な押圧ロール(図示せず)により半径方向外側から押圧して圧着し、所定回数巻回(図では複数回巻回した状態を示している)する。これにより、シート状ゴム71を、タイヤ半径方向内側から外側に向かって順次積層してトレッド70を所定形状に形成する。
以上のようにシート状ゴム71を積層すると、上記したように、積層されたシート状ゴム71の幅方向の端部の重なりにより、その厚さやずれ幅等に応じた階段状等の段差部71Dが形成されて端部側の表面が不連続になり、ここでは、トレッド70の側面側(ショルダ部82側)の表面に、端部間の段差による段差部71Dが形成される。本実施形態のタイヤ成型装置1では、このトレッド70側面側の外面に押圧装置20のロール21を押し付け、ロール21により、形成された段差部71D及び、その周辺のシート状ゴム71の端部側を押圧しつつ、端部の角部付近等に形成される段差部71Dの凸部の磨り潰しも行う。
従って、押圧装置20は、シート状ゴム71の端部の押圧手段であり、かつ段差部71Dの凸部の磨り潰し手段でもあり、ロール21の外周面を、それらに接触させて押圧及び磨り潰しを行うための押圧面21A(磨り潰し面)に形成している。また、押圧装置20は、このロール21に加えて、ロール21の軸芯位置に一端側(図では上端側)が取り付けられた支持軸22と、支持軸22の他端側(図では下端側)を保持する保持部23と、保持部23を移動させる移動手段(図示せず)と、を備えている。
支持軸22は、略円柱状又は円筒状をなし、ベアリング等の軸受け部材(図示せず)を介してロール21が同芯状に取り付けられて、ロール21を軸線周り(周方向)に回転自在に支持している。また、支持軸22は、例えば首振り自在に連結する連結部材や、支持軸22の首振り変位を案内するガイド部材等を介して保持部23に連結され、グリーンケース76(グリーンタイヤ75)の軸方向及び半径方向(図では、それぞれ左右及び上下方向)を含む平面内で首振り可能に保持されている。支持軸22は、この保持部23への連結部を中心に回動(図1の矢印T)し、その軸方向が垂直方向(図では上下方向)に対して、グリーンケース76側(図では右側)及び、その逆側(図では左側)に倒れるように首振り変位して、両方向の所定角度間に亘って傾斜可能に構成されている。
一方、保持部23は、支持軸22を上記したように首振り変位させる変位手段(図示せず)を有し、これにより支持軸22を変位させるとともに、その軸方向の垂直方向に対する角度を変更して所定角度や状態に維持するようになっている。この変位手段は、支持軸22を前記変位方向の両方向に往復変位させる、例えば、ピストン・シリンダ機構等の駆動手段及び、そのピストンロッドの先端を支持軸22に回動自在に連結し、ピストン・シリンダ機構の直線運動を支持軸22に伝達して変位させる連結部材からなるリンク機構等、周知の変位機構である。
保持部23は、この変位手段(角度変更手段)により、支持軸22を首振り変位させて軸方向の角度を変更し、その先端側に設けられたロール21の傾き角度及び、ロール21の押圧面21Aをシート状ゴム71の段差部71Dに接触させる接触角度を変更する。この接触角度は、接触位置の段差部71D(トレッド70側面側の外面)に対する押圧面21Aの角度でもあり、保持部23は、変位手段によりロール21の押圧面21Aの角度を変更して、その段差部71Dに対する押圧及び磨り潰し状態等を変化させる。ここでは、これら互いに接触する両面共に全体として湾曲する湾曲面であるため、それらの角度は接触位置における両面間の全体的な角度である。
加えて、この押圧装置20では、保持部23を、支持体2及び回転軸11の軸方向に略平行(図では左右方向)に配置されたレール等の案内部材(図示せず)に摺動可能に係合させる等して、同方向に移動可能(図の矢印H)に構成し、かつ、その方向に略直交する垂直方向(図では上下方向)にも移動可能(図の矢印V)に構成している。また、押圧装置20は、保持部23を、これら各方向にそれぞれ移動させるための移動手段(以下、それぞれ横移動手段及び上下移動手段という)(図示せず)を有し、各移動手段を保持部23に接続している。
これら各移動手段には周知の手段(移動機構)を使用でき、横移動手段としては、例えばラック、ピニオン、及びステッピングモータ等からなる直線移動機構や、ボールネジやボールスプライン等からなるネジ作用を利用して移動させる直線移動機構等を使用することができる。一方、上下移動手段としては、例えば空気圧式や油圧式のピストン・シリンダ機構を使用でき、この場合には、保持部23及び前記横移動手段の全体が設置された板状部材に、垂直方向に配置した複数のピストン・シリンダ機構を取り付け、それらを連動して作動させる等して保持部23を上下の両方向に移動させる。
保持部23は、これら両移動手段により、支持軸22及びロール21の傾き角度を所定角度に維持した状態で両方向に移動し、ロール21を、グリーンケース76(グリーンタイヤ75)の幅方向(軸方向)に略平行に移動(図の矢印H)させ、又はグリーンケース76の半径方向に略平行に移動(図の矢印V)させる。押圧装置20は、この保持部23の移動により、ロール21のグリーンケース76に対する幅方向及び半径方向位置をそれぞれ決定し、ロール21をグリーンケース76に対して所定位置に配置する。また、ロール21の押圧面21Aを、シート状ゴム71の段差部71D等に接近及び離間させ、かつ、押圧面21Aを段差部71Dに所定の力で押し付けつつ外面に沿って移動させる。
押圧装置20は、この保持部23の各移動手段と、上記したロール21の傾き角度を変更させる支持軸22の変位手段により、ロール21を移動又は、その段差部71Dへの接触角度を変更し、グリーンケース76やシート状ゴム71の幅、又は形成される段差部71Dの幅方向位置、或いは段差部71D付近の傾斜角度(グリーンケース76の半径方向に対する傾斜角度)等に応じて、ロール21及び押圧面21Aを、上記した押圧及び磨り潰しが適切に行える位置及び角度に調節する。また、本実施形態のタイヤ成型装置1では、ロール21の押圧面21Aを、シート状ゴム71の端部を押圧可能な形状に、かつ、段差部71D(凸部)のゴムを磨り潰し可能な表面性状に形成し、その表面を段差部71Dの凸部等に接触させて押圧及び磨り潰しを行う。
図2は、このロール21及び支持軸22の一部を拡大して示す模式図であり、図2Aはロール21の半径方向から見た側面図であり、図2Bはロール21の軸方向から見た図2AのF方向矢視図である。
ロール21は、図示のように、押圧面21A(外周面)が、軸方向(幅方向)の略中央部の直径が大径に形成され、幅方向の両外側に向かってなだらかに縮径する、半径方向外側に向かって湾曲する凸曲面状に形成されている。これにより、押圧面21Aと、シート状ゴム71の端部及び段差部71D等のタイヤ外面との確実な接触を確保している。
また、ロール21は、この段差部71Dに接触して押圧する押圧面21Aを、段差部71Dの凸部に対する磨り潰し効果が高い微小(微細)な凹凸面等の粗面(図では格子状のハッチングで示す)に形成し、この粗面部分で段差部71Dを押圧しつつ、その凸部を磨り潰すようになっている。即ち、ロール21の押圧面21Aは、少なくとも表面が、接触するゴムよりも硬い各種の金属やセラミックス等の材料からなり、その略全体に亘って、段差部71Dの凸部を摩耗させて、その磨り潰しを促す微小な突起や凹凸が形成され、ローレット状やバフ状等の粗面に形成されている。
この粗面は、例えば押圧面21Aに、超硬合金チップを焼結して微小な突起等を有する粗い表面状態にしたり、又は、金属やセラミックスを同様の状態に溶射する等して形成される。或いは、粗面は、押圧面21Aに、ローレット加工や微細溝加工等の微小な凹凸を形成する機械的な粗面加工を施す等して形成される。ロール21は、この粗面により、押圧面21Aのゴムに対する摩擦力を高くするとともに、ゴムへの食い込み作用を高め、段差部71Dの凸部のゴムを削り取って摩耗させる等して、凸部を効率的に磨り潰す。
加えて、このロール21は、内部が中空状に、又は内部に複数の空間が形成される等、内部に1又は複数の空洞が設けられて軽量化が図られるとともに、押圧面21Aに、内部の空洞に連通する複数の孔21H(ここでは略楕円状の小孔)が、表面の略全体に亘って所定のパターンで形成されている。また、この押圧装置20では、ロール21の押圧面21Aのロール軸方向(幅方向)の幅(図2AのW)を、280〜635mmの範囲内の幅に形成している。
更に、このロール21は、押圧面21Aに、押圧するシート状ゴム71にガス抜き用の孔を形成するための複数の突起物21Bを有する。この各突起物21Bは、錐状や針状、或いは細長い円錐状又は角錐状や先の尖った棒状等の先端に向かって細くなる部材であり、ロール21の半径方向外側に向かって先細り状に延びるように形成されている。ロール21は、押圧面21Aで上記した押圧及び磨り潰し等を行いつつ、この複数の突起物21Bにより、積層したシート状ゴム71の端部間及び、グリーンタイヤ75内に残留するエア等のガスを抜くための小孔を、押圧する段差部71Dや、その周囲のシート状ゴム71等に形成する。また、ここでは、ロール21の幅方向の略中央部に、同位置の押圧面21Aに嵌合可能なリング状部材21Cが嵌合されて係止されており、複数の突起物21Bは、リング状部材21Cの外周面に、その半径方向外側に向かって突出し、かつ周方向に所定間隔を開けて略等間隔に形成されている。
以上に加えて、このタイヤ成型装置1は、装置全体の制御を行う制御装置30(図1参照)を備えている。制御装置30は、例えば、各種のデータ処理や解析、演算等を行うマイクロプロセッサ(MPU)等の演算手段32や、各種プログラムを格納したROM、処理のための一時的なデータの保存等を行うRAM等の記憶手段33を備えたマイクロコンピュータ31、及び外部機器との接続のためのインターフェース34等からなる。
また、制御装置30は、インターフェース34を介して回転駆動手段10(駆動部12)や、押圧装置20の備える上記した支持軸22の変位手段や、保持部23の各移動手段(図示せず)等の装置各部や各種センサ等に接続され、それらとの間で駆動・停止指令等の各種データを送受信する。これにより、制御装置30は、回転駆動手段10や押圧装置20を含めた装置全体の制御を行い、所定のプログラムに基づいて接続された各部を予め設定されたタイミングで作動させる等、装置各部を連動して作動させて、シート状ゴム71の積層や、ロール21による段差部71Dの押圧及び磨り潰し等、グリーンタイヤ75の各成型動作等を実行させる。
更に、この制御装置30は、記憶手段33に、押圧(磨り潰し)開始時のロール21や押圧面21Aの傾き(接触)角度(以下、初期角度という)、グリーンケース76に対する幅方向及び半径方向位置(以下、初期位置という)、又は、押圧動作中におけるロール21の角度の変更や移動パターン等、ロール21の押圧動作に関するデータを記憶しており、このデータ等に基づいて、装置各部を作動させてロール21による押圧等を実行させる。このデータは、成型するグリーンタイヤ75のタイヤサイズや種類、又はグリーンケース76やシート状ゴム71の幅、又は形成される段差部71Dの幅方向位置、或いは段差部71D付近の傾斜角度等に応じて、ロール21による適切な押圧及び磨り潰しが行えるように予め設定されて記憶手段33に記憶される。
次に、本実施形態のタイヤ成型装置1により、シート状ゴム71をグリーンケース76に積層等してグリーンタイヤ75を成型する手順等について説明する。
図3は、このグリーンタイヤ75の成型手順を示すフローチャートである。
なお、このタイヤ成型装置1は、上記したように支持体2を挟んだ両側に押圧装置20を備えており、制御装置30により制御して、両押圧装置20を連動して作動させて押圧等を実行させるが、その動作等は支持体2を挟んで略対称であるため、以下では、押圧装置20に関しては図1に示す一方側のみ説明する。また、グリーンケース76を形成する等して支持体2の外面側に配置するまでの手順や工程は、上記したように従来と同様であるため、以下では、シート状ゴム71の積層時からの成型手順について説明する。
このタイヤ成型装置1(図1参照)では、シート状ゴム71の積層を開始する前に、まず、成型するグリーンタイヤ75の種類やタイヤサイズ等の制御装置30へ入力されるタイヤデータに基づいて、記憶手段33から成型するグリーンタイヤ75に関して予め設定されたロール21の押圧動作等に関するデータを読み出し、そこから前記初期角度及び初期位置データを取得する。この取得した各データに基づき、押圧装置20を駆動してロール21の傾き角度を初期角度に変更するとともに、その位置を移動させて初期位置に位置決めし、ロール21を成型するグリーンタイヤ75に応じた角度及び位置に調節する(図3、S101)。その際、このタイヤ成型装置1では、ロール21をグリーンケース76の幅方向に移動(図1の矢印H)させて幅方向位置を位置決めし、グリーンケース76に対して、その半径方向外側(図1では下側)に離れた位置に配置する。
次に、供給装置(図示せず)から供給されるシート状ゴム71の長手方向の先端部を、グリーンケース76の所定位置に配置して貼り付け、回転駆動手段10により支持体2を回転させて、グリーンケース76を所定速度で軸線周りに回転させる。この回転速度に連動してシート状ゴム71を供給し、回転するグリーンケース76の外面側にシート状ゴム71を巻き付けて巻回し、タイヤ半径方向外側に向かって順次積層する(図3、S102)。
この積層開始に合わせて、ロール21をグリーンケース76の半径方向内側(図では上側)に向かって移動(図1の矢印V)させ、ロール21の押圧面21Aを、積層されるシート状ゴム71の幅方向の端部に接近させて接触させ、所定の力で押し付ける。これにより、積層されたシート状ゴム71の幅方向の端部の重なりによりトレッド71の側面側(ショルダ部82側)に形成された段差部71D及び、その周辺にロール21(押圧面21A)を押し付け、シート状ゴム71の端部側を中心に押圧する(図3、S103)。
この押圧時に、ロール21は、グリーンケース76の回転により接触部から受ける力で軸線周りに回転し、シート状ゴム71の端部側を押圧面21Aで回転しながら押圧する。また、タイヤ成型装置1は、シート状ゴム71の積層位置や幅の変化等に応じて、その端部をロール21の押圧面21Aにより常に押圧する状態を維持するように、ロール21をグリーンケース76の半径方向及び幅方向に移動させ、シート状ゴム71の積層に合わせて形成される段差部71D及び端部側を順次押圧する。これにより、シート状ゴム71の端部とグリーンケース76間、及び端部同士の間等に残留するガスを抜きつつ端部等同士を全体に亘って押圧して圧着(接着)する。
以上の押圧と同時に、タイヤ成型装置1は、粗面状に形成されたロール21の押圧面21Aで押圧する段差部71Dの凸部を磨り潰し(図3、S104)、段差部71D(凸部)を消滅、又は段差の程度を小さくして、積層されたシート状ゴム71の端部側をより滑らかな面に形成する。また、ロール21の押圧面21Aに設けられた複数の突起物21Bにより、押圧する段差部71D及び、その周囲のシート状ゴム71に、ガス抜き用の孔を形成する(図3、S105)。
タイヤ成型装置1は、このように段差部71Dの押圧等を行いながらシート状ゴム71を積層し、その積層完了に合わせて、又は積層完了前後の所定のタイミングで、ロール21をグリーンケース76の半径方向外側(図1では下側)に移動させて、押圧面21Aをグリーンタイヤ75に接触しない位置まで離間させる。このようにしてシート状ゴム71の積層によりゴム部材(ここでトレッド70)を所定形状に形成(図3、S106)等し、グリーンタイヤ75を成型する。その後、支持体2からグリーンタイヤ75を取り外して加硫成型装置に搬送し、グリーンタイヤ75を加硫成型して所定形状及び性能の製品タイヤが製造される。
以上説明したシート状ゴム71の積層及び押圧時に、このタイヤ成型装置1では、ロール21の押圧面21Aを磨り潰し効果が高い粗面に形成したため、シート状ゴム71の段差部71Dを押圧すると同時に、その凸部を摩耗等させて効率的に磨り潰すことができる。これにより、押圧する段差部71D付近の残留ガスを抜きながらシート状ゴム71の端部側を強固に接着できるため、接着不良や剥離、ベア等の欠陥の発生を抑制することができる。同時に、段差部71Dを消滅又は縮小させて滑らかな面に形成できるため、段差部71Dに起因する上記した製品タイヤの外観不良やベア、又は空隙等の欠陥、及び製品不良の発生を抑制でき、その品質を向上させることができる。
加えて、本実施形態では、このように段差部71Dを磨り潰す結果、従来のように段差部71Dにカバーシートゴム(図7参照)を貼り付けなくても、上記した各効果により、製品不良の発生や品質低下等を充分に抑制でき、シート状ゴム71の端部側へのカバーシートゴムの貼り付けを廃止することができる。これに伴い、グリーンタイヤ75の構成部材数、及び予め準備する部材数を減少できるとともに、従来必要であったカバーシートゴムの製造や貼り付け等に要する作業や手間、及び工数や時間等を削減でき、タイヤ製造の生産性を向上させることができる。また、ここでは、ロール21により押圧と磨り潰しを同時に行うため、上記した押圧ロール100(図6参照)による押圧作業(図7参照)に比較して、その作業に要する時間や工数等が増加せず、生産性の低下を防止することができる。
従って、本実施形態によれば、シート状ゴム71の積層により形成したトレッド70の幅方向の端部にカバーシートゴムを貼り付けずにグリーンタイヤ75を成型でき、タイヤ製造の生産性を向上できるとともに、製品タイヤに不良が発生するのを抑制して品質を向上させることができる。
また、このタイヤ成型装置1では、ロール21をグリーンケース76の幅方向等に移動可能に構成し、押圧装置20に、保持部23及びロール21を各方向に移動させる上記した移動手段を設けたため、グリーンケース76や成型するグリーンタイヤ75の幅や、積層するシート状ゴム71の端部位置の変化に対応して、ロール21により段差部71Dを確実かつ正確に押圧して磨り潰すことができる。その際、ロール21の傾き角度、及び押圧面21Aを段差部71Dに接触させる接触角度を変更可能にし、段差部71Dの傾斜角度等に応じて変更するため、段差部71Dに対する押圧及び磨り潰しを適切に行うことができる。
これに伴い、成型するグリーンタイヤ75のサイズ(例えば大型又は超大型)等に合わせて、ロール21を交換等する必要がなく、1つのロール21により複数種類のグリーンタイヤ75に対応することができる。その結果、従来よりも小さいサイズのものも押圧できる等、成型するグリーンタイヤ75に対するロール21の使用(適用)可能範囲を拡大することもできる。同時に、グリーンタイヤ75の種類等毎の段差部71Dの傾斜角度や位置の違い等に合わせて、ロール21の押圧面21Aの各段差部71Dに対する接触角度や位置を変更するため、押圧面21Aを、それぞれの段差部71Dに的確にフィットさせることができ、グリーンタイヤ75の種類等毎に、磨り潰し効果に差が生じるのを防止して略一定かつ均一に維持することができる。
ここで、本実施形態では、ロール21の押圧面21Aに複数の突起物21Bを設けたが、押圧面21Aに突起物21Bを設けずに、段差部71Dの押圧及び磨り潰しのみを行うようにしてもよい。ただし、押圧面21Aに突起物21Bを設けた場合には、段差部71Dの押圧等と同時に、突起物21Bによりシート状ゴム71にガス抜き用の孔を形成することができる。その結果、工数等を増加させることなく、シート状ゴム71の端部付近に残留するガスをより確実に排出させることができ、製品タイヤに不良が発生するのをより確実に抑制して、その品質を一層向上させることができる。
また、このタイヤ成型装置1のように、ロール21の内部に空洞を設けた場合には、ロール21の重量を減らして軽量化できるため、空洞を設けていない重いロールに比べて、動作圧が低減する等して、シート状ゴム71の端部等との接触状態を安定に維持することができる。その結果、押圧及び磨り潰しを正確に実施できるとともに、ロール21の移動や押し付け等のために消費するエネルギーを低減できるため、上記した生産性をより向上させることもできる。
更に、ロール21の押圧面21Aの幅W(図2A参照)は、成型するグリーンタイヤ75のサイズや段差部71Dの段差の程度等に合わせて、シート状ゴム71の端部側の押圧及び段差部71Dの磨り潰しを適切に行える幅に形成すればよいが、この幅Wは、280〜635mmの範囲に形成するのが望ましい。このようにすることで、ロール21に、充分な押圧や磨り潰しの効果を確保しつつ、押圧面21Aの段差部71D付近に対する充分な接触面積も確保でき、ロール21による押圧や磨り潰しを無駄なく効率的に行うことができる。その結果、上記したロール21に空洞を設けることと合わせて、さらに消費エネルギーの低減や生産性の向上を図ることができる。
なお、本実施形態では、シート状ゴム71を積層しながら、その端部側をロール21により押圧等したが、シート状ゴム71の積層を完了させた後、続けて、ロール21により押圧等を行うようにしてもよい。また、この押圧時に、ロール21の傾き角度は、押圧完了まで上記した初期角度の状態を維持させてもよく、押圧位置の段差部71Dの傾斜等に応じて順次変更するようにしてもよい。
(タイヤ成型及び製造試験)
本発明の効果を確認するため、以上説明した本実施形態のタイヤ成型装置1(図1〜図3参照)(以下、実施例という)と、シート状ゴム71の端部側を押圧するロールが異なる従来のタイヤ成型装置(以下、従来例という)と、によりグリーンタイヤ75を成型し、段差部71Dの状態を比較した。その際、従来例では、ギア状に形成された従来の押圧ロール100(図6参照)によりシート状ゴム71の端部側の押圧を行い、実施例では、本実施形態のロール21(図2参照)により従来例と略同じ位置を押圧(磨り潰し)してトレッド70を形成した。
図4は、実施例のグリーンタイヤ75のショルダ部82付近(図1のG領域)を拡大して示す模式図であり、図4Aは図1に対応する正面図を、図4Bは図4Aの矢印X方向(タイヤ幅方向外側)から見た側面図を、それぞれ示している。また、図では、各シート状ゴム71間の境界を点線で示している。
従来例のグリーンタイヤ75では、図示は省略するが、シート状ゴム71の端部側を押圧ロール100により押圧しても、段差部71Dは磨り潰されずに、段差の程度や形状等はほぼ押圧前の状態であった。これに対し、実施例のグリーンタイヤ75では、図示のように、段差部71Dがロール21により磨り潰されてほぼ消滅し、積層されたシート状ゴム71の端部側が、より滑らかな面(図では格子状のハッチングで示す)に形成されていた。また、シート状ゴム71には、ロール21の突起物21Bが差し込まれて、端部側からタイヤ内側に向かうガス抜き用孔71Hが、端部側の略全体に亘って複数形成されていた。
また、このようにして2種類のグリーンタイヤ75をそれぞれ複数個ずつ成型した後、加硫成型して建設車両用ラジアルタイヤを製造し、製品タイヤの段差部71Dに対応する位置(ショルダ部82)に発生する製品不良の割合を比較評価した。その際、従来例では、シート状ゴム71の段差部71Dを押圧ロール100により押圧した後、その表面にカバーシートゴム(図7参照)を貼り付けてグリーンタイヤ75を成型した。一方、実施例では、段差部71Dは磨り潰した状態のままで、カバーシートゴムの貼り付け等は行わずにグリーンタイヤ75を成型した。また、タイヤ成型時には、グリーンタイヤ75の成型に要する各作業時間も比較した。
その結果、実施例では、従来例に対して、2種類のタイヤで共に不良率が低くなり、ショルダ部82の不良発生率を、それぞれ58%及び46%低減できた。これより、実施例では、製品タイヤに不良が発生するのを大幅に抑制して不良発生数(率)を約半分程度に低減でき、その品質を向上できることが分かった。また、実施例では、従来例よりも1日当たりの作業時間を平均して約185分程度短縮でき、生産性を向上できることも分かった。
以上の結果から、本発明により、シート状ゴム71の積層により形成したトレッド70の幅方向の端部にカバーシートゴムを貼り付けずにグリーンタイヤ75を成型でき、タイヤ製造の生産性を向上できるとともに、製品タイヤに不良が発生するのを抑制して品質を向上できることが証明された。
1・・・タイヤ成型装置、2・・・支持体、10・・・回転駆動手段、11・・・回転軸、12・・・駆動部、20・・・押圧装置、21・・・ロール、21A・・・押圧面、21B・・・突起物、21C・・・リング状部材、21H・・・孔、22・・・支持軸、23・・・保持部、30・・・制御装置、31・・・マイクロコンピュータ、32・・・演算手段、33・・・記憶手段、34・・・インターフェース、70・・・トレッド、71・・・シート状ゴム、71D・・・段差部、71H・・・ガス抜き用孔、75・・・グリーンタイヤ、76・・・グリーンケース、82・・・ショルダ部。