JP5705572B2 - 空気入りタイヤ製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Description
この空気入りタイヤの製造工程において、ステッチングロールによるベルト及びトップの貼り付け工程では、前記のようにステッチングロールを移動させつつステッチングを行うが、生タイヤのショルダ部は生タイヤの傾斜に対応した傾斜角を備えたステッチングロールが用いられる。
ステッチングは、支持軸9の両端に取り付けたステッチングロール8を成形ドラムと共に回転するタイヤ構成部材7(のトレッドゴム)に押し付け、ステッチングロール8の間隔を拡げつつ下降させて行う。それによって、図4Bに示すようにタイヤ中間体(グリーンケース)上にタイヤ構成部材7を貼り付け生タイヤGTを形成する。
図5Aはステッチングロール8の圧接領域の傾斜角度(当たり面角度)が相対的に鋭角である場合を、また、図5Bはステッチングロール8の当たり面角度が相対的に鈍角である場合を示している。
このように、従来は、タイヤ構成部材7の端部の傾斜角度、したがって、形成する生タイヤGTのトップ形状を考慮していずれかのステッチングロールの圧接領域8a、8bを選択して用いている。
これは、ステッチングロールの形状がタイヤ中間体1のトップ形状に合致していないと、ベルト及びトレッドゴムの接着性が悪くエア入りが発生したり、トレッドゴムに傷が入る、といった不具合を生じるからである。
しかし、生タイヤのトップ形状を考慮してステッチングロールを交換すると、ステッチングロールの交換作業には時間がかかり、その分ステッチングの作業負担が増大し、それが生産効率を低下させる要因となるという別の問題が発生する。
(2)本発明は、前記(1)に記載された空気入りタイヤ製造装置において、前記成形手段は、成形する前記生タイヤの形状に対応して前記ステッチングロールの位置調整を行う位置調整手段を有することを特徴とする。
(3)本発明は、空気入りタイヤ製造方法であって、成形ドラム上に配置されたタイヤ中間体の外周面にタイヤ構成部材を接着させて生タイヤを成形する成形工程、を備えた空気入りタイヤ製造方法であって、ステッチングロールに一体に備えられた径の異なる複数の圧接領域であって、前記径が小径側から大径側に行くに従って前記圧接領域の円錐面の傾斜角度が大きくなるよう設定されている前記圧接領域を、大径側から小径側に順に用いて、前記タイヤ構成部材を前記タイヤ中間体の外周面に対して押し付けながら接着させて生タイヤを成形する工程、を有することを特徴とする。
(4)本発明は、前記(3)に記載された空気入りタイヤ製造方法において、成形する前記生タイヤの形状に対応して前記ステッチングロールの位置調整を行う工程と、前記位置調整に基づき選択された圧接領域を押し付ける工程と、を有することを特徴とする。
図1は、従来のステッチングロールと本発明で使用するステッチングロールとを対比して示した側面図であって、図1Aは従来のステッチングロール、図1Bは本発明で使用するステッチングロールの側面図である。
従来のステッチングロールは既に述べたように、成形する生タイヤのトップ(ショルダ部)の形状(傾斜角度)に応じた異なる傾斜角度を備えたステッチングロールとして形成されている(ここでは、傾斜角θが40°と60°の2種が用意されている)。この2種のステッチングロールから成形する生タイヤのトップ形状に合わせて一つを選択して軸に取り付けてステッチングを行う。そのステッチングについては既に説明したとおりである。
即ち、ステッチングロール8は、断面略円錐台形状に形成されており、その中心軸に沿って支持軸9(図3)が回転可能に取り付けられている。ステッチングロール8の外周面がタイヤ構成部材(のトレッドゴム)7に押し付けられる圧接面となる。ステッチングロール8の圧接面には、回転軸である支持軸9に対して傾斜角度の異なる円錐面からなる2つの圧接領域8a、8bが形成されている。各圧接領域8a、8bの傾斜角度は、成形する生タイヤGTの形状に合わせて設定すればよく、例えば、小径側の圧接領域8aの円錐面の傾斜角度を40°、大径側の圧接領域8bの円錐面の傾斜角度を60°に設定する。ステッチングロール8はその小径側の圧接領域8aが内側に対向配置するように支持軸9の両端部に取り付けられている。
これにより、従来の単一の傾斜面を備えた1段式ステッチングロール(図4参照)に対して、ステッチングロール8の交換作業を要しないため、ステッチング作業、延いてはタイヤ製造能率が向上する。
即ち、図3は、前記ステッチングロールを用いた本タイヤ製造装置におけるステッチング動作を説明するための要部断面図であり、図3Aは小径の圧接領域を用いた場合を、また図3Bは大径の圧接領域を用いた場合を概略的に示した図である。
図3Aに示すように、成形ドラムの外周面には、インナーライナ、カーカス、一対のビードコア及びサイドトレッド等を組み合せた環状のタイヤ中間体(グリーンケース)1を保持するように取り付けられている。ここでタイヤ中間体1は、予め別の成形ドラムで成形された後取り外されて、成形ドラムに嵌合されて取り付けられる。成形ドラムには、図示していないが従来のものと同様に回転軸11を介して駆動装置10が連結されており(図4)、駆動装置10を回転駆動することで、成形ドラムが中心軸を中心に回転動作する。
ここで、タイヤ構成部材7は、例えば、2層のスチールベルト層と、そのタイヤ半径方向外側に配置されたスパイラルベルト層と、さらにそのタイヤ半径方向外側に配置されたトレッドゴムを積層して一体構成されている。
次に、駆動装置10を回転駆動して成形ドラムを回転させ、これによりタイヤ構成部材7がタイヤ中間体1とともに成形ドラムの中心軸を中心に回動し、タイヤ構成部材7(のトレッドゴム)の外表面にステッチングロール8を押し付け、その状態で下降させつつステッチングロール8を外側に開くことでステッチングを行う。これにより、タイヤ構成部材7がタイヤ中間体1に圧接されて接着するとともにトップ部分が所望の形状に形成された生タイヤGTが成形される。
成形された生タイヤGTは、加硫装置に搬送されて加硫成形されて、最終製品である空気入りタイヤが成形される。
なお、ステッチングロール8の位置調整については、例えば、支持軸9に対してステッチングロール8を軸方向に移動可能に取り付けて所望位置に位置調整した後にネジ等の固定手段により支持軸9に固定する。
このように複数の圧接領域から適切な圧接領域を選択する場合は、例えば、一対のステッチングロール8を位置調整してタイヤ構成部材7に対する各圧接領域の圧接状態を確認し、最も圧接状態の良好な圧接領域を選択するようにする。
なお、以上の実施形態では、いわゆる2段階成形方式で用いるグリーンケースをタイヤ中間体として説明したが、タイヤ中間体はこれに限らず、その他の成形方式によるもの、例えば成形ドラム上で各種のゴム部材を貼り付けて生タイヤを形成する場合の中間生成物、或いは更生タイヤ用の台タイヤなど、要は前記タイヤ構成部材を貼り付ける対象となるものを全て含み、本実施形態に係るステッチングロールを等しく適用可能である。
Claims (4)
- 成形ドラムと、前記成形ドラム上に配置されたタイヤ中間体と、前記タイヤ中間体の外周面にタイヤ構成部材をステッチングロールにより押し付けながら接着させて生タイヤを成形する成形手段と、を備えた空気入りタイヤ製造装置であって、
前記ステッチングロールは、前記タイヤ中間体の外周面に対して前記タイヤ構成部材を圧接する径の異なる複数の圧接領域を一体に備え、前記複数の圧接領域は、小径側から大径側に行くに従って当該ステッチングロールの前記圧接領域の円錐面の傾斜角度が大きくなるよう設定されていることを特徴とする空気入りタイヤ製造装置。 - 前記成形手段は、成形する前記生タイヤの形状に対応して前記ステッチングロールの位置調整を行う位置調整手段を有することを特徴とする請求項1に記載された空気入りタイヤ製造装置。
- 成形ドラム上に配置されたタイヤ中間体の外周面にタイヤ構成部材を接着させて生タイヤを成形する成形工程、を備えた空気入りタイヤ製造方法であって、
ステッチングロールに一体に備えられた径の異なる複数の圧接領域であって、前記径が小径側から大径側に行くに従って前記圧接領域の円錐面の傾斜角度が大きくなるよう設定されている前記圧接領域を、大径側から小径側に順に用いて、前記タイヤ構成部材を前記タイヤ中間体の外周面に対して押し付けながら接着させて生タイヤを成形する工程、を有することを特徴とする空気入りタイヤ製造方法。 - 成形する前記生タイヤの形状に対応して前記ステッチングロールの位置調整を行う工程と、前記位置調整に基づき選択された圧接領域を押し付ける工程と、を有することを特徴とする請求項3に記載された空気入りタイヤ製造方法。
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