JP2008132615A - 空気入りタイヤの製造装置及び製造方法 - Google Patents

空気入りタイヤの製造装置及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】剛体コアの外面に配置する一定長のプライコードを剛体コア外面に正確かつ確実に配置し、空気入りタイヤの品質を向上させる。
【解決手段】複数本のプライコードCを剛体コア21の全周に配置し、その端部を端部保持部材26で保持して剛体コア21の軸方向外側に配置する。次に、ビードコア82をビード成型部24に向かって移動させつつプライコードCに当接させ、端部保持部材26を同期して移動させてプライコードCを剛体コア21側に変位させる。同時に、押圧手段60の押圧リング61〜65をプライコードCに当接させ、その変位に合わせて剛体コア21の外面側に移動させて変位するプライコードCに張力を作用させる。以上の各移動を連動させて、押圧リング61〜65によりプライコードCを順次剛体コア21の外面に押圧して圧着し、ビードコア82をビード成型部24に装着する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、例えばトラックやバスに使用される重荷重用タイヤ等の空気入りタイヤを製造する製造装置及び製造方法に関し、特に、製品タイヤの内面形状に対応する外面形状を有する剛体コアの外面に一定長のプライコードを貼り付けてグリーンタイヤ(生タイヤ)を形成する空気入りタイヤの製造装置及び製造方法に関する。
空気入りタイヤは、一般に、カーカスプライやビードコア等の複数の部材から構成され、未加硫ゴム等からなる各種タイヤ構成部材を組み合わせてグリーンタイヤを成型し、加硫成型して所定形状の製品タイヤが製造される。このグリーンタイヤの成型工程では、従来、円筒状の成型ドラムを用いた成型方法が広く採用されている。この方法では、グリーンタイヤは、回転する成型ドラムの外面に、カーカスプライ等の各タイヤ構成部材を順次巻き付け、その両端部近傍に略環状のビードコアを装着してこれを包み込むようにカーカスプライ等の端部を折り返し、更に他のタイヤ構成部材を組み合わせる等して成型されるのが一般的である。
この従来の成型方法では、タイヤ構成部材、例えばカーカスプライは、並列させた複数本のコードを未加硫ゴムで被覆し、所定形状に切断等して予めシート状に形成された後、成型ドラムに巻き付けられて円筒状に成型される。そのため、この方法で成型されるグリーンタイヤには、カーカスプライを円筒状にすることによって、その端部同士を接合した継ぎ目(ジョイント部)が形成される。その結果、カーカスプライの切断長さの変動等に伴い、ジョイント部における両端部の重なり量が大きくなってオーバージョイントが生じたり、或いは、グリーンタイヤ成型時に作用する張力等により接合したカーカスプライの両端部が剥離し、ジョイント部にコードオープン等の欠陥が生じることがある。また、ジョイント部の段差等により、タイヤの諸性能に影響する製品タイヤのユニフォーミティやタイヤ周方向等のバランスが低下する恐れもある。更に、この従来の方法では、カーカスプライ等の各タイヤ構成部材を、所定形状に切断等して予め準備する必要があり、近年の多品種少量生産に柔軟に対応できない、という問題もある。
このような問題に対処するため、従来、製品タイヤの内面形状に対応する外面形状を有する剛体コアを使用し、少なくとも1本のコードをゴムで被覆したプライコードを、剛体コアの外面に貼り付けてカーカスプライを形成し、更にビードコア等の他のタイヤ構成部材を組み合わせる等してグリーンタイヤを形成する製造装置が提案されている(特許文献1参照)。
図8、9は、特許文献に記載されたものではないが、このような従来の製造装置によりグリーンタイヤを形成する手順の一部を模式的に示す断面図である。
なお、図では、形成したカーカスプライ80の端部側に略環状のビードコア82を配置してカーカスプライ80を巻き付ける工程を、それぞれ剛体コア21の幅方向の断面図で示している。また、以下で説明する各動作は、剛体コア21の赤道面Eを挟んで対称に、かつ同期して実行される。
この従来の製造装置90は、図8に示すように、軸線周りに回転可能な略環状の剛体コア21と、外径がビードコア82の内径よりも小径に形成され、剛体コア21の軸線方向(図では左右方向)外側に離間して配置された略リング状の端部保持部材26と、端部保持部材26と剛体コア21との間に位置し、剛体コア21のビード成型部(半径方向最内側部)24の内側(図では下側)に配置された剛体コア21側のビード固定手段27、及びビード固定手段27に隣接する折返し手段28と、を備えている。また、剛体コア21と端部保持部材26とを一体として軸線周りに回転させ、かつ、その回転角度を調節可能な回転手段(図示せず)と、端部保持部材26を剛体コア21と同芯状に保持するとともに、軸線方向(図では左右方向)に移動させて剛体コア21に接近及び離間させる移動手段(図示せず)と、ビード固定手段27及び折返し手段28を剛体コア21の半径方向外側に向かって移動(拡径)させる各駆動手段とを備えている。更に、この製造装置90は、ビードコア82の外周側に配置され、カーカスプライ80の端部をビードコア21に巻き付ける巻付手段29を備え、この巻付手段29を剛体コア21の軸線方向内側に移動させてカーカスプライ80の端部をビードコア82周りに巻き付けると同時に、ビードコア82の外径よりも大きな内径を有する略環状の拘束部材83を、ビードコア82の外周部にカーカスプライ80を挟んで配置するようになっている。
この製造装置90でグリーンタイヤを形成するときには、図8Aに示すように、図示しないコード配置装置により、一定長に切断されたプライコードCを、長手方向に張力が付加された状態で剛体コア21の外面に当接させ、剛体コア21の半径方向外側から内側(図では上側から下側)に向かって順次貼り合わせて子午線に沿って配置する。このとき、端部保持部材26を剛体コア21から離間した所定位置に配置しておき、プライコードCの両端部を端部保持部材26の傾斜した側面に貼り付けて保持する。次に、剛体コア21及び端部保持部材26を、プライコードCの貼り付けピッチに相当する所定角度だけ回転させ、次のプライコードCを、上記と同様に剛体コア21の外面に配置して両端部を端部保持部材26に固定する。これら各手順を、剛体コア21の周方向に沿って繰り返して剛体コア21及び端部保持部材26を1周させ、プライコードCを、剛体コア21の全外面を覆うように配置する。これにより、複数本のプライコードCの端部を剛体コア21の軸線方向外側に離間させて保持し、プライコードCを張力が作用した状態に維持する。
次に、図8Bに示すように、ビードコア82を剛体コア21のビード成型部24に向かって移動させつつ、ビードコア82をプライコードCに当接させ、プライコードCを剛体コア21の外面に向かって変位させる。このとき、端部保持部材26を、ビードコア82の移動に合わせて剛体コア21に向かって軸線方向内側に移動(図の矢印)させ、プライコードCの端部をビード成型部24側に移動させる。これら各移動を、図8Cに示すように、ビードコア82がプライコードCを挟んでビード成型部24に収まるまで行い、ビードコア82を所定位置に配置する。同時に、各プライコードCを剛体コア21の外面に当接させて貼り付け、それらを一体化させてカーカスプライ80を形成する。
次に、図9Aに示すように、ビード固定手段27をビードコア82の内径部側に接触するまで拡径させて、ビードコア82を固定するとともに、それらの間にカーカスプライ80を挟んで固定する。その状態で、図9Bに示すように、折返し手段28を剛体コア21の半径方向外側に向かって移動させ、カーカスプライ80の端部を端部保持部材26から剥離させつつビードコア82周りに剛体コア21の半径方向内側から外側(図では下側から上側)に向かって折り返す。次に、図9Cに示すように、拘束部材83を保持する巻付手段29を、剛体コア21の軸線方向内側に移動させ、カーカスプライ80の端部を剛体コア21の軸線方向外側から内側に向かって折り返してビードコア82周りに巻き付ける。同時に、拘束部材83を、ビードコア82の半径方向外側(図では上側)のカーカスプライ80に当接させて貼り付け、図9Dに示すように、カーカスプライ80の端部を拘束部材83とビードコア82との間に挟んで拘束(固定)する。その後、他のタイヤ構成部材を貼り合わせる等してグリーンタイヤを形成して剛体コア21とともに加硫金型内に装入し、グリーンタイヤを加硫成型して所定形状の製品タイヤを製造する。
以上のように、この従来の製造装置90では、ジョイント部を生じさせずにカーカスプライ80を形成し、上記したオーバージョイントやコードオープン等の欠陥の発生を抑制するとともに、製品タイヤのユニフォーミティやタイヤ周方向等のバランスを向上させている。また、カーカスプライ80を、予め所定形状に形成する等して準備せずに、複数本のプライコードCから形成してタイヤ製造の自由度を増加させ、多品種少量生産に柔軟に対応している。
ところで、タイヤ1本の製造に要するプライコードCの本数は、例えばトラック・バス用の空気入りラジアルタイヤで約1200本程度(22.5インチ)であり、各プライコードCの配置間隔(コード間隔)が非常に狭く、さらにタイヤ外周部に比べてビードコア82付近では、タイヤ軸線からの距離に比例して、プライコードCがより一層密に配置されている。また、プライコードCは、ビードコア82周りに折り返されて巻き付けられるため、タイヤの両ビード部間の配置長さよりも長くなり、剛体コア21の外面に沿って直接配置した場合には、端部付近のコード間隔が非常に狭くなる。そのため、プライコードCの正確な配置が困難であることに加えて、ビード成型部24の半径方向内側(内周側)には、ビード固定手段27や折返し手段28(図8、9参照)等が配置されており、装置の構造上、プライコードCの端部を剛体コア21付近に配置することができない。
そこで、この製造装置90では、プライコードCの端部を、上記したように剛体コア21の軸線方向外側に離間して配置された端部保持部材26に一旦貼り付けて保持した後、ビードコア82の移動に合わせて剛体コア21に向かって移動させ、プライコードCの端部側を剛体コア21に向かって変位させて、その外面に貼り付けて配置している。しかしながら、このようにプライコードCを配置する従来の製造装置90では、ビードコア82の移動及びプライコードCの変位に伴い、プライコードCの剛体コア21の外面に接触する位置と、ビードコア82が当接する位置までの距離が変化するため、変位するプライコードCに作用する長手方向の張力が変動等して、一時的にプライコードCに緩みが生じることがある。その結果、プライコードCが、剛体コア21の外面の子午線位置からズレた位置に当接して配置されたり、或いは、形成されるカーカスプライ80に、局部的な欠陥が生じる恐れがある。
図10は、図8CのW部におけるプライコードCの状態を模式的に示す拡大図である。
図示のように、プライコードCは、ビードコア82の移動に伴い、特に剛体コア21の幅方向最外側位置近傍の半径方向内側(図では下側)部分(図のT)で緩みが生じ易く、部分的に剛体コア21の外面から剥離し、又は配置位置にズレ等が発生することがある。その結果、グリーンタイヤ内でプライコードCの位置等にタイヤ周方向のばらつきが発生し、形成されたカーカスプライ80に、プライコードCの局部的な波状の変位(コードウェーブ)や隣り合うプライコードC間の段差や接近(ペアコード)等の欠陥が生じるとともに、タイヤサイド部に凹凸ができてタイヤの外観や性能が低下する恐れがある。
特開2006−142669号公報
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、剛体コアの外面に貼り付ける一定長のプライコードに緩みが生じるのを抑制し、かつプライコードを剛体コアの外面の所定位置に正確かつ確実に配置し、空気入りタイヤの品質を向上させることである。
請求項1の発明は、製品タイヤの内面形状に対応する外面形状を有する剛体コアと、一定長に切断された複数本のプライコードを前記剛体コアの外面に子午線に沿って配置するコード配置装置とを備え、前記剛体コアのビード成型部に前記プライコードを挟んでビードコアを配置してグリーンタイヤを形成する空気入りタイヤの製造装置であって、前記剛体コアの外面に配置されたプライコードの端部を保持して前記剛体コアの軸線方向内側に移動させるプライコード移動手段と、前記ビードコアを移動させて前記プライコードとともに前記剛体コアのビード成型部に配置するビードコア移動手段と、前記プライコードを前記剛体コアの軸線方向外側から該剛体コアの外面側に向かって押圧する押圧手段と、を備え、前記端部が保持されたプライコードを前記剛体コアの外面側に押圧しつつ変位させることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載された空気入りタイヤの製造装置において、前記押圧手段は、前記剛体コアの軸線方向外側に配置され、前記プライコードの押圧を行う前記剛体コアの外面に沿った押圧部材を有することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載された空気入りタイヤの製造装置において、前記押圧手段は、前記プライコードの長手方向に沿った複数箇所で前記プライコードの押圧を行うための、独立して移動可能な複数の前記押圧部材を有することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2または3に記載された空気入りタイヤの製造装置において、前記押圧部材は、側端部で前記プライコードを押圧する押圧リングであり、前記押圧手段は、前記押圧リングの側端部が前記剛体コアの外面に対向した状態で、該押圧リングを前記剛体コアの軸線方向内側に移動させて該押圧リングの側端部を前記プライコードに当接させて押圧することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4に記載された空気入りタイヤの製造装置において、前記押圧手段は、互いに半径方向に隣接し、かつ軸線方向に摺動可能な複数の前記押圧リングを有し、該複数の押圧リングを互いに摺動させて前記プライコードを押圧することを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項4または5に記載された空気入りタイヤの製造装置において、前記押圧手段は、前記ビードコアの外径位置近傍の前記プライコードを押圧する最内側に配置された前記押圧リングと、該最内側の押圧リングの外周側に配置され、前記剛体コアの幅方向最外側位置近傍に向かって前記プライコードを押圧する前記押圧リングと、該各押圧リング間に配置された1以上の前記押圧リングと、を有することを特徴とする。
請求項7の発明は、一定長に切断された複数本のプライコードを製品タイヤの内面形状に対応する外面形状を有する剛体コアの外面に子午線に沿って配置するとともに、前記剛体コアのビード成型部に前記プライコードを挟んでビードコアを配置してグリーンタイヤを形成する空気入りタイヤの製造方法であって、前記剛体コアの外面に配置されたプライコードの端部を前記剛体コアの軸線方向外側に離間させて保持する工程と、前記ビードコアを前記ビード成型部に向かって移動させるとともに、該移動するビードコアを前記端部が保持されたプライコードに当接させ、該プライコードを前記剛体コアの外面に向かって変位させる工程と、前記ビードコアの移動に合わせて前記プライコードの端部を前記剛体コアの軸線方向内側に移動させる工程と、前記変位するプライコードを前記剛体コアの軸線方向外側から該剛体コアの外面側に向かって押圧する押圧工程と、を有することを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項7に記載された空気入りタイヤの製造方法において、前記押圧工程は、前記変位するプライコードを押圧しつつ該プライコードが前記剛体コアの外面に当接するまで押圧し、該プライコードを前記剛体コアの外面に押し付けて圧着することを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項7または8に記載された空気入りタイヤの製造方法において、前記押圧工程は、前記剛体コアの幅方向最外側位置近傍から前記ビードコアの外径位置近傍までの前記プライコードの長手方向に沿った複数個所で前記プライコードの押圧を行うことを特徴とする。
本発明によれば、剛体コアの外面に貼り付ける一定長のプライコードに緩みが生じるのを抑制できるとともに、プライコードを剛体コアの外面の所定位置に正確かつ確実に配置することができ、空気入りタイヤの品質を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の空気入りタイヤの製造装置は、一定長に切断された複数本のプライコードを、剛体コアの外面に子午線に沿って配置して貼り付ける等してカーカスプライを形成するとともに、剛体コアのビード成型部にプライコードを挟んでビードコアを配置し、ベルト層等の他のタイヤ構成部材を組み合わせてグリーンタイヤを形成する装置である。
図1は、本実施形態の製造装置の概略構成を模式的に示す平面図である。
この製造装置は、図示のように、製品タイヤの内面形状に対応する外面形状を有する略環状の剛体コア21と、一定長に切断された複数本のプライコードを剛体コア21の外面に子午線に沿って配置するコード配置装置1と、剛体コア21の軸線G方向の両外側に離間して配置された略リング状の一対の端部保持部材26と、その両外側に配置され、プライコードを剛体コア21の軸線G方向外側から押圧する一対の押圧手段60と、を備えている。
端部保持部材26は、剛体コア21の外面に配置される複数本のプライコードの端部が貼り付けられ、その各端部を保持する部材であり、外径がビードコア82の内径よりも小径に形成されるとともに、剛体コア21に対向しない一方の側端面が、剛体コア21の外周部方向に向かって傾斜して延びる傾斜面に形成されている。この端部保持部材26と、その外側の押圧手段60とは、剛体コア21に対して略同芯状に配置されており、互いに軸線Gを略一致させた状態で、それぞれ移動手段(図示せず)により軸線G方向に独立して移動可能になっている。端部保持部材26は、この移動手段とともに、プライコードの端部を保持して剛体コア21の軸線G方向内側に移動させるプライコード移動手段を構成している。また、端部保持部材26は、軸線G周りに回転可能に構成され、剛体コア21と一体に軸線G周りに回転するようになっている。
一方、コード配置装置1は、剛体コア21の半径方向外側に、その中心線(後述するフレーム2の長手方向の中心線)Pを、剛体コア21の赤道面Eに略一致させた状態に配置されている。
図2は、本実施形態のコード配置装置を模式的に示す平面図である。
このコード配置装置1は、図示のように、略直線状に形成されたフレーム2と、フレーム2の長手方向の一端側(図では下側)に設けられたモータ3と、フレーム2に取付けられ、その長手方向に略直交する同一方向(図では右方向)に延びる一対のマニピュレータ4A、4Bと、フレーム2に対してマニピュレータ4A、4Bの反対側(図では左側)に配置された可動機構5と、を備えている。
可動機構5は、フレーム2を、その長手方向と直交する方向(図では左右方向)に移動させるためのものであり、固定台等(図示せず)に取り付けられた支持体51と、フレーム2の長手方向の中心線P上に配置され、一端が支持体51に固定されたピストン・シリンダ機構52と、中心線Pを挟んで配置された一対のガイド部材53とから構成されている。ピストン・シリンダ機構52は、ピストンロッド52Aがフレーム2側(図では右側)を向くように、エアシリンダ52Bの他端部が支持体5の略中央に固定され、そのピストンロッド52Aの先端がフレーム2の略中央の側面に固定されている。各ガイド部材53は、一端がフレーム2に固定されるとともに、支持体51によりフレーム2の長手方向と直交する方向に摺動自在に支持されており、フレーム2の移動を案内して略平行に移動させる。
この可動機構5は、ピストン・シリンダ機構52を作動させてピストンロッド52Aをエアシリンダ52Bから出し入れし、かつ、ガイド部材53及び支持体51により案内して、フレーム2を、その長手方向と直交する方向に所定距離だけ移動させ、これにより、マニピュレータ4A、4Bを、その長手方向(図では左右方向)に移動させる。なお、可動機構5は、例えばモータとボールネジ及びボールナット等により構成し、モータの回転数を制御してボールネジを回転させ、フレーム2に固定したボールナットの位置を変位させてフレーム2を移動させるようにしてもよい。
フレーム2内には、その長手方向に沿って配置されたボールネジ31が回転可能に支持されている。このボールネジ31は、一端(図では下端)がモータ3に取り付けられるとともに、フレーム2の長手方向の中心線Pを挟んだ両側に、互いに逆回りで同一ピッチの溝からなる左ネジ部31Aと右ネジ部31Bとを有する。また、これらボールネジ31の各ネジ部31A、31Bには、スライダ32A、32B内に固定された、各ネジ部31A、31Bに噛み合うボールナットが取り付けられている。従って、本実施形態のコード配置装置1では、モータ3によりボールネジ31を正逆回転させると、スライダ32A、32Bが、それぞれボールネジ31の長手方向に沿って逆方向に、かつ同一距離移動して、互いに接近及び離間する。また、このコード配置装置1では、各スライダ32A、32Bに、後述するマニピュレータ4A、4Bの基端の固定部41A、41Bをそれぞれ固定しており、上記したスライダ32A、32Bの移動により、マニピュレータ4A、4Bを、フレーム2の長手方向に沿って連動して移動させて、互いに接近及び離間させるようになっている。
両マニピュレータ4A、4Bは、それぞれ第1アーム6A、6B、エアシリンダ7A、7B、第2アーム8A、8B、ハンド9A、9B、フィンガーチャック10A、10B、及び押付け部材11A、11B等からなり、それぞれフレーム2の中心線Pを挟んで対称に構成されている。
第1アーム6A、6Bは、それぞれ一端がスライダ32A、32Bに固定された固定部41A、41Bに取付けられ、そこからフレーム2の長手方向と直交する方向に延び、他端に第2アーム8A、8Bが回転軸14A、14Bを介して回転自在に取付けられている。
エアシリンダ7A、7Bは、それぞれ第1アーム6A、6Bのフレーム2の長手方向外側に隣接して配置され、一端が固定部41A、41Bに揺動自在に連結されている。また、その他端から出入りするピストンロッド12A、12Bの先端に、第2アーム8A、8Bが回転軸13A、13Bを介して回転自在に取付けられている。
第2アーム8A、8Bは、フレーム2側の一端側に離間して取り付けられた回転軸13A、13Bと回転軸14A、14Bとを介して、それぞれ第1アーム6A、6Bとエアシリンダ7A、7B(ピストンロッド12A、12B)とを連結するとともに、他端側に回転軸15A、15Bを介してハンド9A、9Bが回転可能に取り付けられている。このハンド9A、9Bの他端(先端)には、フィンガーチャック10A、10B、及び押付け部材11A、11Bが隣接して設けられている。
フィンガーチャック10A、10Bは、プライコードの端部を保持する保持手段あり、ここでは、互いに接近及び離間可能な一対のフィンガーでプライコードの端部を挟んで保持するようになっている。これら各フィンガーチャック10A、10Bは、ハンド9A、9Bに設けられたピストン・シリンダ機構等の駆動手段(図示せず)によりフィンガー間の隙間を開閉し、プライコードの各端部の保持及び開放を行う。押付け部材11A、11Bは、ハンド9A、9Bに内蔵されたピストン・シリンダ機構等の駆動手段(図示せず)により進退し、プライコードの端部を対向する部材(ここでは、上記した端部保持部材26)に押し付けて貼り付ける。
本実施形態のマニピュレータ4A、4Bは、これら第1アーム6A、6B、エアシリンダ7A、7B、ピストンロッド12A、B、及び第2アーム8A、8Bにより、一対のリンク機構を構成している。即ち、マニピュレータ4Aでは、エアシリンダ7Aとピストンロッド12Aからなるピストン・シリンダ機構を作動させて、ピストンロッド12Aをエアシリンダ7Aから出し入れして往復動させると、その出入長さに応じて、ピストンロッド12Aの先端に取り付けられた回転軸13Aが変位する。その結果、第2アーム8Aが、第1アーム6Aの先端に取り付けられた回転軸14Aを中心として、両方向(図では時計方向及び反時計方向)に回転する。
一方、マニピュレータ4Bでも、同様に、ピストンロッド12Bを往復動させると、第2アーム8Bが、回転軸14Bを中心として他方の第2アーム8Aと対称に両方向(図では反時計方向及び時計方向)に回転する。このように、各マニピュレータ4A、4Bは、ピストンロッド12A、12Bを同期させて往復動させて、第2アーム8A、8Bの先端側(回転軸15A、15B側)の間隔を接近及び離間させ、各先端側に取り付けられたハンド9A、9B(フィンガーチャック10A、10B及び押付け部材11A、11B)を同期して移動させる。
本実施形態の空気入りタイヤの製造装置(図1参照)は、このコード配置装置1により、複数本のプライコードを剛体コア21の外面に配置し、その端部を端部保持部材26に貼り付けて保持した後、プライコードの両側部を、剛体コア21の両側面側に配置した押圧手段60により、剛体コア21の外面側に押圧する等しつつ、剛体コア21側に変位させてその外面に貼り付ける。
図3は、この押圧手段60を模式的に示す斜視図であり、図4は、押圧手段60を、その軸線を含む平面で切断して示す図3のF−F矢視断面図である。
押圧手段60は、剛体コア21の軸線方向外側に配置され、プライコードの押圧を行う剛体コア21の外面に沿った1以上の押圧部材を有し、剛体コア21の外面に向かって変位するプライコードを、押圧部材により剛体コア21の軸線G方向外側(図1参照)から剛体コア21の外面側に向かって押圧する。これにより、変位するプライコードに所定の張力を付加するとともに、プライコードを剛体コア21の外面に押し付けて圧着する。本実施形態の押圧手段60は、図3、4に示すように、押圧部材として、1又は複数個(ここでは5個)の互いに大きさ(各外径及び内径)が異なる略円筒状の押圧リング61〜65を有し、その剛体コア21側の側端部をプライコードに当接させて押圧する。
押圧リング61〜65は、その半径方向の外側から内側に向かって順に、接触又は非接触状態で内周部に配置(内接)され、かつ、互いに軸線方向に独立して移動可能な大きさに形成されている。ここでは、各押圧リング61〜65は、軸線方向の幅と半径方向の厚さが略同一に形成されるとともに、外径及び内径が互いに半径方向に隣接(摺接)するように徐々に大きさを変化させて形成(図4A参照)され、互いに軸線方向に摺動可能になっている。また、各押圧リング61〜65を互いに摺動させてプライコードを押圧する、即ち、後述する押圧動作中に、各押圧リング61〜65が摺接する状態(図4B参照)を維持可能な幅に形成され、接触部分を残したままスライドして互いの軸線方向の相対位置を変化させるようになっている。
更に、この押圧手段60では、半径方向の最内側に配置された押圧リング65を、ビードコア82の外径位置近傍(外周側)(図1参照)のプライコードを押圧する大きさ(ここでは、内径がビードコア82の外径と略等しい大きさ)に形成し、その外周側の最外側に配置された押圧リング61を、剛体コア21の幅方向最外側位置近傍に向かってプライコードを押圧する大きさに形成している。加えて、押圧手段60は、これら各押圧リング61、65と、その間に配置された1以上(ここでは3個)の各押圧リング62、63、64を、その各側端部が剛体コア21の外面(側面)に対向した状態で、剛体コア21の軸線方向内側に独立して移動させる移動手段を有する。これにより、押圧手段60は、各押圧リング61〜65を剛体コア21の外面側に移動させてプライコードに当接させ、プライコードの長手方向に沿った複数個所でプライコードの押圧を行う。また、各押圧リング61〜65の軸線方向の位置を、当接するプライコードの変位に合わせて互いに独立に変化させ、変位するプライコードへの当接状態を維持しつつプライコードが剛体コア21の外面に当接するまで押圧し、プライコードを剛体コア21の外面に押し付けて圧着する。
以上に加えて、この製造装置は、装置全体の制御を行う制御装置70(図1参照)と、装置各部のそれぞれを回転や移動等させる各駆動手段(図示せず)と、装置各部に設置された、その回転角度や移動位置等を検出する各種センサ(図示せず)と、を備えている。この駆動手段としては、例えば、ビードコア82を、剛体コア21の半径方向最内側部のビード成型部24に向かって剛体コア21の軸線G方向内側に移動させて、プライコードとともに剛体コア21のビード成型部24に配置するビードコア82の移動手段や、端部保持部材26を剛体コア21と略同芯状に保持するとともに、剛体コア21と端部保持部材26とを一体として軸線周りに回転させ、かつ、その回転角度を調節可能な回転手段等である。
制御装置70は、図1に示すように、例えば、各種のデータ処理や解析、演算等を行うマイクロプロセッサ(MPU)等の演算手段72や、各種プログラムを格納したROM、処理のための一時的なデータの保存等を行うRAM等の記憶手段73を備えたマイクロコンピュータ71、及び外部機器との接続のためのインターフェース74等からなる。また、制御装置70は、インターフェース74を介してコード配置装置1、剛体コア21、押圧手段60、及び上記した各駆動手段等の装置の各部やセンサ等に接続され、それらとの間で駆動・停止指令等の各種データを送受信して製造装置全体の制御を行う。これにより、制御装置70は、所定のプログラムに基づいて、接続された各部を予め設定されたタイミングで作動させる等、装置各部を連動して作動させてプライコードの剛体コア21外面への配置や押圧等の所定の各動作を実行させる。
図5は、本実施形態のコード配置装置1によりプライコードを剛体コアの外面に配置する動作を示す模式図であり、図6は、配置されたプライコードを押圧しつつ剛体コア21の外面に貼り付ける動作を順に示す模式図である。また、図7は、それら各手順を示すフローチャートである。
なお、図5、6では、剛体コア21、端部保持部材26、及び押圧手段60は断面で、コード配置装置1はマニピュレータ4A、4Bの先端側(図2の右側)のみで示すとともに、これら各図間では、剛体コア21の赤道面Eの方向を90度異ならせて示している。また、コード配置装置1による、プライコードCの剛体コア21への配置動作については、第2アーム8A、8Bや、ハンド9A、9B、及びフィンガーチャック10A、10Bに掴まれたプライコードC等により示している。
ここで、プライコードCは、少なくとも1本のスチールや有機繊維等のコードを未加硫ゴムで被覆したものであり、図示しない切断手段により、剛体コア21(製造する空気入りタイヤ)のサイズや種類に対応する一定長に切断されてコード配置装置1に供給される。また、上記したように、コード配置装置1のフレーム2の長手方向の中心線Pと、剛体コア21の赤道面Eとは、互いに一致するように配置(図1参照)されているため、各マニピュレータ4A、4Bも、剛体コア21の赤道面Eを挟んで対称に配置されている。更に、図示は省略するが、剛体コア21の外面には、例えばインナーライナ等のカーカスプライの下層(内層)に配置される部材が貼り付け済みである。
また、本実施形態のコード配置装置1では、プライコードCの両端部を保持する保持手段である両フィンガーチャック10A、10Bは、フレーム2、可動機構5、モータ3、及びマニピュレータ4A、4B等からなる移動手段により、剛体コア21の赤道面Eを挟んで略対称に同期して移動し、以下で説明するプライコードCの配置等を実行する。同様に、端部保持部材26や押圧手段60も、剛体コア21の赤道面Eを挟んだ両側で、略対称に同期して移動等してプライコードCの押圧等を行う。
このコード配置装置1でプライコードCの貼り付けを行うときには、まず、図5に示すように、供給されるプライコードCを受け取るために、可動機構5によりフレーム2を移動させてマニピュレータ4A、4B(フィンガーチャック10A、10B)を所定位置に配置する。次に、モータ3を作動させてマニピュレータ4A、4Bを互いに接近又は離間させ、フィンガーチャック10A、10Bの間隔をプライコードCの長さに相当する間隔に設定する。その状態で、一定長に切断された1本のプライコードCを図示しない供給装置により供給し、その両端部を両フィンガーチャック10A、10Bで掴んで保持する(図7、S101)。続いて、エアシリンダ7A、7B及びピストンロッド12A、12Bにより第2アーム8A、8Bを回転させ、フィンガーチャック10A、10B間の距離を調節してプライコードCの長手方向に所定の張力を付加する(S102)。
次に、プライコードCに張力が付加された状態を維持しつつ、フィンガーチャック10A、10Bを、剛体コア21の外面形状に応じて剛体コア21の半径方向及び軸線方向(ここでは半径方向内側及び軸線方向内側)へ移動させ、プライコードCを剛体コア21の外面の子午線に沿って配置し、その貼り付けを開始する(S103)。具体的には、まず、可動機構5により、フレーム2を剛体コア21に接近する方向に移動させて、マニピュレータ4A、4B全体及びプライコードCを剛体コア21に接近させ、プライコードCの長手方向の中央部を剛体コア21の半径方向外側部22に当接(図5のプライコードC)させる。
続いて、このフレーム2の移動を続行しつつ、モータ3を回転させてマニピュレータ4A、4Bの間隔を徐々に狭めるとともに、エアシリンダ7A、7Bを作動させて、第2アーム8A、8Bをフィンガーチャック10A、10Bが互いに接近する方向に徐々に回転させる。即ち、第2アーム8A、8Bの位置を、それぞれ図2のD〜D及びF〜Fに示すように変化させて、プライコードCを保持するフィンガーチャック10A、10Bを同様に移動させる。これにより、プライコードCを、図5のC〜Cに示すように、張力が付加された状態のまま剛体コア21の外面に、その半径方向外側から内側に向かって順次配置する。
以上のように、プライコードCを剛体コア21の外面へ順次配置していき、フィンガーチャック10A、10Bを、プライコードCの両端部が剛体コア21の軸線方向両外側に離間させて配置した端部保持部材26の傾斜側面上に位置するように移動(図5のプライコードC)させ、押し付け部材11A、11Bを前進させてプライコードCの両端部を各端部保持部材26に押し付ける。これにより、プライコードCの端部を端部保持部材26の傾斜側面に貼り付け(S104)、フィンガーチャック10A、10Bを開いてプライコードCを開放し、1本のプライコードCの配置を完了する。
このとき、プライコードCは、その表面に被覆された未加硫ゴムの粘着力により、当接した剛体コア21の外面に密着して子午線に沿って配置されるとともに、その端部が端部保持部材26に密着して保持され、長手方向に張力が作用した状態に維持される。また、端部保持部材26は、プライコードCの端部が貼り付けられたときに、プライコードCが剛体コア21の幅方向最外側位置23付近に接触しないような位置に配置される。
次に、コード配置装置1を最初の状態に戻す(S105、No)とともに、剛体コア21及び端部保持部材26を、プライコードCの貼り付けピッチに相当する所定角度だけ回転させて、上記と同様にして次のプライコードCを配置する。これら各手順を、剛体コア21の周方向に沿って繰り返して剛体コア21及び端部保持部材26を1周させ、複数本のプライコードCを、剛体コア21の全外面に亘って覆うように子午線に沿って配置し、その各端部を端部保持部材26に貼り付けて剛体コア21の軸線方向外側に離間させて保持する。
以上のようにして、全てのプライコードCの剛体コア21外面への配置が完了(S105、Yes)した後、コード配置装置1のマニピュレータ4A、4Bを剛体コア21から離間させ、ビードコア82のビード成型部24への配置、及びプライコードCの剛体コア21外面への貼り付けを開始する。
具体的には、まず、図6Aに示すように、ビードコア82を、プライコードCを挟んで剛体コア21の軸線方向外側から、ビード成型部24に向かって剛体コア21の軸線方向内側に移動させる。同時に、移動するビードコア82を、端部保持部材26に端部が保持されたプライコードCに当接させ、剛体コア21の外面に接触していないプライコードC(ここでは、剛体コア21の幅方向最外側位置23近傍から端部までのプライコードC)を剛体コア21の外面(側面)に向かって変位させる。このとき、ビードコア82の移動に合わせて、同期して端部保持部材26を剛体コア21の軸線方向内側に移動させ(S106)、プライコードCの端部が端部保持部材26から剥離せず、かつ変位するプライコードCに長手方向の張力が作用する状態を維持するように、プライコードC端部の軸線方向位置を調節する。
本実施形態では、このビードコア82の移動に伴い変位するプライコードCを、押圧手段60により、剛体コア21の軸線方向外側から剛体コア21の外面側に向かって押圧し(S107)、変位するプライコードCに所定の張力を作用させる。即ち、押圧手段60の各押圧リング61〜65を、それぞれ剛体コア21の軸線方向内側に向かってプライコードCに側端部が当接するまで移動(摺動)させ、各当接位置でプライコードCを剛体コア21の軸線方向内側に向かって押圧する。このように、押圧手段60の各押圧リング61〜65と、ビードコア82及び端部保持部材26とを、図6A、Bに示すように、剛体コア21の外面に向かって軸線方向に同期して移動させ、プライコードCに張力が作用した状態を維持して緩み等が生じるのを防止する。これにより、プライコードCを、その剛体コア21の子午線に沿った配置位置が変化するのを抑制しつつ、剛体コア21の外面に向かって軸線方向に変位させる。
以上の各移動を、プライコードCが剛体コア21の外面に当接等するまで行うが、その間、各押圧リング61〜65を、プライコードCに過剰な張力が作用しないよう、それぞれプライコードCの当接位置の変位に合わせて移動させ、プライコードCの長手方向に沿った複数箇所でプライコードCの押圧を行う。このように、各押圧リング61〜65を、その側端部がプライコードCに当接する状態に維持して、変位するプライコードCを押圧しつつプライコードCが剛体コア21の外面に当接するまで押圧し、各押圧リング61〜65により、プライコードCを剛体コア21の外面に押し付けて圧着する(S108)。
即ち、図6Bに示すように、プライコードCの剛体コア21の外面に当接した部分を押圧する押圧リング、ここでは、剛体コア21の幅方向最外側位置23近傍を押圧する最外側の押圧リング61及び、その内側に隣接する押圧リング62により、プライコードCを剛体コア21の外面に向かって所定の力で押圧して貼り付ける。その後、この各押圧リング61、62については、以降の移動を停止し、プライコードCを剛体コア21との間に挟んで保持させて、プライコードCに位置ズレ等が生じるのを防止して剛体コア21の子午線上に維持する。続いて、他の内側の各押圧リング63、64、65を、同様にプライコードCが剛体コア21の外面に当接するまで移動させ、図6Cに示すように、プライコードCを、剛体コア21の半径方向外側から内側の順に、押圧リング63、64、65の側端部により剛体コア21の外面に圧着していく。
ここで、押圧リング61〜65は、複数本のプライコードCを各当接部分で押圧し、例えば、図6Aでは、角部及びその付近の側面で、図6Bでは、主に側面で、それぞれ押圧を行う。このように、プライコードCを押圧する押圧リング61〜65の側端部は、プライコードCの傾斜角度や変位中の形状、或いは押圧リング61〜65の形状等、それぞれの当接状態や当接位置等により変化するが、プライコードCに当接する押圧リング61〜65の側方の端部付近のことである。
以上のように、押圧手段60により、プライコードCを、剛体コア21の幅方向最外側位置23近傍からビードコア82の外径位置(ビード成型部24)近傍まで、その長手方向に沿った複数箇所(ここでは5箇所)で押圧し、剛体コア21の外面に順次貼り付けて保持した後、又は最内側の押圧リング65による圧着と略同時に、ビードコア82をビード成型部24にプライコードCを挟んで配置する(S109)。これにより、プライコードCを一体化してカーカスプライを形成し、その後、カーカスプライの端部をビードコア82周りに折り返して巻き付ける等(図9参照)、公知の手順でグリーンタイヤを形成し、グリーンタイヤを剛体コア21とともに加硫金型内で加硫成型して所定形状の製品タイヤを製造する。
以上説明したように、本実施形態によれば、一定長のプライコードCを剛体コア21の外面に配置してカーカスプライを形成するため、カーカスプライにジョイント部が形成されず、製品タイヤのユニフォーミティやタイヤ周方向等のバランスを向上できるとともに、タイヤ製造の自由度が増加して多品種少量生産に柔軟に対応することができる。
また、複数本のプライコードCを剛体コア21の外面(側面)に向かって変位させて貼り付けるときに、その変位に合わせてプライコードCを押圧手段60により剛体コア21の外面側に向かって押圧するため、プライコードCを張力が作用した状態に維持して変位させることができ、その間に緩み等が生じて剛体コア21の子午線に沿った配置位置が変化するのを抑制することができる。加えて、押圧リング61〜65により、プライコードCを剛体コア21の外面に圧着し、かつ、プライコードCを剛体コア21との間に挟んで位置ズレ等を防止するため、プライコードCを剛体コア21外面の所定位置に確実かつ強固に貼り付けることができる。その結果、プライコードCの貼り付け精度(配置精度)も向上でき、プライコードCを剛体コア21の外面の子午線上に、より正確かつ確実に配置することができる。
更に、プライコードCの配置位置にズレ等が特に生じ易い剛体コア21の幅方向最外側位置23近傍のプライコードCを押圧するとともに、そこからビードコア82の外径位置近傍までの複数箇所で順次プライコードCを押圧して剛体コア21の外面に圧着するため、プライコードCの配置精度を効果的に向上させることができる。このように、プライコードCの押圧を、その長手方向に沿った複数箇所で行うことで、プライコードCの変位態様及び剛体コア21の外面形状に柔軟に追従して対応することもでき、プライコードCを適切に押圧することができる。同時に、プライコードCをビード成型部24付近まで剛体コア21に貼り付けてから、ビードコア82を剛体コア21のビード成型部24に装着するため、従来生じていたビードコア82の装着に伴うプライコードCの緩み等を抑制でき、プライコードCの部分的な剥離や位置ズレ等を防止することもできる。
その結果、カーカスプライにコードウェーブやペアコード等の欠陥が生じるのを抑制できるとともに、タイヤサイド部の凹凸に伴うタイヤの外観や性能の低下を防止でき、空気入りタイヤの品質を向上させることができる。また、この押圧手段60では、プライコードCを押圧するときに、複数の押圧リング61〜65が互いに軸方向に摺動するため、それらの保持及び移動を円滑に行うこともできる。
ここで、本実施形態では、カーカスプライの下層(内層)に配置される部材を、剛体コア21の外面に貼り付けた後にプライコードCの貼り付けを行っている。このように、本発明におけるプライコードCを配置又は貼り付ける剛体コア21の外面には、剛体コア21の外面の他に、既に剛体コア21の外面に配置した他の部材の外面も含む。
また、この押圧手段60では、ビードコア82が当接する付近のプライコードCは押圧できないため、その付近のプライコードCに緩みが生じる恐れがある。しかしながら、その付近のプライコードCは、ビードコア82に当接するとともに、端部側が端部保持部材26により保持されるため、緩みが最も発生し難い部分である。加えて、プライコードCの緩みが最も問題になるのは、剛体コア21の幅方向最外側位置23付近であるため、ビードコア82付近のプライコードCに緩みが生じた場合でも、上記した各効果やタイヤ性能等に対して影響が生じることはない。
なお、本実施形態では、押圧手段60の各押圧リング61〜65の全てを、変位するプライコードCに常に当接させて押圧したが、押圧リング61〜65は、プライコードCの変位態様や剛体コア21の外面形状等に応じて、例えば半径方向外側から内側に向かって順次当接させたり、或いは、プライコードCが剛体コア21の外面に当接する直前に、それを追うようにして順次当接させる等してもよい。また、プライコードCに当接する押圧リング61〜65は、その側端部をゴムが貼り付き難い梨地面等の微少な凹凸面に形成する等、低貼付処理を施してプライコードCを剥離し易くしてもよい。このようにすることで、押圧リング61〜65を、剛体コア21の外面から離間させるときに、プライコードCが押圧リング61〜65側に密着して剛体コア21の外面から剥離するのを防止することができる。
更に、各押圧手段60の押圧リングは、プライコードCや剛体コア21の形状等に対する追従性を高めるため、その半径方向の厚さを薄く形成して、より多数(ここでは6個以上)のものから構成してもよく、剛体コア21の幅方向最外側位置23よりも半径方向外側から配置するようにしてもよい。逆に、押圧手段60を、より少ない(ここでは、4個以下の)押圧リング、例えば1個の押圧リングから構成してもよく、この場合でも、変位するプライコードCに対して張力を作用させることができ、かつ剛体コア21の外面に圧着することもできる等、上記した各効果を充分に得ることができる。
また、この押圧手段60では、各押圧リング61〜65を互いに摺接するように形成したが、それらを互いに接触しないように形成して独立に移動させてもよい。更に加えて、本実施形態の押圧手段60では、プライコードCを略円筒状の押圧リング61〜65により押圧したが、例えば断面楕円形状や、八角形状や十二角形状等の多角形状の部材、又は複数の断面円弧形状の部材を組み合わせて押圧する等、剛体コア21の外面に沿った他の押圧部材によりプライコードCの押圧を行うようにしてもよい。
本実施形態の空気入りタイヤの製造装置の概略構成を模式的に示す平面図である。 本実施形態のプライコードのコード配置装置を模式的に示す平面図である。 本実施形態のプライコードの押圧手段を模式的に示す斜視図である。 図3の押圧手段をその軸線を含む平面で切断して示す図3のF−F矢視断面図である。 本実施形態のコード配置装置によりプライコードを剛体コアの外面に配置する動作を示す模式図である。 剛体コアに配置されたプライコードを押圧しつつ剛体コアの外面に貼り付ける動作を順に示す模式図である。 プライコードを剛体コアの外面に配置する手順を示すフローチャートである。 従来の製造装置によりグリーンタイヤを形成する手順の一部を模式的に示す断面図である。 従来の製造装置によりグリーンタイヤを形成する手順の一部を模式的に示す断面図である。 図8CのW部におけるプライコードの状態を模式的に示す拡大図である。
符号の説明
1・・・コード配置装置、2・・・フレーム、3・・・モータ、4A、4B・・・マニピュレータ、5・・・可動機構、6A、6B・・・第1アーム、7A、7B・・・エアシリンダ、8A、8B・・・第2アーム、9A、9B・・・ハンド、10A、10B・・・フィンガーチャック、11A、11B・・・押付け部材、21・・・剛体コア、26・・・端部保持部材、60・・・押圧手段、61〜65・・・押圧リング、70・・・制御装置、C・・・プライコード。

Claims (9)

  1. 製品タイヤの内面形状に対応する外面形状を有する剛体コアと、一定長に切断された複数本のプライコードを前記剛体コアの外面に子午線に沿って配置するコード配置装置とを備え、前記剛体コアのビード成型部に前記プライコードを挟んでビードコアを配置してグリーンタイヤを形成する空気入りタイヤの製造装置であって、
    前記剛体コアの外面に配置されたプライコードの端部を保持して前記剛体コアの軸線方向内側に移動させるプライコード移動手段と、
    前記ビードコアを移動させて前記プライコードとともに前記剛体コアのビード成型部に配置するビードコア移動手段と、
    前記プライコードを前記剛体コアの軸線方向外側から該剛体コアの外面側に向かって押圧する押圧手段と、を備え、
    前記端部が保持されたプライコードを前記剛体コアの外面側に押圧しつつ変位させることを特徴とする空気入りタイヤの製造装置。
  2. 請求項1に記載された空気入りタイヤの製造装置において、
    前記押圧手段は、前記剛体コアの軸線方向外側に配置され、前記プライコードの押圧を行う前記剛体コアの外面に沿った押圧部材を有することを特徴とする空気入りタイヤの製造装置。
  3. 請求項2に記載された空気入りタイヤの製造装置において、
    前記押圧手段は、前記プライコードの長手方向に沿った複数箇所で前記プライコードの押圧を行うための、独立して移動可能な複数の前記押圧部材を有することを特徴とする空気入りタイヤの製造装置。
  4. 請求項2または3に記載された空気入りタイヤの製造装置において、
    前記押圧部材は、側端部で前記プライコードを押圧する押圧リングであり、
    前記押圧手段は、前記押圧リングの側端部が前記剛体コアの外面に対向した状態で、該押圧リングを前記剛体コアの軸線方向内側に移動させて該押圧リングの側端部を前記プライコードに当接させて押圧することを特徴とする空気入りタイヤの製造装置。
  5. 請求項4に記載された空気入りタイヤの製造装置において、
    前記押圧手段は、互いに半径方向に隣接し、かつ軸線方向に摺動可能な複数の前記押圧リングを有し、該複数の押圧リングを互いに摺動させて前記プライコードを押圧することを特徴とする空気入りタイヤの製造装置。
  6. 請求項4または5に記載された空気入りタイヤの製造装置において、
    前記押圧手段は、前記ビードコアの外径位置近傍の前記プライコードを押圧する最内側に配置された前記押圧リングと、該最内側の押圧リングの外周側に配置され、前記剛体コアの幅方向最外側位置近傍に向かって前記プライコードを押圧する前記押圧リングと、該各押圧リング間に配置された1以上の前記押圧リングと、を有することを特徴とする空気入りタイヤの製造装置。
  7. 一定長に切断された複数本のプライコードを製品タイヤの内面形状に対応する外面形状を有する剛体コアの外面に子午線に沿って配置するとともに、前記剛体コアのビード成型部に前記プライコードを挟んでビードコアを配置してグリーンタイヤを形成する空気入りタイヤの製造方法であって、
    前記剛体コアの外面に配置されたプライコードの端部を前記剛体コアの軸線方向外側に離間させて保持する工程と、
    前記ビードコアを前記ビード成型部に向かって移動させるとともに、該移動するビードコアを前記端部が保持されたプライコードに当接させ、該プライコードを前記剛体コアの外面に向かって変位させる工程と、
    前記ビードコアの移動に合わせて前記プライコードの端部を前記剛体コアの軸線方向内側に移動させる工程と、
    前記変位するプライコードを前記剛体コアの軸線方向外側から該剛体コアの外面側に向かって押圧する押圧工程と、
    を有することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  8. 請求項7に記載された空気入りタイヤの製造方法において、
    前記押圧工程は、前記変位するプライコードを押圧しつつ該プライコードが前記剛体コアの外面に当接するまで押圧し、該プライコードを前記剛体コアの外面に押し付けて圧着することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  9. 請求項7または8に記載された空気入りタイヤの製造方法において、
    前記押圧工程は、前記剛体コアの幅方向最外側位置近傍から前記ビードコアの外径位置近傍までの前記プライコードの長手方向に沿った複数個所で前記プライコードの押圧を行うことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
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