JP5076312B2 - 積層型圧電素子 - Google Patents

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Description

本発明は、積層型圧電素子に関するものである。
従来の積層型圧電素子として、複数の圧電体と複数の内部電極とが交互に積層されてなる積層体と、その積層体の側面に設けられ、所定の内部電極と電気的に接続された外部電極とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。特許文献1に記載された積層型圧電素子では、外部電極は、その全体が積層体の積層方向に延在するように形成されている。特許文献2に記載された積層型圧電素子では、外部電極は導電性線材からなるメッシュ部材であって、導電性接着剤により積層体の側面に固着されている。特許文献3に記載された積層型圧電素子では、外部電極はコイル状弾性部材である。
特開2000−340849号公報 特開2001−210884号公報 特開2002−171003号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載された積層型圧電素子には、次のような問題が存在する。
特許文献1に記載された積層型圧電素子では、外部電極の全体が積層体の積層方向に延在しているため、積層体の積層方向への変位(伸縮動作)が阻害されてしまう。また、積層型圧電素子が長期間に渡って使用されると、積層体の伸縮動作に耐え切れずに、外部電極が断線するおそれがある。
特許文献2,3に記載された積層型圧電素子では、外部電極はメッシュ部材或いはコイル状弾性部材であり、積層体の伸縮動作に追従し得ることから、積層体の変位の阻害及び外部電極の断線の発生は抑制される。ところが、外部電極にメッシュ部材或いはコイル状弾性部材といった特殊形状の部材が採用されるため、圧電素子の構成が複雑になってしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、積層体の変位の阻害及び外部電極の断線の発生を単純な構成で抑制することができる積層型圧電素子を提供することを目的とする。
本発明に係る積層型圧電素子は、複数の圧電体と複数の内部電極とが交互に積層されてなる積層体と、積層体の側面に設けられ、所定の内部電極と電気的に接続された第1の外部電極と、第1の外部電極の外側に設けられ、該第1の外部電極と複数の接続部において電気的且つ物理的に接続されている平板状の第2の外部電極と、第1の外部電極と第2の外部電極との間に、該第1の外部電極と該第2の外部電極とに接するように設けられた絶縁体と、を備える。
本発明に係る積層型圧電素子では、第2の外部電極が、複数の接続部において第1の外部電極と電気的且つ物理的に接続されている。これにより、複数の接続部は、第2の外部電極が積層体の変位を阻害するのを抑制して、積層体及び第1の外部電極に発生する応力を緩和する部位(以下、「応力緩衝部位」と称する)として機能することとなる。この結果、圧電素子が長期間に渡って使用されても、第2の外部電極が断線するのを抑制することができる。しかも、積層体の側面に設けられた第1の外部電極が断線したとしても、第1の外部電極には、第2の外部電極が複数の接続部において電気的且つ物理的に接続されているため、所定の内部電極への導通路が確保されることとなり、積層型圧電素子としての機能が損なわれることはない。更に、本発明では、第2の外部電極に、平板状のものといった極めて簡易な部材が採用されているため、外部電極にメッシュ部材あるいはコイル状弾性部材といった特殊形状の部材が採用されているものに比べ、積層型圧電素子の構成を単純化することができる。
ところで、複数の接続部が応力緩衝部位として機能するためには、各接続部の厚み、すなわち第1の外部電極と第2の外部電極との間隔が所望の値である必要がある。すなわち、各接続部の厚みが薄いと、積層体及び第1の外部電極に発生する応力を緩和し難くなる。これに対し、各接続部の厚みが厚いと、第1の外部電極と第2の外部電極との接続性が問題となる。また、接続部の厚みが薄い箇所と厚い箇所が混在した場合には、積層体及び第1の外部電極に発生する応力が不均一となり、圧電素子の変位特性に悪影響を及ぼす懼れがある。本発明では、絶縁体が、第1の外部電極と第2の外部電極との間に、該第1の外部電極と該第2の外部電極とに接するように設けられている。これにより、各接続部の厚みが絶縁体の厚みにより規定されることとなり、各接続部の厚みを容易に所望の値に設定することができる。この結果、複数の接続部を応力緩衝部位として適切に機能させることができる。
好ましくは、絶縁体には、複数の接続部に対応する位置に、開口部が形成されている。各接続部と各外部電極との接触面積が大きくなると、平板状の第2の外部電極が有するバネ性を阻害すると共に、複数の接続部の応力緩衝部位としての機能を阻害することとなる。絶縁体に開口部が設けられることにより、該開口部が、各接続部と各外部電極との接触面積を不必要に大きくするのを抑制する。この結果、第2の外部電極が有するバネ性と、複数の接続部の応力緩衝部位としての機能とが阻害されるのを防ぐことができる。
好ましくは、開口部が、複数の接続部それぞれを囲むように複数形成されている。この場合は、各接続部と各外部電極との接触面積を、最も小さくすることができ、第2の外部電極が有するバネ性と、複数の接続部の応力緩衝部位としての機能とが阻害されるのをより一層効果的に防ぐことができる。
好ましくは、開口部が、複数の接続部のうち2つ以上の接続部を囲むように形成されている。
好ましくは、第2の外部電極が、積層体の積層方向に沿って波状に延在している。この場合、第2の外部電極は積層方向に伸縮性を更に有することとなるため、外部電極の全体が積層体の積層方向に延在しているものに比べ、積層体の積層方向への変位が阻害されるのを抑制することができる。
好ましくは、複数の接続部が、第2の外部電極上において直線状に位置している。このとき、より好ましくは、複数の接続部が、第2の外部電極において隣り合う頂部間の中央部分に位置している。このように接続部が位置していると、第2の外部電極の積層方向への伸縮性が最大限に発揮されることとなる。更に、圧電素子の製造時における第1の外部電極と第2の外部電極との接続が容易となる。
好ましくは、第1の外部電極と第2の外部電極とが、接続部においてはんだにより電気的且つ物理的に接続されている。このとき、より好ましくは、絶縁体の厚みが、20μm以上60μm以下の範囲に設定されている。絶縁体の厚みを20μm以上に設定することにより、接続部の信頼性を確保することができる。絶縁体の厚みを60μm以下に設定することにより、はんだペーストの印刷状態が良好となる。
本発明に係る積層型圧電素子によれば、積層体の変位の阻害及び外部電極の断線の発生を単純な構成で抑制することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1〜図4を参照して、本実施形態に係る積層型圧電素子1の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る積層型圧電素子を示す概略斜視図である。図2は、本実施形態に係る積層型圧電素子の断面構成を説明するための模式図である。図3は、本実施形態に係る積層型圧電素子に含まれる外部電極を示す正面図である。図4は、本実施形態に係る積層型圧電素子の断面構成を説明するための拡大模式図である。
図1及び図2に示されるように、第1の実施形態に係る積層型圧電素子1は、多角柱形状(ここでは、四角柱形状)の積層体2を備えている。積層体2は、当該積層体2の積層方向(以下、単に「積層方向」という)に平行で且つ互いに対向するように位置する第1の側面2aと第2の側面2bとを有している。
積層体2は、圧電体3と圧電体5とが交互に積層され、更に、圧電体7と圧電体9とで上下から挟み込まれるようにして構成されている。各圧電体3,5,7,9は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電セラミックス材料からなり、矩形薄板状に形成されている。ここでは、各圧電体3,5の厚みは50〜100μmである。
積層体2は、第1の内部電極11と第2の内部電極13とを有している。第1の内部電極11は圧電体3の上面に形成されており、第2の内部電極13は圧電体5,9の上面に形成されている。各内部電極11,13は、例えば、銀及びパラジウムを主成分とする導電材料からなり、スクリーン印刷によりパターン形成されたものである。ここでは、各内部電極11,13の厚みは0.5〜5μmである。
積層体2では、圧電体3,5を介在させて第1の内部電極11と第2の内部電極13とが積層されている。これにより、積層体2では、複数の圧電体3,5と複数の内部電極11,13とが交互に積層されることとなる。
第1の内部電極11は、第2の側面2bよりも内側から第1の側面2aに露出するように形成されている。すなわち、第1の内部電極11の第2の側面2b側の端は、第2の側面2bから所定の距離だけ離れて位置している。第1の内部電極11は、第2の側面2bに露出していない。
第2の内部電極13は、第1の側面2aよりも内側から第2の側面2bに露出するように形成されている。すなわち、第2の内部電極13の第1の側面2a側の端は、第1の側面2aから所定の距離だけ離れて位置している。第2の内部電極13は、第1の側面2aに露出していない。そして、第2の内部電極13は、積層方向から見て、その一部が第1の内部電極11の一部に重なるように位置している。
積層体2の各側面2a,2bには、外部電極21が設けられている。外部電極21は、第1の外部電極23と第2の外部電極25とを含んでいる。第1の外部電極23は、各側面2a,2bの一部を覆うように形成されている。第1の外部電極23は、例えば、銀を主成分とする導電材料からなり、スクリーン印刷によりパターン形成されたものである。ここでは、第1の外部電極23の厚みは1〜40μmである。
第1の側面2aに形成された第1の外部電極23は、第1の側面2aにおいて、当該第1の側面2aに露出する第1の内部電極11と電気的に接続されている。第2の側面2bに形成された第1の外部電極23は、第2の側面2bにおいて、当該第2の側面2bに露出する第2の内部電極13と電気的に接続されている。
第2の外部電極25は、各第1の外部電極23の外側に配置され、積層方向に沿って波状に延在している。第2の外部電極25は、例えば、銅又はその合金、ニッケル又はその合金、ステンレス或いはベリリウム銅等の導電材料からなり、平板状である。ここでは、第2の外部電極25の厚みは50〜150μm程度である。
第2の外部電極25は、第1の部分25aと第2の部分25bとを有している。第1の部分25aは、積層方向に沿って延在し、積層方向において不連続に配置されている。第2の部分25bは、積層方向と交差する方向(ここでは、積層方向と直交する方向)に沿って延在し、第1の部分25a同士を繋いでいる。これにより、第2の外部電極25は、全体として、積層方向に沿って矩形波状(すなわち、パルス波状)に延在することとなる。第2の外部電極25は、積層方向に交差する方向に撓み得るバネ性と、積層方向に伸縮可能なバネ性とを有する。
第2の外部電極25は、図3に示されるように、各第2の部分25bに位置する接続部Pそれぞれにおいて第1の外部電極23と電気的且つ物理的(すなわち、機械的)に接続されている。これにより、第2の外部電極25は、不連続に第1の外部電極23と電気的且つ物理的に接続されることとなる。なお、第2の外部電極25が積層方向に沿って矩形波状に延在する場合には、第1の部分25aが頂部となる。
接続部Pは、第2の外部電極25の両端に位置する第2の部分25bを除いて、第2の外部電極25において隣り合う第1の部分25a間の中央部分(すなわち、各第2の部分25bの中央部分)に直線状に位置している。つまり、第2の外部電極25は、第2の外部電極25の両端に位置する第2の部分25bを除いて、直線状に位置する複数の接続部Pにおいて不連続に第1の外部電極23と電気的且つ物理的に接続されている。ここでは、第2の外部電極25上において隣り合う接続部P間の積層方向に沿った距離は0.2mm〜0.7mmである。
第2の外部電極25は、図4に示されるように、各接続部Pにおいてはんだ27により第1の外部電極23と電気的且つ物理的に接続されている。なお、第1の外部電極23と第2の外部電極25とを、各接続部Pにおいて導電性接着剤により接続してもよい。
第2の外部電極25の両端に位置する第2の部分25bは、第1の外部電極23と電気的且つ物理的に確実に接続させるために、積層方向に直交する方向に並置された複数の接続部Pにより第1の外部電極23と電気的且つ物理的に接続されている。第2の外部電極25の両端に位置する第2の部分25bは、後述する活性部から外れた位置にあるので、積層方向に直交する方向に並置された複数の接続部Pにより第1の外部電極23と電気的且つ物理的に接続されていても、積層体2の変位を阻害し難い。
図4に示されるように、第1の外部電極23と第2の外部電極25との間には、絶縁体29が設けられている。絶縁体29は、第1の外部電極23と第2の外部電極25とに接しており、第1の外部電極23と第2の外部電極25との間隔を規定している。すなわち、絶縁体29の厚みが、第1の外部電極23と第2の外部電極25との間隔と略同一となる。絶縁体29は、例えば、エポキシ樹脂系やポリイミドアミド等のレジストからなる。
絶縁体29には、複数の接続部Pに対応する位置に、開口部31が形成されている。本実施形態では、開口部31は、複数の接続部Pそれぞれを囲むように、接続部P毎に対応して複数形成されている。すなわち、第1の外部電極23の外側表面23a及び第2の外部電極25の内側表面25cには、少なくとも接続部Pが位置する部分(すなわち、はんだ27が配置される部分)を除いて絶縁体29が膜状に形成されることとなる。第2の外部電極25の両端に位置する第2の部分25bに対応する開口部31のサイズは、例えば、1mm×0.4mmである。第2の外部電極25の両端に位置する第2の部分25bを除く、他の第2の部分25bに対応する開口部31のサイズは、例えば、1mm×0.4mmである。はんだ27のサイズは、後述するはんだ付けの際にはんだが溶融して、各開口部31の形状に倣うようになるため、各開口部31と略同等となる。
以上のように構成された積層型圧電素子1においては、第1の側面2aに形成された第1の外部電極23と第2の側面2bに形成された第1の外部電極23との間に電圧が印加されると、第1の内部電極11と第2の内部電極13との間に電圧が印加されることとなる。これにより、圧電体3,5においては、第1の内部電極11と第2の内部電極13とで挟まれた部分に電界が生じ、当該部分が活性部として変位することとなる。
次に、図5及び図6を参照して、本実施形態に係る積層型圧電素子1の製造方法について説明する。図5は、本実施形態に係る積層型圧電素子の製造方法を説明するための概略平面図である。図6は、本実施形態に係る積層型圧電素子の製造方法を説明するための模式図である。
まず、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電セラミックス材料に有機バインダや有機溶剤等を混合して基体ペーストを作製し、その基体ペーストを用いて、各圧電体3,5,7,9となるグリーンシートを成形する。また、所定比率の銀とパラジウムとからなる金属材料(例えば、銀:パラジウム=7:3)に有機バインダや有機溶剤等を混合して電極パターン形成用の導電性ペーストを作製する。
続いて、グリーンシート上に、第1の内部電極11に対応する電極パターンを形成する。また、別のグリーンシート上に、第2の内部電極13に対応する電極パターンを形成する。各電極パターンの形成は、上述した導電性ペーストをスクリーン印刷することで行われる。
続いて、第1の内部電極11に対応する電極パターンが形成されたグリーンシートと、第2の内部電極13に対応する電極パターンが形成されたグリーンシートとを交互に積層し、更に、電極パターンが形成されていないグリーンシートを最外層に積層して、積層体グリーンを作製する。ここでは、グリーンシートの積層数は350層程度である。
続いて、積層体グリーンを所定の温度(例えば、60℃程度)で加熱しながら、所定の圧力(例えば、100MPa程度)で積層方向にプレスした後、その積層体グリーンを所定の大きさに切断する。積層体グリーンの切断は、例えば、ダイヤモンドブレードにより行われる。これにより、第1の内部電極11が第1の側面2aに露出し、第2の内部電極13が第2の側面2bに露出することとなる。
続いて、積層体グリーンを所定の温度(例えば、400℃程度)で脱脂(すなわち、脱バインダ)した後、所定の温度(例えば、1100℃程度)で所定の時間(例えば、2時間程度)焼成して、積層体2を得る。
続いて、積層体2の各側面2a,2bに、銀を主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷した後、所定の温度(例えば、700℃程度)で焼き付けて、第1の外部電極23を形成する(図5の(a)を参照)。なお、第1の外部電極23の形成には、スパッタリング法や無電解めっき法等を適用してもよい。
続いて、第1の外部電極23の外側表面23aに、各接続部Pに対応する位置に開口部31がそれぞれ形成された絶縁体29を形成する(図5の(b)を参照)。開口部31が形成された絶縁体29は、第1の外部電極23の外側表面23aにレジストをスクリーン印刷等でパターンニングすることにより、形成される。
続いて、はんだペーストSを、開口部31に対応する開口が形成されたメタルマスクを用いて、第1の外部電極23の外側表面23a上にスクリーン印刷する(図5の(c)及び図6の(a)を参照)。これにより、開口部31を介して露出する第1の外部電極23の外側表面23a上に、はんだペーストSが供給されることとなる。
続いて、用意した第2の外部電極25を、はんだ付けにより各接続部Pにおいて第1の外部電極23と接続する(図5の(d)及び図6の(b)を参照)。このとき、第2の外部電極25の第2の部分25bとはんだペーストSとを当接させた状態で、はんだペーストSを加熱して溶融させ、第2の外部電極25と第1の外部電極23とを固定する、すなわち電気的且つ機械的に接続する。はんだペーストSの加熱には、ホットプレートやリフロー炉等を用いることができる。第2の外部電極25は、例えば、銅板にNi/Snめっきを施し、矩形波形状に加工することで得られる。
図6では、開口部31の積層方向での幅と、第2の外部電極25の第2の部分25bの積層方向での幅とが略同一である場合の例を示している。開口部31の積層方向での幅と、第2の外部電極25の第2の部分25bの積層方向での幅とは略同一でなくてもよく、図7に示されるように、開口部31の積層方向での幅が、第2の部分25bの積層方向での幅よりも大きくてもよい。
最後に、分極処理(例えば、温度120℃の環境下で、強度が2kV/mmになるように3分間にわたって電界を印加する)を施して、積層型圧電素子1を得る。
以上のように、本実施形態によれば、第2の外部電極25が、複数の接続部Pにおいて第1の外部電極23と電気的且つ物理的に接続されている。これにより、複数の接続部Pは、第2の外部電極25が積層体2の変位を阻害するのを抑制して、積層体2及び第1の外部電極23に発生する応力を緩和する応力緩衝部位として機能することとなる。この結果、積層型圧電素子1が長期間に渡って使用されても、第2の外部電極25が断線するのを抑制することができる。
しかも、積層体2の各側面2a,2bに形成された第1の外部電極23が断線したとしても、第1の外部電極23には、第2の外部電極25が複数の接続部Pにおいて電気的且つ物理的に接続されているため、第1の内部電極11への導通路及び第2の内部電極13への導通路が確保されることとなり、積層型圧電素子1としての機能が損なわれることはない。
ところで、複数の接続部Pが応力緩衝部位として機能するためには、各接続部Pの厚み、すなわち第1の外部電極23と第2の外部電極25との間隔が所望の値である必要がある。すなわち、各接続部Pの厚みが薄いと、積層体2及び第1の外部電極23に発生する応力を緩和し難くなる。これに対し、各接続部Pの厚みが厚いと、第1の外部電極23と第2の外部電極25とのはんだ付け性が問題となる。また、接続部Pの厚みが薄い箇所と厚い箇所が混在した場合には、積層体2及び第1の外部電極23に発生する応力が不均一となり、積層型圧電素子1の変位特性に悪影響を及ぼす懼れがある。
本実施形態では、絶縁体29が、第1の外部電極23と第2の外部電極25との間に、該第1の外部電極23と該第2の外部電極25とに接するように設けられている。これにより、各接続部Pの厚みが絶縁体29の厚みにより規定されることとなり、各接続部Pの厚みを容易に所望の値に設定することができる。この結果、複数の接続部Pを応力緩衝部位として適切に機能させることができる。
本実施形態においては、第2の外部電極25に、積層方向に沿って波状に延在する平板状のものといった極めて簡易な部材が採用されているため、外部電極にメッシュ部材或いはコイル状弾性部材といった特殊形状の部材が採用されているものに比べ、積層型圧電素子1の構成を単純化することができる。
本実施形態において、絶縁体29には、複数の接続部Pに対応する位置に、開口部31が形成されている。各接続部Pと各外部電極23,25との接触面積が大きくなると、平板状の第2の外部電極25が有するバネ性を阻害すると共に、複数の接続部Pの応力緩衝部位としての機能を阻害することとなる。絶縁体29に開口部31が設けられることにより、該開口部31が、各接続部Pと各外部電極23,25との接触面積を不必要に大きくするのを抑制する。この結果、第2の外部電極25が有するバネ性と、複数の接続部Pの応力緩衝部位としての機能とが阻害されるのを防ぐことができる。
本実施形態においては、開口部31が、複数の接続部Pのそれぞれを囲むように複数形成されている。これにより、各接続部Pと各外部電極23,25との接触面積を、最も小さくすることができ、第2の外部電極25が有するバネ性と、複数の接続部Pの応力緩衝部位としての機能とが阻害されるのをより一層効果的に防ぐことができる。
開口部31は、図8に示されるように、複数の接続部Pのうち2つ以上の接続部Pを囲むように形成されていてもよい。図8では、開口部31の一つは、第2の外部電極25の両端に位置する第2の部分25bに対応する接続部Pを除いて、他のすべての接続部Pを囲むように形成されている。このように、開口部31が複数の接続部Pのうち2つ以上の接続部Pを囲むように形成されている場合、はんだペーストが溶融した際に、溶融したはんだペーストが積層方向に流れ出して、隣り合う接続部P同士が一体化する懼れがある。したがって、隣り合う接続部Pの間に対応する位置に堰を形成し、溶融したはんだペーストの積層方向への流動を規制することが好ましい。この堰は、絶縁体29を形成する際に、印刷法を用いて同時に形成することができる。
絶縁体29は、図9に示されるように、第2の外部電極25の第1の部分25aに沿うように、設けられていてもよい。この場合は、開口部31を形成する必要がないので、絶縁体29を比較的容易に設けることができる。図9では、絶縁体29は、第2の外部電極25の両端に位置する第2の部分25bに対応する接続部Pを除いて、他のすべての接続部Pの両側に沿って位置することとなる。
本実施形態においては、第2の外部電極25が、積層体2の積層方向に沿って波状に延在している。これにより、第2の外部電極25は積層方向に伸縮性を更に有することとなるため、外部電極の全体が積層体の積層方向に延在しているものに比べ、積層体2の積層方向への変位が阻害されるのを抑制することができる。
本実施形態においては、複数の接続部Pが、第2の外部電極25において隣り合う頂部間の中央部分に位置している。このように複数の接続部Pが位置していると、第2の外部電極25の積層方向への伸縮性が最大限に発揮されることとなる。更に、積層型圧電素子1の製造時における第1の外部電極23と第2の外部電極25との接続が容易となる。
本実施形態において、第1の外部電極23と第2の外部電極25とは、接続部Pにおいてはんだ27により電気的且つ物理的に接続されているため、積層型圧電素子1の製造時における第1の外部電極23と第2の外部電極25との接続が容易となる。
本実施形態において、第2の外部電極25は、積層方向に沿って矩形波状に延在する部材であるため、第2の外部電極25の製造が容易となる。
ここで、絶縁体29の厚みについて、考察する。
本発明者等は、絶縁体29の厚みがそれぞれ異なる複数の積層型圧電素子のサンプルを準備して、駆動耐久実験を行なった。駆動耐久実験では、各サンプルを10回駆動し、接続部Pに異状が見られるか否かを確認した。その確認結果を図10に示す。「×」は、接続部Pが破壊して、第2の外部電極25が第1の外部電極23から剥離した状態であったことを示す。「△」は、接続部Pの破壊がやや見られた状態であったことを示す。「○」は、接続部Pの状態が、接続部Pに異状が見られなかったことを示す。本実験では、絶縁体29の厚みを10μm〜80μmの範囲で異ならせている。
第1の外部電極23の厚みは30μmとし、第2の外部電極25の厚みは150μmとした。また、第1の部分25aの積層方向に直交する方向での幅、及び、第2の部分25bの積層方向での幅は400μmとし、隣り合う第2の部分25b間の距離(ピッチ)は700μmとした。
図10に示される実験結果から、絶縁体29の厚みが20μm以上であれば、接続部Pが破壊することはなく、接続部Pの信頼性を確保できることがわかる。
また、本発明者等は、第1の外部電極23の上に厚みが異なる絶縁体29を形成した複数のサンプルを準備して、はんだペーストの印刷状態を確認する実験を行なった。その確認結果を、同じく図10に示す。「×」は、印刷状態が不良であったことを示す。「△」は、はんだペーストの滲みや印刷状態の不良がやや見られた状態であったことを示す。「○」は、印刷状態が良好であったことを示す。本実験でも、絶縁体29の厚みを10μm〜80μmの範囲で異ならせている。
はんだペーストとして、非鉛系はんだペーストを用い、その組成は、SnAgCu系とした。第1の外部電極23の厚みは、30μmとした。
図10に示される実験結果から、絶縁体29の厚みが60μm以下であれば、はんだペーストの印刷状態が良好となることがわかる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、積層体2の形状は、多角柱形状に限られず、円柱形状であってもよい。そして、積層体2において外部電極21が設けられる側面は、互いに対向するように位置する2つの側面に限られず、隣り合う2つの側面であってもよい。なお、積層体2が円柱形状である場合には、外部電極21は、互いに接触しない位置であれば、側面の任意の領域に設けられる。
第2の外部電極25は、積層方向に沿って矩形波状に延在するものに限られない。図11に示されるように、積層方向に沿って三角波状に延在するものであってもよい。図12に示されるように、積層方向に沿って正弦波状に延在するものであってもよい。これらの場合には、積層方向と直交する方向において第2の外部電極25の幅が最大となる極値部分25dが頂部となる。
第1の内部電極11は、第2の側面2bに設けられる外部電極21と電気的に絶縁されるのであれば、第2の側面2bに露出してもよい。同様に、第2の内部電極13は、第1の側面2aに設けられる外部電極21と電気的に絶縁されるのであれば、第1の側面2aに露出してもよい。
接続部Pは、第2の外部電極25において直線状に位置しているが、これに限られない。例えば、接続部Pは、第2の外部電極25において千鳥状に位置していてもよい。この場合、接続部Pを第2の外部電極25の各第1の部分に位置させると、接続部P同士間の距離が離れることとなる。この結果、接続部Pのショートを防止しつつ、第2の外部電極25において隣り合う第1の部分間の積層方向に沿った距離を短くすることができる。
上述した製造方法では、第1の外部電極23の外側表面23aに、絶縁体29を形成し、はんだペーストをスクリーン印刷しているが、これに限られない。例えば、第2の外部電極25の外側表面25cに、絶縁体29を形成し、はんだペーストをスクリーン印刷してもよい。また、第1の外部電極23の外側表面23aに絶縁体29を形成し、第2の外部電極25の外側表面25cにはんだペーストをスクリーン印刷してもよい。また、第1の外部電極23の外側表面23aにはんだペーストをスクリーン印刷し、第2の外部電極25の外側表面25cに絶縁体29を形成してもよい。
本実施形態に係る積層型圧電素子を示す概略斜視図である。 本実施形態に係る積層型圧電素子の断面構成を説明するための模式図である。 本実施形態に係る積層型圧電素子に含まれる外部電極を示す正面図である。 本実施形態に係る積層型圧電素子の断面構成を説明するための拡大模式図である。 本実施形態に係る積層型圧電素子の製造方法を説明するための概略平面図である。 本実施形態に係る積層型圧電素子の製造方法を説明するための模式図である。 本実施形態に係る積層型圧電素子の製造方法の一変形例を説明するための模式図である。 絶縁体の一変形例を示す正面図である。 絶縁体の一変形例を示す正面図である。 駆動耐久実験及びはんだペーストの印刷状態を確認する実験の結果を示す図表である。 外部電極の一変形例を示す正面図である。 外部電極の一変形例を示す正面図である。
符号の説明
1…積層型圧電素子、2…積層体、2a,2b…側面、3,5,7,9…圧電体、11…第1の内部電極、13…第2の内部電極、21…外部電極、23…第1の外部電極、25…第2の外部電極、25a…第1の部分、25b…第2の部分、29…絶縁体、31…開口部、P…接続部。

Claims (8)

  1. 複数の圧電体と複数の内部電極とが交互に積層されてなる積層体と、
    前記積層体の側面に設けられ、所定の前記内部電極と電気的に接続された第1の外部電極と、
    前記第1の外部電極の外側に設けられ、該第1の外部電極と複数の接続部において電気的且つ物理的に接続されている平板状の第2の外部電極と、
    前記第1の外部電極と前記第2の外部電極との間に、該第1の外部電極と該第2の外部電極とに接するように設けられた絶縁体と、を備え
    前記絶縁体には、前記複数の接続部に対応する位置に、開口部が形成されていることを特徴とする積層型圧電素子。
  2. 前記開口部が、前記複数の接続部それぞれを囲むように複数形成されていることを特徴とする請求項に記載の積層型圧電素子。
  3. 前記開口部が、前記複数の接続部のうち2つ以上の接続部を囲むように形成されていることを特徴とする請求項に記載の積層型圧電素子。
  4. 前記第2の外部電極が、前記積層体の積層方向に沿って波状に延在していることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の積層型圧電素子。
  5. 前記複数の接続部が、前記第2の外部電極上において直線状に位置していることを特徴とする請求項に記載の積層型圧電素子。
  6. 前記複数の接続部が、前記第2の外部電極において隣り合う頂部間の中央部分に位置していることを特徴とする請求項に記載の積層型圧電素子。
  7. 前記第1の外部電極と前記第2の外部電極とが、前記接続部においてはんだにより電気的且つ物理的に接続されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の積層型圧電素子。
  8. 前記絶縁体の厚みが、20μm以上60μm以下の範囲に設定されていることを特徴とする請求項に記載の積層型圧電素子。
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