JP5073223B2 - 電線接続部分の止水処理方法および止水構造 - Google Patents

電線接続部分の止水処理方法および止水構造 Download PDF

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本発明は、複数の電線を電気的に接続し、当該電線のうちのいずれかの電線に止水処理を施す技術に関するものである。
車両等では、電気回路等に接続された複数の電線が互いに電気的に接続されて配線される場合がある。この電線どうしを接続する方法としては、各電線の端末において被覆材を除去して導体を露出させた後、当該露出させた導体どうしを接続する方法や、特定の電線の途中部分の被覆材を除去して、当該被覆材除去部分に他の電線の端末の導体を接続する方法等がある。しかし、いずれの方法であっても被覆材を除去して導体を露出する必要があるため、この被覆材が除去された領域と除去されていない領域との境界部分から電線内部に水分が浸入するおそれがある。そして、当該水分が被覆材の内側を伝って前記電気回路等に浸入すると、当該回路の正常な動作を妨げるおそれがある。
そこで、このような複数の電線を電気的に接続する場合において、接続された電線に止水処理を行う方法が開発されている。例えば、特許文献1には、電線の導体どうしを溶接して電線を電気的に接続した後、この接続部分を熱収縮チューブに収納するとともに当該熱収縮チューブ内に止水剤を貯留し、当該止水剤を熱硬化させるとともに当該熱収縮チューブを熱収縮させる方法が開示されている。
特開2006−81319号公報
前記のように導体どうしを溶接して接続するとともに当該接続部分を熱収縮チューブ内に収容する方法では、接続部分を熱収縮チューブで覆うために、接続部分が嵩張ってしまい、配線作業が困難になる。
本発明は、このような事情に鑑み、前記導体の接続部分が嵩張ることなく、簡単な操作で確実に電線の止水処理を行うことを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、導体の外側に被覆材を有する複数の電線において、前記導体どうしを接続して前記複数の電線を電気的に接続した後、当該接続された複数の電線のうち少なくとも一部の電線を止水処理するための方法であって、前記複数の電線の被覆材を除去して導体を露出させる導体露出工程と、前記導体露出工程後、電線の長さ方向に延びる基板と、前記基板の長手方向一方端の側部から上方に延びて、前記複数の電線の一部の前記被覆材が除去されていない領域の被覆材を抱き込む姿勢で当該電線に圧着される第一インシュレーションバレル部と、前記基板の長手方向他方端の側部から上方に延びて、前記複数の電線の他の電線の被覆材を抱き込む姿勢で当該電線に圧着される第二インシュレーションバレル部と、これら第一インシュレーションバレル部と第二インシュレーションバレル部との間に設けられて、前記基板の側部から上方に延びて前記複数の電線の導体を外方から抱き込む姿勢で当該導体に圧着される導体バレル部と、前記導体バレル部と前記第一インシュレーションバレル部との間に設けられて、前記基板の側部から上方に延びて、前記第一インシュレーションバレル部が圧着される電線のうち前記被覆材が除去された領域と除去されていない領域との境界部分を下方から覆う第一受け部と、前記導体バレル部と前記第二インシュレーションバレル部との間に設けられて、前記基板の側部から上方に延びて、前記第二インシュレーションバレル部が圧着される電線のうち前記被覆材が除去された領域と除去されていない領域との境界部分を下方から覆う第二受け部と、を一体に有する圧着端子を用いて、前記導体バレル部によって前記露出した複数の導体を束ねつつ、当該導体の束と前記導体バレル部とを圧着するとともに、前記インシュレーションバレル部と前記電線の被覆材とを圧着することで、当該導体どうしを接続して前記複数の電線を電気的に接続する電線接続工程と、前記電線接続工程後、前記圧着端子の少なくとも一方の受け部上であって前記電線の少なくとも一部の前記被覆材が除去された領域と除去されていない領域との境界部分に、流動性を有する止水剤を滴下し、当該止水剤が前記電線の導体と被覆材との隙間を外側から塞ぐ状態にする止水剤供給工程と、前記止水剤供給工程後、前記止水剤が滴下された部分の周囲圧力と、当該止水剤が滴下された電線の被覆材の内側の圧力との間に圧力差を生じさせて、当該圧力差によって前記止水剤を前記被覆材の内側に浸透させる差圧浸透工程とを含むことを特徴とする電線接続部分の止水処理方法を提供する。
この方法によれば、導体露出工程において各電線の導体を露出させた後、電線接続工程において、当該露出させた複数の電線の導体を圧着端子により圧着することで簡単にかつ嵩張らずに導体どうしを接続することができる。また、インシュレーションバレル部により電線の被覆材を圧着することで、圧着端子と電線とを確実に固定できるとともに、インシュレーションバレル部と導体バレル部との間の電線が曲げ変形しにくくなり、電線がこの部分で破断等してしまうのを抑止できる。そして、この電線接続工程の後に行う止水剤供給工程においては、前記圧着端子の受け部の上方に止水剤を滴下するので、安定した状態で止水剤を保持することができ、この止水剤によって電線の導体と被覆材との隙間を確実に外側から塞ぐことができる。そして、差圧浸透工程においては、前記止水剤が滴下された部分の周囲圧力と被覆材の内側の圧力との間に圧力差を生じさせることにより、簡単に止水剤を被覆材の内側に浸透させることができるので、導体と被覆材との隙間に止水剤をむらなく確実に充填することができ、当該電線を止水することができる。従って、従来のような導体の接続部分を熱収縮チューブに収容する方法と異なり、前記導体の接続部分の体積を増やすことなく止水処理を施すことが可能になる。
さらに、前記受け部は、導体を接続するための圧着端子に設けられており、導体バレル部を導体に圧着するのと同時に当該受け部を電線にセットすることができる。すなわち、前記止水剤を受けるために別途何らかの部品を設ける場合に比べて、処理作業が簡単になるとともにコスト面においても有利になる。
また、前記差圧浸透工程における圧力差を生じさせる方法としては、前記止水剤が滴下される電線の端末であって当該止水剤の滴下部分に連なる端末から、当該電線の被覆材の内側のエアを吸引してその内部を減圧する方法や、前記止水剤が滴下された箇所を加圧容器内に入れ、当該加圧容器内に圧縮エアを供給する方法を用いればよい。
前記のように、被覆材の内側のエアを吸引する方法によれば、止水剤にエアが巻き込まれるのを有効に抑止しながら安定した状態で止水剤を被覆材の内側に浸透させることができる。一方、加圧容器を用いる方法によれば、止水剤供給工程と差圧浸透工程の双方を、同じ箇所に対して行うことにより止水処理を行えるので、処理対象部分の位置決め等の管理が容易となり、作業効率が向上する。
また本発明は、導体の外側に被覆材を有する複数の電線が電気的に接続されるとともに、当該接続された電線のうち少なくとも一部の電線に止水処理が行われる電線接続部分の止水構造において、電線の長さ方向に延びる基板と、前記基板の長手方向一方端の側部から上方に延びる第一インシュレーションバレル部と、前記基板の長手方向他方端の側部から上方に延びる第二インシュレーションバレル部と、これら第一インシュレーションバレル部と第二インシュレーションバレル部との間に設けられて、前記基板の側部から上方に延びる導体バレル部と、前記導体バレル部と前記第一インシュレーションバレル部との間に設けられて、前記基板の側部から上方に延びる第一受け部と、前記導体バレル部と前記第二インシュレーションバレル部との間に設けられて、前記基板の側部から上方に延びる第二受け部とを一体に有する圧着端子を備え、前記複数の電線の被覆材が除去されて複数の導体が露出されて、当該露出された複数の導体が、前記導体バレル部によって外方から抱き込まれるようにして束ねられつつ、当該導体バレル部に圧着され、前記複数の電線の一部の電線の被覆材が、前記第一インシュレーションバレル部によって外方から抱き込まれるようにして、当該第一インシュレーションバレル部に圧着され、前記複数の電線の他の電線の被覆材が、前記第二インシュレーションバレル部によって外方から抱き込まれるようにして、当該第二インシュレーションバレル部に圧着され、当該インシュレーションバレル部に圧着される電線のうち、前記被覆材が除去された領域と除去されていない領域との境界部分が、前記受け部によって下方から覆われるとともに、少なくとも一方の前記受け部によって下方から覆われる前記電線の前記被覆材が除去された領域と除去されていない領域との境界部分における前記導体と前記被覆材との隙間が、止水剤によって外側から塞ぐようにして覆われるとともに、当該導体と被覆材との間に前記止水剤が浸透していることを特徴とする電線接続部分の止水構造を提供する。
この構造によれば、導体どうしを導体バレル部によって圧着固定することにより電線の電気的接続が行われるとともに、導体と被覆材との隙間を止水剤で塞ぐことによって電線の止水が行われるので、この電線接続部分の体積の増加を抑止することができる。また、電線の被覆材が圧着端子のインシュレーションバレル部によって圧着固定されているので、電線と圧着端子との接続を確実にすることができる。さらに、被覆材が除去された領域と除去されていない領域との境界部分であって止水剤で覆われた部分が、導体バレル部およびインシュレーションバレル部間に設けられた受け部によって下方から覆われているので、この部分の曲げ変形等が抑止されて電線の耐久性が向上するとともに、止水剤が外部の影響により損傷等を受けるのを抑止することができ、止水効果を確保することができる。
以上のように、本発明によれば、電線の接続部分の体積を増やすことなく、簡単な操作で確実に電線の止水処理を行うことができる。
本発明の基礎となる止水処理方法および止水構造について、図面を参照しながら説明する。ここでは、第一の電線10の端末10aと、第二の電線50の端末50aとを接続し、第二の電線50の端末50aに止水処理を行う場合について説明する。
この電線10,50としては、各導体12,52と、その周囲に配される被覆材14,54とを有し、この被覆材14,54が電気絶縁材により構成されたものを用いる。
の電線の止水処理方法は、次の各工程を含む。
1)導体露出工程
この工程では、図1に示すように、第一の電線10および第二の電線50の各端末10a,50aの被覆材14,54を所定長さだけ除去して各導体12,52をそれぞれ露出させる。
2)電線接続工程
この工程は、図2、図3、図4に示すように、前記露出された導体12,52に対して圧着端子20を圧着固定して、第一の電線10と第二の電線50とを電気的に接続する工程である。
図例の圧着端子20は、単一の金属板を曲げ加工することにより形成されたものであり、電線の長さ方向に延びる基板21と、この基板21の側部から上方に延びて各電線10,50の導体12,52を束ねつつ、この導体12,52と圧着される導体バレル部22と、電線50の被覆材54に圧着されるインシュレーションバレル部24と、この導体バレル部22とインシュレーションバレル部24との間に設けられて、基板21の側部から上方に延びて、電線50の被覆材54が除去された領域と除去されていない領域との境界部分(図中網掛け部分A)を下方から覆うような形状を有する受け部26とを一体に有している。
本導体接続工程を行うには、まず、図2に示すように、前記圧着端子20の両バレル部22,24が開いた状態で、両電線10,50をこの圧着端子20にセットする。ここで、露出した導体12,52を前記導体バレル部22上に互いに接触するように配設するとともに、第二の電線50の被覆材54を前記インシュレーションバレル部24上に配設する。また、第二の電線50においては、被覆材54が除去された領域と除去されていない領域との境界部分Aの下方に、前記受け部26が配設されるようにセットする。
そして、図3、図4に示すように導体バレル部22を閉じ方向に曲げ変形させて、両導体12,52を外方から抱き込む姿勢で束ねつつ圧着(かしめ)固定する。これによって両導体12、52が接続されて、電線10と電線50とが互いに電気的に接続される。さらに、インシュレーションバレル部24を閉じ方向に曲げ変形させて、この電線50の被覆材54に圧着固定することにより、圧着端子20を第二の電線50に確実に固定する。
ここで、前記導体バレル部22とインシュレーションバレル部24とに挟まれた部分に配設される受け部26は、両バレル部22,24が曲げ変形する際に、これらと一緒に閉じ方向に曲げ変形する。その結果、受け部26の左右両側には基板21の側部から上方に延びて前記境界部分Aを囲むような壁面部26aが形成され、受け部26はこの境界部分Aを下方から覆うような形状に形成される。
3)止水剤供給工程
この工程は、圧着端子20に圧着された第二の電線50に止水剤18を供給する工程である。具体的には、第二の電線50において前記被覆材54が除去された領域と除去されていない領域との境界部分Aに対し、図略のディスペンサを用いて止水剤18を滴下し、これにより、止水剤18が導体52と被覆材54との隙間を塞ぐ状態にする。
ここで、前記止水剤18を滴下する部分Aの下方には、前記圧着端子20の受け部26が配設されており、この止水剤滴下部分Aの左右には壁面部26aが形成されているので、この壁面部26aによって止水剤18が外方にあふれ出すのを抑止しながら、より安定した状態で止水剤18をこの止水剤滴下部分Aに溜めることができる。
この止水剤18の滴下は1回で済ませてもよいが、後述する差圧浸透工程を開始すると、最初に供給した止水剤18が被覆材54の内側に浸透していくのに伴って前記受け部26上に溜まっている止水剤18の量が徐々に減少するため、これを補給するように当該差圧浸透工程と並行して止水剤18の滴下を追加的に行うようにしてもよい。これにより、前記受け部26上に溜まっている止水剤18の量をほぼ均一に保ちながら、充分な量の止水剤18を導体52と被覆材54との隙間にむらなく確実に充填することが可能になる。
この止水剤18には、初期状態において流動性を有するものを用いる。この流動性は、後述する差圧浸透工程時において、止水剤18の周囲の圧力と被覆材54の内側の圧力との圧力差によって当該止水剤18が被覆材54内に浸透し得る程度のものであればよい。一般には、初期状態で止水剤18の粘度が0.006〜6Pa・s程度であれば、後述の差圧浸透工程により止水剤18を被覆材54内に浸透させることが可能であることが確認されている。
また、前記止水剤18としては、前記の浸透後に少なくとも止水剤18の形態が安定して維持される程度にその粘度が高まる(すなわち硬化する)ものであることが、好ましい。この硬化は自然硬化でもよいし、紫外線の照射や加熱によって促進される硬化であってもよい。ただし、当該硬化後も止水剤18にある程度の弾性(柔軟性)が確保されるものであることが好ましい。これにより、配線時に止水剤滴下部分A近傍に外力が加わった場合等に止水剤18の割れや破損が生ずることが回避される。
具体的に、前記止水剤18の材質としては、例えば、自然硬化特性あるいは光硬化特性をもったシリコーン樹脂が好適である。前記紫外線硬化型シリコーン樹脂は、一般に、主成分である多官能性シリコーンオリゴマーに、光重合開始剤(例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾイン系、アセトフェノン系等の化合物)を含有させたものであり、紫外線の照射を受けると、この光重合開始剤が励起状態となって前記シリコーンオリゴマーを重合させるためのラジカルを生成する構成となっている。また、前記シリコーン樹脂に自然硬化特性を持たせるには、例えば、空気中の湿気の存在下で硬化反応を促進させる硬化触媒等をさらに前記シリコーンオリゴマーに含有させればよい。
その他、前記止水剤18の材質としては、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、ポリブタジエンのアクリレートのような多官能性モノマーやオリゴマー等を例示することができる。
4)差圧浸透工程
この工程は、止水剤滴下部分Aの周囲圧力と、第二の電線50の被覆材54の内側の圧力との間に圧力差を生じさせて、この圧力差によって止水剤18を被覆材54の内側に浸透させる工程である。この工程は、前記止水剤供給工程後であってもよいし、止水剤供給工程と並行して実施してもよい。
前記圧力差を生じさせる方法としては、例えば二通りの方法があり、第二の電線50の端末であって、前記止水剤滴下部分Aと連なる端末50bから、第二の電線50の被覆材54の内側のエアを吸引してその内部を減圧する減圧方法と、止水剤滴下部分Aを加圧容器内に入れ、この加圧容器内に圧縮エアを供給する加圧方法とがある。まず減圧方法による場合について説明し、その後に加圧方法による場合について説明する。
図5に示すように、前記減圧方法では、止水剤18が滴下された第二の電線50の端末50bを減圧容器30に接続し、この減圧容器30を圧力制御盤42を介して吸引ポンプ44の吸込み口に接続することにより、前記第二の電線50に対し減圧工程を行う。
減圧容器30は、内部が密閉可能な容器で、適当な配管40及び前記圧力制御盤42を介して前記吸引ポンプ44の吸い込み口に接続されている。
また、この減圧容器30には、これを板厚方向に貫通するゴム栓取付孔32が設けられ、このゴム栓取付孔32内に前記ゴム栓36が嵌着されている。このゴム栓36のほぼ中心には貫通孔36aが設けられており、この貫通孔36aに第二の電線50の端末50bを圧入することにより、ゴム栓36の内周面と第二の電線50の外周面とが密着してシールがなされる。これにより減圧容器30内は密閉空間となり、この密閉空間内を前記圧力制御盤42の制御下で前記吸引ポンプ44の作動により一定の負圧になるまで減圧することによって、第二の電線50における被覆材54の内側空間を減圧することができる。
ここで、第二の電線50の止水剤滴下部分Aを大気圧下に放置しておけば、この部分Aと被覆材54との間に圧力差が生じるので、この圧力差によって止水剤18は被覆材54の内側に浸透していく。また、この方法によれば、止水剤18にエアが巻き込まれるのを有効に抑止しながら安定した状態で止水剤18を被覆材54の内側に浸透させることができるので、導体52と被覆材54との隙間に止水剤をむらなく確実に充填することができる。
次に、前記加圧方法を用いた場合について説明する。
図6に示すように、この加圧方法では、止水剤滴下部分Aを加圧容器60内に入れてシール材(ゴム栓)62により密封し、この加圧容器60内に排気管70を通じてコンプレッサ72から圧縮エアを供給する。これにより、第二の電線50の端末50bを大気圧下に放置しておけば、前記止水剤滴下部分Aの周囲のエアは加圧されて、第二の電線50の被覆材54の内側の圧力(大気圧)よりも高い圧力となり、圧力差が生じる。その結果、止水剤18を強制的に被覆材54の内側に浸透させることができる。
この加圧容器60内に電線をセットするタイミングは、前記止水剤供給工程の前後を問わない。すなわち、前記止水剤供給工程後に当該工程を施した電線をそのまま加圧容器60内にセットするようにしてもよいし、電線を加圧容器60内にセットした後、加圧操作を行う前に同容器60内で前記止水剤供給工程を行うようにしてもよい。
前記コンプレッサ72としては、圧縮エアの圧力を調節できるものが好ましく、加圧容器60内の圧力は適宜設定可能である。
この加圧工程は、前記止水剤供給工程が行われる止水剤滴下部分Aと同じ箇所について作業すればよく、他方の電線端末50bは前記のように例えば大気圧下に放置しておけばよいので、作業管理は容易となり、電線長にかかわらず効率のよい止水処理ができる。
以上説明したような止水処理方法によれば、まず導体接続工程において、第一の電線10と第二の電線50の各端末10a,50aの被覆材14,54を除去し、露出した導体12,52を圧着端子20により接続するという簡単な方法で両電線を電気的に接続することができるとともに、この電線接続部分の体積が増加するのを抑止することができる。そして、止水剤供給工程において、止水剤18を、第二の電線50の前記被覆材54が除去された領域と除去されていない領域との境界部分Aであって、圧着端子20の受け部26上に滴下しているので、この受け部26の壁面部26aによって止水剤18が外方にあふれ出すのが抑止され、安定した状態で止水剤18を溜めることができる。次に、差圧浸透工程において、前記減圧方法もしくは加圧方法を用いて圧力差を利用することにより、止水剤18を被覆材54の内側に容易に浸透させることができる。また、この方法による止水処理は、導体52と被覆材54との隙間に止水剤18を充填することにより止水しているので、従来のように導体どうしを溶接して熱収縮チューブを用いる方法と異なり、導体接続部分の体積を増やすことなく止水処理を施すことが可能となる。
また、導体バレル部22との間を受け部26とすることができ、受け部26を別途設ける必要がなく、コスト面でも有利となる。さらに、この受け部26は導体バレル部22およびインシュレーションバレル部24と一体に形成されているので、この受け部26で覆われた部分の曲げ変形が抑止され、電線の耐久性を向上させることができる。
本発明に係る止水処理方法および止水構造では、以上説明した止水処理方法および止水構造において、図2等に示す圧着端子に代えて、図7に示すようにインシュレーションバレル部24導体バレル部22に対して両側に設けられた圧着端子20が用いられているこの圧着端子20は、図7に示すようにインシュレーションバレル部(第一インシュレーションバレル部、第二インシュレーションバレル部)24が、導体バレル部22に対して両側に設けられており、導体バレル部22と各インシュレーションバレル部との間にそれぞれ受け部26(第一受け部、第二受け部)が設けられたものである。
そして、本発明に係る止水処理では、図7に示すように、前記電線接続工程において、第二電線50に対して施した処理と同じ処理を第一電線10に対しても行う。すなわち、第一の電線10を、被覆材14が除去された領域と除去されていない領域との境界部分の下方に前記受け部26が配設され、かつ、被覆材14が前記インシュレーションバレル部24上に配設されるようにセットし、インシュレーションバレル部24を電線10の被覆材14に圧着固定する。その後、前記止水剤供給工程および差圧浸透工程を実施する。
このようにすれば、前記の基礎となる止水処理方法および止水構造により得られる効果に加えて、電線接続部分全体を保護することができる。また、止水剤供給工程および差圧浸透工程において、第一電線10にも第二電線50と同様の処理を施すことで、全ての電線に同時に、かつ確実に止水処理を行うことができる。
ここで、前記実施形態では、2本の電線10,50の各端末を接続する場合について示したが、本発明は、接続する電線および止水処理を行う電線の数を限定するものではなく、3本以上の電線を接続する場合および2本以上の電線に止水処理を行う場合においても有効である。例えば、図7に示すように第一の電線10に、第二の電線50に加えて第三の電線150を接続する場合であっても、受け部26上に第二の電線50に加えて第三の電線150を配置すれば、第二の電線50および第三の電線150を確実に止水処理することができる。また、差圧浸透工程において減圧方法を用いる場合には、各端末50bおよび150bを減圧容器30に接続して、両電線を同時に減圧してやれば、簡単に両電線50,150に止水処理を行うことができる。また、前記差圧浸透工程において加圧方法を用いる場合には、止水剤滴下部分を加圧容器60内に入れて加圧してやれば、簡単に両電線50,150に止水処理を行うことができる。
また、前記のように電線の端末どうしを接続する場合に限らず、電線の途中部分の被覆材を除去して導体を露出させ、この導体部分に他の電線を接続する場合に用いてもよい。
本発明の基礎となる止水処理方法および止水処理構造にかかる2本の電線を示す平面図である。 本発明の基礎となる止水処理方法および止水処理構造にかかる2本の電線を圧着端子にセットした状態を示す平面図である。 本発明の基礎となる止水処理方法および止水処理構造にかかる2本の電線を圧着固定した状態を示す平面図である。 図3の斜視図である。 前記電線のうち止水剤が滴下された電線の端末を減圧するための装置の例を示す図である。 止水剤が滴下された部分を加圧するための装置の例を示す図である。 本発明において処理対象となる電線の接続方法を示す斜視図である。
符号の説明
10 第一の電線
12 導体
14 被覆材
20 圧着端子
21 基板
22 導体バレル部
24 インシュレーションバレル部
26 受け部
50 第二の電線
52 導体
54 被覆材
30 減圧容器
60 加圧容器
A 止水剤滴下部分

Claims (4)

  1. 導体の外側に被覆材を有する複数の電線において、前記導体どうしを接続して前記複数の電線を電気的に接続した後、当該接続された複数の電線のうち少なくとも一部の電線を止水処理するための方法であって、
    前記複数の電線の被覆材を除去して導体を露出させる導体露出工程と、
    前記導体露出工程後、電線の長さ方向に延びる基板と、前記基板の長手方向一方端の側部から上方に延びて、前記複数の電線の一部の被覆材を抱き込む姿勢で当該電線に圧着される第一インシュレーションバレル部と、前記基板の長手方向他方端の側部から上方に延びて、前記複数の電線の他の電線の被覆材を抱き込む姿勢で当該電線に圧着される第二インシュレーションバレル部と、これら第一インシュレーションバレル部と第二インシュレーションバレル部との間に設けられて、前記基板の側部から上方に延びて前記複数の電線の導体を外方から抱き込む姿勢で当該導体に圧着される導体バレル部と、前記導体バレル部と前記第一インシュレーションバレル部との間に設けられて、前記基板の側部から上方に延びて、前記第一インシュレーションバレル部が圧着される電線のうち前記被覆材が除去された領域と除去されていない領域との境界部分を下方から覆う第一受け部と、前記導体バレル部と前記第二インシュレーションバレル部との間に設けられて、前記基板の側部から上方に延びて、前記第二インシュレーションバレル部が圧着される電線のうち前記被覆材が除去された領域と除去されていない領域との境界部分を下方から覆う第二受け部と、を一体に有する圧着端子を用いて、前記導体バレル部によって前記露出した複数の導体を束ねつつ、当該導体の束と前記導体バレル部とを圧着するとともに、前記インシュレーションバレル部と前記電線の被覆材とを圧着することで、当該導体どうしを接続して前記複数の電線を電気的に接続する電線接続工程と、
    前記電線接続工程後、前記圧着端子の少なくとも一方の受け部上であって前記電線の少なくとも一部の前記被覆材が除去された領域と除去されていない領域との境界部分に、流動性を有する止水剤を滴下し、当該止水剤が前記電線の導体と被覆材との隙間を外側から塞ぐ状態にする止水剤供給工程と、
    前記止水剤供給工程後、前記止水剤が滴下された部分の周囲圧力と、当該止水剤が滴下された電線の被覆材の内側の圧力との間に圧力差を生じさせて、当該圧力差によって前記止水剤を前記被覆材の内側に浸透させる差圧浸透工程とを含むことを特徴とする電線接続部分の止水処理方法。
  2. 請求項1記載の電線接続部分の止水処理方法において、
    前記差圧浸透工程が、前記止水剤が滴下される電線の端末であって当該止水剤の滴下部分に連なる端末から、当該電線の被覆材の内側のエアを吸引してその内部を減圧することにより前記圧力差を生じさせ、前記止水剤を前記電線の被覆材の内側に浸透させることを特徴とする電線接続部分の止水処理方法。
  3. 請求項1記載の電線接続部分の止水処理方法において、
    前記差圧浸透工程が、前記止水剤が滴下された箇所を加圧容器内に入れ、当該加圧容器内に圧縮エアを供給することにより、前記圧力差を生じさせ、前記止水剤を前記電線の被覆材の内側に浸透させることを特徴とする電線接続部分の止水処理方法。
  4. 導体の外側に被覆材を有する複数の電線が電気的に接続されるとともに、当該接続された電線のうち少なくとも一部の電線に止水処理が行われる電線接続部分の止水構造において、
    電線の長さ方向に延びる基板と、前記基板の長手方向一方端の側部から上方に延びる第一インシュレーションバレル部と、前記基板の長手方向他方端の側部から上方に延びる第二インシュレーションバレル部と、これら第一インシュレーションバレル部と第二インシュレーションバレル部との間に設けられて、前記基板の側部から上方に延びる導体バレル部と、前記導体バレル部と前記第一インシュレーションバレル部との間に設けられて、前記基板の側部から上方に延びる第一受け部と、前記導体バレル部と前記第二インシュレーションバレル部との間に設けられて、前記基板の側部から上方に延びる第二受け部とを一体に有する圧着端子を備え、
    前記複数の電線の被覆材が除去されて複数の導体が露出されて、
    当該露出された複数の導体が、前記導体バレル部によって外方から抱き込まれるようにして束ねられつつ、当該導体バレル部に圧着され、
    前記複数の電線の一部の電線の被覆材が、前記第一インシュレーションバレル部によって外方から抱き込まれるようにして、当該第一インシュレーションバレル部に圧着され、
    前記複数の電線の他の電線の被覆材が、前記第二インシュレーションバレル部によって外方から抱き込まれるようにして、当該第二インシュレーションバレル部に圧着され、
    当該インシュレーションバレル部に圧着される電線のうち、前記被覆材が除去された領域と除去されていない領域との境界部分が、前記受け部によって下方から覆われるとともに、
    少なくとも一方の前記受け部によって下方から覆われる前記電線の前記被覆材が除去された領域と除去されていない領域との境界部分における前記導体と前記被覆材との隙間が、止水剤によって外側から塞ぐようにして覆われるとともに、当該導体と被覆材との間に前記止水剤が浸透していることを特徴とする電線接続部分の止水構造。
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