JP6436063B2 - 温度センサ用ケーブル及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、測温抵抗体と記録計、調節計などの測定機器とを接続するための測温抵抗体用接続導線や、熱電対と測定機器とを接続するための熱電対用補償導線等として好適に用いられる温度センサ用ケーブルに関する。
測温抵抗体や熱電対などの温度センサと、これに接続される接続導線や補償導線などの延長ケーブルとの接続部には、温度センサ内部への湿気の侵入による絶縁破壊等を防止するため、例えばホットメルトモールドによりセンサ線と接続導線との接続部を熱可塑性樹脂で覆うように成形した接続構造が提供されている(例えば、特許文献1参照。)。このような接続構造によれば、延長ケーブル側から温度センサ側への湿気等の侵入を防止できると同時に、センサが仮に破損しても延長ケーブル側への油や水等の流体の侵入を防止することができる。
すなわち、温度計測中に温度センサが破損して油水等が内部に侵入した場合、上記の接続構造がなければ、その油水が接続部を通じて延長ケーブル側に侵入し、基端側に接続されている測定機器にまで至ることで、当該測定機器がダメージを受ける可能性がある。上記接続構造により、このような事態も未然に防止することができる。
しかしながら、温度センサのみならず延長ケーブル自体も同様の油水等の存在する環境下に設置される状況もある。このような設置状況下では、延長ケーブルが破断すると、内部に侵入した油水や湿気等は上述の接続構造により温度センサ側への侵入は防げるものの、油水等がケーブル内を伝って測定機器に至り、ダメージを与える可能性がある。
温度センサの延長ケーブルについては、一般的に、耐熱性、耐寒性、耐油水性、耐薬品性、難燃性などを考慮して、フッ素樹脂などの特別な外皮層を有するケーブルが使用されており、破断しにくく、過酷な状況に曝されて破損の可能性が比較的高いセンサ側からの油や水等の侵入も上記接続構造により阻止できることから、ケーブル自体の破断、それによる測定機器側への油や水等の侵入については従来、その可能性についてあまり考慮されていなかった。
ケーブルの一般的な侵入油水の阻止手段としては、例えば、ポリエステル繊維や綿糸からなる基布間に吸水ポリマーを塗布し、片面又は両面にノンハロゲン発泡難燃性樹脂を塗布した吸水性テープ層を、外皮層と金属導線の被覆層との間に全長にわたり設けたケーブル(特許文献2参照)や、ケーブルの長手方向途中部において外皮層や芯線の被覆層を皮剥し、金属導線を露出させ、切断溶接し、シリコーンゴムや低粘度シリコーン樹脂を充填して被覆成形された中間封止体を設けてなるケーブル(例えば、特許文献3、4参照)などが提案されている。
しかしながら、上記吸水性テープ層を全長にわたって介装させたケーブルは高価になり、コストが嵩むという問題がある。また、中間封止体を成形するものでは、温度センサ用ケーブルで多く用いられる上述のフッ素樹脂等からなる外皮層との付着性・密着性を十分に確保できないため、ケーブルを敷設する際の屈曲や経年変化によって隙間が生じ、油や水等の通過を十分に阻止できないという問題がある。
実用新案登録第3176468号公報 特開2006−164813号公報 特開2003−9334号公報 特開2007−287647号公報
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、ケーブル途中部が破断しても内部に侵入した油や水等の流体が測定機器にまで至ることを阻止できる温度センサ用ケーブルを提供する点にある。
本発明は、前述の課題解決のために、センサ線に接続される複数の金属導線と、各金属導線に被覆形成される絶縁性の被覆層と、前記被覆層が被覆形成された複数の金属導線を内装する絶縁性の外皮層と、長手方向途中部に、所定長さの領域において前記被覆層及び外皮層が省略され、代わりに各金属導線を埋め込む絶縁性樹脂成形体が設けられた中間封止体とを備え、前記中間封止体が、前記領域を臨む一対の外皮層の端部の内周側の少なくとも前記被覆層間に、それぞれ前記絶縁性樹脂の減圧浸透成形部を備えることを特徴とする温度センサ用ケーブルを構成した。
ここで、前記被覆層間に、繊維材からなる絶縁材層を備えており、前記減圧浸透成形部が、前記被覆層間の前記絶縁材層中の前記繊維材の隙間に形成されているものが好ましい。
また、前記中間封止体が、前記領域を臨む複数対の被覆層の端部内周側の金属導線との隙間に、それぞれ形成された前記絶縁性樹脂の第2の減圧浸透成形部を備えることが好ましい。
特に、前記金属導線が複数の導体を撚り合わせた撚り線であるものが好ましい。
また、前記絶縁性樹脂が、エポキシ樹脂であるものが好ましい。
また本発明は、センサ線に接続される複数の金属導線と、各金属導線に被覆形成される絶縁性の被覆層と、前記被覆層が被覆形成された複数の金属導線を内装する絶縁性の外皮層と、長手方向途中部に、所定長さの領域において前記被覆層及び外皮層が省略され、代わりに各金属導線を埋め込む絶縁性樹脂成形体が設けられた中間封止体とを備える温度センサ用ケーブルの製造方法であって、少なくとも前記外皮層の内周側が減圧された状態で前記領域内に絶縁性樹脂を注入し、或いは前記領域内に絶縁性樹脂が注入された状態で少なくとも前記外皮層の内周側を減圧し、或いは前記減圧と絶縁性樹脂の注入を同時に行い、前記領域内に絶縁性樹脂を充填して前記各金属導線を埋め込む絶縁性樹脂成形体を形成するとともに、前記領域を臨む一対の外皮層の端部内周側の少なくとも前記被覆層間にも、それぞれ前記注入した絶縁性樹脂を前記減圧により浸透させ、これにより当該被覆層間に前記絶縁性樹脂の減圧浸透成形部を形成してなることを特徴とする温度センサ用ケーブルの製造方法をも提供する。
ここで、外皮層の前記領域を臨む側の端部と反対側端部に、減圧装置を接続し、これにより前記外皮層の内周側のみ減圧することが好ましい。
また、領域を覆う成形金型を設けることが好ましい。
また、前記被覆層間に、繊維材からなる絶縁材層を備えており、前記被覆層間の前記絶縁材層中の前記繊維材の隙間に、前記注入した絶縁性樹脂を前記減圧により浸透させ、これにより当該繊維材の隙間に前記絶縁性樹脂の減圧浸透成形部を形成することが好ましい。
さらに、前記領域を臨む複数対の被覆層の端部内周側の金属導線との隙間にも、それぞれ前記注入した絶縁性樹脂を前記減圧により浸透させ、これにより当該隙間に前記絶縁性樹脂の第2の減圧浸透成形部を形成することが好ましい。
また、前記絶縁性樹脂としてエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
以上にしてなる本願発明に係る温度センサ用ケーブルは、中間封止体が、上記した所定長さの領域を臨む一対の外皮層の端部内周側の少なくとも金属導線の被覆層間に、それぞれ前記絶縁性樹脂の減圧浸透成形部を備えるので、従来のケーブルの阻止手段のように単に絶縁性樹脂を充填成形したものに比べ、金属導線の被覆層の間に深く浸透した減圧浸透成形部が外皮層に対して十分長い距離接触し、接触面積を稼ぐことができることから、ケーブルの敷設の際や経年変化によっても破断箇所から内部に侵入した油や水等の通過をより確実に且つ長期にわたって阻止し、油や水等がケーブル内を伝って測定機器に至り、ダメージを与えることを未然に防止することができる。また、従来と同様、外皮層のみならず被覆層も省略させるので、被覆層まで破断しても、該被覆層と金属導線の間の隙間を伝って油や水等が測定機器に至ることも防止することもできる。
また、前記被覆層間に、繊維材からなる絶縁材層を備えており、前記減圧浸透成形部が、前記被覆層間の前記絶縁材層中の前記繊維材の隙間に形成されているので、特に、耐熱性等が要求される温度センサ用ケーブルで一般に使用される繊維材からなる絶縁材層がある場合において、従来のケーブルの阻止手段のような単なる樹脂成形では十分に充填できない当該絶縁材層の中の隙間に、中間封止体の減圧浸透成形部を備えることで、油や水等が進行しやすい当該繊維材の隙間をなくし、測定機器へのダメージをより確実に防止することができる。
また、前記中間封止体が、前記領域を臨む複数対の被覆層の端部内周側の金属導線との隙間に、それぞれ形成された前記絶縁性樹脂の第2の減圧浸透成形部を備えるので、被覆層までケーブルが破損しても、前記隙間を伝う油や水等の移動を確実に阻止することができる。
また、前記金属導線が複数の導体を撚り合わせた撚り線であると、前記被覆層と金属導線との間だけでなく金属導線の複数の導体間にも隙間があるため、被覆層まで破断した場合に油や水等がこれら隙間を伝って移動する可能性が高まるが、このような隙間を通じた移動も中間封止体の前記第2の減圧浸透成形部を備えることで確実に阻止することができる。
また、前記絶縁性樹脂がエポキシ樹脂であるので、寸法安定性や電気絶縁性、耐水性等に優れ、コストも嵩むことがなく、金属導線との接着性にも優れ、本発明の絶縁性樹脂として好ましい特性を備える。
また本発明の温度センサ用ケーブルの製造方法によれば、少なくとも前記外皮層の内周側が減圧された状態で前記領域内に絶縁性樹脂を注入し、或いは前記領域内に絶縁性樹脂が注入された状態で少なくとも前記外皮層の内周側を減圧し、或いは前記減圧と絶縁性樹脂の注入を同時に行い、前記領域内に絶縁性樹脂を充填して前記各金属導線を埋め込む絶縁性樹脂成形体を形成するとともに、前記領域を臨む一対の外皮層の端部内周側の少なくとも前記被覆層間にも、それぞれ前記注入した絶縁性樹脂を前記減圧により浸透させ、これにより当該被覆層間に前記絶縁性樹脂の減圧浸透成形部を形成するので、前記減圧浸透成形部を容易かつ十分な深さまで浸透させて成形することができる。
また、外皮層の前記領域を臨む側の端部と反対側端部に、減圧装置を接続し、これにより前記外皮層の内周側のみ減圧するので、大掛かりな減圧容器内にケーブル全体を入れて作業を行うといったことは必要なく、ケーブル内のみ減圧し、効率よく減圧浸透成形部を形成することができる。したがって、作業性もよく、製造コストを低く抑えることができ、減圧も確実に行うことができ、より深い位置まで減圧浸透成形部を形成し、より確実に油や水等を阻止できるケーブルを提供することができる。
また、領域を覆う成形金型を設けるので、ケーブル内を効率よく減圧することができ、減圧の程度を高め、減圧浸透成形部をより深く形成することができる。
また、前記被覆層間に、繊維材からなる絶縁材層を備えており、前記被覆層間の前記絶縁材層中の前記繊維材の隙間に、前記注入した絶縁性樹脂を前記減圧により浸透させ、これにより当該繊維材の隙間に前記絶縁性樹脂の減圧浸透成形部を形成するので、このような減圧浸透成形部はケーブル内を減圧する上記製造方法により確実に形成することができ、油や水等が進行しやすい当該繊維材の隙間をなくし、測定機器へのダメージをより確実に防止することができる。
また、前記領域を臨む複数対の被覆層の端部内周側の金属導線との隙間にも、それぞれ前記注入した絶縁性樹脂を前記減圧により浸透させ、これにより当該隙間に前記絶縁性樹脂の第2の減圧浸透成形部を形成するので、このような第2の減圧浸透成形部はケーブル内を減圧する上記製造方法により確実に形成することができ、被覆層までケーブルが破損しても、油や水等の移動を確実に阻止することができる。
また、前記絶縁性樹脂としてエポキシ樹脂を用いるので、寸法安定性や電気絶縁性、耐水性等に優れた中間封止体を低コストで形成することができる。
(a)は本発明の代表的実施形態に係る温度センサ用ケーブルを温度センサに接続した使用状態を示す説明図、(b)は(a)のA−A断面図。 同じく温度センサ用ケーブルの軸方向途中部に形成された中間封止体を示す説明図。 同じく中間封止体の要部(図2のDで示す部分)を示す縦断面図。 (a)は図2のB−B断面図、(b)は図2のC−C断面図。 (a)〜(d)は、同じく温度センサ用ケーブルの中間封止体の製造工程を示す説明図。 同じく中間封止体の製造工程を示す説明図。 完成した中間封止体を示す説明図。 中間封止体を複数箇所に形成する製造工程を説明する説明図。
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
温度センサ用ケーブル1は、図1(a)に示すように、測温抵抗体やシース熱電対などの温度センサRの基端側に、連結部9を介して連結される延長ケーブルであり、図1(b)の断面図に示すように、温度センサRの図示しない複数のセンサ線の基端側に接続される複数(本例では3本)の金属導線2と、各金属導線2に被覆形成される絶縁性の被覆層3と、これら被覆層3付き金属導線2を内装する絶縁性の外皮層4と、外皮層4内の被覆層3、3間の隙間に充填される繊維材60からなる絶縁材層6とを備えている。
そして、図2に示すように、ケーブル長手方向の途中部が所定長さの領域r1において被覆層3及び外皮層4が皮剥きにより省略され、該領域r1の絶縁材層6も勿論省略され、代わりに各金属導線2を埋め込む絶縁性樹脂成形体50が設けられた中間封止体5が形成される。被覆層3の省略(皮剥き)の長さは、外皮層4の省略の長さ(領域r1の長さ分)と同じでもあってもよいし、本例のように短く設定してもよい。
温度センサRは、本例ではシース型測温抵抗体を例示しているが、シース熱電対その他の各種温度センサを適用することができる。また、本温度センサ用ケーブル1と温度センサRとの連結部9についても、本例ではホットメルトモールドによりセンサ線と接続導線との接続部を熱可塑性樹脂で覆うように成形した接続構造の外観を示しているが、その他の公知の接続構造を広く採用できる。
また、中間封止体5以外の本ケーブルの基本の構成要素、すなわち金属導線2、被覆層3、外皮層4及び絶縁材層6についても、温度センサ用ケーブルとして従来から公知のものを広く採用することができる。本例では、シース型測温抵抗体の温度センサRに対応して3本のセンサ線に接続する3本の金属導線2を有しているが、その数はセンサ線に応じて適宜設定される。また、各金属導線2は複数の金属線を撚った撚り線としているが、これに限らず単線でも勿論よい。さらに、絶縁材層6は、公知の温度センサ用ケーブルと同様、省略したものでもよい。
中間封止体5は、領域r1を臨む一対の外皮層4、4の端部4aの外側から領域内の被覆層3間の隙間、金属導線2間の隙間に成形された金属導線2を埋め込む上記絶縁性樹脂成形体50と、図3及び図4(a)にも示すように、これに連続して外皮層4、4の端部4aの内周側の被覆層3、3間の絶縁材層6の隙間にそれぞれ形成される第1の減圧浸透成形部51と、図3及び図4(b)に示すように、同じく絶縁性樹脂成形体50に連続して領域r1を臨む複数対の被覆層3の端部内周側の金属導線2の隙間にそれぞれ形成される第2の減圧浸透成形部52とより構成されている。
これら減圧浸透成形部51、52は、絶縁性樹脂成形体50を成形する際に注入した絶縁性樹脂が、それぞれ外皮層4の内周側、被覆層3の内周側に深く減圧浸透して一体的に成形されたものであり、外皮層4、被覆層3の各内周面に対して広い面積で密着し、ケーブルの敷設の際の屈曲や経年変化によっても外皮層4と被覆層3の隙間の油や水等の通過、被覆層3内の油や水等の通過を、より確実に且つ長期にわたって阻止することになる。
成形に用いる絶縁性樹脂は、寸法安定性や電気絶縁性、耐水性等に優れ、コストも嵩むことがなく、金属導線2との接着性にも優れるエポキシ樹脂が好ましい。シリコーン樹脂やポリアミド樹脂などの公知の絶縁性シール材、モールド材を広く用いることができる。
第1の減圧浸透成形部51は、絶縁材層6の繊維材60の隙間に上記絶縁性樹脂が減圧浸透して成形されたものであるが、被覆層3間、被覆層3と外皮層4との間に絶縁材層6が存在しない場合は、その隙間に成形される。絶縁材層6は、被覆層3の間に第1の減圧浸透成形部51が形成される隙間があるものであれば、繊維材60でなくても他の材料であってもよい。
第2の減圧浸透成形部52は、被覆層3と金属導線2の間の隙間、撚り線である金属導線2の内部の隙間に、それぞれ減圧浸透して成形されたものである。金属導線2が単線の場合、該被覆層3と金属導線2の間の隙間のみとなるが、単線の場合はこの隙間も殆ど存在しない場合もあり、第2の減圧浸透成形部52が形成されない場合もある。
以下、図5〜図8に基づき、本発明に係る温度センサ用ケーブル1の製造方法を説明する。
まず、図5(a)に示すケーブル材10の途中部に、領域r1を形成するべく、ケーブル材10を切断し、該切断部の両端の外皮層4を剥いて被覆層3の間の絶縁材層6を除去し、さらに被覆層3を剥いて、図5(b)に示すように金属導線2が露出した状態とする。
そして、切断された金属導線2を再度、溶接等により繋ぎ、図5(c)に示すように領域r1が形成される。尚、本例では、上記のようにケーブル材10を切断してこのように金属導線2を繋いでいるが、切断することなく当該領域r1の外皮層4の皮剥き、絶縁材層6の除去、被覆層3の皮剥きを行うことでもよい。ただし、本例のように金属導線2が撚り線の場合、金属導線2の内部に隙間があり、第2の減圧浸透成形部52は形成されるものの、このように溶接等で繋ぎ直すことで当該繋ぎ目で隙間が遮断し、より確実に油や水等の進行を阻止することができる。
次に、図5(d)に示すように、領域r1を含み、該領域r1に臨む両方の外皮層端部4aの外周部間にわたり、成形用の金型8をセットする。本例では注型とし、内側に前記外皮層端部4aの外周部間にわたる成形空間80を形成する二つ割りの金型8とし、該金型8で前記外周部間を挟み込んだ形態としているが、金型でなく周壁に樹脂注入口を備える金属スリーブでもよい。このようなスリーブは成形後取り外すことなくそのまま使用することができる。
そして、図6に示すように、領域r1を臨む側と反対側のケーブル材両端に、真空ポンプからなる減圧装置7の2本の吸引管70、70をそれぞれコンプレッションフィッティング71を介して着脱可能に連結し、金型8の注入口から絶縁性樹脂を注入するとほぼ同時に、減圧装置7を作動させ、ケーブル材10が外皮層4内周側を減圧する。減圧は、被覆層3の間のみならず、被覆層3内部の金属導線2の隙間も減圧される。このような減圧下での成形により、絶縁性樹脂成形体50が成形されると同時に、絶縁性樹脂が減圧により外皮層4内に引かれ、絶縁性樹脂成形体50と一体的に上記減圧浸透成形部51、52が成形される。
金型8への絶縁性樹脂の注入と減圧装置7による減圧動作は、本例ではほぼ同時としたが、いずれかが先でもよい。例えば、絶縁性樹脂を注入してから硬化してしまう前に、減圧を開始することもできるし、減圧動作を開始してから絶縁性樹脂を注入してもよい。減圧動作後に絶縁性樹脂を注入する場合は、金型8の注入口81に開閉蓋を設けることで、注入前に蓋をしておき効率よく減圧することができる。絶縁性樹脂を金型8に注入する前に減圧する場合、本例では両端を減圧装置7の吸引管70に接続しているが、片端のみ接続し、他端は単に塞いでおくだけでもケーブル材10内部全体を減圧できるため可能である。
図7は完成した中間封止体5の外観である。中間封止体5はケーブルの複数の箇所に設けることができる。この場合、二つ目以降の成形は、その領域に対してすでに中間封止体5が設けられている側と反対側はまだ中間封止体が設けられていないケーブルとし、当該反対側の端部に減圧装置の吸引管を接続し、絶縁性樹脂の注入前に、金型の注入口を閉じる等して減圧を行い、その後、絶縁性樹脂を注入することで、同様の減圧成形が可能である。
また、図8に示すように、複数の領域に同時に成形金型をセットし、減圧後に同時又は順次、絶縁性樹脂を各金型に注入して成形することもできるし、一つ目については、減圧前又は同時に絶縁性樹脂を注入し、二つ目以降は、減圧後に絶縁性樹脂を注入して同様の中間封止体5を成形することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、例えば減圧装置にケーブル端部を接続するのではなく、真空チャンバー内にケーブル全体を入れて成形金型で成形するようなことなど、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
1 温度センサ用ケーブル
2 金属導線
3 被覆層
4 外皮層
4a 端部
5 中間封止体
6 絶縁材層
7 減圧装置
8 金型
9 連結部
10 ケーブル材
50 絶縁性樹脂成形体
51 第1の減圧浸透成形部
52 第2の減圧浸透成形部
60 繊維材
70 吸引管
71 コンプレッションフィッティング
80 成形空間
81 注入口
R 温度センサ
r1 領域

Claims (11)

  1. センサ線に接続される複数の金属導線と、
    各金属導線に被覆形成される絶縁性の被覆層と、
    前記被覆層が被覆形成された複数の金属導線を内装する絶縁性の外皮層と、
    長手方向途中部に、所定長さの領域において前記被覆層及び外皮層が省略され、代わりに各金属導線を埋め込む絶縁性樹脂成形体が設けられた中間封止体とを備え、
    前記中間封止体が、前記領域を臨む一対の外皮層端部の内周側の少なくとも前記被覆層間に、それぞれ前記絶縁性樹脂の減圧浸透成形部を備えることを特徴とする温度センサ用ケーブル。
  2. 前記被覆層間に、繊維材からなる絶縁材層を備えており、前記減圧浸透成形部が、前記被覆層間の前記絶縁材層中の前記繊維材の隙間に形成されている請求項1記載の温度センサ用ケーブル。
  3. 前記中間封止体が、前記領域を臨む複数対の被覆層端部の内周側の金属導線との隙間に、それぞれ形成された前記絶縁性樹脂の第2の減圧浸透成形部を備える請求項1又は2記載の温度センサ用ケーブル。
  4. 前記金属導線が複数の導体を撚り合わせた撚り線である請求項3記載の温度センサ用ケーブル。
  5. 前記絶縁性樹脂が、エポキシ樹脂である請求項1〜4の何れか1項に記載の温度センサ用ケーブル。
  6. センサ線に接続される複数の金属導線と、
    各金属導線に被覆形成される絶縁性の被覆層と、
    前記被覆層が被覆形成された複数の金属導線を内装する絶縁性の外皮層と、
    長手方向途中部に、所定長さの領域において前記被覆層及び外皮層が省略され、代わりに各金属導線を埋め込む絶縁性樹脂成形体が設けられた中間封止体とを備える温度センサ用ケーブルの製造方法であって、
    少なくとも前記外皮層の内周側が減圧された状態で前記領域内に絶縁性樹脂を注入し、或いは前記領域内に絶縁性樹脂が注入された状態で少なくとも前記外皮層の内周側を減圧し、或いは前記減圧と絶縁性樹脂の注入を同時に行い、
    前記領域内に絶縁性樹脂を充填して前記各金属導線を埋め込む絶縁性樹脂成形体を形成するとともに、
    前記領域を臨む一対の外皮層端部の内周側の少なくとも前記被覆層間にも、それぞれ前記注入した絶縁性樹脂を前記減圧により浸透させ、
    これにより当該被覆層間に前記絶縁性樹脂の減圧浸透成形部を形成してなることを特徴とする温度センサ用ケーブルの製造方法。
  7. 外皮層の前記領域を臨む側の端部と反対側端部に、減圧装置を接続し、これにより前記外皮層の内周側のみ減圧してなる請求項6記載の温度センサ用ケーブルの製造方法。
  8. 領域を覆う成形金型を設けてなる請求項6又は7記載の温度センサ用ケーブルの製造方法。
  9. 前記被覆層間に、繊維材からなる絶縁材層を備えており、
    前記被覆層間の前記絶縁材層中の前記繊維材の隙間に、前記注入した絶縁性樹脂を前記減圧により浸透させ、これにより当該繊維材の隙間に前記絶縁性樹脂の減圧浸透成形部を形成してなる請求項6〜8の何れか1項に記載の温度センサ用ケーブルの製造方法。
  10. 前記領域を臨む複数対の被覆層の端部内周側の金属導線との隙間にも、それぞれ前記注入した絶縁性樹脂を前記減圧により浸透させ、
    これにより当該隙間に前記絶縁性樹脂の第2の減圧浸透成形部を形成してなる請求項6〜9の何れか1項に記載の温度センサ用ケーブルの製造方法。
  11. 前記絶縁性樹脂としてエポキシ樹脂を用いた請求項6〜10の何れか1項に記載の温度センサ用ケーブルの製造方法。
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