JP2005019392A - 気密電線と気密電線製造方法 - Google Patents

気密電線と気密電線製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 油や水などが毛細管現象によって電線内部に浸入したり、電線端末部から漏出したりすることを確実に防止できるとともに、端末加工が容易で生産性にも優れた安価な気密電線を提供すること。
【解決手段】 複数本の導体素線と充填材とを必須構成とし、長さ方向の少なくとも一部に気密部が形成された撚線導体と、該撚線導体の外周に被覆された絶縁体とからなる気密電線であって、充填材は熱可塑性ポリマーからなる気密材から少なくとも構成され、且つ、撚線導体の最外層には上記導体素線が配置されるとともに、該撚線導体の気密部においては、充填材を構成する気密材が各導体素線間に侵入していることを特徴とするもの。
【選択図】 図1

Description

本発明は、油や水などが毛細管現象によって導体内部に侵入したり、電線端末部から漏出したりすることを確実に防止できるとともに、端末加工が容易で生産性にも優れた安価な気密電線に関するものである。
各種機器のリード線として使用される電線においては、屈曲性を向上させる目的から複数本の導体素線を撚り合わせた撚線導体が導体として使用されている。通常、この種の電線は、端末部分の絶縁体を除去して撚線導体を露出させた後、各種の用途に応じて適宜に端末加工処理を施して実使用に供されるのであるが、その際、電線端末部付近に油や水などが存在していると、毛細管現象によってそれらが導体内部を伝わって電線の長手方向に浸入して種々の問題を引き起こしてしまう。このような現象は、例えば、自動車の酸素センサーのリード線や、自動変速機のオイルケース内に配置されて使用されるリード線のように、電線の両端末間に圧力差があるような環境下で使用された場合に特に顕著であった。
そこで従来は、電線内部への油や水などの浸入、電線端末部からの油や水の漏出を防ぐための手段として、例えば、電線をオイルケースに固定するための電線保持ケースの内部に導体露出部を形成した電線を配置し、該電線の露出した導体素線間にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を充填する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
又、複数の端子を装着した基盤の端子挿入孔と該端子との間をハンダ付けにより密封して形成した端子保持板を筒状のハウジングと一体に成形し、該筒状のハウジングの電線導入部に液体漏出防止用の封止体を装着してあるコネクタを使用する方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
又、電線として、撚線導体を構成する各導体素線の隙間に熱可塑性樹脂繊維束を配置し、上記繊維束を加熱、溶融することによって気密部を形成した構成のものを使用する方法などが知られている(例えば、特許文献3参照。)。
又、電線として、導体を形成する素線相互の間隙に水密組成物を圧入充填した構成のものを使用する方法などが知られている(例えば、特許文献4参照。)。
上記従来の構成によると次のような問題があった。
まず、特許文献1に開示されているような方法の場合は、充填材として使用するエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が熱膨張や熱収縮に対して追従性がなくクラックが入りやすいため、場合によっては油漏れを起こしてしまうという恐れがあった。この問題に対しては、例えば、追従性が良くクラックの入りにくい樹脂材を使用することのできる油漏防止用電線保持ケースが知られているのであるが(例えば、特許文献5参照。)、このような電線保持ケースは、その形状が非常に複雑で特殊であることからコストが上昇してしまうという問題があった。
又、特許文献2に開示されているようなコネクタも特許文献5に開示されているような電線保持ケースと同様に、その形状が非常に複雑で特殊であることからコストが上昇してしまうという問題があった。
次に、特許文献3に開示されているような構成のものの場合は、熱可塑性樹脂繊維束を構成する繊維の強度が弱い場合には、導体素線を撚り合わせる際に繊維束の一部が断線して、断線した繊維が撚線導体の外部に飛び出して絶縁体と融着してしまい、絶縁体をストリップすることが困難になる、といった端末加工性の問題があった。
次に、特許文献4に開示されているような構成のものの場合は、水密組成物が導体を形成する素線の間隙と導体の外周とで連通していることから、絶縁体をストリップした際に、導体表面に水密組成物が付着した状態となってしまう。そのため、端子打ち等を行った際に端子と導体の間に水密組成物が介在し、導電不良を起こしてしまう、といった端末加工性の問題があった。
このような特許文献1乃至5の問題点を解決するものとして、熱硬化性ポリマーからなる充填材の最外層に導体素線が配置されているとともに、長さ方向の少なくとも一部に気密部が形成されており、この気密部においては充填材が各導体素線間に侵入している構成の気密電線が、当該出願人より提案されている(特許文献6参照。)。
特公平1−59467号公報 特許第2825143号公報 特開2000−243151号公報 特開平10−204227号公報 特許第2766558号公報 特開2002−175731号公報
本発明はこのような点に基づいてなされたもので、その目的とするところは、油や水などが毛細管現象によって電線内部に浸入したり、電線端末部から漏出したりすることを確実に防止できるとともに、端末加工が容易で生産性にも優れた安価な気密電線を提供することにある。
上記目的を達成するべく本発明の請求項1による気密電線は、複数本の導体素線と充填材とを必須構成とし、長さ方向の少なくとも一部に気密部が形成された撚線導体と、該撚線導体の外周に被覆された絶縁体とからなる気密電線であって、上記充填材は、熱可塑性ポリマーからなる気密材から少なくとも構成され、且つ、上記撚線導体の最外層には上記導体素線が配置されるとともに、該撚線導体の気密部においては、上記充填材を構成する気密材が各導体素線間に侵入していることを特徴とするものである。
又、請求項2による気密電線は、複数本の導体素線と充填材とを必須構成とし、長さ方向の少なくとも一部に気密部が形成された撚線導体と、該撚線導体の外周に被覆された絶縁体とからなる気密電線であって、上記充填材は、芯材と該芯材上に被覆された熱可塑性ポリマー又は熱硬化性ポリマーからなる気密材から少なくとも構成され、且つ、上記撚線導体の最外層には上記導体素線が配置されるとともに、該撚線導体の気密部においては、上記充填材を構成する気密材が各導体素線間に侵入していることを特徴とするものである。
又、請求項3による気密電線は、複数本の導体素線と充填材とを必須構成とし、長さ方向の少なくとも一部に気密部が形成された撚線導体と、該撚線導体の外周に被覆された絶縁体とからなる気密電線であって、上記充填材は、吸液膨潤性材料からなる気密材から少なくとも構成され、且つ、上記撚線導体の最外層には上記導体素線が配置されるとともに、該撚線導体の気密部においては、上記充填材を構成する気密材が各導体素線間に侵入していることを特徴とする気密電線。
又、請求項4による気密電線は、複数本の導体素線と充填材とを必須構成とし、長さ方向の少なくとも一部に気密部が形成された撚線導体と、該撚線導体の外周に被覆された絶縁体とからなる気密電線であって、上記充填材は、芯材と該芯材上に被覆された吸液膨潤性材料からなる気密材から少なくとも構成され、且つ、上記撚線導体の最外層には上記導体素線が配置されるとともに、該撚線導体の気密部においては、上記充填材を構成する気密材が各導体素線間に侵入していることを特徴とするものである。
又、請求項5による気密電線は、請求項3又は請求項4記載の気密電線において、上記吸液膨潤性材料からなる気密材が、吸液膨潤性ポリマーからなるか、もしくは吸液膨潤性ポリマーを熱可塑性ポリマー又は熱硬化性ポリマーに配合してなるものから少なくとも構成されていることを特徴とするものである。
又、請求項6による気密電線は、請求項3乃至請求項5の何れかに記載の気密電線において、上記吸液膨潤性材料が吸液した際における上記充填材の外径の膨潤量が、5%以上15%以下であることを特徴とするものである。
又、請求項7による気密電線は、請求項3乃至請求項6の何れかに記載の気密電線において、上記吸液膨潤性ポリマーとしてポリアルキレンオキサイド系樹脂を使用していることを特徴とするものである。
又、請求項8による気密電線は、請求項1乃至請求項7の何れかに記載の気密電線において、上記撚線導体の最外層に配置されている導体素線が相互に密着するように径方向に圧縮されていることを特徴とするものである。
又、請求項9による気密電線製造方法は、複数本の導体素線と充填材を最外層に導体素線が配置されるように撚り合わせて撚線導体を形成し、上記撚線導体の外周に絶縁体を押出被覆しながら又は押出被覆した後に気密部を形成するようにしたことを特徴とするものである。
又、請求項10による気密電線製造方法は、請求項9記載の気密電線製造方法において、上記絶縁体の押出被覆時における熱を利用して上記充填材を加熱処理することにより気密部を形成するようにしたことを特徴とするものである。
又、請求項11による気密電線製造方法は、請求項9記載の気密電線製造方法において、上記絶縁体に加熱架橋を施す際の熱を利用して上記充填材を加熱処理することにより気密部を形成するようにしたことを特徴とするものである。
又、請求項12による気密電線は、請求項9記載の気密電線製造方法において、上記撚線導体の外周に絶縁体を押出被覆する前に撚線導体を加圧・圧縮するようにしたことを特徴とするものである。
又、請求項13による気密電線は、請求項9記載の気密電線製造方法において、芯材の外周に気密材を押出被覆して充填材としたことを特徴とするものである。
まず、本願発明による気密電線で使用される導体素線の構成材料は特に限定されず、本発明によって得られる電線の使用条件(用途、要求機能等)を考慮して、従来公知の導体材料をいずれも使用することができる。
又、本発明で使用される熱可塑性ポリマーからなる充填材としては、例えば、熱可塑性ポリマーを線状に成形したもの、繊維状のもの、粉体状のもの、液状に溶融させたものなどが挙げられるが、本発明においては、熱可塑性ポリマーを線状に成形したものが好ましく用いられる。これは以下のような理由による。つまり、繊維状のものについては、繊維素線の強度が弱い場合など、繊維素線の断線によって電線のストリップ性が悪化してしまう恐れがある。又、粉体状のものについては、導体撚り装置が汚れてしまったり、押出機の内部に粉体が蓄積して固まり、導体素線が断線してしまう恐れがある。又、液状に溶融させたものについては、導体撚り装置が汚れてしまったり、液状の充填材が絶縁体と接着して電線のストリップ性が悪化してしまう恐れがある。
熱可塑性ポリマーを線状に成形する方法としては、例えば、従来公知の押出成形法が挙げられる。この際、押出成形と同時に延伸加工を施しておけば、撚線導体に気密部を形成する際の加熱処理によって充填材の外径を膨張させることができるため、熱可塑性ポリマーからなる充填材が導体素線間の隙間に良好に侵入することになる。ここで、充填材が各導体素線間に侵入している状態とは、各導体素線に隙間がある場合は、導体素線の隙間に熱可塑性ポリマーが存在している状態を指し、又、導体素線が相互に密着するように径方向に圧縮されている場合は、円周上に配置された導体素線の内周側の表面に密着するように熱可塑性ポリマーが存在している状態を指す。
熱可塑性ポリマーとしては、従来様々な種類のものが公知であり、例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)のようなポリオレフィン系樹脂や、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)や四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、四フッ化エチレン−プロピレン共重合体、四フッ化エチレン−αオレフィン共重合体、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン−フッ化ビニリデン共重合体(THV)、ポリパーフルオロブテニルビニルエーテル、フッ素系熱可塑性エラストマーのようなフッ素系ポリマー、エチレンプロピレンゴムのようなゴム材料、オレフィン系エラストマーやスチレン系エラストマーのようなエラストマー材料、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)などが挙げられる。これらは、本発明によって得られる電線の使用条件(用途、要求機能等)や、後述する絶縁体の種類、気密部の形成方法などを考慮して適宜に選択すれば良い。又、複数種のポリマーを適宜に組み合わせたり、難燃剤、着色剤、加工助剤、老化防止剤、充填材等の配合薬品を適宜に添加しても良い。
又、前記充填材には、膨張成分を含有させても良い。こうしておけば、撚線導体に気密部を形成する際、熱可塑性ポリマーからなる充填材が導体素線間の隙間により確実に侵入することになる。特に、前記した熱可塑性ポリマーの中でも、ポリマー自体の性状、又は各種の添加剤の影響などにより、外径膨張効果の小さいものについては、膨張成分を含有させることが望ましい。膨張成分を含有させる方法としては、例えば、充填材中にアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P‘−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、P−トルエンスルホニルヒドラジドなどの発泡剤を配合し、化学的に発泡させる方法が挙げられる。膨張成分の種類や添加量は、本発明によって得られる電線の使用条件(製造温度、用途、要求機能等)などを考慮して適宜に選択、調整すれば良い。
本発明においては、前記の熱可塑性ポリマーからなる充填材と導体素線とを少なくとも最外層には導体素線が配置されるように撚り合わせて撚線導体を形成するのであるが、この際、最外層に配置された各導体素線が相互に密着するように径方向に圧縮しておくことが望ましい。こうしておけば、撚線導体に気密部を形成する際、充填材が膨張し過ぎて撚線導体を構成する導体素線が電線の円周方向に広がって撚線導体の外径が当初の設計より太くなってしまい、相対的に絶縁体の厚さが薄くなってしまうことを防止することができる。又、撚線導体に気密部を形成する際、軟化又は溶融した熱可塑性ポリマーが導体素線の隙間から流出して絶縁体と接着してしまうことを防止することができるため、電線のストリップ性が損なわれることも無い。
気密部は、油や水などが毛細管現象によって電線内部に浸入したり、電線内部に浸入した油や水が電線端末部から漏出したりするのを防止するためのものであり、上記の充填材を加熱軟化又は加熱溶融させることによって、撚線導体の長さ方向の少なくとも一部(一部分、複数部分または全部)に形成される。この気密部を撚線導体の一部に形成するか、複数部分に形成するか、全部に形成するかは、本発明によって得られる電線の使用条件(用途、要求機能等)を考慮して選択されるものであり、特に限定されない。
気密部の形成方法としては、例えば、絶縁体を押出被覆する前の撚線導体を各種の加熱装置で加熱処理する方法、絶縁体を押出被覆する際の熱を利用して加熱処理する方法、絶縁体に加熱架橋を施す場合には架橋の際の熱を利用して加熱処理する方法、電線の端末加工時に加熱処理する方法など様々な方法が挙げられるが、本発明においては、絶縁体を押出被覆する際の熱、又は絶縁体に加熱架橋を施す際の熱、を利用して加熱処理する方法が好ましく用いられる。これは以下のような理由による。つまり、絶縁体を押出被覆する前に加熱処理しようとすると、充填材が膨張成分を含有している場合など、充填材が膨張し過ぎて撚線導体を構成する導体素線が電線の円周方向に広がって撚線導体の外径が当初の設計より太くなってしまい、相対的に絶縁体の厚さが薄くなってしまう恐れがあるととともに、充填材が導体素線の隙間から流出して絶縁体と接着してしまい、電線のストリップ性が低下してしまう恐れがある。又、電線の端末加工時に加熱処理する場合には、加熱用の設備や工程が別途必要となってしまうため、生産性の低下やコストの上昇が懸念される。
絶縁体は、従来公知の様々な絶縁被覆材料を公知の押出機を用いて撚線導体上に押出被覆することにより形成されるものであり、絶縁被覆材料の種類によっては適宜に架橋処理が施される。絶縁被覆材料の種類は、本発明によって得られる電線の使用条件(用途、要求機能等)を考慮して選択されるものであり特に限定されない。
又、本発明の請求項2による気密電線で使用される充填材は、芯材上に気密材が被覆された構成となっている。芯材としては、加工時の巻取り張力によって大きく伸びないものなら特に限定はなく、例えば、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼等やこれらの材料にメッキが施されたもの、などの金属材料からなる線材、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、などの有機材料からなる繊維や押出成形品、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、などの無機繊維などが使用できる。又、芯材は、単独で使用しても良いし、複数の芯材を撚り合わせるか又は引き揃えて使用して良い。
気密材としては、熱可塑性ポリマーであっても熱硬化性ポリマーであっても良い。熱可塑性ポリマーであれば、加熱により軟化又は溶融させることによって、気密材を各導線素線間に侵入させることができる。又、熱硬化性ポリマーであれば、加熱により気密材が硬化する際の接着作用によって、気密材を各導線素線間に侵入させることができるとともに、実使用時に気密材が油や薬品、熱によって溶解することを防止できる。ここで、気密材が各導体素線間に侵入している状態とは、各導体素線に隙間がある場合は、導体素線の隙間に気密材が存在している状態を指し、又、導体素線が相互に密着するように径方向に圧縮されている場合は、円周上に配置された導体素線の内周側の表面に密着するように気密材が存在している状態を指す。
熱可塑性ポリマーとしては、既に説明したようなものが考えられる。又、熱硬化性ポリマーとしては、例えば、エポキシ樹脂やフェノール樹脂、メラミン樹脂などの硬質熱硬化性ポリマーや、電線の絶縁材として使用されるポリオレフィン系樹脂やフッ素ゴム、シリコーンゴム、エチレン-プロピレンゴムなどの軟質ポリマーに架橋成分を配合し、架橋によって硬化させた軟質熱硬化性ポリマーが挙げられるが、熱膨張や熱収縮に対する追従性や、柔軟性や加工性を考慮すると、軟質ポリマーに架橋成分を配合し、架橋によって硬化させた軟質熱硬化性ポリマーを使用することが望ましい。これらは、本発明によって得られる電線の使用条件(用途、要求機能等)や、後述する絶縁体の種類、気密部の形成方法などを考慮して適宜に選択すれば良い。又、複数種のポリマーを適宜に組み合わせたり、難燃剤、着色剤、加工助剤、老化防止剤、充填材等の配合薬品を適宜に添加したりしても良い。
又、前記気密材には、膨張成分を含有させても良い。こうしておけば、撚線導体に気密部を形成する際、気密材が導体素線間の隙間により確実に侵入することになる。膨張成分を含有させる方法としては、例えば、気密材中にアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P‘−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、P−トルエンスルホニルヒドラジドなどの発泡剤を配合し、化学的に発泡させる方法が挙げられる。膨張成分の種類や添加量は、本発明によって得られる電線の使用条件(製造温度、用途、要求機能等)などを考慮して適宜に選択、調整すれば良い。
芯材上に気密材を被覆し、充填材を形成する方法としては、例えば、芯材上に気密材を押出被覆する方法、芯材上にテープ状にした気密材を巻回する方法、芯材上に繊維状にした気密材を横巻、編組等により設置する方法などが挙げられる。ここで、本発明による充填材は、上記のように芯材の上に気密材を被覆した構造であるため、充填材を形成する際や、充填材と導体素線を撚り合わせる際に大きな巻取り張力が加わった場合でも、芯材によって、充填材が伸びたり断線したりしてしまうことを防ぐことができるため、充填剤の外径を均一なものとすることができる。従って、生産速度を上げることが可能となるため、生産性を向上させることができる。
本発明においては、前記の芯材上に気密材が被覆された充填材と導体素線とを少なくとも最外層には導体素線が配置されるように撚り合わせて撚線導体を形成するのであるが、この際、最外層に配置された各導体素線が相互に密着するように径方向に圧縮しておくことが望ましい。こうしておけば、導体素線を気密材に押し付けることになり、各導体素線間の隙間に気密材が侵入することになるため、気密性を向上させることができる。又、撚線導体に気密部を形成する際、気密材が導体素線の隙間から流出して絶縁体と接着してしまうことを防止することができるため、電線の端末加工性が損なわれることも無い。
気密部は、油や水などが毛細管現象によって電線内部に浸入したり、電線内部に浸入した油や水が電線端末部から漏出したりするのを防止するためのものであり、充填材を加熱処理することにより撚線導体の長さ方向の少なくとも一部(一部分、複数部分または全部)に形成される。この気密部を撚線導体の一部に形成するか、複数部分に形成するか、全部に形成するかは、本発明によって得られる電線の使用条件(用途、要求機能等)を考慮して選択されるものであり、特に限定されない。
気密部の形成方法としては、例えば、絶縁体を押出被覆する前の撚線導体を各種の加熱装置で加熱処理する方法、絶縁体を押出被覆する際の熱を利用して加熱処理する方法、絶縁体に加熱架橋を施す場合には架橋の際の熱を利用して加熱処理する方法、電線の端末加工時に加熱処理する方法など様々な方法が挙げられる。これらの中でも、加熱用の設備や工程が別途必要なく、生産性の向上やコストの低下を実現できることから、絶縁体を押出被覆する際の熱、又は絶縁体に加熱架橋を施す際の熱、を利用して加熱処理する方法が好ましく用いられる。
絶縁体は、従来公知の様々な絶縁被覆材料を公知の押出機を用いて撚線導体上に押出被覆することにより形成されるものであり、絶縁被覆材料の種類によっては適宜に架橋処理が施される。絶縁被覆材料の種類は、本発明によって得られる電線の使用条件(用途、要求機能等)を考慮して選択されるものであり特に限定されない。
又、本願発明の請求項3による気密電線で使用される充填材は、気密材から少なくとも構成されたものが使用され、気密材としては、吸液膨潤性材料が使用される。吸液膨潤性材料としては、吸液膨潤性ポリマー又は吸液膨潤性ポリマーを熱可塑性ポリマー又は熱硬化性ポリマーに配合してなるものが使用される。このような構成であることによって、万が一導体内に油や水が浸入した場合に、水や油に触れた吸液膨潤性ポリマーが油や水を吸収して膨潤し、充填材の外径が増加する。この作用によって、浸入した水や油が気密材に取り込まれたり、気密材の体積増加によって水や油が浸入するための隙間が遮断されたりするため、その後の水や油の浸入が効果的に防止される。
尚、上記の作用効果は、気密材を構成する熱可塑性ポリマー又は熱硬化性ポリマーが経時劣化や熱劣化などを受けて気密材が収縮し、隙間が形成されてしまった際などに、より顕著に発現する。
ここで、気密材として熱可塑性ポリマーを用いた場合、加熱により軟化又は溶融させることによって、気密材を各導線素線間に侵入させることができる。又、熱硬化性ポリマーを用いた場合、加熱により気密材が硬化する際の接着作用によって、気密材を各導線素線間に侵入させることができるとともに、実使用時に気密材が油や薬品、熱によって溶解することを防止できる。
尚、気密材が各導体素線間に侵入している状態とは、各導体素線に隙間がある場合は、導体素線の隙間に気密材が存在している状態を指し、又、導体素線が相互に密着するように径方向に圧縮されている場合は、円周上に配置された導体素線の内周側の表面に密着するように気密材が存在している状態を指す。
熱可塑性ポリマー又は熱硬化性ポリマーとしては、既に説明したようなものが考えられ、又、吸液膨潤性ポリマーとしては、水を吸収することにより膨潤する吸水膨潤性ポリマーや、油を吸収することにより膨潤する吸油膨潤性ポリマーなどがある。吸水膨潤性ポリマーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、ポリアルキレンオキサイド、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリウレタンなど、従来公知の吸水膨潤性を有する材料が挙げられる。これらの中でも、ポリアルキレンオキサイド系樹脂が、熱可塑性ポリマー及び熱硬化性ポリマーとの相溶性が良く、気密材全体を均一に膨潤させることができるため、好ましい。又、吸油膨潤性ポリマーとしては、シリコーンゴム、エチレン−プロピレンゴム、シリコーン変性エチレン−プロピレンゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、ノルボルネン系樹脂など、従来公知の吸油膨潤性を有する材料が挙げられる。
吸液膨潤性ポリマーの配合量は、その配合により、吸液膨潤性ポリマーが吸液した際における充填材の外径の膨潤量(外径増加率)が、5%以上15%以下の範囲となるように設定することが好ましい。5%未満では、充填材の外径増加が少ないため、水や油が浸入するための隙間が大きかった場合は、隙間を遮断しきれない可能性がある。15%を超えると、充填材の外径増加が多くなりすぎるため、電線端末部において気密材がはみ出してしまったり、気密電線の形状が変形してしまったり、絶縁体が破壊してしまったりする可能性がある。
又、上記気密材には、膨張成分を含有させても良い。こうしておけば、撚線導体に気密部を形成する際、気密材が導体素線間の隙間により確実に侵入することになる。膨張成分を含有させる方法としては、例えば、気密材中にアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P‘−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、P−トルエンスルホニルヒドラジドなどの発泡剤を配合し、化学的に発泡させる方法が挙げられる。膨張成分の種類や添加量は、本発明によって得られる電線の使用条件(製造温度、用途、要求機能等)などを考慮して適宜に選択、調整すれば良い。
又、本発明で使用される充填材は、芯材上に気密材が被覆された構成となっていても良い。芯材上に気密材を被覆する方法としては、例えば、芯材上に気密材を押出被覆する方法、芯材上にテープ状にした気密材を巻回する方法、芯材上に繊維状にした気密材を横巻、編組等により設置する方法などが挙げられる。こうすることにより、充填材を線状に押出加工する際や、充填材と導体素線を撚り合わせる際の巻取り張力等を強くしても、充填材が断線したり、伸びてしまったりすることを防止でき、充填材の外径を確実に均一とすることができる。従って、生産速度を上げることが可能となり、生産性を向上させることができる。このような外径が均一な充填材を使用して気密電線を作製すれば、気密電線の長手方向に対して充填材が導体素線間にムラなく侵入することになるため、気密部が形成される部分が増加することになる。
芯材としては、加工時の巻取り張力によって大きく伸びないものなら特に限定はなく、例えば、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼等やこれらの材料にメッキが施されたもの、などの金属材料からなる線材、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、などの有機材料からなる繊維や押出成形品、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、などの無機繊維などが使用できる。又、芯材は、単独で使用しても良いし、複数の芯材を撚り合わせるか又は引き揃えて使用しても良い。
本発明においては、最外層には導体素線が配置されるように、充填材と導体素線とを少なくとも撚り合わせて、撚線導体を形成する。この際、最外層の各導体素線が相互に接するように配置され、最外層の導体素線の内側と外側とが連通しないようにすることが好ましい。こうしておけば、撚線導体に気密部を形成する際、気密材が導体素線の隙間から流出して絶縁体と接着してしまうことを防止することができ、撚線導体の内側に位置する材料(気密材)と、撚線導体の外側に位置する材料(絶縁体)とを分離させることができる。そのため、絶縁体を容易にストリップすることができるとともに、撚線導体の表面に気密材等が残ることもなく、端末加工性を向上させることができる。又、最外層に配置された各導体素線が相互に密着するように径方向に圧縮しておけば、最外層の各導体素線が相互に接する面積が増加することから、気密材が導体素線の隙間から流出して絶縁体と接着してしまうことをより確実に防止することができる。そのため、端末加工性をより一層向上させることができる。更に、圧縮することにより、導体素線を気密材に押し付けることになり、各導体素線間の隙間に気密材が侵入することになるため、気密性を向上させることもできる。
気密部は、油や水などが毛細管現象によって電線内部に浸入したり、電線内部に浸入した油や水が電線端末部から漏出したりするのを防止するためのものであり、充填材を加熱処理することにより撚線導体の長さ方向の少なくとも一部(一部分、複数部分又は全部)に形成される。この気密部を撚線導体の一部に形成するか、複数部分に形成するか、全部に形成するかは、本発明によって得られる電線の使用条件(用途、要求機能等)を考慮して選択されるものであり、特に限定されない。
気密部の形成方法としては、例えば、絶縁体を押出被覆する前の撚線導体を各種の加熱装置で加熱処理する方法、絶縁体を押出被覆する際の熱を利用して加熱処理する方法、絶縁体に加熱架橋を施す場合には架橋の際の熱を利用して加熱処理する方法、電線の端末加工時に加熱処理する方法など様々な方法が挙げられる。これらの中でも、加熱用の設備や工程が別途必要なく、生産性の向上やコストの低下を実現できることから、絶縁体を押出被覆する際の熱、又は絶縁体に加熱架橋を施す際の熱、を利用して加熱処理する方法が好ましく用いられる。
絶縁体は、従来公知の様々な絶縁被覆材料を公知の押出機等を用いて撚線導体上に押出被覆することにより形成される。この際、撚線導体と絶縁体との間に、水や油が浸入するための隙間ができないように絶縁体を形成する必要がある。絶縁被覆材料の種類は、本発明によって得られる電線の使用条件(用途、要求機能等)を考慮して選択されるものであり特に限定されず、絶縁体材料の種類によっては適宜に架橋処理が施されても良い。
ここで、ストリップ等の端末加工を容易に行なうために、絶縁体が吸液膨潤性ポリマー等の他の材料を介することなく導体素線上へ直接被覆されていることが好ましい。絶縁体が他の材料を介して被覆されている場合は、ストリップを行なった際にこの他の材料が撚線導体上に残ってしまい、端末加工性に悪影響を及ぼす可能性がある。
以上詳述したように本発明の気密電線によると、撚線導体の長さ方向の少なくとも一部に、熱可塑性ポリマーからなる気密材から少なくとも構成された充填材により形成された気密部が設けられているので、油や水などが毛細管現象によって電線内部に浸入したり、電線端末部から漏出したりすることを確実に防止できる。更にこの効果は生産速度を上げた場合でも安定して得ることができるため、生産性を著しく向上させることができる。従って、気密電線を低コストで提供することができる。又、気密材が導体素線の隙間から流出して絶縁体と接着してしまうことがないため、端末加工が容易である。よって、例えば、自動車の酸素センサーのリード線や、自動変速機のオイルケース内に配置されるリード線など、幅広い用途で好適に使用することが可能である。
又、本発明の気密電線によると、撚線導体の長さ方向の少なくとも一部に、芯材と該芯材上に被覆された熱可塑性ポリマー又は熱硬化性ポリマーからなる気密材から少なくとも構成された充填材により形成された気密部が設けられているので、油や水などが毛細管現象によって電線内部に浸入したり、電線端末部から漏出したりすることを確実に防止できる。更にこの効果は生産速度を上げた場合でも安定して得ることができるため、生産性を著しく向上させることができる。従って、気密電線を低コストで提供することができる。又、気密材が導体素線の隙間から流出して絶縁体と接着してしまうことがないため、端末加工が容易である。よって、例えば、自動車の酸素センサーのリード線や、自動変速機のオイルケース内に配置されるリード線など、幅広い用途で好適に使用することが可能である。
又、本発明の気密電線によると、撚線導体の長さ方向の少なくとも一部に、吸液膨潤性材料からなる気密材から少なくとも構成された充填材により形成された気密部が設けられているので、油や水などが毛細管現象によって電線内部に浸入したり、電線端末部から漏出したりすることをより確実に防止できる。従って、気密電線を低コストで提供することができる。又、気密材が導体素線の隙間から流出して絶縁体と接着してしまうことがないため、端末加工が容易である。よって、例えば、自動車の酸素センサーのリード線や、自動変速機のオイルケース内に配置されるリード線など、幅広い用途で好適に使用することが可能である。
以下に本発明の第1の実施の形態における実施例1の1〜実施例1の4を比較例と併せて説明する。
実施例1の1〜実施例1の4
素線径0.26mmの錫メッキ軟銅線(TA)11本と、ポリエチレン混合物からなる直径0.5mmの充填材をピッチ8.2mmで、最外層に導体素線が配置されるように撚り合わせて仕上外径1.05mmの撚線導体を形成した。次に、この撚線導体上にフッ素ゴム混合物からなる絶縁体を0.4mmの厚さで130℃の条件で押出被覆しながら、200℃の条件で加圧蒸気による連続架橋法で架橋して仕上外径2.1mmの電線を製造した。
尚、気密部は、絶縁体を架橋させる際の熱と圧力を利用して、ポリエチレン混合物からなる充填材の溶融と膨張を同時に行うことにより形成した。又、撚線導体への圧縮加工の有無、充填材への膨張成分(アゾジカルボンアミド系発泡剤:分解温度=165℃)の含有の有無は、表1に示した。
実施例1の5
絶縁体を押出被覆する前の撚線導体を、200℃に設定された導体加熱器に導入することによって気密部を形成した他は、上記実施例1の1〜実施例1の4と同様の材料、同様の工法で電線を製造した。
尚、撚線導体への圧縮加工は施さず、又、充填材には膨張成分を含有させなかった。
図1及び図2は、このようにして得られた気密電線1の断面図である。ここで、符号3が撚線導体であり、符号3aが上記撚線導体3を構成している導体素線、符号5が気密部(充填材)、符号7が絶縁体である。又、図1及び図2に示す場合には、撚線導体3に対して圧縮加工を施した場合であり、各導体素線3aの外周面が平坦に押し潰された状態になっている。これに対して、そのような圧縮加工を施していないものを図3に示す。図3に示す各導体素線3aの外周面は押し潰されていないものである。
比較例1の1
素線径0.18mmの錫メッキ軟銅線(TA)20本をピッチ35mmで撚り合わせて仕上外径0.9mmの撚線導体を形成した。次に、この撚線導体上にフッ素ゴム混合物からなる絶縁体を0.4mmの厚さで130℃の条件で押出被覆しながら、200℃の条件で加圧蒸気による連続架橋法で架橋して仕上外径1.7mmの電線を製造した。尚、撚線導体への圧縮加工は施さず、又、充填材も使用しなかった。
図4は、このようにして得られた気密電線501の断面図である。ここで、符号503が撚線導体、符号503aが上記撚線導体503を構成する導体素線であり、
符号505が絶縁体である。
ここで、上記6種類の電線を試料として、気密性、漏油性及び端末加工性についての評価を行った。評価方法は以下に示す通りである。評価結果は表1に示した。
気密性
長さ200mmに切断した試料の片端末に0.049MPaの空気圧をかけ、10分間で試料の他端末から漏出した空気の量(空気漏出量)を測定した。
漏油性
長さ500mmに切断した試料の片端末を油の中に浸漬し、油面に0.196MPaの圧力をかけ、24時間で試料の他端末から漏出した油の量(油漏出量)を測定した。試験油は、日産マチックフルードDオイルを使用した。
端末加工性
本実施例による試料については、気密部が形成された部分の絶縁体を幅20mmでストリップして撚線導体表面への充填材及び絶縁被覆材料の付着状態を目視にて確認した。又、比較例による試料については、長さ方向の任意の位置の絶縁体を幅20mmでストリップして撚線導体表面への絶縁被覆材料の付着状態を目視にて確認した。
尚、評価は、全ての試料について絶縁被覆材料が全く付着していないものを◎、実使用上問題が無い程度の僅かな絶縁被覆材料が付着していた試料があったものを○、絶縁被覆材料が付着し、実使用に問題を生じた試料があったものを×、とした。
Figure 2005019392
その結果、比較例1の1の電線では空気漏れと油漏れが確認されたのに対して、本実施例による電線では空気漏れと油漏れは実使用上問題のないレベルであることが判った。更に、実施例1の1と実施例1の2、実施例1の3と実施例1の4との比較より、最外層に配置された導体素線が相互に密着するように径方向に圧縮したものの方が気密性及び端末加工性が向上することが判った。又、実施例1の1と実施例1の3、実施例1の2と実施例1の4との比較により、充填材に膨張成分(発泡剤)を含有させたものの方が気密性及び油漏性が向上することが判った。又、実施例1の4と実施例1の5とを比較すると、気密性、油漏性、導体表面への樹脂の付着状態のいずれもが同等レベルであったが、実施例1の4の方が実施例1の5よりもストリップ加工がし易かった。従って、気密部の形成は、絶縁体が被覆された状態で行った方が好ましいことが判った。
以下に図面を参照して本発明の第2の実施の形態における各実施例を比較例と併せて説明する。
実施例2の1、実施例2の2
この実施の形態における気密電線101は図5及び図6に示すような構成になっている。まず、素線径0.26mmの錫メッキ軟銅線(TA)からなる芯材103があり、この芯材103にポリエチレン混合物(熱可塑性ポリマー)からなる気密材105を直径0.65mmとなるように押出被覆して充填材107を形成した。この充填材107と素線径0.26mmの錫メッキ軟銅線(TA)からなる11本の導体素線109とをピッチ8.2mmで、最外層に導体素線109が配置されるように撚り合わせて仕上外径1.05mmの撚線導体111を形成した。次に、この撚線導体111上にポリエチレン混合物からなる絶縁体113を0.3mmの厚さで130℃の条件で押出被覆しながら、200℃の条件で加圧蒸気による連続架橋法で架橋して仕上外径1.7mmの気密電線101を製造した。
尚、気密部は、絶縁体を架橋させる際の熱と圧力を利用して、ポリエチレン混合物からなる気密材105を溶融させることにより形成した。又、撚線導体111への圧縮加工の有無は、表2に示した。
尚、図5及び図6に示す撚線導体111は圧縮加工されたものであり、よって、その各導体素線109の外周は平坦に押し潰されている。又、圧縮加工が施されない場合には各導体素線109の外周が押し潰されることはない。
実施例2の3、実施例2の4
気密材105をフッ素ゴム混合物(軟質熱硬化性ポリマー)に、絶縁体113をフッ素ゴム混合物に変更した他は実施例2の1と同様にして気密電線を製造した。
尚、気密部は、絶縁体を架橋させる際の熱と圧力を利用して、フッ素ゴム混合物からなる気密材105を硬化させることにより形成した。又、撚線導体111への圧縮加工の有無は、表2に示した。
比較例2の1〜比較例2の4
実施例2の1乃至実施例2の4において、芯線103を備えていないものをそれぞれ比較例2の1乃至比較例2の4とした。
比較例2の5
素線径0.18mmの錫メッキ軟銅線(TA)20本をピッチ35mmで撚り合わせて仕上外径0.9mmの撚線導体を形成した。次に、この撚線導体上にフッ素ゴム混合物からなる絶縁体を0.4mmの厚さで130℃の条件で押出被覆しながら、200℃の条件で加圧蒸気による連続架橋法で架橋して仕上外径1.7mmの電線を製造した。尚、撚線導体への圧縮加工は施さず、又、充填材も使用しなかった。
ここで、上記9種類の電線をそれぞれ5本ずつ用意して試料とし、気密性、漏油性、端末加工性及び生産性についての評価を行った。評価方法は以下に示す通りである。評価の結果は表2に示した。
気密性
長さ200mmに切断した試料の片端末に0.049MPaの空気圧をかけ、10分間で試料の他端末から漏出した空気の量(空気漏出量)を測定し、5本の試料の平均値を求めた。
漏油性
長さ500mmに切断した試料の片端末を油の中に浸漬し、油面に0.196MPaの圧力をかけ、24時間で試料の他端末から漏出した油の量(油漏出量)を測定し、5本の試料の平均値を求めた。試験油は、日産マチックフルードDオイルを使用した。
端末加工性
実施例2の1乃至実施例2の4及び比較例2の1乃至比較例2の4による試料については、気密部が形成された部分の絶縁体を幅20mmでストリップして撚線導体表面への充填材及び絶縁被覆材料の付着状態を目視にて確認した。又、比較例2の5による試料については、長さ方向の任意の位置の絶縁体を幅20mmでストリップして撚線導体表面への絶縁被覆材料の付着状態を目視にて確認した。
尚、評価は、全ての試料について絶縁被覆材料が全く付着していないものを◎、実使用上問題が無い程度の僅かな絶縁被覆材料が付着していた試料があったものを○、絶縁被覆材料が付着し、実使用に問題を生じた試料があったものを×、とした。
生産性
芯線に気密材を押出被覆し、充填材を形成した際の線速を測定した。尚、線速は、充填材の外径が均一となるように設定している。
Figure 2005019392
上記の評価の結果により、以下のことが判った。まず、比較例2の5の電線では空気漏れと油漏れが確認された。又、実施例2の1乃至実施例2の4及び比較例2の1乃至比較例2の4による電線では空気漏れと油漏れは実使用上問題のないレベルであったが、芯材の有無で比較をすると、芯材を備えている実施例2の1乃至実施例2の4のほうが、空気漏れと油漏れの量が少なかった。更に、芯材を備えている実施例2の1乃至実施例2の4の線速に比べて、芯材を備えていない比較例2の1乃至比較例2の4の線速は遥かに遅く、生産性に劣るものであった。
又、実施例2の1と実施例2の2、実施例2の3と実施例2の4との比較より、最外層に配置された導体素線が相互に密着するように径方向に圧縮したものの方が気密性及び端末加工性が向上していた。
又、上記の試験とは別に比較例2の1乃至比較例2の4について、実施例2の1乃至実施例2の4と同様の線速で充填材を形成したところ、充填材が伸びてしまって、均一な外径を得ることができなかった。
以下、図7乃至図10を参照して本発明の第3の実施の形態における各実施例を比較例と併せて説明する。
実施例3の1乃至実施例3の6
これら実施例における気密電線201は図7及び図8に示すような構成になっている。まず、素線径0.26mmの錫メッキ軟銅線(TA)からなる芯材203があり、この芯材203に気密材205を直径0.65mmとなるように押出被覆して充填材207を形成した。気密材205としては、吸液膨潤性ポリマー(吸水膨潤性ポリマー)としてのポリアルキレンオキサイド系樹脂(住友精化株式会社製 アクアコークTW)を熱可塑性ポリマーとしてのポリエチレン混合物に配合してなるものを用いた。次に、上記の充填材207と素線径0.26mmの錫メッキ軟銅線(TA)からなる11本の導体素線209とをピッチ8.2mmで、最外層に導体素線209が配置されるように撚り合わせて仕上外径1.05mmの撚線導体211を形成した。そして、この撚線導体211上にポリエチレン混合物からなる絶縁体213を0.3mmの厚さで130℃の条件で押出被覆しながら、200℃の条件で加圧蒸気による連続架橋法で架橋して仕上外径約1.7mmの気密電線201を製造した。
尚、気密部は、絶縁体213を架橋させる際の熱と圧力を利用して、ポリエチレン混合物からなる気密材205を溶融させることにより形成した。又、撚線導体211への圧縮加工の有無、及び、充填材207の外径の膨潤量(外径増加率)は、表3に示した。
尚、撚線導体211への圧縮加工の有無に関しては、前記第1の実施の形態、第2の実施の形態の場合と同様である。
実施例3の7、実施例3の8
これらの実施例による気密電線301は図9及び図10に示すような構成になっている。まず、気密材を直径0.65mmとなるように押出成形してこれを充填材305とした。気密材としては、吸液膨潤性ポリマー(吸水膨潤性ポリマー)としてのポリアルキレンオキサイド系樹脂(住友精化株式会社製 アクアコークTW)を熱可塑性ポリマーとしてのポリエチレン混合物に配合してなるものを用いた。次に、上記の充填材305と素線径0.26mmの錫メッキ軟銅線(TA)からなる11本の導体素線309とをピッチ8.2mmで、最外層に導体素線309が配置されるように撚り合わせて仕上外径1.05mmの撚線導体311を形成した。そして、この撚線導体311上にポリエチレン混合物からなる絶縁体313を0.3mmの厚さで130℃の条件で押出被覆しながら、200℃の条件で加圧蒸気による連続架橋法で架橋して仕上外径約1.7mmの気密電線301を製造した。
尚、気密部は、絶縁体313を架橋させる際の熱と圧力を利用して、ポリエチレン混合物からなる気密材を溶融させることにより形成した。又、撚線導体311への圧縮加工の有無、及び、充填材305の外径の膨潤量(外径増加率)は、表3に示した。
実施例3の9
この実施例による気密電線201は図7及び図8に示すような構成になっている。まず、素線径0.26mmの錫メッキ軟銅線(TA)からなる芯材203があり、この芯材203に気密材205を直径0.65mmとなるように押出被覆して充填材207を形成した。気密材205としては、吸液膨潤性ポリマー(吸水膨潤性ポリマー)としてのポリアルキレンオキサイド系樹脂(住友精化株式会社製 アクアコークTW)を吸液膨潤性ポリマー(吸油膨潤性ポリマー)としての吸油膨潤性フッ素ゴム混合物に配合してなるものを用いた。次に、上記の充填材207と素線径0.26mmの錫メッキ軟銅線(TA)からなる11本の導体素線209とをピッチ8.2mmで、最外層に導体素線209が配置されるように撚り合わせて仕上外径1.05mmの撚線導体211を形成した。そして、この撚線導体211上にフッ素ゴム混合物からなる絶縁体213を0.4mmの厚さで130℃の条件で押出被覆しながら、200℃の条件で加圧蒸気による連続架橋法で架橋して仕上外径約2.0mmの気密電線201を製造した。
尚、気密部は、絶縁体213を架橋させる際の熱と圧力を利用して、吸油膨潤性フッ素ゴム混合物からなる気密材205が硬化する際の接着作用により形成した。又、撚線導体211への圧縮加工の有無、及び、充填材207の外径の膨潤量(外径増加率)は、表4に示した。
実施例3の10
これらの実施例による気密電線301は図9及び図10に示すような構成になっている。まず、気密材を直径0.65mmとなるように押出成形して充填材305を形成した。気密材としては、吸液膨潤性ポリマー(吸水膨潤性ポリマー)としてのポリアルキレンオキサイド系樹脂(住友精化株式会社製 アクアコークTW)を吸液膨潤性ポリマー(吸油膨潤性ポリマー)としての吸油膨潤性フッ素ゴム混合物に配合してなるものを用いた。次に、上記の気密材からなる充填材305と素線径0.26mmの錫メッキ軟銅線(TA)からなる11本の導体素線309とをピッチ8.2mmで、最外層に導体素線309が配置されるように撚り合わせて仕上外径1.05mmの撚線導体311を形成した。そして、この撚線導体311上にポリエチレン混合物からなる絶縁体313を0.4mmの厚さで130℃の条件で押出被覆しながら、200℃の条件で加圧蒸気による連続架橋法で架橋して仕上外径約2.0mmの気密電線301を製造した。
尚、気密部は、絶縁体313を架橋させる際の熱と圧力を利用して、吸油膨潤性フッ素ゴム混合物からなる気密材が硬化する際の接着作用により形成した。又、撚線導体311への圧縮加工の有無、及び、気密材からなる充填材305の外径の膨潤量(外径増加率)は、表4に示した。
実施例3の11、実施例3の12
実施例3の9においてポリアルキレンオキサイド系樹脂を配合していないものを実施例3の11、実施例3の10においてポリアルキレンオキサイド系樹脂を配合していないものを実施例3の12とした。
実施例3の13、実施例3の14
実施例3の11において吸油膨潤性フッ素ゴム混合物を吸油膨潤性ポリエチレン混合物とし、吸油膨潤性ポリエチレン混合物からなる気密材を溶融させることにより気密部を形成したものを実施例3の13とした。又、実施例3の12において吸油膨潤性フッ素ゴム混合物を吸油膨潤性ポリエチレン混合物とし、吸油膨潤性ポリエチレン混合物からなる気密材を溶融させることにより気密部を形成したものを実施例3の14とした。
比較例3の1乃至比較例3の4
実施例3の1においてポリアルキレンオキサイド系樹脂を配合していないものを比較例3の1、実施例3の6においてポリアルキレンオキサイド系樹脂を配合していないものを比較例3の2、実施例3の7においてポリアルキレンオキサイド系樹脂を配合していないものを比較例3の3、実施例3の8においてポリアルキレンオキサイド系樹脂を配合していないものを比較例3の4とした。
比較例3の5
素線径0.18mmの錫メッキ軟銅線(TA)20本をピッチ35mmで撚り合わせて仕上外径0.9mmの撚線導体を形成した。次に、この撚線導体上にフッ素ゴム混合物からなる絶縁体を0.4mmの厚さで130℃の条件で押出被覆しながら、200℃の条件で加圧蒸気による連続架橋法で架橋して仕上外径約1.7mmの電線を製造した。
尚、撚線導体への圧縮加工は施さず、又、充填材も使用しなかった。
ここで、上記19種類の電線をそれぞれ5本ずつ用意して試料とし、気密性、漏水性、端末加工性及び生産性についての評価を行った。又、実施例3の9乃至3の14については、漏油性についての評価を併せて行った。評価方法は以下に示す通りである。評価の結果は、実施例については表3、表4に、比較例については表5に示した。
漏水性
長さ200mmに切断した試料の片端末を水道水の中に浸漬し、水面に0.049MPaの圧力をかけ、100時間で試料の他端末から漏出した水の量(水漏出量)を測定し、5本の試料の平均値を求めた。
気密性
上記の漏水性試験を行った後の試料を使用し、この試料の片端末に0.098MPaの空気圧をかけ、10分間で試料の他端末から漏出した空気の量(空気漏出量)を測定し、5本の試料の平均値を求めた。
漏油性
長さ500mmに切断した試料の片端末を油の中に浸漬し、油面に0.196MPaの圧力をかけ、24時間で試料の他端末から漏出した油の量(油漏出量)を測定し、5本の試料の平均値を求めた。試験油は、日産マチックフルードDオイルを使用した。
端末加工性
実施例3の1乃至実施例3の8及び比較例3の1乃至比較例3の4による試料については、気密部が形成された部分の絶縁体を幅20mmでストリップして撚線導体表面への充填材及び絶縁被覆材料の付着状態を目視にて確認した。又、比較例3の5による試料については、長さ方向の任意の位置の絶縁体を幅20mmでストリップして撚線導体表面への絶縁被覆材料の付着状態を目視にて確認した。
尚、評価は、5本の全ての試料について絶縁被覆材料が全く付着していないものを◎、実使用上問題がない程度の僅かな絶縁被覆材料が付着していた試料があったものを○、絶縁被覆材料が付着し、実使用に問題を生じた試料があったものを×、とした。
生産性
芯線に気密材を押出被覆し、充填材を形成した際の線速を測定した。尚、線速は、充填材の外径が均一となるように設定している。
Figure 2005019392
Figure 2005019392
Figure 2005019392
上記の評価の結果により、以下のことが判った。まず、比較例3の5の電線では水漏出と空気漏出が確認された。又、比較例3の1乃至比較例3の4による電線は、水漏出と空気漏出の量は実使用上問題のないレベルではあったが、実施例3の1乃至実施例3の10と比較をすると、吸液膨潤性ポリマーとしてのポリアルキレンオキサイド系樹脂を配合している実施例3の1乃至実施例3の10の方が、水漏出と空気漏出の量が少なかった。
尚、吸液膨潤性ポリマーとしての吸油膨潤性フッ素ゴム混合物に吸液膨潤性ポリマーとしてのポリアルキレンオキサイド系樹脂を配合している実施例3の9、実施例3の10については、油漏出の量についても少なかった。
又、吸液膨潤性ポリマーとしての吸油膨潤性フッ素ゴム混合物から気密材が構成された実施例3の11、実施例3の12、及び、吸油膨潤性ポリエチレン混合物から気密材が構成された実施例3の13、実施例3の14についても、油漏出と空気漏出の量が少なく、吸液膨潤性ポリマーとしてのポリアルキレンオキサイド系樹脂を配合している実施例3の1乃至実施例3の10と同様に優れた特性が得られた。
又、実施例3の1乃至実施例3の5の比較より、本発明の好ましい膨潤量(外径増加率)を有した実施例3の2乃至実施例3の4は、特に優れた漏水性と気密性を有していた。
尚、実施例3の5は、実使用に全く影響のない程度であったが、電線端末部において気密材が若干はみ出していた。
又、実施例3の3と実施例3の6、実施例3の7と実施例3の8の比較より、最外層に配置された導体素線が相互に密着するように径方向に圧縮したものの方が気密性及び端末加工性が向上していた。
又、実施例3の3と実施例3の7、実施例3の6と実施例3の8、実施例3の9と実施例3の10、実施例3の11と実施例3の12、実施例3の13と実施例3の14の比較より、芯材があるものの方が、線速を早くすることができ、生産性が向上していた。
本発明は、油や水などが毛細管現象によって導体内部に侵入したり、電線端末部から漏出したりすることを確実に防止できるとともに、端末加工が容易で生産性にも優れた安価な気密電線に関し、例えば、各種機器のリード線として使用される機密電線に好適である。
本発明の第1の実施の形態を示す図で、気密電線の一部を切り欠いて示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態を示す図で、気密電線の横断面図である。 本発明の第1の実施の形態を示す図で、気密電線の一部を切り欠いて示す斜視図である。 比較例を示す図で、気密電線の横断面図である。 本発明の第2の実施の形態を示す図で、気密電線の一部を切り欠いて示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態を示す図で、気密電線の横断面図である。 本発明の第3の実施の形態を示す図で、気密電線の一部を切り欠いて示す斜視図である。 本発明の第3の実施の形態を示す図で、気密電線の横断面図である。 本発明の第3の実施の形態を示す図で、気密電線の一部を切り欠いて示す斜視図である。 本発明の第3の実施の形態を示す図で、気密電線の横断面図である。
符号の説明
1 気密電線
3 撚線導体
3a 導体素線
5 充填材
7 絶縁体
















Claims (13)

  1. 複数本の導体素線と充填材とを必須構成とし、長さ方向の少なくとも一部に気密部が形成された撚線導体と、該撚線導体の外周に被覆された絶縁体とからなる気密電線であって、上記充填材は、熱可塑性ポリマーからなる気密材から少なくとも構成され、且つ、上記撚線導体の最外層には上記導体素線が配置されるとともに、該撚線導体の気密部においては、上記充填材を構成する気密材が各導体素線間に侵入していることを特徴とする気密電線。
  2. 複数本の導体素線と充填材とを必須構成とし、長さ方向の少なくとも一部に気密部が形成された撚線導体と、該撚線導体の外周に被覆された絶縁体とからなる気密電線であって、上記充填材は、芯材と該芯材上に被覆された熱可塑性ポリマー又は熱硬化性ポリマーからなる気密材から少なくとも構成され、且つ、上記撚線導体の最外層には上記導体素線が配置されるとともに、該撚線導体の気密部においては、上記充填材を構成する気密材が各導体素線間に侵入していることを特徴とする気密電線。
  3. 複数本の導体素線と充填材とを必須構成とし、長さ方向の少なくとも一部に気密部が形成された撚線導体と、該撚線導体の外周に被覆された絶縁体とからなる気密電線であって、上記充填材は、吸液膨潤性材料からなる気密材から少なくとも構成され、且つ、上記撚線導体の最外層には上記導体素線が配置されるとともに、該撚線導体の気密部においては、上記充填材を構成する気密材が各導体素線間に侵入していることを特徴とする気密電線。
  4. 複数本の導体素線と充填材とを必須構成とし、長さ方向の少なくとも一部に気密部が形成された撚線導体と、該撚線導体の外周に被覆された絶縁体とからなる気密電線であって、上記充填材は、芯材と該芯材上に被覆された吸液膨潤性材料からなる気密材から少なくとも構成され、且つ、上記撚線導体の最外層には上記導体素線が配置されるとともに、該撚線導体の気密部においては、上記充填材を構成する気密材が各導体素線間に侵入していることを特徴とする気密電線。
  5. 請求項3又は請求項4記載の気密電線において、
    上記吸液膨潤性材料からなる気密材が、吸液膨潤性ポリマーからなるか、もしくは吸液膨潤性ポリマーを熱可塑性ポリマー又は熱硬化性ポリマーに配合してなるものから少なくとも構成されていることを特徴とする気密電線。
  6. 請求項3乃至請求項5の何れかに記載の気密電線において、
    上記吸液膨潤性材料が吸液した際における上記充填材の外径の膨潤量が、5%以上15%以下であることを特徴とする気密電線。
  7. 請求項3乃至請求項6の何れかに記載の気密電線において、
    上記吸液膨潤性ポリマーとしてポリアルキレンオキサイド系樹脂を使用していることを特徴とする気密電線。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れかに記載の気密電線において、
    上記撚線導体の最外層に配置されている導体素線が相互に密着するように径方向に圧縮されていることを特徴とする気密電線。
  9. 複数本の導体素線と充填材を最外層に導体素線が配置されるように撚り合わせて撚線導体を形成し、
    上記撚線導体の外周に絶縁体を押出被覆しながら又は押出被覆した後に気密部を形成するようにしたことを特徴とする気密電線製造方法。
  10. 請求項9記載の気密電線製造方法において、
    上記絶縁体の押出被覆時における熱を利用して上記充填材を加熱処理することにより気密部を形成するようにしたことを特徴とする気密電線製造方法。
  11. 請求項9記載の気密電線製造方法において、
    上記絶縁体に加熱架橋を施す際の熱を利用して上記充填材を加熱処理することにより気密部を形成するようにしたことを特徴とする気密電線製造方法。
  12. 請求項9記載の気密電線製造方法において、
    上記撚線導体の外周に絶縁体を押出被覆する前に撚線導体を加圧・圧縮するようにしたことを特徴とする気密電線製造方法。
  13. 請求項9記載の気密電線製造方法において、
    芯材の外周に気密材を押出被覆して充填材としたことを特徴とする気密電線製造方法。
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