JP2005019392A - 気密電線と気密電線製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 複数本の導体素線と充填材とを必須構成とし、長さ方向の少なくとも一部に気密部が形成された撚線導体と、該撚線導体の外周に被覆された絶縁体とからなる気密電線であって、充填材は熱可塑性ポリマーからなる気密材から少なくとも構成され、且つ、撚線導体の最外層には上記導体素線が配置されるとともに、該撚線導体の気密部においては、充填材を構成する気密材が各導体素線間に侵入していることを特徴とするもの。
【選択図】 図1
Description
まず、特許文献1に開示されているような方法の場合は、充填材として使用するエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が熱膨張や熱収縮に対して追従性がなくクラックが入りやすいため、場合によっては油漏れを起こしてしまうという恐れがあった。この問題に対しては、例えば、追従性が良くクラックの入りにくい樹脂材を使用することのできる油漏防止用電線保持ケースが知られているのであるが(例えば、特許文献5参照。)、このような電線保持ケースは、その形状が非常に複雑で特殊であることからコストが上昇してしまうという問題があった。
又、特許文献2に開示されているようなコネクタも特許文献5に開示されているような電線保持ケースと同様に、その形状が非常に複雑で特殊であることからコストが上昇してしまうという問題があった。
次に、特許文献3に開示されているような構成のものの場合は、熱可塑性樹脂繊維束を構成する繊維の強度が弱い場合には、導体素線を撚り合わせる際に繊維束の一部が断線して、断線した繊維が撚線導体の外部に飛び出して絶縁体と融着してしまい、絶縁体をストリップすることが困難になる、といった端末加工性の問題があった。
次に、特許文献4に開示されているような構成のものの場合は、水密組成物が導体を形成する素線の間隙と導体の外周とで連通していることから、絶縁体をストリップした際に、導体表面に水密組成物が付着した状態となってしまう。そのため、端子打ち等を行った際に端子と導体の間に水密組成物が介在し、導電不良を起こしてしまう、といった端末加工性の問題があった。
又、請求項2による気密電線は、複数本の導体素線と充填材とを必須構成とし、長さ方向の少なくとも一部に気密部が形成された撚線導体と、該撚線導体の外周に被覆された絶縁体とからなる気密電線であって、上記充填材は、芯材と該芯材上に被覆された熱可塑性ポリマー又は熱硬化性ポリマーからなる気密材から少なくとも構成され、且つ、上記撚線導体の最外層には上記導体素線が配置されるとともに、該撚線導体の気密部においては、上記充填材を構成する気密材が各導体素線間に侵入していることを特徴とするものである。
又、請求項3による気密電線は、複数本の導体素線と充填材とを必須構成とし、長さ方向の少なくとも一部に気密部が形成された撚線導体と、該撚線導体の外周に被覆された絶縁体とからなる気密電線であって、上記充填材は、吸液膨潤性材料からなる気密材から少なくとも構成され、且つ、上記撚線導体の最外層には上記導体素線が配置されるとともに、該撚線導体の気密部においては、上記充填材を構成する気密材が各導体素線間に侵入していることを特徴とする気密電線。
又、請求項4による気密電線は、複数本の導体素線と充填材とを必須構成とし、長さ方向の少なくとも一部に気密部が形成された撚線導体と、該撚線導体の外周に被覆された絶縁体とからなる気密電線であって、上記充填材は、芯材と該芯材上に被覆された吸液膨潤性材料からなる気密材から少なくとも構成され、且つ、上記撚線導体の最外層には上記導体素線が配置されるとともに、該撚線導体の気密部においては、上記充填材を構成する気密材が各導体素線間に侵入していることを特徴とするものである。
又、請求項5による気密電線は、請求項3又は請求項4記載の気密電線において、上記吸液膨潤性材料からなる気密材が、吸液膨潤性ポリマーからなるか、もしくは吸液膨潤性ポリマーを熱可塑性ポリマー又は熱硬化性ポリマーに配合してなるものから少なくとも構成されていることを特徴とするものである。
又、請求項6による気密電線は、請求項3乃至請求項5の何れかに記載の気密電線において、上記吸液膨潤性材料が吸液した際における上記充填材の外径の膨潤量が、5%以上15%以下であることを特徴とするものである。
又、請求項7による気密電線は、請求項3乃至請求項6の何れかに記載の気密電線において、上記吸液膨潤性ポリマーとしてポリアルキレンオキサイド系樹脂を使用していることを特徴とするものである。
又、請求項8による気密電線は、請求項1乃至請求項7の何れかに記載の気密電線において、上記撚線導体の最外層に配置されている導体素線が相互に密着するように径方向に圧縮されていることを特徴とするものである。
又、請求項9による気密電線製造方法は、複数本の導体素線と充填材を最外層に導体素線が配置されるように撚り合わせて撚線導体を形成し、上記撚線導体の外周に絶縁体を押出被覆しながら又は押出被覆した後に気密部を形成するようにしたことを特徴とするものである。
又、請求項10による気密電線製造方法は、請求項9記載の気密電線製造方法において、上記絶縁体の押出被覆時における熱を利用して上記充填材を加熱処理することにより気密部を形成するようにしたことを特徴とするものである。
又、請求項11による気密電線製造方法は、請求項9記載の気密電線製造方法において、上記絶縁体に加熱架橋を施す際の熱を利用して上記充填材を加熱処理することにより気密部を形成するようにしたことを特徴とするものである。
又、請求項12による気密電線は、請求項9記載の気密電線製造方法において、上記撚線導体の外周に絶縁体を押出被覆する前に撚線導体を加圧・圧縮するようにしたことを特徴とするものである。
又、請求項13による気密電線は、請求項9記載の気密電線製造方法において、芯材の外周に気密材を押出被覆して充填材としたことを特徴とするものである。
素線径0.26mmの錫メッキ軟銅線(TA)11本と、ポリエチレン混合物からなる直径0.5mmの充填材をピッチ8.2mmで、最外層に導体素線が配置されるように撚り合わせて仕上外径1.05mmの撚線導体を形成した。次に、この撚線導体上にフッ素ゴム混合物からなる絶縁体を0.4mmの厚さで130℃の条件で押出被覆しながら、200℃の条件で加圧蒸気による連続架橋法で架橋して仕上外径2.1mmの電線を製造した。
絶縁体を押出被覆する前の撚線導体を、200℃に設定された導体加熱器に導入することによって気密部を形成した他は、上記実施例1の1〜実施例1の4と同様の材料、同様の工法で電線を製造した。
尚、撚線導体への圧縮加工は施さず、又、充填材には膨張成分を含有させなかった。
素線径0.18mmの錫メッキ軟銅線(TA)20本をピッチ35mmで撚り合わせて仕上外径0.9mmの撚線導体を形成した。次に、この撚線導体上にフッ素ゴム混合物からなる絶縁体を0.4mmの厚さで130℃の条件で押出被覆しながら、200℃の条件で加圧蒸気による連続架橋法で架橋して仕上外径1.7mmの電線を製造した。尚、撚線導体への圧縮加工は施さず、又、充填材も使用しなかった。
符号505が絶縁体である。
長さ200mmに切断した試料の片端末に0.049MPaの空気圧をかけ、10分間で試料の他端末から漏出した空気の量(空気漏出量)を測定した。
漏油性
長さ500mmに切断した試料の片端末を油の中に浸漬し、油面に0.196MPaの圧力をかけ、24時間で試料の他端末から漏出した油の量(油漏出量)を測定した。試験油は、日産マチックフルードDオイルを使用した。
端末加工性
本実施例による試料については、気密部が形成された部分の絶縁体を幅20mmでストリップして撚線導体表面への充填材及び絶縁被覆材料の付着状態を目視にて確認した。又、比較例による試料については、長さ方向の任意の位置の絶縁体を幅20mmでストリップして撚線導体表面への絶縁被覆材料の付着状態を目視にて確認した。
尚、評価は、全ての試料について絶縁被覆材料が全く付着していないものを◎、実使用上問題が無い程度の僅かな絶縁被覆材料が付着していた試料があったものを○、絶縁被覆材料が付着し、実使用に問題を生じた試料があったものを×、とした。
この実施の形態における気密電線101は図5及び図6に示すような構成になっている。まず、素線径0.26mmの錫メッキ軟銅線(TA)からなる芯材103があり、この芯材103にポリエチレン混合物(熱可塑性ポリマー)からなる気密材105を直径0.65mmとなるように押出被覆して充填材107を形成した。この充填材107と素線径0.26mmの錫メッキ軟銅線(TA)からなる11本の導体素線109とをピッチ8.2mmで、最外層に導体素線109が配置されるように撚り合わせて仕上外径1.05mmの撚線導体111を形成した。次に、この撚線導体111上にポリエチレン混合物からなる絶縁体113を0.3mmの厚さで130℃の条件で押出被覆しながら、200℃の条件で加圧蒸気による連続架橋法で架橋して仕上外径1.7mmの気密電線101を製造した。
尚、図5及び図6に示す撚線導体111は圧縮加工されたものであり、よって、その各導体素線109の外周は平坦に押し潰されている。又、圧縮加工が施されない場合には各導体素線109の外周が押し潰されることはない。
気密材105をフッ素ゴム混合物(軟質熱硬化性ポリマー)に、絶縁体113をフッ素ゴム混合物に変更した他は実施例2の1と同様にして気密電線を製造した。
尚、気密部は、絶縁体を架橋させる際の熱と圧力を利用して、フッ素ゴム混合物からなる気密材105を硬化させることにより形成した。又、撚線導体111への圧縮加工の有無は、表2に示した。
実施例2の1乃至実施例2の4において、芯線103を備えていないものをそれぞれ比較例2の1乃至比較例2の4とした。
比較例2の5
素線径0.18mmの錫メッキ軟銅線(TA)20本をピッチ35mmで撚り合わせて仕上外径0.9mmの撚線導体を形成した。次に、この撚線導体上にフッ素ゴム混合物からなる絶縁体を0.4mmの厚さで130℃の条件で押出被覆しながら、200℃の条件で加圧蒸気による連続架橋法で架橋して仕上外径1.7mmの電線を製造した。尚、撚線導体への圧縮加工は施さず、又、充填材も使用しなかった。
長さ200mmに切断した試料の片端末に0.049MPaの空気圧をかけ、10分間で試料の他端末から漏出した空気の量(空気漏出量)を測定し、5本の試料の平均値を求めた。
漏油性
長さ500mmに切断した試料の片端末を油の中に浸漬し、油面に0.196MPaの圧力をかけ、24時間で試料の他端末から漏出した油の量(油漏出量)を測定し、5本の試料の平均値を求めた。試験油は、日産マチックフルードDオイルを使用した。
端末加工性
実施例2の1乃至実施例2の4及び比較例2の1乃至比較例2の4による試料については、気密部が形成された部分の絶縁体を幅20mmでストリップして撚線導体表面への充填材及び絶縁被覆材料の付着状態を目視にて確認した。又、比較例2の5による試料については、長さ方向の任意の位置の絶縁体を幅20mmでストリップして撚線導体表面への絶縁被覆材料の付着状態を目視にて確認した。
尚、評価は、全ての試料について絶縁被覆材料が全く付着していないものを◎、実使用上問題が無い程度の僅かな絶縁被覆材料が付着していた試料があったものを○、絶縁被覆材料が付着し、実使用に問題を生じた試料があったものを×、とした。
生産性
芯線に気密材を押出被覆し、充填材を形成した際の線速を測定した。尚、線速は、充填材の外径が均一となるように設定している。
これら実施例における気密電線201は図7及び図8に示すような構成になっている。まず、素線径0.26mmの錫メッキ軟銅線(TA)からなる芯材203があり、この芯材203に気密材205を直径0.65mmとなるように押出被覆して充填材207を形成した。気密材205としては、吸液膨潤性ポリマー(吸水膨潤性ポリマー)としてのポリアルキレンオキサイド系樹脂(住友精化株式会社製 アクアコークTW)を熱可塑性ポリマーとしてのポリエチレン混合物に配合してなるものを用いた。次に、上記の充填材207と素線径0.26mmの錫メッキ軟銅線(TA)からなる11本の導体素線209とをピッチ8.2mmで、最外層に導体素線209が配置されるように撚り合わせて仕上外径1.05mmの撚線導体211を形成した。そして、この撚線導体211上にポリエチレン混合物からなる絶縁体213を0.3mmの厚さで130℃の条件で押出被覆しながら、200℃の条件で加圧蒸気による連続架橋法で架橋して仕上外径約1.7mmの気密電線201を製造した。
尚、撚線導体211への圧縮加工の有無に関しては、前記第1の実施の形態、第2の実施の形態の場合と同様である。
これらの実施例による気密電線301は図9及び図10に示すような構成になっている。まず、気密材を直径0.65mmとなるように押出成形してこれを充填材305とした。気密材としては、吸液膨潤性ポリマー(吸水膨潤性ポリマー)としてのポリアルキレンオキサイド系樹脂(住友精化株式会社製 アクアコークTW)を熱可塑性ポリマーとしてのポリエチレン混合物に配合してなるものを用いた。次に、上記の充填材305と素線径0.26mmの錫メッキ軟銅線(TA)からなる11本の導体素線309とをピッチ8.2mmで、最外層に導体素線309が配置されるように撚り合わせて仕上外径1.05mmの撚線導体311を形成した。そして、この撚線導体311上にポリエチレン混合物からなる絶縁体313を0.3mmの厚さで130℃の条件で押出被覆しながら、200℃の条件で加圧蒸気による連続架橋法で架橋して仕上外径約1.7mmの気密電線301を製造した。
この実施例による気密電線201は図7及び図8に示すような構成になっている。まず、素線径0.26mmの錫メッキ軟銅線(TA)からなる芯材203があり、この芯材203に気密材205を直径0.65mmとなるように押出被覆して充填材207を形成した。気密材205としては、吸液膨潤性ポリマー(吸水膨潤性ポリマー)としてのポリアルキレンオキサイド系樹脂(住友精化株式会社製 アクアコークTW)を吸液膨潤性ポリマー(吸油膨潤性ポリマー)としての吸油膨潤性フッ素ゴム混合物に配合してなるものを用いた。次に、上記の充填材207と素線径0.26mmの錫メッキ軟銅線(TA)からなる11本の導体素線209とをピッチ8.2mmで、最外層に導体素線209が配置されるように撚り合わせて仕上外径1.05mmの撚線導体211を形成した。そして、この撚線導体211上にフッ素ゴム混合物からなる絶縁体213を0.4mmの厚さで130℃の条件で押出被覆しながら、200℃の条件で加圧蒸気による連続架橋法で架橋して仕上外径約2.0mmの気密電線201を製造した。
これらの実施例による気密電線301は図9及び図10に示すような構成になっている。まず、気密材を直径0.65mmとなるように押出成形して充填材305を形成した。気密材としては、吸液膨潤性ポリマー(吸水膨潤性ポリマー)としてのポリアルキレンオキサイド系樹脂(住友精化株式会社製 アクアコークTW)を吸液膨潤性ポリマー(吸油膨潤性ポリマー)としての吸油膨潤性フッ素ゴム混合物に配合してなるものを用いた。次に、上記の気密材からなる充填材305と素線径0.26mmの錫メッキ軟銅線(TA)からなる11本の導体素線309とをピッチ8.2mmで、最外層に導体素線309が配置されるように撚り合わせて仕上外径1.05mmの撚線導体311を形成した。そして、この撚線導体311上にポリエチレン混合物からなる絶縁体313を0.4mmの厚さで130℃の条件で押出被覆しながら、200℃の条件で加圧蒸気による連続架橋法で架橋して仕上外径約2.0mmの気密電線301を製造した。
実施例3の9においてポリアルキレンオキサイド系樹脂を配合していないものを実施例3の11、実施例3の10においてポリアルキレンオキサイド系樹脂を配合していないものを実施例3の12とした。
実施例3の11において吸油膨潤性フッ素ゴム混合物を吸油膨潤性ポリエチレン混合物とし、吸油膨潤性ポリエチレン混合物からなる気密材を溶融させることにより気密部を形成したものを実施例3の13とした。又、実施例3の12において吸油膨潤性フッ素ゴム混合物を吸油膨潤性ポリエチレン混合物とし、吸油膨潤性ポリエチレン混合物からなる気密材を溶融させることにより気密部を形成したものを実施例3の14とした。
実施例3の1においてポリアルキレンオキサイド系樹脂を配合していないものを比較例3の1、実施例3の6においてポリアルキレンオキサイド系樹脂を配合していないものを比較例3の2、実施例3の7においてポリアルキレンオキサイド系樹脂を配合していないものを比較例3の3、実施例3の8においてポリアルキレンオキサイド系樹脂を配合していないものを比較例3の4とした。
素線径0.18mmの錫メッキ軟銅線(TA)20本をピッチ35mmで撚り合わせて仕上外径0.9mmの撚線導体を形成した。次に、この撚線導体上にフッ素ゴム混合物からなる絶縁体を0.4mmの厚さで130℃の条件で押出被覆しながら、200℃の条件で加圧蒸気による連続架橋法で架橋して仕上外径約1.7mmの電線を製造した。
ここで、上記19種類の電線をそれぞれ5本ずつ用意して試料とし、気密性、漏水性、端末加工性及び生産性についての評価を行った。又、実施例3の9乃至3の14については、漏油性についての評価を併せて行った。評価方法は以下に示す通りである。評価の結果は、実施例については表3、表4に、比較例については表5に示した。
長さ200mmに切断した試料の片端末を水道水の中に浸漬し、水面に0.049MPaの圧力をかけ、100時間で試料の他端末から漏出した水の量(水漏出量)を測定し、5本の試料の平均値を求めた。
気密性
上記の漏水性試験を行った後の試料を使用し、この試料の片端末に0.098MPaの空気圧をかけ、10分間で試料の他端末から漏出した空気の量(空気漏出量)を測定し、5本の試料の平均値を求めた。
漏油性
長さ500mmに切断した試料の片端末を油の中に浸漬し、油面に0.196MPaの圧力をかけ、24時間で試料の他端末から漏出した油の量(油漏出量)を測定し、5本の試料の平均値を求めた。試験油は、日産マチックフルードDオイルを使用した。
端末加工性
実施例3の1乃至実施例3の8及び比較例3の1乃至比較例3の4による試料については、気密部が形成された部分の絶縁体を幅20mmでストリップして撚線導体表面への充填材及び絶縁被覆材料の付着状態を目視にて確認した。又、比較例3の5による試料については、長さ方向の任意の位置の絶縁体を幅20mmでストリップして撚線導体表面への絶縁被覆材料の付着状態を目視にて確認した。
尚、評価は、5本の全ての試料について絶縁被覆材料が全く付着していないものを◎、実使用上問題がない程度の僅かな絶縁被覆材料が付着していた試料があったものを○、絶縁被覆材料が付着し、実使用に問題を生じた試料があったものを×、とした。
生産性
芯線に気密材を押出被覆し、充填材を形成した際の線速を測定した。尚、線速は、充填材の外径が均一となるように設定している。
又、吸液膨潤性ポリマーとしての吸油膨潤性フッ素ゴム混合物から気密材が構成された実施例3の11、実施例3の12、及び、吸油膨潤性ポリエチレン混合物から気密材が構成された実施例3の13、実施例3の14についても、油漏出と空気漏出の量が少なく、吸液膨潤性ポリマーとしてのポリアルキレンオキサイド系樹脂を配合している実施例3の1乃至実施例3の10と同様に優れた特性が得られた。
尚、実施例3の5は、実使用に全く影響のない程度であったが、電線端末部において気密材が若干はみ出していた。
又、実施例3の3と実施例3の6、実施例3の7と実施例3の8の比較より、最外層に配置された導体素線が相互に密着するように径方向に圧縮したものの方が気密性及び端末加工性が向上していた。
又、実施例3の3と実施例3の7、実施例3の6と実施例3の8、実施例3の9と実施例3の10、実施例3の11と実施例3の12、実施例3の13と実施例3の14の比較より、芯材があるものの方が、線速を早くすることができ、生産性が向上していた。
3 撚線導体
3a 導体素線
5 充填材
7 絶縁体
Claims (13)
- 複数本の導体素線と充填材とを必須構成とし、長さ方向の少なくとも一部に気密部が形成された撚線導体と、該撚線導体の外周に被覆された絶縁体とからなる気密電線であって、上記充填材は、熱可塑性ポリマーからなる気密材から少なくとも構成され、且つ、上記撚線導体の最外層には上記導体素線が配置されるとともに、該撚線導体の気密部においては、上記充填材を構成する気密材が各導体素線間に侵入していることを特徴とする気密電線。
- 複数本の導体素線と充填材とを必須構成とし、長さ方向の少なくとも一部に気密部が形成された撚線導体と、該撚線導体の外周に被覆された絶縁体とからなる気密電線であって、上記充填材は、芯材と該芯材上に被覆された熱可塑性ポリマー又は熱硬化性ポリマーからなる気密材から少なくとも構成され、且つ、上記撚線導体の最外層には上記導体素線が配置されるとともに、該撚線導体の気密部においては、上記充填材を構成する気密材が各導体素線間に侵入していることを特徴とする気密電線。
- 複数本の導体素線と充填材とを必須構成とし、長さ方向の少なくとも一部に気密部が形成された撚線導体と、該撚線導体の外周に被覆された絶縁体とからなる気密電線であって、上記充填材は、吸液膨潤性材料からなる気密材から少なくとも構成され、且つ、上記撚線導体の最外層には上記導体素線が配置されるとともに、該撚線導体の気密部においては、上記充填材を構成する気密材が各導体素線間に侵入していることを特徴とする気密電線。
- 複数本の導体素線と充填材とを必須構成とし、長さ方向の少なくとも一部に気密部が形成された撚線導体と、該撚線導体の外周に被覆された絶縁体とからなる気密電線であって、上記充填材は、芯材と該芯材上に被覆された吸液膨潤性材料からなる気密材から少なくとも構成され、且つ、上記撚線導体の最外層には上記導体素線が配置されるとともに、該撚線導体の気密部においては、上記充填材を構成する気密材が各導体素線間に侵入していることを特徴とする気密電線。
- 請求項3又は請求項4記載の気密電線において、
上記吸液膨潤性材料からなる気密材が、吸液膨潤性ポリマーからなるか、もしくは吸液膨潤性ポリマーを熱可塑性ポリマー又は熱硬化性ポリマーに配合してなるものから少なくとも構成されていることを特徴とする気密電線。 - 請求項3乃至請求項5の何れかに記載の気密電線において、
上記吸液膨潤性材料が吸液した際における上記充填材の外径の膨潤量が、5%以上15%以下であることを特徴とする気密電線。 - 請求項3乃至請求項6の何れかに記載の気密電線において、
上記吸液膨潤性ポリマーとしてポリアルキレンオキサイド系樹脂を使用していることを特徴とする気密電線。 - 請求項1乃至請求項7の何れかに記載の気密電線において、
上記撚線導体の最外層に配置されている導体素線が相互に密着するように径方向に圧縮されていることを特徴とする気密電線。 - 複数本の導体素線と充填材を最外層に導体素線が配置されるように撚り合わせて撚線導体を形成し、
上記撚線導体の外周に絶縁体を押出被覆しながら又は押出被覆した後に気密部を形成するようにしたことを特徴とする気密電線製造方法。 - 請求項9記載の気密電線製造方法において、
上記絶縁体の押出被覆時における熱を利用して上記充填材を加熱処理することにより気密部を形成するようにしたことを特徴とする気密電線製造方法。 - 請求項9記載の気密電線製造方法において、
上記絶縁体に加熱架橋を施す際の熱を利用して上記充填材を加熱処理することにより気密部を形成するようにしたことを特徴とする気密電線製造方法。 - 請求項9記載の気密電線製造方法において、
上記撚線導体の外周に絶縁体を押出被覆する前に撚線導体を加圧・圧縮するようにしたことを特徴とする気密電線製造方法。 - 請求項9記載の気密電線製造方法において、
芯材の外周に気密材を押出被覆して充填材としたことを特徴とする気密電線製造方法。
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