JP2003281945A - 気密電線 - Google Patents

気密電線

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JP2003281945A
JP2003281945A JP2002086251A JP2002086251A JP2003281945A JP 2003281945 A JP2003281945 A JP 2003281945A JP 2002086251 A JP2002086251 A JP 2002086251A JP 2002086251 A JP2002086251 A JP 2002086251A JP 2003281945 A JP2003281945 A JP 2003281945A
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wire
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Masahiro Nakayama
真洋 中山
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Kurabe Industrial Co Ltd
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Kurabe Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油や水などが毛細管現象によって電線内部に
浸入したり、電線端末部から漏出するのを確実に防止で
きるとともに、端末加工が容易で生産性にも優れた安価
な気密電線を提供すること。 【解決手段】 長さ方向の少なくとも一部に気密部が形
成された撚線導体と、その外周に被覆された絶縁体とか
らなる気密電線であって、前記撚線導体は、複数本の導
体素線と、熱可塑性ポリマーからなる充填材を必須構成
とし、かつ最外層には導体素線が配置されるとともに、
該撚線導体の気密部においては、前記充填材を加熱する
ことによって軟化又は溶融した熱可塑性ポリマーが各導
体素線間に侵入していることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油や水などが毛細
管現象によって導体内部に侵入したり、電線端末部から
漏出したりすることを確実に防止できるとともに、端末
加工が容易で生産性にも優れた安価な気密電線に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】各種機器のリード線として使用される電
線においては、屈曲性を向上させる目的から複数本の導
体素線を撚り合わせた撚線導体が導体として使用されて
いる。通常、この種の電線は、端末部分の絶縁体を除去
して撚線導体を露出させた後、各種の用途に応じて適宜
に端末加工処理を施して実使用に供されるのであるが、
その際、電線端末部付近に油や水などが存在している
と、毛細管現象によってそれらが導体内部を伝わって電
線の長手方向に侵入して種々の問題を引き起こしてしま
う。このような現象は、例えば、自動車の酸素センサー
のリード線や、自動変速機のオイルケース内に配置され
て使用されるリード線のように、電線の両端末間に圧力
差があるような環境下で使用された場合に特に顕著であ
った。
【0003】そこで従来は、電線内部への油や水などの
浸入、電線端末部からの油や水の漏出を防ぐための手段
として、例えば、特公平1−59476号公報に開示さ
れているように、電線をオイルケースに固定するための
電線保持ケースの内部に導体露出部を形成した電線を配
置し、該電線の露出した導体素線間にエポキシ樹脂等の
熱硬化性樹脂を充填する方法や、特許公報第28251
43号公報に開示されているように、複数の端子を装着
した基盤の端子挿入孔と該端子との間をハンダ付けによ
り密封して形成した端子保持板を筒状のハウジングと一
体に成形し、該筒状のハウジングの電線導入部に液体漏
出防止用の封止体を装着してあるコネクタを使用する方
法や、特開2000−243151号公報に開示されて
いるように、電線として撚線導体を構成する各導体素線
の隙間に熱可塑性樹脂繊維束を配置し、前記繊維束を加
熱、溶融することによって気密部を形成した構成のもの
を使用する方法などが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、まず、
特公平1−59476号公報に開示されている方法の場
合は、充填材として使用するエポキシ樹脂等の熱硬化性
樹脂が熱膨張や熱収縮に対して追従性が無くクラックが
入りやすいため、場合によっては油漏れを起こしてしま
うという恐れがあった。この問題に対しては、例えば、
特許第2766558号公報が、追従性が良くクラック
の入りにくい樹脂材を使用することのできる油漏防止用
電線保持ケースを提案しているのであるが、このような
電線保持ケースは、上述した特許公報第2825143
号公報に開示されているようなコネクタと同様に、その
形状が非常に複雑で特殊であることからコストが上昇し
てしまうという問題があった。
【0005】次に、特開2000−243151号公報
に開示されているような、導体素線の隙間に熱可塑性樹
脂繊維束を配置し、前記繊維束を加熱、溶融することに
よって気密部を形成した構成のものの場合は、熱可塑性
樹脂繊維束を構成する繊維の強度が弱い場合には、導体
素線を撚り合わせる際に繊維束の一部が断線して、断線
した繊維が撚線導体の外部に飛び出して絶縁体と融着し
てしまい、電線のストリップ性が悪化してしまう恐れが
あった。
【0006】本発明はこのような点に基づいてなされた
もので、その目的とするところは、油や水などが毛細管
現象によって電線内部に浸入したり、電線端末部から漏
出したりすることを確実に防止できるとともに、端末加
工が容易で生産性にも優れた安価な気密電線を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するべく
本発明の請求項1による気密電線は、長さ方向の少なく
とも一部に気密部が形成された撚線導体と、その外周に
被覆された絶縁体とからなる気密電線であって、前記撚
線導体は、複数本の導体素線と、熱可塑性ポリマーから
なる充填材を必須構成とし、かつ最外層には導体素線が
配置されるとともに、該撚線導体の気密部においては、
前記充填材を加熱することによって軟化又は溶融した熱
可塑性ポリマーが各導体素線間に侵入していることを特
徴とするものである。
【0008】又、請求項2による気密電線は、請求項1
記載の気密電線において、前記撚線導体の最外層に配置
されている導体素線が相互に密着するように径方向に圧
縮されていることを特徴とするものである。
【0009】又、請求項3による気密電線は、請求項1
又は請求項2記載の気密電線において、前記充填材は、
膨張成分を含有していることを特徴とするものである。
【0010】又、請求項4による気密電線は、請求項
1、請求項2又は請求項3記載の気密電線において、前
記充填材は、前記撚線導体上に絶縁体が被覆された状態
で、前記充填材を加熱軟化又は加熱溶融させることによ
って形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】導体素線の構成材料は特に限定さ
れず、本発明によって得られる電線の使用条件(用途、
要求機能等)を考慮して、従来公知の導体材料をいずれ
も使用することができる。
【0012】本発明で使用される熱可塑性ポリマーから
なる充填材としては、例えば、熱可塑性ポリマーを線状
に成形したもの、繊維状のもの、粉体状のもの、液状に
溶融させたものなどが挙げられるが、本発明において
は、熱可塑性ポリマーを線状に成形したものが好ましく
用いられる。これは以下のような理由による。つまり、
繊維状のものについては、繊維素線の強度が弱い場合な
ど、繊維素線の断線によって電線のストリップ性が悪化
してしまう恐れがある。又、粉体状のものについては、
導体撚り装置が汚れてしまったり、押出機の内部に粉体
が蓄積して固まり、導体素線が断線してしまう恐れがあ
る。又、液状に溶融させたものについては、導体撚り装
置が汚れてしまったり、液状の充填材が絶縁体と接着し
て電線のストリップ性が悪化してしまう恐れがある。
【0013】熱可塑性ポリマーを線状に成形する方法と
しては、例えば、従来公知の押出成形法が挙げられる。
この際、押出成形と同時に延伸加工を施しておけば、撚
線導体に気密部を形成する際の加熱処理によって充填材
の外径を膨張させることができるため、熱可塑性ポリマ
ーからなる充填材が導体素線間の隙間に良好に侵入する
ことになる。ここで、充填材が各導体素線間に侵入して
いる状態とは、各導体素線に隙間がある場合は、導体素
線の隙間に熱可塑性ポリマーが存在している状態を指
し、又、導体素線が相互に密着するように径方向に圧縮
されている場合は、円周上に配置された導体素線の内周
側の表面に密着するように熱可塑性ポリマーが存在して
いる状態を指す。
【0014】熱可塑性ポリマーとしては、従来様々な種
類のものが公知であり、例えば、ポリエチレン(PE)
やポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重
合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体
(EEA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体
(EMMA)のようなポリオレフィン系樹脂や、四フッ
化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)や
四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共
重合体(PFA)、四フッ化エチレン−エチレン共重合
体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVD
F)、四フッ化エチレン−プロピレン共重合体、四フッ
化エチレン−αオレフィン共重合体、フッ化ビニリデン
−六フッ化プロピレン共重合体、四フッ化エチレン−六
フッ化プロピレン−フッ化ビニリデン共重合体(TH
V)、ポリパーフルオロブテニルビニルエーテル、フッ
素系熱可塑性エラストマーのようなフッ素系ポリマー、
エチレンプロピレンゴムのようなゴム材料、オレフィン
系エラストマーやスチレン系エラストマーのようなエラ
ストマー材料、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)などが挙
げられる。これらは、本発明によって得られる電線の使
用条件(用途、要求機能等)や、後述する絶縁体の種
類、気密部の形成方法などを考慮して適宜に選択すれば
良い。又、複数種のポリマーを適宜に組み合わせたり、
難燃剤、着色剤、加工助剤、老化防止剤、充填材等の配
合薬品を適宜に添加しても良い。
【0015】又、前記充填材には、膨張成分を含有させ
ても良い。こうしておけば、撚線導体に気密部を形成す
る際、熱可塑性ポリマーからなる充填材が導体素線間の
隙間により確実に侵入することになる。特に、前記した
熱可塑性ポリマーの中でも、ポリマー自体の性状、又は
各種の添加剤の影響などにより、外径膨張効果の小さい
ものについては、膨張成分を含有させることが望まし
い。膨張成分を含有させる方法としては、例えば、充填
材中にアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニト
リル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P
‘−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、P−ト
ルエンスルホニルヒドラジドなどの発泡剤を配合し、化
学的に発泡させる方法が挙げられる。膨張成分の種類や
添加量は、本発明によって得られる電線の使用条件(製
造温度、用途、要求機能等)などを考慮して適宜に選
択、調整すれば良い。
【0016】本発明においては、前記の熱可塑性ポリマ
ーからなる充填材と導体素線とを少なくとも最外層には
導体素線が配置されるように撚り合わせて撚線導体を形
成するのであるが、この際、最外層に配置された各導体
素線が相互に密着するように径方向に圧縮しておくこと
が望ましい。こうしておけば、撚線導体に気密部を形成
する際、充填材が膨張し過ぎて撚線導体を構成する導体
素線が電線の円周方向に広がって撚線導体の外径が当初
の設計より太くなってしまい、相対的に絶縁体の厚さが
薄くなってしまうことを防止することができる。又、撚
線導体に気密部を形成する際、軟化又は溶融した熱可塑
性ポリマーが導体素線の隙間から流出して絶縁体と接着
してしまうことを防止することができるため、電線のス
トリップ性が損なわれることも無い。
【0017】気密部は、油や水などが毛細管現象によっ
て電線内部に浸入したり、電線内部に浸入した油や水が
電線端末部から漏出したりするのを防止するためのもの
であり、上記の充填材を加熱軟化又は加熱溶融させるこ
とによって、撚線導体の長さ方向の少なくとも一部(一
部分、複数部分または全部)に形成される。この気密部
を撚線導体の一部に形成するか、複数部分に形成する
か、全部に形成するかは、本発明によって得られる電線
の使用条件(用途、要求機能等)を考慮して選択される
ものであり、特に限定されない。
【0018】気密部の形成方法としては、例えば、絶縁
体を押出被覆する前の撚線導体を各種の加熱装置で加熱
処理する方法、絶縁体を押出被覆する際の熱を利用して
加熱処理する方法、絶縁体に加熱架橋を施す場合には架
橋の際の熱を利用して加熱処理する方法、電線の端末加
工時に加熱処理する方法など様々な方法が挙げられる
が、本発明においては、絶縁体を押出被覆する際の熱、
又は絶縁体に加熱架橋を施す際の熱、を利用して加熱処
理する方法が好ましく用いられる。これは以下のような
理由による。つまり、絶縁体を押出被覆する前に加熱処
理しようとすると、充填材が膨張成分を含有している場
合など、充填材が膨張し過ぎて撚線導体を構成する導体
素線が電線の円周方向に広がって撚線導体の外径が当初
の設計より太くなってしまい、相対的に絶縁体の厚さが
薄くなってしまう恐れがあるととともに、充填材が導体
素線の隙間から流出して絶縁体と接着してしまい、電線
のストリップ性が低下してしまう恐れがある。又、電線
の端末加工時に加熱処理する場合には、加熱用の設備や
工程が別途必要となってしまうため、生産性の低下やコ
ストの上昇が懸念される。
【0019】絶縁体は、従来公知の様々な絶縁被覆材料
を公知の押出機を用いて撚線導体上に押出被覆すること
により形成されるものであり、絶縁被覆材料の種類によ
っては適宜に架橋処理が施される。絶縁被覆材料の種類
は、本発明によって得られる電線の使用条件(用途、要
求機能等)を考慮して選択されるものであり特に限定さ
れない。
【0020】
【実施例】以下に本発明の実施例を比較例と併せて説明
する。
【0021】実施例1〜4 素線径0.26mmの錫メッキ軟銅線(TA)11本
と、ポリエチレン混合物からなる直径0.5mmの充填
材をピッチ8.2mmで、最外層に導体素線が配置され
るように撚り合わせて仕上外径1.05mmの撚線導体
を形成した。次に、この撚線導体上にフッ素ゴム混合物
からなる絶縁体を0.4mmの厚さで130℃の条件で
押出被覆しながら、200℃の条件で加圧蒸気による連
続架橋法で架橋して仕上外径2.1mmの電線を製造し
た。尚、気密部は、絶縁体を架橋させる際の熱と圧力を
利用して、ポリエチレン混合物からなる充填材の溶融と
膨張を同時に行うことにより形成した。又、撚線導体へ
の圧縮加工の有無、充填材への膨張成分(アゾジカルボ
ンアミド系発泡剤:分解温度=165℃)の含有の有無
は、表1に示した。
【0022】実施例5 絶縁体を押出被覆する前の撚線導体を、200℃に設定
された導体加熱器に導入することによって気密部を形成
した他は、上記実施例1〜4と同様の材料、同様の工法
で電線を製造した。尚、撚線導体への圧縮加工は施さ
ず、又、充填材には膨張成分を含有させなかった。
【0023】図1は、このようにして得られた気密電線
の断面図である。ここで、符号1が撚線導体、符号1a
が導体素線、符号1bが気密部(充填材)、符号2が絶
縁体である。
【0024】比較例 素線径0.18mmの錫メッキ軟銅線(TA)20本を
ピッチ35mmで撚り合わせて仕上外径0.9mmの撚
線導体を形成した。次に、この撚線導体上にフッ素ゴム
混合物からなる絶縁体を0.4mmの厚さで130℃の
条件で押出被覆しながら、200℃の条件で加圧蒸気に
よる連続架橋法で架橋して仕上外径1.7mmの電線を
製造した。尚、撚線導体への圧縮加工は施さず、又、充
填材も使用しなかった。
【0025】図2は、このようにして得られた気密電線
の断面図である。ここで、符号1が撚線導体、符号2が
絶縁体である。
【0026】ここで、上記6種類の電線を試料として、
気密性、漏油性及び端末加工性についての評価を行っ
た。評価方法は以下に示す通りである。評価結果は表1
に示した。
【0027】気密性 長さ200mmに切断した試料の片端末に0.049M
Paの空気圧をかけ、10分間で試料の他端末から漏出
した空気の量(空気漏出量)を測定した。 漏油性 長さ500mmに切断した試料の片端末を油の中に浸漬
し、油面に0.196MPaの圧力をかけ、24時間で
試料の他端末から漏出した油の量(油漏出量)を測定し
た。試験油は、日産マチックフルードDオイルを使用し
た。 端末加工性 本実施例による試料については、気密部が形成された部
分の絶縁体を幅20mmでストリップして撚線導体表面
への充填材及び絶縁被覆材料の付着状態を目視にて確認
した。又、比較例による試料については、長さ方向の任
意の位置の絶縁体を幅20mmでストリップして撚線導
体表面への絶縁被覆材料の付着状態を目視にて確認し
た。
【0028】
【表1】
【0029】その結果、比較例の電線では空気漏れと油
漏れが確認されたのに対して、本実施例による電線では
空気漏れと油漏れは実使用上問題のないレベルであるこ
とが判った。更に、実施例1と実施例2、実施例3と実
施例4との比較より、最外層に配置された導体素線が相
互に密着するように径方向に圧縮したものの方が気密性
及び端末加工性が向上することが判った。又、実施例1
と実施例3、実施例2と実施例4との比較により、充填
材に膨張成分(発泡剤)を含有させたものの方が気密性
及び油漏性が向上することが判った。又、実施例4と実
施例5とを比較すると、気密性、油漏性、導体表面への
樹脂の付着状態のいずれもが同等レベルであったが、実
施例4の方が実施例5よりもストリップ加工がし易かっ
た。従って、気密部の形成は、絶縁体が被覆された状態
で行った方が好ましいことが判った。
【0030】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の気密電線
は、撚線導体の長さ方向の少なくとも一部に、熱可塑性
ポリマーから形成された気密部が設けられているので、
油や水などが毛細管現象によって電線内部に浸入した
り、電線端末部から漏出したりすることを確実に防止で
きる。又、端末加工が容易であるとともに、通常の電線
を製造する場合と同様の方法で簡単に製造することがで
きるため、低コストで提供することができる。従って、
例えば、自動車の酸素センサーのリード線や、自動変速
機のオイルケース内に配置されるリード線など、幅広い
用途で好適に使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図で、気密電線の断面
図である。
【図2】比較例を示す図で、気密部を形成していない電
線の断面図である。
【符号の説明】
1 撚線導体 1a 導体素線 1b 気密部 2 絶縁体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長さ方向の少なくとも一部に気密部が形
    成された撚線導体と、その外周に被覆された絶縁体とか
    らなる気密電線であって、前記撚線導体は、複数本の導
    体素線と、熱可塑性ポリマーからなる充填材を必須構成
    とし、かつ最外層には導体素線が配置されるとともに、
    該撚線導体の気密部においては、前記充填材を加熱する
    ことによって軟化又は溶融した熱可塑性ポリマーが各導
    体素線間に侵入していることを特徴とする気密電線。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の気密電線において、前記
    撚線導体の最外層に配置されている導体素線が相互に密
    着するように径方向に圧縮されていることを特徴とする
    気密電線。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の気密電線に
    おいて、前記充填材は、膨張成分を含有していることを
    特徴とする気密電線。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2又は請求項3記載の
    気密電線において、前記充填材は、前記撚線導体上に絶
    縁体が被覆された状態で、前記充填材を加熱軟化又は加
    熱溶融させることによって形成されていることを特徴と
    する気密電線。
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