JP5071768B2 - 血流速度測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は血流速度測定装置に関し、特に被験者の血管を流れる血流速度を測定する血流速度測定装置に関する。
循環器疾患は、心臓、血管等の循環器が狭窄や動脈硬化等により正常に働かなくなるものである。狭窄や動脈硬化等の原因としては、高脂血症による脂肪の沈着、高血圧による血管壁厚の増加、血管内壁の粥状硬化等があり、いずれも症状がゆっくり進行する。したがって、徐々に血の流れが悪くなってゆくことに気づかないことが多い。したがって、血流速度を的確に計測し、狭窄等の前兆を早期に発見することが望まれている。
血流速度の測定方法としては、例えば、特許文献1には、超音波素子を用いてドップラシフト周波数を求めるために、2つの超音波センサを血管に対し相互に傾いて設け、2つの超音波センサの指向性が異なるので、2つの超音波センサの角度差と、ドップラシフト周波数とから、血流速度を求めることが開示されている。
なお、血流速度を検出するものではないが、本願に関連するものとして、本願発明者は、特許文献2において、発光素子と受光素子とを用いて動脈の脈動波形を検出する方法を開示している。
特開2006−212269号公報 特開2002−320593号公報
従来技術では、特許文献1に述べられている超音波素子を用いる方法のほかにも、レーザドップラ血流計等が提案されている。これらの装置は高価であり、また、安静下で使用することが好ましいとされ、使用条件に制約が多い。特許文献2の方法は、簡便に動脈波形を得ることができるが、血流速度を求めることが困難である。
本発明の目的は、簡便な構成で血流速度を求めることができる血流速度測定装置を提供することである。
本発明に係る血流速度測定装置は、被験者の血管の脈動を検出するために、皮膚上で離隔して設定される複数のセンサ装着部に装着される複数の光探触子であって、それぞれは、皮膚を通して血管に光を照射する発光素子と、皮膚を通して血管からの反射光を受光する受光素子とを有する複数の光探触子と、各光探触子ごとに設けられ、光探触子に増幅器とともに直列に接続され、発光素子への入力波形と受光素子からの出力波形に位相差が生じるときは、周波数を変化させてその位相差をゼロに補償する複数の位相シフト回路と、各位相シフト回路によって位相差がゼロに補償された周波数の時間的変化から、各センサ装着部における脈動波形をそれぞれ出力する複数の脈動波形出力部と、複数のセンサ装着部の中の2箇所のセンサ装着部におけるそれぞれの脈動波形の同じ時間における周波数の差に基づき、対応する脈動波形が重ねられるために必要な時間差を求め、当該2箇所のセンサ装着部の間の距離をその時間差で除して、当該2箇所のセンサ装着部の間における血流速度を算出する血流速度算出部と、を備えることを特徴とする。
また、血流速度算出部は、複数のセンサ装着部の中の2箇所のセンサ装着部におけるそれぞれの脈動波形を規格化し、時間軸を同じとして対応する脈動波形を重ねあわせ、対応する脈動波形の同じ時間における周波数の差を生じさせる2つの脈動波形の間の時間差を求め、当該2箇所のセンサ装着部の間の距離をその時間差で除して、当該2箇所のセンサ装着部の間における血流速度を算出することが好ましい。
また、本発明に係る血流速度測定装置において、血流速度算出部は、3つの圧電素子を直列に接続して一体化した複合振動素子であって、両端部に配置される各端部圧電素子のそれぞれに振動信号を入力し、それぞれに入力した振動信号に周波数の差があるときは、中央部に配置される圧電素子から、その周波数の差に相当する周波数を有する振動信号が出力される複合振動素子を含み、複数のセンサ装着部の中の2箇所のセンサ装着部におけるそれぞれの脈動波形を2つの振動信号として、2つの振動信号の一方を複合振動素子の一方側端部の圧電素子に入力し、他方を複合振動素子の他方側端部の圧電素子に入力し、中央部の圧電素子から出力される振動信号の周波数をもって、2箇所のセンサ装着部におけるそれぞれの脈動波形の同じ時間における周波数の間の差の周波数として、中央部の圧電素子から出力される振動信号の周波数に基づき、当該2箇所のセンサ装着部の間の血流速度を求めることが好ましい
本発明に係る血流速度測定装置によれば、皮膚上で離隔して設けられる2つの光探触子によって、距離的に離れた2点における血管の脈動波形をそれぞれ求める。そして、対応する脈動波形が重ねられるために必要な時間差を求め、この時間差で、2つの光探触子の間の距離を除することで、血流速度を求める。したがって、簡便な構成で、血流速度を測定することができる。
以下に本発明に係る実施の形態につき、図面を用いて詳細に説明する。以下では、光探触子を2つ用いて血流速度を求めるものとして説明するが、測定時に、被験者に3つ以上の光探触子を装着し、その中の任意の組合せの2つを用いてそれぞれ血流速度を求めるものとしてもよい。この場合は同時に複数の血流速度を測定することができる。また、以下では、光探触子として1個のLEDと1個のフォトセンサから構成される場合を説明するが、個数、及び配置は、一例であって、用途に応じ、適宜変更が可能である。
図1は、血流速度測定装置10の構成を示す図である。図1には、血流速度測定装置10の構成要素ではないが、被験者2が示されている。血流速度測定装置10は、2つの光探触子20,21と、それぞれの光探触子20,21を作動させる電子回路である2つの光探触子回路28,29と、それぞれの光探触子回路28,29に接続され、血管の脈動波形を出力する2つの脈動波形出力部30,31と、2つの脈動波形出力部30,31から出力された2つの脈動波形に基づいて血流速度を算出する血流速度算出部50とを含んで構成される。
2つの光探触子20,21は、被験者2の血管の脈動を検出するに適した部位にそれぞれ装着される。図1の例では、光探触子20,21のセンサ装着部A,Bとして、腕の肘部の内側に対応する上腕動脈部と、指先が選ばれている。脈動を検出するに適した他のセンサ装着部としては、手首の撓骨動脈部、心臓の近傍等が挙げられる。
図2は、2つの光探触子20,21が装着される様子を示す図である。光探触子20,21は、代表的に光探触子20が拡大されて示されているように、発光素子であるLED(Light Emission Device)22と、受光素子であるフォトダイオード24がそれぞれ1つずつ並べて配置されたものである。LED22とフォトダイオード24は、例えば適当な回路基板上等に配置され、適当なベース材に支持され、バンド等で、センサ装着部A,Bに固定される。バンドの代わりに適当なテープを用いてもよい。
図2では、皮膚4の下の血管6の脈動を測定するように、皮膚上に光探触子20,21が距離Lだけ離されて配置されている。距離Lは、上記の例では、センサ装着部Aである上腕動脈部と、センサ装着部Bである指先の間の距離である。Lは、皮膚4上で血管6に沿うようにして測った長さであることが好ましい。実際には、皮膚4上の最短距離でLを測定するものとできる。
ここで、血管6の脈動とは、血流の流れの周期的な強弱であるが、光探触子20,21は、その脈動を、血管6の局部的膨らみ8,9の伝播として検出する。つまり、センサ装着部Aにおいて、血管6は周期的に膨張、収縮を繰り返す。膨張のときは、血管6の表面が光探触子20に近づき、収縮のときは、血管6の表面が光探触子20から遠ざかる。したがって、光探触子20から見ると、照射した光が反射される間の生体組織の内容が血管6の脈動によって変化することになる。生体組織の内容の変化は、光探触子20と血管6の表面までの距離の変化、その距離の間の生体組織の密度の変化等である。光探触子20は、この生体組織の内容の変化を検出することで、血管6の脈動を検出する機能を有する。
光探触子21も同様な機能を有する。光探触子20と光探触子21とは距離Lだけ離れているので、図2に示すように、血管6の膨らみ8がセンサ装着部Aにおいて時刻t1で検出されても、センサ装着部Bにおいては、同じ時刻t1で血管6は膨らんでいない。センサ装着部Bにおいては、時刻t1から遅れた時刻t2で血管6の脹らみ9が検出されることになる。このとき、時間差Δt=t2−t1かけて、血管6の膨らみが距離Lだけ移動したことになる。したがって、2つの光探触子20,21を用いて、それぞれのセンサ装着部A,Bにおける血管6の膨らみを検出し、その検出したときの時間差Δtを求めることで、センサ装着部A,Bの間における血流速度vが、v=L/Δtで求められる。これが血流速度測定装置10の血流算出の原理である。
図3は、センサ装着部Aにおける光探触子20、光探触子回路28、脈動波形出力部30の構成を示す図である。センサ装着部Bにおける光探触子21、光探触子回路29、脈動波形出力部31の構成も同様である。ここでは、光探触子20が光探触子回路28に組み込まれている形態で示されている。また、これらの構成要素ではないが、血管6が図示されている。光探触子回路28は、LED22を駆動して発光させる機能と、フォトダイオード24を動作可能の状態にして光が当てられるとフォトダイオードをオンさせる機能とを有する回路である。
図3においては、LED22に接続されるスイッチングトランジスタ27を入力信号によってオンさせると、LED22に電流が流れて、LED22が発光する。LED22に流れる電流は、スイッチングトランジスタ27のオン電流で規定されるので、スイッチングトランジスタ27への入力信号の大きさでLED22の発光量が決まる。
また、フォトダイオード24は、受光量に応じたオン電流が流れる性能を有する素子であるが、オン電流の大きさは抵抗26によって電圧に変換され出力信号となる。したがって、出力信号の大きさは、受光量で定まることになる。
図3において、脈動波形出力部30は、光探触子回路28からの出力信号を受け取る端子32と、光探触子回路28への入力信号を出す端子34と、後述する位相シフト法によって位相差が補償された振動の周波数が出力される端子36と、その振動信号を出力する端子38を有する。脈動波形出力部30の内部は、次のように構成される。
光探触子回路28の出力信号が供給される端子32は、適当なDCカットコンデンサを介して増幅器40に接続される。増幅器40は、光探触子回路28の出力信号を適当に増幅する電子回路で、周知の増幅回路を用いることができる。
増幅器40の出力は、位相シフト回路42に入力され、位相シフト回路42の出力は、端子34を介して光探触子回路28に接続される。したがって、光探触子20が血管6に向かいあっている状態で、光探触子回路28のLED22−(血管6を含む生体組織)−光探触子回路28のフォトダイオード24−増幅器40−位相シフト回路42−光探触子回路28のLED22の閉ループが構成される。この閉ループの中を、光探触子20と血管6との間の生体組織の物性内容に依存して振動する電気信号が流れる。したがって、位相シフト回路42の内容を適当に設定することで、この閉ループにおける振動の電気信号について自励発振を生じさせることができる。なお、この振動と、血管6の脈動の振動とは別のものである。ここでいう振動は、光探触子20と血管6との間の生体組織の物性内容を一種の質量とバネ定数の組合せの振動体と考えて、閉ループの中に生体組織という振動体が存在することで生じる振動である。
位相シフト回路42の機能は、この閉ループにおいて、位相シフト回路42に入力される入力信号と、出力される出力信号との間に位相差が生じるときは、閉ループの共振周波数を変更して、位相差をゼロに補償する機能を有する。そして、位相差をゼロに補償したときの周波数を周波数出力部44に出力する。
出力された周波数は、上記の血管6の脈動に起因する光探触子20と血管6の間の生体組織の内容の変化に応じて変化することになる。つまり、血管6が膨張しているときの光探触子20と血管6の間の生体組織の振動体としての特性と、血管6が収縮しているときの光探触子20と血管6の間の生体組織の振動体としての特性との間には相違がある。したがって、位相シフト回路42に入力される入力信号と、出力される出力信号との間の位相差が、血管6の膨張のときと収縮のときとで相違する。これにより、位相差をゼロに補償したときの周波数は、血管6が膨張したときと収縮したときとで異なる。もちろん、膨張の程度、収縮の程度によって、位相差をゼロに補償したときの周波数はそれぞれ異なる。
このようにして、周波数出力部44から出力される周波数の時間変化は、血管6の膨張と収縮とを反映し、血管6の脈動を示す波形となる。こうして、センサ装着部Aにおける脈動波形が、脈動波形出力部30の端子36から出力されることになる。同様に、センサ装着部Bにおける脈動波形が、脈動波形出力部31から出力されることになる。
図1に再び戻り、2つの脈動波形出力部30,31から出力された2つの脈動波形は、血流速度算出部50に入力される。図4は、血流速度算出部50の構成を示す図である。
血流速度算出部50において、入力された2つの脈動波形のデータは、それぞれメモリ52,53に一旦記憶される。メモリ52,53においては、脈動波形は、各時刻の周波数データとして記憶される。つまり、測定時刻に関連付けて、周波数データが記憶される。
そして、1周期分の脈動波形のデータが揃ったところで、それぞれの脈動波形データがピーク検出部54,55に転送される。ピーク検出部54,55は、1周期分の脈動波形のデータの中で、最も周波数の高いデータをピークデータとして検出し、そのピークデータに対応する測定時間を読み出す。例えば、センサ装着部Aに対応する脈動波形データがメモリ52に記憶され、センサ装着部Bに対応する脈動波形データがメモリ53に記憶されているとすると、ピーク検出部54は、センサ装着部Aに対応する脈動波形データが最大の周波数となる測定時間を読み出す。これを、図2の例に従って、t1とする。同様に、ピーク検出部54は、センサ装着部Aに対応する脈動波形データが最大の周波数となる測定時間を読み出す。これを、図2の例に従って、t2とする。
次に、時間差Δt算出部56は、ピーク検出部54で読み出された測定時間t1と、ピーク検出部54で読み出された測定時間t2とから、時間差Δt=t2−t1を求める機能を有する。算出された時間差Δtは、次の(L/Δt)演算部58に送られ、センサ装着部Aとセンサ装着部Bとの間の距離Lを時間差Δtで除し、血流速度vを算出する。
図5は、血流速度算出部50の機能を説明する図である。ここでは、メモリ52,53に記憶されているデータが「周波数−時間」のデータ60,61として模式的に示されている。そして、ピーク検出部54,55によって読み出される時間t1,t2と、これらから時間差Δtを求める様子が、データ60,61について、時間軸を合わせて、対応する脈動波形を重ねて示す「重ね波形」62として模式的に示されている。「重ね波形」62から分かるように、時間差Δtとは、対応する脈動波形が重ねられるために必要な時間差である。
このように、脈動波形出力部30,31から出力される2つの脈動波形について、対応する脈動波形が重ねられるために必要な時間差Δtを求め、2箇所のセンサ装着部A,Bの間の距離Lをその時間差Δtで除して、2箇所のセンサ装着部A,Bの間における血流速度vを算出することができる。
上記では、時間差Δtを求めるためにピーク検出の方法を用いたが、それ以外の方法で、対応する脈動波形が重ねられるために必要な時間差を求める方法を用いてもよい。例えば、2つの脈動波形をそれぞれ規格化し、ピーク値の所定%となる時間を求めて、その時間差をΔtとする方法でもよい。この場合には、1つの脈動波形について複数の時間が求められることになるので、注意が必要である。また、規格化された脈動波形について、所定の傾き(周波数/時間)となる時間を求めて、その時間差をΔtとすることもできる。
図6は、実際に脈動波形等を測定した結果を示す図である。図6において、横軸は、任意に取った時間を示し、縦軸は位相シフト回路によって位相差をゼロに補償した周波数である。実際の周波数は、上腕動脈部と指先とで、かなり異なるので、脈動波形を比較しやすいように、それぞれ適当な値を減算してある。その意味で、縦軸にはΔfとあるが、これは、周波数の絶対値でなく、周波数の相対値であることを示している。
図6には、腕上げのときと、腕下げのときについて、それぞれ、上腕動脈部であるセンサ装着部Aの脈動波形と、指先であるセンサ装着部Bの脈動波形が示されている。これらの脈動波形のピークは黒丸で示され、ピークの間の時間差がΔtで示されている。このように、光探触子と位相シフト回路という簡単な構成で、脈動波形がかなりきれいなデータとして得ることができ、これらから時間差Δtを求めて、血流速度vを簡単な演算で算出することができる。
図7は、手首の撓骨動脈部にセンサ装着部Cを設定し、指先のセンサ装着部Bとの間の時間差Δtを求める様子を示す図である。この場合は、Δtが小さな値となるが、やはり簡単な方法で血流速度vを求めることができる。
図8、図9は、演算により血流速度を算出する血流速度算出部を用いないで、血流速度を求める方法を説明する図である。ここでは、3つの圧電素子72,74,76を直列に接続して一体化した複合振動素子70を用いる。複合振動素子70は、両端部に配置される各端部圧電素子72,74のそれぞれに振動信号を入力し、それぞれに入力した振動信号に周波数の差があるときは、中央部に配置される圧電素子76から、その周波数の差に相当する周波数を有する振動信号が出力されるものである。一般的に、周波数が異なる2つの振動を混合すると、2つの周波数の差に相当する周波数でうなり振動が生じることが知られている。複合振動素子70は、その原理を一体化した1つの複合振動素子としたものである。
そして、図3で説明した脈動波形出力部30において、位相シフト回路42によって位相差がゼロに補償された周波数の振動信号を、振動信号出力部46によって、端子38から出力する。この振動信号の周波数をf1とする。同様に、脈動波形出力部31からも、位相シフト回路42によって位相差がゼロに補償された周波数の振動信号を出力し、この振動信号の周波数をf2とする。f1とf2とは、それぞれ、同じ時間におけるセンサ装着部Aとセンサ装着部Bにおける閉ループの振動の周波数である。
この周波数f1を有する振動信号を、複合振動素子70の両端部における一方側の圧電素子72に入力し、周波数f2を有する振動信号を、複合振動素子70の両端部における他方側の圧電素子74に入力する。これにより、中央部の圧電素子76は、Δf=f1−f2で振動する。ただし、周波数f1のほうが周波数f2よりも高いとする。
このように、各時刻において、センサ装着部Aにおける周波数f1とセンサ装着部Bにおける周波数f2の間の差に相当する周波数Δf=f1−f2が演算でなく、1つの複合振動素子70によって得ることができる。
図9は、Δfを用いて、時間差Δtを求める様子を示す図である。波形A,Bは、センサ装着部Aにおける振動信号の周波数変化曲線と、センサ装着部Bにおける振動の周波数変化曲線で、これらは図5で説明した脈動波形と同じとなる。いま、ある時刻でセンサ装着部Aにおける振動信号の周波数がf1で、センサ装着部Bにおける振動信号の周波数がf2とする。周波数差Δfは図示したとおりであるが、これを、波形Aについてみると、Δfの周波数差は、時間差Δtによって生じていることが分かる。このことは、どの時間においても成立することが図9から容易に分かる。したがって、脈動波形を規格化したデータを予め得ておけば、複合振動素子70の中央部の圧電素子76が出力する振動の周波数Δf=f1−f2から、時間差Δtを得ることができ、これでもって距離Lを除すことで、血流速度vを求めることができる。
本発明に係る実施の形態における血流速度測定装置の構成を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、2つの光探触子が装着される様子を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、センサ装着部Aにおける光探触子、光探触子回路、脈動波形出力部の構成を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、血流速度算出部の構成を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、血流速度算出部の機能を説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、実際に脈動波形等を測定した結果の例を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、実際に脈動波形等を測定した結果の他の例を示す図である。 別の実施の形態における複合振動素子を示す図である。 別の実施の形態において、複合振動素子を用いて、時間差Δtが得られる様子を示す図である。
符号の説明
2 被験者、4 皮膚、6 血管、8,9 膨らみ、10 血流速度測定装置、20,21 光探触子、22 LED、24 フォトダイオード、26 抵抗、27 スイッチングトランジスタ、28,29 光探触子回路、30,31 脈動波形出力部、32,34,36,38 端子、40 増幅器、42 位相シフト回路、44 周波数出力部、46 振動信号出力部、50 血流速度算出部、52,53 メモリ、54,55 ピーク検出部、56 時間差Δt算出部、58 L/Δt演算部、60,61 データ、62 重ね波形、70 複合振動素子、72,74,76 圧電素子。

Claims (3)

  1. 被験者の血管の脈動を検出するために、皮膚上で離隔して設定される複数のセンサ装着部に装着される複数の光探触子であって、それぞれは、皮膚を通して血管に光を照射する発光素子と、皮膚を通して血管からの反射光を受光する受光素子とを有する複数の光探触子と、
    各光探触子ごとに設けられ、光探触子に増幅器とともに直列に接続され、発光素子への入力波形と受光素子からの出力波形に位相差が生じるときは、周波数を変化させてその位相差をゼロに補償する複数の位相シフト回路と、
    各位相シフト回路によって位相差がゼロに補償された周波数の時間的変化から、各センサ装着部における脈動波形をそれぞれ出力する複数の脈動波形出力部と、
    複数のセンサ装着部の中の2箇所のセンサ装着部におけるそれぞれの脈動波形の同じ時間における周波数の差に基づき、対応する脈動波形が重ねられるために必要な時間差を求め、当該2箇所のセンサ装着部の間の距離をその時間差で除して、当該2箇所のセンサ装着部の間における血流速度を算出する血流速度算出部と、
    を備えることを特徴とする血流速度測定装置。
  2. 請求項1に記載の血流速度測定装置において、
    血流速度算出部は、
    複数のセンサ装着部の中の2箇所のセンサ装着部におけるそれぞれの脈動波形を規格化し、時間軸を同じとして対応する脈動波形を重ねあわせ、対応する脈動波形の同じ時間における周波数の差を生じさせる2つの脈動波形の間の時間差を求め、当該2箇所のセンサ装着部の間の距離をその時間差で除して、当該2箇所のセンサ装着部の間における血流速度を算出することを特徴とする血流速度測定装置。
  3. 請求項1に記載の血流速度測定装置において、
    血流速度算出部は、
    3つの圧電素子を直列に接続して一体化した複合振動素子であって、両端部に配置される各端部圧電素子のそれぞれに振動信号を入力し、それぞれに入力した振動信号に周波数の差があるときは、中央部に配置される圧電素子から、その周波数の差に相当する周波数を有する振動信号が出力される複合振動素子を含み、
    複数のセンサ装着部の中の2箇所のセンサ装着部におけるそれぞれの脈動波形を2つの振動信号として、2つの振動信号の一方を複合振動素子の一方側端部の圧電素子に入力し、他方を複合振動素子の他方側端部の圧電素子に入力し、中央部の圧電素子から出力される振動信号の周波数をもって、2箇所のセンサ装着部におけるそれぞれの脈動波形の同じ時間における周波数の間の差の周波数として、中央部の圧電素子から出力される振動信号の周波数に基づき、当該2箇所のセンサ装着部の間の血流速度を求めることを特徴とする血流速度測定装置。
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