JP3211136B2 - 血圧計測装置 - Google Patents

血圧計測装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、脈波伝播等の伝播特
性を用いて被検者の血圧を計測する血圧計測装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】血圧計測装置の一つに、脈波伝播時間を
測定するものがある。この血圧計測装置は、安静時、及
び運動負荷などによって血圧が安静時より上昇した時点
における脈波伝播時間と基準血圧値を用いて、図10に
示すように被検者の脈波伝播時間と血圧の相関関係Rを
予め求めておき、次に脈波伝播時間を測定し、前記の脈
波伝播時間と血圧の相関関係から、測定された脈波伝播
時間に対応する血圧値を算定し、それを被検者の血圧と
している。
【0003】この従来の血圧計測装置の測定手順は、図
11のフロー図の通りであり、動作スタートは、先ず被
検者の安静時PTT(脈波伝播時間)を測定し(ST5
1)、その安静時データをストアし(ST52)、次に
安静時の基準血圧値を入力する(ST53)。その後、
運動等による血圧変動時のPTTデータを測定し(ST
54)、その血圧変動時PTTデータをストアする(S
T55)。そして、血圧変動時の基準血圧値を入力し
(ST56)、PTTと血圧値の相関関係を算出する
(ST57)。次に被検者の血圧測定に入る。先ず、P
TT測定を行い(ST58)、上記算出した図10の如
き相関関係と測定したPTTから血圧値を算出し(ST
59)、その血圧値を表示する(ST60)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の脈波伝
播時間を用いた血圧計測装置では、運動負荷などによっ
て血圧を変動させる必要があるので、被検者に多大の負
担をかけるし、脈波伝播時間と血圧の相関関係を正確に
求めることが困難であるために算出された血圧値に多く
の誤差を含むという問題があった。
【0005】この発明は、上記問題点に着目してなされ
たものであって、被検者の脈波伝播時間と血圧の相関関
係に関係するパラメータを測定し、そのパラメータを用
いて被検者の正確な脈波伝播時間と血圧の相関関係を得
ることにより、被検者に負担をかけることなく、高精度
に測定し得る血圧計測装置を提供することを目的として
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】この発明の血圧
計測装置は、安静時の脈波の伝播時間を測定する脈波伝
時間測定手段と、安静時の基準血圧値を測定する血圧
測定手段と、安静時の動脈の硬さに関するパラメータを
測定する硬さパラメータ特性測定手段と、前記測定され
安静時の脈波伝播時間と基準血圧値と硬さパラメータ
から脈波伝播特性と血圧の相関関係を得る手段と、
の相関関係を用いて脈波伝播時間から血圧値を算定する
血圧値算定手段と、を備えている。これにより、被験者
の動脈の硬さに関するパラメータを測定し、血圧測定用
の相関関係を得るので、被験者に応じた相関関係が得ら
れる。
【0007】
【実施例】先ず、この発明の実施例で採用した測定原理
について説明する。この実施例では、安静時に脈波伝播
時間、血圧、動脈の硬さに関するパラメータを測定し、
これらのパラメータを用いて脈波伝播時間と血圧の相関
関係を算出する。
【0008】図1に示すように、脈波伝播時間(PT
T)と血圧(BP)の相関関係は一次式 PTT=a・BP+b …(1) で表すことができる。ここでa=ΔPTT/ΔBPであ
る。この相関関係は、被検者によって各々異なる。すな
わち、定数a、bは被検者によって各々異なった値にな
る。
【0009】一方、動脈硬さのパラメータ(Pa)と
(1)式のaは、図2に示す関係がある。従って、予め
ある値をaの初期値と設定しておき、次に安静時に測定
した動脈硬さのパラメータPaを用いて、図2の関係か
らaの初期値を被検者固有のaの値に校正することがで
きる。被検者固有のaの値が決定すると、安静時のPT
Tと血圧値から(1)式を用いて被検者固有のbの値が
決定される。被検者固有のa、bが決まると、被検者固
有の脈波伝播時間と血圧の相関関係が得られたことにな
る(aの値は−0.5〜−2.0msec/mmHg程
度のバラツキを持つ。) 次に、血管硬さパラメータPaをIPG(インピーダン
ス・プレチスモグラフ)を用いて得る方法について説明
する。IPGを用いて図3に示すような血管の内外圧差
−血管の容積の血管特性を得ることができる(特開平5
−305061号参照)。
【0010】また、脈波伝播時間PTTは PTT=L・ルート(ρ/K) …(2) で表すことができる。ここでLは血管長、ρは血液の密
度、Kは容積弾性率(硬さパラメータ)である。Kは、 K=ΔP・V/ΔV …(3) と表すことができる。ここでVは血管の容積、ΔVは血
管の容積変化、ΔPは血管の内圧(血圧)の変化であ
る。
【0011】図3の血管特性は、外圧=0と仮定する
と、血圧変化に対する血管の容積変化を表すものであ
る。従って(3)式を用いて、図3の血管特性から血圧
に対するKの変化を算出することができる。(2)式か
らルート(1/K)はPTTと比例関係にあるので、血
圧に対するルート(1/K)の変化分を動脈硬さのパラ
メータとして用いることができる。例えば、最高血圧の
場合では、その変動範囲を80〜180mmHg程度と
考えられるので、実際には圧力範囲が80〜180mm
Hg程度のルート(1/K)の変化分をパラメータとし
て用いる。
【0012】以下、実施例をさらに詳細に説明する。実
施例血圧計測装置は、子機と親機から構成されている。
図5は子機の構成を示すブロック図、図6は親機の構成
を示すブロック図である。子機20は、心電電極1と、
心電電極2と、これらの心電電極が入力に接続される差
動アンプ3と、フィルタ4と、アンプ5と、A/D変換
回路6と、指尖光電脈波センサ7と、フィルタ8と、ア
ンプ9と、A/D変換回路10と、CPU11と、表示
部12と、親機30と通信を行うためのI/O部13を
備えている。
【0013】親機30は、カフ31と、カフ31の下に
装着するIPG電極32、33と、カフ31の下外に装
着されるIPG電極34、35と、カフ圧を検出する圧
力センサ36と、カフ31を加圧するポンプ37と、急
速排気弁38、微速排気弁39と、A/D変換回路40
と、ドライブ回路41、42と、CPU43と、IPG
測定回路44と、表示部45と、操作部46と、子機2
0と通信するためのI/O部47とを備えている。
【0014】次に、この実施例血圧計測装置の動作を説
明する。図7は、全体動作を説明するためのフロー図で
ある。先ず最初に、親機30と子機20で脈波伝播時間
と血圧の相関関係を得るためのキャリブレーションを行
う(ステップST〔以下STと略す〕1)。このキャリ
ブレーションの詳細については後述する。次に、子機2
0において、心電電極1及び心電電極2で検出されるC
PU11に取り込まれる波形と、指尖光電脈波センサ7
で検出され、CPU11に取り込まれる波形の時間差よ
り、PTTを測定し(ST2)、キャリブレーションに
よって得られている脈波伝播時間/血圧特性に測定した
PTTを適用して被検者の血圧値を算出する(ST
3)。このST3では、すでにキャリブレーションによ
り、式(1)のa、bを得ているので、以後血圧(B
P)を測定するときは、伝播時間PTTを測定するだけ
でよい。すなわち、a、bが既知の式(1)に、測定し
た伝播時間PTTを代入すると、血圧(BP)を算出す
ることができる。続いて、その血圧値を表示部12で表
示し(ST4)、最後に測定終了か否か判定し(ST
5)、終了でなければST2に戻り、子機20によるS
T2、…、ST4の処理を繰り返す。
【0015】次に、ST1のキャリブレーションの詳細
を図8のフロー図により説明する。先ず、子機20では
安静時の脈波伝播時間PTTを測定し(ST11)、親
機30にそのPTTデータを転送する。一方、親機30
では、安静時のカフ31のポンプ37による加圧後の圧
力変化過程、すなわち減圧過程で、刻々変化するカフ圧
をモニタして記憶するとともに、インピーダンス値を測
定して(IPG測定を行って)記憶していき、カフ圧と
インピーダンス値から図3に実線で示す血管の内外圧差
と血管の容積との関係、すなわちV(P)を得る(ST
13)。続いて、動脈硬さパラメータPaを算出する
(ST14)とともに、基準血圧値BPrを測定する
(ST15)。
【0016】次に、 a=(Pa/Pi)x ・ai 、b
=PTTr −a・BPr ただし、Pi、x、ai は所定の定数 を算出して、PTT=a・BP+bの式より、脈伝播時
間(PTT)と血圧値の相関関係を算出する(ST1
6)。そして、このPTTと血圧値の相関関係を子機2
0へ転送し、キャリブレーションを終了する。上記P
i、aiは、それぞれP、aの標準値で、aiに(Pa/
Pi)xを掛けることにより、被検者に適した値(傾
き)aに補正している。ここで、xは、0<x<3を満
たす数値がよいことが実験的にわかっている。
【0017】また、ST16のaiには、最高血圧用の
標準値ai(SYS)と最低血圧用の標準値ai(DI
A)とがあり、それぞれa(SYS)、a(DIA)に
補正され、b(SYS)、b(DIA)が得られて、S
T3では、BP(SYS)、BP(DIA)が得られ
る。式(1)では、これをまとめて表現してある。
【0018】次に、ST14の動脈硬さパラメータPa
算出の処理の詳細を図9に示すフロー図により説明す
る。先ず、ST13で求めたV(P)をPで微分して、
K=ΔV(P)/ΔPを算出する(ST21)。ここ
で、Vは血管容積、Pは圧力であり、使用するデータの
圧力範囲は、BP1 〜BP2 としている(BP1 :18
0mmHg、BP2 :80mmHg程度)。ΔPはIP
G測定時のサンプリングレートに依存する。続いてルー
ト(1/K)(P)[ルート(1/K)はPの関数であ
る]を算出する(ST22)。次にルート(1/K)
(P)を一次式で近似する(ST23)。一次式はルー
ト(1/K)(P)=a’・P+b’と表される。Pa
=a’より、動脈硬さパラメータPaが得られる(ST
24)。
【0019】この発明によれば、安静時の脈波伝播時間
と、安静時の基準血圧値と、安静時の硬さパラメータを
測定し、これらの測定値から脈波伝播特性と血圧の相関
関係を得て、この相関関係を用いて脈波伝播時間から血
圧値を算定するようにしたので運動負荷などによっ
て血圧を変動させる必要がなく、被験者に負担をかけず
に非常に簡便な血圧計測を行うことができる。
【0020】前記相関関係に関係するパラメータを用
いて、各被検者の正確な前記相関関係を得ることから、
その後、脈波伝播時間を計測するだけで、非常に正確な
血圧計測を行うことができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例で採用した測定原理を説明す
るための脈波伝播時間−血圧特性を示す図である。
【図2】この発明における動脈硬さパラメータを説明す
るための特性図である。
【図3】この発明の実施例で採用した測定原理を説明す
るための血管容積−血管の内外圧差特性を示す図であ
る。
【図4】この発明の実施例血圧計測装置のセンサ及び電
極装着位置を説明する図である。
【図5】実施例血圧計測装置の子機の構成を示すブロッ
ク図である。
【図6】実施例血圧計測装置の親機の構成を示すブロッ
ク図である。
【図7】実施例血圧計測装置の全体動作を説明するため
のフロー図である。
【図8】同全体動作中のキャリブレーション処理ルーチ
ンの詳細を説明するためのフロー図である。
【図9】同キャリブレーション処理ルーチン中の動脈硬
さパラメータ測定の詳細を示すフロー図である。
【図10】従来の血圧計測装置を説明するための脈波伝
播速度−血圧特性を示す図である。
【図11】脈波伝播速度を用いて血圧を測定する従来の
血圧計測装置を説明するための脈波伝播速度−血圧特性
を示す図である。
【符号の説明】
20 子機 30 親機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳 晋作 京都市右京区山ノ内山ノ下町24番地 株 式会社オムロンライフサイエンス研究所 内 (56)参考文献 特開 昭50−33676(JP,A) 特開 平4−250132(JP,A) 特開 昭58−136330(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/02 - 5/0295

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】安静時の脈波伝播時間を測定する脈波伝播
    時間測定手段と、 安静時の基準血圧値を測定する血圧測定手段と、 安静時の動脈の硬さに関するパラメータを算出する硬さ
    パラメータ特性測定手段と、 前記測定された安静時の脈波伝播時間と基準血圧値と硬
    さパラメータとから脈波伝播時間と血圧の相関関係を得
    る手段と、 この相関関係を用いて、脈波伝播時間から血圧値を算定
    する血圧値算定手段と を備える血圧計測装置。
  2. 【請求項2】前記硬さパラメータ特性特徴手段は、カフ
    圧とインピーダンス値から血管の内外圧差と血管の容積
    との関係(管法則)を得る手段と、前記血管の内外圧差
    と血管の容積との関係(管法則)の一部又は全体から、
    安静時の動脈の硬さに関するパラメータを算出する手段
    を有することを特徴とする請求項1記載の血圧計測装
    置。
  3. 【請求項3】前記血管の内外圧差と血管の容積との関係
    (管法則)のうち、被験者の最低血圧から最高血圧の圧
    範囲に対応するデータを用いて、安静時の動脈の硬さに
    関するパラメータを算出することを特徴とする請求項2
    記載の血圧計測装置。
  4. 【請求項4】前記血管の内外圧差と血管の容積との関係
    (管法則)のうち、内外圧差が0の点のデータを用い
    て、安静時の動脈の硬さに関するパラメータを算出する
    ことを特徴とする請求項記載の血圧計測装置。
  5. 【請求項5】血圧計測装置において、親機と子機とから
    構成され、 前記親機は、安静時の基準血圧値を測定する血圧測定手
    段と、 安静時の動脈の硬さに関するパラメータを算出する硬さ
    パラメータ特性測定手段と、 前記子機によって測定された安静時の脈波伝播時間と前
    記親機で測定された基準血圧値と硬さパラメータとから
    脈波伝播時間と血圧の相関関係を得る手段と、 この脈波伝播時間と血圧の相関関係を子機に転送し、及
    び前記子機によって測定された安静時の脈波伝播時間を
    受信する通信手段とを備えており、 前記子機は、安静時の脈波伝播時間を測定する脈波伝播
    時間測定手段と、 脈波伝播時間を測定し、親機からの脈波伝播時間と血圧
    の相関関係より血圧値を算出する手段と、 前記算出した血圧値を表示する表示手段と、 前記親機からの脈波伝播時間と血圧の相関関係を受信
    し、及び前記子機によって測定された安静時の脈波伝播
    時間を転送する通信手段とを備えてなる 血圧計測装置。
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