JP6541214B2 - 生体情報測定装置 - Google Patents

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  • Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)

Description

本発明は、体情報測定装置に関する。
近年、益々の高齢化社会を迎え、動脈硬化性疾患の早期診断、早期治療への対策が急務とされている。動脈硬化を非観血的に定量診断する手法の1つとして大動脈について2点間の脈波伝播速度(PWV : Pulse Wave Velocity)を測定する大動脈脈波伝播速度検査法が知られている。
大動脈脈波伝播速度検査法は、脈波伝播速度は硬い物質中で速く、軟かい物質中では遅いといった性質を利用する。大動脈脈波伝播速度検査法では、先ず、脈波が心臓から見て同一方向の大動脈の2点間を伝搬するのに要する時間を測定し、次いで測定した時間と2点間の距離(動脈長)とから脈波伝播速度を算出する。そして、健康な動脈壁は柔かく弾力性に富み、動脈硬化の血管壁は硬くもろいといった事実から、測定した脈波伝播速度が速いほど動脈硬化が進んでいると診断する。
PWVの種類としては、cfPWV(carotid-femoral PWV:頸動脈−股動脈間PWV)(例えば、非特許文献1参照)やbaPWV(brachial-ankle PWV:上腕−足首間PWV)(例えば、非特許文献2参照)、hcPWV(heart-carotid PWV:心臓−頸動脈間PWV)等がある。
さらに、PWVを用いた動脈硬化度の指標として、CAVI(Cardio-Ankle Vascular Index)(例えば、非特許文献3参照)がある。CAVIは、上腕と足首(または膝窩)とにカフを装着して血圧及び脈波を計測すると共に、胸骨に心音マイクを装着して心音を計測する。
増田善昭、金井寛著、「動脈脈波の基礎と臨床」、共立出版、15〜19ページ、2000年 小澤利男、増田善昭著、「脈波速度」、メジカルビュー社、28〜29ページ Kohji Shirai, Junji Utino, Kuniaki Ohtsuka, Masanobu Takada, "A Novel Blood Pressure-independent Arterial Wall Stiffness Parameter; Cardio-Ankle Vascular Index (CAVI)", Journal of Atherosclerosis and Thrombosis, Vol.13, No.2
ところで、従来のcfPWVにおいては、PWVを測定するための起点を頸動脈とし終点を大腿動脈の鼠径部にしており、baPWVにおいては起点を上腕とし終点を足首にしている。PWVの測定は、理想的には、血液の流れから見て(換言すれば脈の伝播方向において)起点を上流側に終点を下流側に配置することが好ましい。しかしながら、cfPWV及びbaPWVともに、起点及び終点が、心臓から駆出された血液が異なる方向に分岐する動脈上に設定されおり、好ましいとは言えない。起点及び終点をこのような位置に設定せざるを得ないのは、動脈脈波をとれる位置が実際上動脈が体表に近い位置に限られるからである。
また、hcPWVにおいては、心音及び動脈のノッチ部という、計測しにくい要素を用いており、精度の低下するおそれがある。
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、PWV測定にとって好ましい脈波を測定できる脈波測定装置、及び、その脈波を用いてPWV等の生体情報を高精度で求めることができる生体情報測定装置を提供する。
本発明の生体情報測定装置の一つの態様は、
被検者の胴体部を挟む位置に配置された励磁コイルと、前記胴体部を挟む位置に配置された電極と、前記励磁コイルに励磁電流を供給するコイル励磁増幅回路と、前記電極に発生する誘起電圧に基づいて大動脈の脈波を検出する脈波計測部と、を有する大動脈脈波検出部と、
前記大動脈脈波検出部とは異なる検出方式で末梢動脈脈波を検出する末梢動脈脈波検出部と、
前記大動脈脈波検出部及び前記末梢動脈脈波検出部の検出結果に基づいて、脈波伝播時間を算出する演算部と、
を具備する。
本発明によれば、心臓から動脈に血液が吐出されて動脈内の血流量が増加すると、磁束発生部から発生される磁界と被検者の血流とによって生じる誘起電圧も増加する。脈波検出部はこの誘起電圧の増加に基づいて、動脈脈波を検出できる。よって、体表から深い部位にある動脈の脈波も検出できるようになる。
本発明によれば、心臓から大動脈に血液が吐出されて大動脈内の血流量が増加すると、第1及び第2の励磁コイルから発生される磁界によって大動脈に誘起される電圧も増加する。すると、第1及び第2の電極間に発生する誘起電圧も増加する。脈波計測部はこの誘起電圧の増加に基づいて、大動脈脈波を検出できる。よって、体表から深い部位にある大動脈の脈波も検出できるようになる。
この結果、例えば、大動脈弁が開いて血液が実際に心臓から駆出されたタイミングを、非侵襲的に精度良く検出できる。よって、この心臓からの血液駆出タイミングを用いて脈波伝播速度を得ることにより、精度の良い脈波伝播速度を得ることができる。
励磁コイルの配置位置を、人体の側面から見て示した略線図 励磁コイルの配置位置を、人体の前面から見て示した略線図 電極の配置位置を、人体の側面から見て示した略線図 電極の配置位置を、人体の前面から見て示した略線図 励磁コイル、電極、大動脈の関係を模式的に表した図 実施の形態に係る生体情報測定装置の全体構成を示すブロック図 大動脈脈波と圧脈波とを用いた脈波伝播速度の算出手順を示すフローチャート 大動脈脈波と圧脈波とから脈波の伝播時間を求めるための説明に供する図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<原理>
先ず、実施の形態の具体的な構成を説明する前に、本発明の原理について説明する。
本発明は、電磁血流計や電磁流量計の原理を脈波測定装置に応用することで、非侵襲的に精度良く脈波を測定できるようにしたものである。
本実施の形態では、大動脈に対して直交する方向に磁界をかける。すると、ファラデーの法則により大動脈に対して直交する方向で大動脈内の血流量に応じた誘起電圧が生じる。つまり、大動脈に血流が流れた瞬間に起電圧が生じるので、本実施の形態では、これを電極によって検出する。この結果、大動脈弁の開放時点を検出することができる。
さらに詳しく説明する。心臓が収縮するとき、大動脈弁が開き、大動脈には駆出された血液が急に流れ始める。したがって、大動脈に直交する方向に磁界を印加すると、大動脈に血液が流れ始めたタイミングで誘起電圧が発生する。この結果、大動脈に直行する方向の電極で誘起電圧が検出される。よって、大動脈の血流に対して直交する方向に少なくとも2つの電極を設け、その電極間に発生する誘起電圧を測定すれば、大動脈脈波を測定することができるようになる。
図1−図4は、本実施の形態の基本構成を示す図である。図1及び図3は人体の側面方向から見た図であり、図2及び図4は人体の前面方向から見た図である。
図1及び図2に示すように、本実施の形態では、人体(被検者)の前面に第1の励磁コイル11を配置すると共に背面に第2の励磁コイル12を配置し、この励磁コイル11、12を用いて、大動脈の長手方向に対してほぼ直交する方向の磁界を発生させる。励磁コイル11、12は、大動脈に磁界をフォーカスできる位置に配置されている。つまり、励磁コイル11、12は、大動脈の位置の磁束密度が大きくなるように配置されている。励磁コイル11、12は、ヘルムホルツコイルとなるように構成することが好ましい。このようにすれば、励磁コイル11、12を貫く中心軸が大動脈を貫通するように(つまり大動脈を貫通するような磁束が発生するように)励磁コイル11、12を配置することで、大動脈上に一様な磁場を形成できる。
加えて、図3及び図4に示すように、胴体の両脇に第1及び第2の電極21、22を配置し、この電極21、22を用いて、大動脈に流れる電流によって電極21、22間に発生する誘起電圧を検出する。ここで、第1及び第2の励磁コイル11、12は、発生する胴体を貫通する磁力線が大動脈の長手方向に直交するように配置される。また、第1及び第2の電極21、22は、第1及び第2の電極21、22を結ぶ線が前記大動脈の長手方向及び前記磁力線との両方と直交するよう配置される。つまり、大動脈の長手方向と、磁力線の胴体を貫通する方向と、2つの電極を結ぶ方向と、の3つの方向が直交関係となるようになされている。このようにすることで、大動脈に流れる血流に応じた誘起電圧を効率良く得ることができるようになる。
なお、励磁コイル11、12によって磁界をフォーカスする位置は、大動脈のうち、上行大動脈と下行大動脈が重なる位置よりも若干下方の下行大動脈の位置であることが好ましい。何故なら、上行大動脈と下行大動脈が重なる位置においては、上行大動脈では上方向に血液が流れ下行大動脈では下方向に血液が流れるので、励磁コイル11、12による磁界によって上行大動脈と下行大動脈とでは逆方向の誘起電圧が生じ、その結果、電極21、22間に発生する誘起電圧が相殺される可能性があるからである。ただし、上行大動脈と下行大動脈が重なる位置においても、励磁コイル11、12によって発生する磁界を上行大動脈、或いは、下行大動脈のいずれか1つにフォーカスできれば、上述した誘起電圧の相殺はなくなる。
図5は、励磁コイル11、12、電極21、22、大動脈の関係を模式的に表した図である。励磁コイル11、12によって発生した磁界Bが大動脈内の導電流体である血液を貫くと、その血液の流れによって誘起電圧が生じる。そして、電極21、22間にはその誘起電圧に応じた電圧eが生じる。よって、誘起電圧eに基づいて、大動脈に血液が流れ始めたタイミングを検出できる。
なお、励磁コイル11、12及び電極21、22によって大動脈に血液が流れ始めたタイミングを検出した位置から大動脈起始部までの長さは被検者の身長などから容易に推定できるので、それから大動脈弁の開放時点(血液の駆出タイミング)を容易に補正できる。
本発明では、このように励磁コイル11、12と電極21、22とを用いて、大動脈に血液が流れ始めたタイミングを得、それから大動脈弁の開放時点(血液の駆出タイミング)を検出する。この大動脈弁開放時点から、もう一つの脈波検出部位までの脈波到達時間を計測することで脈波伝播時間を計測でき、その脈波伝播時間を用いてPWVを求めることができる。
<実施の形態>
図6は、本発明の脈波測定装置が搭載された生体情報測定装置の全体構成を示す概略図である。
生体情報測定装置100は、第1カフ110と第2カフ120とを有する。第1カフ110及び第2カフ120のそれぞれには第1電極111及び第2電極121が設けられている。第1カフ110は被検者の上肢に装着され、第2カフ120は被検者の下肢に装着される。本実施の形態では、第1カフ110は左上腕に装着され、第2カフ120は右足首に装着される。
さらに、生体情報測定装置100は、血圧脈波計測部130、コイル励磁増幅回路部140、誘起電圧・脈波計測部150、心電図計測部160、制御・演算部170、記憶部181、入力部182、表示部183、音声部184及び印字部185を有する。
制御・演算部170は、CPU(Central Processing Unit)及びメモリ等を有し、メモリに記憶された生体情報測定プログラムをCPUで実行することにより、装置内各部の動作を制御するほか、各種の生体情報を得るために必要な演算を行う。
記憶部181は、ハードディスク等の記憶装置であり、制御・演算部170の制御に従って測定結果等を記憶する。入力部182は、キーボード、マウス或いはボタン等の入力装置から構成されており、ユーザの操作に応じた操作信号を制御・演算部170に出力する。制御・演算部170は操作信号に応じた制御及び演算を行う。表示部183は、液晶ディスプレイ等のディスプレイ装置であり、制御・演算部170の制御に従って設定画面、操作ガイダンス或いは生体情報検査結果レポート等を表示する。なお、表示部183をタッチパネルにより構成して、表示機能に加えて入力機能も備えたものとしてもよい。音声部184は、スピーカ装置であり、制御・演算部170の制御に従って操作ガイダンス或いはアラーム音等を出力する。印字部185は、サーマルプリンタ等のプリンタ装置であり、制御・演算部170の制御に従って生体情報検査結果レポート等を印字する。
血圧脈波計測部130は、被検者の末梢動脈の脈波及び血圧を測定する。血圧脈波計測部130は、各カフ110、120に対する給排気を行うポンプ及び排気弁、各カフ110、120の圧力を検出する圧力センサ、及び、圧力センサによる検出信号に対して増幅等の所定の信号処理を施す信号処理回路等から構成されている。血圧脈波計測部130は、ホースを介してカフ110、120の空気袋に空気を導入することでカフ110、120の内圧(以下、カフの内圧を「カフ圧」という)を加圧すると共に、空気袋から空気を排出することでカフ110、120のカフ圧を減圧する。加圧後のカフ圧の目標値は、脈波計測の場合と血圧計測の場合とで異なり、それぞれ個別に設定可能である。
本実施の形態の場合には、末梢動脈脈波の計測と大動脈脈波の計測とが同時に行われる。
末梢動脈脈波の計測は、第1カフ110及び第2カフ120の両方、或いは、第1カフ110又は第2カフ120のいずれかを用いて行うことができる。本実施の形態の場合には、第1カフ110つまり上腕カフを用いて血圧を測定し、第2カフ120を用いて末梢動脈脈波を測定するようになっている。
末梢動脈脈波を計測する場合、血圧脈波計測部130は、先ず、カフ120のカフ圧が所定値になるまで加圧する。血圧脈波計測部130は、加圧後のカフ120のカフ圧の変動を末梢動脈脈波信号として圧力センサで検出し、検出した末梢動脈脈波信号を制御・演算部170に出力する。
一方、血圧計測の場合、血圧脈波計測部130は、血液のとまるであろう所定値までカフ110を加圧した後に、減圧中にカフ110のカフ圧の振動を圧力センサにより検出しながら、振幅の増大が始まる時点のカフ圧を収縮期血圧として検出すると共に、振動の減少が最も顕著なカフ圧を拡張期血圧として検出する。そして、血圧脈波計測部130は、検出した収縮期血圧及び拡張期血圧をそれぞれ示す血圧信号を制御・演算部170に出力する。
心電図計測部160は、各カフ110、120の体表面に接する面に設けられた電極111、121に接続されている。心電図計測部160は、電極111、121により検出された検出信号に対して増幅等の所定の信号処理を施す信号処理回路を有する。心電図計測部160は、信号処理後の検出信号を心電図信号として制御・演算部170に出力する。
コイル励磁増幅回路部140は、励磁コイル11、12に電流を供給する。本実施の形態の場合には、コイル励磁増幅回路部140が供給する高周波電流の周波数は、数kHzから100kHz程度のオーダーである。本実施の形態では、励磁コイル11、12に、50kHz前後の高周波電流を供給する。励磁コイル11、12に供給する電流及び周波数は、励磁コイルの性能や配置位置などに応じて適宜変更すればよい。
ここで、励磁コイル11、12に供給する高周波電流の周波数は数kHzから100kHz程度のオーダーであり、一方、心電図の成分は高くとも100Hz程度であり、周波数帯域が大きく離れている。よって、心電図の計測と高周波電流の供給を同時に行っても、心電図の計測に悪影響は及ばない。
誘起電圧・脈波計測部150は、電極21、22間に発生した誘起電圧に基づいて大動脈脈波信号を得る。具体的に説明すると、電極21、22は、被検者の体表近くに設けられており、大動脈に血液が流れたときに、ファラデーの法則によって誘起電圧が生じる。誘起電圧・脈波計測部150は、この誘起電圧に基づいて大動脈脈波信号を得る。
上述したように大動脈を通る経路に励磁コイル11、12で磁界を与えた時に生じる誘起電圧は、大動脈の血流量によって変化し、血流量が多いほど大きくなる。よって、大動脈弁開放直後には、大動脈拍動流が生じて血流量が多くなり、誘起電圧は大きくなる。誘起電圧・脈波計測部150により得られる大動脈脈波は、このような大動脈弁からの拍動流によって変動する脈波である。この大動脈脈波を観察することで、大動脈弁から血液が駆出されたタイミングを検出できる。この大動脈脈波を用いて心臓からの血液の駆出タイミングを検出すれば、血流を直接検出しているので心臓からの血液の駆出タイミングを高精度で検出できる。これに対して、圧電センサ等を用いて心臓の動きを検出することで心臓からの血液の駆出タイミングを検出する方法では、心臓疾患の有無や血圧等に応じて心臓が動き始めてから血液が駆出されるまでの時間間隔が異なるため、心臓の動きから血液の駆出タイミングを正確に推測することは困難である。
次に、図7及び図8を用いて、大動脈脈波と末梢動脈脈波とを用いたPWVの算出の方法について説明する。
PWVを算出するにあたって、制御・演算部170は、図7に示す処理手順を実行する。制御・演算部170は、ステップS0でPWV算出処理を開始すると、ステップS1において血圧脈波計測部130が加圧するカフ110、120のカフ圧を設定する。続く、ステップS2において誘起電圧・脈波計測部150で計測された大動脈脈波を読み込み、ステップS3において血圧脈波計測部130で計測された末梢動脈脈波を読み込む。
ステップS2及びS3で読み込まれる大動脈脈波及び末梢動脈脈波の様子を、図8に示す。図8では、大動脈脈波と末梢動脈脈波の時間軸を同一時間軸に合わせて示してある。
ステップS4において、制御・演算部170は、大動脈脈波が大きくなる変化点(つまり立ち上がり点)、及び、末梢動脈脈波の圧力が大きくなる変化点(つまり立ち上がり点)を検出する。この変化点を検出するにあたっては、例えば微分法等を用いることができる。図8の例では、大動脈脈波は時点t1の点が上述の変化点となっており、末梢動脈脈波は時刻t2の点が上述の変化点となっている。
制御・演算部170は、ステップS5において、t2−t1を計算することで、心臓から第2カフ120の装着部位までの脈波の伝播時間Tを算出する。次に、制御・演算部170は、ステップS6において、予め設定された心臓から第2カフ120の装着部位までの距離Lを用いて、T/Lを計算することで、PWVを算出する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、励磁コイル11、12と、電極21、22とを設け、励磁コイル11、12によって大動脈を通る磁界を発生させ、そのときに大動脈から駆出される血液により誘起される誘起電圧を電極21、22を用いて検出することで大動脈脈波を検出する。これにより、大動脈脈波を非侵襲的にかつ精度良く検出できる。よって、大動脈弁が開いて血液が実際に心臓から駆出されたタイミングも精度良く検出できるようになる。よって、この駆出タイミングを用いてPWVを計測することにより、精度の良いPWVを検出できる。
また、本実施の形態の生体情報測定装置100は、心電図計測部160を有するので、誘起電圧・脈波計測部150によって計測される大動脈脈波のレベルが小さい場合には、心電図をリファレンスにして、大動脈脈波中の変化点を検出すべき時点の絞り込み(つまりターゲット範囲の設定)を行うことができるようになる。具体的には、大動脈脈波は、心電図のR波に対して数10msecだけ後に現れることが分かっているので、その周辺で大動脈脈波を検出すればよい。
なお、上述の実施の形態では、励磁コイル11、12を人体の前面と背面に設け、電極21、22を人体の側面に設けた場合について述べたが、本発明はこれに限らない。要は、励磁コイル11、12は、大動脈の所望位置を通る磁束を発生させる位置に配置されていればよく、電極21、22は大動脈に血液が流れたときに誘起電圧が得られる位置に配置されていればよい。ただし、上述したように測定効率の点で、大動脈の長手方向と、磁力線の胴体を貫通する方向と、2つの電極を結ぶ方向と、の3つの方向が直交関係となるように、励磁コイル11、12及び電極21、22を配置することが好ましい。磁束と大動脈との関係を見れば、大動脈を貫通するような磁束を発生させる。
また、上述の実施の形態では、末梢動脈の脈波を測定する末梢動脈脈波測定部としてカフ110、120を用いた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、末梢動脈脈波の測定はカフ以外のものを用いて行ってもよい。末梢動脈脈波は、例えばトノメトリ方式、光電脈波方式、歪みセンサ方式、超音波方式等によって測定することもできる。
さらに、第1及び第2の励磁コイル11、12によって磁束を発生させた場合について述べたが、これに限らず、例えば励磁コイルと磁石とを用いて磁束を発生させてもよく、要は、大動脈の長手方向に直交する磁束を発生させればよい。同様に、上述の実施の形態では、2つの電極21、22を用いて誘起電圧を検出した場合について述べたが、誘起電圧を検出できるものであれば電極21、22に限らない。このように、本発明の一つの態様は、被検者に向けて磁束を発生する磁束発生部と、前記磁束発生部から発生させた前記磁束と前記被検者の血流とによって生じる誘起電圧を検出しこの誘起電圧に基づいて脈波を検出する脈波検出部と、を含む。
さらに、上述の実施の形態の原理を用いれば、大動脈に限らず末梢動脈脈波も測定することができる。つまり、末梢動脈に向けて磁束を発生する磁束発生部と、磁束発生部から発生させた磁束と末梢動脈の血流とによって生じる誘起電圧を検出しこの誘起電圧に基づいて末梢脈波を検出する脈波検出部と、を有する構成としてもよい。このようにすれば、大動脈脈波と同様に末梢動脈脈波も検出できる。よって、異なる2点の動脈脈波を本発明2組による構成によって測定して、その2点間のPWVを求めることもできる。
上述の実施の形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することのない範囲で、様々な形で実施することができる。
本発明は、脈波伝播速度等の生体情報を測定する生体情報測定装置に適用し得る。
11、12 励磁コイル
21、22、111、121 電極
100 生体情報測定装置
110、120 カフ
130 血圧脈波計測部
140 コイル励磁増幅回路部
150 誘起電圧・脈波計測部
160 心電図計測部
170 制御・演算部

Claims (5)

  1. 被検者の胴体部を挟む位置に配置された励磁コイルと、前記胴体部を挟む位置に配置された電極と、前記励磁コイルに励磁電流を供給するコイル励磁増幅回路と、前記電極に発生する誘起電圧に基づいて大動脈の脈波を検出する脈波計測部と、を有する大動脈脈波検出部と、
    前記大動脈脈波検出部とは異なる検出方式で末梢動脈脈波を検出する末梢動脈脈波検出部と、
    前記大動脈脈波検出部及び前記末梢動脈脈波検出部の検出結果に基づいて、脈波伝播時間を算出する演算部と、
    を具備する生体情報測定装置。
  2. 前記励磁コイルは、
    前記大動脈に磁界がフォーカスされるように設けられている、
    請求項1に記載の生体情報測定装置。
  3. 前記励磁コイルは、ヘルムホルツコイルであり、その中心軸が前記大動脈を通るように配置されている、
    請求項1又は請求項2に記載の生体情報測定装置。
  4. 前記電極は、前記励磁コイルが発生する磁界に対してほぼ直交する向きに配置されていると共に、前記大動脈の長手方向に対してほぼ直交する向きに配置されている、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の生体情報測定装置。
  5. 前記末梢動脈脈波検出部は、カフ方式、トノメトリ方式、光電脈波方式、歪みセンサ方式、又は、超音波方式によって末梢動脈脈波を検出する、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の生体情報測定装置。
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