JP5070560B2 - 通気性包装材料及び包装体 - Google Patents

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本発明は、通気性包装材料及びそれを用いた包装体に関し、特にシリカ系、クレイ系または塩化カルシウム製の乾燥剤の包装に好適に用いられる通気性包装材料に関する。
加工食品の腐敗、変質、劣化などを防止するために、脱酸素剤や乾燥剤などが多く用いられている。この種の脱酸素剤や乾燥剤は、通気性を有する小袋に包装されて、食品とともに収納されて用いられる。また、食品以外に、酸化や吸湿などによって品質が変化する内容物の包装においても同様のことが行われている。脱酸素剤や乾燥剤を包装するのに用いられる包装材料としては、従来、紙などの通気性を有する基材を表層に用いたものが用いられてきた。しかし、このような表層では毛羽立ちや紙粉の発生が避けられないため、近年ではナイロンやポリプロピレンなどを表層に用いた有孔フィルムが用いられている(例えば、特許文献1,2参照)。特許文献1,2には、機械的強度と包装材料全体としての通気性の確保のために、基材の裏面に不織布からなる強化材層を積層し、さらに強化材層の下に透過性フィルムを積層した3層構成の通気性包装材料が開示されている。
特開2004−216701号公報 特開2003−340950号公報
乾燥剤を封入した包装体を作成する場合、乾燥剤としては従来から生石灰、シリカ、クレイ、塩化カルシウムなどが用いられている。このうち生石灰は低湿度での吸水性に優れているが、強アルカリのため人体への影響が避けられず、このような問題のないシリカ系、クレイ系または塩化カルシウム製の乾燥剤が近年では広く用いられている。これらの乾燥剤の能力を発揮させるためには包装体の透湿度を十分に確保する必要がある。しかし、特許文献1,2に開示された通気性包装材料は十分な透湿度を有していない。
本発明の目的は、機械的強度と包装材料全体としての十分な透湿度を有し、かつ毛羽立ちなどの発生を抑えることのできる通気性包装材料、及びこれを用いた包装体を提供することを目的とする。
本発明の一実施態様に係る通気性包装材料は、ナイロン製の有孔フィルムと、網状構造の強化材層と、多孔性透湿性フィルムとがこの順で積層されている。強化材層は、強化材層に面し、互いに同一の方向に配列した複数の第1の繊維からなる第1の繊維層と、有孔フィルムに面し、第1の繊維とは異なる方向にかつ互いに同一の方向に配列した複数の第2の繊維からなる第2の繊維層と、が積層して構成されている。第2の繊維の側方には第2の繊維に沿って空隙が形成されており、第2の繊維は第1の繊維よりも厚く形成されている。
第2の繊維の側方に第2の繊維に沿って空隙が形成されていることで、有孔フィルムから侵入する水蒸気の流路を確保することが可能となる。すなわち、水蒸気は有孔フィルムから侵入すると、引き続き有孔フィルムに面する第2の繊維層に流入するが、第2の繊維層を構成する各第2の繊維の側方には空隙による大きな空間が形成されているため、水蒸気の流路を確保しやすくなる。この結果、所望の透湿度を確保することが容易となる。
図1は、本発明の一実施形態による通気性包装材料の模式図であり、同図(a)が断面図、同図(b)が上面図である。図1(a)に示すように、本実施形態の通気性包装材料1は、ナイロン製の有孔フィルム2と、網状構造の強化材層3と、多孔性透湿性フィルム4とがこの順で積層されている。有孔フィルム2の強化材層3と面する裏面2aには印刷(図示せず)が施されている。有孔フィルム2と、強化材層3と、透湿性フィルム4との接合は、熱圧着法によって一気に行うことができる。この通気性包装材料1を袋状に成形し、内部に脱酸素剤、乾燥剤、発熱剤、吸湿剤、脱臭剤、防虫剤、除湿剤、芳香剤などの機能性物品を収納することで包装体を形成することができる。図2には、包装体の断面図を示す。通気性包装材料1から包装体6を作る際には、透湿性フィルム4がヒートシール層として利用される。具体的には、透湿性フィルム4の両端が対向接触するように透湿性フィルム4を内側にして通気性包装材料1を袋状に折り曲げ、機能性物品5を包み、周縁部を熱プレス法によりヒートシールする。以下に、通気性包装材料1を構成する各層について詳細に説明する。
(1)有孔フィルム
有孔フィルム2には、無延伸ナイロンフィルムが用いられる。無延伸ナイロンフィルムは、一例では15μm程度の厚みで、図1(b)に示すように、一定間隔で細孔7が形成されている。有孔フィルム2の具体的な例としては、(株)帝人製の「ボニール」(商品名)、東洋紡績(株)製の「ハーデン」(商品名)、ユニチカ(株)製の「エンブレム」(商品名)などが挙げられる。
有孔フィルム2は上述したように、包装体6の最表層を構成する。従って、従来のように紙を最表層に用いた場合と異なり、毛羽立ちや紙粉が発生することはなく、包装体を食品とともに収納しても衛生的である。
有孔フィルム2の裏面2a(強化材層3と面する面)には印刷を施すことができる。有孔フィルム2は紙と比べて表面平滑性に優れているため、鮮明な印刷が可能である。また、有孔フィルム2は透明な無延伸ナイロンフィルムからなるため、表面側からでも印刷情報を鮮明に見ることができる。印刷は有孔フィルム2の裏面2aに行われるため、印刷部は包装体の表面に露出せず、包装体を食品とともに収納しても、印刷用のインキが食品と接触することはない。従って、印刷には、印刷インキ工業連合会の制定する「食品包装材料印刷インキに関する自主規制」NL規制に適合する、包装材料への印刷に一般に使用されているインキを使用することができる。その結果、従来のように特殊なインキを使用する必要がなくなるので、有孔フィルム2との密着性に優れたインキを使用して任意の色調で印刷を行うことができる。また、安価なインキを使用できるので、通気性包装材料1を安価に製造することができる。
(2)強化材層
図3に、強化材層の部分斜視図を示す。同図(a)は斜視図、同図(b)は有孔フィルムの方から見た上面図である。強化材層3は、互いに同一の方向xに配列した複数の第1の繊維11からなる第1の繊維層3aと、第1の繊維11と略直交する方向yに互いに同一の方向yに配列した複数の第2の繊維12からなる第2の繊維層3bと、が積層して構成されている。第1の繊維層3aは透湿性フィルム4に面し、第2の繊維層3bは有孔フィルム2に面している。第1の繊維層3aの第1の繊維11と第2の繊維層3bの第2の繊維12との交点Pにおける強化材層3の厚さhは120μm以上である。強化材層の厚さhについては図5も参照されたい。第2の繊維層3bは第1の繊維層3aと直交している必要はないが、少なくとも異なる方向を向いており、第1の繊維層3aと第2の繊維層3bとが積層される状態が形成されていればよい。強化材層3の厚さは従来技術と比べ大きくされている。この結果、第2の繊維の側方には第2の繊維に沿って空隙8が形成されている(図5参照)。
本実施形態では、強化材層3は、第1の繊維11が縦方向に配列した第1の繊維層3aと第2の繊維12が横方向に配列した第2の繊維層3bとを積層させた割繊維不織布である。第2の繊維層3bが有孔フィルム2に熱圧着法によって接合されている。本明細書において、「縦方向」とは、不織布、ウェブ、積層体などを製造する際の機械方向すなわち送り方向を意味し、「横方向」とは、縦方向と直角な方向、すなわち不織布、ウェブ、積層体などの幅方向を意味する。
強化材層3としては、透湿度を確保しかつ有孔フィルム2を補強し得る強度を有するものであれば種々のものを用いることができ、割繊維不織布の他、ネット状物などの格子網状体を用いることができる。
割繊維不織布は、ポリオレフィン系樹脂からなるフィルムに多数のスリットを形成してこれをスリットの方向に延伸した後、延伸方向と直角な方向に広げるか、あるいは、ポリオレフィン系樹脂からなるフィルムを一方向に延伸してこれに延伸方向と平行な多数のスリットを形成した後、延伸方向と直角な方向に広げて、網状フィルムを形成し、延伸方向が直交するように2枚の網状フィルムを重ね合わせて熱接着することによって得られた不織布である。
このように、割繊維不織布は、2枚の網状フィルムをその延伸方向が直交するように積層しているので、縦方向と横方向の強度バランスに優れている。また、割繊維不織布は、スリットを形成した部分が通気部となった網状構造であるので十分な通気性を有する。割繊維不織布の代表的な例としては、ワリフ(新日石プラスト(株)製、商品名)が挙げられる。
強化材層3に割繊維不織布を用いた場合、その製造に使用するフィルムとしては、熱接着に適した、低融点樹脂層/高融点樹脂層/低融点樹脂層の3層構造のフィルムが好ましい。特に、透湿性フィルム4との接着性を考慮すると、割繊維不織布の基となるフィルムを構成する樹脂は、透湿性フィルム4と同質の樹脂であることが好ましい。例えば透湿性フィルム4をポリエチレンで構成した場合、割繊維不織布の基となるフィルムは、低融点樹脂層に低密度ポリエチレンを用い、高融点樹脂層に高密度ポリエチレンを用いることが好ましい。フィルムの延伸倍率は、1.1〜15倍が好ましい。延伸倍率が1.1倍未満では、不織布としたときの機械的強度が十分でない。一方、延伸倍率が15倍を超える場合は、通常の方法で延伸することが難しく、高価な装置を必要とする。
格子網状体としては、割繊維不織布の他に、ポリエチレンあるいはポリプロピレンからなるネット状物を用いることもできる。ネット状物としては、積水フィルム(株)製のソフネット、ソフクロス(いずれも商品名)、クラボウ社製のクレネット(商品名)、グローバル・ネッティング・ソリューションズ社製のコンウェッドネット、Thermanet(商品名)などが挙げられる。また、織布である萩原工業(株)製のメルタック(商品名)なども利用できる。
(3)透湿性フィルム
多孔性透湿性フィルムは、ポリオレフィン系樹脂からなる微多孔性フィルムである。透湿性フィルム4は、充填剤を含有させた熱可塑性樹脂からなる樹脂組成物を延伸することにより樹脂組成物に微多孔を形成し、通気性を付与したものである。
通気性包装材料1には、内部に収納する機能性物品5が機能するのに必要な、適度な透湿度が求められる。この透湿度は、機能性物品の種類、包装体のサイズなど、用途によって異なり特に限定されるものではないが、シリカ系、クレイ系または塩化カルシウム製の乾燥剤に用いる場合、十分な透湿度が求められる。また、特に、保水力以上の水分を吸収すると融解し流出するおそれのある塩化カルシウム製の乾燥剤向けの用途では、乾燥剤の漏洩のおそれがないことも求められる。
透湿性フィルム4に用いる熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のα−オレフィンホモポリマー、エチレンと炭素数3〜18の少なくとも一種のα−オレフィンとの共重合体、プロピレンとエチレンおよび/またはブテン−1との共重合体、エチレンと酢酸ビニルおよび/またはアクリル酸エステル・メタアクリル酸エステル類などエチレン性不飽和結合を有する有機カルボン酸誘導体との共重合体などが挙げられる。
それらの中でも特に、エチレンと炭素数3〜8の少なくとも一種のα−オレフィンとの共重合体が、充填剤配合時の強度の点から好ましく、さらに、低密度ポリエチレンとエチレンと炭素数3〜8の少なくとも一種のα−オレフィンとの共重合体のブレンド物が、押出しラミネーション性、および延伸性の点から好ましい。
透湿性フィルム4に配合する充填剤の量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、30質量部以上、300質量部以下である。30質量部未満の場合は、延伸後に通気性を発現することが難しく、また、300質量部を超えると、延伸時に破断するおそれがあるので好ましくない。
充填剤は、微粉末状で熱可塑性樹脂に配合される。充填剤としては、無機充填剤および有機充填剤のいずれも用いることができる。無機充填剤の例としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムなどの炭酸塩、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウムなどの硫酸塩、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウムなどのリン酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、アルミナ、シリカ、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタンなどの酸化物、塩化亜鉛、塩化鉄、塩化ナトリウムなどの塩化物、アルミニウム粉、ゼオアイト、シラス、白土、珪藻土、タルク、カーボンブラック、火山灰などが挙げられる。有機充填剤の例としては、木粉、パルプ粉などのセルロース系粉末、ナイロン粉末、ポリカーボネート粉末、ポリプロピレン粉末、ポリ−4−メチルペンテン−1粉末などの合成樹脂系粉末、澱粉などが挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。上述した充填剤の中でも、本発明においては、最終的な通気性包装材料1の通気性、柔軟性、外観などの点から、炭酸カルシウムが特に好ましく用いられる。充填剤の平均粒径は、透湿性フィルム4の均一性の観点から、0.1〜20μmが好ましく、さらに、加工性の観点からは、0.8〜5.0μmが好ましい。
微多孔が形成された透湿性フィルム4とするための延伸倍率は、1.02以上である。延伸倍率が1.02倍未満であると、微多孔が十分に形成されず、所望の透湿度が得られにくくなってしまう。このような低延伸倍率で高い通気性を発現させるために、熱可塑性樹脂は、密度が0.920g/cm3以上である樹脂を30質量%以上含むことが好ましい。
以上説明したように、本実施形態の通気性包装材料1によれば、無延伸のナイロン製有孔フィルム2を、通気部を有する強化材層3で補強することで、通気性を確保しながら、従来のように紙と強化材層とを積層した包装材料と比べて、引張強度などの機械強度に優れた通気性包装材料1とすることができる。しかも、後述するように、通気性包装材料1の透湿度は、強化材層3の交点位置Pでの厚さ、すなわち第1の繊維11と第2の繊維12の厚さの合計値を120μm以上の範囲で適宜設定することにより調整することができる。そのため、包装体6に必要な透湿度を容易に確保することができる。
このように、通気性包装材料1の機械的強度が優れていることにより、通気性包装材料1を用いて包装体を形成したとき、内部に収納された機能性物品による損傷も生じにくく、脱酸素剤や乾燥剤以外に、活性炭や木炭など重量の大きな機能性物品を収納する大型の包装材料としても有効に利用できる。また、包装体の表層は有孔フィルム2となるので、従来のように紙粉は発生せず衛生的である。さらに、包装体を形成する際のヒートシール層となる透湿性フィルム4は熱可塑性樹脂としてポリオレフィン系樹脂を用いているので、表層である有孔フィルム2との融点差が大きくなる。従って、ヒートシール温度を高く設定しヒートシール時間を短縮することができ、それに伴って機能性物品の充填速度を上げることができるので、包装体の生産性を向上させることができる。
強化材層3として割繊維不織布を用いることで、縦方向と横方向での強度バランスにも優れ、しかも引張強度及び透湿度をより向上させることができる。
さらに、本実施形態の通気性包装材料1は、有孔フィルム2と、強化材層3と、透湿性フィルム4とを熱圧着法によって一気に接合することで製造できるため、製造コストの面からも有利である。
本発明の通気性包装材料は乾燥剤の包装に好適に利用できるが、脱酸素剤、保湿剤、芳香剤、吸湿剤、消臭剤、防虫剤、除湿剤などの機能性物品の包装にも好適に利用できる。これらの機能性物品を収納する包装体は、機能性物品が機能すればどのような形態でもよい。包装体が袋の形態である場合には、通気性包装材料は、その袋の一部分、片面、または全体に使用される。包装体を形成するための、通気性包装材料のヒートシール方法には、加熱シールバーによる熱プレス法が一般に用いられる。従って、包装体が袋の形態である場合には、シート材から袋を形成する一般的な製袋包装機を用いることができる。また、本発明の通気性包装材料は、前述したように、引張強度に優れているので、大型の包装体やシート状の包装体としても利用することができる。
次に、本発明の代表的な実施例について比較例とともに説明する。以下の実施例1,2に示す方法で通気性包装材料を作製し、それぞれについて、強化材層の厚みと、縦方向及び横方向の引張強度と、透湿度と、を測定した。測定可能な材料については、強化材層の縦糸(第1の繊維)と横糸(第2の繊維)の厚さも測定した。強化材層並びに縦方向及び横方向の厚さはマイクロスコープ観察により測定した。引張強度は、JIS P 8113(1998)に準拠して測定した。透湿度は、JIS Z 0208(カップ法)に準拠して測定した。
(実施例1)
有孔フィルムとして、厚み15μmの無延伸ナイロンフィルムを用意し、縦横の間隔3mmにて、直径が0.3mmの針を突き刺すことにより細孔を形成した。その片面に、グラビア印刷によって商品ロゴなど必要な印刷を施した。強化材層としては、ポリエチレン製の割繊維不織布である「ワリフ」(新日石プラスト(株)製、商品名)の品番SS(T)(目付量20g/m2、交点の厚み120μm、縦ウェブの厚み45μm、横糸の厚み75μm)を用いた。透湿性フィルムとしては、無機フィラーを含有した延伸PE透湿性フィルムである、「ポーラム」((株)トクヤマ製、商品名)を用い、厚みは35μmを選択した。ナイロンフィルムの印刷層を内側にして、強化材層の横方向に繊維が配列した面にコロナ処理を施しながら、印刷層と接触するように、さらに透湿性フィルムを同時に繰出し、3層を同時に熱ロールに通過させ、通気性包装材料を作製した。積層条件は、熱ロールの温度が130℃、線圧が200N/cm、送り速度が20m/min.とした。熱ロールに接触するのは、ナイロンフィルム側とした。コロナ処理は、100W/(m2・min.)の出力にて行った。
(実施例2)
強化材層として、ポリエチレン製の割繊維不織布である「ワリフ」(新日石プラスト(株)製、商品名)の品番HS(T)(目付量36g/m2、交点の厚み140μm、縦糸の厚み55μm、横糸厚み85μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして通気性包装材料を作製した。
(実施例3)
強化材層として、ポリエチレン製の割繊維不織布である「ワリフ」(新日石プラスト(株)製、商品名)の品番EX(T)(目付量48g/m2、交点の厚み200μm、縦糸の厚み78μm、横糸の厚み122μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして通気性包装材料を作製した。
(実施例4)
強化材層として、ポリエチレン製の不織布である「ソフ」(積水フィルム(株)製、商品名)の品番TS605(目付量44g/m2、厚み175μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして通気性包装材料を作製した。
(実施例5)
強化材層として、両面がポリエチレンビニルアセテート層であるネット「Thermanet」(グローバル・ネッティング・ソリューションズ社製、商品名)の品番R05090(目付量23g/m2、交点の厚み500μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして通気性包装材料を作製した。
(比較例1)
強化材層として、ポリエチレン製の不織布である「ソフ」(積水フィルム(株)製、商品名)の品番TS405(目付量31g/m2、厚み90μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして通気性包装材料を作製した。
(比較例2)
有孔フィルムとして、厚みが20μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いて実施例1同様に有孔フィルムを作製し、通気性包装材料を作製した。割繊維不織布にコロナ処理を施し、熱ラミネーション法でポリエチレンテレフタレートと熱圧着させた。
物性値を表1に示す。図4には、各実施例及び比較例1で得られた強化材層の交点厚みと透湿度との関係を示す。望ましい透湿度を得るためには、強化材層の交点厚みの正確な設定が必要であることがわかる。強化材層の厚みを大きくした実施例1−5では、生石灰を乾燥剤として用いる場合に従来用いられてきた包装材料(透湿度は200g/(m2・24hr)程度)よりも高い透湿度が実現されていることが分かる。
シリカ系やクレイ系または塩化カルシウムなどの乾燥剤に用いる包装材では、生石灰を乾燥剤として用いる場合の数倍程度の透湿度が必要とされている。無延伸ナイロンフィルムは460g/(m2・24hr)程度の透湿度しかないが、これに微孔を形成した有孔フィルム2とすることで2500g/(m2・24hr)程度の透湿度を確保できる。このため、単純に透湿度だけを考慮すれば有孔フィルムだけで包装材料を構成することも考えられるが、ヒートシール層がないため、このままでは乾燥材の包装材料としては使用できない。このため、ポリエチレンなどの低融点のヒートシール層を設け、穴開け加工を施すことも考えられるが、乾燥剤の内容物が非常に細かい微粉末の場合には、穴部から内容物が漏れる恐れがある。
そこで、内容物の粉漏れを防止するために、本実施形態の通気性包装材料では多孔性透湿性フィルムを利用している。一般的な多孔性透湿性フィルムの透湿度は、目付量35g/m2で9900g/(m2・24hr)、目付量50g/m2で11200g/(m2・24hr)である。透湿防水フィルムは、ナイロンフィルムより低融点であるので、ヒートシールが可能であり、シール強度が高い。また、ホットタック性に優れ、充填速度が上げられる。しかし、多孔性透湿性フィルムは引張強度及び引裂強度が弱く、同様に有孔のナイロンフィルムも強度が弱いので、これらの部材を使用して乾燥剤の包材を作製する場合には、補強材が必要である。そこで、本実施形態の通気性包装材料では、補強材(強化材層)として、上述の通気性網状体を用いている。
本発明者らは、強化材層の厚みを変えることで、強化材層(第2の繊維)と有孔ナイロンフィルムとの接触部近傍に、有孔ナイロンフィルムが他部材と接触しない空隙を形成させ、有孔ナイロンフィルムの高い透湿度をできる限り維持させることが有効であることを見出した。強化材層の厚みを変えることで、透湿度を500〜2000gの広い範囲で制御可能となる。これは従来の200g/(m2・24hr)程度に比べ格段に大きい透湿度である。本願発明者は強化材層の交点厚みが120μm以上あれば、このような高い透湿度が得られると考えている。これによって、シリカ系やクレイ系または塩化カルシウムなどの乾燥剤に対応可能で、機械的強度と包装材料全体としての十分な透湿度を有し、かつ毛羽立ちなどの発生を抑えることのできる通気性包装材料、及びこれを用いた包装体を提供することが可能となる。強化材層の厚みが小さくなると、第2の繊維の側方に空隙が形成されず、透湿度が小さくなり当該乾燥剤用には使用できない。
比較例2から明らかな通り、表面層にナイロンフィルムの代わりにポリエチレンテレフタレートを用いて、同様に有孔フィルムを作製しても、透湿度は小さく、シリカ系等の乾燥剤の包装材としては使用することができない。これより、表面層に十分な透湿度を有する材料を用いることが重要であることが確認された。比較例2においては、十分な接着強度も得られず、包装材としても利用すること自体が難しい。
図5には実施例2で作成した通気性包装材料の断面図を示す。同図(a)は断面写真であり、同図(b)は同図(a)の写真をもとに描いたスケッチであり、ともに同じ内容を表している。第1の繊維(縦糸)11と第2の繊維(横糸)12とが交差して三次元状の網状構造が構成されている。横糸と有孔フィルムの交点P付近では、有孔フィルム2が横糸12に乗りあがるように上方に膨らみ、横糸12の側方に横糸12に沿って延びる空隙8が形成されている。
図3,5を参照して、本発明の効果をさらに説明する。有孔フィルム2の細孔7の配列ピッチは第1の繊維(縦糸)11及び第2の繊維(横糸)12の配列ピッチと比べて大きい。このため、有孔フィルム2の細孔7から流入した水蒸気は縦糸11と横糸12の間の空間を二次元状に横方向(x方向及びy方向)に進みながら透湿性フィルム4の図示しない微孔に侵入する。具体的には、水蒸気はまず有孔フィルム2の細孔7にz方向下向きに侵入し(経路a1)、その後侵入した水蒸気の大半は横糸12の間の空間に沿ってy方向に進む(経路a2)。さらに水蒸気は、y方向に進むに従い順次x方向に分岐し、縦糸11の間の空間をx方向に進み(経路a3)、最終的に透湿性フィルム4の微孔にz方向下向きに侵入し(経路a4)、内部の乾燥剤に捕捉される。
従って、透湿度を上げるためには水蒸気が有孔フィルム2の細孔7から透湿性フィルム4の微孔に侵入するまでの、強化材層3の面内方向における二次元状の経路を確保することが重要となる。実施例1〜5では強化材層の厚みを確保しそれによって二次元状の経路の高さを十分に確保することが可能となっている。これに対して、比較例1では、強化材層の厚みが足りず、従って二次元状の経路の高さを十分に確保することができない。このため、水蒸気の流入抵抗が増え、外部の水蒸気を有効に取り込むことができない。
特に、高い透湿度を得るためには、水蒸気が有孔フィルム2の細孔7に侵入した直後に水蒸気を広範囲に拡散させることが有効である。そのためには経路a2の断面積を十分に確保することが必要である。一般的には第2の繊維12の厚み(直径)を第1の繊維11よりも大きくするほうが、経路a2を構成する空間8の高さh1及び幅d(図4参照)を確保しやすく、より好ましいと考えられる。一方、高い透湿度得るために、有孔フィルムの孔を大きくすること、またその数を多くすることを検討したが、有孔フィルム自身のダメージが大きく、熱圧着工程において安定的にフィルムを搬送することが難しく、途中で破断することがあった。従って、有孔フィルムの孔を調整して、透湿度をコントロールすることには限界があり、本発明にあるように強化材層の厚みを変えて透湿度をコントロールすることが有効であることが判明した。
本発明の一実施形態による通気性包装材料の模式的断面図である。 図1に示す通気性包装材料を用いて作成された包装体の断面図を示す。 図1に示す通気性包装材料の強化材層の部分斜視図である。 強化材層の交点厚みと透湿度との関係を示すグラフである。 実施例2で作成した通気性包装材料の断面図である。
符号の説明
1 通気性包装材料
2 有孔フィルム
3 網状構造の強化材層
3a 第1の繊維層
3b 第2の繊維層
4 多孔性透湿性フィルム
5 機能性物品
6 包装体
7 細孔
8 空隙
11 第1の繊維(縦糸)
12 第2の繊維(横糸)
h 交点厚み
P 交点

Claims (7)

  1. ナイロン製の有孔フィルムと、網状構造の強化材層と、多孔性透湿性フィルムとがこの順で積層され、
    前記強化材層は、前記多孔性透湿性フィルムに面し、互いに同一の方向に配列した複数の第1の繊維からなる第1の繊維層と、前記有孔フィルムに面し、前記第1の繊維とは異なる方向にかつ互いに同一の方向に配列した複数の第2の繊維からなる第2の繊維層と、が積層して構成され、前記第2の繊維の側方には該第2の繊維に沿って空隙が形成されており、前記第2の繊維は前記第1の繊維よりも厚く形成されている、通気性包装材料。
  2. 前記第1の繊維と前記第2の繊維との交点における前記強化材層の厚さが120μm以上である、請求項1に記載の通気性包装材料。
  3. 前記有孔フィルムの前記強化材層と面する面に印刷が施されている、請求項1または2に記載の通気性包装材料。
  4. 前記多孔性透湿性フィルムは、ポリオレフィン系樹脂からなる微多孔性フィルムである、請求項1から3のいずれか1項に記載の通気性包装材料。
  5. 前記強化材層は、ポリオレフィン系樹脂からなる割繊維不織布である、請求項1から4のいずれか1項に記載の通気性包装材料。
  6. 前記割繊維不織布は、前記第1の繊維層の前記第1の繊維が縦方向に配列し、前記第2の繊維層の前記第2の繊維が横方向に配列してなる不織布であり、前記第2の繊維層が前記有孔フィルムに熱圧着法によって接合されている、請求項5に記載の通気性包装材料。
  7. 請求項1からのいずれか1項に記載の通気性包装材料を少なくとも一部に用い、前記有孔フィルム層を外側にして脱酸素剤、乾燥剤、発熱剤、吸湿剤、脱臭剤、防虫剤、除湿剤または芳香剤を収納した包装体。
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