JP2003340950A - 通気性包装材料および包装体 - Google Patents

通気性包装材料および包装体

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JP2003340950A
JP2003340950A JP2002153741A JP2002153741A JP2003340950A JP 2003340950 A JP2003340950 A JP 2003340950A JP 2002153741 A JP2002153741 A JP 2002153741A JP 2002153741 A JP2002153741 A JP 2002153741A JP 2003340950 A JP2003340950 A JP 2003340950A
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moisture
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Yorio Kumehara
偉男 粂原
Yukio Sugita
由喜雄 杉田
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Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造が容易で、機械的強度が高く、かつ、印
刷面が表面に露出せず衛生面でも優れた通気性包装材料
を提供する。 【解決手段】 通気性包装材料1は、片面に印刷層2a
が形成された有孔フィルム2と、有孔フィルム2の印刷
層2aが形成された面に積層された網状構造の強化材層
3と、強化材層3に積層された透湿性フィルム4とを有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通気性を有し、脱
酸素剤や乾燥剤などの包装に好適に用いられる通気性包
装材料およびこの通気性包装材料を用いた包装体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】加工食品の腐敗、変質、劣化などを防止
するために、脱酸素剤や乾燥剤などが多く用いられてい
る。この種の脱酸素剤や乾燥剤は、通気性を有する小袋
に包装されて、食品とともに収納されて用いられる。
【0003】脱酸素剤や乾燥剤を包装するのに用いられ
る包装材料としては、紙などの通気性を有する基材を表
層に用い、この基材の裏面に、ポリエチレン層を積層し
たもの、あるいは、格子網状物をポリエチレン層でサン
ドイッチした強化材層を積層したものが知られている。
そして、このような層構成を有する包装材料では、包装
材料全体としての通気性を確保するために、基材の裏面
に積層されたポリエチレン層または強化材層に、これら
を貫通するが基材までは貫通しない多数の細孔を形成し
ている。細孔は、熱針などによって形成される。また、
基材の表面には、包装されているものが脱酸素剤や乾燥
剤である旨を表示する印刷が施されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の包装材料では、基材の裏面に積層されたポリエ
チレン層または強化材層に熱針などによって細孔を形成
しているが、ポリエチレン層または強化材層のみに細孔
を形成するのは難しく、一部の細孔が基材を貫通してし
まうことがあった。細孔が基材を貫通すると、包装体の
内容物が外部に流出し、食品に付着してしまう。また、
ポリエチレン層または強化材層を基材に積層したあとに
細孔を形成しているので、細孔の形成不良が生じた場合
の材料のロスが大きく、結果的に製造コストが高くなっ
てしまう。
【0005】また、従来この種の包装材料では基材に紙
を用いており、実使用時においては、基材である紙は食
品と接触することになる。そのため、食品の輸送中に、
この包装材料で作られた包装体と食品とが擦られて紙粉
が発生する。紙粉が発生すると、これが食品に付着して
衛生上の問題が生じる。また、基材の表面には印刷が施
されているので、印刷用のインキが食品に付着するおそ
れがある。
【0006】印刷インキ工業連合会は、食品包装材料用
印刷インキの適正化を図り、内容食品の衛生的安全性を
保持することを目的として、「食品包装材料用印刷イン
キに関する自主規制」(NL規制)を制定している。し
かし、このNL規制でリストに挙げられていないインキ
を用いても安全性の確証はなく、同連合会は、「印刷面
が直接食品に接触する包装形態は、印刷インキが食品に
移行着色する場合もあり得るので避けるべきである」と
指摘している。
【0007】そのため、食品に直接接触する面に印刷す
る場合は、着色剤として食用色素を使用するとともに、
バインダーとして、食品に接触してもよい樹脂を使用し
たインキを用いている。このようなインキは高価であ
り、したがって包装材料も高価なものとなってしまう。
【0008】これを解決するために、基材の裏面に印刷
を施し、基材を通して印刷内容を認識させることが考え
られる。しかし、このためには基材の厚さを薄くするこ
とが必要となるが、それでも、印刷された文字が細かい
場合には基材を通しての判読は困難である。また、基材
を薄くすると、包装体の内容物が例えば乾燥剤である生
石灰である場合、その突起によって基材が突き破られ、
生石灰の微粉末が外部に流出して食品に付着してしまう
という問題が生じる。このことは、基材の裏面に強化材
層を積層した包装材料でも、生石灰の突起は強化材層の
格子網状体の開口部を通して基材を突き破ることができ
るので、同様に生じる。内容物の流出を防止するために
は、この突き刺し強度だけでなく、引張り強度や引裂き
強度といった機械的強度が高いことが重要である。
【0009】そこで本発明は、製造が容易で、機械的強
度が高く、かつ、印刷面が表面に露出せず衛生面でも優
れた、特に脱酸素剤や乾燥剤などを包装するのに好適に
用いられる通気性包装材料、およびこれを用いた包装体
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の通気性包装材料は、片面に印刷が施された有孔
フィルムと、前記有孔フィルムの印刷が施された面に積
層された網状構造の強化材層と、前記強化材層に積層さ
れた透湿性フィルムとを有する。
【0011】本発明の通気性包装材料では、有孔フィル
ムを網状構造の強化材層で補強しているので、通気性を
確保しながらも機械的強度が向上したものとなる。ま
た、それぞれの層自体が通気性を有するので、積層加工
後に細孔を形成する必要もなく製造が容易である。さら
に、印刷面が表面に露出せず、印刷用のインキが他の物
と接触することもないので、この通気性包装材料を食品
用の包装に用いても安全である。
【0012】本発明の包装体は、上記本発明の通気性包
装材料を少なくとも一部に用い、不織布層を外側にして
脱酸素剤、乾燥剤、発熱剤、吸湿剤、脱臭剤、防虫剤、
除湿剤または芳香剤を収納したものである。本発明の包
装体では、上述のように、包装材料が高い機械的強度を
有するので、内容物によって損傷し内容物が外部へ流出
する危険性は極めて少ない。また、最表層が有孔フィル
ムであるので、毛羽立ちや屑の発生がなく、衛生的であ
る。印刷情報は、有孔フィルムの厚みを適宜設定すれば
有孔フィルムを通して鮮明に認識可能である。
【0013】透湿性フィルムとしては、ポリオレフィン
系樹脂からなる微多孔性フィルムが好ましく用いられ
る。また、強化材層としては、ポリオレフィン系樹脂か
らなる割繊維不織布が好ましい。さらに、有孔フィルム
は、透湿性フィルムを構成する熱可塑性樹脂の融点より
も20℃以上高い融点を有する熱可塑性樹脂で構成する
ことが好ましい。
【0014】なお、本明細書において、「縦方向」と
は、不織布やフィルムなどを製造する際の機械方向すな
わち送り方向を意味し、また「横方向」とは、縦方向と
直角な方向すなわち不織布やフィルムなどの幅方向を意
味している。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0016】図1は、本発明の一実施形態による通気性
包装材料の模式的断面図である。図1に示すように、通
気性包装材料1は、有孔フィルム2と、強化材層3と、
透湿性フィルム4とを有する。有孔フィルム2の片面に
は印刷が施され、これにより、有孔フィルム2の片面に
印刷層2aが形成されている。また、強化材層3は、不
織布層2の印刷層2aが形成された面に積層され、透湿
性フィルム4は強化材層3に積層されている。有孔フィ
ルム2、強化材層3および透湿性フィルム4はそれぞれ
熱可塑性樹脂からなり、有孔フィルム2と強化材層3と
の積層、および強化材層3と透湿性フィルム4との積層
は、熱接着により行うことができる。
【0017】この通気性包装材料1を用いた包装体の一
例を図2に示す。図2に示すように、包装体5は、粉末
状あるいは粒状の脱酸素剤や乾燥剤などの機能性物品6
を内部に収容するものであり、透湿性フィルム4を内側
にして通気性包装材料1を2つ折りにし、周縁部を熱接
着することにより形成されている。そして、包装体5
は、食品の変質等を防止するために、食品とともに袋や
容器内に収納される。なお図2では、通気性包装材料1
の層構成をわかり易くするために、通気性包装材料1の
厚みを包装体5のサイズと比べて厚く表している。
【0018】次に、通気性包装材料1を構成する各層に
ついて詳細に説明する。
【0019】(1)有孔フィルム 有孔フィルム2には、透湿性フィルム4を構成する樹脂
よりも高い融点を有する樹脂を用いて製造された有孔フ
ィルムが好ましく用いられる。通気性包装材料1を用い
て包装体5を形成する場合、透湿性フィルム4同士を向
き合わせて熱接着して内部をシールするため、有孔フィ
ルム2の融点が透湿性フィルム4の融点以下であると、
包装体5を形成するときに有孔フィルム2も融けてしま
い、シール機のシールバーに貼り付いてしまうからであ
る。
【0020】包装体5の形成時の、有孔フィルム4のシ
ールバーへの貼り付きを確実に防止するためには、有孔
フィルム2と透湿性フィルム4との融点差が20℃以上
あることが望ましい。したがって、透湿性フィルム4が
ポリエチレン系樹脂からなる場合、有孔フィルム2は、
ポリプロピレンまたはポリエステルからなることが好ま
しい。中でも、引張り強度をより向上させるという観点
からは、二軸延伸ポリプロピレンまたは二軸延伸ポリエ
チレンテレフタレートがより好ましい。
【0021】有孔フィルム2は、フィルムに対する任意
の穿孔方法を用いて容易に作製することができる。穿孔
方法としては、熱鉄針接触法、レザー法、針布を用いて
機械的に穿孔する方法など、種々の方法を挙げることが
でき、中でも、熱鉄針接触法や、機械的に穿孔する方法
が好ましく用いられる。有孔フィルム2への穿孔は、有
孔フィルム2へ印刷層2aを形成した後でもよいし、形
成する前でもよい。
【0022】有孔フィルム2に形成される孔の直径、形
状および分布は、目的とする通気性包装材料1の用途に
応じて適宜選定される。また、有孔フィルム2には印刷
を施すので、印刷が鮮明に見えることが重要であり、こ
のことを考慮すると、孔の直径は0.01〜1mmの範
囲にあることが好ましく、より好ましくは0.05〜
0.5mmである。孔の直径が1mmを越えると、印刷
された文字の大きさによっては印刷された文字を認識で
きなくなってしまうことがある。また、孔の直径が大き
すぎると、強化材層3と積層された後であっても高い突
き刺し強度が得られ難くなってしまう。有孔フィルム2
の厚みは、強度および有孔フィルム2を通しての印刷情
報の視認性を考慮すると、10〜50μmの範囲にある
ことが好ましく、より好ましい範囲は15〜30μmで
ある。
【0023】有孔フィルム2は上述したように、包装体
5の最表層を構成する。したがって、従来のように紙を
最表層に用いた場合と異なり、毛羽立ちや紙粉が発生す
ることはなく、包装体5を食品とともに収納しても衛生
的である。また、有孔フィルム2は紙と比べて表面平滑
性に優れているため、鮮明な印刷が可能である。
【0024】有孔フィルム2の裏面に印刷層2aを形成
し、透湿性フィルム4を内側にして包装体5を形成する
ことで、印刷層2aは包装体5の表面に露出せず、包装
体5を食品とともに収納しても、印刷用のインキが食品
と接触することはない。したがって、印刷層2aを形成
する際には、印刷インキ工業連合会の制定するNL規制
に適合する、包装材料への印刷に一般に使用されている
インキを使用することができる。その結果、従来のよう
に特殊なインキを使用する必要がなくなるので、有孔フ
ィルム2との密着性に優れたインキを使用して任意の色
調で印刷層2aを形成することができる。また、安価な
インキを使用できるので、通気性包装材料1を安価に製
造することができる。印刷層2aの形成には、グラビア
印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、あるいはスクリ
ーン印刷など、種々の印刷法が適用可能である。
【0025】(2)強化材層 強化材層3としては、通気性を確保しかつ有孔フィルム
2を補強しうる強度を有するものであれば種々のものを
用いることができるが、好ましくは格子網状体、例えば
日石プラスト(株)が日石ワリフ(商品名)という名称
で販売している割繊維不織布を用いることができる。
【0026】割繊維不織布は、ポリオレフィン系樹脂か
らなるフィルムに多数のスリットを形成し、これを一方
向に延伸して網状フィルムを形成し、延伸方向が直交す
るように2枚の網状フィルムを重ね合わせて熱接着する
ことによって得られた不織布である。割繊維不織布は、
2枚の網状フィルムをその延伸方向が直交するように積
層しているので、縦方向と横方向の強度バランスに優れ
ている。また、割繊維不織布は、網状構造であるので十
分な通気性を有する。
【0027】強化材層3に割繊維不織布を用いた場合、
その目付量は、機械的強度や製造コストの点から、好ま
しくは10〜100g/m2、より好ましくは12〜4
0g/m2である。使用するフィルムとしては、熱接着
に適した、低融点樹脂層/高融点樹脂層/低融点樹脂層
の3層構造のフィルムが好ましい。特に、透湿性フィル
ム4との熱接着性を考慮すると、割繊維不織布の基とな
るフィルムを構成する樹脂は、透湿性フィルム4と同質
の樹脂であることが好ましい。例えば透湿性フィルム4
をポリエチレンで構成した場合、割繊維不織布の基とな
るフィルムは、低融点樹脂層に低密度ポリエチレンを用
い、高融点樹脂層に高密度ポリエチレンを用いることが
好ましい。フィルムの延伸倍率は、1.1〜15倍が好
ましい。延伸倍率が1.1倍未満では、不織布としたと
きの機械的強度が十分でない。一方、延伸倍率が15倍
を超える場合は、通常の方法で延伸することが難しく、
高価な装置を必要とするなどの問題が生ずる。
【0028】以上、格子網状体として割繊維不織布を例
に挙げて説明したが、格子網状体としては、この他に、
ポリエチレンあるいはポリプロピレンからなるネット状
物を用いることもできる。ネット状物としては、積水フ
ィルム(株)製のソフネット、ソフクロス(いずれも商
品名)、クラボウ社製のクレネット(商品名)、コンウ
ェッド社製のコンウェッドネット(商品名)などが挙げ
られる。
【0029】(3)透湿性フィルム 透湿性フィルム4としては、ポリオレフィン系樹脂から
なる微多孔性フィルムを用いることができる。包装体5
を製造する際は、透湿性フィルム4同士を熱接着するの
で、熱接着性の観点からは、ポリオレフィン系樹脂の中
でも特にポリエチレン系樹脂が好ましい。
【0030】微多孔性フィルムの製造方法としては、公
知の方法を用いることができる。例えば、ポリオレフィ
ン系樹脂に、無機充填剤、有機充填剤、または可塑剤な
どを含有させてフィルムを作り、得られたフィルムから
充填剤や可塑剤などを、溶剤を用いて溶出させて微多孔
構造を形成する方法や、無機充填剤または有機充填剤を
含有させたポリオレフィン系樹脂製フィルムを少なくと
も1軸方向に延伸して微多孔構造を形成する方法が挙げ
られる。
【0031】ポリオレフィン系樹脂としては、高密度ポ
リエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン‐α‐オレ
フィン共重合体、高圧法低密度分岐ポリエチレン、ポリ
プロピレン、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体
あるいはこれらのポリオレフィンの混合物などを用いる
ことができ、中でもポリエチレン系樹脂が好ましい。
【0032】ポリオレフィン系樹脂に含有させる無機充
填剤としては、炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオ
リン、シリカ、珪藻土、炭酸マグネシウム、炭酸バリウ
ム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ア
ルミニウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化マグネシ
ウム、酸化チタン、マイカ、アルミナ、ゼオライト、ガ
ラス粉などが挙げられる。また、有機充填剤としては、
木粉、セルロース粉、高融点樹脂粉、架橋樹脂粉などが
挙げられる。
【0033】充填剤の平均粒径は、通常は30μm以
下、好ましくは0.2〜10μmの範囲である。粒径が
小さすぎると、分散性、成形性が悪くなり、大きすぎる
と、延伸フィルムの微多孔の緻密性が悪くなる。これら
の充填剤は、ポリオレフィン系樹脂への分散性およびフ
ィルムの延伸性を向上させるため、脂肪酸または脂肪酸
金属塩などで表面処理してもよい。
【0034】充填剤の含有量は、ポリオレフィン系樹脂
100質量部に対して、20〜400質量部、好ましく
は40〜300質量部である。充填剤の含有量が20質
量部未満であると、フィルムを延伸したときに微多孔が
十分に形成されず必要な透湿性が得られにくい。また、
400質量部を超えると、混練性、分散性、フィルムの
製膜性が低下するとともに、強度も低下する場合もあ
る。
【0035】ポリオレフィン系樹脂は、所定量の充填
剤、各種添加剤とともに、混練押出機などを用いてペレ
ット化される。このペレットを用いて、Tダイ押出成形
機、インフレーション成形機などを用いて製膜される。
製膜されたフィルムは、少なくとも一軸方向に1.5〜
10倍程度に延伸される。
【0036】フィルムの延伸は、ポリオレフィン系樹脂
の融点よりも100℃低い温度から、融点よりも20℃
低い温度の範囲で実施される。この延伸によって、フィ
ルムの強度が向上するとともに、微多孔が形成される。
このようにして得られた微多孔性フィルムの厚みは10
〜200μm、好ましくは15〜100μmの範囲であ
る。
【0037】透湿性フィルム4の透湿度は、通気性包装
材料1の用途や、強化材層3の種類、有孔フィルム2の
種類によって適宜選定される。透湿性フィルム4は、熱
接着により強化材層3に積層されるので、積層後の透湿
性フィルム4の透湿度は、それ本来の持つ透湿度よりも
小さくなる。この点を考慮すると、透湿性フィルム4の
透湿度は、300〜10000g/m2・24Hの範囲
のものを用いるのが好ましい。
【0038】以上説明したように、本実施形態の通気性
包装材料1によれば、包装体5としたときの最表層とな
る基材を有孔フィルム2とし、これを網状構造の強化材
層3で補強することで、通気性を確保しながらも、従来
のように紙と強化材層とを積層した包装材料と比べて、
引張り強度、引裂き強度、突き刺し強度などの機械的強
度に優れた通気性包装材料1とすることができる。
【0039】したがって、通気性包装材料1は、包装体
5とされたときに内部に収納された機能性物品6による
損傷も生じにくく、食品用の脱酸素剤や乾燥剤以外に、
活性炭や木炭など重量の大きな内容物を収納する大型の
包装材料としても有効に利用できる。また、通気性包装
材料1は、最表層が有孔フィルム2で構成されているの
で、従来のように紙粉は発生せず衛生的である。しか
も、有孔フィルム2は透明性もよく、有孔フィルム2の
表面側からでも印刷情報を鮮明に認識することができ
る。
【0040】特に、有孔フィルム2として二軸延伸フィ
ルムを用いるとともに、強化材層3として割繊維不織布
を用いることで、縦方向と横方向での強度バランスにも
優れ、しかも引張り強度、引裂き強度および突き刺し強
度をより向上させることができる。したがって、機能性
物品6が、石灰や木炭など、硬くかつ突起を有する形状
のもので、しかも、機能性物品6を多く含む大型の包装
体5に通気性包装材料1を使用しても、機能性物品6が
通気性包装材料1を突き破って外部に流出することはな
く、安全である。
【0041】また、通気性包装材料1は、通気性包装材
料1を構成する各層がそれ自体で通気性を有しており、
従来のように細孔を形成する必要はない。したがって、
通気性包装材料1の製造は、各層を積層するだけでよい
ので容易である。さらに、通気性包装材料1の最内層に
は透湿性フィルム4が積層されているので、包装体5が
水に濡れても、水が包装体5の内部にしみ込むことはな
い。そのため、機能性物品6として石灰などの乾燥剤を
収納した場合に、乾燥剤が水と反応して発熱し、最悪の
場合には周囲の部材に引火して火災に至るという危険性
もない。
【0042】以上説明した有孔フィルム2、強化材層
3、および透湿性フィルム4は、前述したように、熱接
着により積層される。この熱接着は、3層を同時に行っ
てもよいし、透湿性フィルム4と強化材層3とを熱接着
した後、これに有孔フィルム2を熱接着してもよい。熱
接着は、熱接着の対象となる層を重ねあわせ、これを、
熱接着に適した所定の温度に設定された金属製の熱ロー
ルと耐熱性ゴムロールとの間を通過させて行う。透湿性
フィルム4と強化材層3との積層には、熱エンボス法を
用いることもできる。
【0043】また、熱接着の際に、互いの接着表面にコ
ロナ処理、オゾン処理、またはフレーム処理といった前
処理を施すと、接着強度が向上する。この方法は特に、
素材が異なる層を積層するときに有効である。このよう
な前処理を施すと、互いの接着表面に極性基が付与さ
れ、これによって密着力が向上するためであると考えら
れる。
【0044】このように、通気性包装材料1を構成する
各層の積層は熱接着により積層され、接着剤は不要であ
る。したがって、通気性包装材料1は、臭気のない良好
な作業環境で、簡便かつ安価に製造される。
【0045】各層の積層条件(温度、圧力、送り速度な
ど)は、透湿性フィルム4の種類、強化材層3の種類、
有孔フィルム2の種類、各層を構成する樹脂の融点、お
よび隣接する層間での樹脂の融点差などを考慮して適宜
選定される。一例を示すと、熱ロールの温度は90〜2
00℃、好ましくは110〜180℃、ロールによって
与えられる線圧は100〜500N/cm、好ましくは
200〜400N/cmである。重要な点は、透湿性フ
ィルム4の透湿性能を著しく低下させない条件設定を行
うことである。透湿性フィルム4を構成する樹脂の融点
に近い温度かつ高圧で積層すると、透湿性フィルム4の
微孔が塞がり透湿性能が低下するおそれがある。
【0046】通気性包装材料1には、包装体5とされた
ときに、その中に収納される機能性物品6が、それが持
つ機能を発揮するのに必要な、適度な通気性および透湿
性が必要である。この通気性および透湿性は、機能性物
品6の種類や包装体5のサイズなど用途によって異な
り、特に限定されるものではない。一般的には、透湿度
が50g/m2・24H以上であり、かつ、機能性物品
6が漏洩するおそれがないことが求められる。
【0047】本発明の通気性包装材料は、脱酸素剤、乾
燥剤、吸湿剤、消臭剤、発熱剤、防虫剤、除湿剤または
芳香剤などの機能性物品の包装に好適に利用できる。こ
れらの機能性物品を収納する包装体は、機能性物品が機
能すればどのような形態でもよい。包装体が袋の形態で
ある場合には、通気性包装材料は、その袋の一部分、片
面、または全体に使用される。通気性包装材料で袋全体
を構成する場合、袋の形成は、シート材から袋を形成す
る一般的な製袋包装機を用いることができる。
【0048】
【実施例】次に、本発明の代表的な実施例について比較
例とともに説明する。
【0049】ここでは、以下の実施例1、2に示す方法
で通気性包装材料を作製し、それぞれについて、縦方向
および横方向の引張り強度、縦方向および横方向の引裂
き強度、突き刺し強度、および透湿度を測定した。引張
り強度は、JIS P 8113(1998)に準拠して
測定した。引裂き強度は、JIS L 1085(199
8)に準拠して測定した。突き刺し強度は、食品衛生法
「器具及び容器包装の規格基準 突き刺し強度試験」に
準拠して測定した。この試験は、直径が1mmで先端が
0.5Rの球形になっている針を試料面に突き刺し、針
が貫通するまでの最大荷重をNで表したものである。透
湿度は、JIS Z 0208(カップ法)に準拠して測
定した。また、比較のため、有孔フィルムの代わりに和
紙を用いて通気性包装材料を作製し(比較例1)、同様
に引張り強度、引裂き強度、突き刺し強度、および透湿
度を測定した。
【0050】(実施例1)有孔フィルムとして、厚みが
20μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィル
ムに、直径が0.3mmの針を突き刺すことにより1m
2あたり5000個の割合で細孔を形成したものを用
い、その片面に、グラビア印刷により必要な印刷を行っ
た。
【0051】次いで、透湿性フィルム層として、無機フ
ィラーを含有した延伸PE透湿性フィルムである「ポー
ラム」((株)トクヤマ製、商品名)の、厚みが35μ
mのものを用いるとともに、強化材層として、ポリエチ
レン製の割繊維不織布である「日石ワリフ」(日石プラ
スト(株)製、商品名)の品番SS(T)(目付量19
g/m2)を用い、両者を積層した。透湿性フィルムと
割繊維不織布との積層は、両者を重ね合わせて熱ロール
と耐熱ゴム製ロールとの間に供給する熱ラミネート法に
よって行った。積層条件は、熱ロールの温度を130
℃、ロールによって与えられる線圧を200N/cm、
送り速度を20m/minとした。また、ロールへの透
湿性フィルムおよび割繊維不織布の供給は、透湿性フィ
ルムを熱ロール側として行った。
【0052】次いで、積層した透湿性フィルムと割繊維
不織布の、割繊維不織布側の面に、印刷を施した有孔フ
ィルムを、印刷した面を内側として、熱ラミネート法に
よって積層した。積層条件は、熱ロールの温度を180
℃、ロールによって与えられる線圧を200N/cm、
送り速度を20m/minとした。ロールへは、有孔フ
ィルムを熱ロール側として供給した。また、この積層に
先立って、有孔フィルムの印刷面側および割繊維不織布
の表面を、100W/m2・minの出力にてコロナ処
理を行った。
【0053】以上の工程を経て、通気性包装材料を作製
した。
【0054】(実施例2)有孔フィルムとして、厚みが
20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いた他
は、実施例1と同様にして通気性包装材料を作製した。
なお、有孔フィルムの積層に際しては、熱ロールの温度
を150℃、ロールによって与えられる線圧を180N
/cmとした。
【0055】(比較例1)有孔フィルムの代わりに、目
付量30g/m2の和紙を用い、その片面にグラビア印
刷を施した。実施例1と同様に、透湿性フィルムと割繊
維不織布とを積層し、得られた積層体の割繊維不織布側
の面に、印刷が施された和紙を、熱ラミネート法により
積層して通気性包装材料を作製した。
【0056】実施例1,2および比較例1の各強度およ
び透湿度についての測定結果を表1にまとめる。
【0057】
【表1】
【0058】表1に示すように、実施例1および2は、
和紙を用いた比較例1と比べて引張り強度、引裂き強度
および突き刺し強度に優れ、かつ、乾燥剤を収納するの
に適した透湿度を有していた。また、実施例1および2
は、紙を用いていないので、擦り合わせても紙粉は発生
しなかった。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、通
気性を有しながらも機械的強度に優れ、しかも印刷面が
表面に露出しない包装材料とすることができる。したが
って、本発明の通気性包装材料は、脱酸素剤や乾燥剤な
どの包装に使用するのに適しており、本発明の通気性包
装材料を用いた包装体は、内容物による損傷の危険性も
極めて少なく、しかも、印刷インキの移行付着や最表層
の毛羽立ちもないので、安全かつ衛生的な包装体とする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による通気性包装材料の模
式的断面図である。
【図2】図1に示した通気性包装材料を用いた包装体の
一例の模式的断面図である。
【符号の説明】
1 通気性包装材料 2 有孔フィルム 2a 印刷層 3 強化材層 4 透湿性フィルム 5 包装体 6 機能性物品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E064 AA01 BA10 BA24 BA60 BB03 BC18 BC20 EA04 EA06 EA18 FA06 HD07 HE01 3E068 AA40 CE03 EE10 EE37 3E086 AD01 BA04 BA15 BA43 BB02 BB05 BB15 BB47 CA29 4F100 AK01A AK03B AK04C AK42A AR00C AR00D BA03 BA04 BA07 BA10A BA10C CA11D CA12D DD32 DG11B DJ00A EJ38A GB15 HB31A JA04A JB16A JC00 JD02 JD04C JD15D JK01 JL00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片面に印刷が施された有孔フィルムと、
    前記有孔フィルムの印刷が施された面に積層された網状
    構造の強化材層と、前記強化材層に積層された透湿性フ
    ィルムとを有する、通気性包装材料。
  2. 【請求項2】 前記透湿性フィルムは、ポリオレフィン
    系樹脂からなる微多孔性フィルムである、請求項1に記
    載の通気性包装材料。
  3. 【請求項3】 前記強化材層は、ポリオレフィン系樹脂
    からなる割繊維不織布である、請求項1に記載の通気性
    包装材料。
  4. 【請求項4】 前記有孔フィルムは、前記透湿性フィル
    ムを構成する熱可塑性樹脂の融点よりも20℃以上高い
    融点を有する熱可塑性樹脂からなる、請求項1に記載の
    通気性包装材料。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    の通気性包装材料を少なくとも一部に用い、前記不織布
    層を外側にして脱酸素剤、乾燥剤、発熱剤、吸湿剤、脱
    臭剤、防虫剤、除湿剤または芳香剤を収納した包装体。
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