JP2003340951A - 通気性包装材料および包装体 - Google Patents

通気性包装材料および包装体

Info

Publication number
JP2003340951A
JP2003340951A JP2002153740A JP2002153740A JP2003340951A JP 2003340951 A JP2003340951 A JP 2003340951A JP 2002153740 A JP2002153740 A JP 2002153740A JP 2002153740 A JP2002153740 A JP 2002153740A JP 2003340951 A JP2003340951 A JP 2003340951A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
nonwoven fabric
packaging material
laminated
stretched
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002153740A
Other languages
English (en)
Inventor
Yorio Kumehara
偉男 粂原
Yukio Sugita
由喜雄 杉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Petrochemicals Co Ltd filed Critical Nippon Petrochemicals Co Ltd
Priority to JP2002153740A priority Critical patent/JP2003340951A/ja
Publication of JP2003340951A publication Critical patent/JP2003340951A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造が容易で、機械的強度が高く、かつ、印
刷面が表面に露出せず衛生面でも優れた通気性包装材料
を提供する。 【解決手段】 通気性包装材料1は、片面に印刷層2a
が形成された不織布層2と、不織布層2の印刷層2aが
形成された面に積層された網状構造の強化材層3と、強
化材層3に積層された透湿性フィルム4とを有する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通気性を有し、脱
酸素剤や乾燥剤などの包装に好適に用いられる通気性包
装材料およびこの通気性包装材料を用いた包装体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】加工食品の腐敗、変質、劣化などを防止
するために、脱酸素剤や乾燥剤などが多く用いられてい
る。この種の脱酸素剤や乾燥剤は、通気性を有する小袋
に包装されて、食品とともに収納されて用いられる。
【0003】脱酸素剤や乾燥剤を包装するのに用いられ
る包装材料としては、紙などの通気性を有する基材を表
層に用い、この基材の裏面に、ポリエチレン層を積層し
たもの、あるいは、格子網状物をポリエチレン層でサン
ドイッチした強化材層を積層したものが知られている。
そして、このような層構成を有する包装材料では、包装
材料全体としての通気性を確保するために、基材の裏面
に積層されたポリエチレン層または強化材層に、これら
を貫通するが基材までは貫通しない多数の細孔を形成し
ている。細孔は、熱針などによって形成される。また、
基材の表面には、包装されているものが脱酸素剤や乾燥
剤である旨を表示する印刷が施されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の包装材料では、基材の裏面に積層されたポリエ
チレン層または強化材層に熱針などによって細孔を形成
しているが、ポリエチレン層または強化材層のみに細孔
を形成するのは難しく、一部の細孔が基材を貫通してし
まうことがあった。細孔が基材を貫通すると、包装体の
内容物が外部に流出し、食品に付着してしまう。また、
ポリエチレン層または強化材層を基材に積層したあとに
細孔を形成しているので、細孔の形成不良が生じた場合
の材料のロスが大きく、結果的に製造コストが高くなっ
てしまう。
【0005】また、従来この種の包装材料では基材に紙
を用いており、実使用時においては、基材である紙は食
品と接触することになる。そのため、食品の輸送中に、
この包装材料で作られた包装体と食品とが擦られて紙粉
が発生する。紙粉が発生すると、これが食品に付着して
衛生上の問題が生じる。また、基材の表面には印刷が施
されているので、印刷用のインキが食品に付着するおそ
れがある。
【0006】印刷インキ工業連合会は、食品包装材料用
印刷インキの適正化を図り、内容食品の衛生的安全性を
保持することを目的として、「食品包装材料用印刷イン
キに関する自主規制」(NL規制)を制定している。し
かし、このNL規制でリストに挙げられていないインキ
を用いても安全性の確証はなく、同連合会は、「印刷面
が直接食品に接触する包装形態は、印刷インキが食品に
移行着色する場合もあり得るので避けるべきである」と
指摘している。
【0007】そのため、食品に直接接触する面に印刷す
る場合は、着色剤として食用色素を使用するとともに、
バインダーとして、食品に接触してもよい樹脂を使用し
たインキを用いている。このようなインキは高価であ
り、したがって包装材料も高価なものとなってしまう。
【0008】これを解決するために、基材の裏面に印刷
を施し、基材を通して印刷内容を認識させることが考え
られる。しかし、このためには基材の厚さを薄くするこ
とが必要となるが、それでも、印刷された文字が細かい
場合には基材を通しての判読は困難である。また、基材
を薄くすると、包装体の内容物が例えば乾燥剤である生
石灰である場合、その突起によって基材が突き破られ、
生石灰の微粉末が外部に流出して食品に付着してしまう
という問題が生じる。このことは、基材の裏面に強化材
層を積層した包装材料でも、生石灰の突起は強化材層の
格子網状体の開口部を通して基材を突き破ることができ
るので、同様に生じる。内容物の流出を防止するために
は、この突き刺し強度だけでなく、引張り強度や引裂き
強度といった機械的強度が高いことが重要である。
【0009】そこで本発明は、製造が容易で、機械的強
度が高く、かつ、印刷面が表面に露出せず衛生面でも優
れた、特に脱酸素剤や乾燥剤などを包装するのに好適に
用いられる通気性包装材料、およびこれを用いた包装体
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の通気性包装材料は、片面に印刷が施された不織
布層と、前記不織布層の印刷が施された面に積層された
網状構造の強化材層と、前記強化材層に積層された透湿
性フィルムとを有する。
【0011】本発明の通気性包装材料では、不織布層を
網状構造の強化材層で補強しているので、通気性を確保
しながらも機械的強度が向上したものとなる。また、そ
れぞれの層自体が通気性を有するので、細孔を形成する
必要もなく製造が容易である。さらに、印刷面が表面に
露出せず、印刷用のインキが他の物と接触することもな
いので、この通気性包装材料を食品用の包装に用いても
安全である。
【0012】本発明の包装体は、上記本発明の通気性包
装材料を少なくとも一部に用い、不織布層を外側にして
脱酸素剤、乾燥剤、発熱剤、吸湿剤、脱臭剤、防虫剤、
除湿剤または芳香剤を収納したものである。本発明の包
装体では、上述のように、包装材料が高い機械的強度を
有するので、内容物によって損傷し内容物が外部へ流出
する危険性は極めて少ない。また、最表層が不織布層で
あるので、毛羽立ちや屑の発生が少なく、衛生的であ
る。印刷情報は、不織布層の目付量を適宜設定すれば不
織布層を通して鮮明に認識可能である。
【0013】透湿性フィルムとしては、ポリオレフィン
系樹脂からなる微多孔性フィルムが好ましく用いられ
る。また、強化材層としては、ポリオレフィン系樹脂か
らなる割繊維不織布が好ましい。さらに、不織布層とし
ては、ポリプロピレンまたはポリエステルからなりフィ
ラメントが一方向に配列され延伸された一方向延伸配列
不織布、または該一方向延伸配列不織布をフィラメント
の配列方向が直交するように積層した直交積層不織布が
好ましく用いられる。
【0014】なお、本明細書において、「縦方向」と
は、不織布やフィルムなどを製造する際の機械方向すな
わち送り方向を意味し、また「横方向」とは、縦方向と
直角な方向すなわち不織布やフィルムなどの幅方向を意
味している。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0016】図1は、本発明の一実施形態による通気性
包装材料の模式的断面図である。図1に示すように、通
気性包装材料1は、不織布層2と、強化材層3と、透湿
性フィルム4とを有する。不織布層2の片面には印刷が
施され、これにより、不織布層2の片面に印刷層2aが
形成されている。また、強化材層3は、不織布層2の印
刷層2aが形成された面に積層され、透湿性フィルム4
は強化材層3に積層されている。不織布層2、強化材層
3および透湿性フィルム4はそれぞれ熱可塑性樹脂から
なり、不織布層2と強化材層3との積層、および強化材
層3と透湿性フィルム4との積層は、熱接着により行う
ことができる。
【0017】この通気性包装材料1を用いた包装体の一
例を図2に示す。図2に示すように、包装体5は、粉末
状あるいは粒状の脱酸素剤や乾燥剤などの機能性物品6
を内部に収容するものであり、透湿性フィルム4を内側
にして通気性包装材料1を2つ折りにし、周縁部を熱接
着することにより形成されている。そして、包装体5
は、食品の変質等を防止するために、食品とともに袋や
容器内に収納される。なお図2では、通気性包装材料1
の層構成をわかり易くするために、通気性包装材料1の
厚みを包装体5のサイズと比べて厚く表している。
【0018】次に、通気性包装材料1を構成する各層に
ついて詳細に説明する。
【0019】(1)不織布層 不織布層2には種々の不織布を用いることができるが、
特に、ポリプロピレンまたはポリエステルからなるフィ
ラメントを一方向に配列しその方向に延伸した一方向延
伸配列不織布や、2枚の一方向延伸配列不織布を縦横に
交差積層した直交積層不織布が好ましく用いられる。直
交積層不織布の例としては、日石プラスト(株)製のミ
ライフ(商品名)が挙げられる。
【0020】以下に、一方向延伸配列不織布および直交
積層不織布について説明する。
【0021】一方向延伸配列不織布は、前述のように、
フィラメントをその配列方向に延伸したものであり、こ
の方法によれば、紡糸段階では通常の不織布と同様に紡
糸されるが、これをフィラメントの配列方向に5〜8倍
に延伸することにより、フィラメントの繊度は主として
1.5dTex以下とされる。このように、フィラメン
トをその配列方向に延伸することで、延伸後の強度が向
上する。一方向延伸配列不織布を構成するフィラメント
は長繊維フィラメントである。
【0022】延伸一方向配列不織布には、タテ延伸不織
布とヨコ延伸不織布とがあり、本発明においてはこれら
の何れも使用することができる。タテ延伸不織布とは、
不織布を製造する際の送り方向であるタテ方向にフィラ
メントが配列され延伸された不織布であり、ヨコ延伸不
織布とは、不織布を製造する際の送り方向と直角な方向
であるヨコ方向にフィラメントが配列され延伸された不
織布である。
【0023】タテ延伸不織布としては、例えば、特開平
10−204767号公報に開示されている不織布を使
用することができる。以下に、タテ延伸不織布について
その製造方法とともに説明する。
【0024】まず、ダイスに設けられたノズルから押し
出されたフィラメントにドラフト張力を与え、これによ
ってフィラメントを細径化し、コンベア上に集積する。
このとき、ノズルを出た直後のフィラメント融液を積極
的に加熱し、またはノズル近傍(フィラメントがノズル
から紡出された直後の位置)の雰囲気温度を高温に維持
する。この間の温度はフィラメントの融点よりも十分に
高くし、フィラメントのドラフトによるフィラメントの
分子配向をできるだけ小さくする。
【0025】フィラメントにドラフト張力を与える方法
として、メルトブロー(MB)ダイスを使用する方法
や、狭義のスパンボンド(SB)法がある。ただし、通
常のMB法やSB法ではコンベア上でフィラメントがラ
ンダムに集積するので、ノズルから紡出されたフィラメ
ントに、霧状の水分を含むエア等をコンベアの搬送面に
対して斜めに噴射する。これによって、フィラメントの
タテ方向への配列および冷却が行われる。
【0026】このように、コンベアの搬送面に対して傾
斜させてフィラメントを紡糸することにより、フィラメ
ントをタテ方向に良好に配列させることができる。フィ
ラメントを搬送面に対して傾斜させる手段としては、ノ
ズル方向をコンベアに対して傾けることや、流体の補助
によりフィラメントを斜行させることや、コンベアをフ
ィラメントの紡出方向に対して傾斜させることなどが有
効である。これらは、単独で用いてもよいし、複数の手
段を適宜組み合わせて用いてもよい。なお、ノズル近傍
で流体を使用する場合は、流体は加熱されていることが
望ましい。また、ノズル近傍で流体を使用しない場合
は、フィラメントとノズル近傍で積極的に加熱する。こ
れは、フィラメントがドラフトにより細径化される際
に、できるだけ分子配向を伴わないようにするためであ
る。
【0027】上述したMB法およびSB法の何れの方法
においても、フィラメントをコンベアの搬送面に対して
傾斜させるために流体を使用しているが、この流体とし
ては、コンベア近傍では冷流体、特に霧状の水を含んだ
流体が最も望ましい。紡出されたフィラメントを急冷す
ることにより、結晶化を進行させないようにするためで
ある。結晶化が進むと延伸性が低下してしまう。また、
霧状の水を噴射することは、コンベア上に集積したウェ
ブをコンベア上に貼り付けさせる作用もあり、その結
果、紡糸の安定性、およびフィラメントの配列性の向上
により効果がある。
【0028】コンベア上に集積したウェブはタテ方向に
延伸され、これによりタテ延伸不織布とされる。ウェブ
をタテ方向に延伸することにより、フィラメントのタテ
方向への配列性をより向上させることができる。ウェブ
のタテ延伸には、1段で全延伸する場合もあるが、主に
多段延伸法が用いられている。多段延伸法においては、
1段目の延伸は紡糸直後の予備延伸として行われ、さら
にその後に延伸する2段目以降の延伸が主延伸として行
われている。
【0029】次に、ヨコ延伸不織布について説明する。
ヨコ延伸不織布としては、例えば、特公平3−3694
8号公報に開示されている不織布を使用することができ
る。
【0030】ヨコ延伸不織布を製造するには、まず、フ
ィラメントがほぼヨコ方向に配列したウェブを形成す
る。フィラメントがほぼヨコ方向に配列したウェブは、
紡糸ノズルより押し出されたフィラメントを、紡糸ノズ
ルの周囲に配したエア噴出孔からのエア噴射によりヨコ
方向に振らせ、コンベア上に集積させることによって形
成することができる。
【0031】紡糸ノズルの周囲からのエア噴射でフィラ
メントをヨコ方向に振らせるためには、紡糸ノズルの周
囲に、それぞれ紡糸ノズルを中心とした円周方向の成分
を持ってエアを噴射する複数(通常は3〜8個)の第1
のエア噴出孔を設け、さらに、これら第1のエア噴出孔
の外側に、噴射したエアがコンベアによるウェブの搬送
方向と平行な方向で互いに衝突するように配された2つ
の第2のエア噴出孔を設ける。紡糸ノズルから押し出さ
れたフィラメントは、第1のエア噴出孔からのエア噴射
によりスパイラル状に回転させられる。一方、第2のエ
ア噴出孔から噴射されたエアは、回転しているフィラメ
ントの通過経路上で互いに衝突し、コンベアによる搬送
方向と直角すなわちヨコ方向に広がる。回転しているフ
ィラメントは、このエアの勢いでヨコ方向に散らされ
る。これにより、コンベア上には、ヨコ方向に配列成分
が多い状態でフィラメントが集積される。
【0032】このようにして得られたウェブは、ヨコ方
向に延伸される。ウェブをヨコ方向に延伸する方法とし
ては、テンター方式やプーリ方式などが挙げられる。テ
ンター方式は、フィルムなどを拡幅する方式として一般
に用いられるが、広い床面積が必要なこと、および製品
幅や拡幅倍率の変更が困難である。不織布は用途に応じ
て製品幅を自由に変える必要があり、また、原料の厚さ
等に応じて延伸倍率を変更しなければならない。そこ
で、これらの変更を運転操作中でも簡単に行えるプーリ
方式を用いるのが好ましい。
【0033】プーリ方式による延伸装置は、ウェブの両
側端部を把持するためにウェブの幅方向に間隔をあけて
配置された一対のプーリとベルトとを有する。プーリ
は、ウェブの幅方向の中心線に対して左右対称にその外
周が末広がりの軌道を持つように配置され、それぞれ同
一周速で回転される。一方、ベルトは各プーリに対応し
て張力下で掛け回されており、このベルトの一部位が、
プーリの間隔の狭まった位置から広がった位置にわたる
領域にかけて、それぞれプーリの外周端面に形成された
溝にはめ込まれている。
【0034】ウェブは、プーリの間隔の狭まった箇所か
ら導入され、両側端部がプーリとベルトとにより把持さ
れる。プーリの回転に伴い、ウェブはベルトとの間で把
持されながら一対のプーリが作る末広がりの軌道を通
り、これによりウェブはヨコ方向に延伸される。この間
の加熱は、熱水や熱風が利用できる。
【0035】以上のようにして、フィラメントがヨコ方
向に配列され延伸されたヨコ延伸不織布が得られる。
【0036】一方向延伸配列不織布の代表的な製造方法
について、タテ延伸不織布およびヨコ延伸不織布を例に
挙げて説明したが、一方向延伸配列不織布の製造方法は
上述した方法に限定されるものではなく、フィラメント
をほぼ一方向に配列し、かつフィラメントをその配列方
向に延伸することができる方法であれば任意の方法を利
用することができる。
【0037】次に、直交積層不織布について説明する。
直交積層不織布は、2枚の一方向延伸配列不織布をその
フィラメントの配列方向を交差(好ましくは直交)させ
て積層したものである。このように、フィラメントの配
列方向を交差させて積層することにより、タテ方向と横
方向の強度のバランスに優れた不織布とすることができ
る。
【0038】一方向配列配列不織布には、前述したよう
にタテ延伸不織布とヨコ延伸不織布とがあるが、直交積
層不織布を構成するためには、フィラメントの配列方向
が互いに交差するように積層されていれば、これらの何
れも使用することができ、また組み合わせも任意であ
る。ただし、タテ延伸不織布とヨコ延伸不織布との組み
合わせとする場合には、これらはそのまま用いるのが望
ましい。これにより、タテ延伸不織布とヨコ延伸不織布
とを積層する際に、両者をそのまま繰出して、繋ぎ目の
ない連続した均一な直交積層不織布を得ることができ
る。また、予めタテ延伸不織布を作製しておき、ヨコ延
伸不織布の製造段階で、タテ延伸不織布を繰出しながら
このタテ延伸不織布上にヨコ延伸不織布を作製し、これ
らを積層することで、直交積層不織布を効率よく製造す
ることができる。
【0039】直交積層不織布を製造する際の一方向延伸
配列不織布同士の積層には、エンボス法や、熱ロールを
用いた圧着法を用いることができる。ただし、直交積層
不織布への印刷性を考慮すると、一方向延伸配列不織布
同士の積層方法としては、表面に凹凸が形成されない熱
ロールによる圧着が好ましい。熱ロールによる一方向延
伸配列不織布同士の圧着は、一方向延伸配列不織布を構
成する樹脂の融点よりも30〜130℃低い温度で行う
のが好ましい。なお、熱ロールによる圧着では、一方向
延伸配列不織布が強固に一体化されるには至らないが、
強化材層3との熱接着工程で一方向延伸配列不織布同士
を強固に一体化することができる。したがって、直交積
層不織布の製造段階では、一方向延伸配列不織布は、強
化材層3との熱接着が終了するまでの間、積層状態を維
持することができる程度に一体化されていれば十分であ
る。
【0040】以上、不織布層2の具体的な例について説
明したが、上述した不織布は、連続した長繊維によって
構成されているため、包装材料の表層に使用しても毛羽
立ちが少ない。特に、一方向延伸配列不織布は、一般の
スパンボンド法によって製造されるスパンボンド不織布
に比べて長繊維が整然と一方向に配列しているため、表
面平滑性に優れ、印刷特性が良好である。したがって、
カレンダー処理などの後処理によって表面を平滑にする
ことなく印刷を行うことができる。また、一方向延伸配
列不織布は、延伸を行っていることによりその繊維径は
一般的なスパンボンド不織布のそれと比べて細く、5〜
15μmである。そのため一方向延伸配列不織布は、単
位面積当たりに占める繊維本数が多く、目付けむらの少
ない均質な不織布となり、細かい印刷文字でも鮮明に印
刷することが可能である。また、2枚の一方向延伸配列
不織布を互いに交差させて積層した直交積層不織布は、
縦方向と横方向の強度バランスに優れ、しかも長繊維を
延伸しているので高い強度を有する。
【0041】不織布層2の目付量は、好ましくは5〜5
0g/m2、より好ましくは10〜30g/m2である。
目付量が5g/m2未満では、印刷性に劣り強度も小さ
いため実用化は難しい。一方、目付量が50g/m2
越えると、不織布層2の厚みが厚くなり過ぎるため、印
刷層2aを不織布層2の表面側から認識することが困難
になるとともに、コストも上昇する。
【0042】不織布層2の裏面に印刷層2aを形成し、
透湿性フィルム4を内側にして包装体5を形成すること
で、印刷層2aは包装体5の表面に露出せず、包装体5
を食品とともに収納しても、印刷用のインキが食品と接
触することはない。したがって、印刷層2aを形成する
際には、印刷インキ工業連合会の制定するNL規制に適
合する、包装材料への印刷に一般に使用されているイン
キを使用することができる。その結果、従来のように特
殊なインキを使用する必要がなくなるので、不織布層2
との密着性に優れたインキを使用して任意の色調で印刷
層2aを形成することができる。また、安価なインキを
使用できるので、通気性包装材料1を安価に製造するこ
とができる。印刷層2aの形成には、グラビア印刷、オ
フセット印刷、フレキソ印刷、あるいはスクリーン印刷
など、種々の印刷法が適用可能である。
【0043】(2)強化材層 強化材層3としては、通気性を確保しかつ不織布層2を
補強しうる強度を有するものであれば種々のものを用い
ることができるが、好ましくは格子網状体、例えば日石
プラスト(株)が日石ワリフ(商品名)という名称で販
売している割繊維不織布を用いることができる。
【0044】割繊維不織布は、ポリオレフィン系樹脂か
らなるフィルムに多数のスリットを形成し、これを一方
向に延伸して網状フィルムを形成し、延伸方向が直交す
るように2枚の網状フィルムを重ね合わせて熱接着する
ことによって得られた不織布である。割繊維不織布は、
2枚の網状フィルムをその延伸方向が直交するように積
層しているので、縦方向と横方向の強度バランスに優れ
ている。また、割繊維不織布は、網状構造であるので十
分な通気性を有する。
【0045】強化材層3に割繊維不織布を用いた場合、
その目付量は、機械的強度や製造コストの点から、好ま
しくは10〜100g/m2、より好ましくは12〜4
0g/m2である。使用するフィルムとしては、熱接着
に適した、低融点樹脂層/高融点樹脂層/低融点樹脂層
の3層構造のフィルムが好ましい。特に、透湿性フィル
ム4との熱接着性を考慮すると、割繊維不織布の基とな
るフィルムを構成する樹脂は、透湿性フィルム4と同質
の樹脂であることが好ましい。例えば透湿性フィルム4
をポリエチレンで構成した場合、割繊維不織布の基とな
るフィルムは、低融点樹脂層に低密度ポリエチレンを用
い、高融点樹脂層に高密度ポリエチレンを用いることが
好ましい。フィルムの延伸倍率は、1.1〜15倍が好
ましい。延伸倍率が1.1倍未満では、不織布としたと
きの機械的強度が十分でない。一方、延伸倍率が15倍
を超える場合は、通常の方法で延伸することが難しく、
高価な装置を必要とするなどの問題が生ずる。
【0046】以上、強化材層3に好適に用いられる格子
網状体として、2枚の網状フィルムを積層した割繊維不
織布について説明したが、不織布層2を一方向延伸配列
不織布で構成した場合には、縦方向と横方向の強度バラ
ンスを保つために、強化材層3として、1枚の網状フィ
ルムを、その延伸方向が一方向延伸配列不織布のフィラ
メントの配列方向と直交するように用いてもよい。すな
わち、不織布層2としてタテ延伸不織布を用いた場合に
は強化材層3として横方向に延伸した網状フィルムを用
い、不織布層2としてヨコ延伸不織布を用いた場合には
強化材層3として縦方向に延伸した網状フィルムを用い
る。
【0047】また、格子網状体としては、この他に、ポ
リエチレンあるいはポリプロピレンからなるネット状物
を用いることもできる。ネット状物としては、積水フィ
ルム(株)製のソフネット、ソフクロス(いずれも商品
名)、クラボウ社製のクレネット(商品名)、コンウェ
ッド社製のコンウェッドネット(商品名)などが挙げら
れる。
【0048】(3)透湿性フィルム 透湿性フィルム4としては、ポリオレフィン系樹脂から
なる微多孔性フィルムを用いることができる。包装体5
を製造する際は、透湿性フィルム4同士を熱接着するの
で、熱接着性の観点からは、ポリオレフィン系樹脂の中
でも特にポリエチレン系樹脂が好ましい。
【0049】微多孔性フィルムの製造方法としては、公
知の方法を用いることができる。例えば、ポリオレフィ
ン系樹脂に、無機充填剤、有機充填剤、または可塑剤な
どを含有させてフィルムを作り、得られたフィルムから
充填剤や可塑剤などを、溶剤を用いて溶出させて微多孔
構造を形成する方法や、無機充填剤または有機充填剤を
含有させたポリオレフィン系樹脂製フィルムを少なくと
も1軸方向に延伸して微多孔構造を形成する方法が挙げ
られる。
【0050】ポリオレフィン系樹脂としては、高密度ポ
リエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン‐α‐オレ
フィン共重合体、高圧法低密度分岐ポリエチレン、ポリ
プロピレン、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体
あるいはこれらのポリオレフィンの混合物などを用いる
ことができ、中でもポリエチレン系樹脂が好ましい。
【0051】ポリオレフィン系樹脂に含有させる無機充
填剤としては、炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオ
リン、シリカ、珪藻土、炭酸マグネシウム、炭酸バリウ
ム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ア
ルミニウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化マグネシ
ウム、酸化チタン、マイカ、アルミナ、ゼオライト、ガ
ラス粉などが挙げられる。また、有機充填剤としては、
木粉、セルロース粉、高融点樹脂粉、架橋樹脂粉などが
挙げられる。
【0052】充填剤の平均粒径は、通常は30μm以
下、好ましくは0.2〜10μmの範囲である。粒径が
小さすぎると、分散性、成形性が悪くなり、大きすぎる
と、延伸フィルムの微多孔の緻密性が悪くなる。これら
の充填剤は、ポリオレフィン系樹脂への分散性およびフ
ィルムの延伸性を向上させるため、脂肪酸または脂肪酸
金属塩などで表面処理してもよい。
【0053】充填剤の含有量は、ポリオレフィン系樹脂
100質量部に対して、20〜400質量部、好ましく
は40〜300質量部である。充填剤の含有量が20質
量部未満であると、フィルムを延伸したときに微多孔が
十分に形成されず必要な透湿性が得られにくい。また、
400質量部を超えると、混練性、分散性、フィルムの
製膜性が低下するとともに、強度も低下する場合もあ
る。
【0054】ポリオレフィン系樹脂は、所定量の充填
剤、各種添加剤とともに、混練押出機などを用いてペレ
ット化される。このペレットを用いて、Tダイ押出成形
機、インフレーション成形機などを用いて製膜される。
製膜されたフィルムは、少なくとも一軸方向に1.5〜
10倍程度に延伸される。
【0055】フィルムの延伸は、ポリオレフィン系樹脂
の融点よりも100℃低い温度から、融点よりも20℃
低い温度の範囲で実施される。この延伸によって、フィ
ルムの強度が向上するとともに、微多孔が形成される。
このようにして得られた微多孔性フィルムの厚みは10
〜200μm、好ましくは15〜100μmの範囲であ
る。
【0056】透湿性フィルム4の透湿度は、通気性包装
材料1の用途や、強化材層3の種類、不織布層2の種類
によって適宜選定される。透湿性フィルム4は、熱接着
により強化材層3に積層されるので、積層後の透湿性フ
ィルム4の透湿度は、それ本来の持つ透湿度よりも小さ
くなる。この点を考慮すると、透湿性フィルム4の透湿
度は、300〜10000g/m2・24Hの範囲のも
のを用いるのが好ましい。
【0057】以上説明したように、本実施形態の通気性
包装材料1によれば、包装体5としたときの最表層とな
る基材を不織布層2とし、これを網状構造の強化材層3
で補強することで、通気性を確保しながらも、従来のよ
うに紙と強化材層とを積層した包装材料と比べて、引張
り強度、引裂き強度、突き刺し強度などの機械的強度に
優れた通気性包装材料1とすることができる。
【0058】したがって、通気性包装材料1は、包装体
5とされたときに内部に収納された機能性物品6による
損傷も生じにくく、食品用の脱酸素剤や乾燥剤以外に、
活性炭や木炭など重量の大きな内容物を収納する大型の
包装材料としても有効に利用できる。また、通気性包装
材料1は、最表層が不織布層2で構成されているので、
従来のように紙粉は発生せず衛生的である。しかも、不
織布層2の目付量を適宜調整することにより、不織布層
2の表面側からでも印刷情報を鮮明に認識することがで
きる。
【0059】特に、不織布層2として直交積層不織布を
用いるとともに、強化材層3として割繊維不織布を用い
ることで、これらは何れも縦方向および横方向に繊維が
配列されているので、縦方向と横方向での強度バランス
にも優れ、しかも引張り強度および引裂き強度をより向
上させることができる。また、直交積層不織布は緻密な
長繊維が均一に配列されて構成されるので、不織布層2
として直交積層不織布を用いることにより、突き刺し強
度をより向上させることができる。したがって、機能性
物品6が、石灰や木炭など、硬くかつ突起を有する形状
のもので、しかも、機能性物品6を多く含む大型の包装
体5に通気性包装材料1を使用しても、機能性物品6が
通気性包装材料1を突き破って外部に流出することはな
く、安全である。
【0060】また、通気性包装材料1は、通気性包装材
料1を構成する各層がそれ自体で通気性を有しており、
従来のように細孔を形成する必要はない。したがって、
通気性包装材料1の製造は、各層を積層するだけでよい
ので容易である。さらに、通気性包装材料1は細孔が不
要であり、しかも最内層には透湿性フィルム4が積層さ
れているので、包装体5が水に濡れても、水が包装体5
の内部にしみ込むことはない。そのため、機能性物品6
として石灰などの乾燥剤を収納した場合に、乾燥剤が水
と反応して発熱し、最悪の場合には周囲の部材に引火し
て火災に至るという危険性もない。
【0061】以上説明した不織布層2、強化材層3、お
よび透湿性フィルム4は、前述したように、熱接着によ
り積層される。この熱接着は、3層を同時に行ってもよ
いし、透湿性フィルム4と強化材層3とを熱接着した
後、これに不織布層2を熱接着してもよい。熱接着は、
熱接着の対象となる層を重ねあわせ、これを、熱接着に
適した所定の温度に設定された金属製の熱ロールと耐熱
性ゴムロールとの間を通過させて行う。透湿性フィルム
4と強化材層3との積層には、熱エンボス法を用いるこ
ともできる。
【0062】また、熱接着の際に、互いの接着表面にコ
ロナ処理、オゾン処理、またはフレーム処理といった前
処理を施すと、接着強度が向上する。この方法は特に、
素材が異なる層を積層するときに有効である。このよう
な前処理を施すと、互いの接着表面に極性基が付与さ
れ、これによって密着力が向上するためであると考えら
れる。また、一般に直径が数十μmの繊維で構成された
不織布と熱可塑性樹脂からなる層とを熱接着により積層
すると、熱可塑性樹脂が融解して不織布の繊維間に入り
込み、この状態で冷却固化される。不織布の熱接着で
は、こうした不織布表面での凹凸形状に由来した、熱可
塑性樹脂のアンカーリングによっても接着強度が向上す
るものと考えられる。
【0063】このように、通気性包装材料1を構成する
各層の積層は熱接着により積層され、接着剤は不要であ
る。したがって、通気性包装材料1は、臭気のない良好
な作業環境で、簡便かつ安価に製造される。
【0064】各層の積層条件(温度、圧力、送り速度な
ど)は、透湿性フィルム4の種類、強化材層3の種類、
不織布層2の種類、各層を構成する樹脂の融点、および
隣接する層間での樹脂の融点差などを考慮して適宜選定
される。一例を示すと、熱ロールの温度は90〜200
℃、好ましくは110〜180℃、ロールによって与え
られる線圧は100〜500N/cm、好ましくは20
0〜400N/cmである。重要な点は、透湿性フィル
ム4の透湿性能を著しく低下させない条件設定を行うこ
とである。透湿性フィルム4を構成する樹脂の融点に近
い温度かつ高圧で積層すると、透湿性フィルム4の微孔
が塞がり透湿性能が低下するおそれがある。
【0065】通気性包装材料1には、包装体5とされた
ときに、その中に収納される機能性物品6が、それが持
つ機能を発揮するのに必要な、適度な通気性および透湿
性が必要である。この通気性および透湿性は、機能性物
品6の種類や包装体5のサイズなど用途によって異な
り、特に限定されるものではない。一般的には、透湿度
が50g/m2・24H以上であり、かつ、機能性物品
6が漏洩するおそれがないことが求められる。
【0066】本発明の通気性包装材料は、脱酸素剤、乾
燥剤、吸湿剤、消臭剤、発熱剤、防虫剤、除湿剤または
芳香剤などの機能性物品の包装に好適に利用できる。こ
れらの機能性物品を収納する包装体は、機能性物品が機
能すればどのような形態でもよい。包装体が袋の形態で
ある場合には、通気性包装材料は、その袋の一部分、片
面、または全体に使用される。通気性包装材料で袋全体
を構成する場合、袋の形成は、シート材から袋を形成す
る一般的な製袋包装機を用いることができる。
【0067】
【実施例】次に、本発明の代表的な実施例について比較
例とともに説明する。
【0068】ここでは、以下の実施例1、2に示す方法
で通気性包装材料を作製し、それぞれについて、縦方向
および横方向の引張り強度、縦方向および横方向の引裂
き強度、突き刺し強度、および透湿度を測定した。引張
り強度は、JIS P 8113(1998)に準拠して
測定した。引裂き強度は、JIS L 1085(199
8)に準拠して測定した。突き刺し強度は、食品衛生法
「器具及び容器包装の規格基準 突き刺し強度試験」に
準拠して測定した。この試験は、直径が1mmで先端が
0.5Rの球形になっている針を試料面に突き刺し、針
が貫通するまでの最大荷重をNで表したものである。透
湿度は、JIS Z 0208(カップ法)に準拠して測
定した。また、比較のため、不織布層の代わりに和紙を
用いて通気性包装材料を作製し(比較例1)、同様に引
張り強度、引裂き強度、突き刺し強度、および透湿度を
測定した。
【0069】(実施例1)不織布層として、ポリエステ
ル製の直交積層不織布である「ミライフ」(日石プラス
ト(株)製、商品名)の品番T20(目付量20g/m
2)を用い、その片面に、グラビア印刷により必要な印
刷を行った。直交積層不織布には何ら前処理は行わなか
った。
【0070】次いで、透湿性フィルム層として、無機フ
ィラーを含有した延伸PE透湿性フィルムである「ポー
ラム」((株)トクヤマ製、商品名)の、厚みが35μ
mのものを用いるとともに、強化材層として、ポリエチ
レン製の割繊維不織布である「日石ワリフ」(日石プラ
スト(株)製、商品名)の品番SS(T)(目付量19
g/m2)を用い、両者を積層した。透湿性フィルムと
割繊維不織布との積層は、両者を重ね合わせて熱ロール
と耐熱ゴム製ロールとの間に供給する熱ラミネート法に
よって行った。積層条件は、熱ロールの温度を130
℃、ロールによって与えられる線圧を200N/cm、
送り速度を20m/minとした。また、ロールへの透
湿性フィルムおよび割繊維不織布の供給は、透湿性フィ
ルムを熱ロール側として行った。
【0071】次いで、積層した透湿性フィルムと割繊維
不織布の、割繊維不織布側の面に、印刷を施した直交積
層不織布を、印刷した面を内側として、熱ラミネート法
によって積層した。積層条件は、熱ロールの温度を15
0℃、ロールによって与えられる線圧を200N/c
m、送り速度を20m/minとした。ロールへは、直
交積層不織布を熱ロール側として供給した。また、この
積層に先立って、直交積層不織布の印刷面側および割繊
維不織布の表面を、100W/m2・minの出力にて
コロナ処理を行った。
【0072】以上の工程を経て、通気性包装材料を作製
した。
【0073】(実施例2)不織布層として、ポリエステ
ル製の直交積層不織布である「ミライフ」(日石プラス
ト(株)製、商品名)の品番TY1010E(目付量2
0g/m2を用いた他は、実施例1と同様にして通気性包
装材料を作製した。
【0074】(比較例1)不織布層として、目付量30
g/m2の和紙を用い、その片面にグラビア印刷を施し
た。実施例1と同様に、透湿性フィルムと割繊維不織布
とを積層し、得られた積層体の割繊維不織布側の面に、
印刷が施された和紙を、熱ラミネート法により積層して
通気性包装材料を作製した。
【0075】実施例1,2および比較例1の各強度およ
び透湿度についての測定結果を表1にまとめる。
【0076】
【表1】 表1に示すように、実施例1および2は、不織布層に和
紙を用いた比較例1と比べて引張り強度、引裂き強度お
よび突き刺し強度に優れ、かつ、乾燥剤を収納するのに
適した透湿度を有していた。また、実施例1および2
は、紙を用いていないので、擦り合わせても紙粉は発生
しなかった。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、通
気性を有しながらも機械的強度に優れ、しかも印刷面が
表面に露出しない包装材料とすることができる。したが
って、本発明の通気性包装材料は、脱酸素剤や乾燥剤な
どの包装に使用するのに適しており、本発明の通気性包
装材料を用いた包装体は、内容物による損傷の危険性も
極めて少なく、しかも、印刷インキの移行付着や最表層
の毛羽立ちも少ないので、安全かつ衛生的な包装体とす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による通気性包装材料の模
式的断面図である。
【図2】図1に示した通気性包装材料を用いた包装体の
一例の模式的断面図である。
【符号の説明】 1 通気性包装材料 2 不織布層 2a 印刷層 3 強化材層 4 透湿性フィルム 5 包装体 6 機能性物品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D04H 3/04 D04H 3/04 Z Fターム(参考) 3E068 AA21 AB05 DD17 EE10 EE17 EE37 3E086 AB01 AC07 AD01 BA04 BA15 BA19 BA23 BA42 BB02 BB05 BB15 BB47 BB62 CA29 DA08 4F100 AK03B AK03C AK07A AK41A AR00C AR00D BA03 BA04 BA07 BA10A BA10C CA11D CA12D DD32 DG11B DG15A EJ37A GB15 HB31A JC00 JD02 JD15D JK01 JL00 JN01C 4L047 AA14 AA21 AB03 BA09 BD02 CA05 CB01 CB08 CC16

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片面に印刷が施された不織布層と、前記
    不織布層の印刷が施された面に積層された網状構造の強
    化材層と、前記強化材層に積層された透湿性フィルムと
    を有する、通気性包装材料。
  2. 【請求項2】 前記透湿性フィルムは、ポリオレフィン
    系樹脂からなる微多孔性フィルムである、請求項1に記
    載の通気性包装材料。
  3. 【請求項3】 前記強化材層は、ポリオレフィン系樹脂
    からなる割繊維不織布である、請求項1に記載の通気性
    包装材料。
  4. 【請求項4】 前記不織布層は、ポリプロピレンまたは
    ポリエステルからなりフィラメントが一方向に配列され
    延伸された一方向延伸配列不織布、または該一方向延伸
    配列不織布をフィラメントの配列方向が直交するように
    積層した直交積層不織布である、請求項1に記載の通気
    性包装材料。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    の通気性包装材料を少なくとも一部に用い、前記不織布
    層を外側にして脱酸素剤、乾燥剤、発熱剤、吸湿剤、脱
    臭剤、防虫剤、除湿剤または芳香剤を収納した包装体。
JP2002153740A 2002-05-28 2002-05-28 通気性包装材料および包装体 Pending JP2003340951A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002153740A JP2003340951A (ja) 2002-05-28 2002-05-28 通気性包装材料および包装体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002153740A JP2003340951A (ja) 2002-05-28 2002-05-28 通気性包装材料および包装体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003340951A true JP2003340951A (ja) 2003-12-02

Family

ID=29770706

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002153740A Pending JP2003340951A (ja) 2002-05-28 2002-05-28 通気性包装材料および包装体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003340951A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008200967A (ja) * 2007-02-20 2008-09-04 Buruneezu Kk 着色木粉の製造方法、着色木粉、色彩面、模様面または絵柄面の製造方法及び色彩面、模様面または絵柄面
JP2009241974A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Dainippon Printing Co Ltd 包装材及びそれを用いた包装袋
JP2017193366A (ja) * 2016-04-22 2017-10-26 日本製紙クレシア株式会社 包装材

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008200967A (ja) * 2007-02-20 2008-09-04 Buruneezu Kk 着色木粉の製造方法、着色木粉、色彩面、模様面または絵柄面の製造方法及び色彩面、模様面または絵柄面
JP4651118B2 (ja) * 2007-02-20 2011-03-16 ブルネエズ株式会社 着色木粉の製造方法、着色木粉、色彩面、模様面または絵柄面の製造方法及び色彩面、模様面または絵柄面
JP2009241974A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Dainippon Printing Co Ltd 包装材及びそれを用いた包装袋
JP2017193366A (ja) * 2016-04-22 2017-10-26 日本製紙クレシア株式会社 包装材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20040077248A1 (en) Laminate for packaging and package
US7919171B2 (en) Lidding for a child-resistant blister package
US9174420B2 (en) Breathable film with internal viral and alcohol barrier layer
JP2018528108A (ja) 微孔質通気性フィルムおよび微孔質通気性フィルムの形成方法
KR20200039818A (ko) 중합체 필름 및 중합체 필름의 제조 방법
JP5070560B2 (ja) 通気性包装材料及び包装体
JP2004216701A (ja) 通気性包装材料および包装体
JP2003340950A (ja) 通気性包装材料および包装体
JP2003340951A (ja) 通気性包装材料および包装体
US6375603B1 (en) Bag for packing powder, method of producing the same and method of producing film having holes constituting the bag
JP6393571B2 (ja) 通気性包装材料
JP6502132B2 (ja) 耐油性通気性包装材料
JP2016043514A (ja) 通気性包装材料
JP4679039B2 (ja) 包装材料、当該包装材料からなる包装袋、及び当該包装材料の製造方法
JP2001354274A (ja) 透湿防水包装用材料および包装体
JP2004009510A (ja) ヒートシール性を有する通気性包装材料および包装体
WO2019181848A1 (ja) 通気性包装材料、包装体及びその製造方法
JP2004148677A (ja) 通気性包装材料および包装体
JP6068107B2 (ja) 透湿防水シート
JP2004330522A (ja) 積層体
TW573090B (en) Laminate for packaging and package
JP2007119006A (ja) 透湿性を有するフレキシブルコンテナ
JP2004050729A (ja) 適度な通気性を有する積層体およびその製造方法
CN113549231B (zh) 透湿防水膜、透湿防水织物及其制法
JP2004009509A (ja) ヒートシール性を有する通気性包装材料および包装体