JP5069617B2 - 偏心型減速機 - Google Patents

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本発明は、ピン内歯に噛み合う複数の外歯歯車がクランク軸の回転に伴い偏心して回転するとともに、クランク軸の偏心部及び中間部が軸受により回転自在に保持された偏心型減速機に関する。
各種産業用機械等においては、大きい減速比を実現可能な減速機として偏心型減速機が用いられている。このような偏心型減速機として、ピン内歯に噛み合う複数の外歯歯車がクランク軸の回転に伴い偏心して回転するとともに、クランク軸の偏心部及び中間部が軸受により回転自在に保持された偏心型減速機が知られている(特許文献1を参照)。この特許文献1に開示された偏心型減速機においては、ピニオン(44)として形成された2つの外歯歯車が、ピン内歯(内歯ピン(31))と噛み合い、クランク軸(48)の回転に伴い偏心して回転する。また、クランク軸(48)の2つの偏心部(48a)は、それぞれ外歯歯車に対してころ軸受(50)を介して回転自在に保持されている。そして、両偏心部(48a)の間に配置された大径部(48b)として形成されたクランク軸(48)の中間部は、ころ軸受(54)により回転自在に保持されている。
特開2007−85524号公報(第5−9頁、第1図、第5−6図)
特許文献1に開示された偏心型減速機では、クランク軸の偏心部及び中間部がころ軸受によって回転自在に保持されている。そして、特許文献1の図5及び図6においてとくに明瞭に開示されているように、これらのころ軸受においては、ころ部材が保持器によって保持されている。このような保持器によってころ部材を保持する軸受においては、保持器を設けるために、配置することができるころ部材の数が制限されることになる。これに対し、クランク軸の偏心部及び中間部を保持する軸受において配置可能なころ部材の数の制限を緩和する観点から、保持器を省略することが考えられる。
しかしながら、上述のように保持器を省略する場合には、クランク軸の軸方向におけるころ部材の位置を規定するための構造が別途必要になる。保持器以外の手段によってころ部材の位置を規定する構造としては、クランク軸が挿入される形状に形成されてころ部材の両端部にそれぞれ当接するワッシャーをころ部材の位置を規定する規定部材として設けることができる。しかし、この場合、中間部と偏心部との間においては、中間部及び偏心部のそれぞれの形状に対応した形の異なる規定部材としての2枚のワッシャーを配置することが必要となる。このため、中間部及び偏心部が軸受により保持されたクランク軸を偏心型減速機に配設するための組み立ての際における手間が増加して組み立て作業性が悪化し、組み立て工数の増大を招いてしまうという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みることにより、クランク軸の偏心部及び中間部が軸受により回転自在に保持される偏心型減速機において、軸受に配置可能なころ部材の数を増やすことができるとともに、組み立て工数の低減を図ることができる、偏心型減速機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための第1発明に係る偏心型減速機は、ケースと、前記ケースの内周に配置され、ピン状の部材として形成された複数のピン内歯と、前記ケースに収納されるとともに、前記ピン内歯に噛み合う外歯が外周に設けられた第1外歯歯車及び第2外歯歯車と、前記第1外歯歯車及び前記第2外歯歯車に形成されたクランク用孔を貫通し、回転することで前記第1外歯歯車及び前記第2外歯歯車を偏心させて回転させるクランク軸と、前記クランク軸に形成され、前記クランク用孔に配置されるとともに当該クランク軸の回転中心線に対して偏心するよう設けられた第1偏心部及び第2偏心部と、前記第1偏心部を前記クランク用孔において前記第1外歯歯車に対して回転自在に保持する第1外歯用軸受と、前記第2偏心部を前記クランク用孔において前記第2外歯歯車に対して回転自在に保持する第2外歯用軸受と、前記クランク軸の一端側を回転自在に保持する基部キャリアと、前記クランク軸の他端側を回転自在に保持する端部キャリアと、前記基部キャリアと前記端部キャリアとの間に配置され、前記基部キャリアと前記端部キャリアとを連結する支柱と、前記基部キャリアに固定され、ピニオンが取り付けられる出力軸と、前記第1外歯歯車と前記第2外歯歯車との間に配置され、前記クランク軸の中間部を回転自在に保持する中間軸受と、を備えている。そして、第1発明に係る偏心型減速機は、前記中間部が挿入される第1空隙部と、前記第1空隙部の中心位置に対して偏心するよう設けられるとともに前記第1偏心部が挿入される第2空隙部と、が形成され、前記第1外歯用軸受と前記中間軸受との間に配置される第1中間規定部材と、前記第1外歯用軸受に対してその一端側に当接する第1規定部材と、を更に備え、前記第1中間規定部材と前記第1規定部材とによって、前記第1外歯用軸受の前記クランク軸の軸方向における位置が規定されることを特徴とする。
この発明によると、中間部が挿入される第1空隙部と第1偏心部が挿入される第2空隙部とが形成された第1中間規定部材が第1外歯用軸受と中間軸受との間に配置され、第1規定部材が第1外歯用軸受の一端側に当接するよう配置される。そして、第1中間規定部材と第1規定部材との間に配置される第1外歯用軸受のクランク軸の軸方向における位置が、これらの規定部材によって規定される。このため、第1外歯用軸受におけるころ部材を保持するための保持器を設ける必要がなく、第1外歯用軸受におけるころ部材の数を増やし、ころ部材の充填率を増大させることができる。また、第1中間規定部材には、中間部が挿入される第1空隙部とこの第1空隙部に対して偏心するとともに第1偏心部が挿入される第2空隙部とが形成されている。このため、中間部と第1偏心部との間においては、第1外歯用軸受の位置を規定する規定部材として、1つの第1中間規定部材のみを配置すればよいことになる。これにより、中間部及び偏心部が軸受により保持されたクランク軸を偏心型減速機に配設するための組み立ての際における手間が軽減され、組み立て作業性が向上し、組み立て工数が低減されることになる。
従って、本発明によると、偏心部を保持する軸受に配置可能なころ部材の数を増やすことができるとともに、組み立て工数の低減を図ることができる、偏心型減速機を提供することができる。
更に、発明に係る偏心型減速機は、前記第1中間規定部材における前記第1空隙部と前記第2空隙部との間には、当該第1空隙部に前記中間部が挿入される方向と当該第2空隙部に前記第1偏心部が挿入される方向とに直交する面に配置される面部分を含んで形成された第1段部が設けられ、前記第1段部は、前記クランク軸において前記第1偏心部から前記中間部へ拡径しながら連続するよう形成された第1拡径段部に対して当接すること特徴とする。
この発明によると、第1空隙部及び第2空隙部にクランク軸が挿入される方向と直交する面部分を含む第1段部が、第1偏心部と中間部との間の第1拡径段部に当接することで、第1中間規定部材のクランク軸に対する位置が規定されることになる。このため、この第1中間規定部材によって位置が規定される第1外歯用軸受におけるころ部材のクランク軸の軸方向における位置をより正確に規定することができる。
発明に係る偏心型減速機は、第1発明の偏心型減速機において、前記クランク軸には、前記中間部と前記第1偏心部との間の外周において周方向に沿って切り欠かれた第1切欠部が形成され、前記第1切欠部と前記第1中間規定部材の少なくとも一部とが、前記クランク軸の軸方向と垂直な方向において重なって配置されていることを特徴とする。
この発明によると、第1偏心部から中間部に連続するクランク軸の外周部分に第1切欠部が形成されるとともに、この第1切欠部と第1中間規定部材とがクランク軸の軸方向と垂直な方向で重なって配置される。このため、クランク軸の第1偏心部から中間部に段状に連続する部分での応力集中が防止されるとともに、クランク軸の軸方向長さが長くなることを抑制して第1切欠部と第1中間規定部材とを効率よく配置できる。
尚、保持器以外の手段によってころ部材の位置を規定する構造としては、規定部材を設けずに、ころ部材を両端部で保持するようにクランク軸に一体的に形成された一対の鍔部を設けることもできる。しかし、この場合、コロ部材の両端部に対応する位置に各鍔部を設けることに加え、各鍔部の内周側でクランク軸の外周に段状に連続する部分において応力集中を防止するための切欠部をそれぞれ設ける必要があるため、クランク軸の軸方向の長さが長くなってしまうという問題がある。しかしながら、第3発明の構成では、第1中間規定部材と重なって配置される第1切欠部のみを設けるだけでよいため、クランク軸に一体的に鍔部を設ける場合に比して、クランク軸の長さを短くすることができる。
発明に係る偏心型減速機は、ケースと、前記ケースの内周に配置され、ピン状の部材として形成された複数のピン内歯と、前記ケースに収納されるとともに、前記ピン内歯に噛み合う外歯が外周に設けられた第1外歯歯車及び第2外歯歯車と、前記第1外歯歯車及び前記第2外歯歯車に形成されたクランク用孔を貫通し、回転することで前記第1外歯歯車及び前記第2外歯歯車を偏心させて回転させるクランク軸と、前記クランク軸に形成され、前記クランク用孔に配置されるとともに当該クランク軸の回転中心線に対して偏心するよう設けられた第1偏心部及び第2偏心部と、前記第1偏心部を前記クランク用孔において前記第1外歯歯車に対して回転自在に保持する第1外歯用軸受と、前記第2偏心部を前記クランク用孔において前記第2外歯歯車に対して回転自在に保持する第2外歯用軸受と、前記クランク軸の一端側を回転自在に保持する基部キャリアと、前記クランク軸の他端側を回転自在に保持する端部キャリアと、前記基部キャリアと前記端部キャリアとの間に配置され、前記基部キャリアと前記端部キャリアとを連結する支柱と、前記基部キャリアに固定され、ピニオンが取り付けられる出力軸と、前記第1外歯歯車と前記第2外歯歯車との間に配置され、前記クランク軸の中間部を回転自在に保持する中間軸受と、を備えている。そして、第3発明に係る偏心型減速機は、前記中間部が挿入される第1空隙部と、前記第1空隙部の中心位置に対して偏心するよう設けられるとともに前記第1偏心部が挿入される第2空隙部と、が形成され、前記第1外歯用軸受と前記中間軸受との間に配置される第1中間規定部材と、前記第1外歯用軸受に対してその一端側に当接する第1規定部材と、を更に備え、前記第1中間規定部材と前記第1規定部材とによって、前記第1外歯用軸受の前記クランク軸の軸方向における位置が規定される。更に、第3発明に係る偏心型減速機は、前記中間部が挿入される第3空隙部と、前記第3空隙部の中心位置に対して偏心するよう設けられるとともに前記第2偏心部が挿入される第4空隙部と、が形成され、前記第2外歯用軸受と前記中間軸受との間に配置される第2中間規定部材と、前記第2外歯用軸受に対してその他端側に当接する第2規定部材と、を更に備え、前記第2中間規定部材と前記第2規定部材とによって、前記第2外歯用軸受の前記クランク軸の軸方向における位置が規定されることを特徴とする。
この発明によると、中間部が挿入される第3空隙部と第2偏心部が挿入される第4空隙部とが形成された第2中間規定部材が第2外歯用軸受と中間軸受との間に配置され、第2規定部材が第2外歯用軸受の他端側に当接するよう配置される。そして、第2中間規定部材と第2規定部材との間に配置される第2外歯用軸受のクランク軸の軸方向における位置が、これらの規定部材によって規定される。このため、第2外歯用軸受におけるころ部材を保持するための保持器を設ける必要がなく、第2外歯用軸受におけるころ部材の数を増やし、ころ部材の充填率を増大させることができる。また、第2中間規定部材には、中間部が挿入される第3空隙部とこの第3空隙部に対して偏心するとともに第2偏心部が挿入される第4空隙部とが形成されている。このため、中間部と第2偏心部との間においては、第2外歯用軸受の位置を規定する規定部材として、1つの第2中間規定部材のみを配置すればよいことになる。これにより、中間部及び偏心部が軸受により保持されたクランク軸を偏心型減速機に配設するための組み立ての際における手間が軽減され、組み立て作業性が向上し、組み立て工数が低減されることになる。
また、この発明によると、第1中間規定部材と第2中間規定部材との間に配置されて中間部を保持する中間軸受のクランク軸の軸方向における位置も、これらの規定部材によって規定されることになる。このため、中間軸受においてもころ部材を保持する保持器を設ける必要がなく、中間軸受におけるころ部材の数を増やし、ころ部材の充填率を増大させることができる。
更に、第発明に係る偏心型減速機は、前記第2中間規定部材における前記第3空隙部と前記第4空隙部との間には、当該第3空隙部に前記中間部が挿入される方向と当該第4空隙部に前記第2偏心部が挿入される方向とに直交する面に配置される面部分を含んで形成された第2段部が設けられ、前記第2段部は、前記クランク軸において前記第2偏心部から前記中間部へ拡径しながら連続するよう形成された第2拡径段部に対して当接すること特徴とする。
この発明によると、第3空隙部及び第4空隙部にクランク軸が挿入される方向と直交する面部分を含む第2段部が、第2偏心部と中間部との間の第2拡径段部に当接することで、第2中間規定部材のクランク軸に対する位置が規定されることになる。このため、この第2中間規定部材によって位置が規定される第2外歯用軸受におけるころ部材のクランク軸の軸方向における位置をより正確に規定することができる。
発明に係る偏心型減速機によると、第明の偏心型減速機において、前記クランク軸には、前記中間部と前記第2偏心部との間の外周において周方向に沿って切り欠かれた第2切欠部が形成され、前記第2切欠部と前記第2中間規定部材の少なくとも一部とが、前記クランク軸の軸方向と垂直な方向において重なって配置されていることを特徴とする。
この発明によると、第2偏心部から中間部に連続するクランク軸の外周部分に第2切欠部が形成されるとともに、この第2切欠部と第2中間規定部材とがクランク軸の軸方向と垂直な方向で重なって配置される。このため、クランク軸の第2偏心部から中間部に段状に連続する部分での応力集中が防止されるとともに、クランク軸の軸方向長さが長くなることを抑制して第2切欠部と第2中間規定部材とを効率よく配置できる。また、クランク軸に一体的に鍔部を設ける場合には、ころ部材の両端部に対応する位置に一対の切欠部を設ける必要があるが、本発明の構成では、第2中間規定部材と重なって配置される第2切欠部のみを設けるだけでよいため、クランク軸に一体的に鍔部を設ける場合に比して、クランク軸の長さを短くすることができる。
本発明によると、クランク軸の偏心部及び中間部が軸受により回転自在に保持される偏心型減速機において、軸受に配置可能なころ部材の数を増やすことができるとともに、組み立て工数の低減を図ることができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。本発明の実施形態に係る偏心型減速機は、産業用ロボットや種々の工作機械等の各種産業用機械や建設機械等において広く適用することができる。尚、例えば、風車においては、近年、ブレード(羽根)の直径が大きくなる傾向にあることから、風向きに合わせて風車のナセルを旋回させるための首振り用の駆動装置であるヨー(Yaw)駆動装置として、寸法の大型化を抑制しつつ且つ高出力仕様の(負荷容量の大きな)減速機が要求される状況にある。このため、本実施形態に係る偏心型減速機は、このような風車用ヨー駆動装置として用いられると好適である。また、この例に限らず、ピン内歯に噛み合う複数の外歯歯車がクランク軸の回転に伴い偏心して回転するとともに、クランク軸の偏心部及び中間部が軸受により回転自在に保持された偏心型減速機に関して、広く適用することができるものである。
(偏心型減速機の全体構成)
図1は、本発明の一実施の形態に係る偏心型減速機1を示す断面図である。偏心型減速機1は、例えば、風車のナセルを旋回させる風車用ヨー駆動装置として用いられ、上側に配置されるモータ100(図1にて一部を破線で図示)から入力された回転を減速して伝達して出力する。そして、偏心型減速機1は、ケース11、ピン内歯22、前段減速部12、後段減速部13、出力軸14等を備えて構成されている。
図1に示すように、偏心型減速機1は、下側に配置された一端側においてケース11から突出するように位置する出力軸14に対してピニオン101が取り付けられ、上側に配置された他端側においてケース11に対してモータ100が取り付けられる。そして、偏心型減速機1においては、上側に配置されたモータ100から入力された回転力をケース11内に配置された前段減速部12及び後段減速部13を介して減速して伝達して出力軸14に取り付けられたピニオン101に出力する。偏心型減速機1が風車用ヨー駆動装置として用いられる場合であれば、偏心型減速機1は、ピニオン101が風車のタワーの上部に固定された歯車と噛み合うように配置される。そして、モータ100からの回転駆動力に伴って偏心型減速機1が作動してピニオン101が回転することで、風車のナセルが旋回することになる。尚、以下の説明においては、偏心型減速機1にて、出力軸14が配置される下側である出力側を一端側として、モータ100が配置される上側である入力側を他端側として説明する。
(ケース及びピン内歯の構成)
図1に示すように、偏心型減速機1のケース11は、筒状の第1ケース部11aと第1ケース部11aの他端側に配置される第2ケース部11bとで構成され、これらの縁部同士がボルトで連結されている。そして、ケース11の内部には、前段減速部12、後段減速部13などが収納されている。尚、第2ケース部11bの内側に前段減速部12が配置され、第1ケース部11aの内側に後段減速部13が配置されており、前段減速部12、後段減速部13、及び出力軸14は、偏心型減速機1の回転中心線P(図1において一点鎖線で図示)の方向である軸方向に沿って直列に配置されている。ケース11は、一端側(第1ケース部11aの端部側)が開口形成され、他端側(第2ケース部11bの端部側)には前述のようにモータ100が固定されている。
図2は、図1における後段減速部13及びその近傍を拡大して示す断面図である。また、図3は、図1のA−A線矢視断面図である。図1乃至図3に示すように、ケース11の第1ケース部11aの内周には、ピン溝52が設けられている。ピン溝52は、ケース11の内周に複数形成されており、ケース11の内周において周方向に沿って等間隔で設けられている。そして、各ピン溝52は、半円弧状の断面でその長手方向が回転中心線Pと平行に延びる溝として形成されている。
ピン内歯22は、複数設けられており、図1乃至図3に示すように、ピン状の部材(丸棒状の部材)として形成され、ケース11の内周に設けられたピン溝52に配置されている。尚、図1乃至図3においては、ピン内歯22については、断面でなく外形を図示している。ピン内歯22は、その長手方向が回転中心線Pと平行に位置するように配置されるとともに、ケース11の内周において等間隔でピン溝52に嵌め込まれて取り付けられた状態で配列され、後述する外歯歯車28の外歯31と噛み合うように構成されている。
(前段減速部の構成)
図1に示すように、前段減速部12は、モータ100からの回転駆動力が伝達される1段の遊星歯車機構とスパーギア49とを備えて構成され、そのうちの遊星歯車機構は、太陽歯車15、キャリア16、プラネタリギア17、リングギア18等を備えて構成されている。
図1に示すように、プラネタリギア17は、ケース11の内部に向かって突出するように配置されたモータ100の回転軸100aの周囲に複数個(本実施形態では、3個)配置され、回転軸100aに対して偏心型減速機1の径方向(回転中心線Pに対して垂直な方向)に位置している。各プラネタリギア17は、回転軸100aの端部の外周に形成された歯車と噛み合うことで、回転軸100aと連結されている。キャリア16は、回転軸100aを中心とした周方向に沿った均等角度の位置に複数のプラネタリギア17を回転自在に保持するとともに公転動作を行う遊星枠として形成されている。リングギア18は、第2ケース部11bに固定されるとともに内周に歯が形成されたリング状の歯車として設けられ、プラネタリギア17に噛み合うように構成されている。太陽歯車15は、回転中心線P上に配置され、その一端側でスパーギア49と噛み合い、その他端側でキャリア16の内周部分に対してスプライン結合により連結されている。
図1に示すように、スパーギア49は、太陽歯車15と噛み合うようにその周囲に複数個(本実施形態では、3個)配置されて、太陽歯車15に対して偏心型減速機1の径方向に位置している。そして、スパーギア49は、後段減速部13のクランク軸23の他端側に固定されている。これにより、スパーギア49は、クランク軸23を回転させる回転力を伝達するように構成されている。
(後段減速部の構成)
図1に示すように、後段減速部13は、モータ100から入力されて前段減速部12を介して伝達される回転駆動力により作動して出力軸14に対して回転を伝達するように構成されている。そして、図1乃至図3に示すように、後段減速部13は、クランク軸23、基部キャリア25、端部キャリア26、支柱27、第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bで構成される外歯歯車28、支柱ボルト29、プレート39、第1外歯用軸受53、第2外歯用軸受54、中間軸受41、第1中間規定部材56、第1規定部材57、第2中間規定部材58、第2規定部材59等を備えて構成されている。
クランク軸23は、図1乃至図3に示すように、回転中心線Pを中心とした周方向に沿った均等角度の位置に複数(本実施形態では3つ)配置されており、その軸方向が回転中心線Pと平行になるように配置されている。各クランク軸23は、後述する第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bに形成されたクランク用孔30をそれぞれ貫通するように配置されており、回転することで第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bを偏心させて回転させる軸部材として設けられている。そして、クランク軸23は、自らの回転(自転)に伴う第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bの回転とともに、公転動作を行うことになる。また、各クランク軸23は、後述するプレート39に形成されたクランク用プレート孔42もそれぞれ貫通するように配置されている。尚、図1及び図2においては、クランク軸23については、断面でなく外形を図示している。
また、クランク軸23には、第1偏心部23a、第2偏心部23b、第1軸部23c、第2軸部23d、及び中間部23eが形成されており、第1軸部23c、第1偏心部23a、中間部23e、第2偏心部23b、第2軸部23dの順番で直列に設けられている。そして、第1偏心部23a及び第2偏心部23bは、軸方向と垂直な断面が円形断面となるように形成されており、それぞれの中心位置がクランク軸23の回転中心線(第1軸部23c及び第2軸部23dの中心位置)に対して偏心するように設けられている。また、第1偏心部23aは第1外歯歯車28aのクランク用孔30に配置され、第2偏心部23bは第2外歯歯車28bのクランク用孔30に配置されている。
また、クランク軸23の一端側に設けられた第1軸部23cは後述する基部キャリア25に対してころ軸受34を介して回転自在に保持されており、他端側に配置された第2軸部23dは後述する端部キャリア26に対してころ軸受35を介して回転自在に保持されている。また、クランク軸23の他端側の第2軸部23dには、ころ軸受35から他端側に突出するように位置するその端部において、スパーギア49がスプライン結合により連結されている。また、クランク軸23において第1偏心部23a及び第2偏心部23bの間に配置されている中間部23eは、軸方向と垂直な断面が円形断面となるように形成されており、その中心位置がクランク軸23の回転中心線と一致するように設けられている。
外歯歯車28は、図1乃至図3に示すように、平行に配置された状態でケース11内に収納される第1外歯歯車28aと第2外歯歯車28bとで構成されている。第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bにはそれぞれ、クランク軸23が貫通するクランク用孔30、及び、後述する支柱27が貫通する支柱貫通孔48が形成されている。第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bは、回転中心線Pと平行な方向において、クランク用孔30及び支柱貫通孔48の位置がそれぞれ対応するように配置されている。
第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bのクランク用孔30は、円形孔として形成され、クランク軸23に対応して第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bの周方向に沿って均等角度の位置に複数(本実施形態では3つ)配置されている。支柱貫通孔48は、後述する支柱27の断面形状に対応し、角部が円弧状に形成されるとともに径方向外側に向かって広がった三角形状断面を有するような断面形状の孔として形成されている。そして、支柱貫通孔48は、支柱27に対応して外歯歯車28の周方向に沿った均等角度の位置に複数(本実施形態では3つ)配置されている。また、支柱貫通孔48は、第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bの周方向において、クランク用孔30と交互に形成されている。尚、支柱貫通孔48には、支柱27が遊嵌状態で貫通している。
また、第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bのそれぞれの外周には、ピン内歯22に噛み合う外歯31が設けられている。本実施形態では、第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bの外歯31の歯数は、ピン内歯22の歯数よりも1個少なくなるように設けられている。このため、クランク軸23が回転するごとに、噛み合う外歯31とピン内歯22との噛み合いがずれ、第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bが偏心して揺動回転するように構成されている。尚、外歯31とピン内歯22との歯数差は、1個に限らず、複数個であってもよい。
図2及び図3によく示すように、第1外歯用軸受53は、クランク軸23の第1偏心部23aを第1外歯歯車28aのクランク用孔30においてこの第1外歯歯車28aに対して回転自在に保持する軸受として設けられている。この第1外歯用軸受53は、ニードルころ部材又は円筒ころ部材として構成される複数のころ部材53aを備えて構成されている。尚、第1外歯用軸受53においては保持器が設けられておらず、複数のころ部材53aによって第1外歯用軸受53が構成されている。
図2によく示すように、第2外歯用軸受54は、クランク軸23の第2偏心部23bを第2外歯歯車28bのクランク用孔30においてこの第2外歯歯車28bに対して回転自在に保持する軸受として設けられている。この第2外歯用軸受54は、第1外歯用軸受53と同様に、ニードルころ部材又は円筒ころ部材として構成される複数のころ部材54aを備えて構成されている。尚、第2外歯用軸受54においても保持器が設けられておらず、複数のころ部材54aによって第2外歯用軸受54が構成されている。
図2によく示すように、中間軸受41は、第1外歯歯車28aと第2外歯歯車28bとの間に配置され、クランク軸23に対しては第1偏心部23aと第2偏心部23bとの間に配置されている。この中間軸受41は、クランク軸23の中間部23eを回転自在に保持する軸受として設けられている。そして、中間軸受41は、第1外歯用軸受53及び第2外歯用軸受54と同様に、保持器が設けられておらず、ニードルころ部材又は円筒ころ部材として構成される複数のころ部材41aを備えて構成されている。尚、複数のころ部材41aによって構成される中間軸受41は、ころ部材41aが転動する内周面が形成された円筒状の部材である外輪55を介して、後述するプレート39に形成されたクランク用プレート孔42に保持されている。
第1中間規定部材56、第1規定部材57、第2中間規定部材58、及び第2規定部材59は、第1外歯用軸受53、第2外歯用軸受54、及び中間軸受41のクランク軸23の軸方向における位置を規定する規定部材として設けられている。尚、本実施形態においては、これらの規定部材(56〜59)は、それぞれ金属製のワッシャとして設けられている。
図4は、第1中間規定部材56の平面図(図4(a))及びそのD−D線矢視断面図(図4(b))と、第2中間規定部材58の平面図(図4(c))及びそのE−E線矢視断面図(図4(d))とを示したものである。図2、図4(a)及び図4(b)に示すように、第1中間規定部材56は、薄い平坦なリング状の部材として形成され、第1外歯用軸受53と中間軸受41との間に配置されている。この第1中間規定部材56には、第1空隙部56aと第2空隙部56bとが形成されている。尚、本実施形態では、第1空隙部56a及び第2空隙部56bとしては、第1中間規定部材56において筒状の内周面により区画される円形孔として形成されたものを例示している。第1空隙部56aと第2空隙部56bとは連通しており、第1空隙部56aにはクランク軸23の中間部23eが挿入され、第2空隙部56bにはクランク軸23の第1偏心部23aが挿入される。第2空隙部56bは、中間部23eよりも小径の第1偏心部23aの径寸法に対応して第1空隙部56aよりも小径に形成され、その中心位置が第1空隙部56aの中心位置に対して偏心するように設けられている。そして、第1中間規定部材56における第1空隙部56aと第2空隙部56bとの間には、第1空隙部56aに中間部23eが挿入される方向と第2空隙部56bに第1偏心部23aが挿入される方向とに直交する面に配置される面部分56d(即ち、面部分56dは、クランク軸23の挿入方向と直交する面に配置される)を含んで形成された第1段部56cが設けられている。また、第1中間規定部材56は、その一端側の面が第1外歯用軸受53のころ部材53aの他端側に対向し、その他端側の面が中間軸受41のころ部材41aの一端側に対向するように配置されている。
また、第2中間規定部材58は、図2、図4(c)及び図4(d)に示すように、第1中間規定部材56と同一形状である薄い平坦なリング状の部材として形成され、第2外歯用軸受54と中間軸受41との間に配置されている。この第2中間規定部材58には、第3空隙部58aと第4空隙部58bとが形成されている。尚、本実施形態では、第3空隙部58a及び第4空隙部58bとしては、第2中間規定部材58において筒状の内周面により区画される円形孔として形成されたものを例示している。第3空隙部58aと第4空隙部58bとは連通しており、第3空隙部58aにはクランク軸23の中間部23eが挿入され、第4空隙部58bにはクランク軸23の第2偏心部23bが挿入される。第4空隙部58bは、中間部23eよりも小径の第2偏心部23bの径寸法に対応して第3空隙部58aよりも小径に形成され、その中心位置が第3空隙部58aの中心位置に対して偏心するように設けられている。そして、第2中間規定部材58における第3空隙部58aと第4空隙部58bとの間には、第3空隙部58aに中間部23eが挿入される方向と第4空隙部58bに第2偏心部23bが挿入される方向とに直交する面に配置される面部分58d(即ち、面部分58dは、クランク軸23の挿入方向と直交する面に配置される)を含んで形成された第2段部58cが設けられている。また、第2中間規定部材58は、その一端側の面が中間軸受41のころ部材41aの他端側に対向し、その他端側の面が第2外歯用軸受54のころ部材54aの一端側に対向するように配置されている。
図5は、第1規定部材57の平面図(図5(a))及びそのF−F線矢視断面図(図5(b))と、第2規定部材59の平面図(図5(c))及びそのG−G線矢視断面図(図5(d))とを示したものである。図2、図5(a)及び図5(b)に示すように、第1規定部材57は、薄い平坦なリング状の部材として形成されている。そして、第1規定部材57は、クランク軸23の一端側に配置されるとともに、第1外歯用軸受53に対してその一端側に当接するように配置されている。この第1規定部材57には、クランク軸23の第1偏心部23aが挿入される第5空隙部57aが形成されている。尚、本実施形態では、第5空隙部57aとしては、第1規定部材57において筒状の内周面により区画される円形孔として形成されたものを例示している。また、第1規定部材57は、第1偏心部23aの一端側の部分に対応する位置において、その一端側の面がころ軸受34の他端側に対向し、その他端側の面が前述のように第1外歯用軸受53のころ部材53aの一端側に当接するように配置されている。
また、第2規定部材59は、図2、図5(c)及び図5(d)に示すように、第1規定部材57と同一形状である薄い平坦なリング状の部材として形成されている。そして、第2規定部材59は、クランク軸23の他端側に配置されるとともに、第2外歯用軸受54に対してその他端側に当接するように配置されている。この第2規定部材59には、クランク軸23の第2偏心部23bが挿入される第6空隙部59aが形成されている。尚、本実施形態では、第6空隙部59aとしては、第2規定部材59において筒状の内周面により区画される円形孔として形成されたものを例示している。また、第2規定部材59は、第2偏心部23bの他端側の部分に対応する位置において、その一端側の面が前述のように第2外歯用軸受54のころ部材54aの他端側に当接し、その他端側の面がころ軸受35の一端側に対向するように配置されている。
図2に示すように、第1中間規定部材56、第1規定部材57、第2中間規定部材58、及び第2規定部材59は、クランク軸23の軸方向においてそれぞれ上述したように配置される。このため、第1中間規定部材56と第1規定部材57との間に配置された第1外歯用軸受53は、そのクランク軸23の軸方向における位置が、これらの第1中間規定部材56と第1規定部材57とによって規定されることになる。そして、第2中間規定部材58と第2規定部材59との間に配置された第2外歯用軸受54は、そのクランク軸23の軸方向における位置が、これらの第2中間規定部材58と第2規定部材59とによって規定されることになる。さらに、第1中間規定部材56と第2中間規定部材58との間に配置された中間軸受41は、そのクランク軸23の軸方向における位置が、これらの第1中間規定部材56と第2中間規定部材58とによって規定されることになる。
図6は、図2における一部(2箇所)を拡大して示したものであり、破線で丸く囲んだ領域Cの拡大断面図(図6(a))と、破線で丸く囲んだ領域Bの拡大断面図(図6(b))とを示している。図2及び図6(b)に示すように、クランク軸23においては、第1偏心部23aから中間部23eへと拡径しながら(直径が拡大しながら)連続するように形成された第1拡径段部60が設けられている。そして、前述した第1中間規定部材56の第1段部56cが、この第1拡径段部60に対して少なくとも面部分56dにおいて当接している。
また、図6(b)によく示すように、クランク軸23には、第1偏心部23aと中間部23eとの間の外周において周方向に沿って全周に亘って切り欠かれた第1切欠部61が形成されている。本実施形態では、第1切欠部61としては、クランク軸23の軸方向の断面形状が円弧状の曲線となるような曲面として形成されたものを例示している。そして、第1中間規定部材56は、第1切欠部61とこの第1中間規定部材56とがクランク軸23の軸方向と垂直な方向において重なるように、配置されている。尚、第1中間規定部材56は、クランク軸23の軸方向における第1切欠部61の全幅に亘って重なるように配置されている。
また、図2及び図6(a)に示すように、クランク軸23においては、第2偏心部23bから中間部23eへと拡径しながら(直径が拡大しながら)連続するように形成された第2拡径段部62が設けられている。そして、前述した第2中間規定部材58の第2段部58cが、この第2拡径段部62に対して少なくとも面部分58dにおいて当接している。
また、図6(a)によく示すように、クランク軸23には、第2偏心部23bと中間部23eとの間の外周において周方向に沿って全周に亘って切り欠かれた第2切欠部63が形成されている。本実施形態では、第2切欠部63としては、クランク軸23の軸方向の断面形状が円弧状の曲線となるような曲面として形成されたものを例示している。そして、第2中間規定部材58は、第2切欠部63とこの第2中間規定部材58とがクランク軸23の軸方向と垂直な方向において重なるように、配置されている。尚、第2中間規定部材58は、クランク軸23の軸方向における第2切欠部63の全幅に亘って重なるように配置されている。
尚、クランク軸23に対して上述の規定部材(56〜59)を挿入して配置する場合には、第1中間規定部材56及び第1規定部材57については、クランク軸23の一端側から挿入される。これに対し、第2中間規定部材58及び第2規定部材59については、クランク軸23の他端側から挿入される。
プレート39は、図1及び図2に示すように、外周が円形に形成された平らな板状の部材として設けられ、第1外歯歯車28aと第2外歯歯車28bと間に配置されている。このプレート39は、その外周とピン内歯22との間に空隙部分が形成された状態で配置されている(即ち、プレート39は、ピン内歯22に空隙部分を介して対向している)。そして、プレート39には、回転中心線Pを中心とした周方向に沿った均等角度の位置に円形孔として形成されたクランク用プレート孔42が設けられている。プレート39は、このクランク用プレート孔42において外輪55を介して中間軸受41を保持している。これにより、クランク軸23は、その中間部23eにおいて、プレート39に対して中間軸受41を介して回転自在に保持されている。
基部キャリア25は、図1及び図2に示すように、その一端側において出力軸14と一体に形成され、ケース11内に配置されている。この基部キャリア25には、その他端側において、クランク軸23の第1軸部23cがころ軸受34を介して配置されるクランク保持穴50が形成されている。このクランク保持穴50は、回転中心線Pを中心とした周方向に沿った均等角度の位置に形成されている。このクランク保持穴50により、基部キャリア25は、各クランク軸23の一端側をその第1軸部23cにてころ軸受34を介して回転自在に保持している。
また、基部キャリア25は、その外周側において、ころ軸受36を介してケース11における第1ケース部11aの内周側に対して回転自在に保持されている。この基部キャリア25に対しては、図1に示すように、基部キャリア25の外周に沿って配置されるリング状の部材として設けられた位置決め部材44が固定されている。そして、ころ軸受36は、その一端側が位置決め部材44に係合し、その他端側が第1ケース部11aの一端側に係合した状態で配置されている。この位置決め部材44により、ころ軸受36の基部キャリア25に対する位置が規定される。尚、本実施形態では、出力軸14は、基部キャリア25に一体に形成されることで、基部キャリア25に対して固定されている。
端部キャリア26は、図1及び図2に示すように、支柱27を介して基部キャリア25と連結されており、円板状の部材として設けられている。この端部キャリア26は、その外周側において、玉軸受37を介してケース11の内周側に対して回転自在に保持されている。尚、玉軸受37は、その一端側がケース11における第1ケース部11aの他端側に係合し、その他端側が端部キャリア26の他端側においてフランジ状に張り出した縁部26aに係合した状態で配置されている。また、端部キャリア26には、回転中心線Pを中心とした周方向に沿った均等角度の位置にクランク軸23の他端側の第2軸部23dが配置されるクランク貫通孔43が形成されている。このクランク貫通孔43において、クランク軸23の他端側がその第2軸部23dにてころ軸受35を介して回転自在に保持されている。
尚、外歯歯車28やクランク軸23等が上述のように配設されているため、スパーギア49から回転駆動力が伝達されてスパーギア49とともにクランク軸23が回転すると、このクランク軸23の回転に伴い第1偏心部23a及び第2偏心部23bから第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bに対して荷重が作用する。この荷重により、第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bが揺動するように偏心して回転し、この第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bの偏心回転に対応してクランク軸23が自転しながら公転動作を行うことになる。尚、前述のように、この回転動作を行うクランク軸23は、一端側及び他端側がそれぞれ基部キャリア25及び端部キャリア26で支持され、その中間部23eが中間軸受41を介してプレート39によって支持されている。
支柱27は、図1乃至図3に示すように、基部キャリア25と端部キャリア26との間に配置され、基部キャリア25と端部キャリア26とをプレート39を介して連結する柱状部分として設けられている。この支柱27は、回転中心線Pを中心とした周方向に沿った均等角度の位置に複数(本実施形態では、3つ)配置されており、その軸方向が回転中心線Pと平行となるように配置されている。尚、支柱27とクランク軸23とは、回転中心線Pを中心とした周方向に沿って交互に配置されている。
また、各支柱27は、基部キャリア25に一体に形成される基部側支柱部分27aと、端部キャリア26に一体に形成される端部側支柱部分27bとを備えて構成されている。基部側支柱部分27aは、基部キャリア25の他端側において他端側に向かって突出するように設けられている。一方、端部側支柱部分27bは、端部キャリア26の一端側において一端側に向かって突出するように設けられている。また、基部側支柱部分27a及び端部側支柱部分27bは、回転中心線Pと垂直な断面において、角部が円弧状に形成されるとともに径方向外側に向かって広がった三角形状断面を有するような断面形状に形成されている。そして、基部側支柱部分27a及び端部側支柱部分27bは、プレート39において径方向外側に配置されて他の部分よりも少し厚肉に盛り上がった部分として形成された厚肉部分39aを挟持する(挟むように保持する)ように配設されている。尚、基部側支柱部分27aの他端側及び端部側支柱部分27bの一端側には段状に凹んだ部分が形成されており、この段状に凹んだ部分に対して係合する出っ張り部分が、プレート39の厚肉部分39aの一端側及び他端側にそれぞれ突起状に形成されている。
図2及び図3に示すように、支柱27及びプレート39の厚肉部分39aには、後述する支柱ピン40が圧入される支柱ピン穴51が形成されている。この支柱ピン穴51は、端部キャリア26の他端側に開口するとともに、端部キャリア26から支柱27及びプレート39を経て基部キャリア25へと延びる穴として形成されている。支柱ピン40は、図3に示すように、支柱ピン穴51に圧入される丸棒状(円柱状)の部材として形成されている。この支柱ピン40が支柱ピン穴51に圧入されることにより、基部キャリア25及び端部キャリア26における周方向の位置が合わされることになる。
また、支柱27及びプレート39の厚肉部分39aには、支柱ボルト29が挿入される支柱ボルト穴47が形成されている。支柱ボルト穴47は、端部キャリア26の他端側に開口する穴として設けられ、一端側に向かって端部キャリア26及び端部側支柱部分27bを貫通し、さらにプレート39及び基部側支柱部分27aを貫通して基部キャリア25にまで延びる穴として形成されている。支柱ボルト穴47における基部キャリア25及び基部側支柱部分27aに配置された部分の内周には、雌ネジ部分が形成されている。
支柱ボルト29は、図1乃至図3に示すように、雄ネジ部分として形成されたネジ部29aが一端側に設けられ、六角レンチ等で締め付けるための六角穴が設けられた頭部が他端側に設けられている。この支柱ボルト29は、支柱27と基部キャリア25とを螺合により結合するボルト部材として設けられており、この支柱ボルト29が支柱27と基部キャリア25とを結合することで、支柱27により基部キャリア25と端部キャリア26とが連結されるように構成されている。
支柱ボルト29での結合によって基部キャリア25と端部キャリア26とを連結する際には、まず、前述のように支柱ピン穴51に支柱ピン40が圧入されて基部キャリア25及び端部キャリア26の周方向の位置合わせが行われる。この位置合わせが行われた状態で、支柱ボルト29が端部キャリア26の他端側から支柱ボルト穴47に挿入される。そして、支柱ボルト穴47における基部キャリア25及び基部側支柱部分27aに形成された前述の雌ネジ部分に対して、支柱ボルト29の一端側のネジ部29aが螺合するようにねじ込まれる。このとき、支柱ボルト29の頭部は、支柱ボルト孔47が開口する端部キャリア26の他端側と係合する。この支柱ボルト29による結合により、基部キャリア25、プレート39、及び端部キャリア26が連結されることになる。
また、支柱ボルト29が基部キャリア25及び基部側支柱部分27aに螺合し、基部キャリア25と端部キャリア26とを連結する締め付け力が発生することにより、基部キャリア25に固定された位置決め部材44と端部キャリア26とがころ軸受36及び玉軸受37を介してケース11を挟持することになる。そして、端部キャリア26と位置決め部材44とがころ軸受36及び玉軸受37を介してケース11を挟持することで、基部キャリア25及び端部キャリア26がケース11に対して回転自在に保持されることになる。
(偏心型減速機の作動)
次に、上述した偏心型減速機1の作動について説明する。偏心型減速機1は、モータ100の運転が行われることにより、作動する。モータ100の運転が開始されると、モータ100の回転軸100aが回転する。回転軸100aが回転すると、これに連結されたプラネタリギア17がリングギア18と噛み合いながら回転して公転し、これにより、キャリア16が回転し、キャリア16に連結された太陽歯車15が回転する。そして、太陽歯車15に噛み合う各スパーギア49が回転する。
各スパーギア49が回転すると、各スパーギア49が他端側の端部で固定された各クランク軸23が回転し、各クランク軸23とともに第1偏心部23a及び第2偏心部23bが回転する。この回転に伴って、前述のように、第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bがピン内歯22と噛み合いをずらしながら偏心して回転する。そして、第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bの偏心回転に伴って、第1外歯用軸受53で第1外歯歯車28aに対して、第2外歯用軸受54で第2外歯歯車28bに対して、中間軸受41でプレート39に対して、それぞれ回転保持されたクランク軸23が回転中心線Pを中心として公転動作を行う。このとき、第1外歯用軸受53、第2外歯用軸受54、及び中間軸受41のクランク軸23の軸方向における位置は、第1中間規定部材56、第1規定部材57、第2中間規定部材58、及び第2規定部材59によって規定されている。そして、クランク軸23の公転動作により、支柱27及び支柱ボルト29で連結され、クランク軸23を回転自在に保持する基部キャリア25、プレート39及び端部キャリア26とともに、出力軸14が回転し、大きなトルクがピニオン101から出力されることになる。
(偏心型減速機の効果)
以上説明した偏心型減速機1によると、中間部23eが挿入される第1空隙部56aと第1偏心部23aが挿入される第2空隙部56bとが形成された第1中間規定部材56が第1外歯用軸受53と中間軸受41との間に配置され、第1規定部材57が第1外歯用軸受53の一端側に当接するよう配置される。そして、第1中間規定部材56と第1規定部材57との間に配置される第1外歯用軸受53のクランク軸23の軸方向における位置が、これらの規定部材(56、57)によって規定される。このため、第1外歯用軸受53におけるころ部材53aを保持するための保持器を設ける必要がなく、第1外歯用軸受53におけるころ部材53aの数を増やし、ころ部材53aの充填率を増大させることができる。また、第1中間規定部材56には、中間部23eが挿入される第1空隙部56aとこの第1空隙部56aに対して偏心するとともに第1偏心部23aが挿入される第2空隙部56bとが形成されている。このため、中間部23eと第1偏心部23aとの間においては、第1外歯用軸受53の位置を規定する規定部材として、1つの第1中間規定部材56のみを配置すればよいことになる。これにより、クランク軸23を偏心型減速機1に配設するための組み立ての際における手間が軽減され、組み立て作業性が向上し、組み立て工数が低減されることになる。
また、偏心型減速機1によると、第1空隙部56a及び第2空隙部56bにクランク軸23が挿入される方向と直交する面部分56dを含む第1段部56cが、第1偏心部23aと中間部23eとの間の第1拡径段部60に当接することで、第1中間規定部材56のクランク軸23に対する位置が規定されることになる。このため、この第1中間規定部材56によって位置が規定される第1外歯用軸受53におけるころ部材53aのクランク軸23の軸方向における位置をより正確に規定することができる。
また、偏心型減速機1によると、第1偏心部23aから中間部23eに連続するクランク軸23の外周部分に第1切欠部61が形成されるとともに、この第1切欠部61と第1中間規定部材56とがクランク軸23の軸方向と垂直な方向で重なって配置される。このため、クランク軸23の第1偏心部23aから中間部23eに段状に連続する部分での応力集中が防止されるとともに、クランク軸23の軸方向長さが長くなることを抑制して第1切欠部61と第1中間規定部材56とを効率よく配置できる。また、クランク軸23に一体的に鍔部を設ける場合には、ころ部材の両端部に対応する位置に一対の切欠部を設ける必要があるが、偏心型減速機1では、第1中間規定部材56と重なって配置される第1切欠部61のみを設けるだけでよいため、クランク軸23に一体的に鍔部を設ける場合に比して、クランク軸23の長さを短くすることができる。
また、偏心型減速機1によると、中間部23eが挿入される第3空隙部58aと第2偏心部23bが挿入される第4空隙部58bとが形成された第2中間規定部材58が第2外歯用軸受54と中間軸受41との間に配置され、第2規定部材59が第2外歯用軸受54の他端側に当接するよう配置される。そして、第2中間規定部材58と第2規定部材59との間に配置される第2外歯用軸受54のクランク軸23の軸方向における位置が、これらの規定部材(58、59)によって規定される。このため、第2外歯用軸受54におけるころ部材54aを保持するための保持器を設ける必要がなく、第2外歯用軸受54におけるころ部材54aの数を増やし、ころ部材54aの充填率を増大させることができる。また、第2中間規定部材58には、中間部23eが挿入される第3空隙部58aとこの第3空隙部58aに対して偏心するとともに第2偏心部23bが挿入される第4空隙部58bとが形成されている。このため、中間部23eと第2偏心部23bとの間においては、第2外歯用軸受54の位置を規定する規定部材として、1つの第2中間規定部材58のみを配置すればよいことになる。これにより、クランク軸23を偏心型減速機1に配設するための組み立ての際における手間が軽減され、組み立て作業性が向上し、組み立て工数が低減されることになる。
また、偏心型減速機1によると、第1中間規定部材56と第2中間規定部材58との間に配置されて中間部23eを保持する中間軸受41のクランク軸23の軸方向における位置も、これらの規定部材(56、58)によって規定されることになる。このため、中間軸受41においてもころ部材41aを保持する保持器を設ける必要がなく、中間軸受41におけるころ部材41aの数を増やし、ころ部材41aの充填率を増大させることができる。
また、偏心型減速機1によると、第3空隙部58a及び第4空隙部58bにクランク軸23が挿入される方向と直交する面部分58dを含む第2段部58cが、第2偏心部23bと中間部23eとの間の第2拡径段部62に当接することで、第2中間規定部材58のクランク軸23に対する位置が規定されることになる。このため、この第2中間規定部材58によって位置が規定される第2外歯用軸受54におけるころ部材54aのクランク軸23の軸方向における位置をより正確に規定することができる。
また、偏心型減速機1によると、第2偏心部23bから中間部23eに連続するクランク軸23の外周部分に第2切欠部63が形成されるとともに、この第2切欠部63と第2中間規定部材58とがクランク軸23の軸方向と垂直な方向で重なって配置される。このため、クランク軸23の第2偏心部23bから中間部23eに段状に連続する部分での応力集中が防止されるとともに、クランク軸23の軸方向長さが長くなることを抑制して第2切欠部63と第2中間規定部材58とを効率よく配置できる。また、クランク軸23に一体的に鍔部を設ける場合には、ころ部材の両端部に対応する位置に一対の切欠部を設ける必要があるが、偏心型減速機1では、第2中間規定部材58と重なって配置される第2切欠部63のみを設けるだけでよいため、クランク軸23に一体的に鍔部を設ける場合に比して、クランク軸23の長さを短くすることができる。
従って、本実施形態によると、クランク軸23の偏心部(23a、23b)や中間部23eを保持する軸受(53、54、41)に配置可能なころ部材(53a、54a、41a)の数を増やすことができるとともに、組み立て工数の低減を図ることができる、偏心型減速機1を提供することができる。
(変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。例えば、次のような変形例を実施することができる。
(1)本実施形態においては、クランク軸が回転中心線を中心とする周方向に沿って配置された偏心型減速機を例にとって説明したが、この通りでなくてもよく、クランク軸が回転中心線上に配置されたセンタクランクタイプの偏心型減速機であっても本発明を適用することができる。この場合、クランク軸が配置される回転中心線を中心とする周方向に沿って複数のガイドクランク軸を配置し、このガイドクランク軸がクランク軸の回転に伴う外歯歯車の回転とともに回転(自転)しながら公転動作を行うことで、基部キャリア及び端部キャリアを回転させる偏心型減速機を構成することができる。
(2)本実施形態においては、出力軸が基部キャリアに対して一体に設けられることで固定されている偏心型減速機を例にとって説明したが、この通りでなくてもよく、出力軸が基部キャリアとは別部材として設けられて基部キャリアに対して固定されている偏心型減速機であってもよい。
(3)本実施形態においては、支柱が基部キャリアに一体に形成された基部側支柱部分と、端部キャリアに一体に形成された端部側支柱部分とで構成されるものを例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、基部キャリア及び端部キャリアとは別部材として形成されて、基部キャリアと端部キャリアとをプレートを介して連結する支柱が設けられた偏心型減速機であってもよい。
(4)本実施形態においては、クランク軸に形成された偏心部が2つ中間部が1つ設けられているものを例にとって説明したが、この通りでなくてもよく、クランク軸に形成された偏心部が3つ以上中間部が2つ以上設けられている偏心型減速機であってもよい。
(5)本実施形態においては、クランク軸及び支柱が3つ設けられる偏心型減速機を例にとって説明したが、この通りでなくてもよく、クランク軸及び支柱が4つ以上設けられる偏心型減速機であってもよい。
(6)本実施形態においては、第1中間規定部材の第1空隙部及び第2空隙部と、第2中間規定部材の第3空隙部及び第4空隙部とが、円形孔として形成される場合を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。第1乃至第4空隙部が孔以外の空隙部として形成されていてもよく、例えば、第1中間規定部材及び第2中間規定部材がリング状の部分の一部が欠損したような形状の部材として構成されることで、孔以外の形状の空隙部として形成される第1乃至第4空隙部であってもよい。
(7)本実施形態においては、第1規定部材及び第2規定部材に、円形孔として形成された空隙部が設けられる場合を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。第1規定部材及び第2規定部材において、空隙部が設けられていなくてもよく、また円形孔以外の形状の空隙部が設けられていてもよい。
本発明は、ピン内歯に噛み合う複数の外歯歯車がクランク軸の回転に伴い偏心して回転するとともに、クランク軸の偏心部及び中間部が軸受により回転自在に保持された偏心型減速機として、広く適用することができるものである。
本発明の一実施の形態に係る偏心型減速機の断面図である。 図1に示す偏心型減速機における後段減速部及びその近傍を拡大して示す断面図である。 図1のA−A線矢視断面図である。 図1に示す偏心型減速機における第1中間規定部材及び第2中間規定部材についての平面図及び断面図である。 図1に示す偏心型減速機における第1規定部材及び第2規定部材についての平面図及び断面図である。 図2において破線で丸く囲んだ領域についての拡大断面図である。
符号の説明
1 偏心型減速機
11 ケース
14 出力軸
22 ピン内歯
23 クランク軸
23a 第1偏心部
23b 第2偏心部
23e 中間部
25 基部キャリア
26 端部キャリア
27 支柱
28a 第1外歯歯車
28b 第2外歯歯車
30 クランク用孔
31 外歯
41 中間軸受
53 第1外歯用軸受
54 第2外歯用軸受
56 第1中間規定部材
56a 第1空隙部
56b 第2空隙部
57 第1規定部材
101 ピニオン

Claims (4)

  1. ケースと、
    前記ケースの内周に配置され、ピン状の部材として形成された複数のピン内歯と、
    前記ケースに収納されるとともに、前記ピン内歯に噛み合う外歯が外周に設けられた第1外歯歯車及び第2外歯歯車と、
    前記第1外歯歯車及び前記第2外歯歯車に形成されたクランク用孔を貫通し、回転することで前記第1外歯歯車及び前記第2外歯歯車を偏心させて回転させるクランク軸と、
    前記クランク軸に形成され、前記クランク用孔に配置されるとともに当該クランク軸の回転中心線に対して偏心するよう設けられた第1偏心部及び第2偏心部と、
    前記第1偏心部を前記クランク用孔において前記第1外歯歯車に対して回転自在に保持する第1外歯用軸受と、
    前記第2偏心部を前記クランク用孔において前記第2外歯歯車に対して回転自在に保持する第2外歯用軸受と、
    前記クランク軸の一端側を回転自在に保持する基部キャリアと、
    前記クランク軸の他端側を回転自在に保持する端部キャリアと、
    前記基部キャリアと前記端部キャリアとの間に配置され、前記基部キャリアと前記端部キャリアとを連結する支柱と、
    前記基部キャリアに固定され、ピニオンが取り付けられる出力軸と、
    前記第1外歯歯車と前記第2外歯歯車との間に配置され、前記クランク軸の中間部を回転自在に保持する中間軸受と、
    を備えた偏心型減速機であって、
    前記中間部が挿入される第1空隙部と、前記第1空隙部の中心位置に対して偏心するよう設けられるとともに前記第1偏心部が挿入される第2空隙部と、が形成され、前記第1外歯用軸受と前記中間軸受との間に配置される第1中間規定部材と、
    前記第1外歯用軸受に対してその一端側に当接する第1規定部材と、
    を更に備え、
    前記第1中間規定部材と前記第1規定部材とによって、前記第1外歯用軸受の前記クランク軸の軸方向における位置が規定され
    前記第1中間規定部材における前記第1空隙部と前記第2空隙部との間には、当該第1空隙部に前記中間部が挿入される方向と当該第2空隙部に前記第1偏心部が挿入される方向とに直交する面に配置される面部分を含んで形成された第1段部が設けられ、
    前記第1段部は、前記クランク軸において前記第1偏心部から前記中間部へ拡径しながら連続するよう形成された第1拡径段部に対して当接することを特徴とする、偏心型減速機。
  2. 請求項1に記載の偏心型減速機であって、
    前記クランク軸には、前記中間部と前記第1偏心部との間の外周において周方向に沿って切り欠かれた第1切欠部が形成され、
    前記第1切欠部と前記第1中間規定部材の少なくとも一部とが、前記クランク軸の軸方向と垂直な方向において重なって配置されていることを特徴とする、偏心型減速機。
  3. ケースと、
    前記ケースの内周に配置され、ピン状の部材として形成された複数のピン内歯と、
    前記ケースに収納されるとともに、前記ピン内歯に噛み合う外歯が外周に設けられた第1外歯歯車及び第2外歯歯車と、
    前記第1外歯歯車及び前記第2外歯歯車に形成されたクランク用孔を貫通し、回転することで前記第1外歯歯車及び前記第2外歯歯車を偏心させて回転させるクランク軸と、
    前記クランク軸に形成され、前記クランク用孔に配置されるとともに当該クランク軸の回転中心線に対して偏心するよう設けられた第1偏心部及び第2偏心部と、
    前記第1偏心部を前記クランク用孔において前記第1外歯歯車に対して回転自在に保持する第1外歯用軸受と、
    前記第2偏心部を前記クランク用孔において前記第2外歯歯車に対して回転自在に保持する第2外歯用軸受と、
    前記クランク軸の一端側を回転自在に保持する基部キャリアと、
    前記クランク軸の他端側を回転自在に保持する端部キャリアと、
    前記基部キャリアと前記端部キャリアとの間に配置され、前記基部キャリアと前記端部キャリアとを連結する支柱と、
    前記基部キャリアに固定され、ピニオンが取り付けられる出力軸と、
    前記第1外歯歯車と前記第2外歯歯車との間に配置され、前記クランク軸の中間部を回転自在に保持する中間軸受と、
    を備えた偏心型減速機であって、
    前記中間部が挿入される第1空隙部と、前記第1空隙部の中心位置に対して偏心するよう設けられるとともに前記第1偏心部が挿入される第2空隙部と、が形成され、前記第1外歯用軸受と前記中間軸受との間に配置される第1中間規定部材と、
    前記第1外歯用軸受に対してその一端側に当接する第1規定部材と、
    前記中間部が挿入される第3空隙部と、前記第3空隙部の中心位置に対して偏心するよう設けられるとともに前記第2偏心部が挿入される第4空隙部と、が形成され、前記第2外歯用軸受と前記中間軸受との間に配置される第2中間規定部材と、
    前記第2外歯用軸受に対してその他端側に当接する第2規定部材と、
    を更に備え、
    前記第1中間規定部材と前記第1規定部材とによって、前記第1外歯用軸受の前記クランク軸の軸方向における位置が規定され、
    前記第2中間規定部材と前記第2規定部材とによって、前記第2外歯用軸受の前記クランク軸の軸方向における位置が規定され
    前記第2中間規定部材における前記第3空隙部と前記第4空隙部との間には、当該第3空隙部に前記中間部が挿入される方向と当該第4空隙部に前記第2偏心部が挿入される方向とに直交する面に配置される面部分を含んで形成された第2段部が設けられ、
    前記第2段部は、前記クランク軸において前記第2偏心部から前記中間部へ拡径しながら連続するよう形成された第2拡径段部に対して当接することを特徴とする、偏心型減速機。
  4. 請求項に記載の偏心型減速機であって、
    前記クランク軸には、前記中間部と前記第2偏心部との間の外周において周方向に沿って切り欠かれた第2切欠部が形成され、
    前記第2切欠部と前記第2中間規定部材の少なくとも一部とが、前記クランク軸の軸方向と垂直な方向において重なって配置されていることを特徴とする、偏心型減速機。
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