JP3650536B2 - 内接噛合遊星歯車構造 - Google Patents

内接噛合遊星歯車構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、減速機、あるいは増速機、特に産業用ロボットの関節等の制御装置として使われる高精度・高性能な減速機に適用するのに好適な内接噛合遊星歯車構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ケーシングと、該ケーシング内に先端が挿入された主回転軸と、該主回転軸の軸方向に間隔をおいて配置され、各々が軸受を介して前記ケーシングに回転自在に支持され、かつ互いに連結固定された第1の支持ブロック及び第2の支持ブロックと、前記主回転軸と同心の円周上に複数配置され、各々両端が前記第1、第2の支持ブロックに回転自在に支持された偏心体軸と、該偏心体軸に組込まれ前記主回転軸側と一体で回転するピニオンと噛合することにより主回転軸と偏心体軸とを連動して回転させる伝動歯車と、前記偏心体軸の軸方向略中央部に設けられた偏心体と、前記第1、第2の支持ブロック間に配置され、自身に形成された偏心体軸受孔が前記各偏心体に偏心体軸受を介して回転自在に嵌合されることにより主回転軸に対して偏心回転する外歯歯車と、前記ケーシングに固定され前記外歯歯車が内接噛合する内歯歯車と、を備えた内接噛合遊星歯車構造が、例えば特開平5−180278号公報等により知られている。
【0003】
図4を用いて、この形式の内接噛合遊星歯車構造の従来技術を説明する。
【0004】
図4において、符号101で示すものは円筒状のケーシングである。ケーシング101内の中心部には、図示しないモータによって回転駆動される入力軸(主回転軸)103の先端が挿入されている。
【0005】
ケーシング101内には、軸方向に間隔をおいて第1の支持ブロック104及び第2の支持ブロック105が互いに対向して配置されている。これら第1、第2の支持ブロック104、105は、それぞれ軸受106a 、106b を介してケーシング101の内周に回転自在に支持されている。
【0006】
又、ケーシング101内には、3本の偏心体軸108が入力軸103と平行に配設されている。
【0007】
各偏心体軸108には、スプライン112を介して伝動歯車113が取付けられている。
【0008】
第2の支持ブロック105の径方向の中心には、前記入力軸103が貫通している。そして、入力軸103の先端に、前記各偏心体軸108に組込んだ伝動歯車113と噛合するピニオン116が形成され、これにより、入力軸103の回転が、ピニオン116及び伝動歯車113を介して、3本の偏心体軸108に等しく分配されるようになっている。
【0009】
第1、第2の支持ブロック104、105の間には、ケーシング101の内径よりやや小さい外径の円板状の2枚の外歯歯車118a 、118b が軸方向に並べて配置されている。
【0010】
2枚の外歯歯車118a 、118bの間には、スペーサ127を介在させている。この外歯歯車118a 、118bの軸方向の位置決めを、外歯歯車118bの紙面右側を第2の支持ブロック105aによって受け止めると共に、スペーサ127を挟んでもう一枚の外歯歯車118aの紙面左側を第1の支持ブロック104の突起部104bの端面104b1によって受け止めることによって実現している。
【0011】
つまり、外歯歯車118aの左側面を第1の支持ブロック104の突起部104bの端面104b1に当接させて、(左側の)軸方向の位置決めをしている。
【0012】
図5は、図4のV−V線の断面図である。図5において、キャリアピン150を取り囲むように富士山型の形状をしたものが、第1の支持ブロック104の突起部104bに相当している。
【0013】
キャリアピン150は、第2の支持ブロック105が受けた回転力を、第1の支持ブロック104に伝達するものであり、外歯歯車118a 、118b の嵌挿孔128a 、128b は、外歯歯車118a 、118b が揺動してもキャリアピン150と干渉しないだけの大きさの円孔として形成されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、外歯歯車118aの特に紙面左側面を第1の支持ブロック104の突起部104bの端面104b1に当接させて、(左側の)軸方向の位置決めをする構造であると、図5に示したように第1の支持ブロック104の紙面右側の面が突起部104bが存在するが故に非常に複雑な形となってしまう。
【0015】
そのため、加工することが難しく、コスト高となってしまう。
【0016】
また、突起部104bの存在により、組立・組付けを行う上で労力を要した。
【0017】
突起部104bと外歯歯車118aは、常に接触・摩擦しているため、熱の発生を抑制するように互いに鏡面加工などの処置を施しているが、支持ブロック104は大型部材であるため、その加工は容易ではなく、コスト高が避けられなかった。又、万一、突起部104bが摩耗してしまった場合には交換作業が必要となるが、第1の支持ブロック104はコストが高く、さらに構造が複雑なため交換作業にも労力を要した。
【0018】
本発明はこのような従来の問題に鑑みてなされたものであって、第1の支持ブロックの構造を簡単にでき、加工工数の削減及びコストの低減をすべて同時に実現できることができる内接噛合遊星歯車構造を提供することをその課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ケーシングと、該ケーシング内に先端が挿入された主回転軸と、該主回転軸の軸方向に間隔をおいて配置され、各々が軸受を介して前記ケーシングに回転自在に支持され、かつ互いに連結固定された第1の支持ブロック及び第2の支持ブロックと、前記主回転軸と同心の円周上に複数配置され、各々両端が前記第1、第2の支持ブロックに回転自在に支持された偏心体軸と、該偏心体軸に組込まれ前記主回転軸側と一体で回転するピニオンと噛合することにより主回転軸と偏心体軸とを連動して回転させる伝動歯車と、前記偏心体軸の軸方向略中央部に設けられた偏心体と、前記第1、第2の支持ブロック間に配置され、自身に形成された偏心体軸受孔が前記各偏心体に偏心体軸受を介して回転自在に嵌合されることにより主回転軸に対して偏心回転する外歯歯車と、前記ケーシングに固定され前記外歯歯車が内接噛合する内歯歯車と、を備えた内接噛合遊星歯車構造において、前記偏心体軸上の伝動歯車と前記外歯歯車との間にスラストワッシャを配置すると共に、前記伝動歯車を前記偏心体軸に軸方向に固定的に組込み、前記外歯歯車の前記偏心体軸上の軸方向の位置決めを、前記外歯歯車の前記スラストワッシャを配置した側とは反対側を前記第1、第2の支持ブロックのうちいずれか一方によって受け止め、前記外歯歯車の前記スラストワッシャを配置した側を前記スラストワッシャを介して前記伝動歯車によって受け止めることによって実現したことにより、上記課題を解決したものである。
【0020】
このようにすることで、第1の支持ブロック4の構造を簡単にすることができ、加工工数及びコストの削減が実現できる。
【0021】
さらに、請求項1において、前記外歯歯車が複数ある場合には、外歯歯車同士の間にスペーサを介在させることにより、複数の外歯歯車のときにも対応ができるようになる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明の内接噛合遊星歯車構造を示したものである。
【0024】
図2は、図1のII−II線の断面図であり、図3は、図1のIII−IIIの断面図である。
【0025】
図1において、符号1で示すものは円筒状のケーシングである。このケーシング1は、筒壁を軸方向に貫通する複数のボルト挿通孔2を有している。ケーシング1内の中心部には、図示しないモータによって回転駆動される入力軸(主回転軸)3の先端が図中右側から挿入されている。
【0026】
ケーシング1内には、軸方向に間隔をおいて厚肉円板状の第1の支持ブロック(図中左側)4と第2の支持ブロック(図中右側)5とが互いに対向して配置されている。第1の支持ブロック4の外端面(左端面)は相手部材取付面4a とされ、ケーシング1外に若干突き出ている。これら第1、第2の支持ブロック4、5は、それぞれ軸受6a 、6b を介してケーシング1の内周に回転自在に支持されている。
【0027】
両支持ブロック4、5は、入力軸3と平行に配した3本のキャリアピン50により一体に連結・固定され、全体でキャリアを構成している。キャリアピン50は、両支持ブロック4、5の外周寄りの位置に配置されており、入力軸1と同心の円周上に周方向に等間隔で配設されている(図2、3参照)。
【0028】
第1の支持ブロック4及び第2の支持ブロック5には、各キャリアピン50を挿通させるためのキャリアピン保持孔51、52がそれぞれ形成されている。第2の支持ブロック5のキャリアピン保持孔52は、外端面側に座ぐり部53を有している。そして、第2の支持ブロック5のキャリアピン保持孔52側から、頭に鍔部50a を持つキャリアピン50が挿入され、該鍔部50a が座ぐり部53の底面に突き当たることで、キャリアピン50の第2の支持ブロック5に対する軸方向の位置決めが行われている。
【0029】
又、第1の支持ブロック4と第2の支持ブロック5との間にはパイプ状のキャリアスペーサ54が配設され、各キャリアピン50の先端は、それぞれキャリアスペーサ54を貫通して第1の支持ブロック4の各キャリアピン保持孔51に挿入されている。各キャリアスペーサ54は、従来の第1の支持ブロック104の突起部104bの分だけ従来のキャリアスペーサ154より長く形成され、キャリアピン50の軸方向中間部外周に遊嵌されると共に、両端面が第1の支持ブロック4と第2の支持ブロック5とに密着することで、両支持ブロック4、5の間隔を一定に保っている。
【0030】
キャリアピン50の先端面は、第1の支持ブロック4の相手部材取付面4a に露出している。又、この露出した先端面の中心には、相手部材固定用ボルト55をねじ込むためのねじ孔56が形成されており、相手部材Pのボルト挿通孔に通したボルト55を、このねじ孔56にねじ込んで相手部材Pとキャリアピン50とを結合することにより、同時に第1の支持ブロック4と第2の支持ブロック5とが、キャリアスペーサ54を介して、所定の間隔で連結・固定されるようになっている。
【0031】
又、ケーシング1内には、3本の偏心体軸8が入力軸3と平行に配設されている。これら偏心体軸8は、入力軸3と同心の円周上に周方向に等間隔で配設されており、図2、3に示すように、前記各キャリアピン50の中間に位置している。そして、各々の偏心体軸8の両端部が、偏心体軸軸受9a 、9b を介して第1の支持ブロック4及び第2の支持ブロック5の各偏心体軸軸受孔10a 、10b にそれぞれ回転自在に支持されている。
【0032】
各偏心体軸8の第1の支持ブロック4側には、前記偏心体軸軸受9a で支持されている部分より軸方向中間部寄りに、スプライン12を介して伝動歯車13が取付けられている。
【0033】
この伝動歯車13は、各偏心体軸8に嵌入され、該偏心体軸8の軸方向に固定された状態で位置決めがされている。
【0034】
第1の支持ブロック4、第2の支持ブロック5の径方向の中心には、それぞれ中心孔14、15が形成されており、それら中心孔14、15に前記入力軸3が第2支持ブロック5側から挿入されている。
【0035】
入力軸3の先端は、第1支持ブロック4の中心孔内にわずかに入った位置にあり、その入力軸3の先端に、前記各偏心体軸8に固定した伝動歯車13と噛合するピニオン16が形成され、これにより、入力軸3の回転がピニオン16及び伝動歯車13を介して3本の偏心体軸8に等しく分配されるようになっている。この場合、伝動歯車13の歯数はピニオン16の歯数よりも多くなっており、各偏心体軸8は、伝動歯車13とピニオン16の歯数比だけ減速回転される。
【0036】
各偏心体軸8の軸方向中央部には、軸方向に並んで2つの偏心体17a 、17b が設けられている。これら偏心体17a 、17b は、互いに180°位相がずれている。
【0037】
一方、第1、第2の支持ブロック4、5の間には、ケーシング1の内径よりやや小さい外径の円板状の2枚の外歯歯車18a 、18b が軸方向に並べて配置されている。各外歯歯車18a 、18b には、前記偏心体軸8が貫通する3つの偏心体軸受孔19a 、19b が設けられており、各偏心体軸受孔19a 、19b に、前記各偏心体17a 、17b が偏心体軸受20a 、20b を介して嵌合されている。
【0038】
これにより、外歯歯車18a 、18b は、図3に示すように、その中心Og が入力軸3の回転中心Of に対して距離eだけ偏心した状態に支持され、偏心体軸8の1回転毎に、入力軸3の中心Of に対して1回転だけ揺動回転するようになっている。
【0039】
偏心体軸8を支持する図1中の左側の偏心体軸軸受9aは、紙面左側を第1の支持ブロック4の偏心体軸軸受孔10a 内周に係合した止め輪60により受け止められている。
【0040】
伝動歯車13と偏心体軸8は互いに相対回転不能に固定されている。また、伝動歯車13の左端面は前記偏心体軸軸受9aと当接されている。
【0041】
本実施形態では、「従来の技術」とは異なり伝動歯車13と紙面左側の外歯歯車18aとの間にスラストワッシャ30を配置している(後に詳述)。
【0042】
前記偏心体軸受20a 、20b としては、ここではニードル軸受が用いられている。そして、この偏心体軸受20a 、20b の軸方向の位置決めが次のように行われている。
【0043】
即ち、偏心体軸受20a は、図1において紙面左端側が前記伝動歯車13の側面で直接位置決めされ、右端側が両偏心体17a 、17b 間に設けたフランジ22により位置決めされている。又、偏心体軸受20b は、紙面左端側が両偏心体17a 、17b 間に設けた前記フランジ22により位置決めされ、右端側が止め板23により位置決めされている。
【0044】
前記外歯歯車18a 、18b は、円弧又はトロコイド形の外歯24を有しており、この外歯歯車18a 、18b の外周側には、外歯歯車18a 、18b が噛合する内歯歯車25が配設されている。内歯歯車25はケーシング1の内周に、ケーシング1と一体に形成されており、外ピン26からなる内歯を有している。なお、外ピン26は、ピン押さえリング27により抜け落ちないように内側から止められている。この外ピン押さえリングが請求項の「スペーサ」に相当しているもので、例えば外歯歯車が3枚ある3枚差歯形のの場合には、外歯歯車同士の間に外ピン押さえリング(スペーサ)27を2枚入れるようにする。
【0045】
外歯歯車18a 、18b には、その中心に、入力軸3の貫通する中心孔60a 、60b が形成され、又、キャリアピン50に対応する位置に、嵌挿孔28a 、28b が形成されている。そして、この嵌挿孔28a 、28b をキャリアピン50及びキャリアスペーサ54が貫通している。
【0046】
このキャリアスペーサ54は、第1の支持ブロック4と第2の支持ブロック5の軸方向の位置決めをし、キャリアピン50にて保持するようにしている。
【0047】
キャリアピン50は、第2の支持ブロック5が受けた回転力を、第1の支持ブロック4に伝達するものであり、外歯歯車18a 、18b の嵌挿孔28a 、28b は、外歯歯車18a 、18b が揺動してもキャリアピン50及びキャリアスペーサ54と干渉しないだけの大きさの円形孔として形成されている。
【0048】
又、キャリアピン50の先端面のねじ穴56の他に、第1の支持ブロック4の相手部材取付面4a には、図2に示すように相手部材固定用ねじ穴57が複数形成され、これら多数のねじ穴56、57に固定用ボルト55をねじ込むことにより,相手部材Pを強固に連結・固定することができるようになっている。
【0049】
次に、外歯歯車18a、18bの偏心体軸8の軸方向の位置決めについて特に詳細に説明する。
【0050】
本実施形態では、前述したように、紙面左側の外歯歯車18aと紙面右側の外歯歯車18bの間には、外ピン押さえリング(スペーサ)27が配置されている。
【0051】
また、紙面左側の外歯歯車18aと伝動歯車13との間には、スラストワッシャ30が配置され、伝動歯車13は、偏心体軸8に嵌入・固定されている。
【0052】
つまり、外歯歯車18a、18bの軸方向の位置決めは、互いの間に外ピン押さえリング(スペーサ)27を挟み、紙面右方向においては外歯歯車18bの右端面を第2の支持ブロック5によって受け、紙面左方向においては外歯歯車18aの左端面をスラストワッシャ30に当接させ、さらに伝動歯車13にて受けるようにしている。
【0053】
伝動歯車13は、偏心体軸8に固定され、偏心体軸8は偏心体軸軸受9a、9bを介して夫々第1、第2の支持ブロック4,5に支持され軸方向に固定されている。
【0054】
なお、符号60、61は偏心体軸軸受9a、9bの軸方向の位置決めをする止め輪である。
【0055】
前述したように、第1の支持ブロック4と第2の支持ブロック5とは、キャリアスペーサ54及びキャリアピン50によって位置決めされているので、結果として外歯歯車18a、18bの軸方向の位置決めが完結するようになる。
【0056】
「従来技術」では、左側の外歯歯車18aの軸左方向の位置決めを第1の支持ブロック104(4)に突起部104bを形成して、この突起部104bの端部104b1にて直接外歯歯車18aの軸方向の位置決めを行っていたが、このように、外歯歯車18a、18bの軸方向の位置決めをすることによって、第1の支持ブロック104の突起部104bを無くすことができる。
【0057】
そのため、第1の支持ブロックの構造が従来に比べ非常に簡単な構造にでき、加工工数及びコストの削減が実現できる。
【0058】
また、専用のスラストワッシャ30が伝動歯車13と外歯歯車18aとの間に介在されているため、両者は円滑に相対回転できる。更に、従来は、外歯歯車の位置決めを第1の支持ブロック104(の突起部104b)によっていたため、万一、第1の支持ブロック104が摩耗してした場合に、交換作業が非常に労力を要し、且つその部品(第1の支持ブロック104)が高価なものであったのでユーザのニーズに必ずしも答えられていなかったが、本実施形態では、スラストワッシャ30にて外歯歯車の軸方向の位置決めを実施するため、内部構造を簡単にでき、且つ安価な部品を提供でき容易に部品交換が実施できる。
【0059】
なお、本実施形態では2枚の外歯歯車18a 、18bを採用しているが、特にこれに限定されるものではない。即ち、外歯歯車は1枚であってもよく、また3枚あるときには、それぞれの外歯歯車の間に外ピン押さえリング(スペーサ)を入れるようにすればよい。
【0060】
最後に減速機としての作用を簡単に説明しておく。
【0061】
ここでは、まず、仮にケーシング1が固定され、第1、第2の支持ブロック4、5で構成したキャリアから回転出力を取り出す場合を想定して説明する。
【0062】
入力軸3が回転すると、ピニオン16及び伝動歯車13を介して3つの偏心体軸8が同一方向(入力軸3とは逆方向)に同一速度で回転する。3つの偏心体軸8には、それぞれ2つの偏心体17a 、17b が設けられており、当該偏心体17a 、17b が同方向に同一速度で偏心回転することにより、2枚の外歯歯車18a 、18b が入力軸3に対して揺動回転を行う。
【0063】
ここではケーシング1が固定、つまり内歯歯車25が固定されている場合を想定しているから、外歯歯車18a 、18b は、内歯歯車25によって自由な自転が拘束され状態で、内歯歯車25に内接しながら揺動することになる。今、例えば外歯歯車18a 、18b の歯数をN、内歯歯車25の歯数をN+1とした場合、その歯数差は1である。従って、偏心体軸8が1回転する毎に、外歯歯車18a 、18b は内歯歯車25に対して1歯分だけずれる(自転する)ことになる。
【0064】
この「ずれ」、即ち外歯歯車18a 、18b の自転は、3本の偏心体軸8を介して第1、第2の支持ブロック4、5に伝達される。第2の支持ブロック5に伝達された回転力は、キャリアピン50を介して、第1の支持ブロック4に伝達される。そして、その回転力が第1の支持ブロック4から、同ブロック4に連結された相手部材Pに伝達される。
【0065】
各支持ブロック4、5に伝わった回転力は、両支持ブロック4、5が、合力となって出力側の支持ブロック4又は5から取り出される。なお、両支持ブロック4、5は、偏心体軸8が1回転すると、−1/N回転に減速される。
【0066】
上の説明では、ケーシング1を固定し、第1、第2の支持ブロック4、5側から出力を取り出す場合の作用を述べたが、第1、第2の支持ブロック4、5を固定し、ケーシング1側から出力を取り出すこともできる。その場合は、ケーシング1に外フランジ2を設けて相手部材を連結することになる。これによりケーシング1から、前記支持ブロック4、5とは逆回転で同一速度の減速出力が取り出される。
【0067】
このように、ケーシング1側を固定して第1、第2の支持ブロック4、5側から減速回転出力を取り出してもよいし、第1、第2の支持ブロック4、5側を固定して、ケーシング1側から減速回転出力を取り出してもよい。減速機として適用する場合には、前記二様の使用形態が可能である。出力の取り出し方によって区別する場合、前者をキャリア回転形、後者をケース回転形と呼ぶ。
【0068】
なお、この形式の内接噛合遊星歯車構造は、ケース回転形、キャリヤ回転形とも、入力、出力の関係を逆転させることにより、増速機として利用することも可能である。
【0069】
【発明の効果】
以上に説明したとおり、本発明によれば、外歯歯車の軸方向の位置決めを、一方を第2の支持ブロックと当接させ、もう一方をスラストワッシャを介して偏心体軸に固定された伝動歯車によって行うことができ、突起部を省略して第1の支持ブロックの構造を簡単にすることができ、加工工数及びコストの削減が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の主要部を表す内接噛合遊星歯車構造の側断面図
【図2】図1のII−II線に沿う断面図
【図3】図1のIII−III線に沿う断面図
【図4】従来の内接噛合遊星歯車構造の一例を示す側断面図
【図5】図4のV−V線に沿う断面図
【符号の説明】
1、101…ケーシング
3、103…入力軸(主回転軸)
4、104…第1の支持ブロック
4b…第1の支持ブロックの突起部
5、105…第2の支持ブロック
6a 、6b 、106a 、106b …軸受
8、108…偏心体軸
9a 、9b 、109a 、109b …偏心体軸軸受
10a 、10b …偏心体軸軸受孔
13、113…伝動歯車
16、116…ピニオン
17a 、17b 、117a 、117b …偏心体
18a 、18b 、118a 、118b …外歯歯車
19a 、19b 、119a 、119b …偏心体軸受孔
20a 、20b 、120a 、120b …偏心体軸受
22、122…フランジ
24、124…外歯
25、125…内歯歯車
27、127…外ピン押さえリング(スペーサ)
30…スラストワッシャ
P…相手部材

Claims (2)

  1. ケーシングと、該ケーシング内に先端が挿入された主回転軸と、該主回転軸の軸方向に間隔をおいて配置され、各々が軸受を介して前記ケーシングに回転自在に支持され、かつ互いに連結固定された第1の支持ブロック及び第2の支持ブロックと、前記主回転軸と同心の円周上に複数配置され、各々両端が前記第1、第2の支持ブロックに回転自在に支持された偏心体軸と、該偏心体軸に組込まれ前記主回転軸側と一体で回転するピニオンと噛合することにより主回転軸と偏心体軸とを連動して回転させる伝動歯車と、前記偏心体軸の軸方向略中央部に設けられた偏心体と、前記第1、第2の支持ブロック間に配置され、自身に形成された偏心体軸受孔が前記各偏心体に偏心体軸受を介して回転自在に嵌合されることにより主回転軸に対して偏心回転する外歯歯車と、前記ケーシングに固定され前記外歯歯車が内接噛合する内歯歯車と、を備えた内接噛合遊星歯車構造において、
    前記偏心体軸上の伝動歯車と前記外歯歯車との間にスラストワッシャを配置すると共に、
    前記伝動歯車を前記偏心体軸に軸方向に固定的に組込み、
    前記外歯歯車の前記偏心体軸上の軸方向の位置決めを、前記外歯歯車の前記スラストワッシャを配置した側とは反対側を前記第1、第2の支持ブロックのうちいずれか一方によって受け止め、前記外歯歯車の前記スラストワッシャを配置した側を前記スラストワッシャを介して前記伝動歯車によって受け止めることによって実現した
    ことを特徴とする内接噛合遊星歯車構造。
  2. 請求項1において、
    前記外歯歯車が複数ある場合には、外歯歯車同士の間にスペーサを介在させることを特徴とする内接噛合遊星歯車構造。
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