JP5069650B2 - 偏心型減速機 - Google Patents

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本発明は、ピニオンが設けられた出力軸が、減速要素を回転自在に保持するキャリアに対して連結された減速機に関する。
従来、建設機械の旋回装置として、ピニオンが設けられた出力軸が、減速要素を回転自在に保持するキャリアに対して連結された減速機が知られている(特許文献1参照)。特許文献1に開示された減速機においては、減速要素である遊星ギア(44)がキャリア(48)に回転自在に保持されている。そして、キャリアの端部は、ピニオンシャフト(50)として形成された出力軸の端部にスプライン結合を介して連結されている。また、出力軸には、ピニオン(60)が設けられている。
特開2005−231853号公報(第4頁、第2図)
特許文献1に開示された減速機では、キャリアの端部と出力軸の端部とがスプライン結合を介して連結されている。このため、キャリアと出力軸とのスプライン結合の結合強度が低下してしまい易く、スプライン結合部分での磨耗や折損といったトラブルが発生し易いという問題がある。この点に関し、スプライン結合の長さを長くすることで、スプライン結合の結合強度を向上させることが考えられる。しかしながら、この場合、スプライン結合の長さが長くなることで、キャリアの端部及び出力軸の端部の長さが長くなってしまい、減速機がその回転中心線の方向である軸方向に長くなってしまうという問題を招くことになる。尚、特許文献1においては、遊星歯車機構のキャリアが出力軸と連結された減速機が開示されているが、ピン内歯に噛み合う外歯歯車を偏心して回転させるクランク軸を回転自在に保持するキャリアが出力軸と連結された偏心型減速機を構成することもできる。この場合、軸方向に短い構成で大きい減速比を実現可能な偏心型減速機として構成することで、より軸方向に短くて高出力仕様の減速機を実現することができる。
本発明は、上記実情に鑑みることにより、キャリアと出力軸とのスプライン結合の結合強度を向上させるとともに、軸方向の寸法が長くなってしまうことも抑制することができる、偏心型減速機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための第1発明に係る偏心型減速機は、ケースと、前記ケースの内周に配置され、ピン状の部材として形成された複数のピン内歯と、前記ケースに収納されるとともに前記ピン内歯に噛み合う外歯が外周に設けられた外歯歯車と、前記ケースの内周の周方向に沿って配置され、前記外歯歯車に形成されたクランク用孔を貫通し、回転することで前記外歯歯車を偏心させて回転させるクランク軸と、前記クランク軸の一端側及び他端側を回転自在に保持するキャリアと、前記キャリアに連結されるとともに、一端側においてピニオンが一体に形成された出力軸と、を備えている。そして、第1発明に係る偏心型減速機は、前記出力軸には、前記外歯歯車の中心部分に形成された貫通孔に向かって突出するよう配置されるとともに、前記キャリアに連結されるスプライン部が形成されたスプライン軸部が設けられ、前記キャリアは、前記クランク軸の一端側を回転自在に保持する基部キャリアと、前記クランク軸の他端側を回転自在に保持する端部キャリアと、前記基部キャリアと前記端部キャリアとの間に配置されて前記基部キャリアと前記端部キャリアとを連結する支柱と、を有し、前記スプライン軸部が前記貫通孔を貫通するとともに、前記スプライン部が前記基部キャリアと前記端部キャリアとに連結されることを特徴とする。
この発明によると、出力軸のスプライン軸部が外歯歯車の貫通孔に突出してこの貫通孔を貫通するよう設けられる。このため、外歯歯車の貫通孔の内側の領域を有効に活用して、キャリアに連結されるスプライン部が形成されたスプライン軸部を配置することができる。これにより、スプライン部を長く形成しても、偏心型減速機が軸方向に長くなってしまうことを抑制できる。更に、スプライン部を長く形成することでキャリアと出力軸とのスプライン結合の結合強度の向上を図ることができる。尚、本発明では、出力軸にピニオンが一体に形成されているため、出力軸とピニオンとの間にスプライン結合が介在することによる磨耗や折損といったトラブルが発生することもない。
更に、この発明によると、外歯歯車の貫通孔を貫通するスプライン軸部におけるスプライン部が、クランク軸の両端側をそれぞれ保持する基部キャリアと端部キャリアとにおいてキャリアに対して結合されることになる。このため、偏心型減速機の軸方向における2箇所の位置でキャリアと出力軸とがスプライン結合されることになり、キャリアと出力軸とのスプライン結合強度を更に向上させることができる。
従って、本発明によると、キャリアと出力軸とのスプライン結合の結合強度を向上させるとともに、軸方向の寸法が長くなってしまうことも抑制することができる、偏心型減速機を提供することができる。
発明に係る偏心型減速機は、第発明の偏心型減速機において、前記貫通孔を貫通する前記スプライン軸部の端部に対向し、前記端部キャリアの他端側の一部を覆うように当該端部キャリアに固定される固定部材を更に備えていることを特徴とする。
この発明によると、スプライン軸部の端部に対向する位置で端部キャリアに固定される固定部材が、端部キャリアの他端側を一部覆うように固定される。このため、貫通孔を貫通するスプライン軸部が配置される軸方向においてキャリアの他端側を固定部材で固定することで、曲げ方向に対するキャリアの強度を効率よく向上させることができる。これにより、端部キャリアと出力軸とのスプライン結合強度を更に向上させることができる。
発明に係る偏心型減速機は、第1発明又は第2発明の偏心型減速機において、前記クランク軸の直径寸法が前記スプライン軸部の半径寸法よりも小さいことを特徴とする。
この発明によると、スプライン軸部に対して偏心型減速機の径方向(偏心型減速機の軸方向と垂直な方向)における外側に配置されるクランク軸の直径寸法を小さく形成し、内側に配置されるスプライン軸部の半径寸法を大きく形成することができる。このため、偏心型減速機の半径方向の断面におけるスプライン軸部の断面積の比率を増大させることで、偏心型減速機の径方向の寸法が肥大化することを抑制しつつ、スプライン軸部の強度の向上を図ることができる。そして、スプライン軸部の径を太く設定できることで、キャリアと出力軸とのスプライン結合強度の更なる向上を図ることもできる。これにより、スプライン軸部の軸方向の長さを短くでき、偏心型減速機の軸方向の寸法を更に短くすることができる。
発明に係る偏心型減速機は、第1発明乃至第発明のいずれかの偏心型減速機において、前記出力軸を前記ケースに対して回転自在に保持する出力軸軸受が、前記出力軸に沿う方向において前記ピニオンと前記スプライン軸部との間に配置されていることを特徴とする。
この発明によると、出力軸軸受によりピニオンとスプライン軸部との間でケースに対して出力軸が保持される。このため、ピニオンから過大な反力が出力軸に作用して出力軸が傾いた場合であっても、出力軸軸受を介してピニオンと反対側に位置するスプライン軸部のスプライン部において傾きを吸収することができる。これにより、出力軸の傾きが生じた場合でも、外歯歯車とピン内歯との間で偏当たりが生じてしまうことを抑制できる。
本発明によると、キャリアと出力軸とのスプライン結合の結合強度を向上させるとともに、軸方向の寸法が長くなってしまうことも抑制することができる、偏心型減速機を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。本発明の実施形態に係る偏心型減速機は、産業用ロボットや種々の工作機械等の各種産業用機械や建設機械等において広く適用することができる。尚、例えば、風車においては、近年、ブレード(羽根)の直径が大きくなる傾向にあることから、風向きに合わせて風車のナセルを旋回させるための首振り用の駆動装置であるヨー(Yaw)駆動装置として、寸法の大型化を抑制しつつ且つ高出力仕様の(負荷容量の大きな)減速機が要求される状況にある。このため、本実施形態に係る偏心型減速機は、風車用ヨー駆動装置として用いられると好適である。また、この例に限らず、ピニオンが設けられた出力軸が、クランク軸を回転自在に保持するキャリアに対して連結された偏心型減速機に関して、広く適用することができるものである。
図1は、本発明の一実施の形態に係る偏心型減速機1を示す正面図であり、切欠き断面を含む図である。偏心型減速機1は、例えば、風車のナセルを旋回させる風車用ヨー駆動装置として用いられ、上側に配置されるモータ(図示せず)から入力された回転を減速して伝達して出力する。そして、偏心型減速機1は、ケース11、入力ギア12、減速部13、出力軸14、ピン内歯16等を備えて構成されている。
図1に示すように、偏心型減速機1は、下側に配置された一端側においてケース11から突出するように位置する出力軸14にピニオン15が一体に形成され、上側に配置された他端側においてケース11に対してモータ(図示せず)が取り付けられる。そして、偏心型減速機1においては、上側に配置されたモータから入力された回転力をケース11内に配置された前段側の遊星歯車機構(図1において一部を図示)及び後段側の減速部13を介して減速して伝達して出力軸14のピニオン15に出力する。偏心型減速機1が風車用ヨー駆動装置として用いられる場合には、偏心型減速機1は、ピニオン15が風車のタワーの上部に固定された歯車と噛み合うように配置される。そして、モータからの駆動力に伴って偏心型減速機1が作動してピニオン15が回転することで、風車のナセルが旋回する。尚、以下の説明においては、偏心型減速機1にて、出力軸14が配置される下側である出力側を一端側として、モータが取り付けられる上側である入力側を他端側として説明する。
図1に示すように、ケース11は、筒状の第1ケース部11aと第1ケース部11aの他端側に配置される第2ケース部11bとで構成され、これらの縁部同士がボルトで連結されている。ケース11は、内周に複数のピン内歯16が配置され、内部には減速部13等が配置されている。尚、入力ギア12、減速部13、及び出力軸14は、偏心型減速機1の回転中心線P(図1において一点鎖線で図示)の方向である軸方向に沿って直列に配置されている。ケース11は、一端側(第1ケース部11aの端部側)が開口形成され、他端側(第2ケース部11bの端部側)には前述のようにモータ(図示せず)が固定される。
図2は、図1における減速部13及びその近傍を拡大して示す断面図である。図1及び図2に示すように、ピン内歯16は、複数設けられており、第1ケース部11aの内周に形成されたピン溝17に嵌め込まれて取り付けられた状態でケース11の内周に配置されている。ピン内歯16(図1及び図2では断面でなく外形を図示)は、ピン状の部材(丸棒状の部材)として形成され、その長手方向が回転中心線Pと平行に位置するように配置されている。そして、ピン内歯16は、ケース11の内周において周方向に沿って等間隔に配列され、後述する外歯歯車24の外歯28と噛み合うように構成されている。
図1及び図2に示すように、入力ギア12は、短軸状の歯車部材として設けられ、回転中心線P上に配置されている。尚、ケース11の他端側に取り付けられるモータの回転軸(図示せず)と入力ギア12との間には遊星歯車機構が設けられており、この遊星歯車機構を介して入力ギア12にモータからの回転駆動力が伝達される。入力ギア12には、その一端側にはスパーギア18に噛み合う歯車部分が形成され、これにより、入力ギア12は、遊星歯車機構を介して減速して伝達されたモータからの回転駆動力をスパーギア18に入力するように構成されている。
図1及び図2に示すように、減速部13は、スパーギア18、クランク軸19、キャリア20、外歯歯車24等を備えて構成されている。スパーギア18は、入力ギア12の歯車部分と噛み合うように入力ギア12の周囲に複数個(本実施形態では3個)配置されており、入力ギア12に対して偏心型減速機1の径方向(偏心型減速機1の軸方向である回転中心線Pの方向に対して垂直な方向)に位置している。スパーギア18は、中央部分に貫通する孔が形成され、この孔においてクランク軸19の他端側に対してスプライン結合により固定されている。
図1及び図2に示すクランク軸19は、ケース11の内周の周方向(即ち、回転中心線Pを中心とした周方向)に沿った均等角度の位置に複数(本実施形態では3つ)配置されており、その軸方向が回転中心線Pと平行になるように配置されている。各クランク軸19(図1及び図2では、断面でなく外形を図示)は、外歯歯車24に形成されたクランク用孔25をそれぞれ貫通するように配置されており、回転することで外歯歯車24を偏心させて回転させる軸部材として設けられている。そして、クランク軸19は、自らの回転(自転)に伴う外歯歯車24の回転とともに、公転動作を行うことになる。
また、クランク軸19には、第1偏心部19a、第2偏心部19b、第1軸部19c、及び第2軸部19dが形成され、一端側から、第1軸部19c、第1偏心部19a、第2偏心部19b、第2軸部19dの順番で直列に設けられている。第1偏心部19a及び第2偏心部19bは、軸方向と垂直な断面が円形断面となるように形成され、それぞれの中心位置がクランク軸19の回転中心線に対して偏心するように設けられている。第1偏心部19a及び第2偏心部19bは、外歯歯車24のクランク用孔25に配置されている。また、クランク軸19の一端側に設けられた第1軸部19cは円錐ころ軸受として構成されたクランク軸軸受29を介してキャリア20に対して回転自在に保持されている。クランク軸19の他端側に設けられた第2軸部19dは円錐ころ軸受として構成されたクランク軸軸受30を介してキャリア20に対して回転自在に保持されている。また、第2軸部19dには、クランク軸軸受30から他端側に突出するように位置するその端部において、前述したように、スパーギア18が固定されている。
図1及び図2に示す外歯歯車24は、平行に配置された状態でケース11内に収納される第1外歯歯車24a及び第2外歯歯車24bで構成されている。第1外歯歯車24a及び第2外歯歯車24bにはそれぞれ、クランク軸19が貫通するクランク用孔25、中心部分に形成された貫通孔26、及び、後述するキャリア20の支柱23が貫通する支柱用孔27が形成されている。第1外歯歯車24a及び第2外歯歯車24bは、回転中心線Pと平行な方向において、クランク用孔25、貫通孔26、及び支柱用孔27の位置がそれぞれ対応するように配置されている。外歯歯車24(24a、24b)のクランク用孔25は、貫通する円形孔として形成され、クランク軸19に対応して外歯歯車24の周方向に沿って均等角度の位置に複数(本実施形態では3つ)配置されている。また、貫通孔26は、外歯歯車24の中心部分に形成されて貫通する円形孔として設けられている。また、支柱用孔27は、後述する支柱23の断面形状に対応して貫通する孔として形成され、支柱23に対応して外歯歯車24の周方向に沿った均等角度の位置に複数(本実施形態では3つ)配置されている。また、支柱用孔27は、外歯歯車24の周方向において、クランク用孔25と交互に形成されている。尚、支柱用孔27には、支柱23が遊嵌状態で貫通している。
また、第1外歯歯車24a及び第2外歯歯車24bのそれぞれの外周には、ピン内歯16に噛み合う外歯28が設けられている。第1外歯歯車24a及び第2外歯歯車24bの外歯28の歯数は、ピン内歯16の歯数よりも1個或いは複数個少なくなるように設けられている。このため、クランク軸19が回転するごとに、噛み合う外歯28とピン内歯16との噛み合いがずれ、外歯歯車24(24a、24b)が偏心して揺動回転するように構成されている。
また、外歯歯車24は、クランク用孔25において外歯用軸受(31、32)を介してクランク軸19を回転自在に保持している。外歯用軸受31は第1偏心部19aを第1外歯歯車24aに対して、外歯用軸受32は第2偏心部19bを第2外歯歯車24bに対して、それぞれ回転自在に保持している。尚、外歯用軸受(31、32)は、円筒ころ部材(ニードルころ部材と称されることもあるころ部材も含む)として構成される複数のころ部材をそれぞれ備えて構成されている。
図1及び図2に示すキャリア20は、ケース11内に配置され、基部キャリア21、端部キャリア22、及び支柱23を備え、複数のクランク軸19の一端側及び他端側を回転自在に保持するように構成されている。基部キャリア21は、その他端側において他端側に向かって突出する支柱23が一体に形成された円板状に形成されている。そして、基部キャリア21には、スプライン孔33と複数のクランク保持孔34とが形成されている。スプライン孔33は、基部キャリア21の中心に配置され、回転中心線Pを中心とした円周方向に沿ってスプライン溝が形成された貫通する孔として設けられている。また、クランク保持孔34は、回転中心線Pを中心とした周方向に沿った均等角度の位置に形成されて貫通する孔として設けられている。基部キャリア21は、このクランク保持孔34によって各クランク軸19の一端側をその第1軸部19cにてクランク軸軸受29を介して回転自在に保持している。
端部キャリア22は、支柱23を介して基部キャリア21と連結され、円板状の部材として設けられている。端部キャリア26には、スプライン孔35と複数のクランク保持孔36とが形成されている。スプライン孔35は、端部キャリア22の中心に配置され、回転中心線Pを中心とした円周方向に沿ってスプライン溝が形成された貫通する孔として設けられている。また、クランク保持孔36は、回転中心線Pを中心とした周方向に沿った均等角度の位置に形成されて貫通する孔として設けられている。端部キャリア22は、このクランク保持孔36によって各クランク軸19の他端側をその第2軸部19dにてクランク軸軸受30を介して回転自在に保持している。尚、クランク軸軸受30におけるクランク軸19の軸方向の位置は、クランク保持孔36に嵌め込まれたリング状の止め部材によって規定されている。また、端部キャリア22のスプライン孔35の他端側には段部が形成されており、この段部において、薄い円板状の部材である固定部材37が端部キャリア22に対して固定されている。この固定部材37は、スプライン孔35を含む端部キャリア22の他端側の一部を覆うように、端部キャリア22に対して固定されている。
支柱23は、基部キャリア21と端部キャリア22との間に配置され、基部キャリア21と端部キャリア22とを連結する柱状部分として設けられている。支柱23は、回転中心線Pを中心とした周方向に沿った均等角度の位置に複数(本実施形態では3つ)配置され、その軸方向が回転中心線Pと平行となるように配置されている。尚、支柱23とクランク軸19とは、回転中心線Pを中心とした周方向に沿って交互に配置されている。各支柱23は、基部キャリア21に一体に形成され、基部キャリア21の他端側において突出するように設けられている。尚、支柱23と端部キャリア22とは、支柱23に形成されたネジ孔(図示せず)に螺合する支柱ボルト(図示せず)によって結合される。
図1及び図2に示す出力軸14は、ピニオン15が一体に形成された一端側においてケース11から突出し、ケース11内に配置された他端側においてキャリア20に連結されている。出力軸14は、その回転中心線が回転中心線Pと重なって配置されており、一端側から他端側にかけて軸方向に沿って、ピニオン15、出力軸部38、及びスプライン軸部39が直列に設けられている。
ピニオン15は、ケース11の一端側の開口から突出した出力軸14の一端側の端部において一体に形成されている。出力軸部38の周囲には、一対の円錐ころ軸受として設けられた出力軸軸受(41、42)の内輪が出力軸14の軸方向に沿って直列に取り付けられている。出力軸軸受(41、42)の外輪は、ケース11の第1ケース部11aの内周に対して取り付けられており、この出力軸軸受(41、42)によって、出力軸部38が回転自在に保持されている。また、出力軸14をケース11に対して回転自在に保持する出力軸軸受(41、42)は、出力軸14に沿う方向においてピニオン15とスプライン軸部39との間に配置されている。
スプライン軸部39は、外歯歯車24の貫通孔26に向かって突出するように配置されており、キャリア20に連結されるスプライン部40が形成されている。スプライン部40は、スプライン軸部39の軸方向に沿って全体的にそれぞれ連続して延びる複数のスプライン歯として形成され、スプライン軸部39の全周に亘って設けられている。そして、スプライン軸部39は外歯歯車24の貫通孔26を貫通しており、外歯歯車24及びスプライン軸部39がスプライン軸部39の軸方向と垂直な方向(偏心型減速機1の径方向)において重なって配置されている。
また、スプライン軸部39のスプライン部40のスプライン歯の一端側の部分は、基部キャリア21のスプライン孔33のスプライン溝と嵌まり合っている。一方、スプライン部40のスプライン歯の他端側の部分は、端部キャリア22のスプライン孔35のスプライン溝と嵌まり合っている。これにより、スプライン部40が基部キャリア21と端部キャリア22とに連結され、出力軸14とキャリア20とがスプライン結合により結合されている。尚、外歯歯車24の貫通孔26を貫通するスプライン軸部39の他端側の端部は、端部キャリア22のスプライン孔35の開口を塞ぐように端部キャリア22に取り付けられた固定部材37に対向するよう配置されている。また、スプライン軸部39の半径寸法は、クランク軸19の直径寸法よりも大きくなるように形成されている。尚、本実施形態では、クランク軸19の直径寸法である第1及び第2軸部(19c、19d)の直径寸法が、スプライン軸部39の半径寸法よりも小さくてその3分の2程度の寸法となるように設定されたものを例示している。
次に、上述した偏心型減速機1の作動について説明する。偏心型減速機1は、図示しないモータの運転が行われることにより作動する。モータの運転が開始されると、遊星歯車機構を介して駆動される入力ギア12が回転する。入力ギア12が回転すると、入力ギア12に噛み合う各スパーギア18が回転し、各スパーギア18が固定された各クランク軸19とともに第1及び第2偏心部(19a、19b)が回転する。この回転に伴って、第1及び第2偏心部(19a、19b)から外歯歯車24(24a、24b)に対して荷重が作用し、外歯歯車24(24a、24b)がピン内歯16と噛み合いをずらしながら揺動するように偏心して回転する。そして、外歯歯車24(24a、24b)の偏心回転に伴って、外歯歯車24(24a、24b)に対して回転保持されたクランク軸19が自転しながら回転中心線Pを中心として公転動作を行う。このクランク軸19の公転動作により、クランク軸19の一端側及び他端側を基部キャリア21及び端部キャリア22にて回転自在に保持するキャリア20が回転する。そして、キャリア20の基部キャリア21及び端部キャリア22に対してスプライン軸部39のスプライン部40にてスプライン結合された出力軸14が回転し、大きなトルクがピニオン15から出力されることになる。
以上説明した偏心型減速機1によると、出力軸14のスプライン軸部39が外歯歯車24の貫通孔26に突出してこの貫通孔26を貫通するよう設けられる。このため、外歯歯車24の貫通孔26の内側の領域を有効に活用して、キャリア20に連結されるスプライン部40が形成されたスプライン軸部39を配置することができる。これにより、スプライン部40を長く形成しても、偏心型減速機1が軸方向に長くなってしまうことを抑制できる。更に、スプライン部40を長く形成することでキャリア20と出力軸14とのスプライン結合の結合強度の向上を図ることができる。また、偏心型減速機1では、出力軸14にピニオン15が一体に形成されているため、出力軸14とピニオン15との間にスプライン結合が介在することによる磨耗や折損といったトラブルが発生することもない。
また、偏心型減速機1によると、外歯歯車24の貫通孔26を貫通するスプライン軸部39におけるスプライン部40が、クランク軸19の両端側をそれぞれ保持する基部キャリア21と端部キャリア22とにおいてキャリア20に対して結合されることになる。このため、偏心型減速機1の軸方向における2箇所の位置でキャリア20と出力軸14とがスプライン結合されることになり、キャリア20と出力軸14とのスプライン結合強度を更に向上させることができる。
従って、本実施形態によると、キャリア20と出力軸14とのスプライン結合の結合強度を向上させるとともに、軸方向の寸法が長くなってしまうことも抑制することができる、偏心型減速機1を提供することができる。また、スプラインの径を大きくすることなく、キャリア20と出力軸14とのスプライン結合の結合強度を向上できるから、キャリア自体が大きくなることなく、結合強度の向上のために、減速機全体の径がおおきくなることを防止できる。
また、偏心型減速機1によると、スプライン軸部39の端部に対向する位置で端部キャリア22に固定される固定部材37が、端部キャリア22の他端側を一部覆うように固定される。このため、貫通孔26を貫通するスプライン軸部39が配置される軸方向においてキャリア20の他端側を固定部材37で固定することで、曲げ方向に対するキャリア20の強度を効率よく向上させることができる。これにより、端部キャリア22と出力軸14とのスプライン結合強度を更に向上させることができる。
また、偏心型減速機1によると、スプライン軸部39に対して偏心型減速機1の径方向における外側に配置されるクランク軸19の直径寸法を小さく形成し、内側に配置されるスプライン軸部39の半径寸法を大きく形成することができる。このため、偏心型減速機1の半径方向の断面におけるスプライン軸部39の断面積の比率を増大させることで、偏心型減速機1の径方向の寸法が肥大化することを抑制しつつ、スプライン軸部39の強度の向上を図ることができる。そして、スプライン軸部39の径を太く設定できることで、キャリア20と出力軸14とのスプライン結合強度の更なる向上を図ることもできる。これにより、スプライン軸部39の軸方向の長さを短くでき、偏心型減速機1の軸方向の寸法を更に短くすることができる。
また、偏心型減速機1によると、出力軸軸受(41、42)によりピニオン15とスプライン軸部39との間でケース11に対して出力軸14が保持される。このため、ピニオン15から過大な反力が出力軸14に作用して出力軸14が傾いた場合であっても、出力軸軸受(41、42)を介してピニオン15と反対側に位置するスプライン軸部39のスプライン部40において傾きを吸収することができる。これにより、出力軸14の傾きが生じた場合でも、外歯歯車24とピン内歯16との間で偏当たりが生じてしまうことを抑制できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができる。例えば、基部キャリアと端部キャリアとを連結する支柱は、基部キャリアに一体に形成されていなくてもよく、キャリアとは別部材として形成されていてもよい。また、クランク軸及び支柱の数は、本実施形態とは異なっていてもよい。また、クランク軸の偏心部の個数や外歯歯車の枚数については、2つでなくてもよい。また、固定部材はスプライン軸部と別部材で形成されていて、固定部材は、端部キャリアの他端側を一部覆うように係合するとともに、端部キャリアに固定するようにしても良い。この場合、スプライン軸部中央付近の段部と固定部材とによりスプライン軸部をその軸方向に規定する。また、出力軸軸受は、外歯歯車を挟んで一対設けるようにしても良い。
本発明は、ピニオンが設けられた出力軸が、クランク軸を回転自在に保持するキャリアに対して連結された偏心型減速機として、広く適用することができるものである。
本発明の一実施の形態における偏心型減速機の正面図であり、切欠き断面を含む図である。 図1に示す偏心型減速機の減速部及びその近傍を拡大して示す断面図である。
1 偏心型減速機
11 ケース
14 出力軸
15 ピニオン
16 ピン内歯
19 クランク軸
20 キャリア
24、24a、24b 外歯歯車
25 クランク用孔
26 貫通孔
28 外歯
39 スプライン軸部
40 スプライン部

Claims (4)

  1. ケースと、
    前記ケースの内周に配置され、ピン状の部材として形成された複数のピン内歯と、
    前記ケースに収納されるとともに前記ピン内歯に噛み合う外歯が外周に設けられた外歯歯車と、
    前記ケースの内周の周方向に沿って配置され、前記外歯歯車に形成されたクランク用孔を貫通し、回転することで前記外歯歯車を偏心させて回転させるクランク軸と、
    前記クランク軸の一端側及び他端側を回転自在に保持するキャリアと、
    前記キャリアに連結されるとともに、一端側においてピニオンが一体に形成された出力軸と、
    を備え、
    前記出力軸には、前記外歯歯車の中心部分に形成された貫通孔に向かって突出するよう配置されるとともに、前記キャリアに連結されるスプライン部が形成されたスプライン軸部が設けられ、
    前記キャリアは、前記クランク軸の一端側を回転自在に保持する基部キャリアと、前記クランク軸の他端側を回転自在に保持する端部キャリアと、前記基部キャリアと前記端部キャリアとの間に配置されて前記基部キャリアと前記端部キャリアとを連結する支柱と、を有し、
    前記スプライン軸部が前記貫通孔を貫通するとともに、前記スプライン部が前記基部キャリアと前記端部キャリアとに連結されることを特徴とする、偏心型減速機。
  2. 請求項に記載の偏心型減速機であって、
    前記貫通孔を貫通する前記スプライン軸部の端部に対向し、前記端部キャリアの他端側の一部を覆うように当該端部キャリアに固定される固定部材を更に備えていることを特徴とする、偏心型減速機。
  3. 請求項1又は請求項に記載の偏心型減速機であって、
    前記クランク軸の直径寸法が前記スプライン軸部の半径寸法よりも小さいことを特徴とする、偏心型減速機。
  4. 請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の偏心型減速機であって、
    前記出力軸を前記ケースに対して回転自在に保持する出力軸軸受が、前記出力軸に沿う方向において前記ピニオンと前記スプライン軸部との間に配置されていることを特徴とする、偏心型減速機。
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