JP2009257263A - 風車用ヨー駆動装置 - Google Patents

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    • Y02E10/70Wind energy
    • Y02E10/72Wind turbines with rotation axis in wind direction

Abstract

【課題】出力トルクの向上を図るとともに、耐久性を損なうことなく小径化を図ることができる、風車用ヨー駆動装置を提供する。
【解決手段】基部キャリア25と端部キャリア26とを連結する支柱27が別部材として設けられ、支柱ボルト29が支柱27と基部キャリア25とを結合する。支柱27には、周囲側面としての外周部45と直径が大きい他端側の大径部46とが形成される。端部キャリア26には、段部が設けられた支柱用孔32が形成される。基部キャリア25には、支柱27の一部が圧入される支柱保持穴33が形成される。大径部45が段部に係合し、基部キャリア25に固定された位置決め部材44と端部キャリア26とが第1軸受36及び第2軸受37を介してケース11を挟持することで、基部キャリア25及び端部キャリア26がケース11に対して回転自在に保持される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、風向きに応じて風車のナセルを旋回させるための駆動装置である風車用ヨー(Yaw)駆動装置に関する。
従来より、風力発電装置として風車が用いられている。この風車として、タワーの上部に設けられてブレード(羽根)が取り付けられるとともに内部に発電機等が配置されるナセルを備えるものがよく用いられる。そして、このような風車においては、特許文献1に開示されているように、風向きに応じて風車のナセルを旋回させるための駆動装置であるヨー駆動装置(風車用ヨー駆動装置)が設けられている。特許文献1においては、タワーの上部でリングギアと噛み合うピニオンを備えて構成されたヨー駆動装置が開示されている。このピニオンがモータにより回転駆動されることで、ナセルの旋回動作が行われる。
上述した風車においては、近年、ブレードの直径が大きくなる傾向にあることから、出力トルクの向上を図った高出力仕様のヨー駆動装置が要求される状況にある。一方で、ヨー駆動装置は、ナセル内にその一部又は全部が配置されるため、ナセル内の他の機器との干渉を避けて配置できる構成であることが必要であるとともに、ナセル内でのヨー駆動装置の取付性を向上させた構成であることも要求される。このため、ヨー駆動装置では、その径方向(回転中心線の方向である軸方向に対して垂直な方向)において小型化した構造、即ち、小径化を図ることが求められる。
これに対し、出力トルクの向上と小径化とを図るために必要な大きい減速比を実現可能な減速機として、特許文献2に開示されているように、偏心型減速機として構成された揺動内接遊星歯車装置が知られている。この特許文献2に開示された駆動装置(揺動内接遊星歯車装置)においては、クランク軸、外歯歯車、内歯歯車、基部キャリア、端部キャリア、支柱等が設けられている。クランク軸は、偏心体が設けられた偏心体軸として形成され、外歯歯車に偏心体軸孔として形成されたクランク用孔を貫通し、内歯歯車に噛み合う外歯歯車を偏心させて回転させる。第1フランジ体として形成された端部キャリア及び第2フランジ体として形成された基部キャリアは、クランク軸を回転自在に保持している。支柱は、端部キャリアから一体的に突出形成された内ピンとして形成され、基部キャリアと端部キャリアとを連結するように構成されている。
特開2001−289149号公報(第4頁、第1図) 特開2007−100843号公報(第5頁、第1図)
特許文献1に開示されたヨー駆動装置に特許文献2に開示された駆動装置を風車用ヨー駆動装置として用いることで、ヨー駆動装置において出力トルクの向上とともに小径化を図ることが考えられる。一方、風車の耐久性は数十年以上であることが一般的であるため、風車用ヨー駆動装置においても同等の耐久性が要求される。しかしながら、特許文献2に開示された駆動装置を小径化してヨー駆動装置として用いると、前述したクランク用孔の径も小さくなってしまうため、クランク軸に作用する負荷が相対的に大きくなってしまい、ヨー駆動装置の耐久性が低下してしまうという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みることにより、出力トルクの向上を図るとともに、耐久性を損なうことなく小径化を図ることができる、風車用ヨー駆動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための第1発明に係る風車用ヨー駆動装置は、風車のナセル内に少なくとも一部が配置されたケースと、前記ケースの内周に配置され、ピン状の部材として形成された複数のピン内歯と、前記ケースに収納されるとともに、前記ピン内歯に噛み合う外歯が外周に設けられた外歯歯車と、前記外歯歯車に形成されたクランク用孔を貫通し、回転することで前記外歯歯車を偏心させて回転させるクランク軸と、前記クランク軸の一端側を回転自在に保持するとともに、前記ケースに対して第1軸受を介して回転自在に保持される基部キャリアと、前記クランク軸の他端側を回転自在に保持するとともに、前記ケースに対して第2軸受を介して回転自在に保持される端部キャリアと、前記基部キャリアと前記端部キャリアとの間に配置され、前記基部キャリアと前記端部キャリアとを連結する支柱と、前記基部キャリアに固定され、風車のタワーに固定された歯車に噛み合うピニオンが取り付けられる出力軸と、を備え、風車のナセルを旋回させる風車用ヨー駆動装置に関する。そして、この第1発明に係る風車用ヨー駆動装置は、前記基部キャリアに固定されて前記第1軸受を位置決めする位置決め部材と、前記基部キャリア及び前記端部キャリアとは別部材として設けられた前記支柱と前記基部キャリアとを螺合により結合する支柱ボルトと、を更に備え、前記支柱には、一端側の端部から前記端部キャリアに向かって延びる周囲側面として形成された外周部と、他端側の端部に設けられて前記外周部よりも直径が大きい部分として形成された大径部と、が形成され、前記端部キャリアには、前記外周部及び前記大径部が挿入されるとともに段部が設けられた支柱用孔が形成され、前記基部キャリアには、前記支柱の一部が圧入されるとともに当該支柱を保持する支柱保持穴が形成され、前記大径部が前記段部に係合し、前記端部キャリアと前記位置決め部材とが前記第1軸受及び前記第2軸受を介して前記ケースを挟持することで、前記基部キャリア及び前記端部キャリアが前記ケースに対して回転自在に保持されることを特徴とする。
この発明によると、別部材として設けられて基部キャリアに圧入される支柱は、その大径部が端部キャリアの支柱用孔の段部に係合し、基部キャリアと支柱ボルトで結合される。これに伴い、基部キャリアに固定された位置決め部材と端部キャリアとが第1及び第2軸受を介してケースを挟持し、基部キャリア及び端部キャリアがケースに対して回転自在に保持される。そして、回転駆動力がクランク軸に伝達されると、クランク軸の回転に伴って外歯歯車がケースの内周のピン内歯と噛み合いながら偏心して回転し、支柱を介して連結されてクランク軸を回転自在に保持する基部キャリア及び端部キャリアとともに出力軸が回転する。風車のタワーに固定された歯車と噛み合うピニオンが取り付けられた出力軸が回転することで、ケースが配置されたナセルが旋回することになる。
よって、この発明によると、偏心型減速機として構成されたヨー駆動装置により、高い減速比を確保することができ、出力トルクの向上を図ることができる。そして、支柱が基部キャリア及び端部キャリアとは別部材で形成されるため、基部キャリアや端部キャリアと一体的に鍛造で形成する場合と異なり、支柱を基部キャリア及び端部キャリアよりも剛性の高い材料で形成することができる。これにより、支柱の径を小径にしてヨー駆動装置の小径化を図っても、十分な支柱強度が確保されて、ヨー駆動装置の耐久性が低下してしまうことを防止できる。そして、支柱の径を小径化することでヨー駆動装置の小径化を図るため、クランク用孔の径が小さくなってしまうことも抑制でき、クランク軸に作用する負荷が大きくなってヨー駆動装置の耐久性が低下してしまうことも防止できる。このように、ヨー駆動装置の小径化が図られることで、ナセル内の他の機器との干渉を避けてヨー駆動装置を配置することが容易になり、さらに、ナセル内でのヨー駆動装置の取付性を向上させることができる。また、この発明によると、上記のように支柱を別部材で形成しても、支柱の大径部が係合する端部キャリアと基部キャリアに固定された位置決め部材とが第1及び第2軸受を介してケースを挟持し、基部キャリア及び端部キャリアがケースに回転自在に保持される。このため、支柱が別部材で設けられた基部キャリア及び端部キャリアをケースに回転自在に保持する組み立て作業を容易に行うことができ、組立て作業性が低下することも防止できる。
従って、本発明によると、出力トルクの向上を図るとともに、耐久性を損なうことなく小径化を図ることができる、風車用ヨー駆動装置を提供することができる。
第2発明に係る風車用ヨー駆動装置は、第1発明の風車用ヨー駆動装置において、前記支柱は、前記外周部が前記基部キャリアの他端側の端部に対して直角を成すように配置されていることを特徴とする。
支柱を基部キャリア又は端部キャリアに対して一体的に鍛造で形成する場合、応力集中を抑制するため、支柱における基部キャリア又は端部キャリアに一体的に連結される部分において、曲面状に変化するよう形成された部分(以下、この部分を「隅R部」という)やテーパ面状に形成された部分(以下、この部分を「テーパ部」という)を設けることが必要となる。このため、隅R部やテーパ部を配置するスペースを確保する必要があることから、その分だけ、支柱とこの支柱が貫通する外歯歯車との隙間を大きく形成する必要がある。これに対し、第2発明によると、外周部が基部キャリアの端部と直角を成すように、支柱が基部キャリアに圧入されているため、上記のような隅R部やテーパ部を設ける必要がない。このため、支柱と外歯歯車との隙間を外歯歯車の揺動範囲程度に小さく設定しても支柱と外歯歯車とが接触することを防止できる。これにより、支柱と外歯歯車との隙間を小さくすることができ、その分、クランク用孔の径を大きく形成し、クランク軸やクランク軸をクランク用孔に保持する軸受の径を大きく形成することができる。
第3発明に係る風車用ヨー駆動装置は、第1発明又は第2発明の風車用ヨー駆動装置において、前記端部キャリアの他端側に配置され、前記クランク軸を回転させる回転力を伝達するスパーギアを有するスパーギア減速部を更に備え、前記支柱ボルトは、前記端部キャリアの他端側から挿入されて前記支柱と前記基部キャリアとを結合するとともに、その頭部が前記支柱内に埋没するように配置されていることを特徴とする。
この発明によると、端部キャリアに他端側から挿入される支柱ボルトの頭部が支柱内に埋没した状態で、支柱と基部キャリアとが結合される。このため、端部キャリアに配置されたスパーギアと支柱ボルトの頭部とが干渉することを防止でき、ヨー駆動装置の寸法をその軸方向(ヨー駆動装置の回転中心線の方向)においても短くすることができる。これにより、ナセル内の他の機器との干渉を避けてヨー駆動装置を配置することをさらに容易にすることができる。尚、支柱ボルトの頭部は、必ずしも支柱内に完全に埋没していなくてもよく、その大部分が埋没していればその埋没量に応じてスパーギアとの干渉を防止することができる。
第4発明に係る風車用ヨー駆動装置は、第1発明又は第2発明の風車用ヨー駆動装置において、前記支柱ボルトは、前記基部キャリアの一端側から挿入されて前記支柱と前記基部キャリアとを結合することを特徴とする。
この発明によると、支柱ボルトが基部キャリアの一端側から挿入されて支柱と基部キャリアとを結合するため、支柱ボルトが支柱を貫通する構成が不要となる。このため、長さの短い支柱ボルトを用いて支柱と基部キャリアとを結合することができる。
第5発明に係る風車用ヨー駆動装置は、第4発明の風車用ヨー駆動装置において、前記支柱ボルトの頭部が前記基部キャリア内に埋没するように配置されていることを特徴とする。
この発明によると、支柱ボルトの頭部が基部キャリアに埋没しているため、基部キャリアの一端側において支柱ボルトの頭部がヨー駆動装置における他の部材と干渉することを防止でき、支柱ボルトの取付性を向上させることができる。また、支柱ボルトの頭部が基部キャリアに埋没しているため、その分長さが短い支柱ボルトを用いることができるとともに、支柱ボルトの頭部と他の部材との干渉を避けることに伴ってヨー駆動装置の寸法が軸方向に長くなってしまうことも抑制できる。尚、支柱ボルトの頭部は、必ずしも基部キャリア内に完全に埋没していなくてもよく、その大部分が埋没していればその埋没量に応じて他の部材との干渉を防止することができる。
本発明によると、出力トルクの向上を図るとともに、耐久性を損なうことなく小径化を図ることができる、風車用ヨー駆動装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明の実施形態に係る風車用ヨー駆動装置は、風向きに応じて風車のナセルを旋回させるための首振り用の駆動装置として広く適用することができるものである。
[第1実施形態]
(風車及びナセルの構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係る風車用ヨー駆動装置1(以下、単に「ヨー駆動装置1」という)が適用される風車100の概略を説明するための模式図である。図1に示すように、風車100は、タワー101、ナセル102、ブレード103、ナセル102内に配置される発電機107等の機器などを備えて構成されている。尚、図1においては、ナセル102については内部構造を模式的に図示している。タワー101は、地上から鉛直上方に向かって延びるように設置されており、タワー101の上部には、外周または内周に歯が設けられたリングギアとして形成された歯車101aが固定されている。そして、タワー101の上部にはナセル102が設置されている。
ナセル102は、タワー101の上部の歯車101aと噛み合うピニオン112(図2、図3参照)が取り付けられる後述のヨー駆動装置1によりタワー101に対して略水平面内で旋回するように設置されている。そして、ナセル102には複数枚(本実施形態では、3枚)のブレード103が回転自在に取り付けられ、これらのブレード103はナセル102に対して均等角度に放射状に延びるように取り付けられている。また、ナセル102の内部には、動力伝達軸104、増速機105、ブレーキ装置106、発電機107、変圧器108、ヨー駆動装置1などが配置されている。動力伝達軸104はハブ109を介してブレード103に連結されており、ブレード103が風力により回転することで、動力伝達軸104も回転する。そして、動力伝達軸104の回転駆動力が増速機105でその回転速度が増速されるとともにブレーキ装置106で適宜調整されて発電機107へと入力される。これにより、発電機107において発電が行われ、その発電された電力が、変圧器108と、タワー101内及び地中を通過するように敷設されたケーブル110とを経て地上の変電設備等に送電されることになる。
(風車用ヨー駆動装置の全体構成)
次に、第1実施形態に係るヨー駆動装置1について説明する。図2は、ナセル102内の一部を上方から見た状態を模式的に示す平面図であって、ヨー駆動装置1の配置を示す図である。尚、図2では、ナセル102内におけるヨー駆動装置1及び歯車101a以外の要素の図示を省略している。また、図3は、ヨー駆動装置1を示す断面図である。
図1乃至図3に示すように、ヨー駆動装置1は、ナセル102内において、タワー101の歯車101aの周囲の複数個所(本実施形態では、4箇所)に配置されている。このヨー駆動装置1は、ケース11、遊星歯車機構12、スパーギア減速部49、偏心型減速機13、出力軸14等をそなえて構成され、ケース11においてナセル102に対してボルト113(図3において破線で図示)を介して取り付けられる。そして、ヨー駆動装置1は、下側に配置された一端側においてケース11から突出するように位置する出力軸14に対してピニオン112が取り付けられ、上側に配置された他端側においてケース11に対してモータ111が取り付けられる。
尚、図4は図3のA−A線矢視断面図であり、図3は図4のB−B線矢視断面図を示している。そして、図3においては、ヨー駆動装置1の回転中心線P(即ち、モータ111及び出力軸14の回転中心線)を一点鎖線で示しており、この回転中心線Pに対して左側に表した断面と右側に表した断面とで周方向(回転中心線Pを中心とした周方向)における異なる角度の断面(図4のB−B線矢視断面)を図示している。後述する図5においても同様に、回転中心線Pに対して左側と右側とで周方向における異なる角度の断面を図示している。また、以下の説明においては、ヨー駆動装置1にて、出力軸14が配置される下側である出力側を一端側として、モータ111が配置される上側である入力側を他端側として説明する。
図1乃至図3に示すように、ヨー駆動装置1においては、上側に配置されたモータ111から入力された回転力をケース11内に配置された遊星歯車機構12、スパーギア減速部49、及び偏心型減速機13を介して減速して伝達して出力軸14に取り付けられたピニオン112に出力する。ピニオン112は、スプライン結合を介して出力軸14に固定されており、さらに、タワー101の上部に固定された歯車101aに噛み合うように配置されている。そして、ケース11にてナセル102に取り付けられたヨー駆動装置1が作動してピニオン112が回転することにより、ヨー駆動装置1が歯車101aの周囲に沿って移動するとともにナセル102がタワー101の上部に対して旋回することになる。
また、ヨー駆動装置1のケース11は、ナセル102内に配置されており(図1、図2参照)、筒状の第1ケース部11aと、複数(本実施形態では、3つ)のリング状の部材が直列に結合されて構成される第2ケース部11bとで構成され、これらの縁部同士がボルトで連結されている(図3参照)。そして、ケース11の内部には、遊星歯車機構12、スパーギア減速部49、偏心型減速機13などが収納されている。尚、第2ケース部11bの内側に遊星歯車機構12が配置され、第1ケース部11aの内側にスパーギア減速部49及び偏心型減速機13が配置されており、遊星歯車機構12、スパーギア減速部49、偏心型減速機13、及び出力軸14は、ヨー駆動装置1の回転中心線Pの方向である軸方向に沿って直列に配置されている。また、ケース11は、一端側(第1ケース部11aの端部側)が開口形成され、他端側(第2ケース部11bの端部側)には前述のようにモータ111が固定されている。
(遊星歯車機構及びスパーギア減速部の構成)
図5は、図3における遊星歯車機構12、スパーギア減速部49、及び偏心型減速機13を拡大して示す断面図である。図3及び図5に示すように、遊星歯車機構12は、モータ111からの回転駆動力が伝達される2段の遊星歯車機構として設けられ、第1太陽歯車15(本実施形態では、スプライン)、第1キャリア16、第1遊星歯車17、リングギア18、第2太陽歯車19、第2キャリア20、第2遊星歯車21等を備えて構成されている。
図5によく示すように、第2遊星歯車21は、ケース11の内部に向かって突出するように配置されたモータ111の回転軸111aの周囲に複数個(本実施形態では、3個)配置され、回転軸111aに対してヨー駆動装置1の径方向(回転中心線Pを中心としてヨー駆動装置1の軸方向に対して垂直な方向)に位置している。各第2遊星歯車21は、回転軸111aの端部の外周に形成された歯車と噛み合うことで、回転軸111aと連結されている。第2キャリア20は、回転軸111aを中心とした周方向に沿った均等角度の位置に複数の第2遊星歯車21を回転自在に保持するとともに公転動作を行う遊星枠として形成されている。第2太陽歯車19は、回転中心線P上に配置され、その一端側で第1遊星歯車17と噛み合い、その他端側で第2キャリア20の内周部分に対してスプライン結合により連結されている。
リングギア18は、第2ケース部11bの3つのリング状の部材のうちの中間の部材の内周部分に一体に形成された歯車として設けられ、第2遊星歯車21及び第1遊星歯車17に噛み合うように構成されている。第1遊星歯車17は、第2太陽歯車19に噛み合うようにその周囲に複数個(本実施形態では、4個)配置されて、第2太陽歯車19に対してヨー駆動装置1の径方向に位置している。第1キャリア16は、第2太陽歯車19を中心とした周方向に沿った均等角度の位置に複数の第1遊星歯車17を回転自在に保持するとともに公転動作を行う遊星枠として形成されている。第1太陽歯車15は、回転中心線P上に配置され、その一端側でインプットギア50を介してスパーギア減速部49と連結され、その他端側で第1キャリア16の内周部分に対してスプライン結合により連結されている。
図3及び図5に示すように、スパーギア減速部49は、後述する偏心型減速機13の基部キャリア26の他端側に配置され、インプットギア50とスパーギア51とを備えて構成されている。インプットギア50は、回転中心線P上に配置されて、第1太陽歯車15とスプライン結合により連結されている。スパーギア51は、インプットギア50と噛み合うようにその周囲に複数個(本実施形態では、4個)配置されて、インプットギア50に対してヨー駆動装置1の径方向に位置している。そして、スパーギア51は、偏心型減速機13のクランク軸23の他端側に固定されている。これにより、スパーギア減速部49は、クランク軸23を回転させる回転力を伝達するスパーギア51を有する機構として構成されている。
(偏心型減速機の構成)
図3に示すように、偏心型減速機13は、モータ111から入力されて遊星歯車機構12及びスパーギア減速部49を介して伝達される回転駆動力により作動して出力軸14に対して回転を伝達する減速機として設けられている。そして、図3乃至図5に示すように、偏心型減速機13は、ピン内歯22、クランク軸23、基部キャリア25、端部キャリア26、支柱27、外歯歯車28、支柱ボルト29、位置決め部材44等を備えて構成されている。
ピン内歯22は、図3乃至図5に示すように、ピン状の部材(丸棒状の部材)として形成され、ケース11の内周に沿って複数配置されている。尚、図3乃至図5においては、ピン内歯22については、断面でなく外形を図示している。ピン内歯22は、その長手方向が回転中心線Pと平行に位置するように配置されるとともに、ケース11の内周において等間隔でケース11に対して嵌め込まれた状態で配列され、後述する外歯歯車28の外歯31と噛み合うように構成されている。
クランク軸23は、図3乃至図5に示すように、回転中心線Pを中心とした周方向に沿った均等角度の位置に複数(本実施形態では4つ)配置されており、その軸方向が回転中心線Pと平行になるように配置されている。各クランク軸23は、外歯歯車28に形成されたクランク用孔30をそれぞれ貫通するように配置されており、回転することで外歯歯車28を偏心させて回転させる軸部材として設けられている。そして、クランク軸23は、自らの回転(自転)に伴う外歯歯車28の回転とともに、公転動作を行うことになる。尚、図3及び図5においては、クランク軸23については、断面でなく外形を図示している。
また、クランク軸23は、第1カム部分23a、第2カム部分23b、第1軸部23c、及び第2軸部23dを備えて構成されており、第1軸部23c、第1カム部分23a、第2カム部分23b、第2軸部23dの順番で直列に設けられている。そして、第1カム部分23a及び第2カム部分23bは、軸方向と垂直な断面が円形断面となるように形成されており、それぞれの中心位置がクランク軸23の回転中心線(第1軸部23c及び第2軸部23dの中心位置)に対して偏心するように設けられている。クランク軸23の一端側に配置された第1軸部23cは後述する基部キャリア25に対してころ軸受34を介して回転自在に保持されており、他端側に配置された第2軸部23dは後述する端部キャリア26に対してころ軸受35を介して回転自在に保持されている。また、クランク軸23の他端側の第2軸部23dにおいてころ軸受35から他端側に突出するように位置する端部には、スパーギア減速部49のスパーギア51がスプライン結合により連結されている。
基部キャリア25は、図3及び図5に示すように、その一端側において出力軸14と一体に形成され、ケース11内に配置されている。この基部キャリア25には、その他端側において、支柱27の一端側の端部(支柱27の一部)が圧入されるとともにこの支柱27を保持する支柱保持穴33が形成されている。この支柱保持穴33は、回転中心線Pを中心とした周方向に沿った均等角度の位置に形成されている。また、基部キャリア25には、その他端側において、クランク軸23の第1軸部23cがころ軸受34を介して配置されるクランク保持穴52が形成されている。このクランク保持穴52は、回転中心線Pを中心とした周方向に沿った均等角度の位置に形成され、支柱保持穴33と交互に配置されている。このクランク保持穴52により、基部キャリア25は、各クランク軸23の一端側をその第1軸部23cにてころ軸受34を介して回転自在に保持している。そして、基部キャリア25は、その外周側において、ころ軸受として設けられた第1軸受36を介してケース11における第1ケース部11aの内周側に対して回転自在に保持されている。尚、本実施形態では、出力軸14は、基部キャリア25に一体に形成されることで、基部キャリア25に対して固定されている。
端部キャリア26は、図3及び図5に示すように、支柱27を介して基部キャリア25と連結されており、円板状の部材として設けられている。この端部キャリア26は、その外周側において、玉軸受として設けられた第2軸受37を介してケース11の内周側に対して回転自在に保持されている。尚、第2軸受37は、その一端側がケース11における第1ケース部11aの他端側に係合し、その他端側が端部キャリア26の他端側においてフランジ状に張り出した縁部26aに係合した状態で配置されている。また、端部キャリア26には、回転中心線Pを中心とした周方向に沿った均等角度の位置にクランク軸23の他端側の第2軸部23dが配置されるクランク貫通孔43が形成されている。このクランク貫通孔43において、クランク軸23の他端側がその第2軸部23dにてころ軸受35を介して回転自在に保持されている。また、端部キャリア26には、支柱27の他端側が貫通状態で係合する支柱用孔32が、回転中心線Pを中心とした周方向に沿った均等角度の位置に形成され、クランク貫通孔43と交互に配置されている。尚、支柱用孔32は、後述する支柱27の外周部45及び大径部46が挿入されるとともに段部が設けられた貫通孔として形成されている。
位置決め部材44は、図3及び図5に示すように、基部キャリア25の外周に沿って配置されるリング状の部材として設けられており、基部キャリア25に対して固定される。第1軸受36は、その一端側が位置決め部材44に係合し、その他端側が第1ケース部11aの一端側に係合した状態で配置されている。この位置決め部材44により、第1軸受36の基部キャリア25に対する位置が規定される。
支柱27は、図3乃至図5に示すように、基部キャリア25及び端部キャリア26とは別部材として設けられ(別体に形成され)、基部キャリア25と端部キャリア26との間に配置されている。この支柱27は、基部キャリア25と端部キャリア26とを連結する円筒状の部材として設けられ、その中心を貫通する貫通孔は支柱ボルト29が挿通される支柱ボルト孔47として形成されている。そして、支柱27は、回転中心線Pを中心とした周方向に沿った均等角度の位置に複数(本実施形態では4つ)配置されており、その軸方向が回転中心線Pと平行となるように配置されている。尚、支柱27とクランク軸23とは、回転中心線Pを中心とした周方向に沿って交互に配置されている。また、各支柱27は、前述したように、その一端側の端部が基部キャリア25に形成された支柱保持孔33に圧入されて配置されている。そして、各支柱27には、一端側の端部から他端側にかけて端部キャリア26に向かって延びる円筒状の周囲側面として形成された外周部45と、他端側の端部に設けられて外周部45よりも直径が大きく拡径した部分として形成された大径部46とが形成されている。また、各支柱27は、外周部45が基部キャリア25の他端側の端部に対して直角を成すように配置されている。
支柱ボルト29は、図3乃至図5に示すように、雄ネジ部分として形成されたネジ部29aが一端側に設けられ、六角レンチ等で締め付けるための六角穴が設けられた頭部29bが他端側に設けられている。この支柱ボルト29は、支柱27と基部キャリア25とを螺合により結合するボルト部材として設けられており、この支柱ボルト29が支柱27と基部キャリア25とを結合することで、支柱27により基部キャリア25と端部キャリア26とが連結されるように構成されている。
支柱ボルト29で支柱27と基部キャリア25とを結合することで基部キャリア25と端部キャリア26とを連結する際には、まず、端部キャリア26の他端側から支柱用孔32に対して支柱27がその一端側から挿入される。支柱用孔32には、前述したように段部が形成されており、この段部は、支柱27の外周部45及び大径部46の外形に対応した形状に形成されている。そして、外周部45とともに大径部46まで支柱用孔32に挿入される位置まで支柱27が支柱用孔32に挿入されると、外周部45が支柱用孔32に挿通された状態で、大径部46が支柱用孔32の段部と係合する。この状態で、後述の外歯歯車28が適宜配置されるとともに、支柱27の一端側が基部キャリア25の支柱保持穴33に圧入される。
上述の状態において、支柱ボルト29が端部キャリア26の他端側から支柱27の支柱ボルト孔47に挿入される。そして、基部キャリア25の支柱保持穴33の中心部分には雌ネジ部分としてのネジ孔部がさらに形成されており、このネジ孔部に対して支柱ボルト29の一端側のネジ部29aが螺合するようにねじ込まれる。このとき、支柱ボルト29の頭部29bは、支柱ボルト孔47の他端側に形成されている段状の部分と係合する。これにより、支柱27と基部キャリア25とが螺合により結合される。尚、このとき、支柱ボルト29の頭部29bは、支柱27内に埋没するように配置されている。
また、支柱ボルト29が基部キャリア25に螺合したときの締め付け力によって、支柱27は、一端側の端部において基部キャリア25に固定されるとともに、他端側の端部の大径部46を支柱用孔32の段部に係合させて端部キャリア26に締め付け力を作用させ、基部キャリア25と端部キャリア26とを連結するように構成されている。このように基部キャリア25と端部キャリア26とを連結する上記の締め付け力により、基部キャリア25に固定された位置決め部材44と端部キャリア26とが第1軸受36及び第2軸受37を介してケース11を挟持する(挟むように保持する)ことになる。そして、端部キャリア26と位置決め部材44とが第1及び第2軸受(36、37)を介してケース11を挟持することで、基部キャリア25及び端部キャリア26がケース11に対して回転自在に保持される。
外歯歯車28は、図3乃至図5に示すように、平行に重ねられた状態でケース11内に収納される第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bを備えて構成されている。第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bにはそれぞれ、クランク軸23が貫通するクランク用孔30、及び、支柱27が貫通する支柱貫通孔48が形成されている。第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bは、回転中心線Pと平行な方向において、クランク用孔30及び支柱貫通孔48の位置がそれぞれ対応するように配置されている。
外歯歯車28のクランク用孔30は、円形孔として形成され、クランク軸23に対応して外歯歯車28の周方向に沿って均等角度の位置に複数(本実施形態では4つ)配置されている。このクランク用孔30は、第1外歯歯車28aにおいては第1カム部分23aを、第2外歯歯車28bにおいては第2カム部分23bを、それぞれニードル軸受38を介して保持している。支柱貫通孔48は、円形孔として形成され、支柱27に対応して外歯歯車28の周方向に沿って均等角度の位置に複数(本実施形態では4つ)配置されている。そして、支柱貫通孔48は、クランク用孔30と外歯歯車28の周方向において交互に形成されている。尚、支柱貫通孔48には、支柱27が遊嵌状態で貫通している。
尚、外歯歯車28及びクランク軸23が上述のように配設されているため、スパーギア51から回転駆動力が伝達されてスパーギア51とともにクランク軸23が回転すると、このクランク軸23の回転に伴い第1カム部分23a及び第2カム部分23bから外歯歯車28に対して荷重が作用する。この荷重により、外歯歯車28(第1外歯歯車28a、第2外歯歯車28b)が揺動して回転し、この外歯歯車28の揺動回転に対応してクランク軸23が自転しながら公転動作を行うことになる。
また、第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bのそれぞれの外周には、ピン内歯22に噛み合う外歯31が設けられている。本実施形態では、外歯歯車28(28a、28b)の外歯31の歯数は、ピン内歯22の歯数よりも1個少なくなるように設けられている。このため、クランク軸23が回転するごとに、噛み合う外歯31とピン内歯22との噛み合いがずれ、外歯歯車28(第1外歯歯車28a、第2外歯歯車28b)が偏心して揺動回転するように構成されている。尚、外歯31とピン内歯22との歯数差は、1個に限らず、複数個であってもよい。
(風車用ヨー駆動装置の作動)
次に、上述したヨー駆動装置1の作動について説明する。ヨー駆動装置1は、風車100において、図示しない制御装置が、例えば風向計(図示せず)の検知結果に基づいて、ナセル102の向きを風向きに応じて旋回させる旋回指令を発してモータ111を運転させることにより、作動する。上記旋回指令に基づいてモータ111の運転が開始されると、モータ111の回転軸111aが回転する。回転軸111aが回転すると、これに連結された第2遊星歯車21がリングギア18と噛み合いながら回転して公転し、これにより、第2キャリア20が回転し、第2キャリア20に連結された第2太陽歯車19が回転する。そして、第2太陽歯車19が回転すると、これに噛み合う第1遊星歯車17がリングギア18と噛み合いながら回転して公転する。これにより、第1キャリア16が回転し、この第1キャリア16に連結された第1太陽歯車15が回転する。そして、第1太陽歯車15に連結されたインプットギア50が回転し、このインプットギア50に噛み合う各スパーギア51が回転する。
各スパーギア51が回転すると、各スパーギア51が他端側の端部で固定された各クランク軸23が回転し、各クランク軸23とともに第1カム部分23a及び第2カム部分23bが回転する。この回転に伴って、前述のように、第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bがピン内歯22と噛み合いをずらしながら偏心して回転する。そして、第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bの偏心回転に伴って、ニードル軸受38で外歯歯車28に回転保持されたクランク軸23が回転中心線Pを中心として公転動作を行う。これにより、支柱27及び支柱ボルト29で連結され、クランク軸23を回転自在に保持する基部キャリア25及び端部キャリア26とともに、出力軸14が回転し、大きなトルクがピニオン112から出力されることになる。そして、タワー101に固定された歯車101aに対してピニオン112が噛み合いながら回転することで、ヨー駆動装置1が取り付けられたナセル102の旋回動作が行われることになる。
(風車用ヨー駆動装置の効果)
以上説明したヨー駆動装置1によると、偏心型減速機として構成されたヨー駆動装置1により、高い減速比を確保することができ、出力トルクの向上を図ることができる。そして、支柱27が基部キャリア25及び端部キャリア26とは別部材で形成されるため、基部キャリア25や端部キャリア26と一体的に鍛造で形成する場合と異なり、支柱27を基部キャリア25及び端部キャリア26よりも剛性の高い材料で形成することができる。これにより、支柱27の径を小径にしてヨー駆動装置1の小径化を図っても、十分な支柱強度が確保されて、ヨー駆動装置1の耐久性が低下してしまうことを防止できる。そして、支柱27の径を小径化することでヨー駆動装置1の小径化を図るため、クランク用孔30の径が小さくなってしまうことも抑制でき、クランク軸23に作用する負荷が大きくなってヨー駆動装置1の耐久性が低下してしまうことも防止できる。このように、ヨー駆動装置1の小径化が図られることで、ナセル102内の他の機器との干渉を避けてヨー駆動装置1を配置することが容易になり、さらに、ナセル102内でのヨー駆動装置1の取付性を向上させることができる。また、ヨー駆動装置1によると、支柱27を別部材で形成しても、支柱27の大径部46が係合する端部キャリア26と基部キャリア25に固定された位置決め部材44とが第1及び第2軸受(36、37))を介してケース11を挟持し、基部キャリア25及び端部キャリア26がケース11に回転自在に保持される。このため、支柱27が別部材で設けられた基部キャリア25及び端部キャリア26をケース11に回転自在に保持する組み立て作業を容易に行うことができ、組立て作業性が低下することも防止できる。
従って、本実施形態によると、出力トルクの向上を図るとともに、耐久性を損なうことなく小径化を図ることができる、風車用ヨー駆動装置1を提供することができる。
また、ヨー駆動装置1によると、外周部45が基部キャリア25の端部と直角を成すように、支柱27が基部キャリア25に圧入されているため、支柱を基部キャリアや端部キャリアと一体的に鍛造で形成する場合に必要となる隅R部やテーパ部等を設ける必要がない。このため、支柱27と外歯歯車28における支柱貫通孔48の内周部分との隙間を外歯歯車28の揺動範囲程度に小さく設定しても支柱27と外歯歯車28とが接触することを防止できる。これにより、支柱27と外歯歯車28との隙間を小さくすることができ、その分、クランク用孔30の径を大きく形成し、クランク軸23やクランク軸23をクランク用孔30に保持するニードル軸受38の径を大きく形成することができる。
また、ヨー駆動装置1によると、端部キャリア26に他端側から挿入される支柱ボルト29の頭部29bが支柱27内に埋没した状態で、支柱27と基部キャリア25とが結合される。このため、端部キャリア26に配置されたスパーギア(50、51)と支柱ボルト29の頭部29bとが干渉することを防止でき、ヨー駆動装置1の寸法をその軸方向においても短くすることができる。これにより、ナセル102内の他の機器との干渉を避けてヨー駆動装置1を配置することをさらに容易にすることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る風車用ヨー駆動装置2(以下、単に「ヨー駆動装置2」という)について説明する。ヨー駆動装置2は、第1実施形態と同様に、図1に示す風車100に対して適用され、ナセル102内に配置されてナセル102を旋回させるように構成される。尚、以下の説明においては、第1実施形態と同様の構成要素については、第1実施形態の説明での符号を引用して又は図面において同一の符号を付して説明を省略する。また、風車100の構成やナセル102内でのヨー駆動装置2の配置についても第1実施形態と同様であり、説明を省略する。
(風車用ヨー駆動装置の構成)
図6は、ヨー駆動装置2を示す断面図である。ヨー駆動装置2は、ケース11、遊星歯車機構53、スパーギア減速部54、偏心型減速機55、出力軸14等を備えて構成されている。遊星歯車機構53、スパーギア54、及び偏心型減速機55は、ケース11内に配置されている。また、ケース11はナセル102内において取り付けられ、出力軸14にはタワー101の上部の歯車101aに噛み合うピニオン112が取り付けられている。そして、ケース11の他端側には、モータ111が取り付けられている。尚、以下の説明においては、第1実施形態と同様に、出力軸14が配置される下側である出力側を一端側として、モータ111が配置される上側である入力側を他端側として説明する。
遊星歯車機構53は、モータ111からの回転駆動力が伝達される1段の遊星歯車機構として設けられている。この遊星歯車機構53は、遊星枠として設けられたキャリアと、このキャリアに回転自在に保持されて出力軸111aの外周の歯車と噛み合う複数の遊星歯車と、この遊星歯車が噛み合うリングギアと、上記キャリアが連結された太陽歯車56とを備えて構成されている。スパーギア減速部54は、太陽歯車56に噛み合うとともにクランク軸23の他端側の端部に固定されたスパーギア57を備えて構成されている。
偏心型減速機55は、第1実施形態における偏心型減速機13と同様に、ピン内歯22、クランク軸23、基部キャリア25、端部キャリア26、支柱58、第1及び第2外歯歯車(28a、28b)を有する外歯歯車28、支柱ボルト59、位置決め部材44、第1及び第2軸受(36、37)等を備えて構成されている。但し、偏心型減速機55は、支柱58及び支柱ボルト59の構成において、第1実施形態とは異なっている。
基部キャリア25と端部キャリア26とを連結する支柱58は、第1実施形態の支柱27と同様に、回転中心線Pを中心とした周方向に沿って複数配置され、基部キャリア25及び端部キャリア26とは別部材として設けられ、外周部45及び大径部46が形成されている。そして、支柱58は、外周部45が基部キャリア25の端部に直角を成すように、その一端側の端部が支柱保持穴33に圧入され、その他端側の大径部46が支柱用孔32の段部と係合するよう配置される。但し、支柱58においては、中心を貫通する貫通孔は形成されておらず、一端側に開口するとともに内周に雌ネジ部分が形成された支柱ボルト穴60が設けられている。
支柱58と基部キャリア25とを螺合により結合する支柱ボルト59は、締め付け用の六角穴が設けられた頭部59bが一端側に設けられ、支柱ボルト穴60における雌ネジ部分と螺合する雄ネジ部分として形成されたネジ部59aが他端側に設けられている。また、基部キャリア25においては、支柱保持穴33に開口するよう貫通形成されたボルト貫通孔61が形成されている。そして、支柱ボルト59は、基部キャリア25の一端側からボルト貫通孔61に挿入されてネジ部59aが支柱ボルト穴60の雌ネジ部分と螺合するようにねじ込まれる。このとき、支柱ボルト59の頭部59bは、ボルト貫通孔61に形成されている段状の部分と係合する。これにより、支柱58と基部キャリア25とが螺合により結合される。尚、このとき、支柱ボルト59の頭部59bは、基部キャリア25内に埋没するように配置されている。
また、支柱ボルト59が支柱58に螺合したときの締め付け力によって、支柱58は、一端側の端部において基部キャリア25に固定されるとともに、他端側の端部の大径部46を支柱用孔32の段部に係合させて端部キャリア26に締め付け力を作用させ、基部キャリア25と端部キャリア26とを連結する。そして、上記の締め付け力により、基部キャリア25に固定された位置決め部材44と端部キャリア26とが第1軸受36及び第2軸受37を介してケース11を挟持し、基部キャリア25及び端部キャリア26がケース11に対して回転自在に保持される。尚、上述したヨー駆動装置2は、モータ111の運転が開始され、遊星歯車機構53及びスパーギア減速部54を介して回転駆動力が偏心型減速機55に伝達され、基部キャリア25及び端部キャリア26とともに出力軸14が回転することで、第1実施形態と同様に作動する。
(風車用ヨー駆動装置の効果)
以上説明したヨー駆動装置2によると、第1実施形態と同様に、出力トルクの向上を図るとともに、耐久性を損なうことなく小径化を図ることができる、風車用ヨー駆動装置を提供することができる。
また、ヨー駆動装置2によると、支柱ボルト59が基部キャリア25の一端側から挿入されて支柱58と基部キャリア25とを結合するため、支柱ボルト59が支柱58を貫通する構成が不要となる。このため、長さの短い支柱ボルト59を用いて支柱58と基部キャリア25とを結合することができる。
また、ヨー駆動装置2によると、支柱ボルト59の頭部59bが基部キャリア25に埋没しているため、基部キャリア25の一端側において支柱ボルト59の頭部59bがヨー駆動装置2における他の部材と干渉することを防止でき、支柱ボルト59の取付性を向上させることができる。また、支柱ボルト59の頭部59bが基部キャリア25に埋没しているため、その分長さが短い支柱ボルト59を用いることができるとともに、支柱ボルト59の頭部59bと他の部材との干渉を避けることに伴ってヨー駆動装置2の寸法が軸方向に長くなってしまうことも抑制できる。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。例えば、次のような変形例を実施することができる。
(1)本実施形態においては、クランク軸が回転中心線を中心とする周方向に沿って配置されたヨー駆動装置を例にとって説明したが、この通りでなくてもよく、クランク軸が回転中心線上に配置されたセンタクランクタイプのヨー駆動装置であっても本発明を適用することができる。この場合、クランク軸が配置される回転中心線を中心とする周方向に沿って複数のガイドクランク軸を配置し、このガイドクランク軸がクランク軸の回転に伴う外歯歯車の回転とともに回転(自転)しながら公転動作を行うことで、基部キャリア及び端部キャリアを回転させるヨー駆動装置を構成することができる。
(2)本実施形態においては、出力軸が基部キャリアに対して一体に設けられることで固定されているヨー駆動装置を例にとって説明したが、この通りでなくてもよく、出力軸が基部キャリアとは別部材として設けられて基部キャリアに対して固定されているヨー駆動装置であってもよい。
(3)本実施形態においては、2つの構成要素が重ねられた外歯歯車を例にとって説明したが、この通りでなくてもよく、3つ以上の構成要素が重ねられた外歯歯車であってもよい。この場合、クランク軸においても外歯歯車の構成要素の数に対応してカム部分を設ける構成とし、実施することができる。
(4)本実施形態においては、支柱が4つ設けられるヨー駆動装置を例にとって説明したが、この通りでなくてもよく、支柱が3つ又は5つ以上設けられるヨー駆動装置であってもよい。
本発明は、風向きに応じて風車のナセルを旋回させるための駆動装置である風車用ヨー駆動装置として、広く適用することができるものである。
本発明の一実施の形態に係る風車用ヨー駆動装置が適用される風車の概略を説明するための模式図である。 図1に示す風車のナセル内の一部を上方から見た状態を模式的に示す平面図である。 第1実施形態に係る風車用ヨー駆動装置の断面図である。 図3のA−A線矢視断面図である。 図3に示す風車用ヨー駆動装置における偏心型減速機及びその近傍を拡大して示す断面図である。 第2実施形態に係る風車用ヨー駆動装置の断面図である。
符号の説明
1 風車用ヨー駆動装置
11 ケース
14 出力軸
22 ピン内歯
23 クランク軸
25 基部キャリア
26 端部キャリア
27 支柱
28 外歯歯車
29 支柱ボルト
30 クランク用孔
31 外歯
32 支柱用孔
33 支柱保持穴
36 第1軸受
37 第2軸受
44 位置決め部材
45 外周部
46 大径部
100 風車
101 タワー
101a 歯車
102 ナセル
112 ピニオン

Claims (5)

  1. 風車のナセル内に少なくとも一部が配置されたケースと、
    前記ケースの内周に配置され、ピン状の部材として形成された複数のピン内歯と、
    前記ケースに収納されるとともに、前記ピン内歯に噛み合う外歯が外周に設けられた外歯歯車と、
    前記外歯歯車に形成されたクランク用孔を貫通し、回転することで前記外歯歯車を偏心させて回転させるクランク軸と、
    前記クランク軸の一端側を回転自在に保持するとともに、前記ケースに対して第1軸受を介して回転自在に保持される基部キャリアと、
    前記クランク軸の他端側を回転自在に保持するとともに、前記ケースに対して第2軸受を介して回転自在に保持される端部キャリアと、
    前記基部キャリアと前記端部キャリアとの間に配置され、前記基部キャリアと前記端部キャリアとを連結する支柱と、
    前記基部キャリアに固定され、風車のタワーに固定された歯車に噛み合うピニオンが取り付けられる出力軸と、
    を備え、風車のナセルを旋回させる風車用ヨー駆動装置であって、
    前記基部キャリアに固定されて前記第1軸受を位置決めする位置決め部材と、前記基部キャリア及び前記端部キャリアとは別部材として設けられた前記支柱と前記基部キャリアとを螺合により結合する支柱ボルトと、を更に備え、
    前記支柱には、一端側の端部から前記端部キャリアに向かって延びる周囲側面として形成された外周部と、他端側の端部に設けられて前記外周部よりも直径が大きい部分として形成された大径部と、が形成され、
    前記端部キャリアには、前記外周部及び前記大径部が挿入されるとともに段部が設けられた支柱用孔が形成され、
    前記基部キャリアには、前記支柱の一部が圧入されるとともに当該支柱を保持する支柱保持穴が形成され、
    前記大径部が前記段部に係合し、前記端部キャリアと前記位置決め部材とが前記第1軸受及び前記第2軸受を介して前記ケースを挟持することで、前記基部キャリア及び前記端部キャリアが前記ケースに対して回転自在に保持されることを特徴とする、風車用ヨー駆動装置。
  2. 請求項1に記載の風車用ヨー駆動装置であって、
    前記支柱は、前記外周部が前記基部キャリアの他端側の端部に対して直角を成すように配置されていることを特徴とする、風車用ヨー駆動装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の風車用ヨー駆動装置であって、
    前記端部キャリアの他端側に配置され、前記クランク軸を回転させる回転力を伝達するスパーギアを有するスパーギア減速部を更に備え、
    前記支柱ボルトは、前記端部キャリアの他端側から挿入されて前記支柱と前記基部キャリアとを結合するとともに、その頭部が前記支柱内に埋没するように配置されていることを特徴とする、風車用ヨー駆動装置。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の風車用ヨー駆動装置であって、
    前記支柱ボルトは、前記基部キャリアの一端側から挿入されて前記支柱と前記基部キャリアとを結合することを特徴とする、風車用ヨー駆動装置。
  5. 請求項4に記載の風車用ヨー駆動装置であって、
    前記支柱ボルトの頭部が前記基部キャリア内に埋没するように配置されていることを特徴とする、風車用ヨー駆動装置。
JP2008109481A 2008-04-18 2008-04-18 風車用ヨー駆動装置 Pending JP2009257263A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113236486A (zh) * 2021-05-21 2021-08-10 广东电网有限责任公司 风机朝向调节机构及风力发电装置

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