JP2009287692A - 偏心型減速機及び偏心型減速機のピン溝加工方法 - Google Patents

偏心型減速機及び偏心型減速機のピン溝加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の外歯歯車の間でクランク軸を保持するプレートが設けられる偏心型減速機においてその加工時間を短縮する。
【解決手段】ケース11の内周にピン内歯22が配置されるピン溝52が形成される。ピン内歯22に噛み合う第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bの間には、クランク軸23の中間部23eを回転自在に保持する中間軸受41と、中間軸受41を保持するプレート39とが配置される。ケース11の内周には、プレート39の外周が対向する位置において、全周に亘ってピン溝52の深さと同等もしくはピン溝52の深さよりも深く凹むように形成された凹部53が設けられる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ピン内歯が配置されるピン溝がケースに形成され、中間部がプレートに回転自在に保持されたクランク軸の回転に伴い外歯歯車がピン内歯に噛み合いながら偏心して回転する偏心型減速機、及びその偏心型減速機のピン溝加工方法に関する。
各種産業用機械等においては、大きい減速比を実現可能な減速機として偏心型減速機が用いられている。このような偏心型減速機として、ピン内歯が配置されるピン溝がケースに形成され、中間部がプレートに回転自在に保持されたクランク軸の回転に伴い外歯歯車がピン内歯に噛み合いながら偏心して回転する偏心型減速機が知られている(特許文献1を参照)。この特許文献1に開示された偏心型減速機においては、ケース(外側ケース(12))にはピン内歯(内歯ピン(31))が配置されるピン溝が形成されている。そして、ピニオン(44、44)として形成された2つの外歯歯車が、ピン内歯(内歯ピン(31))と噛み合い、クランク軸(48)の回転に伴い偏心して回転する。また、2つの外歯歯車の間には、中間軸受部材(46)として形成されて、クランク軸(48)をその中間部である大径部(48b)にて保持するプレートが配置されている。尚、クランク軸(48)は、ころ軸受(54)として設けられた中間軸受により、プレートに対して回転自在に保持されている。
特開2007−85524号公報(第5−7頁、第1−3図)
特許文献1に開示された偏心型減速機では、クランク軸が一端側及び他端側に加えて中間部においてもプレートにより軸受を介して保持されるため、たわみや変形が抑制されることでクランク軸を小型化でき、偏心型減速機をその回転中心線に垂直な径方向において小型化することができる。しかしながら、この偏心型減速機においては、プレートが設けられているため、偏心型減速機の回転中心線と平行に配置された内歯ピン及びこの内歯ピンが配置されるピン溝の長さが長くなってしまうことになる。このようにピン溝の長さが長くなると、ピン溝を切削して加工するために要する加工時間が増大してしまうことになる。また、長さの長いピン溝の加工が必要となることで、ピン溝を加工する工具の刃がすぐに磨耗してしまうことになる。これにより、頻繁に工具の刃を交換する必要が生じ、刃の交換時間の増加による工数の増大と、刃が多く必要になることによるコストの増大とを招いてしまうことになる。
本発明は、上記実情に鑑みることにより、複数の外歯歯車の間でクランク軸を保持するプレートが設けられる偏心型減速機においてその加工時間を短縮することができる、偏心型減速機、及び偏心型減速機のピン溝加工方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る偏心型減速機は、内周にピン溝が形成されたケースと、前記ピン溝に配置され、ピン状の部材として形成された複数のピン内歯と、前記ケースに収納されるとともに、前記ピン内歯に噛み合う外歯が外周に設けられた第1外歯歯車及び第2外歯歯車と、前記第1外歯歯車及び前記第2外歯歯車に形成されたクランク用孔を貫通し、回転することで前記第1外歯歯車及び前記第2外歯歯車を偏心させて回転させるクランク軸と、前記クランク軸の一端側を回転自在に保持する基部キャリアと、前記クランク軸の他端側を回転自在に保持する端部キャリアと、前記基部キャリアと前記端部キャリアとを連結する支柱と、前記基部キャリアに固定され、ピニオンが取り付けられる出力軸と、前記第1外歯歯車と前記第2外歯歯車との間に配置され、前記クランク軸の中間部を回転自在に保持する中間軸受と、前記中間軸受を保持するとともに、前記第1外歯歯車と前記第2外歯歯車との間に配置されたプレートと、を備えた偏心型減速機であって、前記ケースの内周には、前記プレートの外周に対向する位置において、全周に亘って前記ピン溝の深さと同等もしくは前記ピン溝の深さよりも深く凹むように形成された凹部が設けられていることを特徴とする。
この発明によると、ピン溝が形成されたケースの内周に、プレートの外周が対向する位置においてピン溝の深さと同等もしくはピン溝の深さよりも深さが深い凹部が全周に亘って形成されている。このため、ケースに対してピン溝を切削により加工する際に、工具の刃とケースの内周における凹部が設けられている部分とが干渉することがない。これにより、凹部が設けられている部分については、ケースの内周に対して切削加工を行う必要がなく、ピン溝の加工時間を短縮することができる。そして、工具の刃がすぐに磨耗してしまうことを抑制でき、刃の交換時間の増加による工数の増大や、刃が多く必要になることによるコストの増大を招いてしまうことも抑制できる。また、ピン溝の長さが短くなることで、ピン溝にピン内歯を嵌め込んで取り付ける組立作業を行う際に、ピン溝とピン内歯とが摺動する範囲が小さくなり、組立作業の容易化と組立作業時間の短縮を図れ、組立作業の効率を向上させることができる。また、凹部を設けることで、その分だけケースの内周部分における材料が少なくなり、軽量化を図ることができ、さらなるコストの低減を達成することもできる。
従って、本発明によると、複数の外歯歯車の間でクランク軸を保持するプレートが設けられる偏心型減速機においてその加工時間を短縮することができる、偏心型減速機を提供することができる。
また、前述の目的を達成するための本発明に係る偏心型減速機のピン溝加工方法は、内周にピン溝が形成されたケースと、前記ピン溝に配置され、ピン状の部材として形成された複数のピン内歯と、前記ケースに収納されるとともに、前記ピン内歯に噛み合う外歯が外周に設けられた第1外歯歯車及び第2外歯歯車と、前記第1外歯歯車及び前記第2外歯歯車に形成されたクランク用孔を貫通し、回転することで前記第1外歯歯車及び前記第2外歯歯車を偏心させて回転させるクランク軸と、前記クランク軸の一端側を回転自在に保持する基部キャリアと、前記クランク軸の他端側を回転自在に保持する端部キャリアと、前記基部キャリアと前記端部キャリアとを連結する支柱と、前記基部キャリアに固定され、ピニオンが取り付けられる出力軸と、前記第1外歯歯車と前記第2外歯歯車との間に配置され、前記クランク軸の中間部を回転自在に保持する中間軸受と、前記中間軸受を保持するとともに、前記第1外歯歯車と前記第2外歯歯車との間に配置されたプレートと、を備える偏心型減速機における前記ピン溝の加工が行われる、偏心型減速機のピン溝加工方法であって、前記ケースの素材となるケース素材が鋳造により形成されるケース鋳造工程と、前記ケース鋳造工程で形成された前記ケース素材に対して、前記ピン溝が加工される第1のピン溝形成工程と、を備え、前記ケース鋳造工程では、前記ケース素材の内周における前記プレートの外周が対向する位置に全周に亘って前記ピン溝の深さと同等もしくは前記ピン溝の深さよりも深く凹むように形成される凹部が設けられるように当該ケース素材が鋳造により形成されることを特徴とする。
この発明によると、ケース鋳造工程において、ピン溝の深さと同等もしくはピン溝の深さよりも深さが深い凹部が内周の全周に亘って設けられたケース素材が形成され、その後、第1のピン溝形成工程でピン溝の加工が行われる。このため、ケース素材に対してピン溝をピン溝形成加工での切削により加工する際に、工具の刃とケース素材の内周における凹部が設けられている部分とが干渉することがない。これにより、凹部が設けられている部分については、ケース素材の内周に対して切削加工を行う必要がなく、ピン溝の加工時間を短縮することができる。従って、本発明によると、複数の外歯歯車の間でクランク軸を保持するプレートが設けられる偏心型減速機においてその加工時間を短縮することができる、偏心型減速機のピン溝加工方法を提供することができる。また、本発明によると、前述した偏心型減速機の発明と同様に、工具の刃の磨耗を抑制できるため、工数の増大と必要な刃の増加によるコストの増大とを抑制できる。また、組立作業の効率の向上や、軽量化によるコストの低減も図ることができる。
また、前述の目的を達成するための本発明に係る他の観点における偏心型減速機のピン溝加工方法は、内周にピン溝が形成されたケースと、前記ピン溝に配置され、ピン状の部材として形成された複数のピン内歯と、前記ケースに収納されるとともに、前記ピン内歯に噛み合う外歯が外周に設けられた第1外歯歯車及び第2外歯歯車と、前記第1外歯歯車及び前記第2外歯歯車に形成されたクランク用孔を貫通し、回転することで前記第1外歯歯車及び前記第2外歯歯車を偏心させて回転させるクランク軸と、前記クランク軸の一端側を回転自在に保持する基部キャリアと、前記クランク軸の他端側を回転自在に保持する端部キャリアと、前記基部キャリアと前記端部キャリアとを連結する支柱と、前記基部キャリアに固定され、ピニオンが取り付けられる出力軸と、前記第1外歯歯車と前記第2外歯歯車との間に配置され、前記クランク軸の中間部を回転自在に保持する中間軸受と、前記中間軸受を保持するとともに、前記第1外歯歯車と前記第2外歯歯車との間に配置されたプレートと、を備える偏心型減速機における前記ピン溝の加工が行われる、偏心型減速機のピン溝加工方法であって、前記ケースの素材となる円筒状の鋳物が鋳造される鋳造工程と、前記鋳物の内周に旋盤で切削加工が行われる切削工程と、前記切削工程で切削加工が行われた前記鋳物に対して、前記ピン溝が加工される第2のピン溝形成工程と、を備え、前記切削工程では、前記鋳物の内周における前記プレートの外周が対向する位置に全周に亘って前記ピン溝の深さと同等もしくは前記ピン溝の深さよりも深く凹むように形成される凹部が設けられるように切削加工が行われることを特徴とする。
この発明によると、鋳造工程で鋳造された鋳物に対して行われる切削工程において、ピン溝の深さと同等もしくはピン溝の深さよりも深さが深い凹部が鋳物に対してその内周の全周に亘って形成され、その後、第2のピン溝形成工程でピン溝の加工が行われる。このため、切削工程を経た鋳物に対してピン溝をピン溝形成加工での切削により加工する際に、工具の刃と鋳物の内周における凹部が設けられている部分とが干渉することがない。これにより、第2のピン溝形成工程においては、凹部が設けられている部分については、鋳物の内周に対して切削加工を行う必要がなく、ピン溝の加工時間を短縮することができる。従って、本発明によると、複数の外歯歯車の間でクランク軸を保持するプレートが設けられる偏心型減速機においてその加工時間を短縮することができる、偏心型減速機のピン溝加工方法を提供することができる。また、本発明によると、前述した偏心型減速機の発明と同様に、工具の刃の磨耗を抑制できるため、工数の増大と必要な刃の増加によるコストの増大とを抑制できる。また、組立作業の効率の向上や、軽量化によるコストの低減も図ることができる。
尚、本発明に係る偏心型減速機及び偏心型減速機のピン溝加工方法において、ピン溝の深さとは、ケースの内周についての径方向における深さであり、ピン溝を形成しているケースの内周部分における最も径方向内側に位置している部分から最も径方向外側に位置している部分までの深さをいう。また、本発明においては、ピン溝を形成しているケースの内周部分における最も径方向内側に位置している部分から凹部を形成しているケースの内周部分における最も径方向外側に位置している部分までの径方向における深さがピン溝の深さよりも深く形成されることで、凹部は、ピン溝の深さと同等もしくはピン溝の深さよりも深く凹むように形成されている。
本発明によると、複数の外歯歯車の間でクランク軸を保持するプレートが設けられる偏心型減速機においてその加工時間を短縮することができる、偏心型減速機、及び偏心型減速機のピン溝加工方法を提供することができる。
本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。以下、偏心型減速機の実施形態と、この偏心型減速機におけるピン溝の加工が行われる偏心型減速機のピン溝加工方法の第1実施形態及び第2実施形態とについて説明する。
[偏心型減速機の実施形態]
本発明の実施形態に係る偏心型減速機は、産業用ロボットや種々の工作機械等の各種産業用機械や建設機械等において広く適用することができる。尚、例えば、風車においては、近年、ブレード(羽根)の直径が大きくなる傾向にあることから、風向きに合わせて風車のナセルを旋回させるための首振り用の駆動装置であるヨー(Yaw)駆動装置として、寸法の大型化を抑制しつつ且つ高出力仕様の(負荷容量の大きな)偏心型減速機が要求される状況にある。このため、本実施形態に係る偏心型減速機は、このような風車用ヨー駆動装置として用いられると好適である。また、この例に限らず、ピン内歯が配置されるピン溝がケースに形成され、中間部がプレートに回転自在に保持されたクランク軸の回転に伴い外歯歯車がピン内歯に噛み合いながら偏心して回転する偏心型減速機に関して、広く適用することができるものである。
(偏心型減速機の全体構成)
図1は、本発明の一実施の形態に係る偏心型減速機1を示す断面図である。偏心型減速機1は、例えば、風車のナセルを旋回させる風車用ヨー駆動装置として用いられ、上側に配置されるモータ100(図1にて一部を破線で図示)から入力された回転を減速して伝達して出力する。そして、偏心型減速機1は、ケース11、ピン内歯22、前段減速部12、後段減速部13、出力軸14等をそなえて構成されている。
図1に示すように、偏心型減速機1は、下側に配置された一端側においてケース11から突出するように位置する出力軸14に対してピニオン101が取り付けられ、上側に配置された他端側においてケース11に対してモータ100が取り付けられる。そして、偏心型減速機1においては、上側に配置されたモータ100から入力された回転力をケース11内に配置された前段減速部12及び後段減速部13を介して減速して伝達して出力軸14に取り付けられたピニオン101に出力する。偏心型減速機1が風車用ヨー駆動装置として用いられる場合であれば、偏心型減速機1は、ピニオン101が風車のタワーの上部に固定された歯車と噛み合うように配置される。そして、モータ100からの回転駆動力に伴って偏心型減速機1が作動してピニオン101が回転することで、風車のナセルが旋回することになる。尚、以下の説明においては、偏心型減速機1にて、出力軸14が配置される下側である出力側を一端側として、モータ100が配置される上側である入力側を他端側として説明する。
(ケース及びピン内歯の構成)
図1に示すように、偏心型減速機1のケース11は、筒状の第1ケース部11aと第1ケース部11aの他端側に配置される第2ケース部11bとで構成され、これらの縁部同士がボルトで連結されている。そして、ケース11の内部には、前段減速部12、後段減速部13などが収納されている。尚、第2ケース部11bの内側に前段減速部12が配置され、第1ケース部11aの内側に後段減速部13が配置されており、前段減速部12、後段減速部13、及び出力軸14は、偏心型減速機1の回転中心線P(図1において一点鎖線で図示)の方向である軸方向に沿って直列に配置されている。また、ケース11は、一端側(第1ケース部11aの端部側)が開口形成され、他端側(第2ケース部11bの端部側)には前述のようにモータ100が固定されている。
図2は図1のA−A線矢視断面図であり、図3はケース11の他端側における軸方向の一部断面を拡大して示したものである。尚、図3は、第1ケース部11aのみの断面図(図3(a))と、図3(a)と同じ断面においてピン溝52にピン内歯22が取り付けられた状態の断面図(図3(b))とを示している。図1乃至図3に示すように、ケース11の第1ケース部11aの内周には、ピン溝52と凹部53とが設けられている。
ピン溝52は、図1乃至図3に示すように、ケース11の内周に形成されており、ケース11の内周に沿って複数設けられている。そして、各ピン溝52は、半円弧状の断面でその長手方向が回転中心線Pと平行に延びる溝として形成されている。また、ピン溝52としては、ケース11の内周において、一端側に形成された第1ピン溝52aと、他端側に形成された第2ピン溝52bとが設けられている。第1ピン溝52aは、ケース11の内周において周方向に沿って等間隔で配置され、第2ピン溝52bも、ケース11の内周において周方向に沿って等間隔で配置されている。そして、各第1ピン溝52aと各第2ピン溝52bとは、回転中心線Pと平行な同一直線上に配置されている。
凹部53は、図1乃至図3に示すように、ケース11の内周においてその内周の全周に亘って形成されており、第1ピン溝52aと第2ピン溝52bとの間であって、後述するプレート39の外周に対向する位置において設けられている。そして、凹部53は、ピン溝52の深さと同等もしくはピン溝52の深さよりも深く凹むように形成されている。尚、ピン溝52の深さとは、ケース11の内周についての径方向における深さであり、ピン溝52を形成しているケース11の内周部分における最も径方向内側に位置している部分から最も径方向外側に位置している部分までの深さをいう。また、ピン溝52を形成しているケース11の内周部分における最も径方向内側に位置している部分から凹部53を形成しているケース11の内周部分における最も径方向外側に位置している部分までの径方向における深さがピン溝52の深さよりも深く形成されることで、凹部53は、ピン溝52の深さよりも深く凹むように形成されている。尚、図3では、ピン溝52の深さよりも少し深さが深い凹部53を例示しているが、さらに深さの深い凹部53を形成してもよい。
ピン内歯22は、複数設けられており、図1乃至図3に示すように、ピン状の部材(丸棒状の部材)として形成され、ケース11の内周に設けられたピン溝52に配置されている。尚、図1乃至図3においては、ピン内歯22については、断面でなく外形を図示している。ピン内歯22は、その長手方向が回転中心線Pと平行に位置するように配置されるとともに、ケース11の内周において等間隔でピン溝52に嵌め込まれた状態で配列され、後述する外歯歯車28の外歯31と噛み合うように構成されている。また、ピン内歯22としては、第1ピン溝52aに対して嵌め込まれて取り付けられる第1ピン内歯22aと、第2ピン溝52bに対して嵌め込まれて取り付けられる第2ピン内歯22bとが設けられている。第1ピン内歯22aと第2ピン内歯22bとは、ピン溝52に嵌め込まれることで回転中心線Pと平行な同一直前上に配置されている。また、第1ピン内歯22aの他端側と第2ピン内歯22bの一端側とは当接し、第1ピン内歯22aの一端側はスペーサ54を介して第1ケース部11aの内周に形成された段部に対して位置決めされている。
(前段減速部の構成)
図1に示すように、前段減速部12は、モータ100からの回転駆動力が伝達される1段の遊星歯車機構とスパーギア49とを備えて構成され、そのうちの遊星歯車機構は、太陽歯車15、キャリア16、プラネタリギア17、リングギア18等を備えて構成されている。
図1に示すように、プラネタリギア17は、ケース11の内部に向かって突出するように配置されたモータ100の回転軸100aの周囲に複数個(本実施形態では、3個)配置され、回転軸100aに対して偏心型減速機1の径方向(回転中心線Pに対して垂直な方向)に位置している。各プラネタリギア17は、回転軸100aの端部の外周に形成された歯車と噛み合うことで、回転軸100aと連結されている。キャリア16は、回転軸100aを中心とした周方向に沿った均等角度の位置に複数のプラネタリギア17を回転自在に保持するとともに公転動作を行う遊星枠として形成されている。リングギア18は、第2ケース部11bに固定されるとともに内周に歯が形成されたリング状の歯車として設けられ、プラネタリギア17に噛み合うように構成されている。太陽歯車15は、回転中心線P上に配置され、その一端側でスパーギア49と噛み合い、その他端側でキャリア16の内周部分に対してスプライン結合により連結されている。
図1に示すように、スパーギア49は、太陽歯車15と噛み合うようにその周囲に複数個(本実施形態では、3個)配置されて、太陽歯車15に対して偏心型減速機1の径方向に位置している。そして、スパーギア49は、後段減速部13のクランク軸23の他端側に固定されている。これにより、スパーギア49は、クランク軸23を回転させる回転力を伝達するように構成されている。
(後段減速部の構成)
図4は、図1における後段減速部13及びその近傍を拡大して示す断面図である。図1に示すように、後段減速部13は、モータ100から入力されて前段減速部12を介して伝達される回転駆動力により作動して出力軸14に対して回転を伝達するように構成されている。そして、図1、図2及び図4に示すように、後段減速部13は、クランク軸23、基部キャリア25、端部キャリア26、支柱27、第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bで構成される外歯歯車28、支柱ボルト29、プレート39、中間軸受41等を備えて構成されている。
クランク軸23は、図1、図2、及び図4に示すように、回転中心線Pを中心とした周方向に沿った均等角度の位置に複数(本実施形態では3つ)配置されており、その軸方向が回転中心線Pと平行になるように配置されている。各クランク軸23は、後述する第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bに形成されたクランク用孔30をそれぞれ貫通するように配置されており、回転することで第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bを偏心させて回転させる軸部材として設けられている。そして、クランク軸23は、自らの回転(自転)に伴う第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bの回転とともに、公転動作を行うことになる。また、各クランク軸23は、後述するプレート39に形成されたクランク用プレート孔42もそれぞれ貫通するように配置されている。尚、図1及び図4においては、クランク軸23については、断面でなく外形を図示している。
また、クランク軸23には、第1偏心部23a、第2偏心部23b、第1軸部23c、第2軸部23d、及び中間部23eが設けられており、第1軸部23c、第1偏心部23a、中間部23e、第2偏心部23b、第2軸部23dの順番で直列に設けられている。そして、第1偏心部23a及び第2偏心部23bは、軸方向と垂直な断面が円形断面となるように形成されており、それぞれの中心位置がクランク軸23の回転中心線(第1軸部23c及び第2軸部23dの中心位置)に対して偏心するように設けられている。
また、クランク軸23の一端側に設けられた第1軸部23cは後述する基部キャリア25に対してころ軸受34を介して回転自在に保持されており、他端側に配置された第2軸部23dは後述する端部キャリア26に対してころ軸受35を介して回転自在に保持されている。また、クランク軸23の他端側の第2軸部23dには、ころ軸受35から他端側に突出するように位置するその端部において、スパーギア49がスプライン結合により連結されている。また、クランク軸23において第1偏心部23a及び第2偏心部23bの間に配置されている中間部23eは、軸方向と垂直な断面が円形断面となるように形成されており、その中心位置がクランク軸23の回転中心線と一致するように設けられている。
外歯歯車28は、図1、図2、及び図4に示すように、平行に配置された状態でケース11内に収納される第1外歯歯車28aと第2外歯歯車28bとで構成されている。第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bにはそれぞれ、クランク軸23が貫通するクランク用孔30、及び、後述する支柱27が貫通する支柱貫通孔48が形成されている。第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bは、回転中心線Pと平行な方向において、クランク用孔30及び支柱貫通孔48の位置がそれぞれ対応するように配置されている。
第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bのクランク用孔30は、円形孔として形成され、クランク軸23に対応して第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bの周方向に沿って均等角度の位置に複数(本実施形態では3つ)配置されている。このクランク用孔30は、第1外歯歯車28aにおいては第1偏心部23aを、第2外歯歯車28bにおいては第2偏心部23bを、ニードルころ又は円柱ころを有するころ軸受38を介してそれぞれ保持している。支柱貫通孔48は、後述する支柱27の断面形状に対応し、角部が円弧状に形成されるとともに径方向外側に向かって広がった三角形状断面を有するような断面形状の穴として形成されている。そして、支柱貫通孔48は、支柱27に対応して外歯歯車28の周方向に沿った均等角度の位置に複数(本実施形態では3つ)配置されている。また、支柱貫通孔48は、第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bの周方向において、クランク用孔30と交互に形成されている。尚、支柱貫通孔48には、支柱27が遊嵌状態で貫通している。
また、第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bのそれぞれの外周には、ピン内歯22に噛み合う外歯31が設けられている。本実施形態では、第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bの外歯31の歯数は、ピン内歯22の歯数よりも1個少なくなるように設けられている。このため、クランク軸23が回転するごとに、噛み合う外歯31とピン内歯22との噛み合いがずれ、第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bが偏心して揺動回転するように構成されている。尚、外歯31とピン内歯22との歯数差は、1個に限らず、複数個であってもよい。
図1及び図4に示すように、中間軸受41は、第1外歯歯車28aと第2外歯歯車28bとの間に配置され、クランク軸23に対しては第1偏心部23aと第2偏心部23bとの間に配置されている。この中間軸受41は、ニードルころ又は円柱ころを有するころ軸受として設けられており、その保持器部分の外周において、後述するプレート39に形成されたクランク用プレート孔42に保持されている。そして、中間軸受41は、その内側においてクランク軸23の中間部23eを回転自在に保持している。
プレート39は、図1及び図4に示すように、外周が円形に形成された平らな板状の部材として設けられ、第1外歯歯車28aと第2外歯歯車28bと間に配置されている。このプレート39は、前述のように、その外周がケース11の内周に対して、ピン溝52よりも深く凹むように形成された凹部53において対向するように、配置されている。また、プレート39は、その外周とピン内歯22との間に空隙部分が形成された状態で配置されている(即ち、プレート39は、ピン内歯22に空隙部分を介して対向している)。そして、プレート39には、回転中心線Pを中心とした周方向に沿った均等角度の位置に円形孔として形成されたクランク用プレート孔42が設けられている。プレート39は、このクランク用プレート孔42において中間軸受41を保持している。これにより、クランク軸23は、その中間部23eにおいて、プレート39に対して中間軸受41を介して回転自在に保持されている。
基部キャリア25は、図1及び図4に示すように、その一端側において出力軸14と一体に形成され、ケース11内に配置されている。この基部キャリア25には、その他端側において、クランク軸23の第1軸部23cがころ軸受34を介して配置されるクランク保持穴50が形成されている。このクランク保持穴50は、回転中心線Pを中心とした周方向に沿った均等角度の位置に形成されている。このクランク保持穴50により、基部キャリア25は、各クランク軸23の一端側をその第1軸部23cにてころ軸受34を介して回転自在に保持している。
また、基部キャリア25は、その外周側において、ころ軸受36を介してケース11における第1ケース部11aの内周側に対して回転自在に保持されている。この基部キャリア25に対しては、図1に示すように、基部キャリア25の外周に沿って配置されるリング状の部材として設けられた位置決め部材44が固定されている。そして、ころ軸受36は、その一端側が位置決め部材44に係合し、その他端側が第1ケース部11aの一端側に係合した状態で配置されている。この位置決め部材44により、ころ軸受36の基部キャリア25に対する位置が規定される。尚、本実施形態では、出力軸14は、基部キャリア25に一体に形成されることで、基部キャリア25に対して固定されている。
端部キャリア26は、図1及び図4に示すように、支柱27を介して基部キャリア25と連結されており、円板状の部材として設けられている。この端部キャリア26は、その外周側において、玉軸受37を介してケース11の内周側に対して回転自在に保持されている。尚、玉軸受37は、その一端側がケース11における第1ケース部11aの他端側に係合し、その他端側が端部キャリア26の他端側においてフランジ状に張り出した縁部26aに係合した状態で配置されている。また、端部キャリア26には、回転中心線Pを中心とした周方向に沿った均等角度の位置にクランク軸23の他端側の第2軸部23dが配置されるクランク貫通孔43が形成されている。このクランク貫通孔43において、クランク軸23の他端側がその第2軸部23dにてころ軸受35を介して回転自在に保持されている。
尚、外歯歯車28やクランク軸23等が上述のように配設されているため、スパーギア49から回転駆動力が伝達されてスパーギア49とともにクランク軸23が回転すると、このクランク軸23の回転に伴い第1偏心部23a及び第2偏心部23bから第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bに対して荷重が作用する。この荷重により、第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bが揺動して回転し、この第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bの揺動回転に対応してクランク軸23が自転しながら公転動作を行うことになる。尚、前述のように、この回転動作を行うクランク軸23は、一端側及び他端側がそれぞれ基部キャリア25及び端部キャリア26で支持され、その中間部23eが中間軸受41を介してプレート39によって支持されている。
支柱27は、図1、図2、及び図4に示すように、基部キャリア25と端部キャリア26とをプレート39を介して連結する柱状部分として設けられている。この支柱27は、回転中心線Pを中心とした周方向に沿った均等角度の位置に複数(本実施形態では、3つ)配置されており、その軸方向が回転中心線Pと平行となるように配置されている。尚、支柱27とクランク軸23とは、回転中心線Pを中心とした周方向に沿って交互に配置されている。
また、各支柱27は、基部キャリア25に一体に形成される基部側支柱部分27aと、端部キャリア26に一体に形成される端部側支柱部分27bとを備えて構成されている。基部側支柱部分27aは、基部キャリア25の他端側において他端側に向かって突出するように設けられている。一方、端部側支柱部分27bは、端部キャリア26の一端側において一端側に向かって突出するように設けられている。また、基部側支柱部分27a及び端部側支柱部分27bは、回転中心線Pと垂直な断面において、角部が円弧状に形成されるとともに径方向外側に向かって広がった三角形状断面を有するような断面形状に形成されている。そして、基部側支柱部分27a及び端部側支柱部分27bは、プレート39において径方向外側に配置されて他の部分よりも少し厚肉に盛り上がった部分として形成された厚肉部分39aを挟持する(挟むように保持する)ように配設されている。尚、基部側支柱部分27aの他端側及び端部側支柱部分27bの一端側には段状に凹んだ部分が形成されており、この段状に凹んだ部分に対して係合する出っ張り部分が、プレート39の厚肉部分39aの一端側及び他端側にそれぞれ突起状に形成されている。
図2及び図4に示すように、支柱27及びプレート39の厚肉部分39aには、後述する支柱ピン40が圧入される支柱ピン穴51が形成されている。この支柱ピン穴51は、端部キャリア26の他端側に開口するとともに、端部キャリア26から支柱27及びプレート39を経て基部キャリア25へと延びる穴として形成されている。支柱ピン40は、図2に示すように、支柱ピン穴51に圧入される丸棒状(円柱状)の部材として形成されている。この支柱ピン40が支柱ピン穴51に圧入されることにより、基部キャリア25及び端部キャリア26における周方向の位置が合わされることになる。
また、支柱27及びプレート39の厚肉部分39aには、支柱ボルト29が挿入される支柱ボルト穴47が形成されている。支柱ボルト穴47は、端部キャリア26の他端側に開口する穴として設けられ、一端側に向かって端部キャリア26及び端部側支柱部分27bを貫通し、さらにプレート39及び基部側支柱部分27aを貫通して基部キャリア25にまで延びる穴として形成されている。支柱ボルト穴47における基部キャリア25及び基部側支柱部分27aに配置された部分の内周には、雌ネジ部分が形成されている。
支柱ボルト29は、図1、図2、及び図4に示すように、雄ネジ部分として形成されたネジ部29aが一端側に設けられ、六角レンチ等で締め付けるための六角穴が設けられた頭部が他端側に設けられている。この支柱ボルト29は、支柱27と基部キャリア25とを螺合により結合するボルト部材として設けられており、この支柱ボルト29が支柱27と基部キャリア25とを結合することで、支柱27により基部キャリア25と端部キャリア26とが連結されるように構成されている。
支柱ボルト29での結合によって基部キャリア25と端部キャリア26とを連結する際には、まず、前述のように支柱ピン穴51に支柱ピン40が圧入されて基部キャリア25及び端部キャリア26の周方向の位置合わせが行われる。この位置合わせが行われた状態で、支柱ボルト29が端部キャリア26の他端側から支柱ボルト穴47に挿入される。そして、支柱ボルト穴47における基部キャリア25及び基部側支柱部分27aに形成された前述の雌ネジ部分に対して、支柱ボルト29の一端側のネジ部29aが螺合するようにねじ込まれる。このとき、支柱ボルト29の頭部は、支柱ボルト孔47が開口する端部キャリア26の他端側と係合する。この支柱ボルト29による結合により、基部キャリア25、プレート39、及び端部キャリア26が連結されることになる。
また、支柱ボルト29が基部キャリア25及び基部側支柱部分27aに螺合し、基部キャリア25と端部キャリア26とを連結する締め付け力が発生することにより、基部キャリア25に固定された位置決め部材44と端部キャリア26とがころ軸受36及び玉軸受37を介してケース11を挟持することになる。そして、端部キャリア26と位置決め部材44とがころ軸受36及び玉軸受37を介してケース11を挟持することで、基部キャリア25及び端部キャリア26がケース11に対して回転自在に保持されることになる。
(偏心型減速機の作動)
次に、上述した偏心型減速機1の作動について説明する。偏心型減速機1は、モータ100の運転が行われることにより、作動する。モータ100の運転が開始されると、モータ100の回転軸100aが回転する。回転軸100aが回転すると、これに連結されたプラネタリギア17がリングギア18と噛み合いながら回転して公転し、これにより、キャリア16が回転し、キャリア16に連結された太陽歯車15が回転する。そして、太陽歯車15に噛み合う各スパーギア49が回転する。
各スパーギア49が回転すると、各スパーギア49が他端側の端部で固定された各クランク軸23が回転し、各クランク軸23とともに第1偏心部23a及び第2偏心部23bが回転する。この回転に伴って、前述のように、第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bが、第1ピン溝52aに取り付けられた第1ピン内歯22a及び第2ピン溝52bに取り付けられた第2ピン内歯22bに対して、外歯31の噛み合いをずらしながら偏心して回転する。そして、第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bの偏心回転に伴って、ころ軸受38で第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bに回転保持されるとともに中間軸受41でプレート39に回転保持されたクランク軸23が回転中心線Pを中心として公転動作を行う。これにより、支柱27及び支柱ボルト29で連結され、クランク軸23を回転自在に保持する基部キャリア25、プレート39及び端部キャリア26とともに、出力軸14が回転し、大きなトルクがピニオン101から出力されることになる。
(偏心型減速機の効果)
以上説明した偏心型減速機1によると、ピン溝52が形成されたケース11の内周に、プレート39の外周が対向する位置においてピン溝52の深さと同等もしくはピン溝52の深さよりも深さが深い凹部53が形成されている。このため、ケース11に対してピン溝52を切削により加工する際に、工具の刃とケース11の内周における凹部53が設けられている部分とが干渉することがない。これにより、凹部53が設けられている部分については、ケース11の内周に対して切削加工を行う必要がなく、ピン溝52の加工時間を短縮することができる。そして、工具の刃がすぐに磨耗してしまうことを抑制でき、刃の交換時間の増加による工数の増大や、刃が多く必要になることによるコストの増大を招いてしまうことも抑制できる。また、ピン溝52の長さが短くなることで、ピン溝52にピン内歯22を嵌め込んで取り付ける組立作業を行う際に、ピン溝52とピン内歯22とが摺動する範囲が小さくなり、組立作業の容易化と組立作業時間の短縮を図れ、組立作業の効率を向上させることができる。また、凹部53を設けることで、その分だけケース11の内周部分における材料が少なくなり、軽量化を図ることができ、さらなるコストの低減を達成することもできる。
従って、本実施形態によると、複数の外歯歯車28(第1外歯歯車28a、第2外歯歯車28b)の間でクランク軸23を保持するプレート39が設けられる偏心型減速機1においてその加工時間を短縮することができる。
[偏心型減速機のピン溝加工方法の第1実施形態]
次に、上述した偏心型減速機1におけるピン溝52の加工が行われる、第1実施形態に係る偏心型減速機のピン溝加工方法を説明する。
図5は、偏心型減速機1の製造工程を示す工程図である。この図5に示すように、偏心型減速機1の製造工程としては、ケース鋳造工程S101、ピン溝形成工程S102、組立工程S103が備えられている。そして、第1実施形態に係る偏心型減速機のピン溝加工方法は、偏心型減速機1の製造工程の一部として構成されており、ケース鋳造工程S101とピン溝形成工程S102とを少なくとも備えて構成されている。尚、ピン溝形成工程S102が、本発明における第1のピン溝形成工程を構成している。
ケース鋳造工程S101では、ケース11の素材となるケース素材が鋳造により形成される。図6は、ケース11の素材の鋳物であるケース素材55の他端側における軸方向の一部断面図(図6(a))と、ケース11の第1ケース部11aの他端側における軸方向の一部断面図(図6(b))とを示したものである。尚、図6(a)では、ケース素材55として、第1ケース部11aの素材の一部断面を示している。また、図6(a)及び(b)の断面図は、図3に対応する位置での断面を示している。
ケース鋳造工程S101においては、複数の型が組み合わされて構成される鋳型(図示せず)に溶融金属が注入され、凝固した後に複数の型が離型されることにより、ケース素材55が製作されることになる。尚、ケース素材55として、第1ケース部11aの素材と第2ケース部11bの素材とが、別々の鋳型により形成される。そして、ケース素材55における第1ケース部11aの素材については、図6(a)の一部断面図に示すように、その内周に対して全周に亘って形成される凹部53と凸部56とが設けられるように、鋳造により形成されている。凸部56は、後述するピン溝形成工程S102においてピン溝52の加工が行われる部分として形成され、凹部53に対して一端側及び他端側のそれぞれにて隣接する箇所に設けられている。一方、鋳造によりケース素材55の内周に設けられる凹部53は、ケース素材55の内周におけるプレート39の外周が対向する位置に設けられ、ピン溝52の深さと同等もしくはピン溝52の深さよりも深く凹むように形成されている。
ケース鋳造工程S101が終了すると、図5に示すように、ピン溝形成工程S102が行われる。ピン溝形成工程S102においては、ケース鋳造工程S101で形成されたケース素材55の凸部56に対して、歯車の歯面を形成するピニオンカッタを有するギアシェーパで加工が行われることにより、図6(b)に示すように、ピン溝52(52a、52b)が加工される。ピン溝形成工程S102にて加工されるピン溝52の深さは、前述のように、凹部53の深さよりも浅いため、ピン溝形成工程S102においては、工具の刃(ピニオンカッタ)がケース素材55の内周に対して凸部56以外とは干渉しないことになる。尚、ピン溝形成工程S102が終了した後に組立工程S103が行われるが、ケース鋳造工程S101が終了してから組立工程S103が開始されるまでの間に、ケース素材55の内周及び外周の表面に対する表面加工処理(図5では、図示を省略)が行われる。この表面加工処理においては、ピン溝52及び凹部53以外の表面に関して、所定の形状を付与するための切削加工の処理や、所定の表面仕上げの処理が施される。この表面加工処理とピン溝形成工程S102での処理とがケース素材55に施されることにより、ケース11が形成されることになる。
ピン溝形成工程S102の後に行われる組立工程S103においては、図3(b)に示すように、第1ピン溝52aに対して第1ピン内歯22aが、第2ピン溝52bに対して第2ピン内歯22bが、それぞれ嵌め込まれることで取り付けられる。また、このとき、第1ピン内歯22a及び第2ピン内歯22bは、第1ピン内歯22aの一端側がスペーサ54を介して第1ケース部11aに対して位置決めされ、第2ピン内歯22bの一端側が第1ピン内歯22aの他端側に当接するように、それぞれ配置される。
さらに、組立工程S103においては、ケース11に対して、出力軸14と一体形成された基部キャリア25、端部キャリア26、プレート39、クランク軸23、第1外歯歯車28a、第2外歯歯車28b等の各構成要素が適宜配設され、偏心型減速機1が組み立てられる。尚、このとき、前述したように、クランク軸23、プレート39、第1外歯歯車28a、第2外歯歯車28b等が適宜配置された状態で、基部キャリア25と端部キャリア26とが支柱27及び支柱ボルト29により連結されることで、基部キャリア25及び端部キャリア26がころ軸受36及び玉軸受37を介してケース11に対して回転自在に保持されることになる。減速機組立工程S104が終了することで、図5に示す偏心型減速機1の製造工程が終了する。また、組立工程S103において、偏心型減速機1には、出力軸14の一端側にピニオン101が取り付けられ、さらに、ケース11の他端側にモータ100が取り付けられ、風車用ヨー駆動装置等として用いられることになる。
以上説明した第1実施形態に係る偏心型減速機のピン溝加工方法によると、ケース鋳造工程S101において、ピン溝の深さと同等もしくはピン溝52の深さよりも深さが深い凹部53が内周の全周に亘って設けられたケース素材55が形成され、その後、ピン溝形成工程S102でピン溝52の加工が行われる。このため、ケース素材55に対してピン溝52をピン溝形成加工での切削により加工する際に、工具の刃とケース素材55の内周における凹部53が設けられている部分とが干渉することがない。これにより、凹部53が設けられている部分については、ケース素材55の内周に対して切削加工を行う必要がなく、ピン溝52の加工時間を短縮することができる。従って、本実施形態によると、複数の外歯歯車28(第1外歯歯車28a、第2外歯歯車28b)の間でクランク軸23を保持するプレート39が設けられる偏心型減速機1においてその加工時間を短縮することができる、偏心型減速機のピン溝加工方法を提供することができる。また、本実施形態によると、工具の刃の磨耗を抑制できるため、工数の増大と必要な刃の増加によるコストの増大とを抑制できる。また、組立作業の効率の向上や、軽量化によるコストの低減も図ることができる。
[偏心型減速機のピン溝加工方法の第2実施形態]
次に、前述した偏心型減速機1におけるピン溝52の加工が行われる、第2実施形態に係る偏心型減速機のピン溝加工方法を説明する。
図7は、偏心型減速機1の製造工程を示す工程図である。この図7に示すように、偏心型減速機1の製造工程としては、鋳造工程S201、切削工程S202、ピン溝形成工程S203、及び組立工程S204が備えられている。そして、第2実施形態に係る偏心型減速機のピン溝加工方法は、偏心型減速機1の製造工程の一部として構成されており、鋳造工程S201と切削工程S202とピン溝形成工程S203とを少なくとも備えて構成されている。尚、ピン溝形成工程S203が、本発明における第2のピン溝形成工程を構成している。
鋳造工程S201では、ケース11の素材となる円筒状の鋳物が鋳造される。図8は、ケース11の素材である円筒状の鋳物57の他端側における軸方向の一部断面図(図8(a))と、後述する切削工程S202が行われた鋳物57の他端側における軸方向の一部断面図(図8(b))と、ケース11の第1ケース部11aの他端側における軸方向の一部断面図(図8(c))とを示したものである。尚、図8(a)及び(b)では、鋳物57として、第1ケース部11aの素材の一部断面を示している。また、図8(a)乃至(c)の断面図は、図3に対応する位置での断面を示している。鋳造工程S201においては、複数の型が組み合わされて構成される鋳型(図示せず)に溶融金属が注入され、行凝固した後に複数の型が離型されることにより、鋳物57が製作されることになる。この鋳物57においては、円筒形状の面として設けられた内周57aが形成されている。尚、鋳物57として、第1ケース部11aの素材と第2ケース部11bの素材とが別々の鋳型により形成される。
鋳造工程S201が終了すると、図7に示すように、切削工程が行われる。切削工程S202においては、鋳造工程S201で鋳造された鋳物57の内周57aに対して旋盤(図示せず)を用いることにより切削加工が行われる。そして、この切削工程S201では、鋳物57における第1ケース部11aの素材については、図8(b)の一部断面図に示すように、内周57aに対して全周に亘って形成される凹部53が設けられるように、切削加工が行われる。尚、鋳物57の内周57aに対して切削加工により凹部53が形成されることで、凹部53に対して一端側及び他端側のそれぞれにて隣接する箇所の内周57aには、凸部58が設けられることになる。この凸部58には、後述するピン溝形成工程S203においてピン溝52の加工が行われることになる。また、切削加工により鋳物57の内周57aに設けられる凹部53は、鋳物57の内周57aにおけるプレート39が対向する位置に設けられ、ピン溝52の深さと同等もしくはピン溝52の深さよりも深く凹むように形成される。
切削工程S202が終了すると、図7に示すように、ピン溝形成工程S203が行われる。ピン溝形成工程S203においては、切削工程S202で切削加工が行われた鋳物57の内周57aにおける凸部58に対して、歯車の歯面を形成する工具の刃(ピニオンカッタ)を有するギアシェーパで加工が行われることにより、図8(c)に示すように、ピン溝52(52a、52b)が加工される。工程S203にて加工されるピン溝52の深さは、前述のように、凹部53の深さよりも浅いため、ピン溝形成工程S203においては、工具の刃が鋳物57の内周57aに対して凸部58以外とは干渉しないことになる。尚、ピン溝形成工程S203が終了した後に組立工程S204が行われるが、鋳造工程S201が終了してから組立工程S204が開始されるまでの間に、第1実施形態の場合と同様に、鋳物57の内周57a及び外周の表面に対する表面加工処理(図7では、図示を省略)が適宜施されることになるが、切削工程S202において、凹部53の形成と凸部58の表面処理を旋盤にて連続的に同時に行うと、加工時間の短縮を図ることができる。この表面加工処理と切削工程S202での処理とピン溝形成工程S203での処理とが鋳物57に施されることにより、ケース11が形成されることになる。
ピン溝形成工程S203の後に行われる組立工程S204においては、第1実施形態の組立工程S103と同様の処理が行われ、風車用ヨー駆動装置等として用いられることになる。
以上説明した第2実施形態に係る偏心型減速機のピン溝加工方法によると、鋳造工程S201で鋳造された鋳物57に対して行われる切削工程S202において、ピン溝52の深さと同等もしくはピン溝52の深さよりも深さが深い凹部53が鋳物57に対してその内周の全周に亘って形成され、その後、ピン溝形成工程S203でピン溝52の加工が行われる。このため、切削工程S202を経た鋳物57に対してピン溝52を切削により加工する際に、工具の刃と鋳物57の内周57aにおける凹部53が設けられている部分とが干渉することがない。これにより、ピン溝形成工程S203においては、凹部53が設けられている部分については、鋳物57の内周57aに対してピン溝形成加工を行う必要がなく、ピン溝52の加工時間を短縮することができる。従って、本実施形態によると、複数の外歯歯車28(第1外歯歯車28a、第2外歯歯車28b)の間でクランク軸23を保持するプレート39が設けられる偏心型減速機1においてその加工時間を短縮することができる、偏心型減速機のピン溝加工方法を提供することができる。また、本実施形態によると、工具の刃の磨耗を抑制できるため、工数の増大と必要な刃の増加によるコストの増大とを抑制できる。また、組立作業の効率の向上や、軽量化によるコストの低減も図ることができる。
[変形例]
以上、本発明に係る偏心型減速機及び偏心型減速機のピン溝加工方法の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。例えば、次のような変形例を実施することができる。
(1)前述の実施形態においては、クランク軸が回転中心線を中心とする周方向に沿って配置された偏心型減速機を例にとって説明したが、この通りでなくてもよく、クランク軸が回転中心線上に配置されたセンタクランクタイプの偏心型減速機であっても本発明を適用することができる。この場合、クランク軸が配置される回転中心線を中心とする周方向に沿って複数のガイドクランク軸を配置し、このガイドクランク軸がクランク軸の回転に伴う外歯歯車の回転とともに回転(自転)しながら公転動作を行うことで、基部キャリア及び端部キャリアを回転させる偏心型減速機を構成することができる。
(2)前述の実施形態においては、出力軸が基部キャリアに対して一体に設けられることで固定されている偏心型減速機を例にとって説明したが、この通りでなくてもよく、出力軸が基部キャリアとは別部材として設けられて基部キャリアに対して固定されている偏心型減速機であっても本発明を適用することができる。
(3)前述の実施形態においては、支柱が基部キャリアに一体に形成された基部側支柱部分と、端部キャリアに一体に形成された端部側支柱部分とで構成されるものを例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、基部キャリア及び端部キャリアとは別部材として形成されて、基部キャリアと端部キャリアとをプレートを介して連結する支柱が設けられた偏心型減速機であってもよい。
(4)前述の実施形態においては、外歯歯車として、第1外歯歯車及び第2外歯歯車の2つの外歯歯車のみが設けられているものを例にとって説明したが、この通りでなくてもよく、外歯歯車が3つ以上設けられている偏心型減速機であってもよい。また、外歯歯車が3つ以上設けられる場合には、その3つ以上の外歯歯車のうち、中間軸受及びプレートが間に配置される任意の2つの外歯歯車を第1外歯歯車及び第2外歯歯車として構成することができる。また、外歯歯車が3つ以上設けられる場合には、中間軸受及びプレートが2つ以上設けられる偏心型減速機を構成することもでき、この場合、ピン溝よりも深さの深い凹部も複数のプレートに対応して複数設けることができる。
(5)前述の実施形態においては、クランク軸及び支柱が3つ設けられる偏心型減速機を例にとって説明したが、この通りでなくてもよく、クランク軸及び支柱が4つ又は5つ以上設けられる偏心型減速機であってもよい。
本発明は、ピン内歯が配置されるピン溝がケースに形成され、中間部がプレートに回転自在に保持されたクランク軸の回転に伴い外歯歯車がピン内歯に噛み合いながら偏心して回転する偏心型減速機、及びその偏心型減速機のピン溝加工方法として、広く適用することができるものである。
本発明の一実施の形態に係る偏心型減速機の断面図である。 図1のA−A線矢視断面図である。 図1に示す偏心型減速機におけるケースの一部を拡大して示す断面図である。 図1に示す偏心型減速機における後段減速部及びその近傍を拡大して示す断面図である。 図1に示す偏心型減速機の製造工程を説明する工程図である。 図5に示す工程図における一部の工程を説明するためのケース素材及びケースの一部断面図である。 図1に示す偏心型減速機の他の製造工程を説明する工程図である。 図7に示す工程図における一部の工程を説明するための鋳物及びケースの一部断面図である。
符号の説明
1 偏心型減速機
11 ケース
14 出力軸
22、22a、22b ピン内歯
23 クランク軸
23e 中間部
25 基部キャリア
26 端部キャリア
27 支柱
28a 第1外歯歯車
28b 第2外歯歯車
30 クランク用孔
31 外歯
39 プレート
41 中間軸受
52、52a、52b ピン溝
53 凹部
101 ピニオン

Claims (3)

  1. 内周にピン溝が形成されたケースと、
    前記ピン溝に配置され、ピン状の部材として形成された複数のピン内歯と、
    前記ケースに収納されるとともに、前記ピン内歯に噛み合う外歯が外周に設けられた第1外歯歯車及び第2外歯歯車と、
    前記第1外歯歯車及び前記第2外歯歯車に形成されたクランク用孔を貫通し、回転することで前記第1外歯歯車及び前記第2外歯歯車を偏心させて回転させるクランク軸と、
    前記クランク軸の一端側を回転自在に保持する基部キャリアと、
    前記クランク軸の他端側を回転自在に保持する端部キャリアと、
    前記基部キャリアと前記端部キャリアとを連結する支柱と、
    前記基部キャリアに固定され、ピニオンが取り付けられる出力軸と、
    前記第1外歯歯車と前記第2外歯歯車との間に配置され、前記クランク軸の中間部を回転自在に保持する中間軸受と、
    前記中間軸受を保持するとともに、前記第1外歯歯車と前記第2外歯歯車との間に配置されたプレートと、
    を備えた偏心型減速機であって、
    前記ケースの内周には、前記プレートの外周に対向する位置において、全周に亘って前記ピン溝の深さと同等もしくは前記ピン溝の深さよりも深く凹むように形成された凹部が設けられていることを特徴とする、偏心型減速機。
  2. 内周にピン溝が形成されたケースと、
    前記ピン溝に配置され、ピン状の部材として形成された複数のピン内歯と、
    前記ケースに収納されるとともに、前記ピン内歯に噛み合う外歯が外周に設けられた第1外歯歯車及び第2外歯歯車と、
    前記第1外歯歯車及び前記第2外歯歯車に形成されたクランク用孔を貫通し、回転することで前記第1外歯歯車及び前記第2外歯歯車を偏心させて回転させるクランク軸と、
    前記クランク軸の一端側を回転自在に保持する基部キャリアと、
    前記クランク軸の他端側を回転自在に保持する端部キャリアと、
    前記基部キャリアと前記端部キャリアとを連結する支柱と、
    前記基部キャリアに固定され、ピニオンが取り付けられる出力軸と、
    前記第1外歯歯車と前記第2外歯歯車との間に配置され、前記クランク軸の中間部を回転自在に保持する中間軸受と、
    前記中間軸受を保持するとともに、前記第1外歯歯車と前記第2外歯歯車との間に配置されたプレートと、
    を備える偏心型減速機における前記ピン溝の加工が行われる、偏心型減速機のピン溝加工方法であって、
    前記ケースの素材となるケース素材が鋳造により形成されるケース鋳造工程と、
    前記ケース鋳造工程で形成された前記ケース素材に対して、前記ピン溝が加工される第1のピン溝形成工程と、
    を備え、
    前記ケース鋳造工程では、前記ケース素材の内周における前記プレートの外周が対向する位置に全周に亘って前記ピン溝の深さと同等もしくは前記ピン溝の深さよりも深く凹むように形成される凹部が設けられるように当該ケース素材が鋳造により形成されることを特徴とする、偏心型減速機のピン溝加工方法。
  3. 内周にピン溝が形成されたケースと、
    前記ピン溝に配置され、ピン状の部材として形成された複数のピン内歯と、
    前記ケースに収納されるとともに、前記ピン内歯に噛み合う外歯が外周に設けられた第1外歯歯車及び第2外歯歯車と、
    前記第1外歯歯車及び前記第2外歯歯車に形成されたクランク用孔を貫通し、回転することで前記第1外歯歯車及び前記第2外歯歯車を偏心させて回転させるクランク軸と、
    前記クランク軸の一端側を回転自在に保持する基部キャリアと、
    前記クランク軸の他端側を回転自在に保持する端部キャリアと、
    前記基部キャリアと前記端部キャリアとを連結する支柱と、
    前記基部キャリアに固定され、ピニオンが取り付けられる出力軸と、
    前記第1外歯歯車と前記第2外歯歯車との間に配置され、前記クランク軸の中間部を回転自在に保持する中間軸受と、
    前記中間軸受を保持するとともに、前記第1外歯歯車と前記第2外歯歯車との間に配置されたプレートと、
    を備える偏心型減速機における前記ピン溝の加工が行われる、偏心型減速機のピン溝加工方法であって、
    前記ケースの素材となる円筒状の鋳物が鋳造される鋳造工程と、
    前記鋳物の内周に旋盤で切削加工が行われる切削工程と、
    前記切削工程で切削加工が行われた前記鋳物に対して、前記ピン溝が加工される第2のピン溝形成工程と、
    を備え、
    前記切削工程では、前記鋳物の内周における前記プレートの外周が対向する位置に全周に亘って前記ピン溝の深さと同等もしくは前記ピン溝の深さよりも深く凹むように形成される凹部が設けられるように切削加工が行われることを特徴とする、偏心型減速機のピン溝加工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101212278B1 (ko) 2010-04-19 2012-12-14 주식회사 해성산전 굴삭기 선회용 다단 감속장치
CN105041983A (zh) * 2014-04-17 2015-11-11 纳博特斯克有限公司 齿轮传动装置
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