JP5068530B2 - 人間または動物のバリア膜の治療のための装置 - Google Patents

人間または動物のバリア膜の治療のための装置 Download PDF

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Description

開示の内容
〔関連出願に対するクロス・リファレンス〕
本特許出願は、2003年6月30日に出願されている同時係属の米国特許第10/609,727号、の一部継続出願である2003年10月14日に出願されている同時係属の米国特許出願第10/685,282号、の一部継続出願であり、これらの特許出願は、このように、それぞれの内容全体において、参照により本明細書に組み入れられている。
〔発明の背景〕
経皮的な装置は、全身系的な病気および局所的な状況の治療において、ここ数十年にわたり広く処方されている。受動的な経皮送達の間に、活性物質はバリア膜をまたぐ濃度勾配を用いることにより哺乳類動物の体内に送達される(例えば、皮膚を通る受動拡散による)。例えば、高濃度で薬物を含有しているパッチが、患者の皮膚に貼り付けられる。
皮膚のバリアをまたぐ薬物の輸送を容易にするために、電気を用いることができる。このような電気補助型の装置において、薬物の輸送を容易にするために、所与の電位(電圧)が膜に印加される。経皮イオン導入法において、イオン化された薬物は、印加された電位の勾配により駆動されて、皮膚の内部に移動する。この場合に、アニオン性の薬物は陰極(負に帯電された電極)の下の皮膚の中に送達されるが、カチオン性の薬物は陽極(正に帯電された電極)の下に送達される。このイオン導入法は皮膚の中へのイオン種の浸透速度の、高められた、ならびにさらに良好な制御を可能にする。
上記のイオン導入法の装置の最も一般的な設計は、電力供給源(例えば、電池)と、電気的な制御機構と、2個の分離している導電性の電極と、を含んでいる。さらに、それぞれの電極は分離している電解質の組成物に(活性物質を伴うか伴わずに)接触している。この電解質またはイオン性の活性な組成物は一般に液体のチャンバーの中に収容されている水性の溶液か半固体の物質のいずれかである。これらの導電性の電極と電解質の組成物との組立体は「電極組立体」または単に「電極」と呼ばれる場合が多い。また、これら2つの電極組立体は、通常において、これらの間の電気的な絶縁体により分離されて、皮膚に固定される。
あるいは、上記2種類の電極組立体は単一のイオン導入装置に構成することができ、電気的な絶縁性の材料が短絡電流を防ぐための電気的な絶縁のために上記2つの電極組立体の間に組み込まれている。このようなイオン導入装置の例は米国特許第5,387,189号において開示されている。
上記の一般的なイオン導入装置の設計の別の変形例において、上記2つの電極組立体の内の一つにおいて電解質の組成物が除かれていて、電気回路を完成させるために、その導電性の電極が皮膚に直接に接触して配置されている。このようなイオン導入装置の例は米国特許第6,385,487号において開示されている。
一般的なイオン導入の動作(単極動作)の間に、上記2つの電極の内の一つ(すなわち、活性電極)は活性物質を皮膚の中に駆動する。一方、別の電極(すなわち、分散電極)は皮膚を通して電気回路を閉じるために役立つ。また、時には、反対の電荷の第2の活性物質をこの第2の電極に接触している電解質の組成物の中に入れることにより、この第2の電極の下の皮膚の中に送達させることができる。あるいは、両方の電極の下においてイオン種を駆動する(双極動作)ために、上記の第1および第2の電極の電気的な極性を周期的に逆にすることも可能である。このような経皮的な薬物送達のための双極イオン導入装置は米国特許第4,406,658号において開示されている。
イオン導入装置において電力供給源としてガルバニ電池対を用いることは当業界において周知である。例えば、米国特許第5,147,297号、5,162,043号、5,298,017号、5,326,341号、5,405,317号、5,685,837号、6,584,349号、6,421,561号および6,653,014号、を参照されたい。ガルバニ電池対が作られる一般的な材料は亜鉛のドナー電極および塩化銀の対向電極を含む。このような組み合わせ物は約1ボルトの電位を生じる。また、このようなガルバニ電池対により電力供給されるイオン導入システムは、何らかの制御手段が存在していなくても、体組織および/または体液がそのシステムと共に完全な回路を形成すると、自動的に動作して、電気を発生する。
〔発明の概要〕
一例の態様において、本発明は、皮膚接触用の表面部分を有するハウジングと、第1の導電性の電極と、第2の導電性の電極と、アルファ−ヒドロキシ酸、ベータ−ヒドロキシ酸、およびこれらの塩から選択される物質を含有しているキャリアと、を含む装置を、剥脱を必要としている皮膚に供給することにより、その皮膚を剥脱する方法、を特徴としており、この場合に、上記第1の導電性の電極は上記第2の導電性の電極に対して電気を介してつながっており、この第1の導電性の電極は上記キャリアに対してイオンを介してつながっており、このキャリアは上記皮膚接触用の表面部分に対してつながっており、さらに、この皮膚接触用の表面部分は皮膚に接触して配置される。
別の態様において、本発明は、粒子の形態の第1の導電性の電極と、粒子の形態の第2の導電性の電極と、アルファ−ヒドロキシ酸、ベータ−ヒドロキシ酸、およびこれらの塩から選択される物質と、を含有している組成物を局所的に供給することにより皮膚を剥脱する方法、を特徴としており、この場合に、上記の第1の導電性の電極および第2の導電性の電極の標準電位の差は少なくとも0.2Vである。
別の態様において、本発明は、粒子の形態の第1の導電性の電極と、粒子の形態の第2の導電性の電極と、を含有している組成物の供給を促進させる方法、を特徴としており、この場合に、上記の第1の導電性の電極および第2の導電性の電極の標準電位の差は少なくとも0.2Vであり、上記の方法は、バリア膜における傷の治療のための上記の組成物の局所的な供給を促進させる処理、を含んでいる。
別の態様において、本発明は、皮膚接触用の表面部分を有するハウジングと、第1の導電性の電極と、第2の導電性の電極と、キャリアと、を含む装置を、皮膚の毛穴の治療を必要としている皮膚に供給することにより、その皮膚における毛穴を治療する方法、を特徴としており、この場合に、上記第1の導電性の電極は上記第2の導電性の電極に対して電気を介してつながっており、この第1の導電性の電極は上記キャリアに対してイオンを介してつながっており、このキャリアは上記皮膚接触用の表面部分に対してつながっており、この皮膚接触用の表面部分は皮膚に接触して配置され、さらに、上記の皮膚における毛穴を治療する方法は、皮膚における毛穴を浄化する処理と、皮膚における皮脂を減少させる処理と、皮膚における黒色面ぽう(毛穴の黒ずみ)の発生を減少させる処理と、皮膚における毛穴の発生を減らす処理と、から成る群から選択される。
別の態様において、本発明は、粒子の形態の第1の導電性の電極と、粒子の形態の第2の導電性の電極と、を含む組成物を局所的に供給することにより皮膚における毛穴を治療する方法、を特徴としており、この場合に、上記の第1の導電性の電極および第2の導電性の電極の標準電位の差は少なくとも0.2Vである。
別の態様において、本発明は、粒子の形態の第1の導電性の電極と、粒子の形態の第2の導電性の電極と、を含む組成物の供給を促進させる方法、を特徴としており、この場合に、上記の第1の導電性の電極および第2の導電性の電極の標準電位の差は少なくとも0.2Vであり、上記の方法は皮膚における毛穴の治療のための上記の組成物の局所的な供給を促進させる処理を含み、この場合に、上記の皮膚における毛穴を治療する方法は、皮膚における毛穴を浄化する処理と、皮膚における皮脂を減少させる処理と、皮膚における黒色面ぽうの発生を減少させる処理と、皮膚における毛穴の発生を減らす処理と、から成る群から選択される。
一例の態様において、本発明は、電気化学的に発生された亜鉛イオンを皮膚に供給することにより、アクネまたは酒さ(rosacea)、を含むがこれらに限定されない、皮膚の感染症を治療する方法、を特徴としている。一例の実施形態において、上記の方法は、亜鉛を含む陽極を含んでいる装置を局所的に供給する処理を含む。また、別の実施形態において、上記の装置は、皮膚接触用の表面部分を有するハウジングと、亜鉛を含む第1の導電性の電極と、第2の導電性の電極と、キャリアと、を含んでおり、この場合に、上記第1の導電性の電極は上記第2の導電性の電極に対して電気を介してつながっており、この第1の導電性の電極は上記キャリアに対してイオンを介してつながっており、このキャリアは上記皮膚接触用の表面部分に対してつながっている。
別の態様において、本発明は、バリア膜接触用の表面部分を有する装置、を特徴としており、この装置は、電力供給源と、第1の導電性の電極と、第2の導電性の電極と、キャリアと、を含んでおり、この場合に、上記の電力供給源は上記の第1の導電性の電極および第2の導電性の電極に対して電気を介してつながっており、これらの第1の導電性の電極および第2の導電性の電極は上記キャリアに対してイオンを介してつながっており、このキャリアは上記バリア膜接触用の表面部分に対してつながっている。また、別の態様において、本発明は、上記のような装置を人間のバリア膜に供給することにより、その膜に電気を投与する方法、を特徴としている。さらに、別の態様において、本発明は上記のような装置を皮膚に供給することにより、その皮膚の状態を治療する方法、を特徴としている。
別の態様において、本発明は、バリア膜接触用の表面部分を有する装置、を特徴としており、この装置は、電力供給源と、第1の導電性の電極と、第2の導電性の電極と、活性物質を含有しているキャリアと、を含んでおり、この場合に、上記の電力供給源は上記の第1の導電性の電極および第2の導電性の電極に対して電気を介してつながっており、これらの第1の導電性の電極および第2の導電性の電極は上記キャリアに対してイオンを介してつながっており、このキャリアは上記バリア膜接触用の表面部分に対してつながっている。また、別の態様において、本発明は、上記のような装置を人間のバリア膜に供給することにより、その膜に電気を投与する方法、を特徴としている。さらに、別の態様において、本発明は上記のような装置を皮膚に供給することにより、その皮膚の状態を治療する方法、を特徴としている。
別の態様において、本発明は、バリア膜接触用の表面部分を有する装置、を特徴としており、この装置は、電力供給源と、第1の導電性の電極と、第2の導電性の電極と、第1の発光ダイオードと、活性物質を含有しているキャリアと、を含んでおり、この場合に、上記の電力供給源は上記の第1の導電性の電極、第2の導電性の電極、および第1の発光ダイオードに対して電気を介してつながっており、上記の装置は、上記第1の発光ダイオードからの光および上記キャリアが上記バリア膜接触用の表面部分に対してつながるように、構成されている。また、別の態様において、本発明は、上記のような装置を人間のバリア膜に供給することにより、その膜に活性物質を投与する方法、を特徴としている。さらに、別の態様において、本発明は上記のような装置を皮膚に供給することにより、その皮膚の状態を治療する方法、を特徴としている。
別の態様において、本発明は、バリア膜に酸化剤を投与するバリア膜接触用の表面部分を有する装置を皮膚に供給することにより、その皮膚の状態を治療する方法、を特徴としており、上記装置は、電力供給源と、第1の導電性の電極であって、この第1の導電性の電極が不活性な陽極である、第1の導電性の電極と、第2の導電性の電極であって、この第2の導電性の電極が陰極である、第2の導電性の電極と、水を含有しているキャリアと、を含んでおり、この場合に、上記の電力供給源は上記の第1の導電性の電極および第2の導電性の電極に対して電気を介してつながっており、この第1の導電性の電極は上記キャリアに対してイオンを介してつながっており、上記の酸化剤は上記第1の導電性の電極から上記キャリアを通過する電流により発生され、このキャリアは上記バリア膜接触用の表面部分に対してつながっている。また、別の態様において、本発明は、上記のような装置をバリア膜に供給することにより、その膜に酸化剤を投与する方法、を特徴としている。
別の態様において、本発明は、バリア膜に還元剤を投与するバリア膜接触用の表面部分を有する装置を皮膚に供給することにより、その皮膚の状態を治療する方法、を特徴としており、上記装置は、電力供給源と、第1の導電性の電極であって、この第1の導電性の電極が不活性な陰極である、第1の導電性の電極と、第2の導電性の電極であって、この第2の導電性の電極が陽極である、第2の導電性の電極と、水を含有しているキャリアと、を含んでおり、この場合に、上記の電力供給源は上記の第1の導電性の電極および第2の導電性の電極に対して電気を介してつながっており、この第1の導電性の電極は上記キャリアに対してイオンを介してつながっており、上記の還元剤は上記第1の導電性の電極から上記キャリアを通過する電流により発生され、このキャリアは上記バリア膜接触用の表面部分に対してつながっている。また、別の態様において、本発明は、上記のような装置をバリア膜に供給することにより、その膜に還元剤を投与する方法、を特徴としている。
本発明の別の特徴および利点は本発明の詳細な説明および特許請求の範囲の各請求項により明らかになるであろう。
〔発明の詳細な説明〕
当業者は、本明細書における説明に基づいて、本発明をその最も完全な程度まで利用できる、と考えられる。以下の特定の実施形態は単に例証として解釈されるべきであり、この開示の残りの部分の、なにものをも、何ら、制限していない。
別に定義されていない限りにおいて、本明細書において用いられている全ての技術的および科学的な用語は、本発明が属する技術分野における当業者により一般に理解されている意味と同一の意味を有する。また、全ての刊行物、特許出願、特許、および本明細書において述べられているその他の文献は参照により本明細書に組み入れられている。また、別に示されていない限りにおいて、パーセント(%)は重量パーセント(すなわち、%(重量/重量)を意味する。
「製品」とは、仕上げられて包装されている形態で装置を収容している製品を意味する。一例の実施形態において、上記の製品は(例えば、皮膚の状態を治療するために)バリア膜に装置を供給することを使用者に指示している説明書を含む。このような説明書は装置または挿入されたラベルの上、あるいは、何らかの付加的な包装の上に印刷できる。
また、一例の態様において、本発明はその意図されている用途において、本発明の装置の販売を促進させることを特徴としている。この場合の「促進させる」とは、販売を促進すること、宣伝すること、または売ること、を意味する。この促進させることの例は、製品の上、または売店、雑誌、新聞、ラジオ、テレビ、インターネット等においてなされる、文書による、または視覚的な、または口頭による表明、を含むがこれらに限定されない。
本明細書においては、「薬剤として許容可能な」は、この用語が説明している成分が、過度の毒性、不適合性、不安定性、刺激、アレルギー性反応等を伴わずに、バリア膜(例えば、皮膚または粘膜)に対する接触において使用することに適していること、を意味する。
また、本明細書においては、「安全で有効な量」は、所望の水準において所望の有益性を提供するために十分であるが、深刻な副作用を回避するために十分に少ない、成分のまたは組成物の、量を意味する。この成分または組成物の安全で有効な量は、処理される領域、最終使用者の年齢および肌質、治療の持続時間および性質、使用される特定の成分または組成物、利用される特定の、薬剤として許容可能なキャリア、および類似の要因、により変わる。
また、本明細書においては、用語の「治療すること」または「治療」は治療(例えば、症状の軽減または除去および/または治癒)および/または状態(例えば、皮膚の状態)の予防または抑制を意味する。さらに、「皮膚の状態」は皮膚科学的な病気または障害(アクネ、酒さ(rosacea)、または皮膚の感染症を含むがこれらに限定されない)または皮膚の特徴(色素沈着、発毛の加減、皮膚のきめ、皮膚の硬さ、皮膚の弾性、皮膚の血管系、黒いしみ、脂肪性浮腫、皮脂の加減、および皮膚のつやを含むがこれらに限定されない)である。さらに、皮膚の感染症の例は、アクネ、酒さ(rosacea)、インペチゴ(impetigo)、毛包炎(folliculitis)、フルンケル症(furunculosis)、膿瘡、湿疹、乾癬、アトピー性皮膚炎、ヘルペス、表皮水疱症、魚鱗症(icthyosis)等の感染しやすい病原体によるもの、および感染された外傷性の病巣(例えば、潰瘍、軽いやけど、切り傷、擦過傷、裂傷、創傷、生検部位、外科切開および虫さされ)、を含むが、これらに限定されない。
本発明は、バリア膜の中への、電気(例えば、望ましい生物学的な応答を引き起こすための)および/または活性物質、の送達のための装置、に関連している。一例の実施形態において、本発明の装置は、電力供給源としての電池と、当該電池の陽極および陰極に対して電気を介してつながっている2個の電極と、を含んでいる内蔵型の装置である。一例の実施形態において、本発明の装置は、電力供給源に対して電気を介してつながっている少なくとも2個の異なる導電性の電極の1対、を含んでいる内蔵型の装置である。この場合の「電気を介するつながる」とは、電子が上記の装置の各要素の間(例えば、この装置の導電性の電極の間)において直接に伝わることができることを意味する。一例の実施形態において、上記2個の導電性の電極は互いの直接の接触により電気を介してつながっている。
「イオンを介してつながる」とは、電子が各要素(例えば、導電性の電極とキャリアと、さらに/または、導電性の電極と皮膚と)の間において、これらの要素に接触している「電子の移転要素」としてのイオンの移動により、伝わることができることを意味する(例えば、電子は、導電性の電極および皮膚に接触している(例えば、上記キャリアの中の)電解質のイオン輸送により、その導電性の電極と皮膚との間に伝わる)。
一例の実施形態において、上記2個の電極は電解質を含有しているキャリアに対してイオンを介してつながっており(すなわち、キャリアの中の1種類以上の電解質のイオンが導電性の電極に接触して)、そのキャリアは皮膚に対してイオンを介してつながっている。このような電極の構成は、それぞれの導電性の電極が別々のキャリアに接触している(例えば、電気回路を完成させるために全ての電流が皮膚を通して移動するように、それぞれの電極が別の区画部分の中に収容されていて、これらの間に電気的な絶縁を伴って皮膚に固定されている)従来のイオン導入装置とは、異なっている。本発明の上記のような実施形態の利点は、それぞれの導電性の電極の下の実質的に同一の皮膚の部位の中に、同じキャリアから反対の電荷の活性物質を同時に送達する能力を含んでいる。また、別の利点は、本発明の装置が従来のイオン導入装置よりも製造することがはるかに容易であり、それゆえ、相当な経費の節約を可能にすること、である。
上記の装置は、バリア膜に供給される(例えば、使用者の皮膚に対してその使用者により供給される)バリア膜接触用の表面部分(例えば、皮膚接触用の表面部分)、を含んでいる。この装置は、キャリアがバリア膜接触用の表面部分に対してつながってように(例えば、電気および/または活性物質がキャリアからバリア膜の中に投与できるように)、構成されている。一例の実施形態において、上記キャリアは上記のバリア膜接触用の表面部分である(例えば、このキャリアはヒドロゲルである)。また、一例の実施形態において、上記装置は、発光ダイオードからの光がバリア膜接触用の表面部分に対してつながるように(例えば、その光がバリア膜に投与できるように)、発光ダイオードを含んでいる。
一例の実施形態において、本発明の装置は活性物質をバリア膜の中に送達する。この本発明の装置により送達される活性物質は、キャリアの中に初めに組み込まれているか、使用中に電極からキャリアを通過する電流により電気化学的に発生される、活性物質、を含む。なお、「電気化学的に発生される」とは、反応性の電極から放出される化学的な種(例えば、電気化学的に発生される亜鉛イオン)、不活性な電極の表面において電気化学的に発生される化学的な種、または上記のような電気化学的に発生された種の後続反応生成物等のような、化学的な種が電極を通して流れる電流により生じる電気化学的な反応の結果として作られること、を意味する。
電力供給源
一例の実施形態において、本発明の装置は電力供給源を含んでいる。この電力供給源は、米国特許第5,042,975号において開示されている装置等のような、従来の直流(DC)型またはパルスDC型とすることができる。一例の実施形態において、本発明において上記の装置により使用される電流密度(バリア膜の単位面積当たりの電流の強さ)は、一般に、約0.5mA/cm2 よりも小さく、例えば、約0.1mA/cm2 よりも小さく、さらに、例えば、約0.05mA/cm2 よりも小さい。また、一例の実施形態において、上記の電力供給源は、約0.1ボルト〜約9ボルト、例えば、約1ボルト〜約3ボルトであり、さらに、例えば、約1.5ボルト、の電圧を生じる。
一例の実施形態において、上記の電力供給源は電池(たとえば、充電可能であるか使い捨ての電池)である。一例の実施形態において、この電池は装着可能なパッチまたは顔面マスク型の接着性の装置に適している、小形の使い捨ての電池である。適当な電池の例は、酸化銀電池、リチウム電池、および空気亜鉛電池(これらは一般的に小形の電子装置において用いられている)等のような、ボタン型またはコイン型の電池、を含むが、これらに限定されない。中でも、空気亜鉛電池は、その小さな寸法および高いエネルギー密度、ならびにその環境に対するやさしさのために、好まれている。このような空気亜鉛電池の例は、エナージャイザー(Energizer)(商標)AC5およびAC10/230(イブレデイー・バッテリー・カンパニー・インコーポレイテッド(Eveready Battery Co. Inc.)、アメリカ合衆国ミズーリー州セント・ルイス)、を含むが、これらに限定されない。上記の装置のための別の好ましい電池は、米国特許第5,897,522号において記載されている電池等のような、柔軟な薄層で開口型の液状の電気化学セル電池である。
ガルバニ電池対
一例の実施形態において、本発明の装置/組成物はその電力供給源としてガルバニ電池対を有しており、この場合に、第1の導電性の電極と第2の導電性の電極との間を通過する電子が、これらの電極の間の標準電位の差の結果として発生される(例えば、この電気は外部の電池または、AC電源等のような、その他の電力供給源により発生されない)。上記のようなガルバニ電池対の例は、亜鉛−銅、亜鉛−銅/銅ハロゲン化物、亜鉛−銅/酸化銅、マグネシウム−銅、マグネシウム−銅/銅ハロゲン化物、亜鉛−銀、亜鉛−銀/酸化銀、亜鉛−銀/銀ハロゲン化物、亜鉛−銀/塩化銀、亜鉛−銀/臭化銀、亜鉛−銀/ヨウ化銀、亜鉛−銀/フッ化銀、亜鉛−金、マグネシウム−金、アルミニウム−金、マグネシウム−銀、マグネシウム−銀/酸化銀、マグネシウム−銀/銀ハロゲン化物、マグネシウム−銀/塩化銀、マグネシウム−銀/臭化銀、マグネシウム−銀/ヨウ化銀、マグネシウム−銀/フッ化銀、マグネシウム−金、アルミニウム−銅、アルミニウム−銀、アルミニウム−銀/酸化銀、アルミニウム−銀/銀ハロゲン化物、アルミニウム−銀/塩化銀、アルミニウム−銀/臭化銀、アルミニウム−銀/ヨウ化銀、アルミニウム−銀/フッ化銀、銅−銀/銀ハロゲン化物、銅−銀/塩化銀、銅−銀/臭化銀、銅−銀/ヨウ化銀、銅−銀/フッ化銀、鉄−銅、鉄−銅/酸化銅、鉄−銅/銅ハロゲン化物、鉄−銀、鉄−銀/酸化銀、鉄−銀/銀ハロゲン化物、鉄−銀/塩化銀、鉄−銀/臭化銀、鉄−銀/ヨウ化銀、鉄−銀/フッ化銀、鉄−金、鉄−導電性炭素、亜鉛−導電性炭素、銅−導電性炭素、マグネシウム−導電性炭素、およびアルミニウム−炭素、を含むが、これらに限定されない。上記の、ガルバニ電池対を構成するために役立つこれらの材料は、例えば、導電性の陽極としての亜鉛および導電性の陰極としての銀/塩化銀、または導電性の陽極としての亜鉛および導電性の陰極としての銅等のように、上記装置の導電性の電極として役立つこともできる。さらに、上記のガルバニ電池対および導電性の電極としてはたらく金属は、合金であってもよい。これらの合金の非限定的な例は、陽極の材料としての、亜鉛、銅、アルミニウム、マグネシウム、の合金と、陰極の材料として、銀、銅、金、の合金と、を含む。
一例の実施形態において、上記のガルバニ電池対を構成する材料は、約0.1ボルトに等しいかこれよりも大きい、例えば、約0.2ボルトよりも大きい、さらに、例えば、約0.5ボルトよりも大きい、標準電位差を有する。さらに、一例の実施形態において、上記のガルバニ電池対を構成する材料は、約3ボルトに等しいかこれよりも大きい標準電位差、を有する。
一例の実施形態において、本発明の装置または組成物は、約1ナノA/cm2 〜約400マイクロA/cm2 の電気、例えば、約100ナノA/cm2 〜約50マイクロA/cm2 の電気、の電流をバリア膜の中に発生するおよび/または発生させることができる。
一例の実施形態において、上記の導電性の電極のうちの1個は、金属シート、金属線、または基材の上に被覆されている金属であり、別の導電性の電極は上記第1の導電性の電極に付着されているか析出している。また、別の実施形態において、上記の金属シートは穴あけされている。一例の実施形態において、このような穴あけされた金属シートは、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、銅、またはこれらの合金、のメッシュ等のような、メッシュの形態である。一例の実施形態において、上記第2の導電性の電極は、銀、銀/酸化銀、銀/銀ハロゲン化物、亜鉛、マグネシウム、銅、銅/銅ハロゲン化物、銅/酸化銅により被覆されている布地等のような、金属、およびその酸化物およびハロゲン化物および硫化物、により被覆されている布地の形態である。また、別の実施形態において、上記第2の導電性の電極は、当業界において知られているような、化学的析出のための無電解めっきおよび電気化学的な析出のための電解めっき等のような、化学的または電気化学的な析出により、上記第1の導電性の電極に析出している。さらに、別の実施形態において、上記第2の導電性の電極は、噴霧被覆、プラズマ被覆、導電インク被覆、スクリーン印刷、浸漬被覆、または真空蒸着等のような、物理的な付着により、上記第1の導電性の電極に付着されている。
一例の実施形態において、上記装置は単一の区画部分の治療装置である。この「単一の区画部分の治療装置」とは、装置の両方の導電性の電極が同一のキャリアに接触している装置を意味する。このような装置の例が図1〜図4および図6〜図11において示されている。
キャリア
本発明のキャリアは、使用中に導電性の電極から電気を伝達できる、液体(例えば、溶液、懸濁液、または、ガーゼまたは不織布パッド等のような吸収材料の中に固定できるエマルジョン等)、半固体(例えば、ゲル、クリーム、ローション、マイクロエマルジョン、またはヒドロゲル等)、または固体(例えば、使用の前に液体を加えることによりもどすことができる、活性物質を含有している凍結乾燥組成物等)である(例えば、このキャリアは、1種類以上の電解質と、有機溶媒と、水と、を含有している)。一例の実施形態において、上記のキャリア(例えば、液体または半固体)は、上記の装置をバリア膜に供給する前に、使用者によりその装置に加えられる。
上記の電解質の例は、薬剤として許容可能な有機および無機の塩および緩衝剤、を含むが、これらに限定されない。さらに、これらの塩は、塩化物の塩(塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化マグネシウム、またはその他の塩化物の塩)、ならびに、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウムのフッ化物、ヨウ化物、臭化物、の塩、を含むが、これらに限定されない。また、上記の緩衝剤の例は、リン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、およびホウ酸塩、を含むが、これらに限定されない。
一例の実施形態において、上記の電解質は活性物質であり、あるいは、上記のキャリアの中を電流が通過した後に活性物質になる。このような電解質−活性物質の例は、サリチル酸、サリチル酸塩、およびその他の弱酸または弱塩基の活性物質、を含むが、これらに限定されない。
一例の実施形態において、上記のキャリアは水を含む。また、別の実施形態において、上記のキャリアは1種類以上の有機溶媒を含んでいてもよい。このような有機溶媒の例は、ジメチル・イソソルビド(dimethyl isosorbide)、イソプロピル・ミリステート(isopropylmyristate)、カチオン性、アニオン性および非イオン性の界面活性剤、植物油、鉱油、蝋、ゴム、合成および天然のゲル化剤、アルカノール、グリコール、およびポリオール、を含むが、これらに限定されない。
上記のグリコールの例は、グリセリン、プロピレン・グリコール(propylene glycol)、ブチレン・グリコール(butylene glycol)、ペンタレン・グリコール(pentalene glycol)、へキシレン・グリコール(hexylene glycol)、ポリエチレン・グリコール(polyethylene glycol)、ポリプロピレン・グリコール(polypropylene glycol)、ジエチレン・グリコール(diethylene glycol)、トリエチレン・グリコール(triethylene glycol)、グリセロール(glycerol)、およびヘキサントリオール(hexanetriol)、およびこれらのコポリマーまたは混合物、を含むがこれらに限定されない。また、アルカノールの例は、イソプロパノールおよびエタノール等のような、約2個の炭素原子〜約12個の炭素原子(例えば、約2個の炭素原子〜約4個の炭素原子)を有するアルカノール、を含むが、これらに限定されない。また、ポリオールの例は、プロピレン・グリコール(propylene glycol)等のような、約2個の炭素原子〜約15個の炭素原子(例えば、約2個の炭素原子〜約10個の炭素原子)を有するポリオール、を含むが、これらに限定されない。
上記の有機溶媒は、上記キャリアの全重量に基づいて、約1%〜約90%(例えば、約5%〜約50%)の量で、キャリアの中に存在できる。また、水は、上記キャリアの全重量に基づいて、約5%〜約95%(例えば、約50%〜約90%)の量で、(使用の前に)キャリアの中に存在できる。
上記のキャリアはまた、防腐剤(クレゾール(cresol)、クロロクレゾール(chlorocresol)、ベンジル・アルコール(benzyl alcohol)、メチル・p−ヒドロキシベンゾエート(methyl p-hydroxybenzoate)、プロピル・p−ヒドロキシルベンゾエート(propyl p-hydroxybenzoate)、フェノール(phenol)、チメロサール(thimerosal)、塩化ベンズアルコニウム(benzalkonium chloride)、塩化ベンゼトニウム(benzethonium chloride)、および硝酸フェニル水銀(phenylmercuric nitrate)等)、安定化剤または酸化防止剤(アスコルビン酸(ascorbic acid)、アスコルビン酸エステル(ascorbic acid esters)、ブチルヒドロキシ・アニソール(butylhydroxy anisole)、ブチルヒドロキシ・トルエン(butylhydroxy toluene)、システイン(cysteine)、N−アセチルシステイン(N-acetylcysteine)、亜硫酸水素ナトリウム(sodium bisulfite)、メタ重亜硫酸ナトリウム(sodium metabisulfite)、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム(sodium formaldehydesulfoxylate)、アセトン亜硫酸水素ナトリウム(acetone sodium bisulfite)、トコフェロール(tocopherols)、およびノルジヒドログアヤレト酸(nordihydroguaiaretic acid)等)、キレート化剤(エチレンジアミン四酢酸(ethylenediaminetetraacetic acid)およびその塩等)、緩衝剤(酢酸、クエン酸、リン酸、グルタミン酸、およびこれらの塩等)、および張性調節剤(塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、デキストロース、およびグリセリン等)、も含むことができる。
一例の実施形態において、上記キャリアは(例えば、上記キャリアの成分を物理的に安定化させるための)沈殿防止材料および/または流体吸収材料も含むことができる。この沈殿防止材料の例は、綿基材ガーゼ、レーヨンまたはレーヨン、ポリエステルおよび/またはその他のポリマー繊維の混合物、により作られている不織布パッド、ポリウレタン、ポリエステルおよび/またはその他のポリマーにより構成されている連続気泡発泡体およびスポンジ様材料、およびポリアクリルアミド(polyacrylamide)、ポリビニル・アルコール(polyvinyl alcohol)、ゼラチン、ヒドロキシメチルセルロース(hydroxymethylcellulose)、ヒドロキシエチルセルロース(hydroxyethylcellulose)、ヒドロキシプロピルセルロース(hydroxypropylcellulose)、メチルセルロース(methylcellulose)、およびカルボキシメチルセルロース(carboxymethylcellulose)等のような、架橋型および非架橋型のゲル化材料、を含むが、これらに限定されない。
上記の流体吸収材料は、架橋型および非架橋型のポリマー、水膨潤性のセルロース誘導体(例えば、メチルセルロース(methylcellulose)(MC)、ヒドロキシエチル・メチルセルロース(hydroxyethyl methylcellulose)(HEMA)、ヒドロキシプロピル・メチルセルロース(hydroxypropyl methylcellulose)(HPMC)、エチルヒドロキシエチル・セルロース(ethylhydroxyethyl cellulose)(EHEC)、ヒドロキシエチルセルロース(hydroxyethylcellulose)(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(hydroxypropylcellulose)(HPC)、およびカルボキシメチルセルロース(carboxymethylcellulose)(CMC)およびこれらの塩)等のような、膨潤性のポリマー、ポリビニル・アルコール(polyvinyl alcohol)(PVA)、ポリビニル・ピロリドン(polyvinyl pyrrolidone)(PVP)、ポリエチレン・オキシド(polyethylene oxide)(PEO)、ヒドロキシエチル・メタクリレート(hydroxyethyl methacrylate)(HEMA)、ヒドロキシエトキシエチル・メタクリレート(hydroxyethoxyethyl methacrylate)(HEEMA)、ヒドロキシジエトキシエチル・メタクリレート(hydroxydiethoxyethyl methacrylate)(HDEEMA)、メトキシエチル・メタクリレート(methoxyethyl methacrylate)(MEMA)、メトキシエトキシエチル・メタクリレート(methoxyethoxyethyl methacrylate)(MEEMA)、メチルジエトキシエチル・メタクリレート(methyldiethoxyethyl methacrylate)(MDEEMA)、エチレン・グリコール・ジメタクリレート(ethylene glycol dimethacrylate)(EGDMA)、n−ビニル−2ピロリドン(n-vinyl-2-pyrrolidone)(NVP)、メタクリル酸(methacrylic acid)(MA)、およびビニル・アセテート(vinyl acetate)(VAC)、等のような、モノマーにより作られているポリマー、ポリアクリルアミド(polyacrylamide)、ゼラチン、アラビア・ゴム、カラヤ・ゴム、トラガカント・ゴム、グアー・ゴム・ベンゾイン樹脂等、のようなゴムおよび多糖類、およびアルギン酸およびこれらの塩、ポリエチレン・グリコール(polyethylene glycol)(PEG)、ポリプロピレン・グリコール(polypropylene glycol)(PPG)、およびクレー、またはベントナイトおよびモンモリロナイト等のような、その他の膨潤性の鉱物、を含むが、これらに限定されない。さらに、上記キャリアの中のこの液体吸収性の材料の量は、そのキャリアの、約0.1〜約95重量%、例えば、約1〜約20重量%、の範囲にすることができる。
本発明の別の実施形態は、キャリアの中において、原位置で、電気化学的に反応性の材料から酸化性または還元性の物質を電気化学的に発生させるために、1個以上の不活性な導電性の電極を対にすること、に向けられている。これらの酸化性または還元性の物質はバリア膜の状態を治療するための活性物質として使用できる。
本発明による上記のキャリアの中の電気化学的に反応性の材料の例は、水、および元素周期律表のVIB(第16族元素)およびVIIB(第17族元素)から選択される元素(酸素、イオウ、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素等)を含んでいる化合物、を含むがこれらに限定されない。
一例の実施形態において、上記の反応性の材料は不活性な陽極と反応して、酸化性の物質を形成する。このような反応性の材料の例は、OH- 、Cl- 、I- 、Br- 、SO3 2- 、およびHCO3 -イオンを含むが、これらに限定されない。したがって、本発明の装置は、発生期の酸素(例えば、一重項酸素)、塩素および二酸化塩素のガス等のような、酸化性の物質の発生を可能にしており、このことは従来の局所的な装置において処方することが困難である。
一例の実施形態において、上記反応性の材料は不活性な陰極と反応して、還元性の物質を形成する。このような反応性の材料の例は、1個以上のスルフヒドリルの官能基を伴うチオ化合物の、酸化されたまたは二硫化物の形態、チオ含有のアミノ酸およびこれらの塩またはエステル、および硫化物、を含むが、これらに限定されない。さらに、上記のチオ化合物の例は、チオグリコール酸(thioglycolic acid)および、例えば、カルシウム、ナトリウム、ストロンチウム、カリウム、アンモニウム、リチウム、マグネシウム、およびその他の金属の塩等のチオグリコレート(thioglycolates)、チオエチレン・グリコール(thioethylene glycol)、チオグリセロール(thioglycerol)、チオエタノール(thioethanol)、チオ酢酸(thioacetic acid)、およびチオサリチル酸(thiosalicylic acid)、およびこれらの塩、を含むが、これらに限定されない。また、上記のチオ含有のアミノ酸は、L−システイン(L-cysteine)、D−システイン(D-cysteine)、DL−システイン(DL-cysteine)、N−アセチル−L−システイン(N-acetyl-L-cysteine)、DL−ホモシステイン(DL-homocysteine)、L−システイン・メチル・エステル(L-cysteine methyl ester)、L−システイン・エチル・エステル(L-cystein ethyl ester)、N−カルバモイル・システイン(N-carbamoyl cysteine)、グルタチオン(glutathione)、およびシステアミン(cysteamine)、を含むが、これらに限定されない。さらに、上記の硫化物の例は、カルシウム、ナトリウム、カリウム、リチウムおよびストロンチウムの硫化物、およびグルタチオン・ジスルフィド(glutathione disulfide)、を含むが、これらに限定されない。これにより、不活性な陰極は、上記のイオウ含有化合物の、反応性の、酸化されたまたは二硫化物の形態を、チオ含有化合物またはスルフヒドリル含有化合物に変える。さらに、このような変換の例は、シスチン(cystine)のシステイン(cysteine)への変換、およびグルタチオン(glutathione)の酸化された形態の、グルタチオン(glutathione)への変換、である。
一例の実施形態において、上記キャリアの中の反応性の材料の濃度は、そのキャリアの、約0.01〜約25重量%、例えば、約0.1〜約10重量%、の範囲にできる。また、このキャリアのpH値は、約pH1.5〜約pH9、好ましくはpH2〜pH7、最も好ましくは約pH3〜pH5、の範囲にできる。
一例の実施形態において、上記キャリアは接着剤を含んでいる。この接着剤は上記装置をバリア膜に固定するために使用される。疎水性の接着剤の例は、シリコーン、ポリイソブチレン(polyisobutylenes)およびこれらの誘導体、アクリル樹脂、天然ゴム、およびこれらの組み合わせ物、を含むが、これらに限定されない。さらに、上記シリコーン接着剤の例は、アメリカ合衆国ミシガン州、ミッドランドのダウ・コーニング(Dow Corning)から入手可能なダウ・コーニング355(Dow Corning 355)、ダウ・コーニングX7−2920(Dow Corning X7-2920)、ダウ・コーニングX7−2960(Dow Corning X7-2960)、およびアメリカ合衆国ニューヨーク州、ウォーターフォードのジェネラル・エレクトリック・カンパニー(General Electric Company)から入手可能なGE6574(GE6574)、を含むが、これらに限定されない。また、上記アクリル接着剤の例は、アメリカ合衆国ミズーリー州、セント・ルイスのモンサント・カンパニー(Monsanto Company)から入手可能なゲルバ7371(Gelva 7371)等のような、ビニル(Dアセテート−アクリレート)マルチポリマー(vinyl(D acetate-acrylate) multipolymers)、ゲルバ7881(Gelva 7881)、ゲルバ2943(Gelva 2943)、およびアメリカ合衆国オハイオ州、ペイネスビルのアベリー・デニソン(Avery Dennison)から入手可能な1〜780医療品級の接着剤、を含むが、これらに限定されない。また、親水性の接着剤の例は、パパヤ・ゴムおよびその他の天然ゴム、MC、HEMA、HPMC、EHEC、HEC、HPC、CMC、PVA、PVP、PEO、HEMA、HEEMA、HDEEMA、MEMA、MEEMA、MDEEMA、EGDMA、NVP・MA、VAC、ポリアクリルアミド(polyacrylamide)、ゲタチン(getatins)、アラビア・ゴム、カラヤ・ゴム、トラガカント・ゴム、グアー・ゴム、ベンゾイン樹脂、およびアルギン酸およびこれらの塩、ポリエチレン・グリコール(polyethylene glycol)(PEG)、およびポリプロピレン・グリコール(polypropylene glycol)(PPG)、を含むが、これらに限定されない。
一例の実施形態において、上記キャリアの中の接着剤の濃度は、そのキャリアの、約0.1〜約95重量%、例えば、約1〜約20重量%、の範囲にできる。
電極
本発明の導電性の電極は反応性の導電性の電極でもよく、不活性な導電性の電極でもよい。この「反応性の導電性の電極」とは、この導電性の電極がそれ自体で、処理の間にこの電極を通過する電流により生じるこの電極の化学反応の間に、その化学的な組成に変化を生じること、を意味する。一例の実施形態において、この反応性の電極は、亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、マンガン、銀、チタン、スズ、鉄、およびこれらの合金、を含むが、これらに限定されない、純粋な金属または合金等のような、反応性の材料により作成されている陽極である。また、前述のガルバニ電池対を構成するために役立つ材料も上記の反応性の導電性の電極として役立つ。この場合に、電流が通過すると、亜鉛、銅、マグネシウム、マンガンおよび/またはアルミニウム、のカチオン、等のような金属イオンがその陽極からキャリアの中に放出されて、バリア膜の中に送達される。さらに、これらのイオンは、抗菌作用、免疫学的調節、酵素の調節、および/または抗炎症作用等のような、治療上の利点を与えることができる。
一例の実施形態において、上記反応性の導電性の電極は、金属のハロゲン化物(例えば、銀−塩化銀(Ag/AgCl)、銀−臭化銀、および銀−ヨウ化銀)等のような、反応性の材料により作成されている。この場合に、陰極の表面における主な電気化学的な反応は、陽極により発生される酸化剤の望ましくない消費をほとんど伴わない、固体の銀のハロゲン化物の金属銀への変換である。さらに、この放出されたハロゲン化物のイオンは、その後、塩化物イオンから塩素(Cl2 )、次亜塩素酸(HClO)、および次亜塩素酸塩イオン(ClO- )、およびヨウ化物イオンからヨウ素、等のように、酸化剤に酸化できる。
「不活性な導電性の電極」とは、その導電性の電極自体がその化学的な組成における変化を生じないこと、を意味する。一例の実施形態において、陽極は不活性な導電性の電極により作成されていて、この陰極の表面における電気化学的な過程は、発生期の酸素(例えば、水の電気分解による)および/または塩素、次亜塩素酸塩、塩素酸塩および過塩素酸塩、および二酸化塩素等のような、塩素含有の酸化剤、等のような酸化剤、を発生する。この場合に、発生期の酸素はプロピオニバクテリウム・アクネス(P. acnes)に対して抑制性を有する酸化剤であり、塩素含有の酸化剤は殺菌活性を伴う効力のある抗菌剤である。
一例の実施形態において、上記の導電性の電極は、貴金属(例えば、金、プラチナ、または金被覆された導電性の金属)、導電性の炭素(例えば、ガラス質の炭素またはグラファイト)、炭素埋込型ポリマー(例えば、カーボン・シリコーン・ゴム)、導電性カーボン・ポリマーの発泡体またはスポンジ、銀ハロゲン化物−被覆銀(例えば、塩化銀−被覆銀、臭化銀−被覆銀、およびヨウ化銀−被覆銀)、および耐腐食性合金、等のような不活性な材料、により作成されているか、表面が被覆されている。
一例の実施形態において、導電性の電極として役立つ、上記装置の陽極は、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、スズ、銅、またはこれらの合金等のような、上述の反応性で導電性の酸化可能な材料により作成されているが、同様に導電性の電極として役立つ、陰極は、銀および銀のハロゲン化物(例えば、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、フッ化銀)、酸化銀、硫化銀等のような、さらに化学的に安定な金属およびその金属のハロゲン化物、酸化物、硫化物またはその他の金属の塩を含む、上述の反応性で還元性の導電性の材料により作成されている。一例の実施形態において、この還元性で導電性の材料は、金属銀の上の、薄層の塩化銀、酸化銀、または硫化銀、結合剤を伴う塩化銀の粉末(例えば、塩化銀インク)、および/または基材の形態に結合剤により一緒に保持されている、銀または導電性の炭素の粉末、と共に混合されている塩化銀の粉末(例えば、銀−塩化銀インク、および塩化銀−炭素インク)等のような、電気の良導体に直接に接触している。
別の実施形態において、本発明における装置の陽極は上述の反応性で導電性の酸化可能な金属により作成されているが、陰極は、導電性の炭素、金属銀、金属金または金属プラチナ、または米国特許第5,162,043号において開示されているような、基材の形態の導電性の炭素および貴金属の粉末の混合物等のような、上述の、より化学的に安定な電極の材料により作成されている。
一例の実施形態において、本発明の装置は、アクネまたは酒さ(rosacea)を治療するために、毛包脂腺の部分(すなわち、皮脂腺および付随の毛包)に毛包を通じて、有益な亜鉛の標的デリバリーを可能にする。亜鉛は体内の種々の生物学的活動に関与するので、人体に不可欠な金属である(例えば、70キログラムの人の体は約2.3グラムの亜鉛を含んでいる)。また、体内における亜鉛の欠乏はアクネ等のような皮膚の病気につながる可能性があることが知られている。
別の実施形態において、本発明の装置は、少量の別の有益な金属を含有している亜鉛合金により作成されている陽極を用いることにより、毛包および毛包脂腺の中への別の有益な金属の標的デリバリーを可能にする。このような有益な金属は、限定を伴わずに、鉄、銅、マグネシウム、マンガン、カルシウム、カリウム、アルミニウム、およびセレン等のような、人体に不可欠な特定の金属、を含む。亜鉛合金の陽極が酸化すると、この陽極はキャリアの中に亜鉛イオンおよびその亜鉛合金の中の他の有益な金属を放出し、これらの成分はその後に皮膚に印加された電位の下に毛包の中に移動する。一例の実施形態において、上記陽極の中の亜鉛合金の含有量は、約50重量%よりも多く、例えば、90重量%よりも多い。
一例の実施形態において、(i)キャリアおよび(ii)このキャリアにより水和されている皮膚の、第1の導電性のおよび第2の導電性の電極の間で測定されるコンダクタンスの比率(この場合に、実質的に全ての電流は皮膚を通って上記の電極の間を通過する)は約10000:1〜約1:100の範囲内である。換言すれば、キャリアにおける電流(電流(キャリア))と皮膚における電流(電流(皮膚))との間の電流の配分は、電流(キャリア)/電流(皮膚)、の値が約10,000〜約0.01になるようになっている。この場合に、電流(キャリア)は皮膚を通って移動することなく陽極と陰極との間のキャリア層を通過するだけである、装置を通る全体の電流(電流(全体))の部分であって、電流(皮膚)は皮膚を通過する電流(全体)の部分であり、つまり電流(全体)=電流(キャリア)+電流(皮膚)である。
上記のキャリアのコンダクタンスの、皮膚のコンダクタンスに対する比率が減少すると、皮膚を通過する電流の割合の増加が生じて、皮膚の中に送達されているあらゆる活性物質のイオン導入による送達が促進される。このようなキャリアの導電性の減少は、そのキャリアに対して比較的に導電性の低い材料を添加することにより、非排他的に達成できる。このような比較的に導電性の低い材料の例は、シリコーンまたは炭化水素のオイル等のような、オイル、半固体のキャリアの中における、気泡またはエア・ポケット等のような、エア・ポケット、またはポリマーまたはクレーのビーズ、を含むが、これらに限定されない。主な目的がキャリアの中に種を電気化学的に発生させることである、一例の実施形態において、上記の、電流(キャリア)/電流(皮膚)、の値は約10,000〜約1である。また、主な目的が皮膚の中に電気および/または活性物質を送達することである、別の実施形態においては、上記の、電流(キャリア)/電流(皮膚)、の値は約10〜約0.01である。さらに、特定の利用に対応する上記の、電流(キャリア)/電流(皮膚)、の値の調節は、上記第1および第2の電極の間の距離、またはこれら2個の導電性の電極と皮膚との間の距離、を変えることにより達成できる。例えば、上記2個の導電性の電極の間の距離が減少するほど、これら2個の電極の間において測定されるコンダクタンスは増加して、電流(キャリア)も増加するので、電流(キャリア)/電流(皮膚)、の値も増加する。一方、上記2個の導電性の電極と皮膚との間の距離が増加すれば、電流(皮膚)が増加して、電流(キャリア)/電流(皮膚)、の値は減少する。
電気化学的に発生される亜鉛イオン
一例の実施形態において、亜鉛イオンは局所的な組成物の中において、亜鉛の陽極により電気化学的に発生されるか、局所的な組成物へと後で追加される。その後、この局所的な組成物は、亜鉛イオンおよびその局所的な組成物の中に存在している他の活性物質による所望の有益な作用のために、使用者のバリア膜に供給される。この局所的な組成物の中の活性物質は、サリチル酸(salicylic acid)または過酸化ベンゾイル(benzoyl peroxide)等のような、抗アクネ剤を含有できる。上記のような電気化学的に発生される亜鉛イオンを生じる一例の方法は、上記の局所的な組成物の包装用および/または分配用の容器(例えば、アクネ治療用/予防用のスキン・クリームのための分配用のポンプを備えているビン等)の中に、亜鉛の発生のための電気化学的な装置を組み込むことである。一例の実施形態において、互いに電気を介してつながっている、亜鉛の陽極と、銀/塩化銀の陰極と、電力供給源(例えば、電池)と、を含んでいる電気化学的な装置が、上記分配用のポンプの中に含まれている。この場合に、局所的な組成物(クリーム等)が分配用のポンプから送り出されると、その組成物は亜鉛の陽極と陰極との両方に接触して、その電気的な回路を完成させ(すなわち、電流が陽極からクリームの中に流れて、陰極を介して電力供給源に戻るようになり)、亜鉛の陽極は亜鉛イオンをクリームの中に放出し始める。あるいは、上記の亜鉛の発生のための電気化学的な装置は電池を含まないこともある。その代わりに、上記の亜鉛の陽極および陰極は、これら両方の電極がクリームに接触する時に亜鉛イオンを発生するためのガルバニ電池対を形成するように、接続されている。
活性物質
一例の実施形態において、上記キャリアは1種類以上の活性物質を含有している。この「活性物質」とは、有機および高分子の化合物、を含むが、これらに限定されない、治療用の薬物(例えば、人体に生物学的な作用を及ぼすことのできる物質)等のような、バリア膜およびその周囲の組織に美顔または治療の効果を有する化合物(例えば、合成の化合物または天然の発生源から単離された化合物)を意味する。このような治療用の薬物の例は、ペプチド、ポリペプチド、蛋白質、およびDNAを含む核酸材料、および栄養素、を含む。さらに、ポリペプチドおよび蛋白質の活性物質の例は、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、バソプレシン(vasopressin)、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH、LHRH)、メラノトロピン刺激ホルモン(MSH)、カルシトニン(calcitonin)、成長ホルモン放出因子(GRF)、インスリン(insulin)、エリスロポイエチン(erythropoietin)(EPO)、インターフェロン・アルファ(interferon alpha)、インターフェロン・ベータ(interferon beta)、オキシトシン(oxytocin)、カプトプリル(captopril)、ブラジキニン(bradykinin)、アトリオペプチン(atriopeptin)、コレシストキニン(cholecystokinin)、エンドルフィン(endorphins)、神経発育因子、メラノサイト抑制因子I、ガストリン拮抗質、ソマトスタチン(somatostatin)、エンセファリン(encephalins)、メラトニン(melatonin)、ワクチン、ボトックス(botox)(ボツリヌス神経毒素(botulinum neurotoxin))、シクロスポリン(cyclosporin)およびその誘導体(例えば、生物学的に活性なフラグメントまたは類似体)、を含む。さらに、別の活性物質は、麻酔薬、鎮痛薬(例えば、フェンタニル(fentanyl)および、クエン酸フェンタニル(fentanyl citrate)等のようなその塩)、精神障害、てんかん、および偏頭痛、を治療するための薬物、薬物の嗜癖および乱用を止めるための薬物、抗炎症剤、高血圧、心臓血管病、胃酸および潰瘍、を治療するための薬物、ホルモン補充療法のための薬物および、エストロゲン(estrogens)およびアンドロゲン(androgens)等のような、避妊薬、抗生物質、抗真菌薬、抗ウイルス薬およびその他の抗菌剤、抗腫瘍剤、免疫抑制剤および免疫刺激薬、および造血剤および抗凝固薬を含む血液および血液形成器官に作用する薬物、血栓溶解薬、および抗血小板薬、を含む。さらに、本発明における分配装置を用いて体内に送達できる別の活性物質は、インフルエンザ、エイズ、肝炎、麻疹、おたふくかぜ、風疹、狂犬病、アベルセラ(avercella)、破傷風、低ガンマグロブリン血症、Rh病、ジフテリア、ボツリヌス中毒、ヘビによるかまれ、クロコケグモによるかまれ、およびその他の虫によるかまれ/さされ、突発性血小板減少性紫斑病(ITP)、慢性リンパ性白血病、サイトメガロウイルス(CMV)感染、急性腎拒絶反応、経口ポリオ、結核、百日咳、ヘモフィルスb、肺炎球菌、および黄色ブドウ球菌、のための薬物等のような、種々の病気のためのワクチン、を含む。
一例の実施形態において、上記のキャリアは抗アクネ剤および/または抗酒さ剤を含有している。これらの抗アクネ剤および抗酒さ剤の例は、トレチノイン(tretinoin)、イソトレチノイン(isotretinoin)、モトレチニド(motretinide)、アダパレン(adapalene)、タザロテン(tazarotene)、アゼライン酸(azelaic acid)、およびレチノール(retinol)、等のようなレチノイド(retinoids)、サリチル酸(salicylic acid)、過酸化ベンゾイル(benzoyl peroxide)、レゾルシノール(resorcinol)、イオウ、スルファセタミド(sulfacetamide)、尿素、テトラサイクリン(tetracycline)、クリンダマイシン(clindamycin)、メトロニダゾール(metronidazole)、およびエリスロマイシン(erythromycin)、等のような抗生物質、コルチコステロイド(corticosteroids)(例えば、ヒドロコルチゾン(hydrocortisone))、イブプロフェン(ibuprofen)、ナプロキセン(naproxen)、およびヘトプロフェン(hetprofen)等のような、抗炎症剤、およびケトコナゾール(ketoconazole)およびエルビオール(elubiol)、等のようなイミダゾール、およびこれらの塩およびプロドラッグ、を含むが、これらに限定されない。また、抗アクネ活性剤の別の例は、エッセンシャル・オイル、アルファ−ビサボロール(alpha-bisabolol)、グリチルリチン酸二カリウム(dipotassium glycyrrhizinate)、樟脳、β−グルカン(β-glucan)、アラントイン(allantoin)、ナツシロギク、大豆イソフラボン(soy isoflavones)等のようなフラボノイド(flavonoids)、ノコギリパルメット、EDTA等のようなキレート化剤、銀および銅のイオン等のようなリパーゼ抑制因子、加水分解した植物蛋白質、塩化物、ヨウ化物、フッ化物の無機イオン、およびこれらの非イオン性の誘導体の塩素、ヨウ素、フッ素、およびその他の原子価の物質、アルラシルク(Arlasilk)(商標)リン脂質CDM、SV、EFA、PLN、およびGLA(ユニゲマ(Unigema)、ICIグループ・オブ・カンパニーズ(ICI Group of Companies)、英国ウイルトン)、等のような合成のリン脂質および天然のリン脂質、を含むが、これらに限定されない。
一例の実施形態において、本発明の装置は老化防止剤を含有している。適当な老化防止剤の例は、二酸化チタンおよび酸化亜鉛、等のような無機のサンスクリーン剤、メトキシケイヒ酸オクチル(octyl-methoxy cinnamate)等のような有機のサンスクリーン剤、レチノイド(retinoids)、ジメチルアミノエタノール(DMAE)、銅含有ペプチド、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンC、およびビタミンB、およびアスコルビン酸ジ−グルコシド(ascorbic acid di-glucoside)およびビタミンEのアセテートまたはパルミテート等のようなビタミンの塩または誘導体、等のようなビタミン、グリコール酸(glycolic acid)、クエン酸(citric acid)、乳酸(lactic acid)、リンゴ酸(malic acid)、マンデル酸(mandelic acid)、アスコルビン酸(ascorbic acid)、アルファーヒドロキシ酪酸(alpha-hydroxybutyric acid)、アルファ−ヒドロキシイソ酪酸(alpha-hydroxyisobutyric acid)、アルファ−ヒドロキシイソカプロン酸(alpha-hydroxyisocaproic acid)、アトロラクチン酸(atrrolactic acid)、アルファ−ヒドロキシイソ吉草酸(alpha-hydroxyisovaleric acid)、ピルビン酸エチル(ethyl pyruvate)、ガラクツロン酸(galacturonic acid)、グルコヘプトン酸(glucoheptonic acid)、グルコヘプトノ1,4−ラクトン(glucoheptono 1,4-lactone)、グルコン酸(gluconic acid)、グルコノラクトン(gluconolactone)、グルクロン酸(glucuronic acid)、グルクロノラクトン(glucuronolactone)、ピルビン酸イソプロピル(isopropyl pyruvate)、ピルビン酸メチル(methyl pyruvate)、ムチン酸(mucic acid)、ピルビン酸(pyruvic acid)、サッカリン酸、サッカリン酸1,4−ラクトン(saccharic acid 1,4-lactone)、酒石酸(tartaric acid)、およびタルトロン酸、等のようなアルファ−ヒドロキシ酸およびそれらの前駆体、ベータ−ヒドロキシ酪酸(beta-hydroxybutyric acid)、ベータ−フェニル乳酸(beta-phenyl-lactic acid)、およびベータ−フェニルピルビン酸(beta-phenyl-pyruvic acid)、等のようなベータ−ヒドロキシ酸、亜鉛および酸化亜鉛等のような亜鉛含有化合物、および緑茶、ダイズ、オオアザミ、藻、アロエ、アンゼリカ、ダイダイ、コーヒー、オウレン、グレープフルーツ、オウレン、セイヨウスイカズラ、ジュズダマ、リソスペルマム(lithospermum)、クワ、ボタン、プエラルア(puerarua)、ナイス(nice)、およびベニバナ、等のような植物の抽出物、およびこれらの塩およびプロドラッグ、を含むが、これらに限定されない。
一例の実施形態において、上記のキャリアは脱色剤を含有している。適当な脱色剤の例は、ダイズ抽出物、ダイズ・イソフラボン、レチノール(retinol)等のようなレチノイド(retinoids)、コウジ酸(kojic acid)、コウジ・ジパルミテート(kojic dipalmitate)、ヒドロキノン(hydroquinone)、アルブチン(arbutin)、トラネキサム酸(tranexamic acid)、ナイアシンおよびビタミンC、等のようなビタミン、アゼライン酸(azeraic acid)、リノレン酸(linolenic acid)およびリノール酸(linoleic acid)、プラセルチア(placertia)、カンゾウ、およびカモミールおよび緑茶、等のような抽出物、およびこれらの塩およびプロドラッグ、を含むが、これらに限定されない。
一例の実施形態において、上記のキャリアは植物の抽出物を含有している。この植物の抽出物の例は、ナツシロギク、ダイズ、グリシン・ソーヤ、オート麦、小麦、アロエ・ベラ、クランベリー、ヘーゼル・ウィッチ、アルナス(alnus)、ウサギギク、カワラヨモギ、アジアセーラムの根、カバノキ、キンセンカ、カモミール、シンジウム、コンフリー、フェンネル、ガラ・ロイス(galla rhois)、サンザシ、ドクダミ、オトギリソウ、ナツメ、キウイ、カンゾウ、モクレン、オリーブ、ペパーミント、フィロデンドロン、サルビア、クマザサ、天然のイソフラボノイド、ダイズ・イソフラボノイド、および天然のエッセンシャル・オイル、を含むが、これらに限定されない。
一例の実施形態において、上記のキャリアは、金属のイオン、金属の塩、金属の錯体、細かい金属粉末、細かい金属で被覆された繊維および合成または天然の原料の布地、または細い金属繊維、等のような金属を含んでいる。上記のような金属の例は、亜鉛、銅、アルミニウム、金、銀、チタン、等を含むが、これらに限定されない。また、金属イオンは、抗菌性、抗炎症性、および/または皮脂減少、の作用、等のような利点を与える。このような有益な金属イオンは電流の通過と同時に生じる電気化学的な酸化反応の結果として、上記金属の陽極から放出できる(例えば、亜鉛イオンが亜鉛の陽極から電気化学的に発生される)。
別の実施形態において、上記の有益なイオンは、後に有益なイオンを発生させるための過程につながる、不活性な電極における水素またはヒドロキシル・イオンの発生等のような、電極の表面における電気化学的な反応により間接的に発生させることができる。例えば、本発明の装置は、電力供給源と、不活性な陽極(例えば、プラチナ、プラチナ被覆された導電性の電極、金、または金被覆された導電性の電極)と、反応性の陰極(例えば、銀/塩化銀の電極)と、数ある活性物質の中でも特に酸化物(例えば、酸化亜鉛の粒子)を含有している水性のキャリア組成物と、を含むことができる。皮膚への供給の間に、上記の不活性な陽極における水の電気分解は、より低いpH値にキャリアを酸性化する過剰な水素イオン、を生成するが、反応性の陰極における電気化学的な反応(例えば、塩化銀の銀イオンへの変換)はpH値に影響を及ぼさない。そして、溶液の酸性がさらに高くなると、上記の酸化物は溶解し始めて、バリア膜に対するそれぞれの有益な作用のためにイオン(例えば、亜鉛イオン)を放出するようになる。
別の活性な物質は、傷のための局所的な抗生物質、傷またはつめの真菌の感染症を治療するための局所的な抗真菌性の薬物、および皮膚の乾癬症の病巣および乾癬症のつめを治療するための抗乾癬性の薬物、等のような局所的な治療のために、および皮膚組織の美顔用のトリートメントにおいて一般的に用いられている物質、を含む。
抗真菌性の薬物の例は、ミコナゾール(miconazole)、エコナゾール(econazole)、ケトコナゾール(ketoconazole)、セルタコナゾール(sertaconazole)、イトラコナゾール(itraconazole)、フルコナゾール(fluconazole)、ボリコナゾール(voriconazole)、クリオキノール(clioquinol)、ビフォコナゾール(bifoconazole)、テルコナゾール(terconazole)、ブトコナゾール(butoconazole)、チオコナゾール(tioconazole)、オキシコナゾール(oxiconazole)、スルコナゾール(sulconazole)、サペルコナゾール(saperconazole)、クロトリマゾール(clotrimazole)、ウンデシレン酸(undecylenic acid)、ハロプロジン(haloprogin)、ブテナフィン(butenafine)、トルナフテート(tolnaftate)、ナイスタチン(nystatin)、シクロピロックス・オラミン(ciclopirox olamine)、テルビナフィン(terbinafine)、アモロルフィン(amorolfine)、ナフチフィン(naftifine)、エルビオール(elubiol)、グリセオフルビン(griseofulvin)、およびこれらの薬剤として許容可能な塩およびプロドラッグ、を含むが、これらに限定されない。一例の実施形態において、上記抗真菌性の薬物はアゾール(azole)、アリルアミン(allylamine)、またはこれらの混合物である。
抗生物質(または防腐薬)の例は、ムピロシン(mupirocin)、硫酸ネオマイシン(neomycin sulfate)、バシトラシン(bacitracin)、ポリミキシンB(polymyxin B)、1−オフロキサシン(1-ofloxacin)、テトラサイクリン(tetracyclines)(塩酸クロルテトラサイクリン(chlortetracycline hydrochloride)、塩酸オキシテトラサイクリン−10(oxytetracycline-10 hydrochloride)および塩酸テトラサイクリン(tetracycline hydrochloride))、リン酸クリンダマイシン(clindamycin phosphate)、硫酸ゲンタマイシン(gentamicin sulfate)、メトロニダゾール(metronidazole)、ヘキシルレゾルシノール(hexylresorcinol)、塩化メチルベンゼトニウム(methylbenzethonium chloride)、フェノール(phenol)、第四級アンモニウム化合物、ティー・ツリー・オイル、およびこれらの薬剤として許容可能な塩およびプロドラッグ、を含むが、これらに限定されない。
抗菌剤の例は、ロドプロピニル・ブチルカルバメート(lodopropynyl butylcarbamate)、ジアゾリジニル尿素(diazolidinyl urea)、クロルヘキシデン・ジグルコネート(chlorhexidene digluconate)、クロルヘキシデン・アセテート(chlorhexidene acetate)、クロルヘキシデン・イセチオネート(chlorhexidene isethionate)、および塩酸クロルヘキシデン(chlorhexidene hydrochloride)等のような、クロルヘキシジン(chlorhexidine)の塩、を含むが、これらに限定されない。さらに、塩化ベンザルコニウム(benzalkonium chloride)、塩化ベンゼトニウム(benzethonium chloride)、トリクロカーボン(triclocarbon)、ポリヘキサメチレン・ビグアニド(polyhexamethylene biguanide)、塩化セチルピリジウム(cetylpyridium chloride)、塩化メチルベンゼトニウム(methyl benzethonium chloride)、等のような、別のカチオン性の抗菌剤も使用可能である。さらに、別の抗菌剤は、2,4,4’−トリクロロ−2−ヒドロキシ・ジフェニル・エーテル(2,4,4'-trichloro-2-hydroxy diphenyl ether)(Triclosan)、パラクロロメタキシレノール(parachlorometaxylenol)(PCMX)等のような、ハロゲン化したフェノール性の化合物、およびエタノール、プロパノール等のような、短鎖のアルコール、を含むが、これらに限定されない。一例の実施形態において、上記のアルコールは、好ましくは、バリア膜の過度の乾燥を生じないように、低い濃度(例えば、キャリアの約10重量%未満、さらに、例えば、キャリアの5重量%未満)である。
抗乾癬薬または脂漏性皮膚炎の治療のための薬物は、コルチコステロイド(corticosteroids)(例えば、ベタメタゾン・ジプロピオネート(betamethasone dipropionate)、ベタメタゾン・バレレート(betamethasone valerate)、クロベタゾール・プロピオネート(clobetasol propionate)、ジフロラゾン・ジアセテート(diflorazone diacetate)、ハロベタゾール・プロピオネート(halobetasol propionate)、トリアムシノニド(triamcinonide)、デキサメタゾン(dexamethasone)、フルオシノニド(fluocinonide)、フルオシノロン・アセトニド(fluocinolone acetonide)、ハルシノニド(halcinonide)、トリアムシノロン・アセテート(triamcinolone acetate)、ヒドロコルチゾン(hydrocortisone)、ヒドロコルチゾン・バレレート(hydrocortisone valerate)、ヒドロコルチゾン・ブチレート(hydrocortisone butyrate)、アクロメタゾン・ジプロピオネート(aclomethasone dipropionate)、フルランドレノリド(flurandrenolide)、モメタゾン・フロエート(mometasone furoate)、メチルプレドニソロン・アセテート(methylprednisolone acetate))、メトトレキセート(methotrexate)、シクロスポリン(cyclosporine)、カルシポトリエン(calcipotriene)、アントラリン(anthraline)、シェール油およびこれらの誘導体、エルビオール(elubiol)、ケトコナゾール(ketoconazole)、コール・タール(coal tar)、サリチル酸(salicylic acid)、ジンク・ピリチオン(zinc pyrithione)、硫化セレン、ヒドロコルチゾン(hydrocortisone)、イオウ、メントール(menthol)、および塩酸プラモキシン(pramoxine hydrochloride)、およびこれらの塩およびプロドラッグ、を含むが、これらに限定されない。
ヘルペスおよび肝炎等のような、ウイルス感染症のための抗ウイルス薬の例は、イミキモド(imiquimod)およびその誘導体、ポドフィロックス(podofilox)、ポドフィリン(podophyllin)、インターフェロン・アルファ(interferon alpha)、アシクロビル(acyclovir)、ファムシクロビル(famcyclovir)、バルシクロビル(valcyclovir)、レチキュロス(reticulos)およびシドフォビル(cidofovir)、およびこれらの塩およびプロドラッグ、を含むが、これらに限定されない。
抗炎症剤の例は、ヒドロコルチゾン(hydrocortisone)、ヒドロキシルトリアムシノロン(hydroxyltriamcinolone)、アルファメチル・デキサメタゾン(alphamethyl dexamethasone)、デキサメタゾン・ホスフェート(dexamethasone phosphate)、ベクロメタゾン・ジプロピオネート(beclometasone dipropionate)、クロベタゾール・バレレート(clobetasol valerate)、デソニド(desonide)、デオキシメタゾン(desoxymethasone)、デオキシコルチコステロン・アセテート(desoxycorticosterone acetate)、デキサメタゾン(dexamethasone)、ジクロリゾン(dichlorisone)、ジフロラゾン・ジアセテート(diflorasone diacetate)、ジフルコルトロン・バレレート(diflucortolone valerate)、フルアドレノロン(fluadrenolone)、フルクラロロン・アセトニド(fluclarolone acetonide)、フルドロコルチゾン(fludrocortisone)、フルメタゾン・ピバレート(flumethasone pivalate)、フルオシノロン・アセトニド(fluosinolone acetonide)、フルオシノニド(fluocinonide)、フルコルチン・ブチルエステル(flucortine butylester)、フルオコルトロン(fluocortolone)、フルプレドニデン(フルプレドニリデン)アセテート(fluprednidene (fluprednylidene) acetate)、フルランドレノロン(flurandrenolone)、ハルシノニド(halcinonide)、ヒドロコルチゾン・アセテート(hydrocortisone acetate)、ヒドロコルチゾン・ブチレート(hydrocortisone butyrate)、メチルプレドニソロン(methylprednisolone)、トリアムシノロン・アセトニド(triamcinolone acetonide)、コルチゾン(cortisone)、コルトドキソン(cortodoxone)、フルセトニド(flucetonide)、フルドロコルチゾン(fludrocortisone)、ジフルオロゾン・ジアセテート(difluorosone diacetate)、フルランドレノロン・アセトニド(flurandrenolone acetonide)、メドリゾン(medrysone)、アムシアフェル(amciafel)、アムシナフィド(amcinafide)、ベタメタゾン(betamethasone)、クロルプレドニゾン(chlorprednisone)、クロルプレドニゾン・アセテート(chlorprednisone acetate)、クロコルテロン(clocortelone)、クレスシノロン(clescinolone)、ジクロリゾン(dichlorisone)、ジフルプレドネート(difluprednate)、フルクロロニド(flucloronide)、フルニソリド(flunisolide)、フルオロメタロン(fluoromethalone)、フルペロロン(fluperolone)、フルプレドニソロン(fluprednisolone)、ヒドロコルチゾン・バレレート(hydrocortisone valerate)、ヒドロコルチゾン・シクロペンチルプロプリオネート(hydrocortisone cyclopentylproprionate)、ヒドロコルタメート(hydrocortamate)、メプレドニゾン(meprednisone)、パラメタゾン(paramethasone)、プレドニソロン(prednisolone)、プレドニゾン(prednisone)、ベクロメタゾン・ジプロピオネート(beclomethasone dipropionate)、ベタメタゾン・ジプロピオネート(betamethasone dipropionate)、トリアムシノロン(triamcinolone)、およびこれらの塩およびプロドラッグ、等のような、コルチコステロイド(corticosteroids)を含む、適当なステロイドの抗炎症剤、を含むが、これらに限定されない。さらに、本発明において使用するための好ましいステロイドの抗炎症剤はヒドロコルチゾン(hydrocortisone)である。また、本発明の組成物において2番目に有用である抗炎症剤は非ステロイドの抗炎症剤も含む。
さらに、別の活性物質は、組換えヒト血小板由来増殖因子(PDGF)およびその他の増殖因子、ケタンセリン(ketanserin)、イロプロスト(iloprost)、プロスタグランジンE1 (prostaglandin E1 )およびヒアルロン酸(hyaluronic acid)、等のような傷治癒促進剤、マンノース−6−リン酸(mannose-6-phosphate)等のような瘢痕減少剤、鎮痛剤、麻酔薬、ミノキシジル(minoxidil)等のような毛髪成長促進剤、塩酸エフロルニチン(eflornithine hydrochloride)等のような毛髪成長遅延剤、抗高血圧薬、冠動脈病を治療するための薬物、抗癌剤、エンドクリン(endocrine)および代謝薬、神経薬、薬品嗜癖の停止のための薬物、乗物酔い止め薬、蛋白質およびペプチドの薬物、を含むが、これらに限定されない。
一例の実施形態において、上記のキャリアは、ストレスの減少、気持ちを落ち着かせること、および/または睡眠に影響を及ぼすこと、のために有効な、ラベンダーおよびカモミール等のような芳香剤を含有している。
上記のキャリアの中の活性剤の量はその活性剤および/またはその装置の目的とされている用途により決まる。一例の実施形態において、上記のキャリアは、そのキャリアの、例えば、約0.001〜約20重量%、さらに、例えば、約0.01〜約5重量%、の活性剤の安全で有効な量、を含有している。
発光ダイオード
一例の実施形態において、上記の装置は1個以上の発光ダイオード(LEDs)を含んでいる。バリア膜に光を放射させるために(例えば、アクネおよび酒さ(rosacea)、等のような皮膚の状況を治療するために)、特定のスペクトルの発光ダイオードを上記の装置の中に組み込むことができる。この発光ダイオードは、上記の装置が適正に動作していることを示す信号を、使用者に与えることもできる。
一例の実施形態において、上記のLEDは周期的に光を放射するLED(すなわち、ブリンキングLED)である。また、別の実施形態において、上記のLEDはパルス状のDC電流を形成するように、バリア膜を通過する電流を変調する。このようなパルス状のDC電流は、バリア膜の中への活性物質の送達を促進させて、傷の治癒の促進(例えば、アクネの病巣の中における)等のようなバリア膜の中の生物学的な応答を刺激し、さらに/または、装置が動作しているという信号を使用者に与える皮膚の感覚を高めることができる。また、ブリンキングLEDを使用する別の見込まれる利点は、複雑な電気回路の必要を伴わずに、パルス状のDC電流を生じること、である。
本発明によるLEDのスペクトルは、約300nm〜約1500nm、例えば、約350〜約1000nm等のような、範囲にすることができる。一例の実施形態において、上記のLEDの範囲は、青紫〜青色、緑色、赤色、および赤外、の範囲、例えば、約400nm〜約450nm、さらに、例えば、約407nm〜約420nm、約510nm〜約550nm、約600nm〜約700nm、約1300nm〜約1500nm、を含む。一例の実施形態において、上記の装置は2個のLEDを含んでおり、その内の1個は約400nm〜約500nmの波長を有する光を放射し、他の1個は約700nm〜約1000nmの光を放射する。5−アミノレブリン酸(5-aminolevulinic acid)(ALA)、ハイペリシン(hypericin)、セント・ジョーンズ・ワートの粉末(St.John's wort powder)または抽出物、等のような光増感剤、またはその他の合成または天然の光増感剤が、活性物質として本発明のLEDを伴う装置により、送達されて照射されるように、上記のキャリアの中に組み込むことができる。このLEDからの光の照射は、上記の光増感剤およびその他の上述の活性物質、電気化学的に発生される酸化剤(例えば、過酸化物、発生期の酸素、二酸化塩素、および塩素等)、および/または、上記バリア膜の電気的な刺激と共に、アクネおよび酒さ(rosacea)、等のような膜の障害を治療することにおいて改善された効果を達成するために、相乗的に作用できる。
一般的な用途
一例の実施形態において、上記の装置はバリア膜の状態の治療のために用いられる(例えば、人間の、皮膚、目(角膜、網膜等)、口、頬、鼻、膣、胃腸、または直腸、の粘膜のバリア膜、の中への活性物質、光、および/または電気、の送達)。また、一例の実施形態において、上記の装置は皮膚の状態の治療のために用いられる。このような治療の例は、アクネ、酒さ(rosacea)、またはその他の皮膚の微生物の感染症、の治療、皮膚の老化の目に見える兆候(例えば、しわ、たるみ、および老年性斑点)、毛包炎および須毛部仮性毛包炎(pseudo-folliculitis barbae)、の減少、傷および病巣の治療(例えば、治癒の促進および瘢痕の減少)、皮脂の調節(例えば、皮脂の減少または脂性/光っている皮膚の外観の抑制または調整)、色素沈着の調節(例えば、淡い色の皮膚における色素過剰または色素沈着の調節)、毛髪成長の遅延(例えば、足の皮膚)、または毛髪の刺激(例えば、頭皮)、および皮膚炎(例えば、アトピー性、接触性、または脂漏性の皮膚炎)および/または乾癬、の治療、を含むが、これらに限定されない。
別の実施形態において、上記の装置は粘膜(例えば、口または膣の腔の中の粘膜)の状態の治療のために用いられる。このような治療の例は、膣のカンジダ症および膣の病気、生殖器および口のヘルペス、単純ヘルペス、アフタ性口内炎、口腔衛生、歯周病、およびその他の、粘膜の微生物による感染症の治療、を含むが、これらに限定されない。
本発明の別の実施形態は、バリア膜の状態の治療を容易にする特定の望ましい生物学的な応答を誘発させる装置、である。これらの望ましい生物学的な応答は、バリアの状態を治療することにおいて、バリア膜の中の電流の通過、および/または、キャリアからイオン導入により送達される活性物質と共に、電気化学的に発生される酸化性の物質、により誘発させることができる。このようなバリア膜の望ましい応答の例は、皮脂の調節(例えば、皮脂腺の活性の低下)、嫌気性の微生物の増殖の抑制および、より健康的な膜の微生物叢の確立(例えば、プロピオニバクテリウム・アクネス(P.acnes)の増殖および刺激性の脂肪酸の生成、の減少)、血管収縮(これによる、活性物質の局所的な蓄積の促進、またはデオキシヘモグロビンによる目の下の黒いしみの除去)、高められた組織免疫学的な活性(例えば、組織の自己防衛機構における高められた病原性の微生物の排除)、改善された組織の修復(例えば、高められた治癒、およびアクネの病巣等のような病巣の瘢痕の発生の減少)、およびキャリアの角質溶解性の活性の改善(例えば、アクネの白色面ぽうおよび黒色面ぽうの中のコメドの角質栓の軟化、およびそれらの除去を容易にすること)、を含むことができるが、これらに限定されない。
別の態様において、本発明は、不活性な電極を介する酸化または還元による、比較的に低い活性の形態から比較的に高い活性の形態への(例えば、シスチン(cystineからシステイン(cysteine)、ジスルフィド・アセチル−システイン(disulfide acetyl-cysteine)からアセチル−システイン(acetyl-cysteine)、および、レチノール(retinol)からレチン酸(retinoic acid)への)変換の方法も特徴としている。したがって、不安定な物質を比較的に安定な形態で保存して、投与の前にその活性な形態に変換させることができる。また、別の態様において、本発明の装置による還元性の物質の発生は、酸素に対して不安定な活性物質を安定化させるために使用できる。このような酸素に対して不安定な活性物質の例は、レチノイド(retinoids)、アスコルビン酸(ascorbic acid)、および過酸化ベンゾイル(benzoyl peroxide)、を含むが、これらに限定されない。
一例の実施形態において、本発明は、反応性の陽極における酸化により、比較的に低い活性の形態から比較的に高い活性の形態への変換の方法も特徴としており、このような陽極は、亜鉛、マグネシウム、銅、アルミニウム、またはこれらの金属の合金または混合物、により作成されている。例えば、亜鉛により作成されている陽極は、その電極の中を電流が通過することにより亜鉛イオンを放出する。さらに、このような電気化学的な反応により発生された亜鉛イオンは、その後、正に帯電している陽極の電気的な反発作用により、バリア膜の中に送達される。一例の実施形態において、上記のようなイオンは、プロピオニバクテリウム・アクネス(P.acnes)の増殖を抑制し、さらに/または、治療の前に生長したプロピオニバクテリウム・アクネス(P.acnes)により生じた皮膚組織の炎症を抑制するために、毛包および/または皮脂腺の中に蓄積される。同様に、亜鉛−銅の合金の陽極またはその他の亜鉛−有益な金属の合金も、亜鉛イオンと、銅イオンまたはその他の有益なイオン、の両方を、アクネの治療および予防のために、毛包および皮脂腺の中に、それぞれ、放出する。
皮膚の状況
一例の実施形態において、本発明の装置は、キャリアの中に予め配合されている活性物質および、および電気化学的に発生される活性物質(例えば、有益な金属イオン)を含む活性物質を送達することにより、および/または皮膚組織に電気的な刺激を与えることにより、挫瘡およびアクネ(例えば、黒色面ぽうおよび白色面ぽう)および、酒さ(rosacea)および小節−嚢胞性、等のようなアクネ関連の皮膚の状態、雀斑、肝斑、光線性および老年性のほくろ、老年性斑点、炎症後過剰黒色症(hypermelanosis)、ベッカー母斑、目の下の黒いしみ、および顔面黒色症、等のような過剰色素沈着、皮膚萎縮線条、および、しわの発生、粗さ、色素の変性、黄ばみ、小じわ、およびゆるみ、を含む皮膚における皮膚の老化作用(光損傷により引き起こされる老化作用等)、等のような皮膚の状態、を治療するために用いられる。
一例の実施形態において、本発明の装置は上記のような状態を治療するための複数の作用の機構、すなわち、(a)イオン導入および電気浸透により毛包脂線の部分の中に予め配合されている活性物質を標的に送達する処理と、(b)新しい活性物質(例えば、反応性の陽極からの有益な金属イオン)を電気化学的に発生させて、その新しく発生された活性物質を毛包脂線の部分に対して標的に送達する処理(例えば、亜鉛および銅、等のような有益なイオンは皮膚の固有の免疫系を高めることが知られている)と、および/または、(c)血液循環を増加するため、および、炎症を減少させて、傷の治癒を促進し、さらに/または、皮膚の剥脱を増加させることにより、皮膚を治療するために、毛包脂線の部分およびその周囲の皮膚組織に電気的な刺激を与える処理と、を提供している。
傷および瘢痕
一例の実施形態において、本発明の装置は治癒の向上および瘢痕の予防のために電気的な治療を行なうための傷の被覆材および包帯の中に組み込むことができる。また、一例の実施形態において、傷の滲出液および/または傷の洗浄液は、上記の傷の被覆材/包帯の中に予め組み込まれている活性物質を傷の中に送達させるために、さらに/または、有益な金属イオンを電気化学的に発生させた後に、その有益な金属イオンを傷の中に送達にさせるために、ガルバニ電池式の傷の被覆材/包帯を作動させるために役立つ。この装置はまた、血液循環を増加して、組織の免疫応答を刺激し、さらに/または、組織の炎症を抑制することのできる、治療用の電流により、傷を治療し、このことは、加速された治癒および減少された瘢痕につながる可能性がある。
高められた化学的な剥脱
化学的な剥脱処理は、古い皮膚の制御された破壊または剥脱と、より均一に分布されているメラニン(melanin)を伴う新しい表皮の成長の促進と、を引き起こすための、皮膚に対する化学的な物質の供給を含む院内の処置、である。この場合に、剥脱剤が真皮の層に到達すると、共に老化防止において有益である皮膚の再造形および皮膚の平滑化、を生じる重要な傷治癒の活動が起こる。上記の電気発生装置/組成物におけるキャリアの中に含有されている化学的な剥脱剤の送達は、アクネ、炎症後過剰色素沈着、肝斑、瘢痕、光障害、老年性斑点、しわ、皮膚萎縮線条、あざ、むらのある組織および色調、いぼ、および須毛部仮性毛包炎(pseudo-folliculitis barbae)、を含むが、これらに限定されない種々の皮膚障害のための治療において使用できると考えられる。上記の装置/組成物はまた、イオン導入によって行われる化学的剥脱は、このような装置の使用を伴わない標準的な化学剥脱方法に比べて、はるかに低い濃度の化学剥脱剤の使用を可能にするので、皮膚の刺激の減少と、顔面の光老化した皮膚における前癌のおよび早期の癌の病巣の危険性の低下という、付加的な利点、も有することができる。また、このような、必要とされる化学剥脱剤の減少は、その化学剥脱剤による長期にわたる剥脱後の紅斑、炎症および瘢痕の危険性を最小限にすると共に、望ましい利点を達成することも可能である。
化学的な剥脱剤の例は、乳酸(lactic acid)、リンゴ酸(malic acid)、グリコール酸(glycolic acid)、アルギニン・グリコレート(arginine glycolate)、アンモニウム・グリコレート(ammnonium glycolate)、およびグリコール酸ナトリウム(sodium glycolate)、等のようなα−ヒドロキシ酸、サリチル酸(salicylic acid)等のようなβ−ヒドロキシ酸、を含むヒドロキシ酸、グリコノラクトン(gluconolactone)等のようなポリヒドロキシ酸(PHA)、および酢酸、トリクロロ酢酸(trichloroacetic acid)(TCA)、ピルビン酸(pyruvic acid)、等のような非ヒドロキシ酸、アルファ−ケト酸、フェノール、およびこれらの誘導体またはこれらの組み合わせ物、を含むが、これらに限定されない。さらに、これらは、イオウ、レゾルシノール(resorcinol)、レチノイド(retinoids)、またはジェスナー(Jessner)液の剥脱剤(この剥離剤は乳酸(lactic acid)、サリチル酸(salicylic acid)、レゾルシノール(resorcinol)およびエチル・アルコールを含有している)等のようなその他の活性物質と組み合わせることもできる。本発明の化学剥脱剤は、プロテアーゼ物質または、アポ酵素、ホロ酵素、イド酵素の中における酸性プロテアーゼ、等のような、これらの誘導体、またはチモーゲンの形態、を含むが、これらに限定されない。これらの例は、ペプシン(pepsin)、ブロメライン(Bromelain)、パパヤ(papaya)、およびカテプシン(cathepsin)、を含む。また、別の例は、果実抽出物、マッシュルーム抽出物、およびその他の植物抽出物、等のような天然の抽出物による化学剥脱剤を含む。
一例の実施形態において、皮膚に対する上記装置の供給の継続時間は、その個々の皮膚の状況により、約2〜約10分である。また、一例の実施形態において、上記キャリアは、約0.1〜約70重量%の、例えば、約0.5〜約20重量%、さらに、例えば、約2〜約10重量%、の上記のような化学剥脱剤を含有している。
形状
上記の装置は1つのハウジングを含むことができ、このハウジングはバリア膜の種々の解剖学的な表面の輪郭に適合するための種々の形状および大きさに作ることができる。例えば、そのハウジングは、目、まゆ、鼻、および口、を露出させるための開口部/穴を伴う全面用のマスク、顔面の上半分または下半分のみを被覆する部分的な顔面用のマスク、またはひたい、または目の下の領域、あご先およびあごの領域、首、背中、傷、アクネの病巣または吹き出物、または治療を必要としているバリア膜の他の特定の領域のそれぞれのみを被覆するパッチ、の形状で作られている支持体とすることができる。
本発明の一例の実施形態において、上記ハウジングは、例えば、細い銅線または細い銅被覆された繊維(例えば、銅被覆されたポリマー繊維)に接続されている細い亜鉛線または細い亜鉛被覆された繊維(例えば、亜鉛被覆されたポリマー繊維)等の、ガルバニ電池対を含む、水に不溶性の支持体である。上記のキャリア(活性物質を含有している水道水または液体または半液体の組成物)に接触する時に、電流を発生する装置を作るために、1本以上の上記のような細いガルバニ電池対の線(複数の線)または繊維(複数の繊維)を上記の支持体に組み込むことができる。一例の実施形態において、ガルバニ電池対を含む支持体は、例えば、銅含有の支持体の層(例えば、織り布または不織布の中の細い銅線または細い銅被覆された繊維)の上の、亜鉛含有の支持体の層(例えば、織り布または不織布の中の細い亜鉛線または細い亜鉛被覆された繊維)、等の複数の層により作成できる。使用中に、これらの層は互いに接触してガルバニ電池対を形成する。また、別の実施形態において、上記の装置は、上記のような支持体が使用者によって供給される(例えば、皮膚を浄化するためのワイパー、または皮膚を治療するための顔面のパッチまたはマスク等として使用される)時に、バリア膜(例えば、皮膚)に送達される有益なイオン(例えば、亜鉛イオンまたはアルミニウム・イオン)を放出する。活性物質はまた、製造の各過程の間において上記の支持体に組み込むことも可能であり、あるいは、その後に、バリア膜に対する供給の前に(例えば、支持体を濡らすための、電解質または活性物質を含有している液体の噴霧液の形態で)支持体に供給することも可能である。一例の実施形態において、上記の布は、乾燥したワイパーまたは乾燥した全面用もしくは部分的な顔面用のマスク、として用いられ、乾燥したワイパーに水を供給することにより、または(例えば、水道水で洗うことによって)あらかじめ湿らせた肌に顔面用のマスクをのせることで、使用の直前に濡らすようになっている。
「水に不溶性の」とは、上記の支持体が、25℃において蒸留水の中に浸漬されると、容易に溶解しないか、容易に分解しないこと、を意味する。しかしながら、この水に不溶性の支持体は、ゆっくりと、すなわち、数時間から数日の期間をかけて、分解および/または溶解してもよい。多様な材料が上記の水に不溶性の支持体として使用できる。適当な支持体の例は、不織布の支持体、織り布の支持体、ハイドロ−エンタングルメント処理されている(hydro-entangled)支持体、エア−エンタングルメント処理されている(air entangled)支持体、天然のスポンジ、合成のスポンジ、および高分子の網状のメッシュ、を含むが、これらに限定されない。
上記の水に不溶性の支持体はトイレに流すことができる。なお、本明細書においては、「トイレに流すことができる」とは、上記の支持体が2回のトイレの水洗において、その排水管の少なくとも10フィート(3m)を通過すること、を意味する。また、この材料は生体分解性であってもよい。
一例の実施形態において、上記の支持体は不織布の材料を含む。この「不織布」とは、その支持体または支持体の層が、布に織られずに、シート、マット、またはパッドの層に形成されている繊維により構成されていること、を意味する。これらの繊維は不規則(すなわち、不規則に整列されている)であってもよく、あるいは、これらの繊維はカーディングされて(carded)いてもよい(すなわち、主に一つの方向に配向するように梳かれている)。さらに、上記の不織布の支持体は不規則な繊維および梳かれている繊維のそれぞれの層の組み合わせにより構成することもできる。
不織布の支持体は種々の天然のおよび/または合成の材料により構成できる。この「天然の」とは、上記の材料が、植物、動物、昆虫、または植物、動物、および昆虫の副産物であること、を意味する。また、「合成の」とは、上記の材料が、主に、種々の人工の材料によるか、さらに変化されている天然の材料により、得られること、を意味する。
本発明において有用な天然の材料の非限定的な例は、シルク繊維、ケラチン繊維(ウール繊維、ラクダの毛の繊維等)およびセルロース繊維(木材パルプ繊維、綿繊維、アサ繊維、ジュート繊維、およびアマ繊維等)、である。
また、合成の材料の例は、アセテート繊維、アクリル繊維、セルロース・エステル繊維、綿繊維、モダクリル繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニル・アルコール繊維、レーヨン繊維、ポリウレタンフォーム、およびこれらの混合物を含む群から選択される各材料を含むが、これらに限定されない。
本発明において有用な上記の天然および合成の材料の1種類以上により作成されている支持体は、フロイデンベルグ・アンド・カンパニーズ(Freudenberg & Co.)(アメリカ合衆国ノース・カロライナ州ダルハム)、BBA・ノンウーブンズ(BBA Nonwovens)(アメリカ合衆国テネシー州ナッシュビル)、PGI・ノンウーブンズ(PGI Nonwovens)(アメリカ合衆国サウス・カロライナ州ノース・チャールストン)、ブックアイ・テクノロジーズ/ウォーキソフト(Buckeye Technologies/Walkisoft(アメリカ合衆国テネシー州メンフィス)、およびフォート・ジェームス・コーポレイション(Fort James Corporation)(アメリカ合衆国イリノイ州ディアフィールド)、等のような多様な市場の供給元から入手できる。
不織布の支持体を作成する方法も当業界において良く知られている。このような方法は、エア・レイイング(air-laying)、ウォーター・レイイング(water-laying)、メルト−ブロー(melt-blowing)、スピン・ボンディング(spin-bonding)、またはカーディング、の方法、を含むが、これらに限定されない。この結果として得られる支持体は、その後、その製造の方法または組成に無関係に、自己支持性のウェブを形成するために、個々の繊維を一緒に固定するように、幾つかの種類の結合操作の内の少なくとも一つにかけられる。この場合に、不織布の支持体は、ハイドロ−エンタングルメント(hydro-entanglement)、熱による結合、およびこれらの方法の組み合わせ、を含む種々の方法により作成できる。さらに、これらの支持体は単一の層または複数の層を有することができる。加えて、複数個層型の支持体はフィルムの層(複数のフィルムの層)(例えば、有孔または無孔のフィルム層)および別の非繊維質の材料を含むことができる。
上記の不織布の材料の強度または堅固さは望ましい属性である。このような属性は、例えば、湿潤紙力増強樹脂等のような材料を結合させる添加物により達成させることができ、あるいは、上記の材料は、ポリマー結合剤の被膜および、例えば、綿、ウール、リネン、等を基材としている安定な繊維により作成できる。上記の湿潤紙力増強樹脂の例は、ビニル・アセテート−エチレン(vinyl acetate-ethylene)(VAE)およびエチレン−ビニル・クロリド(ethylene-vinyl chloride)(EVCL)、エアフレックス・エマルジョンズ(Airflex emulsions)(エア・プロダクツ(Air Products)、アメリカ合衆国ペンシルバニア州レハイ)、フレックスポンド・アクリル・ポリマーズ(Flexbond acrylic polymers)(エア・プロダクツ(Air Products)、アメリカ合衆国ペンシルバニア州レハイ)、ロプレックスST−954・アクリル・バインダー(Rhoplex ST-954 acrylic binder)(ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas)、アメリカ合衆国ペンシルバニア州フィラデルフィア)、およびエチレン−ビニル・アセテート(Ethylene-vinyl acetate)(EVA)エマルジョン(DUR−O−SET(DUR-O-SET)(登録商標)、ナショナル・スターチ・ケミカルズ(National Starch Chemicals)、アメリカ合衆国ニュージャージー州ブリッジウォーター)、を含むが、これらに限定されない。上記支持体の中の結合材料の量は、その支持体の、約5〜約20重量%、の範囲にできる。
増強された不織布の材料もいわゆるスパンレース(spunlace)あるいはハイドロ−エンタングルメント(hydro-entanglement)の技法を用いることにより得ることができる。この技法において、上記の個々の繊維は、結合材料を使用する必要を伴わずに、許容可能な強度または堅固さが得られるように、より合わされる。上記の後者の技法の利点はその不織布の材料の優れた柔らかさである。
一例の実施形態において、上記の不織布の材料は超吸収性のポリマーにより作成されている。本発明の目的において、上記用語の「超吸収性のポリマー」は、0.5psi(3.45×103 パスカル)の圧力下において、自重の少なくとも約10倍の体液を吸収または保持できる材料を意味する。本発明の超吸収性のポリマー粒子は、ポリビニル・アルコール(polyvinyl alcohols)、ポリエチレン・オキシド(polyethylene oxides)、架橋デンプン、グアー・ゴム、キサンタン・ゴム、等のような無機または有機の架橋型で親水性のポリマー、および吸収性の物品の製造の技術分野において知られている別の材料、とすることができる。
さらに、上記の支持体の柔らかさを高めるために、添加物を加えることも可能である。このような添加物の例は、グリセロール(glycerol)、プロピレン・グリコール(propylene glycol)およびポリエチレン・グリコール(polyethylene glycol)、等のようなポリオール、フタレート誘導体(phthalate derivatives)、クエン酸エステル(citric esters)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタン・エステル(polyoxyethylene (20) sorbitan esters)等のような界面活性剤、およびアセチル化モノグリセリド、を含むが、これらに限定されない。
感覚的な属性も上記の不溶性の不織布の支持体に組み入れることができる。このような感覚的な属性の例は、色、質感、パタン、およびエンボス加工、を含むが、これらに限定されない。
一例の実施形態において、本発明の装置は(例えば、約20cm2 〜約10,000cm2 の表面積を有しており)ワイパーまたはタオルとして使用するためのものである)。また、別の実施形態において、本発明の装置は(例えば、約1cm2 〜約600cm2 の表面積を有しており)顔面の一部分または実質的に全部に対して供給するための治療用のパッチまたはマスクとして使用するためのものである。
一例の実施形態において、上記のキャリアは、使用に先立って、上記の水に不溶性の支持体の全重量の、少なくとも約50重量%、例えば、少なくとも約75重量%、で存在している。また、別の実施形態において、上記液体のキャリアは、上記の水に不溶性の支持体の全重量の、約10重量%よりも少ない、例えば、約1重量%よりも少ない量、で存在している(例えば、上記の装置は使用前には全くキャリアを含んでいなくてもよい)。さらに、別の実施形態において、上記の製品は、使用者に、(i)供給の前に支持体を濡らすこと、あるいは、(ii)供給の前に水および/または別の液体によりバリア膜(例えば、皮膚)を濡らすこと、のいずれかを行なわせるための説明書、を含んでいる。
装置
本発明の一例の実施形態が図1において概略的に示されている。この装置500は、取り外し可能な剥離用のライナー100と、キャリア層120と、第1の導電性の電極140と、第2の導電性の電極240と、電気的に絶縁されている接続用の電線350の両端部を上記の2個の異なる導電性の電極に接続している電気リード線110および210と、そのリード線210に配置されている随意的な電力スイッチ330と、支持層160と、カバー層340と、を含んでいる。
また、隙間「b」は2個の導電性の電極140および240と剥離用のライナー100(あるいはこの装置の供給のあとでは膜)との間の距離を示しており、隙間「a」は2個の反対に帯電される導電性の各電極の間の距離を示している。一例の実施形態において、上記の隙間「a」は0〜約20センチメートルであり、隙間「b」は0〜約1センチメートルである。また、別の実施形態において、隙間「a」の隙間「b」に対する比は約0〜約20である。
電力供給源として電池を含んでいる装置において、電気的に絶縁されている接続線350は、各図面において一つの電池(図示されていない)と置き換えることができる。この場合に、この電池は電気的に絶縁性で水に不透過性のポリマー層(各図面に示されていない)の中に包むことができる。随意的に、上記の電池(図示されていない)と導電性の電極140および/または導電性の電極240との間に配置される一定の電流を供給するための電気回路(図示されていない)が装置500の中に存在できる。
空気亜鉛電池を上記の装置500の電力供給源として用いる場合に、この電池(図示されていない)は、そのスチール鋼のカバーにおけるオリフィスがキャリア層120の反対側に向くように、構成されている。さらに、オリフィスが、取り外し可能な酸素不透過性のカバーにより覆われている上記の空気亜鉛電池におけるオリフィスを露出させるように、その電池のカバーの層に作成されている。この場合に、電力スイッチ330は、上記の取り外し可能な酸素不透過性のカバーにより置き換えられている。この取り外し可能な酸素不透過性のカバーは、上記装置の電気輸送過程を(そのカバーを取り外すことにより)開始させるか、(上記のオリフィスを再び被覆することにより)停止させるために使用できる。
上記の支持層160はキャリア層120の中に含まれている活性物質に対して不透過性にすることができ、好ましくは、キャリア層120の中の水またはその他の溶媒に対して透過性ではない。この支持層160およびカバー層340は、例えば、ポリエチレン(polyethylene)、ポリプロピレン(polypropylene)、ポリビニル・アセテート(polyvinyl acetate)、シリコーン・ゴム、またはポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)等のようなポリマーのように、水に対して不透過性で電気的に絶縁性の柔軟な材料により作成できる。
さらに、別の実施形態において、上記の支持層160は、組織の刺激および/または装置の望ましくない変形を生じる可能性のあるガスの、キャリア内における過剰な蓄積を制限するために、電気化学的に発生されるガス(例えば、酸素、塩素および水素)に対して透過性である。このような「通気性の支持用の」材料の例は、包帯およびスポーツ用の包帯のために一般的に用いられている布材等のような、綿または合成の織り布および不織布、を含むが、これらに限定されない。
上記のキャリア層120は上記の活性物質を含有している接着性のヒドロゲルである。この活性物質は、溶解されている分子またはイオン、分散されている固体の粒子、あるいは、クリーム、ローション、エマルジョン、多成分エマルジョン、マイクロエマルジョン、および/またはリポソームの組成物、等のような液滴として、キャリア層120の中に組み込むことができる。また、このキャリア層120は固体の支持用の基材(例えば、ガーゼ、不織布またはスポンジ様の材料)を含むこともできる。
上記の取り外し可能なライナー・シート100はキャリア層120を覆っている。この取り外し可能な剥離用のライナー100の選択はキャリア層120の中に用いられる接着性のヒドロゲルの種類により決まる。また、この剥離用のライナー・シート100は一般的にポリマー・シートあるいはポリマーにより被覆されている紙または布であり、このシートは接着性のヒドロゲル層120に対して弱く接着しており、これにより、このシート100が、キャリア層120を損傷させることなく、使用前に、そのキャリア層120から容易に除去されることを可能にしている。このような剥離用のライナー100のために一般的に用いられているポリマーの例は、シリコーンおよびポリエチレンである。あるいは、上記の剥離用のライナー100を被覆するために、上記のポリマーの代わりに蝋を使用してもよい。
上記のキャリア層120における接着剤の使用に加えて、あるいは、その代わりに、上記装置500は、接着性のテープ、弾性の帯、バックルを伴うバンド(皮の腕時計バンドに類似している)、あるいは、ベルクロ(Velcro)(登録商標)のバンドにより、バリア膜に固定できる。
上記の装置500を使用するために、上記の取り外し可能な剥離用のライナー・シート100が剥がされて、装置500におけるキャリアのヒドロゲル層120が、使用者の膣、口、頬、鼻、胃腸または直腸の粘膜のバリア膜、等のような、皮膚または粘膜の膜等のようなバリア膜に固定される。この場合に、装置500は、キャリア層120が接着性のヒドロゲルを含有していれば、上記のバリア膜に対して直接に固定できる。その後、電力スイッチ330をオンに切り替えることにより、所与の電位が導電性の電極の140と240とをまたいで加えられる。
さらに、本発明の別の実施形態が図2において概略的に示されている。この場合に、電気化学的に絶縁されている接続線350はキャリア層120の中に配置されている。この構成の利点は、大きさを減少させることと、高められた美観と、使用者の快適感と、を含む。
LED122の点灯部分は皮膚に対してすぐ近くのキャリア層120の中に配置されていることが好ましい。このように、バリア膜に固定されるキャリア層120の中に光源を配置することは、皮膚表面の反射による光エネルギーの損失を最小限にするという利点を有している。加えて、光治療の効果をさらに高めるためと、より均質性の高い照射を達成するために、光反射性の層を支持層160(例えば、金属で被覆されたポリマー・フィルム)として使用してもよい。さらに、この支持層160は、装置が正常に動作していることの指示手段として役立つように、光を使用者に対して見えるようにするための特定のスポットとして、随意的に穴あけしてもよい。
さらに、本発明の別の実施形態が図3において概略的に示されている。この場合に、支持層160(例えば、ハウジング)は、使用中に、膜に対して装置500を固定させるために、その支持層160の外側の縁に塗布されている接着剤の層130を含んでいる。この接着剤の層130の中の接着剤は、高分子、感圧性および/または非導電性、とすることができる。適当な接着材料は、シリコーン、ポリイソブチレン(polyisobutylenes)およびこれらの誘導体、アクリル樹脂、天然ゴム、およびこれらの組み合わせ物、を含むがこれらに限定されない。さらに、適当なシリコーン接着剤は、ダウ・コーニング355(Dow Corning 355)(アメリカ合衆国ミシガン州ミッドランドのダウ・コーニング(Dow Corning)から入手可能)、ダウ・コーニングX7−2920(Dow Corning X7-2920)、ダウ・コーニングX7−2960(Dow Corning X7-2960)、GE6574(GE6574)(アメリカ合衆国ニューヨーク州ウォーターフォードのジェネラル・エレクトリック・カンパニー(General Electric Company)から入手可能)、およびシリコーン感圧樹脂接着剤、を含むが、これらに限定されない。また、適当なアクリル樹脂の接着剤は、ゲルバ7371(Gelva 7371)(アメリカ合衆国ミズーリー州セント・ルイスのモンサント・カンパニー(Monsanto Company)から入手可能)、ゲルバ7881(Gelva 7881)、ゲルバ2943(Gelva 2943)、およびアメリカ合衆国オハイオ州ペイネスビルのアベリー・デニソン(Avery Dennison)から入手可能な1〜780医療品級の接着剤、およびアクリル樹脂の感圧接着剤、のようなビニル・アセテート−アクリレートの多成分ポリマー(vinyl acetate-acrylate multipolymer)、を含むが、これらに限定されない。
本発明の一例の実施形態は二重パック・システムであり、上記の装置およびキャリア(またはキャリアの一部分)は別々に包装されている。すなわち、上記キャリア層120の一部分は、乾燥した織り布または不織布、スポンジ、または脱水したヒドロゲル層(例えば、凍結乾燥したヒドロゲル)、等のような無水の液体固定用基材とすることができるが、溶液、ゲル、または活性物質を含有しているクリーム、等のような上記キャリアの液体の部分は、単位投与用のパウチ、破壊可能な容器またはビン、等のような液体を入れた別個の区画部分(図示されていない)の中に包装されている。これにより、使用の前に、液体を入れた区画部分が壊されて、キャリアの液体または半固体の部分が液体固定用基材に供給されて、皮膚に供給するための電流の発生が活性化される。これらの活性成分は液体固定化用の基材の中か、液体/半固体の組成物の中に組み入れられている。
本発明の一例の実施形態が図4において概略的に示されている。この場合に、導電性の電極140および240が直接の接続により互いに電気的につながっており、すなわち上記の隙間「a」(2個の反対に帯電されている導電性の電極の間の距離)はゼロに等しい。これら2個の導電性の電極はガルバニ電池対を形成しており、このガルバニ電池対は、接着剤の層130により剥離用のライナー100に固定されている、開口部を伴う支持層160の中に包まれているキャリア層120に接触している。この構成の一例の主な利点はその単純さおよび製造の容易さである。
さらに、本発明の別の実施形態が図5において概略的に示されている。この電気輸送装置800は、2個の電極組立体200および600と、それぞれの接着剤層230および630と、それぞれのキャリア層220および620と、それぞれの導電性の電極240および640と、それぞれの支持層270および670と、それぞれの電極リード線210および610と、電気的に絶縁されている接続線350と、随意的な電気スイッチ330と、を含んでいる。上述の一般的なイオン導入装置と同様に、2個の電極組立体200および600は、使用の前に、剥離用のライナー100が除去された後に、互いに離れてバリア膜に固定される。
一例の実施形態において、キャリア層120は反対の電荷を運ぶ少なくとも2種類の活性物質を含んでいる。このような組成物の一例は、約0.5〜約2%のサリチル酸、および約0.01〜約0.2%のカチオン性の第四級アンモニウムの抗菌剤(塩化ベンザルコニウム(benzalkonium chloride)、塩化ベンゼトニウム(benzethonium chloride)、塩化メチルベンゼトニウム(methyl benzethonium chloride)、および塩化セチルピリジニウム(cetylpyridinium chloride)等)、フェノール、および/またはクロルヘキシジン・グルコネート(chlorhexidine gluconate)を含有している組成物である。本発明の装置800は膜の中に反対の電荷の両方の活性物質を同時に送達できる。
図6および図7は、ガルバニ電池対の電力供給源を形成するために、電気的に絶縁されている電線350により接続されている(三重の線により示されている)、キャリア層120の中における異なる導電性の電極140(二重線により示されている)および240(単一の線により示されている)の異なる構成の2種類の例、をそれぞれ示している。図6は、導電性の電極140および240が互いにかみ合わされている構成で配列されていること、を示している。図7は、同心の構成における導電性の電極を示している。
図8および図9は、キャリア層120に接触する複数のガルバニ電池対の電力供給源を形成するために、図8におけるように接続線350によるか、あるいは、図9におけるようにそれぞれの交差点370において直接に物理的に接触させることにより互いに接続されている、キャリア層120の中における異なる導電性の電極140および240の別の構成の二つの例、をそれぞれ示している。これらの図8および図9における導電性の電極140および240は、それぞれ、平行および垂直の構成に配列されている。
図8における導電性の電極140および240の交互に並列な配列は、キャリア層120およびその下の皮膚組織の全体に、より均一な電流の分布を与え、この結果、その皮膚の中への活性物質のより均一な送達を可能にすることを補助する。図8において示されているガルバニ電池対に対応する一つの例示的な製造方法は、銀被覆されたポリマーの布および亜鉛被覆されたポリマーの布(または亜鉛線)を、上記の平行な電極パタンにしたがって、液体吸収性の布の層に織り込んでから、導電性のインク(例えば、導電性の銀またはカーボンのインク)によりその銀および亜鉛の領域の上に印刷して、亜鉛および銀の電極を接続することにより、行なわれる。さらに、電気な絶縁用のインクの別の層を上記の導電性のインクの上に被覆することにより、電気的に絶縁された接続線350を生じる。
図8の装置に対応する別の製造方法は、第1の導電性の電極を作るために導電性の銀または銀−塩化銀インクを用いて非導電性の高分子の支持層(例えば、支持層160により作成されているポリマー材料)の上に印刷して、導電性の亜鉛インクを用いて第2の導電性の電極を印刷するための、印刷による方法である。これら2個の異なる導電性の電極はその後、これらを導電性の銀または亜鉛のインク(または、カーボン・インク等のような異なる導電性のインク)のいずれかにより、交差して印刷することにより接続される。その後、その接続用の電線の上に電気的に絶縁用のポリマー層を作るために、その接続用の電線の上に被覆用のインクを随意的に印刷してもよい。なお、上記の装置が電気的絶縁用で被覆用の層により絶縁することなく作られる場合に、その結果として得られる装置は図9において示されている変形例である。
図9は、キャリア層120に接触しているガルバニ電池対の電力供給源を形成するために、交差点370における直接の物理的な接触により互いに接続されている導電性の電極140および240を示している、本発明による一例の実施形態の上面図である。これらの導電性の電極140および240は垂直の構成で配列されている。なお、図8における装置に対応する上述の製造方法も、この装置を製造するために適している。
図10は、キャリア層120の中に埋め込まれている、電気的に絶縁された接続線350(単一の線で示されている)により接続されている導電性の電極140(太い線で示されている)および電極240(二重線で示されている)を有する亜鉛メッシュにより作成されている装置を示している、本発明による一例の実施形態の上面図である。この導電性の電極140は上記の亜鉛メッシュにおける被覆されていない領域である。また、導電性の電極240は銀−塩化銀インクにより、上記の亜鉛メッシュにおける指定された部分を被覆することにより調製されている。さらに、電気的に絶縁されている接続線350は、電気的に絶縁されている塗料、インク、またはポリマー溶液により、上記の亜鉛メッシュにおける指定された部分を被覆することにより調製されている。
図11は、キャリア層120の中に埋め込まれている導電性の電極140および240を示している、本発明による一例の実施形態の上面図である。この導電性の電極140は亜鉛メッシュの一片により作成されている。また、導電性の電極240は、銀−塩化銀または銀のインクにより上記の亜鉛メッシュにおける指定された部分を被覆するか、無電解析出(化学的な還元による析出)、電解めっき、プラズマ溶射、または真空蒸着、等のような別の銀析出法、により調製されている。このような設計における電気的に絶縁されている接続線350の排除はその製造過程を単純化するであろう。また、上記の金属銀、銀−塩化銀または銀−酸化銀の電極の、位置、パタン、形状、および寸法は、特定の製品の要求に応じて変えることができる。
亜鉛メッシュ(または、電池および耐食の分野において一般的に呼ばれているような「拡張亜鉛(expanded zinc)」)は、機械的な穴あけおよびその後の網状のパタンへの拡張により、薄い亜鉛箔により調製できる。本発明のガルバニ装置の中の、この亜鉛メッシュの陽極の主な利点は、使用者により望ましいマスク/パッチの形状を形成および保持することと、所望の大きさのマスク/パッチを形成するために、あらゆる方向に使用者により引き伸ばすことと、通気性であること、ができる能力である。
なお、上記の亜鉛メッシュの使用は電極の設計の一例として本明細書において記載されているが、ガルバニ電池対の形成および導電性の電極のために適している別の上述の材料も、上記と同一の機能を与えるために、メッシュまたは拡張された形態に作成できることに注目すべきである。
上記の亜鉛メッシュはまた、このメッシュを穏やかに加圧して膜の表面の形状(例えば、個人の顔面の形状)に一致させることと、その形状を保つこと、ができる能力も有している。この能力は、上記の亜鉛メッシュを、特定の顔面(例えば、鼻のパッチ)または体の領域の解剖学的な特徴の輪郭により良く適合させて、顔面のマスクまたは特定の皮膚のパッチ用に比類なく適したものにしている。この独特の特徴はまた、より良い電気的な接触を補助し、装置を皮膚に固定するために接着剤を使用することへの依存も減少させることができる。
さらに、もしも、顔面のマスクまたはパッチの電気的な性能を損なうことなく、特定の皮膚の領域を被覆するために、その顔面のマスクまたはパッチを異なる寸法に引き伸ばすことができれば、消費者にとって極めて便利であり望ましい。亜鉛メッシュの陽極(またはその他のメッシュの導電性の電極)は、他に類をみないほど、上記の消費者の要望を満たすことができる。また、別の実施形態において、上記のメッシュは、上記装置が容易な貯蔵と搬送のためにさらに小さくコンパクトになるように、使用の前には、拡張されない。その代わりに、このメッシュは、消費者による供給の間に、所望の大きさに引き伸ばされて広がる。
良好な通気性は、特に、上記の装置が長時間にわたり(例えば、一晩中等のように、1時間半よりも長く)使用者により装着されるように設計されている場合に、比較的に大きな寸法の顔面のマスクまたはパッチにおいて重要である。上述の装置を伸縮性および/または通気性にするために、上記のキャリア層120および支持層160も、伸縮性の織り布および不織布の材料等のように、伸縮性で通気性である必要がある。
別の実施形態において、図3〜図5における支持層160はマスクまたはパッチの装置において穴あけするか完全に排除することができ、このことは、例えば、約5〜約30分、の継続時間の短い供給において特に適している。上記キャリアの組成物において水が蒸発すると、電気的なコンダクタンスおよび電流が減少する。そして、結局は、電流が著しく小さくなり、結果として皮膚の損傷を生じる、電流および電位に対する皮膚の、すべての意図しない過剰の曝露を防ぐために、使用者のための安全対策として役立つための、自己終結性の装置を本質的に提供している。
上記のような自己終結性の装置の一例は、加熱、超音波またはその他の機構に基づく結合処理を用いて、支持フィルム/ハウジング(例えば、有孔または無孔のポリエチレン・フィルム)と不織布(例えば、ポリエステルおよび/またはレーヨンの不織布のシート)との間に配置されている、銀−塩化銀のインクにより部分的に被覆されている亜鉛メッシュにより作成されているガルバニ式の布の顔面マスクである。供給の前に、イオン性および非イオン性の活性物質およびその他の随意的な電解質を含有している液体または半固体のキャリア組成物が、ガルバニ式の電力供給源を作動させるために、装置の不織布の側に供給される。その後、このガルバニ式の装置は、その不織布の側が皮膚に直接に接触している状態で、使用者の顔面に押し当てられる。あるいは、上記の活性物質およびその他の随意的な電解質は、無水の状態で、製造過程の間に、不織布の中に組み込むことができる。使用において、上記の装置は水に濡れている顔面に供給してもよく、この水は上記の活性物質および電解質を溶解してガルバニ電流を活性化する。この場合に、上記の無水の活性物質は不織布の繊維の上に固定された乾燥した粉末の形態であってもよく、または不織布の中に吸収される非導電性または極めて導電性の低い溶液を形成するために、有機溶媒(例えば、ポリエチレン・グリコール(polyethylene glycol)、プロピレン・グリコール(propylene glycol)、グリセリン、および/またはアルコール)の中に初めに溶解されていてもよい。
上記亜鉛の陽極材料は、金属加工、無電解蒸着、電解めっき、プラズマ溶射、真空蒸着、亜鉛の導電性インクを用いるスクリーン印刷等のような印刷処理、織物または不織布の技法、を含むが、これらに限定されない多様な製造方法により、製造できる。同様に、銀−塩化銀、銀−酸化銀、銅、マグネシウム、および亜鉛、マグネシウム、銅、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、銅、アルミニウムの合金等のような別の導電性の金属材料が、上記において開示されている製造方法を用いて、上述の電極の形態に製造できる。
ガルバニ電池対を含む局所的な組成物
一例の実施形態において、本発明は、亜鉛、アルミニウム、銅、およびこれらの合金から選択される第1の導電性の金属粒子(微細な薄片、線/繊維または金属被覆された繊維等)と、銀、銅、金、およびこれらの合金から選択される第2の導電性の金属粒子(微細な薄片、線/繊維または金属被覆された繊維等)と、を含有している局所的な組成物、を特徴としている。上記の第1および第2の金属粒子はガルバニ電池対を形成するための上述の電極材料から選択できる。接触すると、これらの第1の導電性の金属および第2の導電性の金属はガルバニ電池対を形成して、電流を発生し、電気化学的にイオンを生じる。また、別の実施形態において、上記第1の導電性の金属と第2の導電性の金属との標準電位の差は、少なくとも約0.1V、例えば、少なくとも約0.5V、である。例えば、亜鉛を含有している第1の導電性の金属(微細な亜鉛の線、亜鉛の薄片、または亜鉛により被覆されているポリマー繊維等)と、銀を含有している第2の導電性の金属(微細な銀の線/繊維、銀の薄片、または銀により被覆されているポリマー繊維等)に対して接触すると、上記の組成物はその局所的な組成物の中に電流および亜鉛イオンを発生する。
上記の組成物は、抗アクネ剤(サリチル酸(salicylic acid)、過酸化ベンゾイル(benzoyl peroxide)、レチン酸(retinoic acid)および/またはレチノール(retinol)等)のような、活性物質を付加的に含有していてもよい。上記の、第1の金属および第2の金属を含有している局所的な組成物は、好ましくは半固体の投薬形態(ゲル、ヒドロゲル、油中水形エマルジョン、水中油形エマルジョン、クリーム、ローション、軟膏、多成分エマルジョン、リポソーム、および/またはマイクロカプセル、の配合物)であり、上述の、流体の懸濁用または流体の吸収用の材料を含むことができる。また、上記の局所的な組成物は、上記の導電性の金属の一方が、もう一方の導電性の金属とは別の相の中に配合されるように、例えば、上記の第1の導電性の金属(例えば、亜鉛の薄片)が水中油形エマルジョン(例えば、クリーム)の不連続な油性の相の中に配合されて、第2の導電性の金属(例えば、銀の薄片)が上記のエマルジョンにおける連続的な水性の相の中に配合されるように、調製できる。本発明の局所的な組成物は、皮膚の特定の水分量および導電性を維持するために、保湿剤(グリセリン、プロピレン・グリコール(propylene glycol)、ポリエチレン・グリコール(polyethylene glycol)、ソルビトール(sorbitol)および/または尿素等)および上述の電解質をさらに含有していてもよい。
一例の実施形態において、上記のような局所的な組成物の貯蔵中に、上記第1の導電性の金属および第2の導電性の金属は、半固体の組成物の中において実質的に離れて懸濁されている(例えば、互いに接触していない)。その後、膜(皮膚または粘膜)に対する供給および液体のキャリアの部分的な乾燥により、第1の導電性の金属および第2の導電性の金属が接触して、ガルバニ電池対が形成され、電流と、第1の導電性の金属の金属イオンが発生し、この電流と金属イオンの発生は、抗菌、抗炎症、傷の治癒、活性物質のイオン導入による送達、組織の刺激、および/または皮脂の減少、に有益な作用を与える。
一例の実施形態において、上記の導電性の金属の線/繊維、薄片、または導電性の金属により被覆されたポリマーの繊維は、これらが貯蔵中に半固体の組成物の中に懸濁できる程度に十分に微細である。また、別の実施形態において、上記導電性の金属は細長い形状である。このような導電性の金属(例えば、微細な線/繊維、薄片、およびその導電性の金属により被覆されたポリマー繊維)の細長い形状の利点は、より低い見かけ密度を含み、それゆえ、上記の局所的な組成物の中におけるより良好な浮遊性/懸濁性と、低い濃度の導電性の金属が用いられている場合に、互いに接続されるより高い可能性と、ガルバニ電流が流れて有益な作用を与える膜組織(例えば、皮膚)の、より広く深い範囲と、を含む。
一例の実施形態において、上記第1および第2の導電性の金属粒子は、異なる組成物の中に配合されていて、二重チャンバー式の分配用のパッケージにおける別々の区画部分の中に貯蔵されている。例えば、比較的に化学的に安定性の低い(例えば、比較的酸化しやすい)亜鉛またはその合金の粒子は、ポリエチレン・グリコール(polyethylene glycol)、プロピレン・グリコール(propylene glycol)、グリセリン、液体シリコーンおよび/またはアルコール、またはその他の薬剤として許容可能な有機溶媒と共に、無水の、実質的に非導電性の組成物の中に配合できる。一方、比較的に化学的に安定な(例えば、比較的酸化しにくい)銀および塩化銀の粒子は、水性の組成物の中に配合できる。このようにして、上記の活性物質は、それぞれの化学的な安定性および溶解度に応じていずれかの組成物の中に配合できる。さらに、使用において、これらの組成物は二重チャンバー式のパッケージ(例えば、二重のチャンバー、ポンプ、管、パウチ、ビン等)から分配されて、ガルバニ電流を発生して皮膚の状態を治療するように、原位置においてガルバニ電池対を形成するために、皮膚に対する供給の前に、またはその間に混合される。
別の実施形態において、上述のガルバニ電池対は局所的な組成物に組み込むために、粒子として製造されている。これらの粒子は、球形もしくは非球形の粒子または細長いもしくは平坦化された形状(例えば、金属または金属被覆された球、中空の金属または金属被覆された球、短い金属被覆された繊維または布、および薄片)、規則的な形状(例えば、金属の結晶)、および不規則な形状(例えば、塊状の球)、を含むが、これらに限定されないあらゆる形状であってよい。一例の実施形態において、上記の粒子は約1マイクロメートル〜約2センチメートルの平均粒度を有している。なお、この粒度とは、少なくとも一つの方向における最大限の寸法を意味している。一例の実施形態において、上記の粒子は、細長でない形状において、約1マイクロメートル〜約2ミリメートルの平均の粒度を有している。また、別の実施形態において、細長い形状の上記の粒子は、約10マイクロメートル〜約2センチメートル、例えば、約100マイクロメートル〜約50ミリメートル、の平均粒度を有している。例えば、長さにおいて約100マイクロメートル〜約10ミリメートルのポリマー繊維は、一端部において(またはその繊維の特定の部分において)銀または銀−塩化銀により部分的に被覆することができ、他端部において(またはその残りの部分において)亜鉛により被覆できる。また、別の例において、上記のポリマー繊維は上記第1の導電性の金属(例えば、銀−酸化銀または銀−塩化銀)により完全に被覆されており、一端部(またはその繊維の特定の部分)が上記第2の導電性の金属(例えば、亜鉛またはマグネシウム)により被覆されている。
実施において、ノーブル・ファイバー・テクノロジーズ・インコーポレイテッド(Noble Fiber Technologies, Inc.)(アメリカ合衆国ペンシルバニア州クラークス・サミット)により製造されている銀被覆されたポリマー繊維は、導電性の亜鉛インクの印刷、電解めっき、無電解析出、真空蒸着、および噴霧塗布等のような方法を用いて亜鉛により被覆できる。あるいは、金属亜鉛または金属マグネシウムの粒子(例えば、ビーズまたは細い線)は、一端部において(または特定の部分において)銀−酸化銀または銀−塩化銀により被覆できる。約1マイクロメートル〜約5ミリメートルの範囲の平均粒度を伴う球形または非球形の粒子は、同様の様式で上記の第1および第2の導電性の金属の被膜により部分的に被覆できる。
上記のガルバニ電池対の調製における上記のような第1および第2の導電性の金属のための被覆方法は、無電解蒸着、電気めっき、真空蒸着、アーク噴霧、導電性金属インク、および、電子および医療の装置の製造工程において一般的に用いられているその他の既知の金属被覆方法とすることができる。このガルバニ電池対の粒子は、好ましくは、上述の無水の形態、例えば、乾燥した粉末または結合剤により布の中に固定されている状態で、または本質的に無水の非導電性の有機溶媒の組成物として(例えば、ポリエチレン・グリコール(polyethylene glycols)、プロピレン・グリコール(propylene glycol)、グリセリン、液体シリコーン、および/またはアルコール中に溶解されて)、貯蔵される。これらのガルバニ性の粒子は適用において広い用途を有しており、パッチ、包帯、マスク、衣服、布、靴下、ベッド・シート、等のような多くの消費材および医療製品において使用でき(例えば、上記のキャリアまたは布に固定されて)、(ペースト、クリームまたはゲル等の)顔面マスクの組成物、クリーム、ローション、ゲル、シャンプー、クレンザー、粉末等に広げることができ、または、歯ブラシ、デンタル・フロス、傷用包帯、おむつ、衛生ナプキン、ドライ・ワイパー、(上述の無水の溶媒を伴う)予備加湿されたワイパー、タンポン、および直腸および膣の座薬、等のような個人用および医療用の製品の中に組み込むことができる。さらに、上記のガルバニ性の粒子は、イオン導入による皮膚の中への薬物の浸透を促進させるためと、電気の刺激および亜鉛等のような電気により発生される有益なイオンにより皮膚の炎症を減少させるために、経皮的な薬物送達のパッチの中に組み込むことも可能である。
実施例1:キャリア
各キャリアの成分の重量%の一連の範囲を含む、幾種類かのキャリアの例が以下の表1において記載されている。
Figure 0005068530
電気化学的に発生される有益な物質に対応する作用の上記の提案された機構を評価するために、生体外の微生物学的な調査を行なって、特定の電気化学的なシステムにおけるプロピオニバクテリウム・アクネス(P. acnes)の抑制の効果を調べ、さらに、生体内の調査を、市販のイオン導入装置を用いて、人間の志願者において行なった。
実施例2:電気分解によるプロピオニバクテリウム・アクネス(P. acnes)の生体外の抑制
プロピオニバクテリウム・アクネス(P. acnes)の抑制実験において、バクト/アラート(BacT/ALERT)システム(バイオメリウクス・インコーポレイテッド(BioMerieux, Inc.)、アメリカ合衆国ノース・カロライナ州ダルハム)を用いた。つまり、所与のビン(バクト/アラート・エス・エヌ(BacT/ALERT SN)、オルガノン・テクニクス・コーポレイション(Organon Tekniks Corp.)、アメリカ合衆国ノース・カロライナ州ダルハム)の中の40mlの嫌気性のカゼインおよびダイズを基材とするブロス培地に、プロピオニバクテリウム・アクネス(P. acnes)を接種した。上記の完全に自動化されたバクト/アラート(BacT/ALERT)システムは、光学的な比色測定知覚システムを用いてCO3 の生成を継続的にモニターすることにより、35℃における14日間の調査にわたり、プロピオニバクテリウム・アクネス(P. acnes)の増殖を検出するために用いた。上記電極の選択された対(表2の第2列および第3列)を、70%のイソプロピル・アルコールにより消毒して、窒素グローブ・ボックスの中で、上記の培地の中にゴム・ストッパーを通して挿入した。次に、いくつかの電極を、30分間にわたり、電池(表2の第4列において示されているように、1.5または3Vのいずれか)のそれぞれの極に接続した。その後、これらの電極をバクト/アラート(BacT/ALERT)のビンから速やかに除去し、このバクト/アラート(BacT/ALERT)のビンを、自動化された培養およびモニターのシステムの中に、2週間にわたり、入れた。また、別の電極(すなわち、表2における第3番および第5番)は外部の電池に接続されず、その代わりに、ガルバニ電池対を形成するために、バクト/アラート(BacT/ALERT)のビンの外側で、それぞれの端部において互いに直接に接続された。これらのガルバニ電池対(すなわち、第3番および第5番)の電極は、14日間の調査の間、上記のビンの中において、上記の培地に対して接触している状態を維持した。
負の電極(陰極)として種々の材料を伴っている、正の電極(陽極)としての亜鉛を、試験条件1〜7(第1列における第1番〜第7番)を通して評価した。第4列は外部の電池により導電性の電極に供給された電圧を示している。しかしながら、2個の導電性の電極の材料を単に接続することにより、電圧がそのガルバニ電池対だけによっても発生される。例えば、亜鉛−銀/塩化銀のガルバニ電池対は0.9849Vすなわち約1V(Zn2++2e- =Zn,標準電位:−0.7626V、またAgCl+e- =Ag+Cl,標準電位:0.2223V)の電圧を有し、亜鉛−銅のガルバニ電池対は約1.1〜1.3V(Cu2++2e- =Cu,標準電位:0.340V、またCu+ +e- =Cu,標準電位:0.520V)の電圧を有する。(参照文献:エレクトロケミストリー・ハンドブック(Electrochemistry Handbook),1995年,表14.1,マグローヒル・インコーポレイテッド(McGraw-Hill, Inc.)、アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク)
試験条件の第7番において、電極(すなわち、亜鉛−銀/塩化銀のガルバニ電池対)が、市販のイオン導入装置(イオントパッチ・SP(IontoPatch, SP)、バーチ・ポイント・メディカル・インコーポレイテッド(Birch Point Medical, Inc.)、アメリカ合衆国ミネソタ州オークデール)から採用されている。このイオントパッチ(IontoPatch)は、包帯様の装置の中において、亜鉛および銀/塩化銀により作成されているガルバニ電池対の「電池片」により電力供給されるイオン導入装置である。この実験において、上記のイオントパッチの中の「電池片」は、その包帯様の装置から取り出されて、上記のバクト/アラート(BacT/ALERT)のビンの中に入れられた。その後、上記の市販の亜鉛−銀/塩化銀のガルバニ電池対における各電極(第7番)は、2週間の実験の全体を通して、バクト/アラート(BacT/ALERT)のビンの中に留まった。さらに、第15番〜第17番の試験条件は陽性の対照である(すなわち、電極を伴っていない)。試験条件第15番は、それぞれのバクト/アラート(BacT/ALERT)のビンの中の培地の残りに、106 個/mlの個数のプロピオニバクテリウム・アクネス(P. acnes)を接種するために用いられる濃縮されたプロピオニバクテリウム・アクネス(P. acnes)の培養体、を使用しており、試験条件第16番および第17番は、106 個/mlの個数のプロピオニバクテリウム・アクネス(P. acnes)が接種された上記の培地、を用いており、(第16番のゴム・ストッパーは、試験ビンの中への周囲の酸素の起こり得る流入によるあらゆる偽性のプロピオニバクテリウム・アクネス(P. acnes)の抑制の結果、および嫌気性のプロピオニバクテリウム・アクネス(P. acnes)の増殖への影響を排除するように、残りの電極試験の条件に類似している方式で、付加的に穴あけされている。)
Figure 0005068530
亜鉛の陽極は、全ての試験された電圧の条件における14日の培養調査の間、プロピオニバクテリウム・アクネス(P. acnes)の増殖を、ほとんど完全に抑制することが予想外に分かった(第1番〜第7番、第7番において、6個の市販のガルバニ電池対の内の2個は、おそらく細菌の汚染による、プロピオニバクテリウム・アクネス(P. acnes)の増殖を示した。表2の注Cを参照されたい)。また、銅の陽極もプロピオニバクテリウム・アクネス(P. acnes)の増殖をかなり抑制することが分かった(第8番、第9番)。一方、上記の実験の条件下において、プラチナの陽極はプロピオニバクテリウム・アクネス(P. acnes)の抑制効果をほとんど示さず、銀または銀/塩化銀の陽極はプロピオニバクテリウム・アクネス(P. acnes)の弱い抑制のみを示している。また、全ての陽性の対照条件(第15番〜第17番)は、上記の調査の開始から2日後よりも少ないプロピオニバクテリウム・アクネス(P. acnes)の増殖を示しているので、このような陰性のプロピオニバクテリウム・アクネス(P. acnes)の増殖の原因は、その培地の中における電気的に発生される種または培地を通る電流の通過に帰することができる。また、第10番〜第14番における電流の通過は、第1番〜第9番における電流の通過のように強いプロピオニバクテリウム・アクネス(P. acnes)の抑制を示していないので、第1番〜第9番において観察された細菌の抑制は、陽極において発生される特定の電気化学的な反応、すなわち、亜鉛と銅がその陽極として用いられる場合、による可能性が高いと思われる。また、銀イオンは良く知られている抗菌剤であるので、上記の実験の条件下において、銀または銀/塩化銀の陽極から放出された銀イオンが、上記と同様のプロピオニバクテリウム・アクネス(P. acnes)の抑制を示さなかったことも予想外であった(第12番〜第14番)。例えば、スパッシアポリ(Spacciapoli)他(「アンチマイクロバイアル・アクティビティ・オブ・シルバー・ナイトレート・アゲインスト・ペリオドンタル・パソゲンズ(Antimicrobial activity of silver nitrate against periodontal pathogens)」,ジャーナル・オブ・ペリオドンタル・リサーチ(J Periodontal Res),36:2巻,p.108〜113,4月,2001年)を参照されたい。さらに、外部電池が無い場合(第3番、第5番および第7番)に、陽極として亜鉛を伴うガルバニ電池対の一対の電極が、2週間の調査の全体において、プロピオニバクテリウム・アクネス(P. acnes)の増殖を抑制するために十分であったということも予想外であった。
実施例3:生体外の電極−サリチル酸(salicylic acid)の適合性
以下の実験はサリチル酸(salicylic acid)に対する電極の適合性を測定するために行なった。この場合に、一対の試験電極を5mlの1.5%のサリチル酸(salicylic acid)の溶液(溶媒:50%のエタノール/50%の水)の中に浸漬した。次に、以下の表3において示されているように、特定の長さの時間にわたり、(これらの電極を1個以上の電池に接続することにより)所定の電圧を上記の電極に印加した。その後、上記の試験溶液の色の変化について、観察を行なった。
上記の結果、亜鉛の陽極を伴う溶液は変色を全く示さず、電流の通過の間に、サリチル酸(salicylic acid)に対する良好な適合性を示した。一方、プラチナの陽極の使用は予想外に変色を生じて、当実験の条件下において、サリチル酸(salicylic acid)に対して適合性が無いことを示した。
Figure 0005068530
実施例4:人間の生体内のイオン導入の調査
市販のイオン導入装置(イオントパッチ(IontoPatch)(登録商標)、モデル:SP、バーチ・ポイント・メディカル・インコーポレイテッド(Birch Point Medical, Inc.)、アメリカ合衆国ミネソタ州ノース・オークデール)を用いて、人間の志願者における生体内の調査を行なった。この調査は、脂性の皮膚を持つ、20〜45才の年齢の、健康な女性の志願者を採用している。それぞれの被験者のひたいからの皮脂計の読取り値は少なくとも150mg/cm2 /時より大きかった。この試験は盲検の比較試験である。つまり、1ボルトの電圧、0.06mAの動作電流、および1.25平方インチ(10cm2 )の運転中の治療領域、を伴うイオントパッチ(IontoPatch)(登録商標)を、上記の人間の被験者の治療部位(例えば、ひたい)に供給した。この場合に、正の電極および負の電極は、それぞれ、亜鉛および銀/塩化銀(Ag/AgCl)の材料により構成されていた。これらの両方の電極は生理食塩水(0.9%NaCl)により充たされていた。これらの異なる電極に生理食塩水が加えられるとすぐに、この電気パッチは機能し始めた。このパッチを一晩にわたり(例えば、およそ8時間)上記の治療領域に放置した。
以下の評価が行われた。すなわち、(i)皮膚の状態に対する電気分解の効果を通常の写真術を用いてモニターし、(ii)プロピオニバクテリウム・アクネス(P. acnes)の数の変化を、一晩にわたる上記のパッチの装着の前後において、治療部位のためのカップ洗浄の溶液を分析することにより、測定した。このカップ洗浄の微量サンプリングの手順は以下のように行なわれた。まず、2個の開口している端部を有する円筒形のカップ(直径2.1cmおよび高さ2.5cm)を治療領域に固定した。次に、その円筒体の中の治療領域を、2mlの浄化用の緩衝液(0.1%のトリトンX−100(Triton X-100)を含有している無菌の0.075Mのリン酸塩緩衝液)により洗浄すると共に、同一の領域を無菌の磨いたガラスによりこすり洗った。その後、その洗浄溶液を集めた。さらに、上記の洗浄の手順を繰り返した。これら2回の集められたサンプルをためて、プロピオニバクテリウム・アクネス(P. acnes)の分析において用いた。
上記プロピオニバクテリウム・アクネス(P. acnes)の数を、上記のこすり取ったサンプルを、5日間にわたりアクチノミセス寒天の中で嫌気性の条件下に、スパイラルプレーティング法により測定し、このスパイラルプレートにおける支配的な汚染物質をグラム染色して、バイテック・システム(VITEC System)を用いて同定した。その後、自動化されたコロニー・カウンタを用いて、それぞれのサンプルの緩衝液の1ml当たりのプロピオニバクテリウム・アクネス(P. acnes)の数を測定した。
一晩だけのパッチの供給後において、上記の治療領域におけるプロピオニバクテリウム・アクネス(P. acnes)の定量化測定により、亜鉛の陽極下における基準線に対して45%のプロピオニバクテリウム・アクネス(P. acnes)の数の減少が示され、Ag/AgClの陰極下において30%の減少が示された。さらに、4日の連続した夜通しのパッチの供給後において、写真の画像は亜鉛電極下における、アクネ後の(post-acne)色素過剰の斑点の色および大きさにおける著しい減少の明らかな証拠を示した。すなわち、この試験の被験者は、皮膚の試験部位にアクネ後の色素過剰の斑点を有していた。その後、その色素過剰の斑点の外観は、極めて暗い色からより明るい色に改善された。
また、4日の連続した夜通しのパッチの供給後において、写真の画像はAg/AgCl電極下のアクネの面ぽうの色および大きさにおける著しい減少の証拠も示した。すなわち、この試験の被験者は、皮膚の試験部位にアクネの面ぽうを有していた。この場合に、その面ぽうの赤みは、極めて赤い色から速やかに減って、ほとんど見えなくなったが、治療を受けなかった皮膚の領域における面ぽうは、ほとんど変わらない状態を保っていた。
実施例5:マーカーとして塩酸ヒスタミン(histamine hydrochloride)を用いる生体内の人間のイオン導入の調査
皮膚の中にマーカーとして塩酸ヒスタミン(histamine hydrochloride)を送達するために、ガルバニ式の亜鉛−銀/酸化銀の装置を用いて、3人の人間の志願者において、生体内の調査を行なった。この場合に、ヒスタミンにより誘発された皮膚の紅斑およびかゆみを、調査の間およびその後に、記録した。この調査は41〜49才の年齢を有する二人の健康な男性および一人の女性の志願者を採用している。上記のガルバニ装置は、薄い亜鉛箔(厚さ0.25mm、アルファ・アイザル(Alfa Aesar)、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ワード・ヒル)を長方形の断片(幅2.5cmおよび長さ3cm)に切断することにより、調製されている。次に、銀インク(シルバー・プリント(Silver Print)、M.G.ケミカルズ(M.G. Chemicals)、カナダ国オンタリオ州トロント)を、中央において長手軸に沿って、0.5cm幅の筋として、上記の亜鉛箔の片面に塗った。その後、このインクを空気乾燥して、上記の亜鉛箔の上に銀の電極の筋を作った。さらに、幅0.5cmおよび長さ3cmの2枚の長方形で接着性のスコッチ(Scotch)(登録商標)テープの筋を、上記の銀の電極の筋の両側に配置して、その表面に電気的に絶縁性の隙間を形成した(電極の隙間=0.5cm)。次に、幅3cmおよび長さ3.5cmの不織布の長方形の断片(レーヨン50%/PET50%、75gsm、PGI・ポリマー・グループ・インコーポレイテッド(PGI Polymer Group Inc.)、アメリカ合衆国ニュージャージー州ランディスビル)を、上記の亜鉛箔の亜鉛−銀の電極の側の上に配置した。さらに、幅4cmおよび長さ5cmの長方形で接着性の支持フィルムを上記の亜鉛箔の反対側に固定して、亜鉛−銀のガルバニ装置を完成させた。
次に、表面に電気的な絶縁性の隙間を伴わない第2の種類の亜鉛−銀のガルバニ装置(電極の隙間=0cm)を、単に上記の接着性のスコッチ(Scotch)(登録商標)テープの付加を省くことにより調製した。さらに、上記の装置を構成するために、上記の亜鉛箔と、腐食布のパッドと、接着性の支持フィルムだけを用いることにより、第3の種類の(対照)パッチを調製した。
ヒスタミン(histamine)のイオン導入を始めるために、0.1%の塩酸ヒスタミン(histamine hydrochloride)(シグマ−アルドリッチ(Sigma-Aldrich)、アメリカ合衆国、ミズーリー州セント・ルイス)の0.8mlの水溶液をそれぞれの装置に加え、この装置を、その後、30分間にわたりそれぞれの志願者の前腕部の皮膚に固定した。
調査の終了時に、赤い斑点(ヒスタミン(histamine)により誘発された紅斑)が両方の亜鉛−銀のガルバニ式のパッチ装置の下に現れ、これらの斑点は約1時間半以内に消えた。厳密な調査により、上記の赤い斑点は毛包の周囲にあることが分かった。また、ガルバニ式のパッチの部位において報告されているかゆみも、上記のパッチの供給中に報告されていた。これに対して、対照パッチの装置の下においては、皮膚の色における変化が全くなく、その装置により報告されたかゆみも全く無かった。
実施例6:亜鉛メッシュを含むガルバニ式の鼻パッチを伴うヒスタミン塩酸(histamine hydrochloride)を用いる生体内の人間のイオン導入の調査
前述の実施例における人間の生体内の調査の継続として、亜鉛箔の代わりに、亜鉛メッシュ(長さ1cmおよび幅0.4cmの菱形の開口部、エグゼメット・コーポレイション(Exemet Corporation)、アメリカ合衆国コネチカット州ヌガタック)を含むガルバニ式のパッチ装置(ここでは、「試験装置D」として示されている)を、実施例5におけるガルバニ装置(電極の隙間=0)と同じ寸法および手順により調製した。したがって、この調製された装置は、3個の平行な電極、すなわち、中央における銀の電極と、その両側における亜鉛の電極と、を伴う、図11において示されている設計に類似している。この場合に、二人の男性の志願者が、実施例5におけるのと同様の試験条件を用いているこの調査に参加している。0.1%の塩酸ヒスタミン(histamine hydrochloride)0.8mlを入れている一つの試験装置を、30分間にわたり、それぞれの志願者の鼻に供給した。この結果、その鼻パッチの供給から5分以内にかゆみが報告されて、その鼻における比較的に大きな皮膚の毛穴の中への、速やかなヒスタミン(histamine)の送達が示された。さらに、上記の両方の試験被験者において、この調査の終了時にパッチを除去した後で、上述の前腕部の皮膚において行なった調査に比べて、その鼻パッチの下の皮膚の部位にはっきりした紅斑が観察された。
本発明はその詳細な説明に基づいて説明されているが、上述の説明は例示することを意図していて、添付の特許請求の範囲の各請求項の範囲により画定されている本発明の範囲を限定していないこと、が理解されると考える。すなわち、別の態様、利点、および変更も上記の各請求項の中に含まれている。
〔実施の態様〕
(1)バリア膜接触用の表面部分を有する装置であって、
電力供給源と、
第1の導電性の電極と、
第2の導電性の電極と、
キャリアと、を備えており、
前記電力供給源が、前記第1の導電性の電極と前記第2の導電性の電極と、に電気を介してつながっており、前記第1の導電性の電極および前記第2の導電性の電極が前記キャリアにイオンを介してつながっており、前記キャリアが前記バリア膜接触用の表面部分につながっている、装置。
(2)実施態様1に記載の装置であって、
この装置がハウジングを備えており、前記第1の導電性の電極と、前記第2の導電性の電極と、前記キャリアと、が前記ハウジングの中にある、装置。
(3)実施態様1に記載の装置であって、
前記キャリアが、前記第1の導電性の電極および前記第2の導電性の電極を含んでいる半固体である、装置。
(4)実施態様2に記載の装置であって、
前記ハウジングが接着剤を含んでいる、装置。
(5)実施態様3に記載の装置であって、
前記キャリアが接着剤を含んでいる、装置。
(6)実施態様1に記載の装置であって、
前記第1の導電性の電極と前記第2の導電性の電極との間の距離と、前記第1の導電性の電極と前記バリア膜接触用の表面部分との間の距離と、の比率が少なくとも1である、装置。
(7)実施態様3に記載の装置であって、
前記第1の導電性の電極と前記第2の導電性の電極との間の距離と、前記第1の導電性の電極と前記バリア膜接触用の表面部分との間の距離と、の比率が少なくとも5である、装置。
(8)実施態様1に記載の装置であって、
前記電力供給源が0.1〜3ボルトの電圧を生じる、装置。
(9)実施態様1に記載の装置であって、
前記電力供給源が0.1mA/cm2 よりも小さい電流密度を生じる、装置。
(10)実施態様8に記載の装置であって、
前記電力供給源が0.1mA/cm2 よりも小さい電流密度を生じる、装置。
(11)人間のバリア膜に電気を投与する方法であって、
この方法が、バリア膜接触用の表面部分を有する装置を前記膜に供給する処理を含み、この装置が
電力供給源と、
第1の導電性の電極と、
第2の導電性の電極と、
キャリアと、を備えており、
前記電力供給源が、前記第1の導電性の電極と前記第2の導電性の電極と、に電気を介してつながっており、前記第1の導電性の電極および前記第2の導電性の電極が前記キャリアにイオンを介してつながっており、前記キャリアが前記バリア膜接触用の表面部分につながっている、方法。
(12)実施態様11に記載の方法であって、
前記第1の導電性の電極と前記第2の導電性の電極との間の距離と、前記第1の導電性の電極と前記バリア膜接触用の表面部分との間の距離と、の比率が少なくとも1である、方法。
(13)実施態様11に記載の方法であって、
前記第1の導電性の電極と前記第2の導電性の電極との間の距離と、前記第1の導電性の電極と前記バリア膜接触用の表面部分との間の距離と、の比率が少なくとも5である、方法。
(14)実施態様11に記載の方法であって、
前記バリア膜が皮膚である、方法。
(15)実施態様14に記載の方法であって、
前記皮膚が傷を含んでいる、方法。
(16)実施態様11に記載の方法であって、
前記バリア膜が粘膜である、方法。
(17)実施態様13に記載の方法であって、
前記バリア膜が皮膚である、方法。
(18)実施態様17に記載の方法であって、
前記皮膚が傷を含んでいる、方法。
(19)実施態様13に記載の方法であって、
前記バリア膜が粘膜である、方法。
(20)皮膚の状況を治療する方法であって、
この方法が、バリア膜接触用の表面部分を有する装置を前記皮膚に供給する処理を含み、この装置が
電力供給源と、
第1の導電性の電極と、
第2の導電性の電極と、
キャリアと、を備えており、
前記電力供給源が、前記第1の導電性の電極と前記第2の導電性の電極と、に電気を介してつながっており、前記第1の導電性の電極および前記第2の導電性の電極が前記キャリアにイオンを介してつながっており、前記キャリアが前記バリア膜接触用の表面部分につながっている、方法。
(21)実施態様20に記載の方法であって、
前記皮膚の状況がアクネまたは酒さである、方法。
(22)実施態様20に記載の方法であって、
前記皮膚の状況が皮膚の感染症である、方法。
(23)実施態様20に記載の方法であって、
前記皮膚の状況が過剰な皮脂の分泌である、方法。
(24)実施態様20に記載の方法であって、
前記皮膚の状況が過剰な皮膚の色素沈着である、方法。
(25)実施態様20に記載の方法であって、
前記皮膚の状況が毛包炎および須毛部仮性毛包炎である、方法。
本発明を実施するために適している装置の一例の実施形態の断面図である。導電性の電極140および240は、それぞれ、リード線110および210により、装置500の後部において配置されている電気的に絶縁されている接続線350に接続されている。 本発明を実施するために適している装置の一例の実施形態の断面図である。導電性の電極140および240は、それぞれ、リード線110および210により、装置500のキャリア層120の中に埋め込まれている電気的に絶縁されている接続線350に接続されている。 本発明を実施するために適している装置の一例の実施形態の断面図である。導電性の電極140および240は、それぞれ、リード線110および210により、キャリア層120の中に埋め込まれている電気的に絶縁されている接続線350に接続されている。 本発明を実施するために適している装置の一例の実施形態の断面図である。導電性の電極140および240は直接の接続により、互いに電気を介してつながっている。 本発明による一例の実施形態の断面図である。この装置800は2個の電極組立体200および600を含んでいる。 キャリア層120の中に埋め込まれている電気的に絶縁されている接続線350により接続されている導電性の電極140および240を示している、本発明による一例の実施形態の上面図である。これらの導電性の電極140および240は互いにかみ合わされている構成で配列されている。 キャリア層120の中に埋め込まれている電気的に絶縁されている接続線350により接続されている導電性の電極140および240を示している、本発明による一例の実施形態の上面図である。これらの導電性の電極140および240は同心の構成で配列されている。 複数のガルバニ電池対の電力供給源を形成するために、接続線350により互いに接続されている複数の組の導電性の電極140および240を示している、本発明による一例の実施形態の上面図であり、これらの電極140および240はキャリア層120に接触している。さらに、これらの導電性の電極140および240は平行な構成で配列されている。 複数のガルバニ電池対の電力供給源を形成するために、交差点370における直接の物理的な接触により、互いに接続されている複数の組の導電性の電極140および240を示している、本発明による一例の実施形態の上面図であり、これらの電極140および240はキャリア層120に接触している。さらに、これらの導電性の電極140および240は垂直の構成で配列されている。 キャリア層120の中に埋め込まれている電気的に絶縁されている接続線350により接続されている導電性の電極140および240を示している、本発明による一例の実施形態の上面図である。 キャリア層120の中に埋め込まれている導電性の電極140および240を示している、本発明による一例の実施形態の上面図である。

Claims (16)

  1. バリア膜接触用の表面部分を有する装置であって、
    前記装置が、
    前記バリア膜接触用の表面部分を含むハウジングと、
    陽極である第1の導電性の電極と、
    陰極である第2の導電性の電極と、
    1つのキャリアと、
    を備えており、
    前記第1の導電性の電極および前記第2の導電性の電極は、直接の接続により、互いに電気的につながっており、
    前記第1の導電性の電極および前記第2の導電性の電極が、前記キャリアに、電気およびイオンを介してつながっており、それにより、前記キャリアが、前記バリア膜接触用の表面部分とつながっており、
    前記第1の導電性の電極および前記第2の導電性の電極の標準電位の差が、少なくとも0.2Vであり、標準電位における前記差の結果、前記第1の導電性の電極および前記第2の導電性の電極を通過する電子が生じ、
    前記装置が、バリア膜に取り付けられるように構成され、前記第1の導電性の電極、前記キャリア、前記バリア膜接触用の表面部分から前記バリア膜、および前記キャリアを通って、前記第2の導電性の電極へと電流を流すように構成されている、装置。
  2. 請求項1に記載の装置であって、
    前記第1の導電性の電極と、前記第2の導電性の電極と、前記キャリアと、が前記ハウジングの中にある、装置。
  3. 請求項1に記載の装置であって、
    前記ハウジングが、接着剤を含んでいる、装置。
  4. 請求項1に記載の装置であって、
    前記キャリアが、接着剤を含んでいる、装置。
  5. 請求項1に記載の装置であって、
    前記キャリアが、活性物質を含み、
    前記活性物質が、抗アクネ剤、抗酒さ剤、老化防止剤、酸化防止剤、脱色剤、抗菌剤、抗生物質、抗真菌薬、抗ウイルス薬、抗炎症剤、抗乾癬薬、コルチコステロイド、植物抽出物、免疫抑制剤、免疫刺激薬、麻酔薬、傷治癒促進剤、瘢痕減少剤、毛髪成長促進剤、毛髪成長遅延剤、抗がん剤、エンドクリンおよび代謝薬、酸化剤、還元剤、有益な金属イオン、電気化学的に生成された薬剤、ビタミン、サンスクリーン剤、ならびに、それらの医薬的に許容可能な塩、誘導体、複合体、および、混合物から選択される、装置。
  6. 請求項1に記載の装置であって、
    水に対して不透過性の柔軟なポリマーを含む支持層をさらに備える、装置。
  7. 請求項6に記載の装置であって、
    前記第1および第2の導電性の電極が、前記支持層上に印刷されている、装置。
  8. 請求項7に記載の装置であって、
    前記第1および第2の導電性の電極を接続する導電性インクをさらに含む、装置。
  9. 請求項7に記載の装置であって、
    前記第1の導電性の電極が、銀/塩化銀インクを含み、
    前記第2の導電性の電極が、亜鉛インクを含む、装置。
  10. 請求項1に記載の装置であって、
    前記ハウジングが、前記バリア膜の解剖学的な表面の輪郭に適合するような形状および大きさを有する支持体を備える、装置。
  11. 請求項10に記載の装置であって、
    前記形状が、顔面用マスク、部分的な顔面用マスク、パッチ、傷被覆材、および包帯から成る群から選択される、装置。
  12. 請求項10に記載の装置において、
    前記支持体が、不織性または織性の支持体を含む、装置。
  13. 請求項1に記載の装置において、
    複数のガルバニ電池対を形成するように物理的に接触している、複数の第1の導電性の電極および複数の第2の導電性の電極を備える、装置。
  14. 請求項1に記載の装置を備えている顔面用マスク。
  15. 請求項1に記載の装置を備えている部分的な顔面用マスク。
  16. 請求項1に記載の装置を備えているパッチ。
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