JP5067108B2 - 着脱式シートパッドとその製造方法、及び着脱式シートパッドの着脱構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用シートの着座面に装着される着脱式のシートパッドとその製造方法、及び着脱式シートパッドを車両用シートへ着脱する構造に関する。
この種の車両用シートとして、例えば特許文献1がある。特許文献1のシートは、側面外周に溝を備えたパネル部材と、該パネル部材の上面に載置されるクッション材と、パネル部材及びクッション材を上方から被覆する表皮とから構成されている。表皮の外周縁には、該表皮の外周端部を折り返し縫着して形成された中空管状の紐通し部が全周に亘って形成されており、該中空部内に巾着紐が挿通されている。巾着紐の両端は紐通し部外へ延在している。そして、パネル部材上にクッション材を載置した状態で、巾着紐が挿通された表皮の外周縁部をパネル部材の溝内に挿入して係止し、紐部材を引き締めた状態でその延在部を結んだり固定部材で固定することで、シートに固定できるような構造となっている。なお特許文献1では、巾着紐の結び目もしくは固定部材がパネル部材の前面外方に露出しており、外観不良を避けるため余った巾着紐の延在部を切断したり、パネル部材の溝内へ押し込んだりして対応している。
また、車両用シート用ではないが、ベッドや椅子に載置するクッションパッドとして特許文献2もある。このクッションパッドは、袋織りにて単層部と中空袋状の重層部とを有する一枚織布からなる表皮を織製し、これの中空重層部内に予め所定形状に形成されたクッション材を挿入している。そして、重層部を複数個並列形成することによって形成される表面凹凸形状により、使用者にマッサージ効果や指圧効果を与えている。
特開2006−102336号公報 特開2000−342389号公報
特許文献1では、表皮とクッション材とが別体として形成されており、クッション材をパネル部材上に載置した状態でこれの上方から表皮を被せるので、装着作業が煩雑であると共に、表皮を被せて固定する際に、クッション材がパネル部材上で位置ズレして的確に装着できないおそれがある。紐通し部は、表皮の外周端部を折り返し縫着して形成しているので、そのための製造工程を必要とする。また、外観不良を避けるために余った巾着紐の延在部を切断した場合は、シートパッドをシートから取り外すために巾着紐を緩める作業が困難になる。固定部材をパネル部材の溝内へ押し込んだとしても、当該固定部材はパネル部材の前面に位置しているので目立ち、意匠性面での課題が残る。そもそも、切断作業や押し込み作業を必要とする点で、装着作業が煩雑である。
特許文献2のクッションパッドは、表皮を袋織りにて織製することで、複数の中空状重層部がそれぞれ単層部で繋がれた1部材として形成されているので、生産性やその取扱い性で有利である。しかし、特許文献2のクッションパッドは、中空重層部と同形状に形成されたクッション材を挿入しているので、その挿入作業が煩雑である。しかも、フレキシブルな(保形性のない)表皮に柔軟なクッション材を挿入するのは容易でなく苦労を要する。また、特許文献2のクッションパッドは載置面への係合手段をとくに設けておらず、単にベッドや椅子に載置して使用する物であることから、これを車両用シートに適用したとしても、着座者の姿勢変更や慣性重力(G)などによって容易に位置ズレしてしまい、車両用シートのシートパッドとしては適さない。
そこで本発明は、クッション部と紐通し部とを有する表皮を袋織りにて織製することで、生産性が高く、かつ着脱作業が容易なシートパッドとその製造方法、及びシートパッドの着脱構造を提供することを目的とする。
本発明は、表皮の外周縁に挿通された巾着紐を、車両用シートのパネル部材に掛け止めることで着脱自在なシートパッドに関し、その表皮には、内部にクッション材が配されるクッション部と、巾着紐が挿通される紐通し部とを有し、単層部と中空袋状の重層部とが一体連続する袋織りにて織製されて、クッション部と紐通し部とが重層部となっている。巾着紐は、クッション材の周りを所定幅寸法の単層部を介して囲んでいる。ここで袋織りとは、一枚の織り布中に表裏の経緯糸組織をそれぞれ平織りとして表組織と裏組織とが重なった重層部と、表裏の経緯糸組織を互いに織り込んで1つの組織となっている単層部とが連続的に混在する二重織り製法の1つである。重層部を囲むように単層部を織製することで、当該重層部は中空袋状となる。これを換言すれば、中空袋状の重層部の外周を単層部によって閉口していることになる。
クッション材は、表皮のクッション部内にクッション材原液を注入して内部発泡させることで、クッション部内に配される。紐通し部のコーナー部は、切り欠かれているとよい。
このシートパッドは、次のようにして製造される。まず、袋織りにて同一パターンの単層部と中空袋状の重層部とを連続して有する表皮原反を織製し、重層部によって、クッション材が配されるクッション部と、クッション部の周りを所定幅寸法の単層部を介して囲む紐通し部とを形成する。表皮原反とは、表皮の元となる一枚反物である。そして、表皮原反を各紐通し部を囲む所定形状で裁断して、一枚織布からなる表皮とし、表皮のクッション部内にクッション材を配すると共に、紐通し部に巾着紐を挿通する。
クッション材をクッション部内に配すには、表皮のクッション部に形成されたスリットからクッション材原液を注入して内部発泡させるとよい。このとき、クッション部のスリットから、該クッション部と同形状でスリットの形成された非透水性樹脂袋を挿入しておき、クッション部及び樹脂袋のスリットから、樹脂袋内にクッション材原液を注入する。
このようにして得られたシートパッドは、次のような構造によってシートに着脱される。車両用シートは、シートフレームと、該シートフレームの外側を覆うパネル部材と、シートフレームで囲まれる内部空間に水平状に架設されるワイヤ部材とを有し、パネル部材の外周面には、内側に凹み形成された溝が形成されている。そして、上記のシートパッドをシートに着脱するには、シートパッドのクッション部をワイヤ部材上に載置した状態で、シートパッドの巾着紐をパネル部材の溝内に挿入掛け止めてから、巾着紐の両端に設けられた係止部材をシートのワイヤ部材若しくはシートフレームに係止している。
このとき、紐通し部の両端部は、シートパッドをシートに装着した状態においてシートの根元側となる方向に延在している。そのうえで、巾着紐の係止部材を、シートの根元側で係止している。根元側とは、シートクッション、シートバック、及びヘッドレストなど、車両用シートの構成部材であってシートパッドを固定し得る各部材において、他の部材と重なる若しくは当接する方向側を意味する。具体的には、シートクッションにおいてはその後方側、シートバックやヘッドレストにおいてはその下方側が相当する。
本発明のシートパッドによれば、袋織りにて中空状に織製したクッション部内にクッション材を配して表皮とクッション材とが一体となっているので、クッション材が位置ズレするなどの問題もなくシートへの装着作業が容易である。また、クッション部のみならず巾着紐が挿通される紐通し部をも袋織りにて形成しているので、紐通し部を形成するための縫合作業を必要としない。クッション材は、クッション材原液をクッション部内で内部発泡させることで配されているので、所定形状に形成されたクッション材をフレキシブルな表皮のクッション部内へ挿入する煩わしさがない。
本発明のシートパッドの製造方法によれば、表皮を単層部と中空袋状の重層部とを有する袋織りにて織製しているので、一枚の表皮原反に同一パターンのクッション部と紐通し部とを有する表皮形状を複数連続して織製し、それを順次所定形状に裁断するだけで、一枚の表皮原反から複数枚の表皮を得ることができるので、生産性が高い。このとき、重層部の形成箇所や形状は自由に設計できるので、クッション部及び紐通し部の設計自由度も高い。
表皮は袋織りされた織物なので透水性を有する。したがって、そのままの状態でクッション部内にクッション材原液を注入すると、該クッション材原液が表皮から染み出してしまうおそれがある。そこで、クッション部内に非透水性の樹脂袋を配したうえでクッション材原液を注入すれば、クッション材原液が表皮から染み出すことがなく、確実に内部発泡させられる。樹脂袋がクッション部と同形状に形成されていれば、クッション部内に隙間などが形成されることがなく、クッション部内の全体に亘って均一に発泡させられる。
そして、シートパッドをシートに着脱するには、内部にクッション材が配されたシートパッドのクッション部をワイヤ部材上に載置した状態で、巾着紐をパネル部材の溝内に挿入掛け止めてから、巾着紐の両端に設けられた係止部材をシートに係止するだけでよいので、容易にシートパッドを着脱できる。このとき、巾着紐の両端部をシートの根元側に延在させて、巾着紐の係止部材をシートの根元側で係止すれば、シートパッドとパネル部材との固定部分が外部から視認できないので、意匠性が高い。
(実施例1)
以下に、適宜図面を参照しながら本発明の実施例ついて説明するが、これに限定されることはなく、本発明の要旨を変更しない範囲において種々の変更が可能である。図1〜4に、本発明に係るシートパッドを、車両用シート1のシートクッション2に装着されるクッションパッド10として適用した実施例1を示す。図1に、クッションパッド10とシートクッション2の分解斜視図を示す。図2に、表皮11を製造する際に織製される表皮原反30の平面図を示す。図3に、クッション部11aにクッション材を配す際の前処理として、クッション部11aに樹脂袋33を挿入する状態の製造途中段階のクッションパッド10の分解斜視図を示す。図4に、クッションパッド10をシートクッション2に装着した状態での溝部分を中心とした要部拡大図を示す。
図1及び図4に示されるように、本実施例1のシートパッド本体10は、車両用シート1のシートクッション2へ着脱自在なほぼ四角形のクッションパッドとして製造されており、ほぼ四角形に袋織りされた1枚織布からなる表皮11と、シートクッション2の上面全体に配されクッション性を担保する、ほぼ直方体状のクッション材12と、クッションパッド10をシートクッション2へ固定する巾着紐13とを一体的に有する。詳しくは、表皮11は、単層部と中空袋状の重層部とが一体連続して形成された袋織りにて織製されており、表皮11の平面方向中央部において大きく形成されたクッション部11aと、所定幅寸法の単層部11bを介して表皮11の全周を取り囲むように形成された紐通し部11cとを有する。クッション部11aと紐通し部11cは重層部となっており、クッション部11a内にクッション材12が充填され、紐通し部11cに巾着紐13が挿通されている。これによって、表皮11のクッション部11aが、そのままクッションパッド本体10のクッション部となり、巾着紐13がクッション材12の周りを所定幅寸法の単層部11bを介して囲んだ状態で、クッションパッド本体10が一体的に構成されている。なお、紐通し部11cの外周にも僅かな単層部が存在していることで、紐通し部11cは中空管状となっている。
表皮11の各コーナー部には、シートパッド本体10をシートクッション2に装着した際に表皮11に皺が発生することを回避するため、クッションパッド10の平面方向外方から内方に向けて、紐通し部11cを跨って単層部11bに至る切欠部11dが切り欠き形成されている。また、クッションパッド10の後方縁中央部にも、クッションパッド10の平面方向外方から内方に向けて、表皮11の紐通し部11cを跨って単層部11bに至る紐挿入部11eが切り欠き形成されており、当該紐挿入部11eから巾着紐13の両端部が紐通し部11cの外部に延在している。巾着紐13の両端には、係止部材としての樹脂製フック14が設けられている。表皮11は袋織りにて織製されていることで、単層部11bはクッション部11aの厚み方向中間部から一体連接している。
次に、クッションパッド本体10の製造方法について説明する。先ず、図2に示すように、クッション部11aとなる重層部と、紐通し部11cとなる重層部とが単層部11bを介して連続する同一パターンの形状が複数連続して形成された1枚の長寸な表皮原反30を織製する。表皮原反30は、ポリエステルなどの合成繊維によって織製できる。次いでこの表皮原反30を、図2の二点鎖線で示すように、各紐通し部11cを囲む所定形状の裁断線にて裁断することで、1枚の表皮原反30から複数枚の表皮11を得ることができる。このとき、各表皮11の四隅コーナー部とクッションパッド本体10の後方側となる中央部では、紐通し部11cを表皮原反30の平面方向で内外に跨いで単層部11bに至るように裁断することで、各切欠部11dと紐挿入部11eが形成される。このように、表皮原反30を裁断するとき、表皮11の各コーナー部分において紐通し部11cを内外に跨ぐように裁断していれば、各表皮11が得られたときには既に表皮11の各コーナー部に切欠部11dが形成されているので、表皮11を裁断した後にわざわざコーナー部を裁断する必要がなく、製造工程が少なく生産性が高い。1枚布からなる表皮11を裁断して得た後、クッション部11aの片面に所定寸法のスリット31を切り込み形成しておく。
次いで、図3に示すように、予めクッション部11aと同一形状に形成され、かつクッション部11aのスリット31と同寸法のスリット32が形成された樹脂製の袋33を、スリット31を介してクッション部11a内に詰め込む。このとき、樹脂袋33は、クッション部11a内にて拡げられていなくてもよい。なお、図3には形状を把握し易いように樹脂袋33とクッション部11aを拡がった状態で図示しているが、実際にはクッション部11aと樹脂袋33自体は保形性を有していない。樹脂袋33は、クッション材原液を透過させないようなものであれば特に限定されず、ポピプロピレンやポリエチレンなどの汎用樹脂からなっている。そして、クッション部11aのスリット31と樹脂袋33のスリット32とを位置合わせした状態で、両スリット31・32を介してクッション材12の原液を注入し、樹脂袋33内にて内部発泡させる。クッション材原液が内部発泡することで、クッション部11a内で樹脂袋33徐々に拡がっていき、最終的にクッション部11a内全体にクッション材12が均一に充填された状態となる。クッション材12としては、着座者に対して一定のクッション性(弾性)を担保し得るものであれば特に限定されることはなく、例えばポリウレタンフォームや、ポリプロピレンフォーム、ポリエチレンフォームなど、周知の発泡体を使用できる。本実施例1では、クッション材12をポリウレタンフォームとした。また、表皮11のスリット31及び樹脂袋33のスリット32は、クッション材原液を注入する際にノズルを挿入できるだけの大きさがあれば足り、クッション材原液の漏れを防ぐためにできるだけ短寸とすることが好ましい。
次いで、表皮11の外周縁にある紐通し部11c内に巾着紐13を挿通する。具体的には、クッションパッド10の後方縁に切り欠き形成された紐挿入部11eに望む一方の紐通し部11cの開口から、巾着紐13を紐通しなどを使用して表皮11の全周に亘って挿通し、紐挿入部11eに望む他方の開口から導出させる。巾着紐13は紐通し部11cの全長よりも長く、その両端部が紐通し部11cの外方へ所定寸法延在している。紐通し部11cに巾着紐13を挿通した後、巾着紐13の両端に樹脂製のフック14を取り付ける。フック14は、接着、インサート形成、結び付け、縫合など周知の方法によって巾着紐13に取り付ければよい。また、予め巾着紐13の両端にフック14を固定した状態で、巾着紐13を紐通し部11c内に挿通させることもできる。而して、シートパッド本体10が製造される。
このようにして得られたシートパッド本体10は、次のようにして車両用シート1のシートクッション2へ装着される。まず、図1に示されるように、シートクッション2は、シートクッション2の骨格を成すクッションフレーム20と、該クッションフレーム20の外側を覆うクッションシールド21と、クッションフレーム20で囲まれる内部空間に水平状に架設される複数本のフォームドワイヤ22とを有する。クッションフレーム20及びフォームドワイヤ22は金属製であり、それぞれ本発明のシートフレーム及びワイヤ部材に相当する。また、クッションシールド21は、例えばポリプロピレンやABS樹脂など一定の剛性を有する樹脂からなり、当該クッションシールド21が本発明のパネル部材に相当する。詳しくは、クッションフレーム20は、シートクッション2の前面を区画する前面パネル部20aと、シートクッション2の左右側面を区画するサイドフレーム部20bとからなる平面視コ字状を呈しており、前面パネル部20aと左右のサイドフレーム部20bとが繋がるコーナー部は丸みを帯びている。クッションフレーム20の後方部には、左右のサイドフレーム部20b間に亘ってリアフレーム23が架設されており、クッションフレーム20の前面パネル部20aとリアフレーム23との間に、ジグザグ状に折り曲げ形成されたフォームドワイヤ22が複数本架設されている。本実施例1のシートクッション2には、左右に4本のフォームドワイヤ22が並設されている。
クッションシールド21も、クッションフレーム20の外形に沿って平面視コ字状に形成されたパネル部材であって、クッションフレーム20と同様に左右のコーナー部が丸みを帯びている。そして、クッションシールド21の外周面には、外側から内側に向けて凹み形成された溝24を有し、この溝24は、クッションフレーム20の前面パネル部20aと、左右のサイドフレーム20bの上端から位置側に向けて突出形成されたフランジ20cの上方に設けられている。
そして、クッションパッド本体10をシートクッション2へ装着するには、図1に示すごとく巾着紐13の延在部がシートクッション2とシートバック3とが連結される根元側、すなわちシートクッション2の後方側にくる向きにおいて、図4に示されるように、クッションパッド本体10のクッション部11a(クッション材12)をクッションフレーム20で囲まれた空間内のフォームドワイヤ22上に載置する。なお、クッション部11aの外形(面積)は、クッションフレーム20の外形(クッションフレーム20で囲まれる部分の面積)と略同寸法に形成されている。したがって、クッションパッド本体10をシートクッション2上に載置したとき、クッション材12はクッションフレーム20内に圧入された状態となり、載置安定性が確保されている。この状態から、巾着紐13が挿通されたクッションパッド10の外周縁を溝24内に挿入掛け止める。このとき、クッション部11aと紐通し部11cとの間の単層部11bは、ファブリックベルトとして機能する。
クッションシールド21の上縁から溝24までの寸法は、クッション部11aの厚みの半分に設計されていることで、クッションパッド本体10をシートクッション2に載置したとき、クッションシールド21の上縁がクッション部11aと単層部11bとの連接部に臨んでいる。すなわち、シートパッド本体10のクッション部11aと紐通し部11cとの間にある単層部11bは、クッション部11aの厚み方向の中間部位にあり、クッションシールド21(パネル部材)の上縁から溝24までの寸法が、クッション部11aの厚みの半分に設計されている。これにより、クッション部11aの位置決めが容易であると共に、シートパッド本体10をシートクッション2に装着したときに、クッション部11aに余計な圧力が作用して皺がよったり歪な形状に変形するなどの問題なく、綺麗な装着状態を確保しながらクッションパッド本体10を安定して載置できる。
シートパッド本体10をシートクッション2に装着したとき、クッション部11aの外周縁から紐通し部11cの外周縁までの寸法、すなわち単層部11bと紐通し部11cとを合わせた幅寸法がクッションシールド21の上縁から溝24の奥面までの寸法より小さいと、巾着紐13の引き締め力によってクッション部11aがフォームドワイヤ22から浮いた状態となってしまい、クッション部11aが不安定となる。逆に、単層部11bと紐通し部11cとの幅寸法がクッションシールド21の上縁から溝24の奥面までの寸法より大きいと、単層部11bが緩んだ状態で装着されるので、見栄えが悪くクッション部11aも不安定となる。そこで本実施例1では、クッション部11aの外周縁(クッション部11aと単層部11bとの連接部分)から紐通し部11c(表皮11)の外周縁までの寸法、すなわち単層部11bと紐通し部11cとを合わせた幅寸法を、クッションシールド21の上縁から溝24の奥面までの寸法と略同等に設計している。これにより、巾着紐13の引き締め力によってクッション部11aがフォームドワイヤ22から浮いたり、単層部11bが緩むなどすることなく、単層部11bをクッションシールド21の外面に的確に沿わせた状態でクッションパッド本体10を安定して装着できる。さらに、クッションパッド本体10の各コーナー部に切欠部11dが形成されていることで、丸みを帯びたクッションシールド21のコーナー部において表皮11に皺が寄ることなく綺麗に装着できる。
巾着紐13、すなわちクッションパッド本体10の外周縁を溝24に掛け止めたら、巾着紐13を引き締めた状態で、図1に示すように巾着紐13の両端に固定されたフック14を、フォームドワイヤ22に係合する。これにより、クッションパッド本体10をシートクッション2へ固定できる。詳しくは、巾着紐13をクロスした状態で、フォームドワイヤ22における最後方のコーナー部にフック14を係止する。なお巾着紐13の長さは、該巾着紐13を緊張した状態でフック14(係止部材)をシート側に係止し得る長さに設計してある。具体的には、巾着紐13の長さは、ちょうど該巾着紐13を緊張した状態でフック14をフォームドワイヤ22の最後方コーナー部に係合し得るだけの長さに設計されている。これにより、クッションパッド本体10をシートクッション2へ固定した後に、余分な巾着紐13を切除したり、どこかへ押し込むなどの作業は不要となっている。また、巾着紐13をクロスさせた状態でフォームドワイヤ22のコーナー部へ係合すれば、安定した締結力を担保できる。そのうえ、フック14をシートクッション2がシートバック3と連結される根元側、すなわちシートクッション2の後方側に係合しているので、フック14の係合部はシートバック3で覆い被され、意匠性も良い。
シートクッション2からクッションパッド本体10を取り外すには、上記の装着方法と逆の手順により行えばよい。具体的には、両フック14をフォームドワイヤ22から取り外して巾着紐13を緩め、表皮11外周縁の紐通し部11c部分をクッションシールド21の溝24から取り外す。その状態から、クッション部11aを持ち上げてクッションシールド21から抜き出すことで、クッションパッド本体10をシートクッション2から脱離できる。
(実施例2)
図5に、本発明の実施例2を示す。本実施例2は、実施例1のクッションパッド本体10の製造方法、詳しくはクッション材原液を注入する工程の変形例であって、その他は実施例1と同じである。したがって、以下には実施例1と異なる点のみについて説明し、その他の点は同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
実施例2では、表皮11(クッションパッド本体10)のクッション部11a内にクッション材12を充填する際、表皮11の裏面に防水処理を施している。具体的には、図5(A)に示すごとく、表皮原反30を所定形状で裁断して得られた表皮11にスリット35を切り込み形成し、当該スリット35部分から表皮11を裏返す。ここでのスリット35は、実施例1での表皮11のスリット31よりも長寸に形成されており、表皮11を裏返すに十分な寸法で形成されている。表皮11を裏返したら、図5(B)に示すように、表皮11のクッション部11aの裏面に合成樹脂を噴霧などによって付与し、付与した合成樹脂を硬化させる。図5(B)には合成樹脂を噴霧する場合を図示しているが、塗布しても構わない。付与された合成樹脂が硬化すると、図5(C)に斜線で示すようにクッション部11aの裏面に樹脂層が形成され、若しくはクッション部11a部分に染み込んだ合成樹脂によって空隙が閉塞されることで、クッション部11aが防水処理され非透水性
の表皮11となる。クッション部11aの裏面に付与する合成樹脂としては、硬化することでクッション部11aが非透水性となるものであれば得に限定されることはなく、代表的にはエポキシ樹脂やフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を使用できる。そして、防水処理した表皮11を、図5(C)に示すようにスリット35部分から再度表皮11を表返したうえで、スリット35からクッション部11a内にクッション材原液を注入している。
(その他の変形例)
以上、本発明に係る着脱自在なシートパッドをクッションパッド10として適用した実施例について説明したが、その他にも図6に示すごとく、車両用シート1のシートバック3の着座面に着脱自在なバックパッド40や、ヘッドレスト4の前面に着脱自在なヘッドレストパッド45としても適用できる。シートパッドをバックパッド40やヘッドレストパッド45として適用する場合も、上記クッションパッド10と基本的構造及び着脱構造は同じである。すなわち、バックパッド40の場合は、バックボード41の外周面に凹み形成された溝42に、表皮の外周縁の紐通し部を掛け止めたうえで、巾着紐の両端に設けられたフックをバックフレームに係合して固定すればよい。このとき、巾着紐の延在部をバックパッド40の下方側に延在させた状態で配し、フックはシートクッション2と連結される根元側であるシートバック3の下方部に係合しておくとよい。ヘッドレストパッド45の場合も、ヘッドレストボード46の外周面に凹み形成された溝47に、表皮外周縁の紐通し部を掛け止めたうえで、巾着紐の両端に設けられたフックをヘッドレストボードなどに係合して固定すればよい。このときも、巾着紐の延在部をヘッドレストパッド45の下方側に延在させた状態で配し、フックはシートバック3と連結される根元側であるヘッドレスト4の下方部に係合しておくとよい。このように、本発明のシートパッドは車両用シートのクッション性を担保するために乗員と接触し得る各部位に適用可能である。したがって、クッション部11aの形状はシートパッドの配設位置によって異なり、それぞれに応じた形状に形成する。
フックは、フォームドワイヤに限らずシートフレームに係合させてもよい。これに応じて、巾着紐の長さも該巾着紐を緊張した状態で係止し得る長さに調整しておく。各コーナー部に切り欠き形成された切欠部は、クッション部の近傍にまで延ばすことができる。これによれば、より表皮の皺発生を回避できる。表皮の防水処理方法としては、表皮を裏返した後若しくは裏返さずに、樹脂溶液に表皮をそのまま含浸させてもよい。
クッションパッドとシートクッションの分解斜視図である。 表皮原反の平面図である。 実施例1のクッションパッドにクッション材を注入する前処理段階を示す分解斜視図である。 クッションパッドを装着した状態の要部拡大断面図である。 実施例2のクッションパッドにクッション材を注入する前処理段階を示す分解斜視図である。 車両用シートの斜視図である。
符号の説明
1 車両用シート
2 シートクッション
3 シートバック
4 ヘッドレスト
10 クッションパッド本体(シートパッド)
11 表皮
11a クッション部
11b 単層部
11c 紐通し部
11d 切欠部
11e 紐挿入部
12 クッション材
13 巾着紐
14 フック(係止部材)
20 クッションフレーム
21 クッションシールド(パネル部材)
22 フォームドワイヤ(ワイヤ部材)
24・42・47 溝
30 表皮原反
31・32・35 スリット
33 樹脂袋
40 バックパッド
41 バックボード
45 ヘッドレストパッド
46 ヘッドレストボード

Claims (6)

  1. 表皮の外周縁に挿通された巾着紐を、車両用シートのパネル部材に掛け止めることで着脱自在なシートパッドであって、
    前記表皮には、内部にクッション材が配されるクッション部と、前記巾着紐が挿通される紐通し部とを有し、
    前記表皮は、単層部と中空袋状の重層部とが一体連続する袋織りにて織製されて、前記クッション部と前記紐通し部とが前記重層部となっており、
    前記巾着紐は、前記クッション材の周りを所定幅寸法の前記単層部を介して囲んでいるシートパッド。
  2. 前記クッション材は、前記表皮のクッション部にクッション材原液を注入して内部発泡させることで配されている請求項1に記載のシートパッド。
  3. 袋織りにて同一パターンの単層部と中空袋状の重層部とを連続して有する表皮原反を織製し、
    前記重層部によって、クッション材が配されるクッション部と、前記クッション部の周りを所定幅寸法の前記単層部を介して囲む紐通し部とを形成し、
    前記表皮原反を、前記各紐通し部を囲む所定形状で裁断して一枚織布からなる表皮とし、
    前記表皮のクッション部内にクッション材を配すると共に、前記紐通し部に巾着紐を挿通するシートパッドの製造方法。
  4. 前記表皮のクッション部にはスリットが形成されており、
    前記クッション部のスリットから、該クッション部と同形状でスリットの形成された非透水性樹脂袋を挿入し、
    前記クッション部及び前記樹脂袋のスリットから、前記樹脂袋内にクッション材原液を注入して内部発泡させることで、前記クッション材を前記クッション部内に配す請求項3に記載のシートパッドの製造方法。
  5. 請求項1または請求項2に記載のシートパッドを車両用シートに着脱する構造であって、
    前記シートは、シートフレームと、該シートフレームの外側を覆うパネル部材と、前記シートフレームで囲まれる内部空間に水平状に架設されるワイヤ部材とを有し、
    前記パネル部材の外周面には、内側に凹み形成された溝が形成されており、
    前記巾着紐の両端には、係止部材が設けられており、
    前記シートパッドのクッション部を前記ワイヤ部材上に載置した状態で、前記シートパッドの巾着紐を前記溝内に挿入掛け止めてから、前記巾着紐の両端に設けられた係止部材を前記シートのワイヤ部材若しくはシートフレームに係止される、シートパッドの着脱構造。
  6. 前記紐通し部の両端部は、前記シートパッドをシートに装着した状態においてシートの根元側となる方向に延在しており、
    前記巾着紐の係止部材が、前記シートの根元側で係止される請求項5に記載のシートパッドの着脱構造。

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