JP5065177B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
雪上性能向上のためには表面摩擦力を向上させる必要があり、ゴムと雪の真実接触面積を向上させるために−20℃における動的弾性率の低いゴム(以下軟ゴム)を使用することが望ましいが、−20℃での動的弾性率の高いゴム(以下硬ゴム)に比べてブロック剛性が低下するため、ブロック変形によりゴムと雪の接触面積が減少し、効果的に雪上性能を向上させることが出来ない。
また、雪柱せん断力を向上させるためにはラグ溝幅を増加させる必要があるが、溝部面積を大とすると陸部面積が減少してしまい、表面摩擦力が低下してしまうため、パターン構成で効果的に雪上性能を向上させることが出来ない。
また、エッジ効果を向上させるためにはサイプを増加させる必要があるが、ラグ溝幅を広げつつサイプを増加させるとサイプ間隔が小さくなり過ぎてブロック剛性が低下してしまうため、エッジ先端部が過度に変形して雪を引っ掻く力が減少してしまい、効果的に雪上性能を向上させることが出来ない。
そして、本発明者は、鋭意検討の結果、トレッドゴムのゴム種を2種以上としてタイヤ幅方向に分割して配置することを考えた。更に、トレッドパターンを非対称パターンとすることを考え、実験を重ねて更に検討を加え、本発明を完成するに至った。
請求項1に記載の発明では、このように、タイヤ幅方向一方側のトレッド部分では、タイヤ幅方向他方側のトレッド部分に比べ、軟らかいゴムで構成させている。従って、タイヤ幅方向一方側のトレッド部分では、表面摩擦力が向上する。
また、請求項2に記載の発明では、旋回時には車両装着外側のトレッド部分の接地圧が上昇することを利用しており、車両装着外側のトレッド部分のラグ溝を車両装着内側に比べて広くすることにより雪柱せん断力を大きくして雪上加速性能を向上させている。そして、車両装着外側のトレッド部分を硬ゴムで構成させるとともにサイプを密にしているので、ラグ溝面積を大きくしてしかもサイプ密度を増大させたパターンにしてもブロック剛性を確保することが可能になり、エッジ先端部の変形を抑えて効果的にエッジ効果を生じさせることができる。
請求項3に記載の発明では、陸部面積を更に増加させることにより陸部と接地面との接触面積を更に増加させている。従って、接地面に対する表面摩擦力を更に増大させることができる。
上記の値(ラグ溝幅比)が1.1倍未満であると、ブロック剛性に優位な差を見い出せ難くなる。また、5.0倍を超えると、車両装着外側のトレッド部分においてサイプ間隔が小さくなり過ぎてブロック剛性が低下し、エッジ効果が低下して雪上加速性能が悪化し易い。
上記の値(動的弾性率比)が1.1倍未満であるとブロック剛性に優位な差を見出せ難くなる。また、20.0倍を超えると動的弾性率が低すぎてエッジ先端部の変形が増大し、エッジ効果が低下して雪上加速性能が悪化し易い。
まず、第1実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態に係る空気入りタイヤ10は乗用車用のスタッドレスタイヤ(冬用タイヤ)であり、両端部がそれぞれビードコア11で折り返された1層又は複数層で構成されるカーカス(例えばラジアルカーカス)12を備えている。
カーカス12のクラウン部12Cのタイヤ径方向外側には、複数枚(例えば2枚)のベルトプライが重ねられたベルト層14が埋設されている。
以下、本実施形態の作用、効果を説明する。
本実施形態では、車両装着内側のトレッド部分16Aの陸部、すなわち、外側ブロック列28及び内側リブ26では、ゴムが柔らかく、ラグ溝24Aの幅が狭く、サイプ密度が疎である。すなわち、ゴムが軟らかくても、ブロック剛性を維持または増大させることが出来る。従って、サイプ密度を減らすことによりブロック剛性の低下を抑制して接地面近傍のブロック変形を抑えつつ、軟らかいゴムを配置することにより表面摩擦力を効果的に発生させることができ、雪上制動性能(グリップ力)を効率良く向上させることができる。その上、ラグ溝24Aの幅が狭いので、外側ブロック列28を構成する各ブロック29のタイヤ周方向Uの長さがトレッド部分16Bのブロック31に比べて長くなり、ブロック剛性がより高められている。
これにより、トレッド部分16Aとトレッド部分16Bとで、ブロック剛性に優位な差を生じさせることができるとともに、エッジ効果が低下して雪上加速性能が悪化することを回避できる。
更には、周方向溝が形成されていないタイヤとすることも可能である。
また、本実施形態では、サイプ枚数でサイプ密度の高低を説明したが、サイプが分割され実質的なサイプ枚数評価が困難な場合では、前後方向のエッジ成分をもってサイプ密度を評価しても良い。
また、トレッドゴムの−20℃における動的弾性率の違いに応じてサイプエッジやブロックエッジのエッジ形状を変化させても良い。
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態に比べ、トレッド部の構成が異なる。
図5に示すように、車両装着内側とされるタイヤ赤道面CLから紙面左側のトレッド部分46Aは、第1実施形態とは逆に硬いゴム種で構成されている。そして、車両装着外側とされるタイヤ赤道面CLから紙面右側のトレッド部分46Bは、第1実施形態とは逆に軟らかいゴム種で構成されている。
車両装着外側のトレッド部分46Bには、周方向溝22及びラグ溝44Aによって、タイヤ赤道面CL側(タイヤセンター側)に形成された内側ブロック列50と、ショルダー側(トレッド端T側)に形成された外側ブロック列52とが配置されている。
本実施形態によっても、従来に比べ、雪動性能を向上させることができる。
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態、第2実施形態に比べ、トレッド部の構成が異なる。
図6に示すように、車両装着内側とされるタイヤ赤道面CLから紙面左側のトレッド部分66Aは、第1実施形態と同様に柔らかいゴム種で構成されている。そして、車両装着外側とされるタイヤ赤道面CLから紙面右側のトレッド部分66Bは硬いゴム種で構成されている。
車両装着外側のトレッド部分66Bには、周方向溝22及びラグ溝64Bによって、タイヤ赤道面CL側(タイヤセンター側)に形成された内側ブロック列70と、ショルダー側(トレッド端T側)に形成された外側ブロック列72とが配置されている。
本実施形態によっても、従来に比べ、雪動性能を向上させることができる。
本発明の効果を確かめるために、本発明者は、第1実施形態に係る空気入りタイヤの一例(以下、実施例1のタイヤ)、第2実施形態に係る空気入りタイヤの一例(以下、実施例2のタイヤという)、第3実施形態に係る空気入りタイヤの一例(以下、実施例3のタイヤという)、及び、従来の空気入りタイヤの一例(以下、従来例のタイヤという)を用意し、雪上で性能テストを行って加速性能、制動性能(ブレーキ性能)、及び、雪上操縦安定性を評価した。
また、サイプ深さhについては、実施例1〜3のタイヤ、従来例のタイヤとも全て6.6mmとした。従って、本試験例では、各タイヤのサイプ寸法が全て同じである。
なお、トレッド部に形成された周方向溝(主溝)の幅は、各タイヤで全て8mmとした。また、実施例1のタイヤでは、タイヤ周方向Uに隣り合うラグ溝24A同士の間隔Gを36mmとし、タイヤ周方向Uに隣り合うラグ溝24B同士の間隔Jも同じく36mmとした。
各タイヤのタイヤ条件を表1に示す。
また、制動性能については、速度40km/hからフルブレーキをかけて静止状態になるまでの制動距離を計測し、上記速度(40km/h)と制動距離とから平均減速度を算出した。
表1から判るように、実施例1〜3のタイヤの評価指数は、従来例のタイヤに比べて何れも高かった。
16A、B トレッド部分
24A、B ラグ溝
26 内側リブ(リブ)
36 サイプ
46A トレッド部分
46B トレッド部分
44A、B ラグ溝
56 サイプ
66A、B トレッド部分
64A、B ラグ溝
76 サイプ
96 サイプ
Claims (5)
- タイヤ幅方向一方側のトレッド部分では、タイヤ幅方向他方側のトレッド部分に比べ、軟らかいゴムで構成させるとともにラグ溝幅を狭くし、かつサイプ密度を疎とした、空気入りタイヤ。
- 車両に対する装着方向が指定されており、前記タイヤ幅方向一方側が車両装着内側に指定され、前記タイヤ幅方向他方側が車両装着外側に指定されている、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記タイヤ幅方向一方側のトレッド部分では、少なくとも1列のリブが形成されたトレッドパターンとされている、請求項2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記タイヤ幅方向他方側のトレッド部分では、前記タイヤ幅方向一方側のトレッド部分に比べ、ラグ溝幅が1.1〜5.0倍の範囲内で広い、請求項2又は3に記載の空気入りタイヤ。
- 前記タイヤ幅方向他方側のトレッド部分では、前記タイヤ幅方向一方側のトレッド部分に比べ、−20℃におけるゴムの動的弾性率が1.1〜20.0倍の範囲内で高い、請求項2〜4のうち何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
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