JP5064113B2 - 燈体における成膜方法および成膜装置 - Google Patents
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Description
また、このような燈体では、ハウジング部の内側の面に、反射面となる金属膜を成膜することで、光源の光量を増加したり広い照射範囲が確保することができ、このような燈体を中空体成型方法により成型する場合に、第一、第二金型の何れか一方に成膜装置を組み込んで、中空体成型方法による成型工程の過程に成膜工程を組み込むようにして、作業性の改善、歩留まりの向上、品質の向上等を図るようにする方法が既に提唱されている。
一方、このような燈体のレンズ部は透光性樹脂材で形成されているため、光源が非点灯状態にあるとき、レンズ部を透して光源を目視できることになるが、近年、光源を発光ダイオードにしたり、反射面が成膜されたハウジング部の内側面やレンズ部の色と異なる色の光源を用いることがあり、このような場合では、非点灯時にレンズ部から光源が透ける状態で目視できて(見えて)しまい、意匠的に劣るという問題があり改善が求められている。
請求項2の発明は、成膜装置は、一方の金型側が開口する開口部が形成されたターゲット室を備えて構成されるものとし、マスキング部材は、ターゲット室の開口部に設けられている請求項1に記載の燈体における成膜方法である。
請求項3の発明は、マスキング部材は、光源の先端部に外嵌する貫通孔を備えた円板体で構成されている請求項1または2に記載の燈体における成膜方法である。
請求項4の発明は、マスキング部材は、光源の先端部が貫通する筒孔を備え、該貫通した先端部3bよりも基端側部位を覆う筒状体で形成されている請求項1または2に記載の燈体における成膜方法である。
請求項5の発明は、一対の金型を用いた型移動を伴う一次の射出工程によりレンズ部とハウジング部とを成型し、一方の金型に支持され、光源の基端部が挿入固定されたるハウジング部を、他方の金型に設けられる成膜装置により成膜し、その後、レンズ部とハウジング部とを突き合わせ、二次の射出工程により一体化して燈体を成型するよう構成するにあたり、前記成膜装置は、一方の金型側が開口する開口部が形成されたターゲット室を備えて構成され、該ターゲット室に、光源の先端部に装着して基端側部位をマスキングするマスキング部材が設けられている燈体における成膜装置である。
請求項2、5の発明とすることにより、マスキング部材を別途組み込んだり、取り外したりする工程を省略できて、信頼性の高い燈体を作業性よく、短時間で成型できてコスト低下に寄与できる。
図面において、1は本発明の燈体に相当するサイドウインカーであって、該サイドウインカー1は、レンズ部2と、先端半球体状に形成されたアンバー色のバルブ3(光源であればよく、例えば発光ダイオードでも実施できる。)が組み込まれるハウジング部(本体部)4とを備えて構成されている。尚、3aはバルブ3から伸長する端子である。
そして、本発明が実施された第一、第二金型6、7を用いることで、中空体成型方法に基づくサイドウインカー1の成型過程で、ハウジング部4の内側面4aとバルブ3の先端部3bとにそれぞれ反射面5が成膜(形成)される。この場合に、固定側の第一金型6に成膜装置9が組み込まれるが、該成膜装置9は、後述するように、成膜方向の直進性が低減されてムラのない成膜ができる成膜手段であるマグネトロンスパッタリング装置9aを用い、バルブ3にマスキング部材10を装着した状態で成膜するように構成されており、これによって、ハウジング部4の内側面4aとバルブ3の先端部3bとの両者に反射面5をムラなく成膜できるように構成されている。
尚、金型の移動は相対的なものでよく、第一金型を可動、第二金型を移動させるように構成してもよく、また、第一、第二金型の両者を移動するように構成することもできる。さらに、金型の移動は、面に沿う方向の移動であれば直線方向の移動に限定されることはなく、軸を中心とする回転移動であってもよい。
一方、下方に位置する可動型である第二金型7には、右半部に位置してレンズ部2の内側面を成型するための第二凸型面7aが形成され、左半部に位置してハウジング部4外側面を成型するための第二凹型面7bが形成されている。
図2は、第一金型6と第二金型7とが離間して配設されているが、第一凹型面6aと第一凸型面6bに対し、第二凸型面7aと第二凹型面7bとが互いに対向する状態となっており、この状態から第二金型7を第一金型6側に移動して、第一凹型面6aと第一凸型面6bとに、第二金型7の第二凸型面7aと第二凹型面7bとを互いに突き合わせ状態とする。そして、前記状態において樹脂材を射出して、図3(A)に示すように、一次成型体としてのレンズ部2とハウジング部4とをそれぞれ成型する(一次の射出工程)。このとき、第一金型6に組み込まれた成膜装置9は、第二金型7の各型面7a、7bとは位置ズレした状態となっていて、マグネトロンスパッタリング装置9aが作動することはなく、しかも、マスキング部材10が第二金型に干渉することはないように構成されている。
そして、前記状態から、第二金型7を左方に移動し、図4(A)に示すように、第一金型6の成膜装置9に第二金型7に支持されているハウジング部4が対向する位置関係とする。この状態において、図4(B)に示すように、端子部材3aが組み込まれたバルブ3をハウジング部4に挿入組み込みして固定し、続いて、第二金型7を第一金型6に近接する方向に移動し、第一金型6のターゲット室11aの開口部11b下端面と第二金型7の第二凹型面7b上端面とを突き合わせる。この突き合わせ移動において、図5に示すように、ハウジング部4に組み込まれたバルブ3の先端部は、ターゲット室11aよりも僅かに第二金型7側に突出して設けられたマスキング部材10の貫通孔10aに自動的に貫通するように構成されており、これによって、マスキング部材10のバルブ先端部3bへの組み込み工程を省略できるように設定されている。前記マスキング部材10の組み込み状態になると、バルブ先端部3bが円板体10bよりもターゲット室11a側に位置し、外径側に延出するフランジ状の円板体10bがバルブ3の先端部3bよりも下方の部位である基端側部位3cをマスキングし、ターゲット14によるバルブ基端側部位3cの成膜を回避するように設定されている。
尚、マスキング部材10の脚片10dは、マスキング部材10をターゲット室11aに固定するための構成部材であるが、前述したように、周回り方向の幅が狭く形成されている。これによって、前記成膜装置9のターゲット室11aにハウジング部4を対向させた状態で成膜したとき、脚片10dがハウジング部内側面4aをマスキングしてしまうようなことはなく、ハウジング部内側面4aとバルブ先端部3bとをムラなく成膜できるように構成されている。
そして、前記状態から第二金型7を右方に移動させ、図6(A)に示すように、第一金型6に支持されている一次成型体としてのレンズ部2に対し、第二金型7に支持されている前記成膜が施された一次成型体としてのハウジング部4とを対向させる。さらに、図6(B)に示すように、第二金型7を第一金型6側に近接する方向に移動させ、これら第一、第二金型6、7同士を突き合わせてレンズ部2とハウジング部4とを突き合わせ状態とし、該突き合わせ部の外周縁部に、前述したように、樹脂材8を射出(二次の射出工程)することで、レンズ部2とハウジング部4とが一体化(接着)され、サイドウインカー1が成型される。因みに、二次の射出工程において、成膜装置9は、対向する第二金型7に干渉してしまうことがないように型設計されている。
このように成型されたサイドウインカー1は、第二金型7を第一金型6から離間させた状態で取り出されるが、この後、第二金型7を右方に移動させることにより、レンズ部2とハウジング4とを一次射出する状態となり、以降、この工程を繰り返すことにより、順次サイドウインカー1が成型されるように構成されている。
前記第二の実施の形態において、マスキング部材15以外の構成は前記第一の実施の形態と同様の構成であり、第一の実施の形態と同様の符号を付すことで構成の説明は省略する。ハウジング部4に組み込まれたバルブ3の先端部が貫通する貫通孔15aが中央に形成された円板体15bと、該円板体15bの外周縁部から上方に延出する支持片15cとにより構成されており、前記支持片15cを、マグネトロンスパッタリング装置9aのターゲット14に固定することにより、予め成膜装置9側に固定されるように構成されている。そして、第二の実施の形態においても、フランジ状の円板体15bによるバルブ基端側部位3cのマスキングを行なうことができ、しかも、マスキング部材15を、一次の射出工程から成膜工程への過程で組み込む作業、成膜工程から二次の射出工程への過程で取り外す作業を省略することができて、作業性よく信頼性の高いサイドウインカーを短時間で成型することができて、コスト低下に寄与できる。
2 レンズ部
2a 内側面
3 バルブ
3b 先端部
3c 基端側部位
4 ハウジング部
4a 内側面
5 反射面
6 第一金型
7 第二金型
9 成膜装置
9a マグネトロンスパッタリング装置
10 マスキング部材
10b 円板体
11a ターゲット室
Claims (5)
- 一対の金型を用いた型移動を伴う一次の射出工程によりレンズ部とハウジング部とを成型し、一方の金型に支持され、光源の基端部が挿入固定されたハウジング部を、他方の金型に設けられる成膜装置により成膜し、その後、レンズ部とハウジング部とを突き合わせ、二次の射出工程により一体化して燈体を成型するよう構成するにあたり、前記成膜装置による成膜工程では、光源の先端部をマスキング部材に貫通させ、該貫通した先端部よりも基端側部位をマスキングした状態で成膜するようにした燈体における成膜方法。
- 成膜装置は、一方の金型側が開口する開口部が形成されたターゲット室を備えて構成されるものとし、マスキング部材は、ターゲット室の開口部に設けられている請求項1に記載の燈体における成膜方法。
- マスキング部材は、光源の先端部に外嵌する貫通孔を備えた円板体で構成されている請求項1または2に記載の燈体における成膜方法。
- マスキング部材は、光源の先端部が貫通する筒孔を備え、該貫通した先端部3bよりも基端側部位を覆う筒状体で形成されている請求項1または2に記載の燈体における成膜方法。
- 一対の金型を用いた型移動を伴う一次の射出工程によりレンズ部とハウジング部とを成型し、一方の金型に支持され、光源の基端部が挿入固定されたるハウジング部を、他方の金型に設けられる成膜装置により成膜し、その後、レンズ部とハウジング部とを突き合わせ、二次の射出工程により一体化して燈体を成型するよう構成するにあたり、前記成膜装置は、一方の金型側が開口する開口部が形成されたターゲット室を備えて構成され、該ターゲット室に、光源の先端部に装着して基端側部位をマスキングするマスキング部材が設けられている燈体における成膜装置。
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