JP5139025B2 - 燈体における成膜方法および成膜装置 - Google Patents
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Description
また、このような燈体では、ハウジング部の内側の面に、反射面となる金属膜を成膜することで、光源の光量を増加したり広い照射範囲が確保することができ、このような燈体を前記中空体成型方法により成型する場合に、第一、第二金型の何れか一方に成膜装置を組み込んで、中空体成型方法による成型工程の過程に成膜工程を組み込むようにして、作業性の改善、歩留まりの向上、品質の向上等を図るようにする方法が既に提唱されている。
一方、このような燈体のレンズ部は透光性樹脂材で形成されているため、光源が非点灯状態にあるとき、レンズ部を透して光源を目視できることになるが、近年、光源を発光ダイオードにしたり、反射面が成膜されたハウジング部の内側面やレンズ部の色と異なる色の光源を用いることがあり、このような場合では、非点灯時にレンズ部から光源が透ける状態で目視できて(見えて)しまい、意匠的に劣るという問題があり改善が求められている。
請求項2の発明は、前記成膜装置は、一方の金型側が開口する開口部が形成されたターゲット室を備え、該ターゲット室には、前記マスキングするマスキング部材が設けられ、該マスキング部材は、枢支軸を支点として揺動自在に組み込まれ、前記ターゲット室の開口を塞ぐ倒伏姿勢と、ターゲット室の開口を開放状態にする起立姿勢とに揺動変姿するように構成したものであって、前記第一成膜工程は、マスキング部材を倒伏姿勢とすることで前記マスキングを施して、光源の先端部のみを成膜し、前記第二成膜工程は、マスキング部材を起立姿勢とすることで、ハウジング部の内側面と光源の先端部とを同時に成膜するように構成されている請求項1記載の燈体における成膜方法である。
請求項3の発明は、第一成膜工程は、第二成膜工程において成膜される金属材料とは異なる金属材料を用いて成膜するように構成されている請求項1または2に記載の燈体における成膜方法である。
請求項4の発明は、予め型成形されたレンズ部が保持される第一金型に反射膜を形成する成膜装置を設ける一方、第二金型に保持されるハウジング部に光源の基端部を挿入固定し、第一、第二金型の型移動に基づいて成膜装置をハウジング部に対向させて成膜し、その後、レンズ部とハウジング部との突き合わせ部に樹脂材を射出成形して燈体を形成するにあたり、前記成膜装置は、第二金型側が開口する開口部が形成されたターゲット室を備えた第一、第二成膜装置で構成され、該第一成膜装置は、前記光源がハウジング部に挿入固定された状態で該光源の基端部とハウジング部をマスキングするマスキング部材が設けられていて前記光源の先端部のみを成膜する第一成膜工程を行うように構成され、第二成膜装置は、ハウジング部の内側面と前記挿入固定された光源の先端部とを同時に成膜する第二成膜工程を行うように構成されている燈体における成膜装置である。
請求項5の発明は、マスキング部材は、ターゲット室の開口部に設けられている請求項4に記載の燈体における成膜装置である。
請求項6の発明は、マスキング部材は、光源の先端部が嵌入する円筒状部を備えたリング状平板体で構成されている請求項4または5に記載の燈体における成膜装置である。
請求項7の発明は、予め型成形されたレンズ部が保持される第一金型に反射膜を形成する成膜装置を設ける一方、第二金型に保持されるハウジング部に光源の基端部を挿入固定し、第一、第二金型の型移動に基づいて成膜装置をハウジング部に対向させて成膜し、その後、レンズ部とハウジング部との突き合わせ部に樹脂材を射出成形して燈体を形成するにあたり、前記成膜装置は、一方の金型側が開口する開口部が形成されたターゲット室を備え、該ターゲット室には、枢支軸を支点として揺動自在に組み込まれ、前記ターゲット室の開口を閉塞してハウジング部に挿入固定した光源の基端部とハウジング部とをマスキングする倒伏姿勢と、ターゲット室の開口を開放して前記マスキングをしない起立姿勢とに揺動変姿するマスキング部材が設けられたものとし、前記成膜装置は、マスキング部材を倒伏姿勢として成膜する第一成膜工程と起立姿勢として成膜する第二成膜工程とを行うように構成されている燈体における成膜装置である。
請求項3の発明とすることにより、バルブ先端部とハウジング部内側面との反射膜を膜厚以外にも異なるようにすることができて、意匠性に優れた燈体を提供することができる。
請求項4の発明とすることにより、光源先端部とハウジング部内側面とに膜厚の異なる反射膜を容易に形成することができる。
請求項5、6の発明とすることにより、マスキング部材の装着、脱落の操作を省略できて、作業時間の短縮を図れてコスト低下に寄与できる。
請求項7の発明とすることにより、燈体成型装置を小型化できるうえ、成型工程を簡略化できる。
図面において、1は本発明の燈体に相当するサイドウインカーであって、該サイドウインカー1は、レンズ部2と、先端半球体状に形成されたアンバー色のバルブ3(光源であればよく、例えば発光ダイオードでも実施できる。)が組み込まれるハウジング部(本体部)4とを備えて構成されている。尚、3aはバルブ3から伸長する端子である。
そして、本発明が実施された第一、第二金型6、7を用いることで、中空体成型方法に基づくサイドウインカー1の成型過程で、ハウジング部4の内側面4aとバルブ3の先端部3bとにそれぞれ膜厚の異なる反射膜5B、5Hを成膜(形成)することができるように構成されており、これによって、作業性よくサイドウインカー1を形成できるように設定されている。
尚、金型の移動は相対的なものでよく、第一金型を可動、第二金型を移動させるように構成してもよく、また、第一、第二金型の両者を移動するように構成することもできる。さらに、金型の移動は、面に沿う方向の移動であれば直線方向の移動に限定されることはなく、軸を中心とする回転移動であってもよい。
一方、下方に位置する可動型である第二金型7には、右半部に位置してレンズ部2の内側面を成型するための第二凸型面7aが形成され、左半部に位置してハウジング部4外側面を成型するための第二凹型面7bが形成されている。
尚、前記第一、第二マグネトロンスパッタリング装置9a、10aは汎用のもの装置を用いることができ、真空ポンプP、吸気路13、マグネット14、反射膜5B、5H(反射膜、金属膜)となるターゲット15(金属材料)、図示しない不活性ガス供給路等の各種部材装置を備えて構成されている。
また、本実施の形態では、第一、第二マグネトロンスパッタリング装置9a、10aのターゲット15は同様の金属が用いられているが、異なる金属を用いる構成としてもよい。
因みに、第一、第二成膜装置9、10に組み込まれる成膜手段としては、種々のスパッタリング装置、真空蒸着装置等による成膜手段等、適宜用いることができ、第一、第二成膜装置9、10で異なる成膜手段を用いるように構成することもできる。
図2は、第一金型6と第二金型7とが離間して配設されているが、まず、第一凹型面6aと第二凸型面7aとを対向させ、第一凸型面6bと第二凹型面7bとを対向させ、この状態から第二金型7を第一金型6側に移動して、第一凹型面6aと第二凸型面7a、第一凸型面6bと第二凹型面7bとをそれぞれ互いに突き合わせた状態とする。そして、前記状態において樹脂材を射出して、図3(A)に示すように、一次成型体としてのレンズ部2とハウジング部4とをそれぞれ成型する(一次の射出工程)。このとき、第一金型6に組み込まれた第一、第二成膜装置9、10は、第二金型7の各型面7a、7bとは位置ズレした状態となっていて第二金型7側に干渉することはなく、また、マグネトロンスパッタリング装置9a、10aが作動することはない。
そして、前記状態から、図4(A)に示すように、第二金型7を左方に移動して、第一金型6の第一成膜装置9に第二金型7に保持されているハウジング部4を対向させる位置関係とする。この状態において、端子部材3aが組み込まれたバルブ3をハウジング部4に挿入組み込みして固定し、続いて、本発明の第一成膜工程を実施するべく、第二金型7を第一金型6に近接する方向に移動し、図4(B)に示すように、第一金型6の第一ターゲット室11aの下端面11cと第二金型7の第二凹型面7bの上端面とを突き合わせる。この突き合わせ移動において、ハウジング部4に組み込まれたバルブ3の先端部3bは、第一ターゲット室11aに設けられたマスキング部材16の円筒状部16aに自動的に嵌入するように構成されており、これによって、マスキング部材16をバルブ3に組み込む工程を省略できるように構成されている。
尚、第一成膜工程において、第二成膜装置10と第二金型7の第二凸型面7aとは近接対向するが、互いに干渉することはないように設定されている。
前記第一成膜工程が終了すると、ハウジング部4が保持される第二金型7を第一金型6から離間する方向に移動させるが、このとき、バルブ3は、ハウジング部4とともに第一成膜装置9を構成する第一ターゲット室11aから下動することにより、マスキング部材16の円筒状部16aから自動的に抜け出すように構成され、これによって、マスキング部材16の取り外し工程を省略できるように構成されている。
ここで、第一、第二成膜工程における成膜時間は、必ずしも同じ時間にする必要はなく、バルブ先端部3bとハウジング部内側面4aとに必要な膜厚となるよう適宜設定することができる。
尚、第二成膜工程において、第一金型6の第一凸型面6bと第二金型7の第二凸型面7aとは近接対向するが、互いに干渉することはないように設定されている。
前記成型されたサイドウインカー1は、第二金型7を第一金型6から離間させた状態で取り出されるが、この後、第二金型7を右方に移動させることにより、レンズ部2とハウジング部4とを一次射出する状態となり、以降、この工程を繰り返すことにより、順次サイドウインカー1が成型されるように構成されている。
前記第二の実施の形態において、前記成膜装置17は、第一金型6に形成される凹部6cに設けられるケーシング18を備えて構成されている。前記ケーシング18には、第二金型7の第二凹型面7bに対向する大きさの開口部を備えた凹溝形状のターゲット室18aが形成されており、該ターゲット室18aに成膜手段であるマグネトロンスパッタリング装置17aが収容(内装)されている。尚、マグネトロンスパッタリング装置17aは、真空ポンプP、吸気路13、マグネット14、反射膜5B、5H(反射膜、金属膜)となるターゲット15、図示しない不活性ガス供給路等の各種部材装置を備えて構成されている。
しかも、この場合では、第一金型6に設けられる成膜装置17を一つにすることができてターンランプ2の成型装置を小型化できるうえ、第二金型7の移動回数を減らすことができるという利点を得ることができる。
2 レンズ部
2a 内側面
3 バルブ
3b 先端部
3c 基端側部位
4 ハウジング部
4a 内側面
5B 反射膜
5H 反射膜
6 第一金型
7 第二金型
9 第一成膜装置
9a 第一マグネトロンスパッタリング装置
10 第二成膜装置
10a 第二マグネトロンスパッタリング装置
11a 第一ターゲット室
16 マスキング部材
16a 円筒状部
16b リング状平板体
Claims (7)
- 予め型成形されたレンズ部が保持される第一金型に反射膜を形成する成膜装置を設ける一方、第二金型に保持されるハウジング部に光源の基端部を挿入固定し、第一、第二金型の型移動に基づいて成膜装置をハウジング部に対向させて成膜する成膜工程の後、レンズ部とハウジング部との突き合わせ部に樹脂材を射出成形して燈体を形成するにあたり、
前記成膜装置による成膜工程は、
前記光源がハウジング部に挿入固定された状態でハウジング部と光源基端部とをマスキングして光源の先端部のみを成膜する第一成膜工程と、
ハウジング部の内側面と前記挿入固定された光源の先端部とを同時に成膜する第二成膜工程とが設けられている燈体における成膜方法。 - 前記成膜装置は、一方の金型側が開口する開口部が形成されたターゲット室を備え、
該ターゲット室には、前記マスキングするマスキング部材が設けられ、
該マスキング部材は、枢支軸を支点として揺動自在に組み込まれ、前記ターゲット室の開口を塞ぐ倒伏姿勢と、ターゲット室の開口を開放状態にする起立姿勢とに揺動変姿するように構成したものであって、
前記第一成膜工程は、マスキング部材を倒伏姿勢とすることで前記マスキングを施して、光源の先端部のみを成膜し、
前記第二成膜工程は、マスキング部材を起立姿勢とすることで、ハウジング部の内側面と光源の先端部とを同時に成膜するように構成されている請求項1記載の燈体における成膜方法。 - 第一成膜工程は、第二成膜工程において成膜される金属材料とは異なる金属材料を用いて成膜するように構成されている請求項1または2に記載の燈体における成膜方法。
- 予め型成形されたレンズ部が保持される第一金型に反射膜を形成する成膜装置を設ける一方、第二金型に保持されるハウジング部に光源の基端部を挿入固定し、第一、第二金型の型移動に基づいて成膜装置をハウジング部に対向させて成膜し、その後、レンズ部とハウジング部との突き合わせ部に樹脂材を射出成形して燈体を形成するにあたり、
前記成膜装置は、第二金型側が開口する開口部が形成されたターゲット室を備えた第一、第二成膜装置で構成され、
該第一成膜装置は、前記光源がハウジング部に挿入固定された状態で該光源の基端部とハウジング部をマスキングするマスキング部材が設けられていて前記光源の先端部のみを成膜する第一成膜工程を行うように構成され、
第二成膜装置は、ハウジング部の内側面と前記挿入固定された光源の先端部とを同時に成膜する第二成膜工程を行うように構成されている燈体における成膜装置。 - マスキング部材は、ターゲット室の開口部に設けられている請求項4に記載の燈体における成膜装置。
- マスキング部材は、光源の先端部が嵌入する円筒状部を備えたリング状平板体で構成されている請求項4または5に記載の燈体における成膜装置。
- 予め型成形されたレンズ部が保持される第一金型に反射膜を形成する成膜装置を設ける一方、第二金型に保持されるハウジング部に光源の基端部を挿入固定し、第一、第二金型の型移動に基づいて成膜装置をハウジング部に対向させて成膜し、その後、レンズ部とハウジング部との突き合わせ部に樹脂材を射出成形して燈体を形成するにあたり、
前記成膜装置は、一方の金型側が開口する開口部が形成されたターゲット室を備え、
該ターゲット室には、枢支軸を支点として揺動自在に組み込まれ、前記ターゲット室の開口を閉塞してハウジング部に挿入固定した光源の基端部とハウジング部とをマスキングする倒伏姿勢と、ターゲット室の開口を開放して前記マスキングをしない起立姿勢とに揺動変姿するマスキング部材が設けられたものとし、
前記成膜装置は、マスキング部材を倒伏姿勢として成膜する第一成膜工程と起立姿勢として成膜する第二成膜工程とを行うように構成されている燈体における成膜装置。
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