JP4275517B2 - 車両用サンバイザにおける支軸の製造方法 - Google Patents
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また、長尺の金属製パイプと、その金属製パイプの全長にわたってその外周を覆うようにして形成された樹脂製外層軸体とを一体状に備えて支軸が構成されたものも知られている。
このような支軸において、その外周面の一部に、サンバイザ本体に内蔵の軸受け体に組み付けられたバネ部材に係脱可能に係合する係合面が形成されている。そして、バネ部材と係合面との係合力によってサンバイザ本体を車室の天井部に沿う格納位置に保持するようになっている。
また、支軸の軸回りにサンバイザ本体を回動操作するときには、バネ部材と支軸の外周面との間に生じる摩擦力によって、サンバイザ本体が所定の操作力において回動操作可能とされ、日除けと機能する遮光位置に配置されたときにはその位置にサンバイザ本体を保持するようになっているのが一般的であった。
このため、樹脂製支軸あるいは樹脂製外層軸体を有する支軸は、バネ部材との接触部、特に、係合面のエッジ部分が摩耗されやすく耐久性に問題点があった。
樹脂製支軸あるいは樹脂製外層軸体を有する支軸の係合面のエッジ部分の摩耗を低減するために、支軸の軸回りの所定角度位置に係合面を有する金属板を埋め込んで支軸を構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
そして、一方に成形型の位置決め保持部に対し金属板を位置決めしてセットした後、一対の成形型を型締めし、これら一対の成形型内に合成樹脂材料を充填することで支軸を製造する必要がある。
一方、支軸の軸回りに対する係止面の角度は車種毎に異なる。
このため、軸回りに対する係止面の角度位置が異なる複数の支軸を製造する場合には、異なる支軸に対応する成形型をそれぞれ個別に製作しなければならず、成形型の制作費が多大となる。
前記係合面を有する短尺の金属製外層体を準備し、
前記金属製パイプの外周面の所定角度位置に前記金属製外層体の係合面を位置合わせして同金属製外層体を前記金属製パイプの外周面に固着し、
その後、前記金属製外層体を固着した金属製パイプを成形型内に位置決めしてセットしてから、前記成形型内に樹脂材料を充填して前記金属製パイプの外周を覆うようにして樹脂製外層軸体を形成することで支軸を製造することを特徴とする。
この結果、軸回りに対する係止面の角度位置が異なる複数の支軸を共通の成形型を用いて容易に製造することができる。
金属製パイプの外周面に金属製外層体をスポット溶接によって固着することを特徴とする。
したがって、スポット溶接によって金属製パイプの外周面に金属製外層体を容易にかつ確実に固着することができ、金属製パイプの外周面に対し金属製外層体が位置ずれしたり、外れる不具合を防止することができ、生産性の向上を図ることができる。
金属製外層体は、金属製パイプの外周に嵌合する嵌合部を有する横断面略筒状又は略円弧状に形成されていることを特徴とする。
したがって、金属製パイプの外周に金属製外層体をその嵌合部において嵌合した状態で固着することができ、金属製外層体の固着作業が容易となる。
また、サンバイザ本体11の一角部近傍には軸受け体12が内設され、その軸受け体12には中央部の切欠部15を隔てて左右の軸受け部13が形成されている。軸受け体12の切欠部15には、横断面略逆U字状をなすバネ部材20が組み付けられている。
また、弾性筒部21には次に述べる支軸30の横軸部32が回動可能に嵌挿されかつ横軸部32の外周面に弾性的圧接して所望とする操作トルクを得るとともに、その弾性筒部21の所定位置には、支軸30の横軸部32に形成された係合面41と弾性的に係合してサンバイザ本体11を車室の天井部に沿う格納位置に保持するための係合部23が形成されている。
そして、横軸部32がサンバイザ本体11の軸受け体12の軸受け部13及びバネ部材20の弾性筒部21に嵌挿される。これによって、サンバイザ本体11は、横軸部32の軸回りに回動操作されることで車室天井部に沿う格納位置と日除けとして機能する遮光位置とに配置切換されるようになっている。
そして、金属製パイプ35の外周面が樹脂製外層軸体36によって覆われることで支軸30が形成されている。
また、支軸30の横軸部32において、バネ部材20の弾性筒部21に対応する軸部分は短尺の金属製外層体40によって形成されて耐久性の向上が図られている。
まず、図4と図5に示すように、係合面41を有する略円筒状の金属製外層体40を準備し、次に、金属製外層体40を金属製パイプ35の所定位置まで嵌挿するとともに、その係合面41を金属製パイプ35の外周面の所定角度位置に位置合わせしてスポット溶接45によって金属製パイプ35の外周面に固着する。
すなわち、横軸部32の軸回りに対する係合面41の角度位置は、車種が異なるとそれに対応して横軸部32の軸回りに対する係合面41の角度位置が異なるため、所要とする車種に応じて、金属製外層体40の係合面41を金属製パイプ35の外周面の所定角度位置に位置合わせして固着する(図5の実線及び鎖線参照)。
その後、一対の成形型60、61のキャビティ65内に樹脂材料(合成樹脂材料)を充填することで、金属製外層体40の部分を除く金属製パイプ35の全外周を覆うようにして樹脂製外層軸体36が形成される(図3参照)。
なお、図1と図3に示すように、支軸30の縦軸部31の先端部における樹脂製外層軸体36の外周面には、ブラケット50のボス部52の係止爪54に係合する環状の係止溝39が樹脂製外層軸体36の射出成形と同時に形成される。
このため、支軸30の横軸部32の軸回りに対する係止面41の角度位置が異なる複数の支軸を共通の成形型60、61を用いて容易に製造することができる。
また、金属製パイプ35の外周に横断面略円筒状をなす金属製外層体40をその中心孔(嵌合部)において嵌合した状態でスポット溶接45によって固着することができ、金属製外層体40のスポット溶接(固着)45の作業が容易となる。
例えば、前記実施例1においては、金属製外層体40が金属製パイプ35の外周に嵌合する中心孔(嵌合部)を有する横断面略円筒状に形成される場合を例示したが、図8に示すように、外周面の所定位置に面取り状の係合面141が形成された金属製外層体140を、金属製パイプ35の外周に嵌合する略円弧状の嵌合部を有する横断面略円弧状に形成してもこの発明を実施することができる。
また、金属製パイプ35の外周に対し、金属製外層体40(140)を金属接着剤を用いて固着してもよく、カシメによって固着してもよい。
12 軸受け体
20 バネ部材
21 弾性筒部
30 支軸
31 縦軸部
32 横軸部
35 金属製パイプ
36 樹脂製外層軸体
40 金属製外層体
41 係合面
60、61 一対の成形型
Claims (3)
- サンバイザ本体の内部に設けられたバネ部材に対応する係合面を有しかつ中心部に長尺の金属製パイプが内設された支軸を製造する車両用サンバイザにおける支軸の製造方法であって、
前記係合面を有する短尺の金属製外層体を準備し、
前記金属製パイプの外周面の所定角度位置に前記金属製外層体の係合面を位置合わせして同金属製外層体を前記金属製パイプの外周面に固着し、
その後、前記金属製外層体を固着した金属製パイプを成形型内に位置決めしてセットしてから、前記成形型内に樹脂材料を充填して前記金属製パイプの外周を覆うようにして樹脂製外層軸体を形成することで支軸を製造することを特徴とする車両用サンバイザにおける支軸の製造方法。 - 請求項1に記載の車両用サンバイザにおける支軸の製造方法であって、
金属製パイプの外周面に金属製外層体をスポット溶接によって固着することを特徴とする車両用サンバイザにおける支軸の製造方法。 - 請求項1又は2に記載の車両用サンバイザにおける支軸の製造方法であって、
金属製外層体は、金属製パイプの外周に嵌合する嵌合部を有する横断面略筒状又は略円弧状に形成されていることを特徴とする車両用サンバイザにおける支軸の製造方法。
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