JP4177349B2 - 車両用サンバイザとその製造方法 - Google Patents
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Description
また、車両用サンバイザにおいて、サンバイザ本体を、支軸の横軸部の軸回りに安定よく回動操作するために、サンバイザ本体の自由端寄り部分には、支軸の横軸部と同一中心線上においてサポート軸が設けられる一方、そのサポート軸を係脱並びに回動可能に支持するためのフック部を備えたサポートホルダが車室の天井部の所定位置に装着されるようになっているのが一般的である。
この種の車両用サンバイザにおいて、サポート軸は、サンバイザ本体に設けられた芯軸体と、その芯軸体の外周面を覆うようにして設けられた筒軸体と、を備えて構成されている。
また、筒軸体は、略半分割されて形成されかつ相互の分割面において合掌状に合わせられる一対の半筒体によって構成され、これら一対の半筒体の分割面には、溶着用凹部と溶着用凸部とが交互に形成されている。
そして、サンバイザ本体の芯軸体に対し、一対の半筒体が被せられ、その相互の溶着用凹部と溶着用凸部とが超音波溶着されて合掌状に接合されることで、サポート軸が構成される構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このため、サポートホルダや一対の半筒体の製作や組付のバラツキ等によって、サポートホルダのフック部に対しサポート軸を嵌込むことが困難となったり、あるいは、サポートホルダのフック部を弾性的に拡開させながらサポート軸を強制的に嵌込んだときにはサポートホルダの弾発力によって異音が発生したり、あるいは、サポートホルダのフック部とサポート軸との間に隙間が発生してガタツク場合がある。
また、一対の半筒体を超音波溶着装置の受け台上にセットして超音波溶着する際、一対の半筒体が不測に回動し、これが原因となって溶着不良をまねき、その溶着部分から破損される場合がある。
また、一対の半筒体が相互に位置ずれして溶着される場合もあり、サポート軸を精度よく形成することができない場合もある。
さらに、一対の半筒体を溶着してときの溶融樹脂の一部が外周面にはみ出してバリが発生する場合があり、そのバリ取り作業が厄介であった。
前記サポート軸は、前記サンバイザ本体に設けられた芯軸体と、その芯軸体の外周面を覆うようにして設けられた筒軸体と、を備え、
前記筒軸体は、略半分割されて形成されかつ相互の分割面において合掌状に合わせられる一対の半筒体と、
前記一対の半筒体の外周面に沿って環状に設けられかつこれら一対の半筒体を結合する環状結合体と、を有し、
前記一対の半筒体は、硬質合成樹脂材によって形成され、
前記環状結合体は、弾性圧縮可能な軟質合成樹脂材、ゴム材等の弾性体より形成され、
自由状態における前記環状結合体の外径寸法をD1、前記サポートホルダのフック部の開口寸法をD3及び前記フック部の内径寸法をD2としたときに、D1≧D2>D3の関係となるように設定されていることを特徴とする。
環状結合体の軸方向の略中央部の外周には、その両側部よりも厚肉の弾性変形部が形成されていることを特徴とする。
一対の半筒体の分割面には、相互に嵌合してこれら一対の半筒体を円筒状に位置決めする位置決め凹部と位置決め凸部とがそれぞれ形成されていることを特徴とする。
一対の半筒体は、その分割面の一側縁が薄肉ヒンジによって一体に結合された状態で開閉可能に形成されていることを特徴とする。
芯軸体と、前記芯軸体の外周面を覆うようにして設けられる筒軸体を構成する一対の半筒体とを準備し、
前記芯軸体の外周に対し、前記一対の半筒体を、その相互の分割面において合掌状に合わせた状態で成形型内にセットし、これによって前記一対の半筒体の外周面と前記成形型の成形面との間に、前記サポートホルダのフック部の開口寸法よりも大きくかつフック部の内径寸法と略同じ大きさの外径寸法を有する環状結合体に対応するキャビティを形成し、
その後、前記キャビティに弾性体材料を充填して環状結合体を形成すると同時に、その環状結合体によって前記一対の半筒体を一体状に結合することでサポート軸を形成することを特徴とする。
また、この発明に係る車両用サンバイザの製造方法によれば、請求項1に記載の車両用サンバイザを容易に製造することができる。
支軸15は、縦軸部16と横軸部17とを備えて略L字状に形成され、その縦軸部16が、車室天井部の前側隅部にビス25等によって取り付けられた取付ブラケット11のボス部に回動可能に嵌挿されて装着されるようになっている。
日除けとして機構するサンバイザ本体40は、そのコア部(芯体)が合成樹脂材のブロー成形、射出成形等によって中空状に成形されたり、あるいは、環状のワイヤフレームが内設された発泡体等によって形成され、そのコア部の外周面が表皮42によって被覆されることで構成されている。
また、サンバイザ本体40は、その上部の一隅角部に内設された軸受け部において支軸15の横軸部17が回動可能に嵌挿される。そして、サンバイザ本体40は、支軸15の横軸部17の軸回りに回動操作されることで車室の天井部に沿う格納位置と日除けとして機能する遮光位置とに配置切換可能になっている。
一方、サポート軸50を係脱並びに回動可能に掛け止め支持するためのフック部21を備えたサポートホルダ20は、ビス等によって車室の天井部の所定位置に装着される。
また、サポート軸50のフック部21は一側が開口された略C字状に形成され、その開口部の上側に抜け止め用の突部23が形成されている。
一対の半筒体60は、硬質の合成樹脂材による射出成形によって形成され、その分割面の中心線上には、芯軸体51の外径寸法に対応する孔径寸法の中心孔53を形成する半円孔が形成されるとともに、その半円孔の両端部において、表皮42の芯軸被部43を覆い隠すための若干大径の表皮包囲孔部54を形成する半円孔部が形成されている。
また、一対の半筒体60の分割面には、相互に嵌合してこれら一対の半筒体60を円筒状に位置決めする複数又は単数の位置決め凹部62と位置決め凸部63とがそれぞれ形成されている。
また、一対の半筒体60の外周面の軸方向中央部には、環状結合体70を設けるために外径寸法が小さくされた成形凹部65が形成されている。
また、環状結合体70の軸方向の略中央部の外周には、その両側部よりも厚肉の弾性変形部71が縦断面略円弧状に形成されている。
そして、図5に示すように、環状結合体70は、その厚肉の弾性変形部71が自由状態にあるときに、その弾性変形部71の外径寸法D1がサポートホルダ20のフック部21の開口寸法D3よりも適宜に大きくかつフック部21の内径寸法D2と略同じ大きさあるいは若干大きく設定されている。
すなわち、環状結合体70の弾性変形部71の外径寸法D1、フック部21の開口寸法D3及びフック部21の内径寸法D2は、D1≧D2>D3の関係となるように設定されている。
この際、一対の半筒体60の分割面に形成された位置決め凹部62と位置決め凸部63とが相互に嵌合され、その嵌合作用によって、一対の半筒体60を円筒状に位置決めされ、これら一対の半筒体60の軸方向並びに半径方向の相対的な移動が阻止される。
そして、前記したように一対の半筒体60を、その相互の分割面において合掌状に合わせた状態で、型開き状態にある一対の成形型80内にセットした後、これら一対の成形型80を型締めする。
これによって、図7に示すように、一対の半筒体60の外周面の成形凹部65と成形型80の成形面81との間に、環状結合体70に対応するキャビティ82を形成する。
その後、キャビティ82に弾性体材料を充填して環状結合体70を形成すると同時に、その環状結合体70によって一対の半筒体60を一体状に結合することで筒軸体52を形成するとともにサポート軸50を形成する。
その後、一対の成形型80が型開きされ、サポート軸50が脱型される。
この結果、サポートホルダ20のフック部21に対するサポート軸50の嵌込みをより一層円滑化することができる。
また、この実施例1において、一対の半筒体60の分割面にそれぞれ形成された位置決め凹部62と位置決め凸部63との嵌合作用によって一対の半筒体60を円筒状に位置決めすることができる。そして、円筒状に位置決めされた一対の半筒体60の外周面に環状結合体70を設けることで、一対の半筒体60よりなる筒軸体52を円筒状の精度よく形成することができ、ひいてはサポート軸50を精度よく形成することができる。
この実施例2においては、合成樹脂材の射出成形によって一対の半筒体60が、その分割面の一側縁が薄肉ヒンジ61によって一体に結合された状態で開閉可能に形成されている。
この実施例2のその他の構成は前記実施例1と同様にして構成されるため、同一構成部分に対し同一符号を付記してその説明は省略する。
したがって、この実施例2においては、一対の半筒体60を、その薄肉ヒンジ61において結合された状態で射出成形によって一体に形成することができ、その分だけ部品点数を削減してコスト低減を図ることが可能となる。
また、一対の半筒体60の外周面には、前記実施例1と同様にして環状結合体(図示しない)が形成され、これによってサポート軸を形成することはいうまでもない。
例えば、前記実施例1及び2においては、サンバイザ本体40が、コア体の全表面が表皮42によって被覆されることで構成される場合を例示したが、表皮のない成形体によってサンバイザ本体が形成される場合においてもこの発明を適用することができる。
また、前記実施例1及び2においては、サンバイザ本体40の所定位置にサポート軸50の芯軸体51が一体状に形成される場合を例示したが、芯軸体51、一対の半筒体60より形成される筒軸体52及び環状結合体70を備えたサポート軸50をサンバイザ本体とは別個に成した後、サンバイザ本体の所定位置に組み付ける構成にすることも可能である。
15 支軸
17 横軸部
20 サポートホルダ
21 フック部
40 サンバイザ本体
50 サポート軸
51 芯軸体
52 筒軸体
60 半筒体
70 環状結合体
71 弾性変形部
Claims (5)
- 車室の天井部に装着されるサポートホルダのフック部に対しその開口部から嵌込まれて係脱可能に掛け止めされるサポート軸がサンバイザ本体の所定位置に設けられた車両用サンバイザであって、
前記サポート軸は、前記サンバイザ本体に設けられた芯軸体と、その芯軸体の外周面を覆うようにして設けられた筒軸体と、を備え、
前記筒軸体は、略半分割されて形成されかつ相互の分割面において合掌状に合わせられる一対の半筒体と、
前記一対の半筒体の外周面に沿って環状に設けられかつこれら一対の半筒体を結合する環状結合体と、を有し、
前記一対の半筒体は、硬質合成樹脂材によって形成され、
前記環状結合体は、弾性圧縮可能な軟質合成樹脂材、ゴム材等の弾性体より形成され、
自由状態における前記環状結合体の外径寸法をD1、前記サポートホルダのフック部の開口寸法をD3及び前記フック部の内径寸法をD2としたときに、D1≧D2>D3の関係となるように設定されていることを特徴とする車両用サンバイザ。 - 請求項1に記載の車両用サンバイザであって、
環状結合体の軸方向の略中央部の外周には、その両側部よりも厚肉の弾性変形部が形成されていることを特徴とする車両用サンバイザ。 - 請求項1又は2に記載の車両用サンバイザであって、
一対の半筒体の分割面には、相互に嵌合してこれら一対の半筒体を円筒状に位置決めする位置決め凹部と位置決め凸部とがそれぞれ形成されていることを特徴とする車両用サンバイザ。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用サンバイザであって、
一対の半筒体は、その分割面の一側縁が薄肉ヒンジによって一体に結合された状態で開閉可能に形成されていることを特徴とする車両用サンバイザ。 - 車室の天井部に装着されるサポートホルダのフック部に対しその開口部から嵌込まれて係脱可能に掛け止めされるサポート軸がサンバイザ本体の所定位置に設けられた車両用サンバイザを製造する方法であって、
芯軸体と、前記芯軸体の外周面を覆うようにして設けられる筒軸体を構成する一対の半筒体とを準備し、
前記芯軸体の外周に対し、前記一対の半筒体を、その相互の分割面において合掌状に合わせた状態で成形型内にセットし、これによって前記一対の半筒体の外周面と前記成形型の成形面との間に、前記サポートホルダのフック部の開口寸法よりも大きくかつフック部の内径寸法と略同じ大きさの外径寸法を有する環状結合体に対応するキャビティを形成し、
その後、前記キャビティに弾性体材料を充填して環状結合体を形成すると同時に、その環状結合体によって前記一対の半筒体を一体状に結合することでサポート軸を形成することを特徴とする車両用サンバイザの製造方法。
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