JP5063875B2 - 光半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光信号を電気信号に変換する受光素子を内蔵した光半導体装置及びその製造方法に関する。
受光素子は、光信号を電気信号に変換する素子であり、制御用センサー等に用いられる。具体的には、DVD(Digital Versatile Disk)及びCD(Compact Disk)等の光ディスク上に記録されている信号を読み書きする光ピックアップ装置等にも搭載されている。
近年、特にデータの記憶容量の増大及び転送レートの上昇に伴い、光ピックアップに用いられる受光素子にも高受光感度化、低ノイズ化及び高速化が望まれている。
また、情報の再生及び記録に用いられるレーザ光に関し、光ディスクの高密度化に伴って短波長化が進んでいる。例えば、CD用としては波長780nmの赤外レーザが、DVD用としては波長650nmの赤色レーザが用いられてきたが、今後、高密度DVD用のレーザとしては波長405nm程度の青色レーザが利用されるよう開発が進められている。
しかしながら、レーザの短波長化に伴い、受光素子の受光感度は低下する方向にある。これは、受光素子のシリコン中に光が100%吸収され、且つ全て光電変換されるとした場合、受光感度Sは、S=qλ/hc の式で示され、入射光の波長に比例するためである。ここで、q:電子一個当たりの電荷量、λ:入射光(レーザ光)の波長、h:プランク定数、c:光の速度である。
特に近年では、ノイズの低減及びサイズ縮小の観点から、同一の半導体基板上に各波長の入射光に適した複数の受光素子を搭載・集積化した光ピックアップ装置が要求されている。
従来、受光感度を向上するために、受光素子表面における入射光の反射率を低減することを目的として、受光素子の表面には酸化膜及び窒化膜等の絶縁膜による反射防止膜を形成する方法が一般的に用いられる(例えば、特許文献1を参照)。
(従来の技術1)
以下、受光素子表面に反射防止膜が形成された従来の光半導体装置の例について図面を参照しながら説明する。
図14は、受光部拡散層上に反射防止を目的とする反射防止膜を形成した受光素子の断面を示す図である。
光半導体装置としてのフォトダイオード11は、N- 型のSi基板12を用いて形成されている。Si基板12上に受光部としてP+ 型拡散層13が不純物拡散によって形成され、P+ 型拡散層13上に反射防止膜14が形成されている。
Si基板12上に、反射防止膜14と隣接して受光部電極部15が設けられていると共に、受光部電極部15と離れて基板電極部16が設けられている。受光部電極部15は、P+ 型の受光部電極拡散部17を介して受光部拡散部13と電気的に接続されている。また、基板電極部16は、N+ 型の基板電極拡散部18を介してSi基板12と電気的に接続されている。
また、反射防止膜14は、受光部拡散部13上に形成されたシリコン酸化膜19と、シリコン酸化膜19上に形成されたシリコン窒化膜20とからなる積層構造を有している。
このように、P+ 型拡散層12(受光部)上に反射防止膜14を形成することにより、P+ 型拡散層12の表面における光の反射率を0%に近付ける、言い換えると、光がSi基板12中に吸収される割合を100%に近付ける。この結果、受光部の外部における光の損失を低減し、光を効率良く受光部に吸収して利用することができる。つまり、入射光に対する感度が向上する。
以上のような従来の技術1によると、シリコン酸化膜19の膜厚を50〜90nmとし且つシリコン窒化膜20の膜厚を80〜100nmとすると、i線(λ=365nm)の短波長光に対して最大で94%程度の透過率を得ている。
しかし、入射光の反射率が最小となる(透過率が最大となる)ような反射防止膜の構成及び膜厚は、入射光の波長によって異なる。このため、従来の技術1を用いて複数の波長に対応する光ピックアップ装置を形成するためには、それぞれの波長の入射光に適した受光素子を備えるOEIC(Opto-Electronic Integrated Circuit:光電子集積回路)をハイブリッドに搭載する等の方法と取らなければならない。例えば、DVD用の波長650nmの入射光に適した受光素子を備えるOEICと、高密度DVD用の波長405nmの入射光に適した受光素子を備えるOEICとの2種類を搭載する。しかし、このことは、装置の小型化を妨げる。
そこで、1チップで複数の波長の入射光に対応可能な光ピックアップ装置を形成する技術が提案されている。このような従来技術として、特許文献2に掲載されている技術を説明する。
(従来の技術2)
以下に、受光するレーザ光の波長に応じて受光素子の埋め込み深さを変えることにより、同一基板上に複数の受光素子を形成し、1チップで複数の入射光に対応可能な光ピックアップ装置について、図面を参照して説明する。
図15は、複数の波長に対応可能な光ピックアップ装置に搭載された受光素子の断面を示す図である。
従来の技術2の受光素子は、N- 型Siベース基板30上に真性低不純物濃度層31を10μm堆積させた構造のSi基板40を用いて形成され、Si基板40には、3つの受光素子、具体的にはCD用受光素子41、DVD用受光素子42及び高密度DVD用受光素子43が集積されている。
ここで、CD用受光素子41のN+ 型埋め込み層51は、N- 型Siベース基板30と低不純物濃度層31との界面に形成されており、コンタクト61によってN+ 型埋め込み層51の電位がSi基板40の表面に取り出される。
また、DVD用受光素子42のN+ 型埋め込み層52は、Si基板40の表面(低不純物濃度層31の表面)から7μmの位置に形成されており、コンタクト62によってN+ 型埋め込み層52の電位がSi基板40の表面に取り出される。
更に、高密度DVD用受光素子43のN+ 型埋め込み層53は、Si基板40の表面(低不純物濃度層31の表面)から4μmの位置に形成されており、コンタクト63によってN+ 型埋め込み層53の電位がSi基板40の表面に取り出される。
また、Si基板40上で且つN+ 型埋め込み層51、52及び53のそれぞれ上方に、それぞれP+ 型拡散層71、72及び73が形成されている。
このようなSi基板40を用いた受光素子においては、入射光の波長によってSi基板40中における吸収係数αが異なる。つまり、CD用の波長780nmである光81の場合、特に吸収係数αが小さいため、高い受光感度を得るために前記のように10μm程度のN+ 型埋め込み層51の深さが必要である。これに対し、DVD用の波長650nmである光82の場合は光81の場合に比べて吸収係数αが大きく、N+ 型埋め込み層52の深さは7μm程度で良い。更に、高密度DVD用の波長405nmである光83の場合、更に吸収係数αが大きく、N+ 型埋め込み層53の深さは405μm程度で十分である。
そこで、受光部に取り込まれた光を効率良く利用する(内部量子効率を向上する)ために、各N+ 型埋め込み層51、52及び53の深さをそれぞれの入射光の波長に合わせて最適にすることにより、Si基板40中における光の損失を低減している。
このように、同一の基板に低不純物濃度層を複数回に分けて堆積し、短波長のレーザ光を受光する受光素子の埋め込み層を、長波長のレーザ光を受光する受光素子の埋め込み層に比べて浅い位置に形成することにより、各波長の入射光に対して十分な感度を実現している。
特開平10―107312公報 特開2002−118281号公報
従来の技術2によると、複数の波長の入射光に対してそれぞれ受光感度の高い受光素子を同一基板上に形成することは可能である。しかし、そのためには、各波長の入射光に対してそれぞれ最適な深さに埋め込み層を複数回に分けて形成することが必要であり、このことから構造が複雑化し且つ製造工程数も多くなるため、製造コストが増大する。
また、従来の技術2においては、内部量子効率(基板内における入射光の利用率)の向上を実現しているが、外部量子効果(受光部の表面における入射光の透過率)については改善されていない。つまり、受光する光の波長帯が異なると、反射防止膜の最適な構成も異なるという点については改善されていない。
このような課題に鑑み、本発明は、波長の異なる複数の入射光に対してそれぞれ高い受光感度を有すると共に、構造の複雑化及び製造工程数の増大を抑制して複数の受光素子を同一基板上に形成した光半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の光半導体装置は、基板上に、それぞれ受光素子が形成された第1の受光領域及び第2の受光領域を備える光半導体装置であって、基板上の第1の受光領域に第1の反射防止膜が形成されていると共に、基板上の第2の受光領域に第2の反射防止膜が形成されており、第1の波長帯の光に対し、第1の反射防止膜の反射率は第2の反射防止膜の反射率よりも小さく、第1の波長帯とは異なる第2の波長帯の光に対し、第2の反射防止膜の反射率は第1の反射防止膜の反射率よりも小さい。
本発明の光半導体装置によると、第1の受光領域において第1の波長帯の光に対する受光感度を向上させると共に、第2の受光領域において第2の波長帯の光に対する受光感度を向上させることができ、また、このような2つの受光領域を1つの基板上に実現することができる。これは、次の理由による。尚、受光領域の受光感度という表現により、該受光領域において入射光が反射防止膜を通過して受光素子に吸収されるまでの感度を言うものとする。
まず、受光領域の表面(基板上)に設けられた反射防止膜の反射率を小さくすることにより、受光領域に吸収される(その結果、該受光領域に形成された受光素子によって受光される)光を増加することができるから、該受光領域の受光感度を向上することができる。
また、本発明の光半導体装置において、第1の受光領域に形成された第1の反射防止膜と、第2の受光領域に形成された第2の反射防止膜とは、異なる波長帯の光に対してそれぞれ異なる反射率を有している。より詳しくは、第1の反射防止膜は、第1の波長帯の光に対する反射率が第2の波長帯の光に対する反射率よりも小さい。これと共に、第2の反射防止膜は、第2の波長帯の光に対する反射率が第1の波長帯の光に対する反射率よりも小さい。
以上のことから、第1の反射防止膜は第1の波長帯の光に対して反射率が最適化(低減)されており、これによって第1の受光領域は第1の波長帯の光に対して受光感度が向上している。同様に、第2の反射防止膜は第2の波長帯の光に対して反射率が最適化(低減)されており、これによって第2の受光領域は第2の波長帯の光に対して受光感度が向上している。これにより、具体的には、例えばDVDに用いる赤色レーザ光と、高密度DVDに用いる青色レーザ光との2つの波長の光について、それぞれ受光感度を高めた受光素子を同一基板に搭載した光半導体装置を実現することができる。
尚、第1の反射防止膜と第2の反射防止膜とは異なる材料により形成されていることが好ましい。
このようにすると、第1の反射防止膜と、第2の反射防止膜とは、異なる反射率スペクトルを有するようにすることができる。ここで、反射率スペクトルとは、照射される光の波長に応じて反射率が異なることによって描かれるスペクトルである。反射率スペクトルは、例えば反射防止膜の材料及び厚さ等の違い、空気又は樹脂等の反射防止膜上の環境等に依存する。このため、第1の反射防止膜及び第2の反射防止膜に、それぞれ本発明の光半導体装置における関係の反射率を持たせることが具体的に可能になる。つまり、第1の波長帯の光に対し、第1の反射防止膜の反射率は第2の反射防止膜の反射率よりも小さく、第1の波長帯とは異なる第2の波長帯の光に対し、第2の反射防止膜の反射率は第1の反射防止膜の反射率よりも小さいという関係である。
これは、例えば、第1の反射防止膜と第2の反射防止膜とは材料の違いから異なる屈折率を有し、この結果として種々の波長帯の光に対する反射率も異なるようになることから実現する。以上から、複数の波長帯の光に対してそれぞれ最適化された受光領域を有する半導体装置を実現することが確実にできる。
また、第1の反射防止膜は第2の反射防止膜よりも厚いことが好ましい。
このようにすることによっても、第1の反射防止膜及び第2の反射防止膜について、それぞれ本発明の光半導体装置における関係の反射率を持たせることが具体的に可能になる。
また、第1の反射防止膜及び第2の反射防止膜は、それぞれシリコン窒化膜からなり、第1の反射防止膜を構成するシリコン窒化膜に不純が導入されていることにより、第1の反射防止膜は、前記第2の反射防止膜の屈折率とは異なる屈折率を有していることが好ましい。
このようにすると、同じシリコン窒化膜からなる第1及び第2の反射防止膜について、第1の反射防止膜は、不純物が導入されることにより不純物の導入されていない第2の反射防止膜とは屈折率が異なっており、この結果、反射率も異なっている。この結果、第1及び第2の反射防止膜の反射率は、本発明の光半導体装置におけるような関係を有している。
ここで、シリコン窒化膜以外の材料を用いて第1及び第2の反射防止膜を形成し、第1の反射防止膜に不純物を導入することも考えられるが、シリコン窒化膜を用いる場合に顕著に効果が得られる。
また、第1の反射防止膜は、複数の膜からなる積層膜であり、第2の反射防止膜は、単層膜であることが好ましい。
このようにすると、第1の反射防止膜と第2の反射防止膜とが異なる構成を有するため、それぞれの反射率について、本発明の光半導体装置におけるような関係を有するようにすることができる。第1の反射防止膜は、例えば材料の異なる2種類の膜が積層された構造とすることができる。
また、第2の反射防止膜についても、複数の膜からなる積層膜としても良い。この場合にも、例えば、第1の反射防止膜と第2の反射防止膜とでは積層される膜の数が違っている構成とすることにより、それぞれ異なる反射率スペクトルを有するようにすることができる。また、また、第1の反射防止膜と第2の反射防止膜とはそれぞれ積層されている膜の数が同じである場合にも、第1の反射防止膜と第2の反射防止膜とが異なる種類の膜を含んでいる又は積層されている順序が異なる等となっていることによっても、互いに異なる反射率とすることができる。
また、第1の反射防止膜はシリコン酸化膜とシリコン窒化膜とを含む積層膜であり、第2の反射防止膜はシリコン酸化膜からなる単層膜であることが好ましい。
また、第1の反射防止膜はシリコン酸化膜とシリコン窒化膜とを含む積層膜であり、第2の反射防止膜はシリコン窒化膜からなる単層膜であることが好ましい。
第1の反射防止膜が積層膜であり、第2の反射防止膜が単層膜である構成の具体例として、このような構成とすることができる。
前記の目的を達成するため、本発明の光半導体装置の製造方法は、基板上に定められた第1の受光領域及び第2の受光領域に、それぞれ受光素子を形成する工程(a)と、基板上の第1の受光領域に第1の反射防止膜を形成すると共に、基板上の第2の受光領域において第2の反射防止膜を形成する工程(b)とを備え、第1の波長帯の光に対し、第1の反射防止膜の反射率は第2の反射防止膜の反射率よりも小さく、第1の波長帯とは異なる第2の波長帯の光に対し、第2の反射防止膜の反射率は第1の反射防止膜の反射率よりも小さい。
本発明の半導体装置の製造方法によると、第1の波長帯の光に対する受光感度が向上している第1の受光領域と、第2の波長帯の光に対する受光感度が向上している第2の受光領域とが、1つの基板上に形成された本発明の光半導体装置を製造することができる。これは、第1の受光領域が第1の波長帯の光に対する反射率を低減した第1の反射防止膜を有すると共に、第2の受光領域が第2の波長帯の光に対する反射率を低減した第2の反射防止膜を有することによる。
ここで、第1又は第2の受光領域において、第1及び第2の反射防止膜を除く部分、例えばそれぞれに形成された受光素子については、同じ構造であっても良い。このため、異なる波長帯の光に最適化された第1及び第2の受光領域を形成するための工程数は、それぞれの受光領域に異なる構造の受光素子を形成する場合に比べて少なくすることができる。
尚、工程(b)は、第1の受光領域及び第2の受光領域を含む基板上に第1の材料膜を形成する工程と、第1の材料膜のうち第1の受光領域に形成された部分を除去する工程と、第1の受光領域及び第2の受光領域を含む基板上に第2の材料膜を形成する工程と、第2の材料膜のうち第2の受光領域に形成された部分を、第1の材料膜をエッチングストップ膜として用いて除去する工程とを含むことが好ましい。
このようにすると、第1及び第2の反射防止膜を、それぞれ異なる材料により形成し、互いに異なる反射率スペクトルを持たせることができる。このとき、第1の材料膜と第2の材料膜とについて、選択性の大きなエッチングが可能な材料の組み合わせを用いると、第1の材料膜をエッチングストップ膜として用いることにより第2の材料膜だけを選択的に除去することができる。
具体的には、例えば、第1の材料膜としてシリコン酸化膜、第2の材料膜としてシリコン窒化膜を用い、第2の材料膜のエッチングは熱リン酸によるウェットエッチングとしても良い。
また、工程(b)は、基板の第1の受光領域の部分に不純物を導入する工程と、基板を酸化することにより、第1の受光領域及び第2の受光領域を含む基板上に酸化膜を形成する工程とを含み、基板に不純物の導入された第1の受光領域に形成される酸化膜は、第2の受光領域に形成される酸化膜よりも厚いことが好ましい。
このような方法によると、基板の第1の受光領域の部分の表面付近に予め不純物を高濃度で導入しておくことにより、基板の酸化を行なって酸化膜を形成する際、第1の受光領域における酸化膜の成長速度を第2の受光領域における酸化膜の成長速度よりも大きくすることができる。このため、第1の受光領域には、第2の受光領域に形成されるよりも厚い酸化膜が形成される。このように、一度の酸化処理によって異なる厚さの酸化膜を形成することができるから、厚さに応じて個々に酸化処理を行なう場合に比べて工程数を減らすことができる。
このように、第1の反射防止膜を第2の反射防止膜よりも厚くすることにより、第1及び第2の反射防止膜は、異なる反射率を有するようにすることができる。
また、第1の受光領域において基板の表面付近に導入される高濃度の不純物により、基板内部と表面付近との間に不純物濃度の傾斜が発生するため、これによって光電効果の効率を向上することができる。
また、工程(b)は、第1の受光領域及び第2の受光領域を含む基板上にシリコン窒化膜を形成する工程と、第1の受光領域のシリコン窒化膜に不純物を導入し、第1の受光領域のシリコン窒化膜の屈折率を変化させる工程とを含むことが好ましい。
このようにすると、不純物が導入されることによって屈折率の変化した第1の受光領域におけるシリコン窒化膜は、不純物の導入されていない第2の受光領域におけるシリコン窒化膜とは異なる反射率を有するようになる。これにより、第1及び第2の反射防止膜は、本発明の光半導体装置における関係を有するようになる。
ここで、シリコン窒化膜以外の材料により形成した膜についても、不純物の導入により屈折率を変化させることは考えられる。しかし、シリコン窒化膜を用いた場合に、屈折率を変化させる効果が顕著に得られる。
また、工程(b)は、第1の受光領域及び第2の受光領域を含む基板上に第1の材料膜を形成する工程と、第1の材料膜のうち第1の受光領域に形成された部分を除去する工程と、第1の受光領域及び第2の受光領域を含む基板上に、第1の材料膜とは異なる第2の材料膜を形成する工程とを含むことが好ましい。
このようにすると、第1の反射防止膜を第2の材料膜からなる単層膜とすると共に、第2の反射防止膜を第1の材料膜上に第2の材料膜が積層された積層膜とすることができる。このような積層構造の違いにより、第1及び第2の反射防止膜は、互いに異なる反射率スペクトルを有するようになる。
ここで、第1の材料膜を形成する工程は、異なる2以上の膜を積層して形成する工程を含むことが好ましい。
また、第2の材料膜を形成する工程は、異なる2以上の膜を積層して形成する工程を含むことが好ましい。
このようにすると、様々な積層構造を有する第1及び第2の反射防止膜をそれぞれ形成することができる。例えば、第1又は第2の反射防止膜のいずれかを3以上の膜が積層された構造とすることが可能である。また、第1及び第2の膜を共に積層構造とすることも可能である。
また、工程(b)は、第1の受光領域及び第2の受光領域を含む基板上に第1の材料膜を形成する工程と、第1の材料膜上に、第1の材料膜とは異なる第2の材料膜を形成する工程と、第2の材料膜のうち第1の受光領域に形成された部分を、第1の材料膜をエッチングストップ膜として用いて除去する工程とを含むことが好ましい。
このようにすると、第1の反射防止膜を第1の材料膜からなる単層膜とすると共に、第2の反射防止膜を第1の材料膜の上に第2の材料膜が積層された積層膜とすることができる。また、第1の材料膜をエッチングストップ膜として用いることにより、第2の材料膜の選択的な除去を容易に行なうことができる。
また、工程(b)は、第1の受光領域及び第2の受光領域を含む基板上に第1の材料膜を形成する工程と、第1の材料膜のうち第1の受光領域に形成された部分を除去する工程と、第1の受光領域及び第2の受光領域を含む基板上に、第1の材料膜とは異なる第2の材料膜を形成する工程と、第2の材料膜上に、第2の材料膜とは異なる第3の材料膜を形成する工程と、第3の材料膜のうち第2の受光領域に形成された部分を、第2の材料膜をエッチングストップ膜として用いて除去する工程とを含むことが好ましい。
このようにすると、第1の反射防止膜を第2の材料膜上に第3の材料膜が積層された積層膜とすると共に、第2の反射防止膜を第1の材料膜上に第2の材料膜が積層された積層膜とすることができる。また、第2の材料膜をエッチングストップ膜として用いることにより、第3の材料膜の除去を選択的に行なうことができる。
また、第3の材料膜のうち第2の受光領域に形成された部分を除去する工程の後、第2の材料膜のうち第2の受光領域において露出した部分を、第1の材料膜をエッチングストップ膜として用いて除去する工程を更に含むことが好ましい。
このようにすると、第1の反射防止膜を第2の材料膜上に第3の材料膜が積層された積層膜とすると共に、第2の反射防止膜を第1の材料膜からなる単層膜とすることができる。また、第1の材料膜をエッチングストップ膜として用いることにより、第2の材料膜の除去を選択的に行なうことができる。
以上のように、第1及び第2の反射防止膜について、それぞれ積層構造の異なる膜とすることができるから、第1及び第2の反射防止膜は異なる反射率を有し、本発明の光半導体装置における関係を有するようにすることができる。
この結果、第1の波長帯の光に対する受光感度が向上した第1の受光領域と、第2の波長帯の光に対する受光感度が向上した第2の受光領域とが1つの基板上に形成された光半導体装置を製造することが具体的に可能となる。
尚、以上の説明では、いずれも基板上に第1及び第2の2つの受光領域が形成されている光半導体装置及びその製造方法を説明した。しかし、3つ以上の受光領域を備え、それぞれの受光領域において基板上に形成されている反射防止膜が、特定の波長帯の光に対して反射率を最適化(低減)されている構成であっても良い。例えば、以上に説明してきた光半導体装置に、第3の反射防止膜を有する第3の受光領域が更に形成されている場合が考えられる。このとき、第3の反射防止膜は、第1及び第2の波長帯とは異なる第3の波長帯の光に対し、第1及び第2の反射防止膜よりも反射率が小さくなっていれば良い。第1及び第2の波長帯の光に対しては、第3の反射防止膜は順に第1及び第2の反射防止膜よりも大きな反射率を有している。
本発明の光半導体装置によると、同一基板上に設けられた複数の受光領域に備えられる各々の反射防止膜について、それぞれの受光領域が目的とする(受光する)異なる波長帯の光に対して反射率が小さくなるように形成されている。このため、複数の異なる波長帯の光に対し、それぞれの受光領域の受光感度がいずれも向上している。この結果、例えば、DVD用の赤色レーザ光と、高密度DVD用の青色レーザ光との2つの波長の光のそれぞれについて、高い受光感度を有する受光素子を同一基板に搭載した光半導体装置を実現することができる。
また、本発明の光半導体装置の製造方法によれば、前記のような本発明の光半導体装置を製造することができる。このとき、複数の受光領域における反射防止膜を除く部分の構成は同じであっても良いから、工程数の増加を抑制することができる。
以下、本発明の光半導体装置について、図面を参照しながら説明する。尚、図面において、コンタクト、メタル配線及び層間絶縁膜等は省略している。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光半導体装置101について説明するための模式図である。
光半導体装置101は、基板102上に形成された第1の受光領域Aと、第2の受光領域Bとを有している。光半導体装置101に入射する光Lは、ビームスプリッタSにより、波長の違いに応じて例えば光L1と光L2とに分割され、それぞれ順に第1の受光領域Aと第2の受光領域Bとに入射する。具体的な例としては、光半導体装置101が高密度DVD及びDVDに兼用される光ピックアップ装置に用いられる場合、光ディスクに照射されて反射した光は405nm又は650nmである波長に応じて振り分けられ、それぞれ第1の受光領域A又は第2の受光領域Bに入射する。この後、それぞれの受光領域において、入射された光は受光素子に取り込まれ、光電変換される。
次に、図2(a)は、光半導体装置101の具体的構成の例として、光半導体装置101aの断面構成を模式的に示す図である。光半導体装置101aは、基板102を用いて形成されており、ここで、基板102は、P型Si基板102a上にN型エピタキシャル層102bを成膜した構造を有しており、ここに形成されているpn接合を用いて受光素子が構成されている。
このような基板102上の別々の位置に、光電変換を行なう受光素子がそれぞれ形成された第1の受光領域A及び第2の受光領域Bが備えられている。第1の受光領域A及び第2の受光領域Bには、いずれもP型Si基板102aとN型エピタキシャル層102bとの界面付近に選択的に形成されたP+ 型埋め込み層103と、P+ 型埋め込み層103上に形成されたP+ 型拡散層104と、N型エピタキシャル層102b上に形成されたN+ 型拡散層105とが形成されている。ここで、P+ 型拡散層104はアノード引出であり、これによってP型Si基板102aにおける電位を基板102の表面に取り出す。また、N+ 型拡散層105はカソード引出であり、これによってN型エピタキシャル層102bの電位を基板102の表面に取り出す。
また、互いに膜種や膜厚の異なる反射防止膜として、基板102上に、第1の受光領域Aには第1の反射防止膜111が形成されていると共に第2の受光領域Bには第2の反射防止膜112が形成されている。このため、各受光領域に到達した光は、一部が反射されるが、このような反射は反射防止膜が形成されていることにより低減されており、光が効率良く取り込まれるようになっている。更に、光の反射率は、反射防止膜の種類と光の波長とによって決まるため、第1及び第2の反射防止膜111及び112を種類の異なる反射防止膜とすることにより、第1及び第2の受光領域A及びBを、異なる波長の光に対してそれぞれ個別に最適化することができる。つまり、全ての波長の光に対し、等しく反射率の低い反射防止膜を形成することは困難であるため、波長に応じて異なる反射防止膜を形成することにより、個々に最適化を行なっている。
尚、第1及び第2のいずれの受光領域においても、到達した光はカソード層であるN型エピタキシャル層102bとアノード層であるP型Si基板102aとに吸収され、電子・正孔対が発生する。このとき、P型Si基板102aとN型エピタキシャル層102bとの間に逆バイアス電圧を印加すると、これらP型Si基板102aとN型エピタキシャル層102bとの界面付近に空乏層が広がる。このような空乏層の近傍で発生した電子・正孔対のうち、電子はカソードコンタクトであるN+ 型拡散層105の側に、正孔はアノードコンタクトであるP+ 型拡散層104の側に、それぞれ分離されて到達し、これによって光電流が発生する。受光素子は、このように機能している。
次に、各反射防止膜及び受光領域について、具体例を説明する。
本実施形態の光半導体装置101aの場合、第1の受光領域Aにおいて、第1の反射防止膜111として厚さ50nm程度のシリコン窒化膜が形成されていると共に、第2の受光領域Bにおいて、第2の反射防止膜112として厚さ110nm程度のシリコン酸化膜が形成されている。
また、本実施形態において、光は空気層から第1の受光領域A及び第2の受光領域Bに入射される。ここで、空気の屈折率は1.00、シリコン窒化膜の屈折率は2.04、シリコン酸化膜の屈折率は1.45である。
このような場合の第1の受光領域A及び第2の受光領域Bにおける反射率スペクトルを、図2(b)に示す。
前記のような高密度DVD及びDVDに兼用される光ピックアップ装置を考えると、例えば第1の受光領域Aに対して405nm、第2の受光領域Bに対して650nmの光が到達する。
図2(b)に示すように、波長405nmの入射光に対し、第1の受光領域Aが備えるシリコン窒化膜からなる第1の反射防止膜111は、反射率が0.5%程度である。同じ405nmの入射光に対し、シリコン酸化膜からなる第2の反射防止膜112は、25%を超える反射率を有している。また、波長650nmの入射光に対しては、第2の受光領域Bが備えるシリコン酸化膜からなる第2の反射防止膜112は、9%程度の反射率を有している。同じ波長650nmの入射光に対し、第1の反射防止膜111であれば、反射率は15%程度である。
このように、それぞれ異なる波長の光を受光するための第1の受光領域A及び第2の受光領域Bが、異なる反射防止膜としてそれぞれ第1の反射防止膜111及び第2の反射防止膜112を有していることにより、それぞれ反射率を低減し、受光感度を向上させることができる。
以上のように、本実施形態の光半導体装置101aによると、複数の波長の入射光に対して基板102外部における損失を低減して最適化することができ、光の吸収を効率化して受光感度を向上することができる。
尚、本実施形態において説明した反射防止膜の材料及び厚さと、入射光についての2つの波長は、いずれも例を示すのみであり、特に限定するものではない。反射防止膜の材料及び膜厚を調整することにより、様々な波長の光に対してそれぞれ反射率を低減し、受光領域の受光感度を向上することができる。それぞれの反射防止膜について、材料のみが異なり、同じ厚さを有している構成とすることも可能である。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る光半導体装置101bについて図面を参照して説明する。
図3(a)は、光半導体装置101bの断面構成を模式的に示す図である。ここで、光半導体装置101bは、図2(a)に示す第1の実施形態に係る光半導体装置101aと共通の構成要素を含んでいる。このため、そのような共通の構成要素については、図3(a)において図2(a)と同じ符号を付すことにより詳しい説明を省略する。以下には、本実施形態の光半導体装置101bの特徴となる部分について詳しい説明を行なう。
光半導体装置101bにおいて、第1の受光領域AにはN型エピタキシャル層102b上に不純物濃度1×2020cm-3程度のN+ 型高濃度不純物領域123が設けられている(不純物としては、一般的なリン又はヒ素等を用いることができる)また、第1の反射防止膜121及び第2の反射防止膜122として、それぞれ熱酸化膜が形成されている。但し、N+ 型高濃度不純物領域123が形成されていることにより、第1の受光領域Aにおいては基板102の酸化処理を行なう際に反応速度が増加し、結果として第1の反射防止膜121は第2の反射防止膜122よりも厚い膜となっている。このような膜厚の違いから、第1の反射防止膜121と第2の反射防止膜122とは異なる反射率スペクトルを有する。
具体的には、例えば本実施形態の光半導体装置101bにおいて、第1の反射防止膜121は厚さ140nm程度であり、第2の反射防止膜122は厚さ70nm程度である。また、本実施形態においては空気入射であり、つまり、光は空気層から各受光領域に入射される。ここで、空気の屈折率は1.00、熱酸化膜である反射防止膜の屈折率は1.45である。
このとき、第1の反射防止膜121及び第2の反射防止膜122は、それぞれ図3(b)に示すような反射率スペクトルを示す。
第1の受光領域Aは、第1の反射防止膜121を備えており、波長780nmの光に対する反射率は約9%である。同じ波長780nmの光に対し、第2の反射防止膜122の場合、反射率は20%を超えている。また、第2の受光領域Bは、第2の反射防止膜122を備えており、波長405nmの光に対する反射率は9%程度である。同じ波長405nmの光に対し、第1の反射防止膜121の場合、反射率は35%程度となっている。
このように、光半導体装置101bにおいて、第1及び第2の反射防止膜121及び122は同じ熱酸化膜であるが厚さが異なっていることにより、異なる波長の光に対して異なる反射率を有する。この結果、それぞれ異なる波長の光を受光するための第1の受光領域A及び第2の受光領域Bは、それぞれの光に対して反射率を低減し、受光感度が向上している。
更に、第1の受光領域Aにおいて、N+ 型高濃度不純物領域123がカソード層であるN型エピタキシャル層102b上に形成されていることにより、不純物の濃度傾斜を利用して光電効果の高効率化を図ることができる。これにより、受光領域Aについて、受光素子としての特性を向上することが可能である。
尚、本実施形態では熱酸化膜からなる第1及び第2の反射防止膜を形成しているが、シリコン窒化膜等の他の材料からなる膜を異なる厚さに形成しても良い。また、反射防止膜の膜厚、入射光の波長、反射率スペクトル等はいずれも例示するものであり、これに限定されるわけではない。反射防止膜の膜厚を調整することにより、他の波長の光に対して反射率を最適化することもできる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る光半導体装置101cについて、図面を参照して説明する。
図4(a)は、光半導体装置101cの断面構成を模式的に示す図である。ここで、光半導体装置101cは、図2(a)に示す第1の実施形態に係る光半導体装置101aと共通の構成要素を含んでいる。このため、そのような共通の構成要素については、図4(a)において図2(a)と同じ符号を付すことにより詳しい説明を省略する。以下には、本実施形態の光半導体装置101cの特徴となる部分について詳しい説明を行なう。
光半導体装置101cにおいて、第1の受光領域A及び第2の受光領域Bには、いずれも厚さ80nm程度のシリコン窒化膜である第1の反射防止膜131及び第2の反射防止膜132が設けられている。但し、第1の反射防止膜131は、1×1021cm-3程度の不純物濃度でN型の不純物が導入されることにより、このような不純物の導入が行なわれていない第2の反射防止膜132よりも大きな屈折率を有している。
具体的には、不純物の導入されたシリコン窒化膜である第1の反射防止膜131は、屈折率が2.25であり、不純物の導入されていないシリコン酸化膜である第2の反射防止膜132は、屈折率が2.00である。また、本実施形態において、光は屈折率が1.00である空気層からそれぞれの受光領域に入射される(空気入射)。
これらの結果、第1の反射防止膜131と第2の反射防止膜132とは、図4(b)に示すような互いに異なる反射率スペクトルを有する。
第1の受光領域Aは、第1の反射防止膜131を備えており、波長780nmの光に対する反射率は約2.4%である。同じ波長780nmの光に対し、第2の反射防止膜132の場合、反射率は4.0%程度となる。また、第2の受光領域Bは、第2の反射防止膜132を備えており、波長650nmの光に対する反射率は0.1%程度である。同じ波長650nmの光に対し、第1の反射防止膜131の場合、反射率は3.0%程度となっている。
このように、光半導体装置101cにおいて、第1及の反射防止膜131は、不純物の導入によって同じシリコン窒化膜からなる反射防止膜である第2の反射防止膜132とは異なる屈折率を有し、このことから反射率スペクトルが異なる。この結果、それぞれ異なる波長の光を受光するための第1の受光領域A及び第2の受光領域Bは、それぞれの光に対して反射率を低減し、受光感度が向上している。
尚、シリコン窒化膜以外の材料からなる反射防止膜に対して不純物を導入することも考えられるが、シリコン窒化膜の場合に顕著な効果が得られる。
また、以上に説明した反射防止膜の厚さ、第1の反射防止膜に導入する不純物の濃度、入射光の波長、反射率スペクトル等はいずれも例示するものであり、これに限定されるわけではない。また、第1及び第2の反射防止膜について、異なる膜厚とした上で、一方にのみ不純物を導入することも可能である。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態に係る光半導体装置101dについて図面を参照して説明する。
図5(a)は、光半導体装置101dの断面構成を模式的に示す図である。ここで、光半導体装置101dは、図2(a)に示す第1の実施形態に係る光半導体装置101aと共通の構成要素を含んでいる。このため、そのような共通の構成要素については、図5(a)において図2(a)と同じ符号を付すことにより詳しい説明を省略する。以下には、本実施形態の光半導体装置101dの特徴となる部分について詳しい説明を行なう。
光半導体装置101dにおいて、第1の受光領域Aには、例えば厚さ110nm程度のシリコン酸化膜141aと、シリコン酸化膜141a上に積層された厚さ80nm程度のシリコン窒化膜141bとからなる二層膜である第1の反射防止膜141が形成されている。また、第2の受光領域Bには、厚さ110nm程度のシリコン酸化膜からなる第2の反射防止膜142が形成されている。
このように、光半導体装置101dにおいて、第1の反射防止膜141は、第2の反射防止膜142と同じシリコン酸化膜の層の上にシリコン窒化膜141bが積層され、第1の反射防止膜141と第2の反射防止膜142は積層構造が互いに異なっている。
また、本実施形態において、光は空気層から各受光領域に入射される(空気入射)。ここで、空気の屈折率は1.00、シリコン酸化膜の屈折率は1.45、シリコン窒化膜の屈折率は2.04である。
このとき、第1の反射防止膜141及び第2の反射防止膜142は、それぞれ図5(b)に示すような反射率スペクトルを示す。
第1の受光領域Aは、第1の反射防止膜141を備えており、波長405nmの光に対する反射率は約2%である。同じ波長405nmの光に対し、第2の反射防止膜152の場合、反射率は25%を超えている。また、第2の受光領域Bは、第2の反射防止膜142を備えており、波長650nmの光に対する反射率は9%程度である。同じ波長650nmの光に対し、第1の反射防止膜141の場合、反射率は60%程度となっている。
このように、光半導体装置101dにおいて、積層構造の異なる第1及び第2の反射防止膜141及び142を用いることにより、それぞれ異なる波長の光を受光するための第1の受光領域A及び第2の受光領域Bは、それぞれの光に対して反射率を低減し、受光感度が向上している。
特に、受光感度低下が顕著な短波長(405nm)の入射光に対し、反射率をより低減できる二層構造の反射防止膜(第1の反射防止膜141)を用いることが可能となっている。
尚、本実施形態においては、二層構造の第1の反射防止膜141と、一層構造の第2の反射防止膜142とを用いたが、これには限られず、互いに異なる積層構造を有する第1及び第2の反射防止膜141及び142となっていればよい。一例として、第1の反射防止膜141において、シリコン窒化膜141b上に更に別の材料からなる膜が形成され、三層の膜となっていても良い。また、それぞれの層の厚さ及び材料についても、例を示すものであり、これらを調整することによって異なる波長の入射光に対して反射率を低減し、受光領域の受光感度を向上することができる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態に係る光半導体装置101eについて図面を参照して説明する。
図6(a)は、光半導体装置101eの断面構成を模式的に示す図である。ここで、光半導体装置101eは、図2(a)に示す第1の実施形態に係る光半導体装置101aと共通の構成要素を含んでいる。このため、そのような共通の構成要素については、図6(a)において図2(a)と同じ符号を付すことにより詳しい説明を省略する。以下には、本実施形態の光半導体装置101eの特徴となる部分について詳しい説明を行なう。
光半導体装置101eにおいて、第1の受光領域Aには、例えば厚さ110nm程度のシリコン酸化膜151aと、シリコン酸化膜141a上に積層された厚さ80nm程度のシリコン窒化膜151bとからなる二層膜である第1の反射防止膜151が形成されている。また、第2の受光領域Bには、厚さ80nm程度のシリコン窒化膜からなる第2の反射防止膜152が形成されている。
このように、光半導体装置101dにおいて、第1の反射防止膜151は、第2の反射防止膜152と同じシリコン酸化膜の層の上にシリコン窒化膜151bが積層され、第1の反射防止膜151は第2の反射防止膜152とは互いに積層構造が異なっている。
また、本実施形態において、光は空気層から各受光領域に入射される。ここで、空気の屈折率は1.00、シリコン酸化膜の屈折率は1.45、シリコン窒化膜の屈折率は2.04である。
このとき、第1の反射防止膜151及び第2の反射防止膜152は、それぞれ図6(b)に示すような反射率スペクトルを示す。
第1の受光領域Aは、第1の反射防止膜151を備えており、波長405nmの光に対する反射率は約2%である。同じ波長405nmの光に対し、第2の反射防止膜152の場合、反射率は25%を超えている。また、第2の受光領域Bは、第2の反射防止膜152を備えており、波長650nmの光に対する反射率は0.5%程度である。同じ波長650nmの光に対し、第1の反射防止膜151の場合、反射率は60%程度となっている。
このように、光半導体装置101eにおいて、積層構造の異なる第1及び第2の反射防止膜151及び152を用いることにより、それぞれ異なる波長の光を受光するための第1の受光領域A及び第2の受光領域Bは、それぞれの光に対して反射率を低減し、受光感度が向上している。また、第2の反射防止膜152として、シリコン酸化膜よりも反射率を低減することが可能なシリコン窒化膜を用いることにより、第4の実施形態と比較して更に受光領域の受光感度を向上している。
尚、本実施形態においても、それぞれの反射防止膜の膜構造を調整する、つまり、積層数、個々の層の厚さ及び材料等を調整することにより、前記に挙げた他の異なる波長の入射光に対して反射率を低減し、受光領域の受光感度を向上することができる。
(光半導体装置の製造方法に関する実施形態)
続いて、以下の実施形態では、本発明の光半導体装置の製造方法について図面を参照して説明する。但し、コンタクト工程(コンタクトを形成する工程)以降に形成されるコンタクト、メタル配線及び層間絶縁膜等については図示及び説明を省略する。
(第6の実施形態)
以下、第6の実施形態として、第1の受光領域Aには3層構造の反射防止膜、第2の受光領域Bには単層構造の反射防止膜がそれぞれ形成された光半導体装置を製造する方法を説明する。
図7(a)〜(c)は、第6の実施形態に係る光半導体装置の製造方法を説明するための工程図である。
図7(a)には、基板102上の異なる位置に、それぞれ受光素子を有する第1の受光領域A及び第2の受光領域Bが形成された構造を示している。この構造を形成するため、まず、周知のエピタキシー技術によりP型Si基板102a上にN型エピタキシャル層102bを成膜することにより、基板102を形成する。次に、周知のリソグラフィ技術、エッチング技術及びイオン注入技術等を利用して、P+ 型埋め込み層103、P+ 型拡散層104及びN+ 型拡散層を形成することにより、第1の受光領域A及び第2の受光領域Bを形成する。より詳しくは、P+ 型埋め込み層103は、P型Si基板102aとN型エピタキシャル層102bとの界面付近に、P型不純物を例えば1×1019cm-3の濃度で導入することによって形成する。また、P+ 型拡散層104は、P+ 型埋め込み層103上の領域に、P型不純物を例えば5×1020cm-3の濃度で導入することによって形成する。更に、N+ 型拡散層105は、N型エピタキシャル層102b上に、N型不純物を例えば5×1020cm-3の濃度で導入することによって形成する。尚、N型エピタキシャル層102bにおけるN型不純物の濃度は、1×1016cm-3程度である。但し、これらの濃度には限られない。
ここで、P+ 型拡散層104はアノード引出であり、また、N+ 型拡散層105はカソード引出である。
次に、図7(b)に示すように、基板102上に、第1の絶縁膜の第1層として、例えば熱酸化により第1のシリコン酸化膜211を形成する。続いて、第1のシリコン酸化膜211上に、第1の絶縁膜の第2層として、例えば減圧CVD法によりシリコン窒化膜212を形成する。ここで、減圧CVDを用いることにより、膜厚の均一性が向上し、受光素子の感度のばらつきを低減することができる。
次に、第2の受光領域Bを形成する領域において、第1の絶縁膜であるシリコン酸化膜211及びシリコン窒化膜212をドライエッチング等によって選択的に除去し、開口213を形成する。
次に、図7(c)に示すように、基板上102上に第2の絶縁膜として、例えばCVD(Chemical Vapor Diposition)法により第2のシリコン酸化膜214を形成する。このとき、第1の受光領域Aにおいてシリコン窒化膜212上、第2の受光領域Bにおいては開口213により露出している基板102(N型エピタキシャル層102b)直上に第2のシリコン酸化膜214が形成される。
以上により、2つの受光領域A及びBにおいて、互いに異なる積層構造を有する反射防止膜がそれぞれ形成される。具体的には、第1の受光領域Aには、第1のシリコン酸化膜211、シリコン窒化膜212及び第2のシリコン酸化膜214の3層が、下から上にこの順に積層された構造の第1の反射防止膜として形成される。また、第2の受光領域Bにおいては、第2のシリコン酸化膜214が第2の反射防止膜として形成される。
1つの具体例として、空気層から各受光領域A及びBに光が入射する空気入射の場合を考え、第1のシリコン酸化膜211の膜厚を10nm、シリコン窒化膜212の膜厚を50nm、第2のシリコン酸化膜214の膜厚を110nmとする。このとき、第1の受光領域Aにおいて、波長405nmの光に対して反射率0.2%で且つ波長650nmの光に対して反射率11%となる。これと共に、第2の受光領域Bにおいて、波長405nmの光に対して反射率27%で且つ波長650nmの光に対して反射率9%となる。
このように、本実施形態の光半導体装置の製造方法により、第1の受光領域Aは波長405nmの光に対して反射率が低減されて受光感度が向上していると共に、第2の受光領域Bは波長650nmの光に対して反射率が低減されて受光感度が向上している。言い換えると、第1の受光領域A及び第2の受光領域Bにおいて、同じ構成の反射防止膜を共に用いた場合に比べ、それぞれの受光領域が受光する波長の光に対する受光感度が向上している。
以上のように、本実施形態の光半導体装置の製造方法によると、1つの基板102上に異なる波長の光を受光するための複数の受光領域を形成し、それぞれの受光領域の受光感度向上を実現することができる。
尚、本実施形態の光半導体装置の構成において、第1のシリコン酸化膜211は、基板102のN型エピタキシャル層102bとシリコン窒化膜212との界面における応力を低減し、該界面付近における界面準位に起因した再結合を低減する働きを有する。これにより、受光領域の感度低下を軽減する効果が生じる。特に、外界面付近で吸収される短波長(例えば405nm)の光の場合、吸収係数が大きいことから界面近傍で吸収され、発生するキャリアの割合が大きい。つまり、界面の影響を受けやすい。このため、短波長の光については、応力を緩和することによる効果が顕著に得られる。
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する。本実施形態では、第1の受光領域Aには3層構造の反射防止膜、第2の受光領域Bには2層構造の反射防止膜が形成された光半導体装置を製造する。
まず、第6の実施形態において説明したのと同様にして、図7(a)に示す構造を形成する。つまり、基板102を用い、ここにP+ 型埋め込み層103、P+ 型拡散層104及びN+ 型拡散層105を形成する。
この後、第1の受光領域A及び第2の受光領域Bにおいて、基板102上に反射防止膜を形成する。図8(a)及び(b)には、本実施形態における反射防止膜の形成方法を示している。
図8(a)に示すように、第1の受光領域A及び第2の受光領域Bに亘って、基板102上に、第1の絶縁膜として例えばCVD法によって第1のシリコン酸化膜221を形成する。次に、第2の受光領域Bにおいて、例えばフッ酸系のエッチング液を用いるウェットエッチングにより、第1のシリコン酸化膜211を選択的に除去して開口222を形成する。
次に、図8(b)に示すように、基板102上に第2の絶縁膜の第1層として、例えば減圧CVDを用いてシリコン窒化膜223を形成する。このとき、第1の受光領域Aにおいてシリコン酸化膜221上、第2の受光領域Bにおいては開口222により露出している基板102(N型エピタキシャル層102b)直上にシリコン窒化膜222が形成される。更に、シリコン窒化膜223上に、連続して、第2の絶縁膜の第2層としての第2のシリコン酸化膜224を形成する。
以上により、2つの受光領域A及びBにおいて、互いに異なる積層構造を有する反射防止膜がそれぞれ形成される。具体的には、第1の受光領域Aには、第1のシリコン酸化膜221、シリコン窒化膜223及び第2のシリコン酸化膜224の3層が、下から上にこの順に積層された構造の第1の反射防止膜として形成される。また、第2の受光領域Bには、シリコン窒化膜223及び第2のシリコン酸化膜224の2層が、下から上にこの順で積層された構造の第2の反射防止膜が形成される。
具体例の1つとして、シリコン酸化膜とほぼ同一の屈折率(1.50)を有する樹脂層から光が各受光領域に入射する樹脂入射の場合を考える。また、第1のシリコン酸化膜221の膜厚を80nm、シリコン窒化膜223の膜厚を80nmとする。第2のシリコン酸化膜224については、樹脂層と屈折率がほぼ同一であることから、その膜厚は反射率には影響しない。
このとき、第1の受光領域Aにおいて、波長405nmの光に対して反射率0.2%で且つ波長650nmの光に対して反射率11%となる。これと共に、第2の受光領域Bにおいて、波長405nmの光に対して反射率16%で且つ波長650nmの光に対して反射率2.4%となる。
このように、第1の受光領域Aにおいては3層、第2の受光領域Bにおいては2層の先に説明したような反射防止膜が形成され、それぞれ異なる波長の光に対して反射率を軽減している。以上のように、1つの基板102上に、それぞれ異なる波長に対して受光感度を向上した受光領域の形成された光半導体装置を製造することができる。
尚、本実施形態の場合、前記のような樹脂入射であることから、第2のシリコン酸化膜224の膜厚と、各受光領域における反射率との間に相関関係が無い。このため、第2のシリコン酸化膜224の膜厚を大きくし、層間絶縁膜としても機能させることが可能となる。
(第8の実施形態)
次に、本発明の第8の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する。本実施形態では、図3(a)に示した第2の実施形態に係る光半導体装置と同様の、第1の受光領域Aにおいて基板102表面に不純物領域を形成することにより、それぞれ異なる膜厚の熱酸化膜が形成された光半導体装置を製造する。
まず、第6の実施形態において説明したのと同様にして、図7(a)に示す構造を形成する。つまり、基板102を用い、ここにP+ 型埋め込み層103、P+ 型拡散層104及びN+ 型拡散層105を形成する。
この後、第1の受光領域A及び第2の受光領域Bにおいて、反射防止膜を形成する。図9(a)及び(b)には、本実施形態における反射防止膜の形成方法を示している。
図9(a)に示すように、基板102上に、公知のフォトリソグラフィ技術により、選択マスクとして、第1の受光領域Aにおいて開口231aの設けられたフォトレジスト231を形成する。続いて、フォトレジスト231をマスクとして、第1の受光領域AにおいてN型エピタキシャル層102bの表面近傍に不純物を導入する。例えば、P(リン)を注入エネルギー40keV、1×1015cm-2の条件でイオン注入する。このような注入の後、熱処理によって注入した不純物の拡散を行ない、不純物濃度が約1×1020cm-3程度のN+ 型の高濃度不純物領域232を形成する。
この後、フォトレジスト231を除去する。
次に、例えば1000℃におけるドライ酸化により基板102の全面を熱酸化し、シリコン酸化膜を形成する。その後、例えばフッ酸系のエッチング液を用いたエッチング処理を行ない、該シリコン酸化膜のうち不要な部分を除去する。これにより、N型エピタキシャル層102bの表面に、シリコン酸化膜233を形成する。このとき、高濃度不純物領域232が形成されていることにより熱酸化の際に酸化膜の成長が速くなっているため、第1の受光領域Aに形成される熱酸化膜233aは、第2の受光領域Bに形成される熱酸化膜233bよりも膜厚が大きくなる。例えば、熱酸化膜233aの膜厚を140nm、熱酸化膜233bの膜厚を70nmとすることができる。このようにして、図9(b)に示す構造が形成される。これは、第2の実施形態において説明した構造である。
以上のようにすると、一度の熱酸化によって異なる膜厚を有する熱酸化膜233a及び233bを同時に形成することができる。これにより、厚さの異なる熱酸化膜を形成するために個別に熱酸化を行なう場合に比べ、工程を簡略化することができる。
以上から、1つの基板102上形成された第1の受光領域A及び第2の受光領域Bにおいて、異なる膜厚を有することから反射率スペクトルが異なる反射防止膜をそれぞれ形成し、それぞれの受光領域を異なる波長の光に対して最適化することができる。
(第9の実施形態)
次に、本発明の第9の実施形態に係る光半導体装置の製造方法を説明する。本実施形態では、図4(a)に示した第3の実施形態に係る光半導体装置と同様の、第1及び第2の受光領域A及びBに同じ材料からなる反射防止膜を形成し且つ第1の受光領域Aにおいて該反射防止膜に不純物を導入した構造の光半導体装置を製造する。
まず、第6の実施形態において説明したのと同様にして、図7(a)に示す構造を形成する。つまり、基板102を用い、ここにP+ 型埋め込み層103、P+ 型拡散層104及びN+ 型拡散層105を形成する。
この後、第1の受光領域A及び第2の受光領域Bにおいて、それぞれ反射防止膜を形成する。図10(a)及び(b)は、本実施形態における反射防止膜の形成方法を示している。
まず、図10(a)に示すように、第1の受光領域A及び第2の受光領域Bに亘って、基板102上に、シリコン窒化膜241を例えば減圧CVD法により形成する。続いて、シリコン窒化膜241上に、公知のフォトリソグラフィ技術を用いて、第1の受光領域Aに開口242aを有するフォトレジスト242を形成する。このとき、シリコン窒化膜241は、例えば膜厚50nmに形成する。
次に、図10(b)に示すように、フォトレジスト242をマスクとして、第1の受光領域Aにおいて開口232aにより露出したN型エピタキシャル層102bの表面にN型不純物を導入する。具体的には、例えばAs(ヒ素)等を注入エネルギー10keV、1×1016cm-2の条件でイオン注入する。この後、フォトレジスト242を除去する。
このようにしてイオン注入された、第1の受光領域Aにおける不純物導入シリコン窒化膜243は、第2の受光領域Bにおけるイオン注入の行なわれていないシリコン窒化膜241に比べて大きな屈折率を有する。具体的には、例えば不純物導入シリコン窒化膜243の屈折率は2.25、シリコン窒化膜241の屈折率は2.00となる。
以上から、第1及び第2の受光領域A及びBにおいて、それぞれ形成されている反射防止膜は、屈折率が異なることから反射率スペクトルが互いに異なっている。このように、単一の膜を用いて、不純物の導入によって反射率を調節することができ、単一の基板102上に形成された複数の受光領域について、それぞれ異なる波長の光に対して最適化することができる。
(第10の実施形態)
次に、本発明の第9の実施形態に係る光半導体装置の製造方法を説明する。本実施形態では、図5(a)に示した第4の光半導体装置と同様の、第1の受光領域Aには2層構造の反射防止膜が形成され且つ第2の受光領域Bには単層の反射防止膜が形成された光半導体装置を製造する。
まず、第6の実施形態において説明したのと同様にして、図7(a)に示す構造を形成する。つまり、基板102を用いて、P+ 型埋め込み層103、P+ 型拡散層104及びN+ 型拡散層105を形成する。
この後、第1の受光領域A及び第2の受光領域Bにおいて、それぞれ反射防止膜を形成する。図11(a)及び(b)には、本実施形態における反射防止膜の形成方法を示している。
図11(a)に示すように、第1の受光領域A及び第2の受光領域Bに亘って、基板102上に例えばCVD法によりシリコン酸化膜251を形成する。これは、第1の受光領域Aにおいては2層構造である反射防止膜の第1層となると共に、第2の受光領域Bにおいては単層構造である反射防止膜となる。
次に、シリコン酸化膜251上に、例えば減圧CVD法により、シリコン窒化膜252を形成する。
次に、図11(b)に示すように、シリコン酸化膜251をエッチングストップ膜として利用し、第2の受光領域Bにおいて、シリコン窒化膜を選択的に除去して開口253を形成する。これは、例えば熱リン酸によるウェットエッチングにより行なわれる。熱リン酸によるシリコン窒化膜についてのエッチング速度は、シリコン酸化膜についてのエッチング速度に比べて4〜5倍程度大きいため、熱リン酸をエッチング液として用いると、シリコン窒化膜252を選択性良く除去することができるからである。
以上のように、本実施形態では、第1の受光領域Aにはシリコン酸化膜251上にシリコン窒化膜252が積層された2層からなる反射防止膜を形成し、第2の受光領域Bにおいてはシリコン窒化膜252からなる単層の反射防止膜を形成している。尚、一例として、シリコン酸化膜251の膜厚は110nm、シリコン窒化膜252の膜厚は160nmとしている。
このように、それぞれ異なる構成の反射防止膜を形成することにより、第1の受光領域Aと第2の受光領域Bとは異なる反射率スペクトルを有することになるため、異なる波長の光に対して受光感度を向上し、最適化することができる。また、このような構成を、1つの基板102上に設けることができる。
(第11の実施形態)
次に、本発明の第11の実施形態に係る光半導体装置の製造方法を説明する。本実施形態では、図2(a)に示した第1の実施形態に係る光半導体装置と同様の、2つの受光領域にそれぞれ異なる材料から形成された単層の反射防止膜が形成された光半導体装置を製造する。
まず、第6の実施形態において説明したのと同様にして、図7(a)に示す構造を形成する。つまり、基板102を用い、ここにP+ 型埋め込み層103、P+ 型拡散層104及びN+ 型拡散層105を形成する。
この後、第1の受光領域A及び第2の受光領域Bにおいて、それぞれ反射防止膜を形成する。図12(a)〜(c)は、本実施形態における反射防止膜の形成方法を示している。
図12(a)に示すように、第1の受光領域A及び第2の受光領域Bに亘って、基板102上に例えばCVD法によりシリコン酸化膜261を形成する。続いて、第2の受光領域Bにおいて、例えばフッ酸系のエッチング液を用いるウェットエッチングにより、シリコン酸化膜261を選択的に除去して第1の開口262を形成する。
次に、図12(b)に示すように、シリコン酸化膜261上及び第1の開口262が設けられたことにより露出している基板102上に、シリコン窒化膜263を形成する。これには、例えば減圧CVD法を用いる。シリコン窒化膜263は、第2の受光領域Bにおける反射防止膜となる。
次に、図12(c)に示すように、シリコン酸化膜261をエッチングストップ膜として、第1の受光領域Aにおけるシリコン窒化膜263を選択的に除去し、第2の開口264を設ける。これには、第10の実施形態において説明したのと同様に、熱リン酸を用いたウェットエッチングを行なうのが良い。
以上のようにして、第1の受光領域Aにはシリコン酸化膜261からなる反射防止膜を有すると共に、第2の受光領域Bにはシリコン窒化膜263からなる反射防止膜を有する光半導体装置を製造することができる。また、このような構成を、単一の基板102上に形成することができる。尚、一例として、ここではシリコン酸化膜261の膜厚を110nm、シリコン窒化膜263の膜厚を50nmとしている。
このようにすることによって、それぞれ異なる構成の反射防止膜を形成することにより、第1の受光領域Aと第2の受光領域Bとは異なる反射率スペクトルを有することになるため、異なる波長の光に対して受光感度を向上し、最適化することができる。
尚、シリコン窒化膜263を形成した段階である図12(b)に示す構造は、図6(a)に示した第5の実施形態に係る光半導体装置と同様の構造であり、これも2つの受光領域が異なる波長の光に対して最適化された構造となっている。つまり、第1の受光領域Aにはシリコン酸化膜264上にシリコン窒化膜263が積層された2層構造の反射防止膜が形成され、第2の受光領域Bにはシリコン窒化膜263からなる単層の反射防止膜が形成されている。シリコン窒化膜263のエッチングにより第2の開口264を設ける工程を省略することにより、このような構造の光半導体装置を製造することができる。
(第12の実施形態)
次に、本発明の第11の実施形態に係る光半導体装置の製造方法を説明する。本実施形態では、第1及び第2の受光領域A及びBにおいて、共に2層構造であるが、各層の種類が異なる反射防止膜がそれぞれ形成された光半導体装置を製造する。
まず、第6の実施形態において説明したのと同様にして、図7(a)に示す構造を形成する。つまり、基板102を用い、ここにP+ 型埋め込み層103、P+ 型拡散層104及びN+ 型拡散層105を形成する。
この後、第1の受光領域A及び第2の受光領域Bにおいて、それぞれ反射防止膜を形成する。図13(a)〜(c)は、本実施形態における反射防止膜の形成方法を示している。
図13(a)に示すように、第1の受光領域A及び第2の受光領域Bに亘って、基板102上に例えば熱酸化により第1のシリコン酸化膜271を形成する。続いて、第2の受光領域Bにおいて、例えばフッ酸系のエッチング液を用いるウェットエッチングにより、第1のシリコン酸化膜271を選択的に除去して第1の開口272を形成する。
次に、図13(b)に示すように、第1のシリコン酸化膜271上及び第1の開口272が設けられたことにより露出している基板102上に、シリコン窒化膜273を形成する。これには、例えば減圧CVD法を用いる。これに連続して、シリコン窒化膜273上に、例えばCVD法により第2のシリコン酸化膜274を形成する。
次に、図13(c)に示すように、シリコン窒化膜273をエッチングストップ膜として利用し、第1の受光領域Aにおいてシリコン酸化膜274をエッチングして第2の開口275を形成する。このとき、例えばフッ酸系のエッチング液を用いるウェットエッチングを行なうことにより、シリコン酸化膜274を選択的に除去することができる。
以上のようにして、第1の受光領域Aには第1のシリコン酸化膜271上にシリコン窒化膜273が積層された2層構造の反射防止膜が形成されると共に、第2の受光領域Bにはシリコン窒化膜273上に第2のシリコン酸化膜274が積層された2層構造の反射防止膜が形成された構成の光半導体装置が製造される。また、このような構成を、単一の基板102上に形成することができる。尚、ここでは一例として、第1のシリコン酸化膜271の膜厚を10nm、シリコン窒化膜273の膜厚を40nm、第2のシリコン酸化膜274の膜厚を60nmとしている。
このようにすることによっても、それぞれ異なる構成の反射防止膜を形成することにより、第1の受光領域Aと第2の受光領域Bとは異なる反射率スペクトルを有することになるため、異なる波長の光に対して受光感度を向上し、最適化することができる。
また、以上に説明した構成によると、第1のシリコン酸化膜271は、基板102のN型エピタキシャル層102bとシリコン窒化膜273との界面における応力を低減し、基板102の表面付近において短波長(例えば405nm)の光が吸収されるのを抑制することができる。このため、短波長の光に対する感度低下を緩和することができる。
また、以上の構成によると、第1の受光領域Aにおける波長405nmの入射光に対する反射率と、第2の受光領域Bにおける波長650nmの入射光に対する反射率とについて、共に1%以下となっている。このように、反射防止膜を多層化することにより、異なる波長の光に対し、それぞれの受光領域の反射率をほとんど0に近付けることができる。
以上に説明した各実施形態において、反射防止膜を構成する種々の膜の材料、膜厚及び積層構造等を調整することにより、例示した他の波長の光に対しても、第1の受光領域A及び第2の受光領域Bについて、それぞれ反射率を低減し、受光感度を向上することが可能である。
また、いずれも受光領域のみを示し且つ説明しているが、受光領域の他に、トランジスタ、抵抗及び容量等の回路素子を同一の基板上に形成することも可能である。更に、レーザ素子などの発光素子を同一基板上に搭載することもできる。
また、いずれも第1及び第2の2種類の受光領域を備える光半導体装置について説明した。しかし、3種類以上の受光領域を備える光半導体装置であっても良い。例えば、第1の受光領域A及び第2の受光領域Bに加えて、第3の受光領域Cを備える場合が考えられる。このとき、第3の受光領域Cが備える反射防止膜は、第1及び第2の波長帯とは異なる第3の波長帯の光に対し、第1及び第2の受光領域A及びBにおける反射防止膜よりも反射率が小さくなっていれば良い。第1及び第2の波長帯の光に対しては、第3の受光領域Cにおける反射防止膜は、順に第1及び第2の受光領域A及びBにおける反射防止膜よりも大きな反射率を有している。
このような光半導体装置としては、第1の受光領域AはCD用の780nmの光を受光し、第2の受光領域BはDVD用の650nmの光を受光し且つ第3の受光領域Cは高密度DVD用の405nmの光を受光するようになっている光ピックアップ装置であっても良い。
また、以上の各実施形態においては、いずれも入射光のスペクトル幅がレーザ光のように狭い場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、図2(b)に反射率スペクトルを示した第1の実施形態の場合に、波長400〜500nmの光について第1の反射防止膜を備える第1の受光領域Aによって受光し、波長650〜750nmの光について第2の反射防止膜を備える第2の受光領域Bによって受光するようにする。これにより、どちらの波長帯の光についても、受光効率が高められていることになる。このような装置の例として、入射光のスペクトル幅が可視光のように広いCCDがある。また、カメラ測光用の光半導体装置、複写機及び光測定器等に用いられる光半導体装置にも適用できる。
また、以上の各実施形態においては、図1に示したように、ビームスプリッタを用いて入射光が波長に基づいて分割(ここでは、2分割)され、この後、それぞれの受光領域には分割された光が別々に入射する場合を説明した。しかし、これに限らず、入射光が分割されることなく全ての受光領域に対して入射する構成の光半導体装置とすることもできる。この場合、各受光領域の備える反射膜がそれぞれ異なる反射率スペクトルを有することにより、異なる波長の入射光に対して異なる反射率を示し、受光領域自体が波長を選択する機能を有している構成とすることができる。また、光ピックアップ装置の場合であれば、使用している光ディスクの種類(CD、DVD又は高密度DVD等)に応じて、必要とされる波長の光に対応する受光領域が出力する信号を利用すればよい。
また、以上の各実施形態において、いずれも受光領域の構造としてはPN接合による一般的な構造を利用しているが、これには限られない。例えば、PINフォトダイオード又はアバランシェフォトダイオードであっても良いし、更にはPN接合を用いていない他の光伝導素子であっても良い。
また、以上の各実施形態において、基板としてはSi基板を用いているが、これに限るものではなく、化合物半導体基板又はゲルマニウム基板等を利用することも可能である。更に、P型Si基板102a上にN型エピタキシャル層102bが成膜された基板102を用いているが、これとは導電型が逆であってもよい。つまり、N型Si基板上にP型エピタキシャル層が形成された基板を用いた光半導体装置とすることも可能である。
本発明に係る光半導体装置は、単一の基板に搭載された複数の受光領域がそれぞれ異なる反射防止膜を備え、異なる波長の光に対して受光感度が高められており、DVD及びCDに兼用する光ピックアップ用受光素子等として有用である。
図1は、本発明の各実施形態に係る光半導体装置について説明する図である。 図2(a)は、第1の実施形態に係る光半導体装置101の構成を示す図であり、図2(b)は、光半導体装置101の第1及び第2の受光領域A及びBにおける反射率スペクトルを示す図である。 図3(a)は、第2の実施形態に係る光半導体装置101bの構成を示す図であり、図3(b)は、光半導体装置101bの第1及び第2の受光領域A及びBにおける反射率スペクトルを示す図である。 図4(a)は、第3の実施形態に係る光半導体装置101cの構成を示す図であり、図4(b)は、光半導体装置101cの第1及び第2の受光領域A及びBにおける反射率スペクトルを示す図である。 図5(a)は、第4の実施形態に係る光半導体装置101dの構成を示す図であり、図5(b)は、光半導体装置101dの第1及び第2の受光領域A及びBにおける反射率スペクトルを示す図である。 図6(a)は、第5の実施形態に係る光半導体装置101eの構成を示す図であり、図6(b)は、光半導体装置101eの第1及び第2の受光領域A及びBにおける反射率スペクトルを示す図である。 図7(a)〜(c)は、第6の実施形態に係る光半導体装置の製造方法を説明する工程図である。 図8(a)及び(b)は、第7の実施形態に係る光半導体装置の製造方法を説明する工程図である。 図9(a)及び(b)は、第8の実施形態に係る光半導体装置の製造方法を説明する工程図である。 図10(a)及び(b)は、第9の実施形態に係る光半導体装置の製造方法を説明する工程図である。 図11(a)及び(b)は、第10の実施形態に係る光半導体装置の製造方法を説明する工程図である。 図12(a)〜(c)は、第11の実施形態に係る光半導体装置の製造方法を説明する工程図である。 図13(a)〜(c)は、第12の実施形態に係る光半導体装置の製造方法を説明する工程図である。 図14は、積層構造の反射防止膜を有する受光領域が備えられた従来の光半導体装置を説明するための図である。 図15は、複数の波長の光にそれぞれ対応する複数の受光領域が備えられた従来の光半導体装置を説明するための図である。
符号の説明
101 光半導体装置
101a〜101e 光半導体装置
102 基板
102a P型Si基板
102b N型エピタキシャル層
103 P+ 型埋め込み層
104 P+ 型拡散層
105 N+ 型拡散層
A 第1の受光領域
B 第2の受光領域
111、121、131、141、151 第1の反射防止膜
112、122、132、142、152 第2の反射防止膜
141a、151a シリコン酸化膜
141b、151b シリコン窒化膜
211 第1のシリコン酸化膜(第1の絶縁膜の第1層)
212 シリコン窒化膜(第1の絶縁膜の第2層)
213 開口
214 第2のシリコン酸化膜(第2の絶縁膜)
221 第1のシリコン酸化膜(第1の絶縁膜)
222 開口
223 シリコン窒化膜(第2の絶縁膜の第1層)
224 第2のシリコン酸化膜(第2の絶縁膜の第2層)
231 フォトレジスト
231a 開口
232 高濃度不純物領域
233、233a、233b 熱酸化膜
241 シリコン窒化膜
242 フォトレジスト
242a 開口
243 不純物導入シリコン窒化膜
251 シリコン酸化膜
252 シリコン窒化膜
253 開口
261 シリコン酸化膜
262 第1の開口
263 シリコン窒化膜
264 第2の開口
271 第1のシリコン酸化膜
272 第1の開口
273 シリコン窒化膜
274 第2のシリコン酸化膜
275 第2の開口

Claims (8)

  1. 基板上に定められた第1の受光領域及び第2の受光領域に、それぞれ受光素子を形成する工程(a)と、
    前記基板上の前記第1の受光領域に第1の反射防止膜を形成すると共に、前記基板上の第2の受光領域に第2の反射防止膜を形成する工程(b)とを備え、
    第1の波長帯の光に対し、前記第1の反射防止膜の反射率は前記第2の反射防止膜の反射率よりも小さく、
    前記第1の波長帯とは異なる第2の波長帯の光に対し、前記第2の反射防止膜の反射率は前記第1の反射防止膜の反射率よりも小さく、
    前記工程(b)は、
    前記第1の受光領域及び前記第2の受光領域を含む前記基板上にシリコン窒化膜を同時に形成する工程と、
    前記シリコン窒化膜を形成した後、前記第1の受光領域の前記シリコン窒化膜に選択的なイオン注入によって不純物を導入することにより、前記第1の受光領域の前記シリコン窒化膜の屈折率を変化させる工程とを含み、
    前記イオン注入によって導入する前記不純物は、前記基板における前記第1の反射防止膜直下の部分において、当該部分の導電型を決定している不純物と同一の導電型を生じさせる不純物であることを特徴とする光半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記工程(b)は、
    前記基板の前記第1の受光領域の部分に不純物を導入する工程と、
    前記基板を酸化することにより、前記第1の受光領域及び前記第2の受光領域を含む前記基板上に酸化膜を形成する工程とを含み、
    前記基板に前記不純物の導入された前記第1の受光領域に形成される前記酸化膜は、前記第2の受光領域に形成される前記酸化膜よりも厚いことを特徴とする光半導体装置の製造方法。
  3. 請求項1において、
    前記工程(b)は、
    前記第1の受光領域及び前記第2の受光領域を含む前記基板上に第1の材料膜を形成する工程と、
    前記第1の材料膜のうち前記第1の受光領域に形成された部分を除去する工程と、
    前記第1の受光領域及び前記第2の受光領域を含む前記基板上に、前記第1の材料膜とは異なる第2の材料膜を形成する工程とを含むことを特徴とする光半導体装置の製造方法。
  4. 請求項3において、
    前記第1の材料膜を形成する工程は、異なる2以上の膜を積層して形成する工程を含むことを特徴とする光半導体装置の製造方法。
  5. 請求項3又は4において、
    前記第2の材料膜を形成する工程は、異なる2以上の膜を積層して形成する工程を含むことを特徴とする光半導体装置の製造方法。
  6. 請求項1において、
    前記工程(b)は、
    前記第1の受光領域及び前記第2の受光領域を含む前記基板上に第1の材料膜を形成する工程と、
    前記第1の材料膜上に、前記第1の材料膜とは異なる第2の材料膜を形成する工程と、
    前記第2の材料膜のうち前記第1の受光領域に形成された部分を、前記第1の材料膜をエッチングストップ膜として用いて除去する工程とを含むことを特徴とする光半導体装置の製造方法。
  7. 請求項1において、
    前記工程(b)は、
    前記第1の受光領域及び前記第2の受光領域を含む前記基板上に第1の材料膜を形成する工程と、
    前記第1の材料膜のうち前記第1の受光領域に形成された部分を除去する工程と、
    前記第1の受光領域及び前記第2の受光領域を含む前記基板上に、前記第1の材料膜とは異なる第2の材料膜を形成する工程と、
    前記第2の材料膜上に、前記第2の材料膜とは異なる第3の材料膜を形成する工程と、
    前記第3の材料膜のうち前記第2の受光領域に形成された部分を、前記第2の材料膜をエッチングストップ膜として用いて除去する工程とを含むことを特徴とする光半導体装置の製造方法。
    置の製造方法。
  8. 請求項7において、
    前記第3の材料膜のうち前記第2の受光領域に形成された部分を除去する工程の後、
    前記第2の材料膜のうち前記第2の受光領域において露出した部分を、前記第1の材料膜をエッチングストップ膜として用いて除去する工程を更に含むことを特徴とする光半導体装置の製造方法。
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