JP2003152217A - 受光素子を内蔵する半導体装置 - Google Patents

受光素子を内蔵する半導体装置

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JP2003152217A
JP2003152217A JP2001351265A JP2001351265A JP2003152217A JP 2003152217 A JP2003152217 A JP 2003152217A JP 2001351265 A JP2001351265 A JP 2001351265A JP 2001351265 A JP2001351265 A JP 2001351265A JP 2003152217 A JP2003152217 A JP 2003152217A
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light receiving
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JP2001351265A
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Inventor
Yoshitaka Iwai
誉貴 岩井
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い波長域に対して高い受光感度を有する受
光素子と高速の電子回路素子とを同一の半導体基板上に
混載した半導体装置を提供する。 【解決手段】 SOI基板上に形成されたpinフォト
ダイオード3を内蔵するOEICにおいて、屈折率の異
なる膜10〜13を交互に積層して、入射光の第1の波
長に対して反射率を向上させた第1の多層反射膜8と、
入射光の第2の波長に対して反射率を向上させた第2の
多層反射膜9とを積層し、再度pinフォトダイオード
3に広い波長域の光を入射させることにより、受光感度
を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、受光素子とトラン
ジスタ等の各種電子回路素子とが同一基板上に混載され
た半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】受光素子は光信号を電気信号に変換する
ことができる素子であり、制御用光センサー等に広く用
いられる。中でもCD(コンパクト・ディスク)やDV
D(ディジタル・ビデオ・ディスク)等の光ディスク上
に記録されている信号を読み書きする光ピックアップ装
置に搭載されているフォトダイオードは、近年、高性能
化・高集積化の要請により、バイポーラトランジスタ、
抵抗素子、容量素子等の各種電子回路素子と同一基板上
に混載され、いわゆる光電子集積回路(以下、OEIC
という)を構成している。この種のOEICは、一般
に、バイポーラトランジスタの製造方法に従って形成さ
れる。また、このOEICにおいては、高受光感度・高
速・低ノイズ特性を有した受光素子と、高速・高精度の
バイポーラトランジスタとの混載が要求されている。
【0003】以下、従来例の受光素子を内蔵する半導体
装置について説明する。
【0004】図4は第1の従来例の受光素子を内蔵する
半導体装置、いわゆるOEICの構造を概略的に示す断
面図である。図示の例では、シリコン接着技術を用いて
形成された半導体基板としてのSOI基板や、電子回路
素子としてのバイポーラトランジスタであるnpnトラ
ンジスタ、さらには、受光素子としてのpinフォトダ
イオード等が同一基板上に混載されたOEICを例示す
るものである。
【0005】図4中、101はシリコン基板、102は
前記シリコン基板101上に形成された素子層、103
は前記素子層102に形成されたpinフォトダイオー
ド、104は前記素子層102に形成されたnpnトラ
ンジスタであり、前記シリコン基板101と素子層10
2との界面には酸化膜126が介在され、前記酸化膜1
26により前記シリコン基板101と素子層102とが
相互に接着されてSOI基板が形成されている。
【0006】105は前記pinフォトダイオード10
3やnpnトランジスタ104間を絶縁分離するトレン
チ、106は前記トレンチ105の側壁に形成された絶
縁膜、107は前記絶縁膜106の内部に充填された多
結晶シリコン層である。
【0007】前記pinフォトダイオード103におい
て、114は低濃度n型のカソード層、115は前記カ
ソード層114上に選択的に形成された高濃度p型のア
ノード層、116は前記カソード層114上に選択的に
形成された高濃度n型のカソードコンタクト層、117
は前記アノード層115上に形成された受光面である。
【0008】前記npnトランジスタ104において、
118はn型のコレクタ層、119は前記コレクタ層1
18上に選択的に形成されたp型のベース層、120は
前記ベース層119上に選択的に形成された高濃度n型
のエミッタ層、121は前記コレクタ層118上に選択
的に形成された高濃度n型のコレクタコンタクト層、1
22は前記素子層102の表面を保護するパッシベーシ
ョン膜、123は前記パッシベーション膜122を選択
的に窓開けして形成された電極である。前記pinフォ
トダイオード103の受光面117はパッシベーション
膜122で形成されているが、入射光の反射を低減する
反射防止膜の役割を兼ねている。
【0009】以上のように構成されたOEICについ
て、以下にその動作を説明する。
【0010】受光面117から入射した光は、カソード
層114・アノード層115で吸収され、電子・正孔対
が発生する。その時の光の吸収率ηは、光の吸収係数を
α、表面から深さをxとすると、次式に従う。
【0011】η=1−exp(−αx) この時、pinフォトダイオード103に逆バイアスを
印加すると、低不純物濃度であるカソード層114で空
乏層が広がり、空乏層近傍で発生した電子・正孔対のう
ち、電子はカソードコンタクト層116に、正孔はアノ
ード層115に拡散とドリフトによりそれぞれ分離され
て到達し、光電流が発生する。この光電流は、npnト
ランジスタ104や抵抗素子や容量素子で形成された電
子回路により増幅や信号処理され、出力される。
【0012】ところで、光電流は上述のように拡散電流
成分とドリフト電流成分に大きく分けられるが、拡散電
流は少数キャリアの空乏層端までの拡散に支配されるた
め、空乏層内の電界によるドリフト電流成分に比べて応
答速度が遅く、pinフォトダイオード103の周波数
特性を低下させる要因となっていた。SOI基板上に形
成されたOEICにおいては、シリコン基板101に浸
透した光により発生した電子・正孔対は、酸化膜126
により絶縁分離されているため、電極123には到達せ
ず光電流としては寄与しない。従って、空乏層の深さと
素子層102の厚さとを最適化することにより、拡散電
流成分を低減してpinフォトダイオード103の高速
化を実現することができる。
【0013】分離構造として通常よく用いられているp
n接合分離では、pn接合分離部に光が入射すると、分
離部が光伝導性を有し分離特性が悪化するが、前記の第
1の従来例ではトレンチ分離を用いており、絶縁膜10
6により絶縁分離されているため、pn接合分離に比べ
て分離特性は格段に良好であり、リーク電流や寄生素子
の影響がほとんどなく、pinフォトダイオード103
のノイズ特性も低減する。
【0014】しかし、この構造では、加工技術上の問題
でトレンチ105の深さに一定の制約があるため、素子
層102をあまり厚くすることができず、形成可能な素
子層102の膜厚はせいぜい10〜20μm程度であ
る。
【0015】また、光ディスク分野に用いられるOEI
Cとしては高速性が要求されるが、トランジスタを高速
化するためには素子層の膜厚を薄くすることが要求さ
れ、3〜4μm以下であることが望ましい。
【0016】一方、シリコン基板を用いた受光素子は、
長波長領域、特に赤外領域では吸収係数αが小さいた
め、前記の数式より光が深く浸透し、高い受光感度を確
保するには素子層の膜厚は厚い方が有利である。例え
ば、CDに用いられている波長780nmの光に対し
て、膜厚10μmの素子層(シリコン)の吸収率は約7
5%、膜厚4μmに対しては約43%であり、十分な受
光感度が得られないことが判る。
【0017】これらの問題を解決するために、多層反射
膜を用いたSOI基板上に形成されたOEICが提案さ
れている。
【0018】図5は第2の従来例の受光素子を内蔵する
半導体装置として多層反射膜を備えたSOI基板上に形
成されたOEICの構造を概略的に示す断面図である。
この第2の従来例では、前記の第1の従来例において、
シリコン基板101と素子層102との界面に介在させ
た酸化膜126に代えて多層反射膜を採用したほかは、
第1の従来例と同様に構成されているので、同じ構成箇
所には同じ符号を付してその説明を省略することとし、
以下に異なる点のみを説明する。
【0019】図5中、127はシリコン基板101と素
子層102との界面に形成された多層反射膜であり、そ
れぞれ屈折率の異なる反射膜128,129とが交互に
積層されて5層に形成されている。この多層反射膜12
7はある特定の波長の光に対し反射率を向上させること
が可能である。前記反射膜128,129の膜厚とこれ
ら2重膜の繰り返し数を最適化することにより、反射率
を100%に近づけることが可能である。そして、多層
反射膜127により反射された光が再度pinフォトダ
イオード103に入射することにより、実効的に素子層
102の膜厚を2倍にすることができ、素子層2の膜厚
が薄くてもpinフォトダイオード103の感度を向上
させることが可能となる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光ディスク
により用いている光源の波長が異なるため、受光素子を
内蔵する半導体装置としても広範囲の波長に対して高い
受光感度が要求される。例えば、CDとDVDでは78
0nmと650nmの2波長に対する特性が要求され
る。
【0021】しかしながら、前記の第2の従来例では、
多層反射膜127は1波長のみに対して反射率を向上さ
せるものであり、しかも、反射率の高い波長域の幅が狭
く、複数の波長や広範囲の波長域に対する高い受光感度
を獲得することができない。
【0022】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、複数の波長や広範囲の
波長域に対して高い受光感度を有する受光素子を内蔵す
る半導体装置を提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明の受光素子を内蔵する半導体装置は、半導体
基板上に素子層が形成され、前記素子層に受光素子及び
電子回路素子が互いに絶縁分離されて形成され、前記半
導体基板と素子層との界面に第1及び第2の多層反射膜
が積層形成され、前記第1及び第2の多層反射膜は、屈
折率の異なる複数の反射膜が交互に積層形成され、前記
受光素子から入射した波長の異なる入射光を反射して再
度受光素子に入射させるように構成されていることを特
徴とする。
【0024】この際、前記第1及び第2の多層反射膜を
構成する反射膜の光学的膜厚は、次式 nd=λ/4 n:反射膜の屈折率 d:反射膜の膜厚 λ:入射光の波長 の関係を満たすことが好ましい。
【0025】また、前記第1及び第2の多層反射膜を構
成する反射膜は、同じ材質の膜を有することが好まし
い。
【0026】さらに、前記第1及び第2の多層反射膜を
構成する反射膜のうち少なくとも1つは絶縁性を有する
ことが好ましい。
【0027】この構成によって、第1の多層反射膜を第
1の波長に、第2の多層反射膜を第2の波長に対し反射
率の高い設計をすることにより、第1及び第2多層反射
膜において2波長の光に対して反射し、再度受光素子内
に光が入射することにより、2波長又は広範囲の波長域
に対して高受光感度が得られる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一実施形態につい
て図面を用いて説明する。
【0029】図1は本発明の一実施形態に係る受光素子
を内蔵する半導体装置、いわゆるOEICの構造を概略
的に示す断面図である。図示の例では、シリコン接着技
術を用いて形成された半導体基板としてのSOI基板
や、電子回路素子としてのバイポーラトランジスタであ
るnpnトランジスタ、さらには、受光素子としてのp
inフォトダイオード等が同一基板上に混載されたOE
ICを例示するものである。
【0030】図1中、1はシリコン基板、2は前記シリ
コン基板1上に形成された素子層、3は前記素子層2に
形成されたpinフォトダイオード、4は前記素子層2
に形成されたnpnトランジスタである。
【0031】5はpinフォトダイオード3やnpnト
ランジスタ4間を絶縁分離するトレンチ、6は前記トレ
ンチ5の側壁に形成された絶縁膜、7は前記絶縁膜6の
内部に充填された多結晶シリコン層である。
【0032】前記pinフォトダイオード3において、
14は低濃度n型のカソード層、15は前記カソード層
14上に選択的に形成された高濃度p型のアノード層、
16は前記カソード層14上に選択的に形成された高濃
度n型のカソードコンタクト層、17は前記アノード層
15上に形成された受光面である。
【0033】前記npnトランジスタ4において、18
はn型のコレクタ層、19は前記コレクタ層18上に選
択的に形成されたp型のベース層、20は前記ベース層
19上に選択的に形成された高濃度n型のエミッタ層、
21は前記コレクタ層18上に選択的に形成された高濃
度n型のコレクタコンタクト層、22は前記素子層2の
表面を保護するパッシベーション膜、23は前記パッシ
ベーション膜22を選択的に窓開けして形成された電極
である。前記pinフォトダイオード3の受光面17は
パッシベーション膜22で形成されているが、入射光の
反射を低減する反射防止膜の役割を兼ねている。これら
の構成は第1及び第2の従来例のものと同じである。
【0034】本発明の特徴として、前記シリコン基板1
と素子層2との界面には、第1及び第2の多層反射膜
8,9が積層形成されている。前記第1の多層反射膜8
は、屈折率の異なる第1の酸化膜10と第1の窒化膜1
1とが交互に積層された5層構造であり、前記第2の多
層反射膜9は、屈折率の異なる第2の酸化膜12と第2
の窒化膜13とが交互に積層された5層構造である。こ
れら第1及び第2の多層反射膜8,9はある特定の波長
の光に対し反射率を向上させることが可能である。これ
ら第1及び第2の多層反射膜8,9により反射された光
が再度pinフォトダイオード3に入射することによ
り、実効的に素子層2の膜厚を2倍にすることができ、
素子層2の膜厚が薄くてもpinフォトダイオード3の
感度を向上させることが可能となる。特に、本発明で
は、第1及び第2の多層反射膜8,9では、各々前記p
inフォトダイオード3から入射した波長の異なる入射
光を反射して再度受光素子3に入射させるように構成さ
れている。
【0035】前記第1の多層反射膜8において、第1の
酸化膜(膜厚d1、屈折率n1)10及び第1の窒化膜
(膜厚d2、屈折率n2)11の膜厚とこれら2重膜の
繰り返し数Nを最適化することにより、反射率を100
%に近づけることが可能である。第1の多層反射膜8の
反射率R2N+1は次式で与えられる。
【0036】R2N+1=[(n0s1 2N−n2 2(N+1))/
(n0s1 2N+n2 2(N+1))]2 ここで、n0はpinフォトダオード3をなすシリコン
の屈折率、nsはシリコン基板1の屈折率である。入射
光の第1の波長をλ1とすると、第1の酸化膜10と第
1の窒化膜11との光学的膜厚n11=n22=λ1
4を満たすように設定する。前記反射率R2N+1の式よ
り、第1の多層反射膜8を構成する第1の酸化膜10及
び第1の窒化膜11の2重膜の繰り返し数Nが大きいほ
ど、第1の多層反射膜8を構成する2種類の膜の屈折率
比n1/n2が小さいほど、反射率R2N +1は大きくなり1
00%に近づくことが判る。
【0037】このときの反射率R2N+1の式より求めた2
重膜の繰り返し数Nと反射率の関係を図2に示す。図2
において、繰り返し数N=0の時は、図4(第1の従来
例)に示したシリコン基板101と素子層102の界面
に酸化膜126のみ有る場合に相当し、反射率は50%
である。ただし、この場合も、酸化膜126の光学的膜
厚がλ/4に等しくなるように最適化した時である。通
常のSOI基板では酸化膜126の膜厚は特に反射率を
最大にするよう最適化を行っているわけではないので、
反射率は更に低下し、光はほとんど酸化膜126を透過
している。本発明例では、第1の酸化膜10と第1の窒
化膜11とを1回繰り返すと、反射率は70%まで大き
く向上し、繰り返し数2回で82%、5回で97%とな
り繰り返し数を増やす毎に反射率が飛躍的に向上し10
0%に近づくことが判る。
【0038】同様に、前記第2の多層反射膜9におい
て、第2の酸化膜(膜厚d3、屈折率n3)12及び第2
の窒化膜(膜厚d4、屈折率n4)13の膜厚とこれら2
重膜の繰り返し数を最適化することにより、反射率を1
00%に近づけることが可能である。第1の多層反射膜
8の反射率R2N+1は次式で与えられる。
【0039】R2N+1=[(n0s3 2N−n4 2(N+1))/
(n0s3 2N+n4 2(N+1))]2 ここで、n0はpinフォトダオード3をなすシリコン
の屈折率、nsはシリコン基板1の屈折率である。入射
光の第2の波長をλ2とすると、第2の酸化膜12と第
2の窒化膜13との光学的膜厚n33=n44=λ2
4を満たすように設定する。前記反射率R2N+1の式よ
り、第2の多層反射膜9を構成する第2の酸化膜12及
び第2の窒化膜13の2重膜の繰り返し数Nが大きいほ
ど、第2多層反射膜9を構成する2種類の膜の屈折率比
3/n4が小さいほど、反射率R2N+1は大きくなり10
0%に近づくことが判る。
【0040】図3に本発明例の構造(図1)と第2の従
来例の構造(図5)における多層反射膜の反射率スペク
トルを示す。実線は本発明例における多層反射膜の反射
率スペクトルの計算値、破線は第2の従来例における多
層反射膜の反射率スペクトルの計算値である。繰り返し
数は本発明例及び第2の従来例共に5回とし、第1の多
層反射膜8の中心波長を780nm、第2の多層反射膜
9の中心波長を650nmとした。
【0041】第2の従来例の反射率は入射光の波長が7
80nmでは89%であるが、650nmでは22%し
か反射しなかった。一方、本発明例の反射率は780n
mで89%、650nmで76%となり、飛躍的に向上
した。また、反射率が60%以上ある波長域は、第2の
従来例の670nm〜930nmに対し、本発明例では
560〜940nmとなり、120nmも反射率が高い
波長域が広がったことが判る。第1及び第2の多層反射
膜8,9で反射された光は、再度pinフォトダイオー
ド3に入射するため、実効的な膜厚を2倍にすることが
できる。その結果、pinフォトダイオード3の光吸収
率は大きく向上し、波長650nm、780nmにおい
て、第2の従来例ではそれぞれ67%、43%に対し、
本発明ではそれぞれ84%、65%まで向上した。
【0042】また、本発明例において、第1及び第2の
多層反射膜8,9を構成している各反射膜の光学的膜厚
が、入射光の波長λに対しλ/4を満たしているが、必
ずしもこの条件を満たさなくても良い。その場合、中心
波長に対する反射率がやや低下するが、反射率が高い波
長領域をさらに広げることができる。
【0043】なお、前記の実施形態においては、第1及
び第2の多層反射膜8,9として酸化膜と窒化膜の積層
膜を用いているが、必ずしもこの構造に限定されたもの
ではなく、屈折率が異なる膜が積層された構造であれ
ば、いかなる物質の組み合わせであっても良い。また、
多層反射膜の屈折率の差によって最適繰り返し数や波長
域の幅を自由に変えることができるものである。
【0044】また、前記の実施形態では、第1及び第2
の多層反射膜8,9の構成として、両者共に酸化膜と窒
化膜の同一の膜を用いたが、必ずしもこの構成に限定さ
れるものではなく、反射膜を全て異なる物質で構成して
も問題ない。また、前記の実施形態において、第1及び
第2の多層反射膜8,9を構成している膜が酸化膜と窒
化膜のように同一の構成を用いるという好ましい例にお
いては、半導体集積回路の製造工程において十分な実績
があり、かつ同一の装置で形成できるため工程の簡略化
ができるというメリットを有する。
【0045】さらに、前記の実施形態においては、第1
及び第2の多層反射膜8,9を構成している膜として絶
縁性のある誘電体膜を用いたが、必ずしもこの構成に限
定されたものではない。好ましい例として、第1及び第
2の多層反射膜8,9を構成する膜の少なくとも1つが
絶縁性を有していると、シリコン基板1と素子層2の絶
縁性が確保されるため、リーク電流や寄生素子の影響が
大きく低減できる。
【0046】加えて、前記の実施形態において、半導体
基板としてシリコン基板1を用いたが、必ずしもシリコ
ン基板に限定されるものではなく、例えば長波長域で広
く用いられているゲルマニウム基板や化合物半導体基板
であっても良い。
【0047】さらにまた、前記の実施形態では、受光素
子としてpinフォトダイオード3を用いたが、通常の
pn型フォトダイオード、アバランシェフォトダイオー
ド、フォトトランジスタやpn接合を用いない光伝導素
子についても適用が可能であることは言うまでもない。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
半導体基板と素子層との間に第1の波長に対して高い反
射率を持つ第1の多層反射膜と、第2の波長に対して高
い反射率を持つ第2の多層反射膜を積層することによ
り、素子層が薄くてかつ、2波長又は広範囲の波長域に
対して高い受光感度を有する受光素子と高速の電子回路
素子とを混載した半導体装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るOEICの構造を概
略的に示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るOEICにおいて多
層反射膜の繰り返し数と反射率との関係を示す図であ
る。
【図3】本発明例及び第2の従来例の多層反射膜におけ
る反射率スペクトルを示す図である。
【図4】第1の従来例のOEICの構造を概略的に示す
断面図である。
【図5】第2の従来例のOEICの構造を概略的に示す
断面図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板(半導体基板) 2 素子層 3 pinフォトダイオード(受光素子) 4 npnトランジスタ(電子回路素子) 8 第1の多層反射膜 9 第2の多層反射膜 10 第1の酸化膜 11 第1の窒化膜 12 第2の酸化膜 13 第2の窒化膜
フロントページの続き Fターム(参考) 2H042 DA01 DA08 DA10 DE00 4M118 AA01 AA08 AB05 AB10 BA02 CA03 CA05 CA09 CA34 FC09 FC16 FC18 FC20 GA10 GD15 5F049 MA04 MB03 NA03 NA10 NB08 PA03 PA20 QA03 RA08 SS03 SZ16 UA07 UA13 UA14 WA03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に素子層が形成され、 前記素子層に受光素子及び電子回路素子が互いに絶縁分
    離されて形成され、 前記半導体基板と素子層との界面に第1及び第2の多層
    反射膜が積層形成され、 前記第1及び第2の多層反射膜は、屈折率の異なる複数
    の反射膜が交互に積層形成され、前記受光素子から入射
    した波長の異なる入射光を反射して再度受光素子に入射
    させるように構成されていることを特徴とする受光素子
    を内蔵する半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2の多層反射膜を構成す
    る反射膜の光学的膜厚は、次式 nd=λ/4 n:反射膜の屈折率 d:反射膜の膜厚 λ:入射光の波長 の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の受光
    素子を内蔵する半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2の多層反射膜を構成す
    る反射膜は、同じ材質の膜を有することを特徴とする請
    求項1に記載の受光素子を内蔵する半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記第1及び第2の多層反射膜を構成す
    る反射膜のうち少なくとも1つは絶縁性を有することを
    特徴とする請求項1に記載の受光素子を内蔵する半導体
    装置。
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