JP5063556B2 - 調剤用クリーンルームユニット - Google Patents
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Description
なお、前記作業ルームには作業者用の出入口を開閉する開閉ドア(開き戸)が設けられており、前記クリーンベンチユニットには前記作業用開口を開閉する開閉シャッタが装備されており、前記空気調整システムはユニット外から空気を取り入れつつフィルタと作業ルームとクリーンベンチユニットとの間で空気を循環させるようになっている。
そこで、開き戸の開放による汚染の影響が軽減されるよう、パーソナルな調剤用クリーンルームユニットを改良することが技術的な課題となる。
すなわち、前記作業ルームを囲う外面のうち前記開き戸の下方に位置する部分に扉下吸気口が形成されており、前記給排気系が前記扉下吸気口からの吸気を選択的に行うものであり、前記制御装置が、給排気中の前記開き戸の開動作または開操作を検知したとき前記給排気系に前記扉下吸気口からの吸気を行わせるようになっている。
したがって、この発明によれば、外気での全量換気に基づく清浄化完了待ち時間の短縮により、開き戸の開放による汚染の影響が少なくて速やかに調剤作業を始められるパーソナルな調剤用クリーンルームユニットを実現することができる。
したがって、この発明によれば、外気での全量換気に加えて作業台の上下からの吸い出しまで行うようにしたことにより、開き戸の開放による汚染の影響が少なくてより速やかに調剤作業を始められるうえ被爆の危険性が小さいパーソナルな調剤用クリーンルームユニットを実現することができる。
したがって、この発明によれば、外気での全量換気に加えて開閉案内表示も行うようにしたことにより、緊急避難可能でも開き戸の開放による汚染の影響が少なくて速やかに調剤作業を始められるパーソナル調剤用クリーンルームユニットを実現することができる。
これにより、シャッタの隙間を通って調剤作業空間から作業ルームへ流れ込もうとする汚染物質まで減らして僅少にすることができる。
これにより、例え開き戸を開けたときに開き戸に追従する気流に運ばれて散薬等が作業ルームから室外へ舞い降りたような場合でも、その散薬等は大部分が速やかに吸い込まれてうえで排気側に運ばれるので、ユニット外の汚染まで回避・抑制することができる。
図1に示した実施例1は、上述した解決手段1〜2(出願当初の請求項1〜2)を具現化したものであり、図2に示した実施例2は、上述した解決手段3〜5,6(出願当初の請求項3〜5,6〜9)を具現化したものである。
なお、それらの図示に際しては、簡明化等のため、ボルト等の締結具,ヒンジ等の連結具,電気回路や電子回路の詳細などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示した。
給気系について詳述すると、外気を外気取入口11から建物10内に取り入れ、その空気を給気ダクト12で天井裏31へ送り込みフィルタ71で清浄化してから、送風機72を作動させれば消音器73と送気口32を介して清浄な空気を穏やかに作業ルーム34に送給し、送風機74を作動させれば消音器75と噴気口33を介して清浄な空気を勢い良く作業ルーム34に送給するので、定常運転時の清浄空気供給に加えて、入室後の除塵のためのエアシャワーまで、作業ルーム34で行えるものとなっている。
そして、このような給気系と排気系とを具えた給排気系は、外気を取り込んで清浄化した空気だけを作業ルーム34に送給しつつ、その総てをユニット内で循環させることなくクリーンベンチ40やパスユニット50経由で屋外へ放出するものとなっている。
さらに、その陰陽切替ダンパ15や上記の送風機72,74,76,77は例えばマイクロプロセッサ組み込みの制御装置22によって動作制御されるようになっており、図示しない操作パネル等を介して制御装置22に指示することで、作業ルーム34の圧力を陰圧にでも常圧にでも陽圧にでも切り替えることができる。既述したように、陰圧は抗ガン剤といった劇薬の調剤作業に適しており、陽圧は他の薬剤の調剤作業に適している。
こうして、このクリーンルームユニット20を用いた調剤作業にあっては、従来より素早く作業を開始して、その分だけ短い時間で、作業を終えることができる。また、劇薬が作業台41上から作業ルーム34へ不所望に入り込んでしまったときでも、その薬剤は作業台41の上下から速やかに排出されるので、作業者の被爆の危険性が小さい。
開き戸60自体は既述品と同じままでも良く、図示した開き戸60には、密閉性に優れ安価で壁面占有面積が少なくて済む片開き扉が採用され、作業ユニット30の正面の出入口枠材35に装着されている。この開き戸60は、回転ハンドルからなる開閉操作部材61が内外(裏表)に出ており、スライドロッド等の係止部材62が内装されている。
操作検出器64は、例えばフォトセンサやプッシュスイッチからなり、開閉操作部材61の状態を検出するものであるが、検出結果を制御装置22に信号等で通知するには開き戸60側でなく作業ルーム34本体側に置いた方が簡便かつ安価なので被係止部36に臨んで出入口枠材35に設けられ、開閉操作部材61に連動する係止部材62の進退状態を検出することで間接的に開閉操作部材61の状態検出を行うようになっている。
扉下吸気口23は、上述した台上吸気口43等と同じでも良く、例えばパンチングメタルに形成された多数の小穴のようなもので良く、作業ルーム34を囲う外面のうち開き戸60の下方に位置する底部21の部分に形成されている。
扉下吸気口23は開閉ダンパ24を介在させて底部21の連通路に繋がっており、開閉ダンパ24が制御装置22の制御に従って開閉することにより、給排気系が扉下吸気口23からの吸気を選択的に行うようになっている。
作業者が開き戸60を開けて作業ルーム34に入ったときに、開き戸60をきちんと閉めないで給排気系を作動させようとすると、表示器63に「給排気開始前に扉を閉めて下さい」との案内が表示されるので、閉め忘れによる汚染を回避することができる。
さらに、給排気中には表示器63に「扉を開ける前に給排気を止めてください」との案内が表示されるので、開き戸60に施錠がされていなくても、うっかり給排気中に開き戸60を開けてしまう不所望な行為は抑制される。それでいて、作業者が身の危険を感じたときには、開き戸60が施錠されていないので、緊急脱出することができる。そして、給排気中に開き戸60が開いたときには、表示器63に「急いで退室して扉を閉めて下さい」との案内が表示され、ユニット内外の相互汚染の抑制が促される。
上記実施例では、操作検出器64の検出結果に基づいて制御装置22が給排気中の開き戸60の開操作を検知したときに制御装置22が給排気系に扉下吸気口23からの吸気を開始させるようになっていたが、それは行わずに、開閉検出器65の検出結果に基づいて制御装置22が給排気中の開き戸60の開動作を検知したときに初めて制御装置22が給排気系に扉下吸気口23からの吸気を開始させるようにしても良い。
また、上記実施例では、開閉操作部材61が回転ハンドルであったが、開閉操作部材61は、手動操作にて開き戸60を開閉できるものであれば他の形状でも良く、例えば回転式のノブや押し引き式の把手でも良い。
上記実施例では言及しなかったが、消毒機能のあるパスボックスを作業ユニット30やパスユニット50に連結しても良く、運転表示灯やインターホンを装備しても良く、椅子を入れておいても良く、人感センサーを取り付けても良く、覗き窓を設けても良く、照明は複数でも良く、シャッタ42の開閉状態を検出するセンサを設けても良く、調剤指示や薬剤情報などを表示するディスプレイを設けても良い。
12…給気ダクト、13,14…排気ダクト、
15…陰陽切替ダンパ、16…送風機、17…屋外排気口、
20…クリーンルームユニット、21…底部、
22…制御装置、23…扉下吸気口、24…開閉ダンパ、
30…作業ユニット、
31…天井裏、32…送気口、33…噴気口、
34…作業ルーム、35…出入口枠材、36…被係止部、
40…クリーンベンチ、41…作業台、
42…シャッタ、43…台上吸気口、44…連通路、
45…天井裏、46…台下吸気口、47…連通路、
50…パスユニット、
51…パスボックス、52…箱上吸気口、53…連通路、
54…天井裏、55…箱下吸気口、56…連通路、
60…開き戸(片開き扉)、
61…開閉操作部材、62…係止部材、
63…表示器、64…操作検出器、65…開閉検出器、
71…フィルタ、72…送風機、73…消音器、
74…送風機、75…消音器、76,77…送風機
Claims (2)
- 作業者出入用の開き戸を有しそれを閉めると外部から隔離される作業ルームと、作業台の一端とその上の作業用開口とを前記作業ルームに臨ませたクリーンベンチと、前記作業ルームに清浄な空気を送給しつつ前記クリーンベンチから排気する圧力調整可能な給排気系と、前記給排気系に対する動作制御を行うに際して前記作業ルームの気圧を陰圧か他の圧力に切り替えて異質な調剤作業の遂行を可能にする制御装置とを備えており、建物の内部に独立に設置される調剤用クリーンルームユニットにおいて、前記給排気系は、給気側と排気側とが完全に分離されていて、前記作業ルームへの給気には屋外から取り入れた空気だけが用いられるとともに、前記クリーンベンチからの排気は総て屋外に出されるようになっており、更に、前記開き戸の開閉を検出する開閉検出器が設けられるとともに、前記作業ルームを囲う外面のうち前記開き戸の下方に位置する部分に前記作業ルームの外と前記給排気系の排気側とに連通する扉下吸気口が形成されており、前記給排気系が前記扉下吸気口からの吸気を選択的に行うものであって前記扉下吸気口からの吸気を行うとき前記作業ルームの外から空気を吸い込んでその空気を総て屋外に出すようになっており、前記制御装置が、給排気中の前記開き戸の開動作を検知したとき前記給排気系に前記扉下吸気口からの吸気を行わせるものであることを特徴とする調剤用クリーンルームユニット。
- 作業者出入用の開き戸を有しそれを閉めると外部から隔離される作業ルームと、作業台の一端とその上の作業用開口とを前記作業ルームに臨ませたクリーンベンチと、前記作業ルームに清浄な空気を送給しつつ前記クリーンベンチから排気する圧力調整可能な給排気系と、前記給排気系に対する動作制御を行うに際して前記作業ルームの気圧を陰圧か他の圧力に切り替えて異質な調剤作業の遂行を可能にする制御装置とを備えており、建物の内部に独立に設置される調剤用クリーンルームユニットにおいて、前記給排気系は、給気側と排気側とが完全に分離されていて、前記作業ルームへの給気には屋外から取り入れた空気だけが用いられるとともに、前記クリーンベンチからの排気は総て屋外に出されるようになっており、更に、前記開き戸の開閉操作部材の状態を検出する操作検出器が設けられるとともに、前記作業ルームを囲う外面のうち前記開き戸の下方に位置する部分に前記作業ルームの外と前記給排気系の排気側とに連通する扉下吸気口が形成されており、前記給排気系が前記扉下吸気口からの吸気を選択的に行うものであって前記扉下吸気口からの吸気を行うとき前記作業ルームの外から空気を吸い込んでその空気を総て屋外に出すようになっており、前記制御装置が、給排気中の前記開き戸の開操作を検知したとき前記給排気系に前記扉下吸気口からの吸気を行わせるものであることを特徴とする調剤用クリーンルームユニット。
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