JP4485476B2 - 室圧制御方法およびその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、室圧制御方法およびその装置に関し、さらに詳細には扉により開閉される開口を介して連通する少なくとも2室の室内気圧を所定の気圧に制御する室圧制御方法およびその装置に関する。
半導体製造又は研究建家、医薬品製造又は研究建家、或いは食品加工又は研究建家などにおける内部室の室内気圧(室圧)は、外部から塵埃や細菌の進入を防ぐ目的から外部より高い気圧に設定され、或いは細菌などの外部への漏出を防止する目的から外部より低い気圧に設定され、また扉により開閉される開口を介して連通する室どうしもそれぞれ異なる気圧に設定されている。このような目的で設定された室圧(目標室圧)は、室圧制御装置により管理されている。従来の技術では、各室の室圧をそれぞれ設定された目標室圧に調整する室圧制御が、一般的に、室圧に変動が生じている室(対象室)の室圧と設定された目標室圧との差を減じるように、例えばダンパなどからなる給気量調整手段や排気量調整手段を介して対象室への給気量或いは対象室からの排気量を変化させる方法により行われていた。
しかし、対象室の目標室圧と異なる気圧となっている隣室や廊下などと対象室とを接続している扉が開かれた場合、従来の室圧制御を行うと、給気量調整手段や排気量調整手段は、対象室内の気圧を目標室圧にするために調整し得る最大或いは最小の調整位置に変更され、対象室の室圧は目標室圧になることなく、条件によっては室圧のハンチング(大きな乱れの繰り返し)を起こす。
さらに、扉が閉鎖され、対象室の室圧が室圧制御により目標室圧に調整し得る状態になったとしても、対象室内の空気量のバランスが著しく乱されたままの状態から制御を行うことになり、またこの制御の初期値が著しく目標位置から外れた状態から制御を行うことになるので、扉を閉鎖した直後に大きな室圧の乱れや、ハンチングを生じる。このような問題を解決するために特許文献1に開示された室圧制御装置では、扉の開閉を検知するセンサを設け、扉の開閉をこのセンサで検知して開信号および閉鎖信号を出し、これらの信号に基づいて風量調整手段であるダンパの開度を制御しようとするものである。
すなわち、特許文献1の室圧制御装置では、扉が開かれたときにセンサから供給される開信号に基づいてダンパを扉の開く直前の開度に固定する。その後、扉が閉鎖されたときは、センサから供給される閉信号に基づいて、扉の開く直前の開度に固定されていたダンパをその状態から再び動かし、室内の気圧の変動に追従して設定圧力に室圧制御を行うようにしている。
特許第1842965号
特許文献1に開示された発明の室圧制御装置では、確かに、扉が閉鎖された直後から室圧の変動に追従してダンパ制御を行っているが、扉閉鎖直後のダンパ制御再開時には、前述したようにダンパが扉の開く直前の開度で固定されていた位置から動き始めるため、扉開放直前の室圧即ちダンパの固定位置によっては室圧制御再開時にダンパの動き幅が非常に大きくなってハンチングを起こし、迅速に目標室圧に戻すことが難しい場合がある、という問題があった。
本発明の目的は、扉により開閉される開口を介して連通する少なくとも2室内の室内気圧をそれぞれ目標とする室圧に保持すると共に、例えば扉の開閉や局所排気などによる外乱の発生、或いは外乱の終息のときに風量調整手段の動き幅を小さくして迅速に目標室圧に戻す室圧制御方法およびその装置を提供する。
本発明の室圧制御方法は、前述した技術的課題を解決するために以下のように構成されている。すなわち、本発明は、扉により開閉される開口を介して連通する少なくとも2つの室それぞれの室内気圧を所定の気圧に制御する室圧制御方法であり、その特徴とするところは、前記室内の気圧を変動させる外乱がないときに、前記各室にそれぞれ接続された給気管および排気管を備える給気装置および排気装置の少なくともいずれか一方に取り付けられた可変風量ユニットの風量調整手段を介して前記室内の気圧を予め設定した目標室圧に維持する第1室圧制御と、前記外乱の発生を予測し又は外乱が発生したときに、室圧の変動が予想される前記室について前記風量調整手段を介して前記可変風量ユニットを通過する前記風量を予め設定した変更風量値に変更する第2室圧制御と、前記室について前記外乱が終息したとき、前記風量調整手段を介して前記可変風量ユニットを通過する前記風量を前記目標室圧に維持する風量に戻すこととを含み、前記第2室圧制御において、前記変更風量値が、前記室の気圧を前記目標室圧に維持しているときに前記可変風量ユニットを通過する安定風量値と、該安定風量値に対して所定風量だけ増加または減少した増減風量値とであり、前記室内の気圧を変動させる前記外乱の発生を予測する第1の検出信号に基づき、室圧が変動する前記室について前記風量調整手段を介して前記可変風量ユニットを通過する前記風量を前記安定風量値に変更すること、前記外乱の発生を検出する第2の検出信号に基づき、室圧の変動した前記室について前記風量調整手段を介して前記可変風量ユニットを通過する前記風量を前記増減風量値に変更することから構成されていることにある。
本発明の室圧制御方法は、前述した必須の構成要素からなるが、本発明の一実施形態としては、前記第2室圧制御において、前記外乱が前記扉の開放により発生し、前記扉が所定開放域の範囲内に開いたとき前記第1の検出信号を供給し、次いで、前記扉が前記所定開放域を超えて開いたとき前記第2の検出信号を供給するようにすることも好ましい。
また、本発明の室圧制御方法における他の実施形態としては、前記第2室圧制御において、開放した前記扉が閉鎖を開始して前記所定開放域の範囲内になったことを検出する第3の検出信号に基づき前記風量調整手段を介して前記可変風量ユニットを通過する風量を前記安定風量値に変更すること、次いで、前記扉が完全に閉鎖されたことを検出する第4の検出信号に基づき前記風量調整手段を介して前記外乱の発生がないときの前記第1室圧制御に戻るようにすることも好ましい。
また、本発明は室圧制御装置であり、前述した技術的課題を解決するために以下のように構成されている。すなわち、本発明の室圧制御装置は、扉により開閉される開口を介して連通する少なくとも2つの室にそれぞれ接続している給気管を備える給気装置と、前記各室にそれぞれ接続している排気管を備える排気装置と、前記給気装置および前記排気装置の少なくともいずれか一方に取り付けられ、前記各室ごとの給気もしくは排気の風量を調整する可変風量ユニットと、前記各室についての給気もしくは排気の前記風量を変更する前記可変風量ユニットの風量調整手段と、該風量調整手段を介して前記可変風量ユニットを通過する前記風量を調整し、前記室の気圧を所定の室内気圧に維持するコントローラと、前記室内の気圧を変動させる外乱の発生を予測および検出して前記コントローラに検出信号を供給する検出手段とを含み、前記コントローラは、前記外乱により室圧が変動するときに、この室について前記可変風量ユニットを通過する前記風量を予め設定した変更風量値にする前記風量調整手段の変更調整位置を記憶した記憶装置と、前記外乱の発生がないときに、前記室内の気圧を予め設定された目標室圧に維持すべく前記風量調整手段を介して前記可変風量ユニットを通過する風量を随時調整すると共に、前記外乱が発生したときに、前記検出手段から供給される前記検出信号に基づいて前記風量調整手段を介して前記可変風量ユニットを通過する前記風量を変更し、外乱が終息したときには前記風量調整手段を介して前記可変風量ユニットを通過する前記風量を前記目標室圧に維持する風量に変更する制御部とを備え、前記記憶装置に記憶された前記風量調整手段の前記変更調整位置は、安定室圧調整位置と、増減変更調整位置とを含み、前記風量調整手段が前記安定室圧調整位置に調整されたときに前記可変風量ユニットを通過する風量値が前記各室に予め設定された前記目標室圧に維持する安定風量値となり、前記風量調整手段が前記増減変更調整位置に調整されたときに前記可変風量ユニットを通過する前記風量が前記安定風量値に対して所定風量だけ増加または減少する増減風量値となり、前記検出手段により供給される前記検出信号が、前記外乱の発生を予測したときに供給される第1の検出信号と、前記第1の検出信号を供給した後、前記外乱が発生したとされるときに供給される第2の検出信号とを含み、前記コントローラの前記制御部が、前記第1の検出信号に基づいて前記風量調整手段を介して前記可変風量ユニットを通過する風量を前記安定風量値に変更し、前記第2の検出信号に基づいて前記風量調整手段を介して前記可変風量ユニットを通過する風量を前記増減風量値に変更することを特徴とする。
本発明に室圧制御装置は、前述した必須の構成要素からなるが、本発明の一実施形態として、前記外乱の発生が、前記扉の開放により発生し、前記扉が所定開放域の範囲内に開いたときに供給される前記第1の検出信号に基づいて前記コントローラの前記制御部が、前記可変風量ユニットを通過する風量を前記安定風量値に変更すべく前記風量調整手段を前記安定室圧調整位置に変更し、前記扉が前記所定開放域を超えて開いたときに供給される前記第2の検出信号に基づいて前記コントローラの前記制御部が、前記可変風量ユニットを通過する風量を前記所定風量だけ増減した風量に変更すべく前記風量調整手段を前記増減変更調整位置に変更するようにすることも好ましい。
また、本発明の室圧制御装置における他の実施形態としては、開放した前記扉が閉方向へ動いて前記所定開放域の範囲内になったときに供給される第3の検出信号に基づいて前記コントローラの前記制御部が、前記風量調整手段を介して前記可変風量ユニットを通過する風量を前記安定風量値に変更し、前記扉が完全に閉鎖されたときに供給される第4の検出信号に基づいて前記外乱の発生がないときの前記随時調整に戻るようにすることも好ましい。
本発明の室圧制御方法およびその装置によれば、室内に外乱が発生したとき、該外乱が発生した室について風量調整手段を介して可変風量ユニットを通過する風量を予め設定した変更風量値にし、外乱が終息したときには、可変風量ユニットの風量調整手段を介して該可変風量ユニットを通過する風量を目標室圧に維持する安定風量値に強制的に戻すようにしているので、風量調整手段の変位幅を小さくでき、その結果、対象室の気圧を迅速に目標室圧に戻すことができる。
また、本発明の室圧制御方法およびその装置では、第1の検出信号で室内の気圧を変動させる外乱の発生を予測し、第2の検出信号で外乱の発生を検出し、第1の検出信号に基づいて、風量調整手段を介して可変風量ユニットを通過する風量を目標室圧に維持しているときの安定風量値に変更し、第2の検出信号に基づいて、風量調整手段を介して可変風量ユニットを通過する風量を予め決められた増減風量値に変更するようにしたので、外乱が起こり始めた直後における風量調整手段における調整位置に乱れを起こすことがない。
さらに、本発明の室圧制御方法およびその装置では、外乱が少なくとも2室を連通する開口に取り付けられた扉の開閉によって起こるとき、扉が所定開放域の範囲内に開くとき又は開いたときに第1の検出信号を供給し、扉が所定開放域を越えて開いたときに第2の検出信号を供給するようにしたので、扉が僅かに開いたときに起こる風量調整手段における調整位置に乱れを起こすことがない。
以下、本発明の室圧制御方法およびその装置を添付の図に示された好適な実施形態についてさらに説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る室圧制御装置を用いた空調システムの概念図である。この空調システムでは、互いに隣接する2つの室10,11を例としている。ただし、室を2つに限定するものではなく、室が3つまたはそれ以上あってもよい。図1に示される空調システムでは、目標室内気圧(目標室圧)が最も高い第1室10と、第1室10よりも目標室圧が低い第2室11との各室圧を本発明の室圧制御方法およびその装置により制御する。
第1室10と第2室11との各目標室圧は、室外の気圧よりも高い。
第1,2室10,11は、側壁12によって仕切られ、さらに、各室10,11の周囲を囲む天井(図示せず)、床13、周壁14によって室外と仕切られている。側壁12には、図2に示されるように第1室10と第2室11とをつなぐ出入り口(開口)Kが形成されていて、この開口Kは扉15により開閉可能とされ、また周壁14にも第2室11と室外とをつなぐ出入り口が(開口)が形成されていて、この開口も同様に扉16により開閉可能とされている。
前者の扉15は、縦方向に延びる一方の側部が、開口Kを画成している側壁12の枠部材に蝶番で取り付けられ、縦方向に延びる一方の側部を軸として第1室10から第2室11に向かって0〜180度の範囲で旋回するスイング式の片開き自在戸である。従って、この扉15を第2室11側から第1室10内に入り込ませるように開くことはできない。扉15を開けると、該扉15で開閉される開口Kを介して第1,第2室10,11どうしが連通し、この開口Kを通って両室10,11の往来が可能となる。扉15の閉鎖時に該扉15が整合状態に納まる扉枠には、扉15の開閉を識別すると共に、扉15の開き度合いを識別するための2つの開閉センサ17a,17bが取り付けられている。各開閉センサ17a,17bは、インターフェイス18を介して後述するコントローラ19に接続されている。
後者の扉16は、扉15と同様に扉枠に取り付けられ、周壁14に対して0〜180度の範囲で旋回するスイング式片開き自在戸である。この扉16を開けると、該扉16で開閉される出入り口を介して第2室11と室外とが連通し、該出入り口を通って第2室11と室外との往来が可能となる。
第1,第2室10,11には、各室10,11に所定量の空気を供給する給気ダクト20(給気管)がつながり、また第1,第2室10,11から所定量の空気を排出する排気ダクト26(排気管)がつながっている。給気ダクト20は、基幹ダクト21と、基幹ダクト21から分岐して各室10,11に向かって延びる分岐ダクト22a,22bとから形成されている。基幹ダクト21には給気用送風機23が取り付けられ、各分岐ダクト22a,22bにはそれぞれ1つの定風量ユニット24,25が取り付けられている。各分岐ダクト22a,22bは、各室10,11の天井に施設された給気口(図示せず)につながり、それら室10,11に個別に連通されている。定風量ユニット24,25は、給気ダクト20の内部気圧の変動に対して該定風量ユニット24,25内を通る空気通過量を調節し、各室10,11へ供給する空気量を常時一定に保持する。
他方、排気ダクト26は、基幹ダクト27と、基幹ダクト27から分岐して各室10,11へ向かって延びる分岐ダクト28a,28bとから形成されている。各分岐ダクト28a,28bは、各室10,11の天井などに施設された排気口32につながり、各室10,11に個別に連通されている。基幹ダクト27には排気用送風機29が取り付けられ、各分岐ダクト28a,28bにはそれぞれ1つの可変風量ユニット30,31が取り付けられている。これらの可変風量ユニット30,31は、風量調整手段としてそれぞれモータダンパ30a,31aと制御器30b,31bとから構成されている。モータダンパ30a,31aは、空気流路に配置されたダンパ(開閉翼)をモジュトロールモータ(回転機)の回転力により回転し、該空気流路を開閉して空気流路を流れる空気量を調整する。
また、制御器30b,31bは、インターフェイス35(無線または有線)によりコントローラ19に接続されている。これにより、可変風量ユニット30,31の動作として、モジュトロールモータが制御器30b,31bからの制御信号により回転されると、ダンパが回転して所定角度に設定され、これにより空気流路に対するダンパの開度が調整され、その結果、空気流路を通過する空気の流量が調整される。なお、モータダンパ30a,31aには、並行翼ダンパ又は対向翼ダンパを使用することができる。
前述したコントローラ19は第2室11に設置されている。しかし、コントローラ19の第2室11への設置は、必須の要件ではなく、第1室10又は室外に設置されていてもよい。第1,第2室10,11には、各室10,11の室内気圧を時系列で連続的に測定する圧力センサ33,34が設置されている。圧力センサ33,34は、インターフェイス35によりコントローラ19に接続されている。なお、第1,第2室10,11の目標室圧に特に限定はなく、各室10,11の用途や容積等によって目標室圧を所定の範囲で適宜設定することができる。また、第2室11の目標室圧が第1室10のそれより高くてもよく、さらに、各室10,11の目標室圧が室外の気圧より低くてもよい。なお、コントローラ19、定風量ユニット24,25、可変風量ユニット30,31、開閉センサ17a,17b、及び圧力センサ33、34には、配線(図示せず)を介して所定の電力が供給されている。
ところで、扉15,16には、各室10,11の気密を保持するためにエアタイトが使用されている。また、ドアノブは、グレモンハンドルであり、扉15,16を閉めたときにグレモンハンドルをロックすることで扉15,16に気密性を高めている。開閉センサ17aには、リミットスイッチ(トリガーセンサ)が使用されている。リミットスイッチは、扉15,16のデッドボルトの動きを接点信号に変換し、ON/OFF信号を出力する。開閉センサ17aは、扉15,16を開く前及び閉じた後にグレモンハンドルを回転させる動作を検出する。
また、扉15に取り付けられる開閉センサ17bには、マグネットスイッチが使用され、該マグネットスイッチは、磁力で扉15の開き度合いを検出する。具体的には、開閉センサ17aは、図2に示されるように扉15を閉めたときにドアノブが対向する扉枠に取り付けられている。開閉センサ17bは、扉15が所定の開度に開いたときにマグネットスイッチが反応する位置の扉枠に取り付けられている。マグネットスイッチが反応するまでの遊び(ストローク)を利用することで、開閉センサ17bが反応する扉の開き角度を所定の値に設定することができるから、開閉センサ17bの種類および取付け位置を適宜選択することでセンサ17bが反応する扉開度を自由に設定することができる。扉15を開く際には、扉15のエアタイトが解かれ、扉15が僅かに動いた時点で開閉センサ17aが反応し、その後、開閉センサ17bの順に反応する。これとは逆に、扉15を閉める際には、開閉センサ17bが反応し、その後開閉センサ17aが反応する。
この室圧制御装置を用いた空調システムでは、図1にFで示されるように給気用送風機23により送気された所定量の空気が給気ダクト20を通って各室10,11に給気され、他方、所定量の空気が排気用送風機29により各室10,11内から排気ダクト26を通って室外に排気される。また、この室圧制御装置を用いた空調システムでは、給気用ダクト20の内部を流れる空気に圧力変動が生じたとしても、定風量ユニット24,25によって分岐ダクト22a,22bの空気通過量が一定に保持され、常時定量の空気が各室10,11に供給されている。各室10,11から排気ダクト26を通って室外に排気される空気量は、可変風量ユニット30,31により調整されている。扉15,16が閉鎖されているときに、第1,第2室10,11内の室圧は、それぞれの室ごとに設定されている目標室圧に定風量ユニット24,25および可変風量ユニット30,31により保持されている。
コントローラ19は、所定の演算を行う中央処理装置と所定の条件を記憶する主記憶装置とを有するマイクロプロセッサ(図示せず)により構成されている。このコントローラ19には、キーボードやテンキーユニットなどの入力装置、プリンタやX−Yプロッタなどの出力装置、液晶ディスプレイやCRTなどの表示装置(いずれも図示せず)がインターフェイスにより接続されている。コントローラ19は、主記憶装置に格納されたアプリケーションプログラムを起動し、所定のオペレーティングシステムに従い、所定の条件を記憶する初期条件記憶手段と、扉15の開閉を記憶すると共に扉15の実際の開き度合いを複数の段階に区分して識別する扉開閉識別手段と、各室10,11の室内気圧を目標室圧に保持する室内気圧調整制御(第1室圧制御)手段とを実行する。ここで、「扉15の実際の開き度合い」とは、図2示されるように扉15が開かれたときの側壁12と扉15のなす角度θ(扉の開き角度θ)を意味している。
この室圧制御装置を用いた空調システムの起動中、コントローラ19には、圧力センサ33,34から第1,第2室10,11の実測室内気圧が常時入力され、また、可変風量ユニット30,31の制御器30b,31bからダンパの回転角度が常時入力されている。コントローラ19には、開閉センサ17a,17bから扉15の開閉情報が常時入力されている。開閉情報には、扉15が開いた状態にあるか、閉鎖された状態にあるかの他、扉15の実際の開き度合いが含まれる。コントローラ19は、扉15が閉まっている状態にあると判断すると、第1,第2室10,11に対して室内気圧調節制御(第1室圧制御)を継続して実行する。次いで、扉15が開かれると、第1,第2室10,11内に外乱が発生したと判断して、開口Kを介してつながるこれら各室10,11に対する室内気圧調節制御(第1室圧制御)を一時中断して各室10,11に第2室圧制御を実行する。また、コントローラ19は、開いた状態にある扉15が閉鎖されたと判断すると、各室10,11内における外乱が終息したと判断してそれまで実行していた第2室圧制御を終了し、各室10,11に再び室内気圧調節制御(第1室圧制御)に戻す。
図3のフローチャートに基づき、コントローラ19によって実行されるこのシステムのプロセスの詳細を説明すると、以下のとおりである。室10,11の使用者は、扉16を開けて第2室11に入り、扉16を閉めた後、コントローラ19のスイッチ(図示せず)をONにしてこの空調システムにおける室圧制御装置を起動させる。なお、室圧制御装置の起動中、扉16の開閉はないものとする。室圧制御装置を起動させた後、コントローラ19には、入力装置を介してこのシステムのプロセスを実行するために必要な諸条件が入力される(S−1)。条件には、目標室内気圧、扉15が開いたと仮定したとき仮想開き度合(扉15の仮想開き角度)がある。入力されたこれらの条件は、コントローラ19の主記憶装置に格納される(初期条件記憶手段)。コントローラ19は、条件変更の有無を表示装置により表示する(S−2)。これらの条件に変更がある場合は、入力装置によって条件変更を行う(S−3)。
コントローラ19の主記憶装置には、扉15の実際の開き度合と扉15の仮想開き度合との対応関係が格納されている。コントローラ19は、開閉センサ17a,17bのON/OFF信号に基づいて扉15の開閉を識別する。開閉センサ17a,17bがONのときは、扉15の実際の開き度合が0度で扉15が閉められた状態にある。開閉センサ17aがOFFで開閉センサ17bがONのときは、扉15の実際の開き度合が0度を超え15度以下の範囲にある。言い換えれば、開閉センサ17bは、扉15の開き角度が15度になったときにONする扉枠位置に取り付けられている。従って、2つの開閉センサ17a,17bがいずれもOFFのときは、扉15の実際の開き度合が15度を超えた範囲にある。
前述した各条件が入力され、かつ、条件に変更がない場合、コントローラ19は、扉15が閉じた状態にあるかを判断する(S−4)。コントローラ19は、センサ17a,17bからの開閉情報に基づき、扉15が閉じた状態にあると判断すると、各室10,11に対して第1室圧制御、即ち室内気圧調節制御を継続して実行し(S−5)、室10,11の室内気圧が目標室圧の範囲内にあるかを判断する(S−6)。室内気圧調節制御においてコントローラ19は、各室10,11の目標室圧(目標値)を基準入力信号に変換し(設定)、偏差をもとに制御対象が所定の動作をするように制御信号を作る(調節)。さらに、制御信号を操作に必要な操作信号(操作量)に変換するとともに(操作)、変動が生じたときの制御量を検出してそれを基準入力信号と同種の物理量(主フィードバック量)に変換し(検出)、その物理量をフィードバックして基準入力信号と比較する。室内気圧調節制御においてコントローラ19は、設定、調節、操作、検出の各要素が閉ループを形成するフィードバック制御を行う。ここで、操作量はモジュトロールモータの回転を制御する電圧や電流、周波数であり、制御対象は可変風量ユニット30,31のモータダンパ30a,31aであり、制御量はモータダンパ30a,31aにおけるダンパの回転角度(翼の開度により空気流路を通過する空気通過量)である。偏差とは、目標室圧と主フィードバック量との差で制御量を訂正動作させる動作信号である。なお、フィードバック制御の制御動作は、PID制御である。
第1室圧制御である室内気圧調節制御では、圧力センサ33,34が測定した各室10,11の実測室内気圧がコントローラ19に入力され、中央処理装置が入力された実測室内気圧とあらかじめ設定された各室10,11の目標室圧とを常時比較して所定の角度制御量を作る。この角度制御量は、コントローラ19から可変風量ユニット30,31の制御器30b,31bに入力される。制御器30b,31bは、コントローラ19から入力された角度制御量に基づき、モータによってダンパを回転させて回転角度を変更し、空気流路を狭めたり広げたりすることで、可変風量ユニット30,31を通過する空気通過量を調節する。コントローラ19は、実測室内気圧が目標室圧の範囲に入ると、制御器30b,31bを介してその時点におけるダンパの回転角度を保持する。このような第1室圧制御(室内気圧調節制御)が実行されているときのモータダンパ30a,31aにおけるダンパの変動は、図4の特性図において線部分36として示されている。
第1室圧制御が実行されているときに、扉15のハンドルが回されて図2に示されるように扉15が開けられると、ステップ4(S−4)においてコントローラ19は、開閉センサ17a,17bからの開閉情報に基づき、扉15が開けられたと判断し、開けられた扉15を特定するとともに(S−8)、その扉15が開閉する開口Kを介して連通する室に対して第1室圧制御を一時的に中断し、これら各室に対して第2室圧制御を実行する(S−9)。この第2室圧制御については、さらに具体的に後述する。その後、開かれていた扉15が閉鎖されると、第2室圧制御を終了して再び第1室圧制御に戻る(S−10)。使用者が、各室10,11の使用を終了して室外に出るときには、コントローラ19のスイッチ(図示せず)をOFFにしてこの空調システムにおける室圧制御装置を終了(S−11)させた後に扉16を開けて退室する。
ここで、第2室圧制御の具体的な内容について以下に説明する。第1室圧制御が実行されている間は、可変風量調整ユニット30,31のダンパ開度が微小に変動し、各室10,11内の気圧を目標室圧に調整している様子が図4の特性図における線部分36から明らかである。このように第1室圧制御が実行されているときに、扉15のハンドルが回されると(図4の特性図における横軸(時間)上の位置t1)、開閉センサ17aがOFFとなってその検出信号(第1の検出信号)がコントローラ19に供給される。その結果、コントローラ19は、扉15が開かれ、第1,第2室10,11が開口Kを介して連通されることを判断して第1室圧制御を一時的に中断する。ここで、扉15が開かれることにより開口Kを介して連通される第1,第2室10,11を便宜的に「対象室」という。
ところで、開閉センサ17aだけがOFFとなっていて開閉センサ17bがONとなっている場合には扉15の開き度合いが0度〜15度の範囲であって、扉15が開かれようとしている状態か、或いは僅かに開かれた状態である。そのため、その後、扉15が完全に開かれるのか、又は再び閉められるのか分からない。そこで、コントローラ19は、可変風量ユニット30,31におけるモータダンパ30a、31bのダンパ開度を、各室10,11を目標室圧に維持しているときの安定した風量値(変更風量値1)に変更するための位置(安定室圧調整位置)にし、その開度を維持(図4の特性図における線部分37a)すべく制御器30a,31aを介して指示信号を供給する。各室10,11を目標室圧に維持しているときの安定風量値にするダンパ開度は、後述するように予め実験などにより取得されたデータに基づいてコントローラ19の主記憶装置に格納されている。
次いで、使用者が、扉15を引き続いて開き、その開き度合いが15度を超えると、開閉センサ17bがOFFとなりその検出信号(第2の検出信号)がコントローラ19に供給される(図4の特性図における横軸(時間)上の位置t2)。コントローラ19は、開閉センサ17bからの信号を受けると、開閉センサ17aもOFFであることから、扉15が15度を超えて開かれたことを判断する。これにより、コントローラ19は、扉15により開閉される開口Kでつながる各対象室10,11に外乱が発生したと判断する。次いで、コントローラ19は、可変風量ユニット30,31を通過する風量が予め設定された風量値(変更風量値2)となる位置(増減変更調整位置)に該可変風量ユニット30,31におけるモータダンパ30a、31aのダンパ開度を変更すべく制御器30b,31bに制御信号を入力する。この変更風量値2とは、具体的には、各室10,11が目標室圧になっているときに可変風量ユニット30,31を通過する安定風量値に対して増加した増加風量値である。これより、図4の特性図における線部分37bで示されるようにモータダンパ30a、31aのダンパ開度が増減変更調整位置に変更(大きく)され、可変風量ユニット30,31を通過する排気風量が所定量だけ増加される。
ここで、扉15が15度を超えて開かれたときに可変風量ユニット30,31を通過する予め設定された変更風量値2を「増加風量値」と表現した理由は、可変風量ユニット30,31が排気ダクト26における各分岐ダクト28a,28bに設置されているからである。もし、可変風量ユニット30,31が、給気ダクト20における分岐ダクト22a,22bに設置されていた場合には、可変風量ユニット30,31を通過する風量値が正反対になるので、「減少風量値」となる。すなわち、可変風量ユニット30,31が給気ダクト20に設置されていた場合には、モータダンパ30a,30bのダンパ開度を変更(小さく)して可変風量ユニット30,31を通過する給気風量を減少させる。
このときの「増減風量値」は、図5に示される特性図により決定される。この特性図は、可変風量ユニット30,31を通過する風量とモータダンパ30a,30bのダンパ開度との関係(特性線39)、および対象室の設定室圧とモータダンパ30a,30bのダンパ開度との関係(特性線40)を示したものである。例えば、対象室の目標室圧が5Paである場合には、特性線40上の点Aを通る縦軸と平行な線が交差する特性線39上の点Bが排気風量2000m3/hであるので、モータダンパ30a,31aのダンパ開度は約47.5%となる。従って、扉15が0度〜15度の範囲で開いているとき(ダンパ開度と流量および室圧との特性を示す図4において横軸(時間)上の位置t1〜t2)は、可変風量ユニット30,31を通過する風量が安定風量値となるようにダンパ開度が、47.5%とされ、その結果、「安定風量値」は、2000m3/hとなるのである。
そして、扉15が、15度を超えて開けられたときには、可変風量ユニット30,31を通過する風量(排気風量)を約400m3/hだけ増加し、約2400m3/hに変更すべくモータダンパ30a,31aのダンパ開度が変更される。この増加風量値は、安定風量値に対して増加風量値を300m3/h以上、かつモータダンパのダンパ開度を5〜10%の範囲内で大きくすることを条件にして実験的に決定された数値である。すなわち、各室10,11を連通させている開口Kを開閉する扉15が開かれたときに、高い室圧の室から低い室圧の室へ空気が流れ込むが、その時に各室の室圧を大きく乱れさせないようにするために排気風量をどの程度にするか、というテーマで実験をして得られたデータに基づいて経験的に決定された数値である。これにより、排気風量が、安定風量値から約400m3/hだけ増加した約2400m3/hとなるようにモータダンパ30a,31aのダンパ開度が約60%に変更される。
次いで、扉15が閉鎖方向に旋回され、開閉センサ17bがONになると(図4における横軸(時間)上の位置t3)、開閉センサ17bからの検出信号(第3の検出信号)がコントローラ19に供給される。これにより、コントローラ19は、扉15が閉鎖される状態にあると判断し、図4の特性図における線部分37cで示されるようにモータダンパ30a,31aのダンパ開度を安定風量値(変更風量値1)になる開度に戻すよう制御器30b,31bに制御信号を供給する。その結果、モータダンパ30a,31aのダンパ開度は、図4の特性図における線部分37dで示されるように可変風量ユニット30,31を通過する風量が安定風量値(変更風量値1)となる開度に変更される。その後、扉15が完全に閉められて、開閉センサ17aがONになると(図4の横軸(時間)上の位置t4)、開閉センサ17aからの検出信号(第4の検出信号)がコントローラ19に供給される。この検出信号により可変風量ユニット30,31に対する第2室圧制御が終了すると同時に、コントローラ19は、再び第1室圧制御(室内気圧調節制御)を実行する。
このように第2室圧制御では、扉15が開き始めることを検知したときに、それまで実行していた第1室圧制御(室内気圧調節制御)を中断して、モータダンパ30a,31aのダンパ開度を、安定風量値(変更風量値1)を維持する開度に固定し、扉15が15度を超えて開かれたときには該扉15で開閉される開口Kを介して連通する各室10,11に外乱が発生したと判断し、モータダンパ30a,31aのダンパ開度を予め設定された排気風量(安定風量値から所定量だけ増加した変更風量値2)となるように変更し、扉15が閉鎖され始めたことを判断したときには再び安定風量値(変更風量値1)となるような開度に戻すものである。そのため、扉15が閉鎖された後は、安定風量値を維持している状態の開度から第1室圧制御が再び実行されることになるので、従来のこの種の制御で発生するハンチングがなく、モータダンパ30a,31aのダンパ開度を迅速に調整して、室圧に変動が生じた対象室を速やかに目標室圧に戻すことができる。
この発明に係る室圧制御方法およびその装置について、前述した実施の形態では、室が2つの場合についてこれらの室内で外乱が発生する要因を、該室を連通する開口を開閉する扉の開閉を例にして説明したが、本発明では扉の開閉だけに限定するものではない。外乱発生要因としては、例えば、空調機の発停や、局所排気装置の発停などが挙げられる。これらの装置を外乱発生要因とする場合には、それら装置の起動スイッチや停止スイッチにセンサを組み込むか、或いはこれら装置の操作盤に操作者が接近したときにそれを検知するセンサを設置するなどして、それらスイッチを押したとき或いは操作盤に操作者が接近したときに第1の検出信号をコントローラに供給し、またこれら装置のモータが回転を始めた時、又はその回転数が所定の回転数になった時に第2の検出信号をコントローラに供給し、更にはこれら装置の停止スイッチを押すか、モータの回転が所定回転数まで下がった時に第3の検出信号をコントローラに供給し、モータの回転が完全に停止したときに第4の検出信号をコントローラに供給するようにすることで、扉の開閉以外の外乱発生要因にも対応することができる。
本発明の一実施形態に係る室圧制御装置を用いた空調システムの概念図である。 図1の空調システム概念図における2つの室を連通させる出入り口を開閉する扉とこれに設けられた開閉センサの取付け状態を示す斜視図である。 本発明に係る室圧制御方法の一例についてのフローチャート図である。 本発明に係る室圧制御方法の一実施形態についてモータダンパにおけるダンパ開度の変化を室圧の変動と共に示す特性図である。 本発明に係る室圧制御方法の一実施形態についてモータダンパのダンパ開度と風量および圧力(室圧)との関係を示す特性図である。
10 第1室
11 第2室
15,16 扉
17a,17b 開閉センサ
18,35 インターフェイス
19 コントローラ
20 給気ダクト
21 基幹ダクト
22a,22b 分岐ダクト
23 給気用送風機
24,25 定風量ユニット
26 排気ダクト
27 基幹ダクト
28a,28b 分岐ダクト
29 排気用送風機
30,31 可変風量ユニット
30a,31b モータダンパ(風量調整手段)
30b,31b 制御器
32 排気口
33,34 圧力センサ
36 第1室圧制御によるモータダンパ開度変化
37 第2室圧制御によるモータダンパ開度変化
39 ダンパ開度と排気風量の特性線
40 ダンパ開度と設定室圧との特性


Claims (6)

  1. 扉により開閉される開口を介して連通する少なくとも2つの室それぞれの室内気圧を所定の気圧に制御する室圧制御方法において、
    前記室内の気圧を変動させる外乱がないときに、前記各室にそれぞれ接続された給気管および排気管を備える給気装置および排気装置の少なくともいずれか一方に取り付けられた可変風量ユニットの風量調整手段を介して前記室内の気圧を予め設定した目標室圧に維持する第1室圧制御と、
    前記外乱の発生を予測し又は外乱が発生したときに、室圧の変動が予想される前記室について前記風量調整手段を介して前記可変風量ユニットを通過する前記風量を予め設定した変更風量値にする第2室圧制御と、
    前記室について前記外乱が終息したとき、前記風量調整手段を介して前記可変風量ユニットを通過する前記風量を前記目標室圧に維持する風量に戻すこと、
    を含み、
    前記第2室圧制御において、前記変更風量値が、前記室の気圧を前記目標室圧に維持しているときに前記可変風量ユニットを通過する安定風量値と、該安定風量値に対して所定風量だけ増加または減少した増減風量値とであり、
    前記室内の気圧を変動させる前記外乱の発生を予測する第1の検出信号に基づき、室圧が変動する前記室について前記風量調整手段を介して前記可変風量ユニットを通過する前記風量を前記安定風量値に変更すること、前記外乱の発生を検出する第2の検出信号に基づき、室圧の変動した前記室について前記風量調整手段を介して前記可変風量ユニットを通過する前記風量を前記増減風量値に変更することを特徴とする室圧制御方法。
  2. 前記第2室圧制御において、前記外乱が前記扉の開放により発生し、前記扉が所定開放域の範囲内に開いたとき前記第1の検出信号を供給し、次いで、前記扉が前記所定開放域を超えて開いたとき前記第2の検出信号を供給する請求項1に記載の室圧制御方法。
  3. 前記第2室圧制御において、開放した前記扉が閉鎖を開始して前記所定開放域の範囲内になったことを検出する第3の検出信号に基づき前記風量調整手段を介して前記可変風量ユニットを通過する風量を前記安定風量値に変更すること、次いで、前記扉が完全に閉鎖されたことを検出する第4の検出信号に基づき前記風量調整手段を介して前記外乱の発生がないときの前記第1室圧制御に戻る請求項2に記載の室圧制御方法。
  4. 扉により開閉される開口を介して連通する少なくとも2つの室にそれぞれ接続している給気管を備える給気装置と、前記各室にそれぞれ接続している排気管を備える排気装置と、前記給気装置および前記排気装置の少なくともいずれか一方に取り付けられ、前記各室ごとの給気もしくは排気の風量を調整する可変風量ユニットと、前記各室についての給気もしくは排気の前記風量を変更する前記可変風量ユニットの風量調整手段と、該風量調整手段を介して前記可変風量ユニットを通過する前記風量を調整し、前記室の気圧を所定の室内気圧に維持するコントローラと、前記室内の気圧を変動させる外乱の発生を予測および検出して前記コントローラに検出信号を供給する検出手段とを含み、
    前記コントローラは、前記外乱により室圧が変動するときに、この室について前記可変風量ユニットを通過する前記風量を予め設定した変更風量値にする前記風量調整手段の変更調整位置を記憶した記憶装置と、
    前記外乱の発生がないときに、前記室内の気圧を予め設定された目標室圧に維持すべく前記風量調整手段を介して前記可変風量ユニットを通過する風量を随時調整すると共に、前記外乱が発生したときに、前記検出手段から供給される前記検出信号に基づいて前記風量調整手段を介して前記可変風量ユニットを通過する前記風量を変更し、外乱が終息したときには前記風量調整手段を介して前記可変風量ユニットを通過する前記風量を前記目標室圧に維持する風量に変更する制御部とを備え、
    前記記憶装置に記憶された前記風量調整手段の前記変更調整位置は、安定室圧調整位置と、増減変更調整位置とを含み、前記風量調整手段が前記安定室圧調整位置に調整されたときに前記可変風量ユニットを通過する風量値が前記各室に予め設定された前記目標室圧に維持する安定風量値となり、前記風量調整手段が前記増減変更調整位置に調整されたときに前記可変風量ユニットを通過する前記風量が前記安定風量値に対して所定風量だけ増加または減少する増減風量値となり、
    前記検出手段により供給される前記検出信号が、前記外乱の発生を予測したときに供給される第1の検出信号と、前記第1の検出信号を供給した後、前記外乱が発生したとされるときに供給される第2の検出信号とを含み、
    前記コントローラの前記制御部が、前記第1の検出信号に基づいて前記風量調整手段を介して前記可変風量ユニットを通過する風量を前記安定風量値に変更し、前記第2の検出信号に基づいて前記風量調整手段を介して前記可変風量ユニットを通過する風量値を前記増減風量値に変更することを特徴とする室圧制御装置
  5. 前記外乱の発生が、前記扉の開放により発生し、前記扉が所定開放域の範囲内に開いたときに供給される前記第1の検出信号に基づいて前記コントローラの前記制御部が、前記可変風量ユニットを通過する風量を前記安定風量値に変更すべく前記風量調整手段を前記安定室圧調整位置に変更し、前記扉が前記所定開放域を超えて開いたときに供給される前記第2の検出信号に基づいて前記コントローラの前記制御部が、前記可変風量ユニットを通過する風量を前記所定風量だけ増減した風量に変更すべく前記風量調整手段を前記増減変更調整位置に変更する請求項4に記載の室圧制御装置。
  6. 開放した前記扉が閉方向へ動いて前記所定開放域の範囲内になったときに供給される第3の検出信号に基づいて前記コントローラの前記制御部が、前記風量調整手段を介して前記可変風量ユニットを通過する風量を前記安定風量値に変更し、前記扉が完全に閉鎖されたときに供給される第4の検出信号に基づいて前記外乱の発生がないときの前記随時調整に戻る請求項5に記載の室圧制御装置。
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