JP4684921B2 - 室圧制御方法および室圧制御システム - Google Patents

室圧制御方法および室圧制御システム Download PDF

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Description

本発明は,互いに異なる設定室圧となるように制御された2つの空調空間の室圧を制御する方法とシステムに関する。
例えば医薬用製剤工程や実験動物飼育など行う施設などでは,互いに隣接して配置された複数の空調空間を互いに異なる設定室圧となるように制御する室圧制御システムが利用されている。このような室圧制御システムでは,隣接して配置されている2つの空調空間同士の間にドアがあると,そのドアが開かれた際に空調空間同士の設定室圧の相違によって空気が高圧側から低圧側に流れ込むため,室圧の制御動作が急激に変動し,ドアを閉じたときに2つの空調空間以外から汚染物質の混入による交差汚染等の問題が生じる。
そこで従来より,ドア開閉をセンサで検出し,このセンサのドア開信号により室圧制御のダンパ作動を停止させ,ドア閉信号により再びダンパ作動を再開させる方法が開示されている(特許文献1,2参照)。また,室間の圧力差を測定し,圧力差の少なくとも一つが0および0の近傍である時に全ての室圧調整用のダンパ開度をそのままの状態で保持させることで,ドアの開閉時における室圧変動を低減する方法,ドア開時の制御目標値を変更し,ダンパの作動を抑える方法も知られている(特許文献3,4参照)。更に,ドア開閉検出手段を設けて,検出手段の出力信号が開の時には,2室の室圧制御目標値の一方または両方を同じ値として室圧制御し,ドアが閉じた時に制御目標値を元に戻すことで,閉じた時における極端な変化を抑止することも知られている(特許文献5参照)。また,ドアセンサの出力信号が開の時には,室圧制御の偏差がゼロとなるように制御設定値および制御状態値を同じ値に切替えることで,室圧制御のダンパが作動しないようにし,出力信号が閉の時には,室圧制御の制御設定値および制御状態値を元通りにし,ダンパの作動を再開させる方法も公知である(特許文献6参照)。その他,ドア開閉検出用の室圧センサも知られている(特許文献7参照)。
特開昭63−247542号公報 特開2004−232976号公報 特開平7−83474号公報 特開平7−83476号公報 特開平10−83221号公報 特開2002−181361号公報 特開平11−326097号公報
しかしながら,特許文献1,2や特許文献5,6では,ドアの開閉を検出する専用のセンサが必要であり,センサ以外にも信号を室圧制御盤などまで伝送する配線等の費用が発生する。また,ドア開閉の検出センサとして近接センサを用いた場合は,通常はドア閉にてA接点の信号,開にてB接点の信号が出力されるため,仮にセンサ故障などで信号出力がでない場合,ドア閉と認識し,ドア開閉による室圧変動の抑制効果が皆無となる。特にドア開閉センサは外部に突出した構造であり衝突等により故障の機会が多いうえ,例えば医薬品工場等ではバリデーションを行うが,ドア開閉センサは,作業者の出入の管理を目的として設置するため,室圧センサほど厳重に,校正などの保守をされないことが多い。
一方,特許文献3,4は圧力差が0の時をドア開と判断しており,室間差圧で室圧を制御する場合には適用できるが,導圧配管などを基準圧として室圧を所定の値に制御する場合には適用できない。更に,ドア開の判断条件を圧力差が0および0の近傍としているため,ドア開の過渡的状態での室圧制御ダンパの作動を容認しているので,部屋容積の小さな場合は制御動作が不安定となる。
なお,特許文献7は,ドア開閉を監視するための専用の差圧センサを取り付けて,ドアの開閉時に生じる室圧と参照圧との差圧の違い(上昇もしくは下降)により,ドアの開閉を判断するのに用いるものであるが,その用途は警備システムである。室圧制御では,ドアの開により室圧が急激に変動し,隣室と同圧になるものの,ドアを閉めないと元の室圧に戻らないため,従来発明の圧力変動の軌跡からドアの開閉を判断することが,実用上困難である。
本発明は,通常の室圧監視に用いるセンサを利用して各空調空間を室圧制御でき,室圧制御用のダンパなどの急激な作動を抑制して,製剤工程や実験動物飼育などに利用されるような部屋容積が小さい施設においても,安定した制御を行うことができる方法とシステムを提供することを目的としている。
本発明によれば,一方の室内に向けて回動して開閉されるドアを介して仕切られた複数の空調空間の室圧制御方法であって,隣接する2つの空調空間同士は,互いに異なる設定室圧となるように制御され,それら2つの空調空間の室圧差が増加した後,減少した時に前記ドアが開と判定し,前記ドアが開と判定された後,前記2つの空調空間の室圧差が再び増加した時に前記ドアが閉と判定し,前記ドアが開と判定された後,前記ドアが閉と判定されるまでは,前記2つの空調空間の室圧制御を停止して,前記ドアが開と判定される直前の状態に維持し,前記ドアが閉と判定された後,再び前記2つの空調空間の室圧制御を開始することを特徴とする,室圧制御方法が提供される。
前記2つの空調空間は,ダンパの開度によって互いに異なる設定室圧となるようにそれぞれ制御され,前記ドアが開と判定された後,前記ドアが閉と判定されるまでは,前記2つの空調空間に対してそれぞれ設けられたダンパの開度を,前記ドアが開と判定される直前の状態にそれぞれ維持するように構成しても良い。なお,ダンパの開度の代わりに,風量によって互いに異なる設定室圧となるようにそれぞれ制御する場合においては,風量をドアが開と判定される直前の状態にそれぞれ維持する。
また本発明によれば,複数の空調空間の室圧を室圧センサで検出して,各空調空間の室圧を制御する制御手段を備え,隣接する2つの空調空間同士が互いに異なる設定室圧となるように制御される室圧制御システムであって,前記隣接する2つの空調空間は,一方の室内に向けて回動して開閉されるドアを介して仕切られており,前記制御手段は,前記2つの空調空間の室圧差が増加した後,減少した時に前記ドアが開と判定し,前記ドアが開と判定された後,前記2つの空調空間の室圧差が再び増加した時に前記ドアが閉と判定し,前記ドアが開と判定された後,前記ドアが閉と判定されるまでは,前記2つの空調空間の室圧制御を停止して,前記ドアが開と判定される直前の状態に維持し,前記ドアが閉と判定された後,再び前記2つの空調空間の室圧制御を開始することを特徴とする,室圧制御システムが提供される。
本発明によれば,室圧差を有する複数の空調空間において,ドアの開閉時に生じる室圧差の変動からドアの開閉を正確に検出して,各空調空間の室圧制御を適切に行うことにより,ドアが開かれた際に発生する隣接する空調空間同士の間での汚染物質の混入等の問題を低減でき,製品歩留まりを向上することができるようになる。なお,室圧制御が行われる各空調空間には,室圧監視用の室圧センサが設けられているのが一般的である。本発明にあっては,そのような従来既設の室圧センサの検出値に基いてドアの開閉を検出できるので,ドア開閉検出用の新たなセンサを設ける必要が無く,配線等の費用も不要なので経済的である。
以下,本発明の実施の形態を,図面を参照にして説明する。図1は,本発明の実施の形態にかかる室圧制御システムの概略的な構成の説明図である。この実施の形態は,2つの空調空間である第1室と第2室に室圧制御システムを適用した例を示している。
これら第1室と第2室は,例えば医薬用製剤工程や実験動物飼育など行う施設内に設けられた室であり,第1室と第2室は,互いに隣接して配置されている。第1室と第2室の間は,壁10で仕切られている。壁10には,回動して開閉されるドア11が設けられている。この例では,ドア11は第2室の内部に向けて回動することにより開けられるようになっている。
第1室と第2室には,インバータを備えた可変速運転可能な給気ファンSFから給気ダクト15を通じて空調空気がそれぞれ供給されている。給気ダクト15には,第1室と第2室にそれぞれ対応する定風量ダンパ16,17が設けられている。これら定風量ダンパ16,17の開度設定によって,第1室と第2室には,それぞれ一定風量で空調空気が供給されている。定風量ダンパ16,17は給気ダクト15内の圧力変動にかかわらず一定の送風量を保つための装置で,例えばダクト内圧力により自力で作動する機械式・絞り式の自力弁を例示できる。
第1室と第2室には,排気ダクト20がそれぞれ接続してあり,インバータを備えた可変速運転可能な排気ファンEFの稼動によって第1室と第2室の室内空気が強制的に排気されている。排気ダクト20には,第1室と第2室にそれぞれ対応する可変風量ダンパ21,22が設けられており,これら可変風量ダンパ21,22には,制御手段としてのコントローラ23,24がそれぞれ設けられている。なお,排気ファンEFの運転は次のとおりである。センサ(図示せず)による計測は,可変風量ダンパ21,22の開度または排気ダクト20内の静圧を検出して行う。可変風量ダンパ21,22が絞られて,その開度が狭まりあるいは静圧が上昇すると,排気ファンEFの回転数を落とすようにして運転する。可変風量ダンパ21,22が開く動作のときには排気ファンEFの回転数を上げる運転をする。
第1室と第2室には,各室内の室圧を検出するための室圧センサ30,31が設けてある。これら室圧センサ30,31はそれぞれの室内に設けられ,バリデーションの対象となり定期的に保守される。そして,これら室圧センサ30,31で検出された第1室と第2室の室圧が,信号線32,33を通じて,上述のコントローラ23,24にそれぞれ入力されている。
第1室に対応するコントローラ23は,室圧センサ30から入力された第1室の検出室圧値に基いて,可変風量ダンパ21の開度を調節して第1室からの排気風量を増減させ,第1室の室圧を所望の圧力に制御するようになっている。同様に,第2室に対応するコントローラ24は,室圧センサ31から入力された第2室の検出室圧値に基いて,可変風量ダンパ22の開度を調節して第2室からの排気風量を増減させ,第2室の室圧を所望の圧力に制御するようになっている。また,各コントローラ23,24は,室圧センサ30から入力された第1室の検出室圧値と室圧センサ31から入力された第2室の検出室圧値に基いて,第1室と第2室の室圧差を演算するようになっている。
この室圧制御システムでは,各コントローラ23,24の制御で可変風量ダンパ21,22の開度を調節して各排気風量を増減させることにより,第1室と第2室の室圧がそれぞれ所望の設定室圧に維持される。例えばこの実施の形態では,第2室の設定室圧が第1室の設定室圧よりも高い値に決められており,第1室と第2室の間には,第2室の室圧が第1室の室圧よりも高くなるような室圧差が生じている。そして,第1室と第2室の間に介在しているドア11が閉じられている間は,第1室と第2室の室圧差は維持される。
一方,このように室圧差が生じている状態においてドア11が開かれると,室圧の高い第2室から室圧の低い第1室に向かって空気が流れ込むことになる。こうして,やがて第1室の室圧は上昇し,第2室の室圧は下降していく。
このようにドア11が開かれた状態において,仮に,各コントローラ23,24の制御を更に継続すると,室圧が上昇した第1室については,室圧センサ30で検出される室圧値が高くなったことにより,コントローラ23は可変風量ダンパ21の開度を開くように調節して第1室からの排気風量を増加させることになる。一方,室圧が下降した第2室については,室圧センサ31で検出される室圧値が低くなったことにより,コントローラ24は可変風量ダンパ22の開度を閉めるように調節して第2室からの排気風量を減少させることになる。その結果,第2室から第1室に向かって流れ込む空気量がますます増加してしまう。この状態においてドア11を閉じると,第1室は排気風量が過多なために室圧が急激に降下し,また,第2室は排気風量が過少なために室圧が急激に増加する。これにより,汚染区域との室圧の大小関係の逆転,間仕切壁や天井の破損,機密性を確保するためのシールが切れなどが発生し,汚染物質の混入による交差汚染等の問題となる。
そこで,以上のように室圧差のある第1室と第2室を制御する場合,第1室と第2室の間に介在しているドア11が開かれた場合は,各コントローラ23,24の制御を停止させ,ドア11が閉じられるまでは,可変風量ダンパ21,22の開度を,ドア11が開かれる直前の状態に維持するのが一般的である。
ここで,図2,3は,上述のように第2室の室圧が第1室の室圧よりも高くなるような室圧差に維持された状態において,ドア11を開閉させた場合の,第1室と第2室の室圧の経時的変化を示すグラフである。図2は,ドア11を比較的早い速度で開閉させた場合を示しており,図3は,ドア11を比較的遅い速度で開閉させた場合を示している。なお何れの場合も,第1室と第2室の室圧差を,時定数1秒の微差圧発信器を用いて計測した。また,ドア11の開閉による室圧変動を見るために,可変風量ダンパ21,22の開度は何れも固定している。
ドア11の開閉時間(開閉速度)の相違により第1室と第2室の各室圧の変動幅は異なるものの,何れの場合も,ドア11が開き始めてから約1.5秒経過した時に第1室と第2室の室圧差が最も増加し,その後,ドア11が開き始めてから約3秒経過した時に第1室と第2室の室圧差がほぼ0に減少することが検出された。ドア11の開き始めから第1室と第2室の室圧差が一旦増加するのは,ドア11の開き始めにおいては,ドア11が2室の内部に向かって回動されたことに伴って,第2室の室圧は瞬間的に上昇し,逆に,第1室の室圧は瞬間的に下降するからである。そして,ドア11の開き始めからしばらく経過すると,室圧差によって第2室から第1室に空気が流れ込むが,可変風量ダンパ21,22の開度は何れも固定して,ほぼ定風量なため,第1室と第2室の室圧差が減小していく。
また,ドア11を閉じた場合は,ドア11が外枠近傍まで移動した後(ドア11が実質的に閉じられた状態となった後),約3秒以内に第1室と第2室の室圧差がドア11が開かれる直前の状態にまで再び増加することが検出された。
この結果から,図1に示す室圧制御システムにおいて,各コントローラ23,24は,第1室と第2室の室圧差が一旦増加し,その後,減少して室圧差が0に至るとドア11が開になったと判定できることが分かった。また,そのようにドア11が開となったと判定した後においては,第1室と第2室の室圧差がドア11が開かれる直前の状態にまで再び増加し,その後,ドア11が開かれる直前の状態にまで,すなわち設定された室圧差に至るとドア11が閉になったと判定できることが分かった。
本発明は,以上の知見を元になされたものであり,各コントローラ23,24は,室圧センサ30,31で検出された室圧値に基いて,第1室と第2室の室圧差が一旦増加した後,減少した時にドア11が開になったと判定する。また,そのようにドア11が開になったと判定された後,第1室と第2室の室圧差が再び増加した時にドア11が閉になったと判定する。そして,各コントローラ23,24は,そのように第1室と第2室の室圧差に基いてドア11が開になったと判定してから,ドア11が閉になったと判定するまでの間は,第1室と第2室の室圧制御を停止して,可変風量ダンパ21,22の開度を,ドア11が開かれる直前の状態に維持するように構成している。
第1室と第2室の室圧差の検出に用いた微差圧発信器の時定数である1秒を差し引けば,図2,3の結果から,ドア11の開閉状態は,ドア11が開き始めた後とドア11が外枠近傍まで移動した後(ドア11が実質的に閉じられた状態となった後)の何れの場合も2秒以内に確実に判定できることが分かる。なお図2,3から理解されるように,ドア11の開閉時間(開閉速度)の相違や漏気量により第1室と第2室の各室圧の変動幅は異り,室圧の絶対値からドア11の開閉を検知することは困難である。これに対して,本発明によれば,第1室と第2室の室圧差に基くことによって,ドア11の開閉状態を2秒以内に確実に判定できるようになる。
ここで,図4を参照にして,この実施の形態にかかる室圧制御システムで行われる室圧制御をより具体的に説明する。
室圧制御が開始されると(S1),定常状態になるまでの間,起動動作が行われる。なお,この室圧制御が開始される際には,ドア11の状態が閉になっている。起動動作が行われている間は,例えば0.5秒周期で,第1室と第2室の各室圧の計測,第1室と第2室について設定されている各設定室圧と第1室と第2室の各室圧計測値との比較(制御偏差算出),可変風量ダンパ21,22の開度調整が行われる。そして,第1室と第2室の各室圧計測値がそれぞれの設定室圧に等しくなると,起動動作が完了する(S2)。
起動動作が完了して通常動作に入ると,先ず,第1室と第2室の室圧差に基いて,ドア11の開閉が判定される(S3)。なお,起動動作完了後の通常動作においても,例えば0.5秒周期で第1室と第2室の各室圧の計測が常時行われ,第1室と第2室の各室圧が常に監視されている。そして,第1室と第2室の室圧差が一旦増加した後,減少した場合(S3のYes)は,ドア11の状態が開と判定し(S4),そうでない場合は,ドア11がまだ閉であると判定する(S5)。
そして,ドア11がまだ閉であると判定された場合(S5)は,最後に可変風量ダンパ21,22の開度調整を行ってから,例えば2秒以上経過したことを判定し(S6),2秒以上経過していない場合は,再び,第1室と第2室の室圧差に基いて,ドア11の開閉を判定する(S3)。
一方,最後に可変風量ダンパ21,22の開度調整を行ってから,2秒以上経過していた場合(S6のYes)は,第1室と第2室について設定されている各設定室圧と,常時監視している第1室と第2室の各室圧計測値とを比較して可変風量ダンパ21,22の開度調整量を算出し(制御偏差算出)(S7),それに基いて可変風量ダンパ21,22の開度調整が行われる(S8)。その後再び,第1室と第2室の室圧差に基いて,ドア11の開閉が判定される(S3)。こうして,ドア11が閉と判定されている間は,例えば0.5秒周期でドア11の開検知の有無を行いつつ,例えば2秒周期で可変風量ダンパ21,22の開度調整(S6)を行い,第1室と第2室の各室圧を設定圧に保つ。
一方,第1室と第2室の室圧差が一旦増加した後,減少したことにより(S3のYes),ドア11が開と判定された場合(S4)は,可変風量ダンパ21,22の開度を現状の状態に保持する(S10)。
なお,ドア11が開になったと判定する場合,先に図2,3で説明したように第1室と第2室の室圧差が一旦増加した後ほぼ0にまで減少した場合に,ドア11が開になったと判定しても良いが,必ずしも室圧差がほぼ0に減少するまで判定を待つ必要はない。例えば図2,3で説明した例では第1室と第2室の室圧差が10Pa以上程度に設定されているが,この設定室圧差の1/5に減少した時に,ドア11が開になったと判定することなども考えられる。なお,必ずしも1/5に限定される理由はないが,1/5を例示したのは,設定室圧差が10Pa以上程度であるのに対して,各室圧センサ30,31の測定精度が±2Pa(−100Pa〜+100Paの測定範囲に対して±2%FS以内の測定精度)であることを考慮したものである。
そして,ドア11が開と判定された場合は,その後,第1室と第2室の室圧差が再び増加した場合(S11のYes)に,ドア11が再び閉になったと判定される(S12)。一方,第1室と第2室の室圧差が再び増加するまでは(S11のNo),ドア11がまだ開であると判定され,ドア11が閉じられたことの検出が続行される。
なお,ドア11が閉になったと判定する場合,先に図2,3で説明したように第1室と第2室の室圧差がドア11が開かれる直前の状態にまで再び増加した場合に,ドア11が閉になったと判定しても良いが,必ずしも室圧差が基の状態にまで増加するまで判定を待つ必要はない。例えば図2,3で説明した例では,ドア11が開かれる直前の状態において1室と2室の室圧差が10Pa以上程度となるように設定されているが,ドア11が開になったと判定された後,この設定室圧差の1/5に再び増加した時に,ドア11が閉になったと判定することなども考えられる。なお,1/5を例示したのは,先と同様,各室圧センサ30,31の測定精度(±2Pa)を考慮したからであり,必ずしも1/5に限定される理由はない。
そして,ドア11が閉になったと判定した場合(S12)は,最後に可変風量ダンパ21,22の開度調整を行ってから,例えば2秒以上経過したことを判定し(S6),2秒以上経過していた場合(S6のYes)は,第1室と第2室について設定されている各設定室圧と,常時監視している第1室と第2室の各室圧計測値とを比較して可変風量ダンパ21,22の開度調整量を算出し(制御偏差算出)(S7),それに基いて可変風量ダンパ21,22の開度調整を行う(S8)。その後再び,第1室と第2室の室圧差に基いて,ドア11の開閉が判定される(S3)。こうして,ドア11が閉と判定されている間は,2秒周期で可変風量ダンパ21,22の開度調整(S6)を行い,第1室と第2室の各室圧を設定圧に保つ。
以上に説明した室圧制御システムによれば,ドア11の開閉時に生じる室圧差の変動に基いてドア11の開閉を正確に検出できるので,室圧差のある第1室と第2室の室圧制御を適切に行うことができるようになる。また,この実施の形態では,例えば0.5秒周期でドア11の開検知の有無を行うのに対して,可変風量ダンパ21,22の開度調整は2秒周期で行っている。先に図2,3で説明したように,ドア11の開閉は2秒以内に判定できるので,このように可変風量ダンパ21,22の開度調整を2秒周期で行うようにすれば,ドア11が開かれた時の過渡的な室圧変動(制御偏差)に伴う可変風量ダンパ21,22の急激な開度調整を防止できるようになる。また,ドア11が閉となった場合も,ドア11が外枠近傍まで移動した時(ドア11が実質的に閉じられた状態となった時)から2秒以内にドア11が閉となったことを検知できるので,迅速な制御が可能となり,制御遅れによる室圧の上昇や下降を回避できる。更に,室圧制御用の可変風量ダンパなどの急激な作動を抑制して,製剤工程や実験動物飼育などに利用されるような部屋容積が小さい施設においても,安定した制御を行うことができるようになる。
また,第1室と第2室の各室圧を検出している室圧センサ30,31をそのまま利用してドア11の開閉を正確に検出できるので,通常の室圧監視に用いるセンサを利用でき,ドアの開閉を検出する専用のセンサや伝送配線等も不要となる。
なお,以上の室圧制御システムでは,2つの空調空間である第1室と第2室に適用した例を説明したが,本発明の室圧制御システムは,図5に示すように,3つ以上の空調空間である第1室,第2室,第3室,・・・を有する場合にも同様に適用できる。なお,図5では,説明のため第3室までを図示し,第4室以降は図示を省略している。
この図5に示す室圧制御システムでは,第1室と第2室が互いに隣接して配置され,同様に,第2室と第3室が互いに隣接して配置されている。なお,第2室と第3室を仕切る壁10にも回動して開閉されるドア11が設けられている。ドア11は第3室の内部に向けて回動することにより開けられるようになっている。また,第3室にも,給気ファンSFから給気ダクト15を通じて空調空気がそれぞれ供給され,給気ダクト15には,第3室に対応する定風量ダンパ16が設けられている。また,第3室にも,排気ダクト20が接続してあり,排気ファンEFの稼動によって第3室の室内空気が強制的に排気されている。排気ダクト20には,第3室に対応する可変風量ダンパ35が設けられている。
この実施の形態では,第1室に対応する可変風量ダンパ21,第2室に対応する可変風量ダンパ22および第3室に対応する可変風量ダンパ35が,何れも一つのコントローラ40で制御されている。コントローラ40には,室圧センサ30,31,36で計測された各室圧が信号線32,33,37を通じて入力されている。なお,信号線32,33,37には,アナログ信号の分岐に必要なアイソレータ41がそれぞれ設けられている。各可変風量ダンパ21,22,35を共通のコントローラ40で制御するように構成した点を除けば,この図5に示す室圧制御システムは,先に図1で説明した室圧制御システムと概ね同様の構成である。よって,重複する構成要素については同じ符号を付すことによって重複説明を省略する。
この図5に示す室圧制御システムにあっては,コントローラ40によって,第1室と第2室の間および第2室と第3室の間において,先に図4で説明した場合と同様の制御が行われ,第1室,第2室および第3室の各室圧が制御されると共に,室圧差の変動に基いてドア11の開閉が正確に検出され,各室間での汚染物質の混入等の問題を低減できるようになる。
本発明は,例えば医薬用製剤工程や実験動物飼育など行う施設などで適用できる。
本発明の実施の形態にかかる室圧制御システムの概略的な構成の説明図である。 第2室の室圧が第1室の室圧よりも高くなるような室圧差に維持された状態において,ドアを開閉させた場合の第1室と第2室の室圧の経時的変化を示すグラフである。ドアを比較的早い速度で開閉させた場合を示している。 図2と同様の条件で,ドアを開閉させた場合の第1室と第2室の室圧の経時的変化を示すグラフである。ドアを比較的遅い速度で開閉させた場合を示している。 本発明の実施の形態にかかる室圧制御システムで行われる室圧制御を説明するためのフローチャートである。 3つ以上の空調空間に本発明の室圧制御システムを適用した例の概略的な構成の説明図である。
符号の説明
10 壁
11 ドア
15 ダクト15
16,17 定風量ダンパ
20 排気ダクト
21,22 可変風量ダンパ
23,24 コントローラ
30,31 室圧センサ
32,33 信号線
SF 給気ファン
EF 排気ファン

Claims (3)

  1. 一方の室内に向けて回動して開閉されるドアを介して仕切られた複数の空調空間の室圧制御方法であって,
    隣接する2つの空調空間同士は,互いに異なる設定室圧となるように制御され,
    それら2つの空調空間の室圧差が増加した後,減少した時に前記ドアが開と判定し,
    前記ドアが開と判定された後,前記2つの空調空間の室圧差が再び増加した時に前記ドアが閉と判定し,
    前記ドアが開と判定された後,前記ドアが閉と判定されるまでは,前記2つの空調空間の室圧制御を停止して,前記ドアが開と判定される直前の状態に維持し,前記ドアが閉と判定された後,再び前記2つの空調空間の室圧制御を開始することを特徴とする,室圧制御方法。
  2. 前記2つの空調空間は,ダンパの開度によって互いに異なる設定室圧となるようにそれぞれ制御され,
    前記ドアが開と判定された後,前記ドアが閉と判定されるまでは,前記2つの空調空間に対してそれぞれ設けられたダンパの開度を,前記ドアが開と判定される直前の状態にそれぞれ維持することを特徴とする,請求項1に記載の室圧制御方法。
  3. 複数の空調空間の室圧を室圧センサで検出して,各空調空間の室圧を制御する制御手段を備え,隣接する2つの空調空間同士が互いに異なる設定室圧となるように制御される室圧制御システムであって,
    前記隣接する2つの空調空間は,一方の室内に向けて回動して開閉されるドアを介して仕切られており,
    前記制御手段は,前記2つの空調空間の室圧差が増加した後,減少した時に前記ドアが開と判定し,前記ドアが開と判定された後,前記2つの空調空間の室圧差が再び増加した時に前記ドアが閉と判定し,前記ドアが開と判定された後,前記ドアが閉と判定されるまでは,前記2つの空調空間の室圧制御を停止して,前記ドアが開と判定される直前の状態に維持し,前記ドアが閉と判定された後,再び前記2つの空調空間の室圧制御を開始することを特徴とする,室圧制御システム。
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