JP2013170766A - 空調設備及び空調方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来よりもいっそう確実に室内の圧力変動を抑制可能な空調設備及び空調方法を提供する。
【解決手段】クリーンルーム5のエア給気側に備えられ、クリーンルーム5に給気されるエアの圧力を測定する圧力センサ10と、クリーンルーム5のエア排気側に備えられ、クリーンルーム5から排気されるエアの圧力を測定する圧力センサ11と、クリーンルーム5に給気されるエアの流量を制御するモータダンパ16と、クリーンルーム5から排気されるエアの流量を制御するモータダンパ17と、モータダンパ16及びモータダンパ17を制御する演算部18と、を備える、空調設備。
【選択図】図1
【解決手段】クリーンルーム5のエア給気側に備えられ、クリーンルーム5に給気されるエアの圧力を測定する圧力センサ10と、クリーンルーム5のエア排気側に備えられ、クリーンルーム5から排気されるエアの圧力を測定する圧力センサ11と、クリーンルーム5に給気されるエアの流量を制御するモータダンパ16と、クリーンルーム5から排気されるエアの流量を制御するモータダンパ17と、モータダンパ16及びモータダンパ17を制御する演算部18と、を備える、空調設備。
【選択図】図1
Description
本発明は、空調設備及び空調方法に関する。
バイオ実験施設、製薬工場、半導体製造工場等において、清浄な環境となっているクリーンルーム(清浄室)が使用されている。例えば、バイオ実験施設等において使用されるバイオロジカルクリーンルームは、その使用の形態によって、室内の圧力(内圧)と室外の圧力(外圧)との大小関係が異なっている。
例えば、室内を外部よりも清浄な環境に維持したい場合、クリーンルーム外部からの菌や微生物等の侵入防止のために、内圧が外圧よりも空調設備によって高く維持されている。一方、バイオハザード対策室等では、病原体等の封じ込めのために、内圧が外圧よりも空調設備によって低く維持されている。
そのため、このようなクリーンルームにおいて、室内の圧力を一定に維持することが重要である。しかしながら、クリーンルームに設けられる扉等の開閉、室温調整のための給気風量変更、室外で吹いている風(室外の圧力変動)等の外乱により、内圧が大きく変動することがある。そこで、このような圧力(内圧)の変動を小さくする技術として、特許文献1に記載の技術が知られている。
前記特許文献1に記載の技術においては、給気装置を介して一定圧かつ一定量の空気を工場内(即ち室内)に給気している。これにより、工場内の圧力が一定に維持されるようにしている。しかしながら、給気エアの給気口(給気側)及び排気エアの排気口(排気側)は工場外(室外)に設けられているため、例えば工場外でエアに圧力変動が生じると、それに起因して、工場内の圧力が変動することがある。即ち、室外の環境によっては、室内の圧力(内圧)が一定に維持されず、大きく変動することがある。
本発明は前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来よりもいっそう確実に室内の圧力変動を抑制可能な空調設備及び空調方法を提供することにある。
本発明者らは前記課題を解決するべく鋭意検討した結果、給気エアの圧力に基づいて算出される値と、排気エアの圧力に基づいて算出される値と、の和を所定値に維持することにより前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、従来よりもいっそう確実に室内の圧力変動を抑制可能な空調設備及び空調方法を提供することができる。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明を実施するための形態(本実施形態)を説明する。なお、参照する図面に関し、説明及び図示の便宜上、構成部材の一部を適宜拡大又は縮小して示すことがある。例えば、図1に示すクリーンルーム5の大きさとその他の手段の大きさとの相対的な関係は図示のとおりではないが、空調設備100の構成を説明するために、クリーンルーム5の相対的な大きさを便宜上小さく示している。
〔1.第1実施形態(通常の圧力制御)〕
<空調設備100の構成>
本実施形態の空調設備100は、図1に示すように、クリーンルーム5についての空調設備である。具体的には、空調設備100は、クリーンルーム5にエアを給気するとともに、クリーンルーム5からエアを排気するものである。図1に示す空調設備100は、モータダンパ16と、給気ガラリ2と、給気ファン3と、制御ダンパ4と、制御ダンパ6と、排気ファン7と、排気ガラリ8と、モータダンパ17と、を備える。また、空調設備100は、給気ガラリ2内の圧力(全圧)を測定する圧力センサ10と、排気ガラリ8内の圧力(全圧)を測定する圧力センサ11と、を備える。
<空調設備100の構成>
本実施形態の空調設備100は、図1に示すように、クリーンルーム5についての空調設備である。具体的には、空調設備100は、クリーンルーム5にエアを給気するとともに、クリーンルーム5からエアを排気するものである。図1に示す空調設備100は、モータダンパ16と、給気ガラリ2と、給気ファン3と、制御ダンパ4と、制御ダンパ6と、排気ファン7と、排気ガラリ8と、モータダンパ17と、を備える。また、空調設備100は、給気ガラリ2内の圧力(全圧)を測定する圧力センサ10と、排気ガラリ8内の圧力(全圧)を測定する圧力センサ11と、を備える。
なお、第1実施形態においては、説明の簡略化のために、給気側と排気側との設計条件が全く同じものとしている。
さらに、空調設備100は、設定圧力等が入力される入力手段13と、各種演算等を行う演算部18とを備える。演算部18は、圧力演算部12とPID(Proportional Integration and Differential)制御部15とを備える。入力手段13とPID制御部15とは、破線で示す電気信号線により接続されている。また、圧力センサ10,11と圧力演算部12とも、電気信号線により接続されている。さらに、圧力演算部12とPID制御部15とも、電気信号線により接続されている。そして、PID制御部15とモータダンパ16,17のモータMとも、電気信号線により接続されている。
ここで、空調設備100が運転状態となっている時は、クリーンルーム5内が予め定められた所定の圧力及び風量で給排気設備が運転されている定常運転時である。この給排気設備は、図1に示す例えば給気ファン3や排気ファン7、制御ダンパ4,6等により構成される。即ち、このような給排気設備においては、はじめに給気ファン3及び排気ファン7の運転開始後、設定圧力及び風量になるように制御ダンパ4,6の開度が調節される。これにより、クリーンルーム5内の圧力及び風量が設定圧力及び風量となる。
その後、定常運転、即ち給気ファン3及び排気ファン7の運転条件、並びに制御ダンパ4,6の開度は変更されずに給排気設備の運転が行われる。そして、定常運転時、圧力センサ10,11により測定された圧力に応じて、モータダンパ16とモータダンパ17とが演算部18により制御される。これにより、この定常運転時に生じるクリーンルーム5内の圧力変動が抑制されるようになっている。
ただし、はじめに設定した圧力及び風量から別の圧力及び風量に変更された後の定常運転時において、以下の説明が同様に適用される。そこで、以下の説明においては、説明の簡略化のために、クリーンルーム5内の設定圧力及び風量が変更されないものとして、本実施形態を説明する。
外部(室外)からクリーンルーム5へエアが給気される際、外部からのエアは、モータダンパ16、給気ガラリ2、給気ファン3、制御ダンパ4をこの順で介してクリーンルーム5に給気される。一方、クリーンルーム5から外部(室外)へエアが排気される際、クリーンルーム5からのエアは、制御ダンパ6、排気ファン7、排気ガラリ8、モータダンパ17をこの順で介して外部へ排気される。そこで、以下の各手段の説明においては、主にこの通流方向に沿って各手段の構成を説明する。
モータダンパ16は、モータにより駆動するダンパであり、通流するエアの流量(風量)を制御するものである。ダンパの開度が小さい時は流量が少なく、ダンパの開度が大きい時は流量が多くなるようになっている。ダンパの開度の制御は、詳細を後記するPID制御部15によって行われる。このようなモータダンパ16としては、任意のモータダンパを用いることができる。
給気ガラリ2は、クリーンルーム5の外部に設けられる箱状の部材である。給気ガラリ2はクリーンルーム5に接続されている。従って、外部からのエアは、給気ガラリ2の内部を通流してクリーンルーム5に給気されることになる。給気ガラリ2が設けられることにより、例えば外部で強い風が吹いているときに、このような強い風が給気ダクト内に直接吹き込まれることを防止することができる。このような給気ガラリ2としては、任意のガラリを用いることができる。
また、給気ガラリ2には、給気ガラリ2内の圧力を測定する圧力センサ10が設けられている。即ち、クリーンルーム5のエア給気側には、クリーンルーム5に給気されるエアの圧力(給気側圧力)を測定する圧力センサ10が設けられていることになる。このような圧力センサ10としては、任意の圧力センサを用いることができる。
給気ファン3は、クリーンルーム5にエアを給気するものである。また、制御ダンパ4は、クリーンルーム5に給気されるエア流量を制御するものである。これらの具体的な構成は特に制限されず、任意のファン及びダンパを用いればよい。なお、前記したように、本実施形態においては、説明の簡略化のために、給気ファン3の運転条件及び制御ダンパ4の開度は定常運転後に変更しないものとする。
クリーンルーム5は、空調設備100が適用されるものである。即ち、空調設備100によって、クリーンルーム5内の圧力が一定に維持される。クリーンルーム5では、例えば、動物実験、動物飼育、遺伝子工学実験、半導体製造等、様々な作業が行われる。このようなクリーンルーム5の具体的な構成は特に制限されず、様々なクリーンルーム5が適用可能である。
制御ダンパ6は、クリーンルーム5から排気されるエア流量を制御するものである。また、排気ファン7は、クリーンルーム5からエアを排気するものである。これらの具体的な構成は特に制限されず、任意のダンパ及びファンを用いればよい。なお、前記したように、本実施形態においては、説明の簡略化のために、制御ダンパ6の開度及び排気ファン7の運転条件は定常運転後に変更しないものとする。
排気ガラリ8は、クリーンルーム5の外部に設けられる箱状の部材である。排気ガラリ8はクリーンルーム5に接続されている。従って、外部からのエアは、排気ガラリ8の内部を通流して外部へ排気されることになる。排気ガラリ8が設けられることにより、例えば外部で強い風が吹いているときに、このような強い風が排気ダクト内に直接吹き込むことを防止することができる。このような排気ガラリ8としては、任意のガラリを用いることができる。
また、排気ガラリ8には、排気ガラリ8内の圧力を測定する圧力センサ11が設けられている。即ち、クリーンルーム5のエア排気側には、クリーンルーム5から排出されるエアの圧力(排気側圧力)を測定する圧力センサ11が設けられていることになる。このような圧力センサ11としては、任意の圧力センサを用いることができる。
モータダンパ17は、モータにより駆動するダンパであり、通流するエアの流量(風量)を制御するものである。ダンパの開度が小さい時は流量が少なく、ダンパの開度が大きい時は流量が多くなるようになっている。ダンパの開度の制御は、詳細を後記するPID制御部15によって行われる。このようなモータダンパ17としては、任意のモータダンパを用いることができる。
入力手段13は、クリーンルーム5内の圧力を設定する手段である。即ち、入力手段13は、ユーザにより設定圧力(目標値)が入力される手段である。ユーザが入力手段13に入力した設定圧力になるように、図示しない電気信号線を介して前記の給排気設備(給気ファン3や排気ファン7、制御ダンパ4,6等により構成される)が運転される。入力手段13は、例えばテンキー、タッチパネル等により構成される。入力手段13には、図示しない表示部等が備えられていてもよい。入力手段13により入力された設定圧力は、電気信号としてPID制御部15に送信される。
演算部18は、圧力演算部12とPID制御部15とを備えるものである。そして、具体的には後記するが、演算部18は、モータダンパ16,17の開度を制御するようになっている。演算部18は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等を備え、ROMに展開されている所定のプログラムがCPUによって実行されることにより具現化される。
圧力演算部12は、圧力センサ10により測定された給気ガラリ2内の圧力と、圧力センサ11により測定された排気ガラリ8内の圧力とを、電気信号として受信するものである。そして、圧力演算部12は受信した電気信号に基づき、それぞれの圧力を算出するようになっている。ちなみに、圧力演算部12は、算出された2つの圧力の和(プロセス値)を算出し、後記するPID制御部15に送信するようになっている。
PID制御部15は、圧力演算部12から送信されたプロセス値と、入力手段13において入力された設定圧力(目標値)とに基づき、モータダンパ16,17の開度をフィードバック制御するものである。即ち、設定圧力(目標値)と実際の圧力(給気側圧力と排気側圧力との差圧)との差がゼロになるように(クリーンルーム5内の圧力が一定に維持されるように)、PID制御部15がモータダンパ16,17の開度を制御するようになっている。
具体的には、PID制御部15は、モータダンパ16の開度制御に際し、受信したプロセス値が大きくなるほどダンパ開度が小さくなるように予め設定された所定のグラフG1(図1参照)に基づき、受信したプロセス値に対応する開度を決定する。そして、PID制御部15は、決定された開度(即ち給気風量)となるようにモータダンパ16の開度を制御するようになっている。なお、このようなグラフG1(関係)は、試運転や実験、シミュレーション等により決定される。
一方、PID制御部15は、モータダンパ17の開度制御に際しては、受信したプロセス値が大きくなるほどダンパ開度も大きくなるように予め設定された所定のグラフG2(図1参照)に基づき、受信したプロセス値に対応する開度を決定する。そして、PID制御部15は、決定された開度(即ち排気風量)となるように、モータダンパ17の開度を制御するようになっている。なお、このようなグラフG2(関係)は、試運転や実験、シミュレーション等により決定される。
PID制御部15がモータダンパ16,17を前記のように制御することで、クリーンルーム5内の圧力が一定に維持されるようになっている。なお、設定圧力(目標値)とクリーンルーム5内の実際の圧力との差はゼロであることが理想的である。しかし、設備コストやクリーンルーム5の用途等を考慮し、圧力のズレが予め定められた範囲内に収まるように制御してもよい。
以上のような構成を備える空調設備100によれば、外乱の影響を抑制し、クリーンルーム5内の圧力を従来よりもいっそう確実に一定に維持することができる。
<空調設備100による空調方法>
次に、空調設備100によるクリーンルーム5内の圧力制御方法(空調方法)を説明する。なお、図2〜図6において、図1と同じものは図1と同じ符号を付して示している。
次に、空調設備100によるクリーンルーム5内の圧力制御方法(空調方法)を説明する。なお、図2〜図6において、図1と同じものは図1と同じ符号を付して示している。
図2に、例えば台風やビル風等の外気圧力の大きな変化(外乱)が発生していないときの、各手段におけるゲージ圧変化を示す。なお、図2には、図示の簡略化のために、エアが通流する手段のみを示している。また、一部の手段は、図示を簡略化している。
空調設備100(図1参照)内をエアが通流すると、通流するエアのゲージ圧は徐々に低下する。そこで、給気ファン3及び排気ファン7を用いて、ゲージ圧を適宜昇圧している。ところで、外部で圧力の乱れ(外乱)が無い場合、給気側(入口側)のゲージ圧、クリーンルーム5内のゲージ圧、及び排気側(出口側)のゲージ圧は、いずれも等しくなっている(0Pa)。即ち、空調設備100内をエアが通流する際、前記のようにゲージ圧は徐々に低下するが、給気ファン3及び排気ファン7においてゲージ圧を昇圧させるとともに、制御ダンパ4,6を適宜制御してゲージ圧を所望量低下させることで、前記のような等圧関係を維持している。
しかしながら、例えば、強風が給気口付近で吹く等して給気側で外乱が発生し、給気側のエアの圧力が昇圧した場合、図3に示すように、図2と比較して、給気側を主としてゲージ圧が昇圧する(図中、実線で示す圧力。以下同じ)。また、例えば、強風が排気口付近で吹く等して排気側で外乱が発生し、排気側のエアの圧力が昇圧した場合、図4に示すように、図2と比較して、排気側を主としてゲージ圧が昇圧する。さらに、例えば、給気口及び排気口のいずれでも強風が給気口及び排気口付近で吹く等して給気側及び排気側の両方で外乱が発生し、給気側及び排気側のエアの圧力が昇圧した場合、図5に示すように、図2と比較して、全域に亘ってゲージ圧が昇圧する。
そして、これらのようなゲージ圧変化は、図3〜図5に示すように、クリーンルーム5内のゲージ圧の昇圧をもたらす。即ち、給気側又は排気側のいずれか一方にでも外乱が生じた(昇圧した)場合でも、クリーンルーム5内の圧力が予期せず変化してしまうことになる。なお、外乱が昇圧の場合を例に説明したが、外乱が減圧の場合でも同様にクリーンルーム5内の圧力が予期せず変化してしまうことになる。
もちろん、例えば図6に示すように、給気側では外乱によって昇圧したが、排気側では外乱によって減圧することもある。そして、これらの圧力変動が釣り合って、結果としてクリーンルーム5内の圧力が一定に維持されることもある。このような場合には外乱の影響は特に問題にならないが、この圧力変動が釣り合わなかった場合には、図3〜図5を参照しながら説明した事項が懸念される。
このように、より確実にクリーンルーム5内の圧力を一定に維持するためには、外乱の内容(昇圧するか減圧するか)を問わず、外乱に対する対策が重要になる。前記したように、クリーンルーム5内の圧力変動は、給気側の圧力変動がクリーンルーム5に伝播した結果生じたものと、排気側の圧力変動がクリーンルーム5に伝播した結果生じたものと、の両方の変動によって生じる。そのため、エアの圧力変動等の外乱が生じた場合でもクリーンルーム5内の圧力を一定に維持するためには、給気側及び排気側の圧力をそれぞれ一定に独立して維持するよりも、給気側及び排気側の圧力を一括して所定の関係に維持する方がより効果的である。
そこで、本実施形態の空調設備100においては、クリーンルーム5に給気されるエアの圧力を測定する圧力センサ10と、クリーンルーム5から排気されるエアの圧力を測定する圧力センサ11と、を設けている。そして、これらの圧力センサ10,11により測定された圧力値を算出し、それらの和(圧力和、即ちプロセス値)に応じてモータダンパ16,17を制御し、給気風量及び排気風量が制御される。このように制御すれば、クリーンルーム5内の設定圧力に関係無く、クリーンルーム5内の圧力を一定に維持することができる。
具体的な風量制御方法(空調方法)のフローを図7に示す。図7に示すフローは、入力手段13によって予めクリーンルーム5内の設定圧力(目標値)が入力され、その状態での定常運転時に行われるフローである。
定常運転時、圧力センサ10は給気ガラリ2内の圧力(給気側圧力)を測定し、圧力演算部12は、測定された給気側圧力を電気信号として取得する(ステップS101;給気側圧力取得ステップ)。同様に、圧力センサ11は排気ガラリ8内の圧力(排気側圧力)を測定し、圧力演算部12は、測定された排気側圧力を電気信号として取得する(ステップS102;排気側圧力取得ステップ)。
そして、圧力演算部12は、取得した電気信号(結果)に基づき、給気側圧力を算出する(ステップS103;給気側圧力算出ステップ)。給気側圧力の算出は、予め決定された電気信号と圧力との関係(例えばグラフ等)に基づいて行われる。同様に、圧力演算部12は、取得した電気信号(結果)に基づき、排気側圧力を算出する(ステップS104;排気側圧力算出ステップ)。排気側圧力の算出も、予め決定された電気信号と圧力との関係(例えばグラフ等)に基づいて行われる。そして、算出された給気側圧力及び排気側圧力の和(圧力和、即ちプロセス値)が圧力演算部12により算出される(ステップS105;圧力和算出ステップ)。
次に、算出されたプロセス値は、PID制御部15に送信される。そして、PID制御部15は、受信したプロセス値(圧力和)に基づき、予め設定された所定の関係(図1に示すグラフG1,G2)に基づき、給気風量及び排気風量を決定する(ステップS106;流量決定ステップ)。そして、決定された給気風量及び排気風量となるように、PID制御部15はモータダンパ16,17の開度を制御し、給気風量及び排気風量が制御される(ステップS107;流量制御ステップ)。
以上のような空調方法によれば、外乱の影響を抑制し、クリーンルーム5内の圧力を従来よりもいっそう確実に一定に維持することができる。
〔2.第2実施形態(重み付けを行う場合の圧力制御)〕
空調設備100においては、給気側及び排気側の設計条件が同じものとして説明した。しかしながら、給気側と排気側とで設計条件に差異がある場合がある。そして、そのような場合には、給気側圧力及び排気側圧力の算出の際、それぞれの圧力が重み付けられる。
空調設備100においては、給気側及び排気側の設計条件が同じものとして説明した。しかしながら、給気側と排気側とで設計条件に差異がある場合がある。そして、そのような場合には、給気側圧力及び排気側圧力の算出の際、それぞれの圧力が重み付けられる。
例えば給気側ダクトの断面積が大きく、排気側ダクトの断面積が小さい場合、外乱の影響を受け易いのは断面積の大きい給気側である。また、例えば、給気口からクリーンルーム5までのダクトの長さがクリーンルーム5から排気口までのダクトの長さよりも長い場合、外乱の影響を受け易いのはダクトの長さが短い排気側である。このように、空調設備100の全体の構成(設計条件)によって、給気側と排気側とで外乱による影響の大きさが異なることがある。
そこで、このような差異を小さくするべく、取得した給気側圧力及び排気側圧力について重み付けが行われ、給気側圧力及び排気側圧力の算出が行われる。具体的には、図7を参照しながら説明したステップS103及びステップS104において、取得した圧力についての電気信号に対して重み付けが行われ、給気側圧力及び排気側圧力が算出される。以下、重み付けの具体的な方法を説明する。
給気側の圧力(即ち、給気ガラリ2内の圧力)をPin、クリーンルーム5内の圧力をProom、及び排気側の圧力(即ち、排気ガラリ8内の圧力)をPout、空調設備100を通流するエアの流量(風量)をQとする。そうすると、Pin、Pout及びProomの関係は、空調系統の特性値Rin、Routを用いて、図8(a)のように表すことができる。
ここで、Rinは、図8(b−1)に示すように、通常の運転条件である風量Q=Q0、差圧(即ちPin−Proom)=(Pin−Proom)0における接線の傾きである。従って、この接線は、図8(b−1)に示す式(1)のグラフである。なお、図8(b−1)に示すQ−(Pin−Proom)曲線は、ファン特性やダクト抵抗等によって決定されるものである。
また、Routは、図8(b−2)に示すように、通常の運転条件である風量Q=Q0、差圧(即ちProom−Pout)=(Proom−Pout)0における接線の傾きである。従って、この接線は、図8(b−2)に示す式(2)のグラフである。なお、図8(b−2)に示すQ−(Proom−Pout)曲線も、ファン特性やダクト抵抗等によって決定されるものである。
図8(a)に示すように、Pin、Pout及びProom、(Q−Q0)、並びに、Rin及びRoutは、電圧、電流及び抵抗の関係と類似している。そこで、Pin、Pout及びProom、(Q−Q0)、並びに、Rin及びRoutについても電圧、電流及び抵抗の関係を類推的に適用する。すると、以下の式(3)が得られる。
式(4)に表されるように、クリーンルーム5内の圧力が一定に維持されることを所望する、即ち、Proomが一定に維持されることを所望する場合には、式(4)の右辺を一定に維持すればよい。そして、この右辺を一定に維持するにあたって、設計条件に起因するパラメータであるPinの係数及びPoutの係数を用いて重み付けを行えばよい。このようなパラメータ(Pinの係数及びPoutの係数)は、式(4)に示すように、空調系統の特性値Rin及びRoutに応じて決定される。具体的には、Rin及びRoutは、クリーンルーム5に接続される設備(例えば給気ダクト、排気ダクト、各ファンや各ダンパ等)の特性に応じて決定される。また、Rin及びRoutは、独立して決定される値である。
ちなみに、給気ダクトや排気ダクトの特性としては、例えば太さ(断面積)や長さ等が挙げられる。また、各ファンの特性としては、ファンの回転数、空気抵抗、供給風量、大きさ等が挙げられる。さらに、各ダンパの特性としては、ダンパの開度、空気抵抗、大きさ等が挙げられる。
即ち、図7に示したフローチャートでのステップS103及びステップS104において、取得された電気信号に基づいて給気側圧力(Pin)及び排気側圧力(Pout)を算出する際、当該電気信号に対応する圧力(Pin及びPout)を算出し、算出された圧力にさらに前記係数を乗じればよい。乗じて得られた圧力が、重み付けして算出された給気側圧力及び排気側圧力となる。
そして、重み付けされた給気側圧力と、重み付けされた排気側圧力との和が、前記した圧力和(プロセス値;図7のステップS105参照)となる。この圧力和は、式(4)の左辺の値(Proom)に相当するものである。このような重み付けを行うことにより、空調設備100の設計条件を考慮したクリーンルーム5の空調を行うことができる。
式(5)に示すように、ΔProomをできるだけゼロに近づけることによっても、クリーンルーム5内の圧力を一定に維持できる。即ち、式(5)の右辺における給気側の圧力変動量と排気側の圧力変動量とを、式(4)で説明したパラメータによって重み付けすればよい。これにより、式(4)を参照しながら説明した場合と同様に、空調設備100の設計条件を考慮したクリーンルーム5の空調を行うことができる。
なお、式(4)及び式(5)におけるRout/(Rin+Rout)及びRin/(Rin+Rout)の値は、通常は略一定である。従って、これらの値を定数とみなし、単にPin及びPout又はΔPin及びΔPoutを用いた前記の方法によっても良好な結果が得られる。
<変形例>
以上、本実施形態を具体例を挙げて説明したが、本実施形態は前記の内容に何ら制限されるものではない。例えば、図1に示す空調設備100におけるモータダンパ16,17の代わりに、図9に示すように、インバータ制御されるファン19,20を用いた空調設備200としてもよい。この場合、ファンを制御するための予め設定される所定のグラフは、図9に示すプロセス値に応じたファン回転数のグラフとなる。従って、ファン19,20の回転数で風量を制御するようにしてもよい。
以上、本実施形態を具体例を挙げて説明したが、本実施形態は前記の内容に何ら制限されるものではない。例えば、図1に示す空調設備100におけるモータダンパ16,17の代わりに、図9に示すように、インバータ制御されるファン19,20を用いた空調設備200としてもよい。この場合、ファンを制御するための予め設定される所定のグラフは、図9に示すプロセス値に応じたファン回転数のグラフとなる。従って、ファン19,20の回転数で風量を制御するようにしてもよい。
また、図10に示す空調設備300のように、より厳密な圧力制御を行いたい場合には、演算部18にゲイン21,22を設けてもよい。なお、ゲイン21はRout/(Rin+Rout)であり、ゲイン22はRin/(Rin+Rout)である。この際、Rin及びRoutの正確な値を求めることが困難な場合は、給気ガラリ2からクリーンルーム5までの圧力損失の合計ΔPd1、及びクリーンルーム5から排気ガラリ8までの圧力損失の合計ΔPd2を用いてもよい。この場合、ゲイン21はΔPd2/(ΔPd1+ΔPd2)となり、ゲイン22はΔPd1/(ΔPd1+ΔPd2)となる。
さらに、本実施形態においては、空調設備100の適用対象としてクリーンルームを挙げたが、適用可能な室としてはクリーンルームに何ら限定されるものではない。
また、空調設備100においては、圧力センサ10,11はいずれもガラリ(給気ガラリ2及び排気ガラリ8)内に設けたが、エアが通流するダクト内に設けるようにしてもよい。また、給気ガラリ2及び排気ガラリ8自体を設けないようにしてもよい。
さらに、圧力センサ10,11によって測定される圧力は静圧であってもよく、動圧であってもよく、全圧(静圧と動圧との和)であってもよい。また、圧力和としては、(給気側圧力−基準圧力)+(排気側圧力−基準圧力)の式により算出される値を指標としてもよい。基準圧力が大気圧(1013hPa)の場合、括弧内の圧力はそれぞれ給気側及び排気側のゲージ圧になる。
また、圧力演算部12による圧力値の取得は常時行われてもよく、所定の間隔で行われてもよい。また、図7に示すフローは、圧力値に変化が生じた場合に常に行われるようにしてもよく、圧力値についての変化量が所定の範囲を外れた(変化量が大きすぎる)場合にのみ行われるようにしてもよい。
さらに、図示の各手段はダクトを介して接続されているが、例えば給気ファン3及び制御ダンパ4を一体的に形成し、ダクトを介さずに接続されてもよい。また、各手段の設置の形態も任意である。
また、給気ファン3及び制御ダンパ4に代えて、インバータ制御される給気ファンとしてもよい。
さらに、前記の各実施形態において説明したグラフは必ずしも図示の形状のグラフにはならず、運転条件や設計変更により形状が異なることがある。ただし、このような場合であっても、前記の説明が同様に適用可能である。また、グラフを用いずに、例えば、予め幾つかの運転条件でデータを得て作成されたデータベース等を用いてダンパ等の制御を行うようにしてもよい。
また、給気側圧力測定手段及び排気側圧力測定手段として、本実施形態においては圧力センサを用いているが、圧力を測定することができる手段であればどのようなものであってもよい。さらに、給気側風量制御手段及び排気側風量制御手段として、本実施形態においてはモータダンパ及びインバータ制御されるファンを用いているが、風量を制御可能な手段であればどのようなものであってもよい。
2 給気ガラリ(ガラリ)
5 クリーンルーム(室)
8 排気ガラリ(ガラリ)
10 圧力センサ(給気側圧力測定手段)
11 圧力センサ(排気側圧力測定手段)
16 モータダンパ(給気側流量制御手段)
17 モータダンパ(排気側流量制御手段)
18 演算部(演算手段)
19 インバータ制御されるファン(給気側流量制御手段)
20 インバータ制御されるファン(排気側流量制御手段)
100 空調設備
200 空調設備
300 空調設備
5 クリーンルーム(室)
8 排気ガラリ(ガラリ)
10 圧力センサ(給気側圧力測定手段)
11 圧力センサ(排気側圧力測定手段)
16 モータダンパ(給気側流量制御手段)
17 モータダンパ(排気側流量制御手段)
18 演算部(演算手段)
19 インバータ制御されるファン(給気側流量制御手段)
20 インバータ制御されるファン(排気側流量制御手段)
100 空調設備
200 空調設備
300 空調設備
Claims (6)
- 室にエアを給気するとともに前記室からエアを排気する空調設備であって、
前記室のエア給気側に備えられ、前記室に給気されるエアの圧力を測定する給気側圧力測定手段と、
前記室のエア排気側に備えられ、前記室から排気されるエアの圧力を測定する排気側圧力測定手段と、
前記室に給気されるエアの流量を制御する給気側流量制御手段と、
前記室から排気されるエアの流量を制御する排気側流量制御手段と、
前記給気側流量制御手段及び前記排気側流量制御手段を制御する演算手段と、を備え、
前記演算手段は、
前記給気側圧力センサにより測定された結果に基づき給気側圧力と、前記給気側圧力センサにより測定された結果に基づき排気側圧力と、を算出し、
算出された給気側圧力と算出された排気側圧力との圧力和を算出し、圧力和と給気風量及び排気風量とについての予め設定された関係に基づいて給気風量及び排気風量を決定し、決定された給気風量及び排気風量となるように前記給気側流量制御手段及び前記排気側流量制御手段を制御する
ことを特徴とする、空調設備。 - 前記演算手段は、
前記室に接続される設備に応じて決定されるパラメータを、算出された給気側圧力に対して乗じて得られた圧力と、
前記室に接続される設備に応じて決定されるパラメータを、算出された排気側圧力に対して乗じて得られた圧力と、の和を、前記圧力和として算出する
ことを特徴とする、請求項1に記載の空調設備。 - 前記室の給気側には給気ガラリが前記室に接続して備えられ、
前記室の排気側には排気ガラリが前記室に接続して備えられ、
前記給気側圧力測定手段は前記給気ガラリ内に備えられ、
前記排気側圧力測定手段は前記排気ガラリ内に備えられる
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の空調設備。 - 前記給気側流量制御手段は、ダンパ又はインバータ制御されるファンである
ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の空調設備。 - 前記排気側流量制御手段は、ダンパ又はインバータ制御されるファンである
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の空調設備。 - 演算手段により、室にエアを給気するとともに前記室からエアを排気する空調方法であって、
前記室に給気されるエアの圧力を取得する給気側圧力取得ステップと、
前記室から排気されるエアの圧力を取得する排気側圧力取得ステップと、
前記給気側圧力取得ステップにおいて取得した結果に基づき給気側圧力を算出する給気側圧力算出ステップと、
前記排気側圧力取得ステップにおいて取得した結果に基づき排気側圧力を算出する排気側圧力算出ステップと、
算出された給気側圧力と排気側圧力との和である圧力和を算出する圧力和算出ステップと、
圧力和と給気風量及び排気風量とについての予め設定された関係に基づいて、給気風量及び排気風量を決定する流量決定ステップと、
決定された風量になるように、給気風量及び排気風量を制御する流量制御ステップと、を含む
ことを特徴とする、空調方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012035477A JP2013170766A (ja) | 2012-02-21 | 2012-02-21 | 空調設備及び空調方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012035477A JP2013170766A (ja) | 2012-02-21 | 2012-02-21 | 空調設備及び空調方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013170766A true JP2013170766A (ja) | 2013-09-02 |
Family
ID=49264824
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012035477A Pending JP2013170766A (ja) | 2012-02-21 | 2012-02-21 | 空調設備及び空調方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013170766A (ja) |
-
2012
- 2012-02-21 JP JP2012035477A patent/JP2013170766A/ja active Pending
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