一例として示す室圧制御システム10Aの構成図である図1等の添付の図面を参照し、本発明にかかる室圧制御システムの詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、稼働状態で示す室圧制御システム10Aの構成図であり、図3は、室圧制御システム10Aの各運転モードにおける各風量測定部の風量目標値と風量との関係を示す図である。図2では、空気(外気、混合気、還気、排気、局所排気)の流れを矢印で示す。
室圧制御システム10A(室圧制御システム10B〜室圧制御システム10Dを含む)は、建造物の一角に施設されたクリーンルーム11(空調対象室)の室圧を目標室圧(たとえば、45Pa(陽圧))に保持する。なお、図1ではクリーンルーム11(空調対象室)を1室だけ図示しているが、クリーンルーム11を1室に限定するものではなく、2室以上のクリーンルーム11に対して本発明の室圧制御システム10A(室圧制御システム10B〜室圧制御システム10Dを含む)の室圧制御を実施し、複数のクリーンルーム11の室圧を目標室圧に保持することができる。
室圧制御システム10Aは、クリーンルーム11に接続された給気ダクト12および還気ダクト13と、還気ダクト13に接続された排気ダクト14(第1排気ダクト)と、クリーンルーム11に接続された2本の局所排気ダクト15a,15b(第2排気ダクト)と、給気ダクト12に設置された給気ファン16と、排気ダクト14に設置された排気ファン17(第1排気ファン)と、局所排気ダクト15a,15bに設置された局所排気ファン18a,18b(第2排気ファン)と、還気ダクト13に設置された圧力制御ダンパ19および第1風量センサ20と、給気ダクト12に設置された第2風量センサ21と、クリーンルーム11に設置された室圧センサ22とを備えている。
給気ダクト12は、クリーンルーム11につながり、クリーンルーム11に空気(外気と還気との混合気)を給気する。外気取り入れ口23の近傍に延びる給気ダクト12には、モーターダンパ24(MD)が設置されている。クリーンルーム11の近傍に延びる給気ダクト12には、ボリュームダンパ25a(VD)が設置されている。モーターダンパ14の後流側に延びる給気ダクト12には、チャンバー26aが設置され、給気ファン12と第2風量センサ21との間に延びる給気ダクト12には、チャンバー26bが設置されている。ボリュームダンパ25a(VD)は、その旋回羽根の開度が所定の開度に設定され、給気ダクト12の空気流路をその開度の開放面積に固定する。チャンバー26aでは、給気ダクト12によって取り入れられた所定の風量の外気と還気ダクト13から戻る所定の風量の還気とが混合される。
モーターダンパ24の制御部には、指示調節計27が接続されている。指示調節計27には、中央処理装置(CPUまたはMPU)とメモリとを有するコンピュータが内蔵され、設定表示器(ディスプレイやタッチパネル等)(図示せず)が設置されている。指示調節計27のメモリには、設定風量(外気の風量)が記憶(設定)されている。指示調節計27では、設定表示器によって設定風量を入力または変更することができ、入力または変更した設定風量を設定表示器で確認することができる。
指示調節計27は、入力された風量に対応するモーターダンパ24の旋回羽根の開度を割り出し(演算し)、割り出した開度をモーターダンパ24の制御部に送信する。モーターダンパ24の制御部は、指示調節計27から受信した開度に旋回羽根を旋回させ、給気ダクト12の空気流路をその開度の開放面積に開放する。給気ダクト12では、モーターダンパ24によってダクト12に流入させる外気風量が調節される。
還気ダクト13は、クリーンルーム11とチャンバー26aとにつながり、クリーンルーム11の空気(所定の還気風量の空気)を給気ダクト12に還気させる。クリーンルーム11の近傍に延びる還気ダクト13には、ボリュームダンパ25b(VD)が設置され、チャンバー26aの近傍に延びる還気ダクト13には、ボリュームダンパ25c(VD)が設置されている。それらボリュームダンパ25b,25c(VD)は、その旋回羽根の開度が所定の開度に設定され、還気ダクト13の空気流路をその開度の開放面積に固定する。
排気ダクト14(第1排気ダクト)は、圧力制御ダンパ19(ボリュームダンパ25b)と第1風量センサ20との間に延びる還気ダクト13に接続され、還気ダクト13から分岐している。排気ダクト14は、クリーンルーム11から還気ダクト13に流入した空気の一部(所定の排気風量(第1排気風量)の空気)を大気に排気(放出)する。還気ダクト13と排気ファン17との間に延びる排気ダクト14には、ボリュームダンパ25d(VD)が設置され、排気ファン17の後流側に延びる排気ダクト14には、ボリュームダンパ25e(VD)が設置されている。それらボリュームダンパ25d,25e(VD)は、その旋回羽根の開度が所定の開度に設定され、排気ダクト14の空気流路をその開度の開放面積に固定する。
それら局所排気ダクト15a,15b(第2排気ダクト)は、クリーンルーム11につながり、クリーンルーム11の一部の空気(所定の局所排気風量(第2排気風量)の空気)を大気に排気(放出)する。なお、図1,2では、2本の局所排気ダクト15a,15bを図示しているが、1本のみの局所排気ダクトがクリーンルーム11に接続されていてもよく、3本以上の局所排気ダクトがクリーンルーム11に接続されていてもよい。
クリーンルーム11の近傍に延びる局所排気ダクト15a,15bには、ノンリークダンパ28a,28b(NLD)が設置されている。ノンリークダンパ28a,28b(NLD)は、局所排気ファン18a,18bの停止時にクリーンルーム11への空気の通過や逆流を防止する。ノンリークダンパ28a,28b(NLD)と局所排気ファン18a,18bとの間に延びる局所排気ダクト15a,15bには、ボリュームダンパ25f,25g(VD)が設置され、局所排気ファン18a,18bの後流側に延びる局所排気ダクト15a,15bには、ボリュームダンパ25h,25i(VD)が設置されている。それらボリュームダンパ(VD)25f〜25iは、その旋回羽根の開度が所定の開度に設定され、局所排気ダクト15a,15bの空気流路をその開度の開放面積に固定する。
給気ファン16は、チャンバー26aとチャンバー26bとの間に延びる給気ダクト12に設置され、チャンバー26aによって混合された外気と還気との混合気をクリーンルーム11に強制的に給気する。給気ファン16は、インバーター制御によってその出力がコントロールされる。排気ファン17(第1排気ファン)は、ボリュームダンパ25d(VD)とボリュームダンパ25e(VD)との間に延びる排気ダクト14に設置され、クリーンルーム11から還気ダクト13に流入した空気の一部を大気に強制的に排気する。排気ファン17は、インバーター制御によってその出力がコントロールされる。
それら局所排気ファン18a,18b(第2排気ファン)は、ボリュームダンパ25f,25g(VD)とボリュームダンパ25h,25i(VD)との間に延びる局所排気ダクト15a,15bに設置され、クリーンルーム11の一部の空気を大気に強制的に排気する。それら局所排気ファン18a,18bは、インバーター制御によってその出力がコントロールされる。
図1,2では、それら局所排気ダクト15a,15bに設置された2つの局所排気ファン18a,18bを図示しているが、1本のみの局所排気ダクトがクリーンルーム11に接続される場合、局所排気ファンが1つになり、3本以上の局所排気ダクトがクリーンルーム11に接続される場合、局所排気ファンが3つ以上になる。なお、局所排気ファン18a,18bの他に、不定期に利用される不定期排気装置が利用される場合もある(システム10B〜システム10Dも同様)。不定期排気装置は、第2排気ダクト(局所排気ダクト15a,15b)に設置される。
圧力制御ダンパ19は、クリーンルーム11と排気ダクトの分岐箇所29との間に延びる還気ダクト13であってクリーンルーム11の近傍に設置されている。圧力制御ダンパ19には、中央処理装置(CPUまたはMPU)とメモリとを有するコンピュータが内蔵され、設定表示器(図示せず)が設置されている。圧力制御ダンパ19のメモリには、目標室圧が記憶(設定)されている。圧力制御ダンパ19では、設定表示器によって目標室圧を入力または変更することができ、入力または変更した目標室圧を設定表示器で確認することができる。
圧力制御ダンパ19は、還気ダクト13に流れる空気風量を調節し、クリーンルーム11の室圧を目標室圧に保持する。圧力制御ダンパ19は、室圧センサ22によって測定された室圧を直接フィードバックし、目標室圧になるように排気ダンパをコントロールし、室圧と基準圧との差圧が目標室圧となるように排気風量を調節する。
第1風量センサ20は、還気ダクト13と排気ダクト14との分岐箇所29から給気ファン16(ボリュームダンパ25c)に向かって延びる還気ダクト13(給気ファン16と排気ダクト14の接続箇所29との間に延びる還気ダクト13)に設置されている。第1風量センサ20は、還気ダクト13から給気ダクト12(チャンバー26a)に向かって流動する還気の還気ダクト内風量を測定する。第1風量センサ20には、指示調節計30が接続されている。第1風量センサ20は、測定した還気ダクト内風量を指示調節計30に送信する。
指示調節計30には、中央処理装置(CPUまたはMPU)とメモリとを有するコンピュータが内蔵され、設定表示器(図示せず)が設置されている。指示調節計30のメモリには、還気ダクト内目標風量が記憶(設定)されている。還気ダクト内目標風量は、排気ダクト14から排気される排気風量および局所排気ダクト15a,15bから排気され局所排気風量の和である総排気風量と給気ダクト12に流入する外気風量とを等しくする風量である。
指示調節計30では、設定表示器によって還気ダクト内目標風量を入力または変更することができ、入力または変更した還気ダクト内目標風量を設定表示器で確認することができる。指示調節計30は、第1風量センサ20から受信した還気ダクト内風量を入力された還気ダクト内目標風量にするための排気ファン17の出力を割り出し(演算し)、割り出した出力を排気ファン17の制御部に送信する。排気ファン17の制御部は、排気ファン17をインバーター制御することで、排気ファン17の出力を指示調節計30から送信された出力に調節する。
第2風量センサ21は、給気ファン12(チャンバー26b)とクリーンルーム11(ボリュームダンパ25a)との間に延びる給気ダクト12に設置されている。第2風量センサ21は、給気ファン16からクリーンルーム11に向かって給気ダクト12を流動する給気の給気ダクト内風量を測定する。第2風量センサ21は、指示調節計31に接続され、測定した給気ダクト内風量を指示調節計31に送信する。
指示調節計31には、中央処理装置(CPUまたはMPU)とメモリとを有するコンピュータが内蔵され、設定表示器(図示せず)が設置されている。指示調節計31のメモリには、給気ダクト内目標風量が記憶(設定)されている。指示調節計31では、設定表示器によって給気ダクト内目標風量を入力または変更することができ、入力または変更した給気ダクト内目標風量を設定表示器で確認することができる。
指示調節計31は、第2風量センサ21から受信した給気ダクト内風量を入力された給気ダクト内目標風量にするための給気ファン16の出力を割り出し(演算し)、割り出した出力を給気ファン16の制御部に送信する。給気ファン16の制御部は、給気ファン16をインバーター制御することで、給気ファン16の出力を指示調節計31から送信された出力に調節する。室圧センサ22は、クリーンルーム11の室内に設置され、クリーンルーム11の室圧を測定する。室圧センサ22は、測定した室圧を圧力制御ダンパ19に送信する。
室圧制御システム10Aでは、図3に示す局所排気運転モード(1)に設定されているものとする。還気ダクト内目標風量が1000m3/hに設定され、給気ダクト内目標風量が1500m3/hに設定されているとともに、空調対象室の目標室圧が45Paに設定されている。さらに、外気風量が500m3/hに設定され、局所排気風量が400m3/hに設定されている。室圧制御システム10Aが稼働すると、給気ファン16、排気ファン17、局所排気ファン18a,18b、圧力制御ダンパ19、第1風量センサ20、第2風量センサ21、室圧センサ22が稼働する。
室圧制御システム10Aでは、図2に示すように、500m3/hの外気風量の外気が外気取り入れ口23から給気ダクト12に流入し、チャンバー26aにおいて外気と還気とが混合される。外気と還気との混合気(空気)が給気ダクト12を通ってボリュームダンパ25aを通過し、クリーンルーム11に給気される。給気ダクト12を流動する混合気の給気ダクト内風量が第2風量センサ21によって測定され、給気ダクト内風量が第2風量センサ21から指示調節計31に送信される。
第2風量センサ21から給気ダクト内風量を受信した指示調節計31は、メモリに記憶した給気ダクト内目標風量と第2風量センサ21から受信した給気ダクト内風量とを比較し、給気ダクト内風量が給気ダクト内目標風量である場合、給気ファン16の出力を現状のそれに保持する。給気ダクト内風量が給気ダクト内目標風量と異なる場合、指示調節計31は、給気ダクト内風量を給気ダクト内目標風量にするための給気ファン16の出力を割り出し、割り出した出力を給気ファン16の制御部に送信する。指示調節計31から給気ファン16の出力を受信した給気ファン16の制御部は、給気ファン16をインバーター制御し、給気ファン16の給気風量を1500m3/hにする。給気ファン16の給気風量が1500m3/hになることで、給気ダクト内風量が給気ダクト内目標風量(1500m3/h)になる。
クリーンルーム11では、それら局所排気ファン18a,18b(第2排気ファン)によってクリーンルーム11の一部の空気(400m3/hの排気風量(第2排気風量)の空気)がそれら局所排気ダクト18a,18bを通ってノンリークダンパ28a,28bやボリュームダンパ25f〜25iを通過し、大気に排気(放出)されている。クリーンルーム11に設置された室圧センサ22は、クリーンルーム11の室圧を測定し、測定した室圧を圧力制御ダンパ19に送信する。圧力制御ダンパ19は、室圧センサ22から受信した室圧と基準圧との差圧を演算し、室圧と基準圧との差圧が目標室圧となるように排気ダンパの旋回羽根(開閉機構)の開閉動作を制御し、排気ダンパのダンパ開度を調節する。室圧と基準圧との差圧が目標室圧となるように圧力制御ダンパ19が排気ダンパのダンパ開度を調節することで、クリーンルーム11の室圧が目標室圧(45Pa)に保持される。
圧力制御ダンパ19を通過した還気は、還気ダクト13を通ってボリュームダンパ25bを通過し、排気ダクト14(第1排気ダクト)が接続された分岐箇所29に向かう。還気のうちの一部の還気(100m3/hの排気風量(第1排気風量)の空気)は、分岐箇所29から排気ダクト14に流入し、ボリュームダンパ25d,25eや排気ファン17(第2排気ファン)を通過して大気に排気(放出)される。排気ダクト14に流入した空気を除く残余の還気は、分岐箇所29から還気ダクト13に流入する。分岐箇所29から還気ダクト13に流入した還気は、ボリュームダンパ25cを通過してチャンバー26aに流入する。
還気ダクト13を流動する還気の還気ダクト内風量が第1風量センサ20によって測定され、測定された還気ダクト内風量が第1風量センサ20から指示調節計30に送信される。第1風量センサ20から還気ダクト内風量を受信した指示調節計30は、メモリに記憶した還気ダクト内目標風量と第1風量センサ20から受信した還気ダクト内風量とを比較し、還気ダクト内風量が還気ダクト内目標風量である場合、排気ファン17の出力を現状のそれに保持する。
還気ダクト内風量が還気ダクト内目標風量と異なる場合、指示調節計30は、還気ダクト内風量が還気ダクト内目標風量になる排気ファン17の排気風量(100m3/h)を演算し、排気ファン17の排気風量を100m3/hにする排気ファン17の出力を割り出し、割り出した出力を排気ファン17の制御部に送信する。指示調節計30から排気ファン17の出力を受信した排気ファン17の制御部は、排気ファン17をインバーター制御し、排気ファン17の出力を指示調節計30から受信したそれにすることで、排気ファン17の排気風量が100m3/hになる。室圧制御システム10Aでは、還気ダクト内風量が還気ダクト内目標風量と異なる場合において、還気ダクト内風量が還気ダクト内目標風量(1000m3/h)になることで、排気ファン17の排気風量が100m3/h(所定の風量)になる。
室圧制御システム10Aは、排気ファン17における排気風量の調節と給気ファン16における給気風量の調節と圧力制御ダンパ19における空気風量の調節とが同時に行われる。室圧制御システム10Aでは、室圧センサ22の測定結果に連動する圧力制御ダンパ19の空気風量の調節速度が一番速く、第2風量センサ21の測定結果に連動する給気ファン16の給気風量の調節速度が二番目に速く、第1風量センサ20の測定結果に連動する排気ファン17の排気風量の調節速度が圧力制御ダンパ19における空気風量の調節速度および給気ファン16における給気風量の調節速度よりも遅い。したがって、制御動作の開始は、排気ファン17、給気ファン16、圧力制御ダンパ19全て同時であるが、制御動作の安定までの時間は、圧力制御ダンパ19→給気ファン16→排気ファン17の順になる。
室圧制御システム10Aにおいて、それら局所排気ファン18a,18bの一方が停止し、または、それら局所排気ファン18a,18bの出力が減少し、図3に示すように、局所排気風量が400m3/hから300m3/hに変更されて局所排気運転モード(1)から局所排気運転モード(2)に変更され、給気ダクト内目標風量が1500m3/hであり、還気ダクト内目標風量が1000m3/hで変更がない場合、第1風量センサ20が接続された指示調節計30は、還気ダクト内目標風量が還気ダクト内目標風量(1000m3/h)になる排気ファン17の排気風量(200m3/h)を演算し、排気ファン17の排気風量を200m3/hにする排気ファン17の出力を割り出し、割り出した出力を排気ファン17の制御部に送信する。
排気ファン17の制御部は、排気ファン17をインバーター制御し、排気ファン17の出力を指示調節計30から受信したそれにすることで、排気ファン17の排気風量が200m3/hになる。室圧制御システム10Aでは、局所排気風量が400m3/hから300m3/hに変更された場合において、還気ダクト内風量を還気ダクト内目標風量(1000m3/h)に保持することで(還気ダクト内風量が還気ダクト内目標風量になることで)、排気ファン17の排気風量が100m3/hから200m3/h(所定の風量)になる。
さらに、室圧制御システム10Aにおいて、局所排気風量が300m3/hから200m3/hに変更されて局所排気運転モード(2)から局所排気運転モード(3)に変更され、還気ダクト内目標風量が1000m3/h、給気ダクト内目標風量が1500m3/hで変更がない場合、第1風量センサ20が接続された指示調節計30は、還気ダクト内目標風量が還気ダクト内目標風量(1000m3/h)になる排気ファン17の排気風量(300m3/h)を演算し、排気ファン17の排気風量を300m3/hにする排気ファン17の出力を割り出し、割り出した出力を排気ファン17の制御部に送信する。
排気ファン17の制御部は、排気ファン17をインバーター制御し、排気ファン17の出力を指示調節計30から受信したそれにすることで、排気ファン17の排気風量が300m3/hになる。室圧制御システム10Aでは、局所排気風量が300m3/hから200m3/hに変更された場合において、還気ダクト内風量を還気ダクト内目標風量(1000m3/h)に保持することで(還気ダクト内風量が還気ダクト内目標風量になることで)、排気ファン17の排気風量が200m3/hから300m3/h(所定の風量)になる。
室圧制御システム10Aでは、局所排気風量が400m3/h(局所排気運転モード(1))から300m3/h(局所排気運転モード(2))に変更され、さらに、局所排気風量が300m3/h(局所排気運転モード(2))から200m3/h(局所排気運転モード(3))に変更されたとしても、その変更によって還気ダクト内目標風量(1000m3/h)が変わることはなく、還気ダクト内風量が還気ダクト内目標風量(1000m3/h)に保持されることで排気ファン17の排気風量が所定の風量になる。
室圧制御システム10Aは、給気ダクト内目標風量が1500m3/hから750m3/hに変更された場合、還気ダクト内目標風量が1000m3/hから250m3/hに変更されて局所排気運転モード(1)から局所排気運転モード(4)に変更される。局所排気運転モード(4)において、給気ダクト内目標風量が750m3/hになると、第2風量センサ21が接続された指示調節計31は、給気ダクト内風量を給気ダクト内目標風量にするための給気ファン16の出力を給気ファン16の制御部に送信する。給気ファン16の制御部は、給気ファン16をインバーター制御し、給気ファン16の出力を指示調節計から受信したそれにすることで、給気ダクト内風量を給気ダクト内目標風量(750m3/h)にする。
還気ダクト内目標風量が250m3/hになると、第1風量センサ20が接続された指示調節計30は、還気ダクト内風量が還気ダクト内目標風量になる排気ファン17の出力を排気ファン17の制御部に送信する。排気ファン17の制御部は、排気ファン17をインバーター制御し、排気ファン17の出力を指示調節計から受信したそれにすることで、排気ファン17の排気風量を100m3/hにする。なお、局所排気ダクト18a,18bから排気される局所排気風量は400m3/hである。室圧制御システム10Aでは、還気ダクト内目標風量が1000m3/hから250m3/hに変更された場合において、還気ダクト内風量が還気ダクト内目標風量(250m3/h)になることで、排気ファン17の排気風量が100m3/h(所定の風量)になる。
室圧制御システム10Aにおいて、それら局所排気ファン18a,18bの一方が停止し、または、それら局所排気ファン18a,18bの出力が減少し、局所排気風量が400m3/hから300m3/hに変更されて局所排気運転モード(4)から局所排気運転モード(5)に変更され、還気ダクト内目標風量が250m3/hであり、給気ダクト内目標風量が750m3/hで変更がない場合、第1風量センサ20が接続された指示調節計30は、還気ダクト内目標風量が還気ダクト内目標風量(250m3/h)になる排気ファン17の排気風量(200m3/h)を演算し、排気ファン17の排気風量を200m3/hにする排気ファン17の出力を割り出し、割り出した出力を排気ファン17の制御部に送信する。
排気ファン17の制御部は、排気ファン17をインバーター制御し、排気ファン17の出力を指示調節計30から受信したそれにすることで、排気ファン17の排気風量が200m3/hになる。室圧制御システム10Aでは、局所排気風量が400m3/hから300m3/hに変更された場合において、還気ダクト内風量を還気ダクト内目標風量(250m3/h)に保持することで(還気ダクト内風量が還気ダクト内目標風量になることで)、排気ファン17の排気風量が100m3/hから200m3/h(所定の風量)になる。
室圧制御システム10Aでは、給気ダクト内目標風量が変更された場合、還気ダクト内目標風量を変更する必要があるが、その後に局所排気風量が400m3/h(局所排気運転モード(1))から300m3/h(局所排気運転モード(2))に変更されたとしても、その変更によって還気ダクト内目標風量(250m3/h)が変わることはなく、還気ダクト内風量が還気ダクト内目標風量(250m3/h)に保持されることで排気ファン17の排気風量が所定の風量になる。
給気ダクト内目標風量が変更され、局所排気風量が変更された場合においても、排気ファン17における排気風量の調節と給気ファン16における給気風量の調節と圧力制御ダンパ19における空気風量の調節とが同時に行われるとともに、室圧センサ22の測定結果に連動する圧力制御ダンパ19の空気風量の調節速度が一番速く、第2風量センサ21の測定結果に連動する給気ファン16の給気風量の調節速度が二番目に速く、第1風量センサ20の測定結果に連動する排気ファン17の排気風量の調節速度が圧力制御ダンパ19における空気風量の調節速度および給気ファン16における給気風量の調節速度よりも遅い。
室圧制御システム10Aは、第1風量センサ20が測定した還気ダクト内風量が還気ダクト内目標風量になることで、排気ファン17(第1排気ファン)の排気風量(第1排気風量)が所定の風量になり、それによって排気ダクト17および局所排気ダクト18a,18b(第2排気ファン)から排気される総排気風量と給気ダクト16に流入する外気風量とが等しくなって総排気風量と外気風量との風量バランスが維持されるから、局所排気ダクト18a,18bから大気に排気される局所排気風量(第2排気風量)が変更された場合でも、還気ダクト内目標風量を変更する必要はなく、局所排気風量(第2排気風量)が変更された後の試運転時に、各ダクト12〜15a,15bに設置されたボリュームダンパ25a〜25iのダンパ開度を試行錯誤を繰り返しながら細かく調節する作業を省くことができ、調整時間と手間とを要せずにクリーンルーム11(空調対象室)の室圧を目標室圧に保持することができる。
室圧制御システム10Aは、排気ファン17(第1排気ファン)の排気風量(第1排気風量)の調節とともに、第2風量センサ21が測定した給気ダクト内風量が給気ダクト内目標風量になるように給気ファン16の給気風量が調節され、室圧センサ22が測定したクリーンルーム11(空調対象室)の室圧が目標室圧になるように圧力制御ダンパ19によって還気ダクト13に流れる空気風量が調節されるから、クリーンルーム11の室圧を目標室圧に確実かつ容易に保持することができる。
室圧制御システム10Aは、室圧センサ22の測定結果に連動してクリーンルーム11(空調対象室)の室圧を目標室圧にする圧力制御ダンパ19の空気風量の調節速度を一番速くすることで、クリーンルーム11の室圧を迅速に目標室圧にすることができるとともに、第2風量センサ21の測定結果に連動して給気ダクト内風量を給気ダクト内目標風量にする給気ファン16の給気風量の調節速度を二番目に速くし、第1風量センサ20の測定結果に連動して還気ダクト内風量を還気ダクト内目標風量にする排気ファン17(第1排気ファン)の排気風量(第1排気風量)の調節速度を三番目にすることで、システム10A(各ダクト12〜15a,15b)を循環する空気の風量の安定化を図ることができ、クリーンルーム11の室圧が安定し、クリーンルーム11の室圧を目標室圧に確実に保持することができる。
図4は、他の一例として示す室圧制御システム10Bの構成図であり、図5は、室圧制御システム10Bにおける目標値と風量との関係を示す図である。図4では、空気(外気、混合気、還気、排気、局所排気)の流れを矢印で示す。この室圧制御システム10Bが図1のそれと異なるところは、第2風量センサ21の代わりに定風量装置32(CAV)を利用している点にある。この室圧制御システム10Bの定風量装置32を除いたその他の構成は図1の室圧制御システム10Aのそれらと同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1の室圧制御システム10Aの説明を援用することで、この室圧制御システム10Bのその他の構成の説明は省略する。なお、第2風量センサ21の代わりに可変風量装置(VAV)を利用することもできる。
室圧制御システム10Bは、クリーンルーム11(空調対象室)に接続された給気ダクト12および還気ダクト13と、還気ダクト13に接続された排気ダクト14(第1排気ダクト)と、クリーンルーム11に接続された2本の局所排気ダクト15a,15b(第2排気ダクト)と、給気ダクト12に設置された給気ファン16と、排気ダクト14に設置された排気ファン17(第1排気ファン)と、局所排気ダクト15a,15bに設置された局所排気ファン18a,18b(第2排気ファン)と、還気ダクト13に設置された圧力制御ダンパ19および風量センサ20(図1の第1風量センサ20と同一)と、給気ダクト12に設置された定風量装置32(CAV)と、クリーンルーム11に設置された室圧センサ22とを備えている。
定風量装置32(または可変風量装置)は、給気ファン16(チャンバー26b)とクリーンルーム11(ボリュームダンパ25a)との間に延びる給気ダクト12に設置されている。定風量装置32は、給気ファン16からクリーンルーム11に向かって給気ダクト12を流動する混合気の風量を一定に保持する。したがって、一定の風量の混合気が給気ファン16からクリーンルーム11に給気される。
室圧制御システム10Bでは、図5に示す局所排気運転モード(1)に設定されているものとする。還気ダクト内目標風量が1000m3/hに設定され、給気ダクト内目標風量が1500m3/hに設定されているとともに、空調対象室の目標室圧が45Paに設定されている。さらに、外気風量が500m3/hに設定され、局所排気風量が400m3/hに設定されている。室圧制御システム10Bの局所排気運転モード(1)〜局所排気運転モード(3)における外気や混合気、還気、排気の流れは、図1のシステム10Aのそれらと同一である。
室圧制御システム10Bでは、クリーンルーム11に設置された室圧センサ22がクリーンルーム11の室圧を測定し、測定した室圧を圧力制御ダンパ19に送信する。圧力制御ダンパ19は、室圧センサ22から受信した室圧と基準圧との差圧が目標室圧となるように排気ダンパのダンパ開度を調節する。室圧と基準圧との差圧が目標室圧となるように圧力制御ダンパ19が排気ダンパのダンパ開度を調節することで、クリーンルーム11の室圧が目標室圧(45Pa)に保持される。
還気ダクト内風量が還気ダクト内目標風量と異なる場合、風量センサ20が接続された指示調節計30は、還気ダクト内風量が還気ダクト内目標風量になる排気ファン17の排気風量(100m3/h)を演算し、排気ファン17の排気風量を100m3/hにする排気ファン17の出力を割り出し、割り出した出力を排気ファン17の制御部に送信する。指示調節計30から排気ファン17の出力を受信した排気ファン17の制御部は、排気ファン17をインバーター制御し、排気ファン17の出力を指示調節計30から受信したそれにすることで、排気ファン17の排気風量が100m3/hになる。室圧制御システム10Bでは、還気ダクト内風量が還気ダクト内目標風量と異なる場合において、還気ダクト内風量が還気ダクト内目標風量(1000m3/h)になることで、排気ファン17の排気風量が100m3/h(所定の風量)になる。
室圧制御システム10Bは、排気ファン17における排気風量の調節と定風量装置32(または可変風量装置)における風量調整と圧力制御ダンパ19における空気風量の調節とが同時に行われる。室圧制御システム10Bでは、室圧センサ22の測定結果に連動する圧力制御ダンパ19の空気風量の調節速度が一番速く、定風量装置32(または可変風量装置)における風量調整速度が二番目に速く、風量センサ20の測定結果に連動する排気ファン17の排気風量の調節速度が圧力制御ダンパ19における空気風量の調節速度および定風量装置32(または可変風量装置)における風量調整速度よりも遅い。したがって、制御動作の開始は、排気ファン17、定風量装置32(または可変風量装置)、圧力制御ダンパ19全て同時であるが、制御動作の安定までの時間は、圧力制御ダンパ19→定風量装置32(または可変風量装置)→排気ファン17の順になる。
室圧制御システム10Bにおいて、それら局所排気ファン18a,18bの一方が停止し、または、それら局所排気ファン18a,18bの出力が減少し、図5に示すように、局所排気風量が400m3/hから300m3/hに変更されて局所排気運転モード(1)から局所排気運転モード(2)に変更され、給気ダクト内目標風量が1500m3/hであり、還気ダクト内目標風量が1000m3/hで変更がない場合、風量センサ20が接続された指示調節計30は、還気ダクト内目標風量が還気ダクト内目標風量(1000m3/h)になる排気ファン17の排気風量(200m3/h)を演算し、排気ファン17の排気風量を200m3/hにする排気ファン17の出力を割り出し、割り出した出力を排気ファン17の制御部に送信する。
排気ファン17の制御部は、排気ファン17をインバーター制御し、排気ファン17の出力を指示調節計30から受信したそれにすることで、排気ファン17の排気風量が200m3/hになる。室圧制御システム10Bでは、局所排気風量が400m3/hから300m3/hに変更された場合において、還気ダクト内風量を還気ダクト内目標風量(1000m3/h)に保持することで(還気ダクト内風量が還気ダクト内目標風量になることで)、排気ファン17の排気風量が100m3/hから200m3/h(所定の風量)になる。
さらに、室圧制御システム10Bにおいて、局所排気風量が300m3/hから200m3/hに変更されて局所排気運転モード(2)から局所排気運転モード(3)に変更され、還気ダクト内目標風量が1000m3/hであり、給気ダクト内目標風量が1500m3/hで変更がない場合、風量センサ20が接続された指示調節計30は、還気ダクト内目標風量が還気ダクト内目標風量(1000m3/h)になる排気ファン17の排気風量(300m3/h)を演算し、排気ファン17の排気風量を300m3/hにする排気ファン17の出力を割り出し、割り出した出力を排気ファン17の制御部に送信する。
排気ファン17の制御部は、排気ファン17をインバーター制御し、排気ファン17の出力を指示調節計30から受信したそれにすることで、排気ファン17の排気風量が300m3/hになる。室圧制御システム10Bでは、局所排気風量が300m3/hから200m3/hに変更された場合において、還気ダクト内風量を還気ダクト内目標風量(1000m3/h)に保持することで(還気ダクト内風量が還気ダクト内目標風量になることで)、排気ファン17の排気風量が200m3/hから300m3/h(所定の風量)になる。
室圧制御システム10Bでは、局所排気風量が400m3/h(局所排気運転モード(1))から300m3/h(局所排気運転モード(2))に変更され、さらに、局所排気風量が300m3/h(局所排気運転モード(2))から200m3/h(局所排気運転モード(3))に変更されたとしても、その変更によって還気ダクト内目標風量(1000m3/h)が変わることはなく、還気ダクト内風量が還気ダクト内目標風量(1000m3/h)に保持されることで排気ファン17の排気風量が所定の風量になる。
室圧制御システム10Bは、風量センサ20が測定した還気ダクト内風量が還気ダクト内目標風量になることで、排気ファン17(第1排気ファン)の排気風量(第1排気風量)が所定の風量になり、それによって排気ダクト14および局所排気ダクト15a,15b(第2排気ダクト)から排気される総排気風量と給気ダクト12に流入する外気風量とが等しくなって総排気風量と外気風量との風量バランスが維持されるから、局所排気ダクト15a,15bから大気に排気される局所排気風量が変更された場合でも、還気ダクト内目標風量を変更する必要はなく、局所排気風量(第2排気風量)が変更された後の試運転時に、各ダクト12〜15a,15bに設置されたボリュームダンパ25a〜25iのダンパ開度を試行錯誤を繰り返しながら細かく調節する作業を省くことができ、調整時間と手間とを要せずにクリーンルーム11(空調対象室)の室圧を目標室圧に保持することができる。
室圧制御システム10Bは、排気ファン17(第1排気ファン)の排気風量(第1排気風量)の調節とともに、クリーンルーム11(空調対象室)に給気する空気の給気風量が定風量装置32(または可変風量装置)によって所定の給気風量に維持され、室圧センサ22が測定したクリーンルーム11の室圧が目標室圧になるように圧力制御ダンパ19によって還気ダクト13に流れる空気風量が調節されるから、クリーンルーム11の室圧を目標室圧に確実かつ容易に保持することができる。
室圧制御システム10Bは、室圧センサ22の測定結果に連動してクリーンルーム11(空調対象室)の室圧を目標室圧にする圧力制御ダンパ19の空気風量の調節速度を一番速くすることで、クリーンルーム11の室圧を迅速に目標室圧にすることができるとともに、定風量装置32(または可変風量装置)における風量調整速度を二番目に速くし、風量センサ20の測定結果に連動して還気ダクト内風量を還気ダクト内目標風量にする排気ファン17(第1排気ファン)の排気風量(第1排気風量)の調節速度を三番目にすることで、システム10B(各ダクト12〜15a,15b)を循環する空気の風量の安定化を図ることができ、クリーンルーム11の室圧が安定し、クリーンルーム11の室圧を目標室圧に確実に保持することができる。
図6は、他の一例として示す室圧制御システム10Cの構成図であり、図7は、図6の室圧制御システム10Cにおける目標値と風量と圧力との関係を示す図である。図6では、空気(外気、混合気、還気、排気、局所排気)の流れを矢印で示す。この室圧制御システム10Cが図1のそれと異なるところは、第1風量センサ20の代わりに圧力センサ33を利用している点にある。この室圧制御システム10Cの圧力センサ33を除いたその他の構成は図1の室圧制御システム10Aのそれらと同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1の室圧制御システム10Aの説明を援用することで、この室圧制御システム10Cのその他の構成の説明は省略する。
室圧制御システム10Cは、クリーンルーム11(空調対象室)に接続された給気ダクト12および還気ダクト13と、還気ダクト13に接続された排気ダクト14(第1排気ダクト)と、クリーンルーム11に接続された2本の局所排気ダクト15a,15b(第2排気ダクト)と、給気ダクト12に設置された給気ファン16と、排気ダクト14に設置された排気ファン17(第1排気ファン)と、局所排気ダクト15a,15bに設置された局所排気ファン18a,18b(第2排気ファン)と、還気ダクト13に設置された圧力制御ダンパ19および圧力センサ33と、給気ダクト12に設置された風量センサ21(図1の第2風量センサ21)と、クリーンルーム11に設置された室圧センサ22とを備えている。
圧力センサ33は、還気ダクト13と排気ダクト14(第1排気ダクト)との分岐箇所29から給気ファン12(ボリュームダンパ25c)に向かって延びる還気ダクト13(給気ファン12と排気ダクト14の接続箇所29との間に延びる還気ダクト13)に設置されている。圧力センサ33は、還気ダクト13から給気ダクト12(チャンバー26a)に向かって流動する還気の還気ダクト内圧力を測定する。圧力センサ33には、指示調節計34が接続されている。圧力センサ33は、測定した還気ダクト内圧力を指示調節計34に送信する。
指示調節計34には、中央処理装置(CPUまたはMPU)とメモリとを有するコンピュータが内蔵され、設定表示器(図示せず)が設置されている。指示調節計34のメモリには、還気ダクト内目標圧力が記憶(設定)されている。還気ダクト内目標圧力は、排気ダクト14から排気される排気風量および局所排気ダクト15a,15bから排気され局所排気風量の和である総排気風量と給気ダクト12に流入する外気風量とを等しくする圧力である。
指示調節計34では、設定表示器によって還気ダクト内目標圧力を入力または変更することができ、入力または変更した還気ダクト内目標圧力を設定表示器で確認することができる。指示調節計34は、圧力センサ33から受信した還気ダクト内圧力を入力された還気ダクト内目標圧力にするための排気ファン17の出力を割り出し(演算し)、割り出した出力を排気ファン17の制御部に送信する。排気ファン17の制御部は、排気ファン17をインバーター制御することで、排気ファン17の出力を指示調節計34から送信された出力に調節する。
室圧制御システム10Cでは、図7に示す局所排気運転モード(1)に設定されているものとする。還気ダクト内目標圧力が−70Pa設定され、給気ダクト内目標風量が1500m3/hに設定されているとともに、空調対象室の目標室圧が45Paに設定されている。さらに、外気風量が500m3/hに設定され、局所排気風量が400m3/hに設定されている。室圧制御システム10Cの局所排気運転モード(1)〜局所排気運転モード(5)における外気や混合気、還気、排気の流れは、図1のシステム10Aのそれらと同一である。
室圧制御システム10Cでは、クリーンルーム11に設置された室圧センサ22がクリーンルーム11の室圧を測定し、測定した室圧を圧力制御ダンパ19に送信する。圧力制御ダンパ19は、室圧センサ22から受信した室圧と基準圧との差圧が目標室圧となるように排気ダンパのダンパ開度を調節する。室圧と基準圧との差圧が目標室圧となるように圧力制御ダンパ19が排気ダンパのダンパ開度を調節することで、クリーンルーム11の室圧が目標室圧(45Pa)に保持される。
還気ダクト内圧力が還気ダクト内目標圧力と異なる場合、指示調節計34は、還気ダクト内圧力が還気ダクト内目標圧力になる排気ファン17の排気風量(100m3/h)を演算し、排気ファン17の排気風量を100m3/hにする排気ファン17の出力を割り出し、割り出した出力を排気ファン17の制御部に送信する。指示調節計30から排気ファン17の出力を受信した排気ファン17の制御部は、排気ファン17をインバーター制御し、排気ファン17の出力を指示調節計30から受信したそれにすることで、排気ファン17の排気風量が100m3/hになる。室圧制御システム10Cでは、還気ダクト内圧力が還気ダクト内目標圧力と異なる場合において、還気ダクト内圧力が還気ダクト内目標圧力(−70Pa)になることで、排気ファン17の排気風量が100m3/h(所定の風量)になる。
室圧制御システム10Cは、排気ファン17における排気風量の調節と給気ファン16における給気風量の調節と圧力制御ダンパ19における空気風量の調節とが同時に行われる。室圧制御システム10Cでは、室圧センサ22の測定結果に連動する圧力制御ダンパ19の空気風量の調節速度が一番速く、風量センサ21の測定結果に連動する給気ファン16の給気風量の調節速度が二番目に速く、圧力センサ33の測定結果に連動する排気ファン17における排気風量の調節速度が圧力制御ダンパ19における空気風量の調節速度および給気ファン16における給気風量の調節速度よりも遅い。したがって、制御動作の開始は、排気ファン17、給気ファン16、圧力制御ダンパ19全て同時であるが、制御動作の安定までの時間は、圧力制御ダンパ19→給気ファン16→排気ファン17の順になる。
室圧制御システム10Cにおいて、それら局所排気ファン18a,18bの一方が停止し、または、それら局所排気ファン18a,18bの出力が減少し、図7に示すように、局所排気風量が400m3/hから300m3/hに変更されて局所排気運転モード(1)から局所排気運転モード(2)に変更され、還気ダクト内目標圧力が−70Paであり、給気ダクト内目標風量が1500m3/hで変更がない場合、圧力センサ33が接続された指示調節計34は、還気ダクト内目標圧力が還気ダクト内目標圧力(−70Pa)になる排気ファン17の排気風量(200m3/h)を演算し、排気ファン17の排気風量を200m3/hにする排気ファン17の出力を割り出し、割り出した出力を排気ファン17の制御部に送信する。
排気ファン17の制御部は、排気ファン17をインバーター制御し、排気ファン17の出力を指示調節計34から受信したそれにすることで、排気ファン17の排気風量が200m3/hになる。室圧制御システム10Cでは、局所排気風量が400m3/hから300m3/hに変更された場合において、還気ダクト内圧力を還気ダクト内目標圧力(−70Pa)に保持することで(還気ダクト内圧力が還気ダクト内目標圧力になることで)、排気ファン17の排気風量が100m3/hから200m3/h(所定の風量)になる。
さらに、室圧制御システム10Cにおいて、局所排気風量が300m3/hから200m3/hに変更されて局所排気運転モード(2)から局所排気運転モード(3)に変更され、還気ダクト内目標圧力が−70Paであり、給気ダクト内目標風量が1500m3/hで変更がない場合、圧力センサ33が接続された指示調節計34は、還気ダクト内目標圧力が還気ダクト内目標圧力(−70Pa)になる排気ファン17の排気風量(300m3/h)を演算し、排気ファン17の排気風量を300m3/hにする排気ファン17の出力を割り出し、割り出した出力を排気ファン17の制御部に送信する。
排気ファン17の制御部は、排気ファン17をインバーター制御し、排気ファン17の出力を指示調節計34から受信したそれにすることで、排気ファン17の排気風量が300m3/hになる。室圧制御システム10Cでは、局所排気風量が300m3/hから200m3/hに変更された場合において、還気ダクト内圧力を還気ダクト内目標圧力(−70Pa)に保持することで(還気ダクト内圧力が還気ダクト内目標圧力になることで)、排気ファン17の排気風量が200m3/hから300m3/h(所定の風量)になる。
室圧制御システム10Cでは、局所排気風量が400m3/h(局所排気運転モード(1))から300m3/h(局所排気運転モード(2))に変更され、さらに、局所排気風量が300m3/h(局所排気運転モード(2))から200m3/h(局所排気運転モード(3))に変更されたとしても、その変更によって還気ダクト内目標圧力(−70Pa)が変わることはなく、還気ダクト内圧力が還気ダクト内目標圧力(−70Pa)に保持されることで排気ファン17の排気風量が所定の風量になる。
室圧制御システム10Cは、給気ダクト内目標風量が1500m3/hから750m3/hに変更された場合、還気ダクト内目標圧力が−70Paから−180Paに変更されて局所排気運転モード(1)から局所排気運転モード(4)に変更される。局所排気運転モード(4)において、給気ダクト内目標風量が750m3/hになると、風量センサ21が接続された指示調節計31は、給気ダクト内風量を給気ダクト内目標風量にするための給気ファン16の出力を給気ファン16の制御部に送信する。給気ファン16の制御部は、給気ファン16をインバーター制御し、給気ファン16の出力を指示調節計31から受信したそれにすることで、給気ダクト内風量を給気ダクト内目標風量(750m3/h)にする。
還気ダクト内目標圧力が−180Paになると、圧力センサ33が接続された指示調節計34は、還気ダクト内圧力が還気ダクト内目標圧力になる排気ファン17の出力を排気ファン17の制御部に送信する。排気ファン17の制御部は、排気ファン17をインバーター制御し、排気ファン17の出力を指示調節計34から受信したそれにすることで、排気ファン17の排気風量が100m3/hになる。なお、局所排気ダクト18a,18bから排気される局所排気風量は400m3/hである。室圧制御システム10Cでは、還気ダクト内目標圧力が−70Paから−180Paに変更された場合において、還気ダクト内圧力が還気ダクト内目標圧力(−180Pa)になることで、排気ファン17の排気風量が100m3/h(所定の風量)になる。
室圧制御システム10Cにおいて、それら局所排気ファン18a,18bの一方が停止し、または、それら局所排気ファン18a,18bの出力が減少し、局所排気風量が400m3/hから300m3/hに変更されて局所排気運転モード(4)から局所排気運転モード(5)に変更され、還気ダクト内目標圧力が−180Paであり、給気ダクト内目標風量が750m3/hで変更がない場合、圧力センサ33が接続された指示調節計34は、還気ダクト内目標圧力が還気ダクト内目標圧力(−180Pa)になる排気ファン17の排気風量(200m3/h)を演算し、排気ファン17の排気風量を200m3/hにする排気ファン17の出力を割り出し、割り出した出力を排気ファン17の制御部に送信する。
排気ファン17の制御部は、排気ファン17をインバーター制御し、排気ファン17の出力を指示調節計34から受信したそれにすることで、排気ファン17の排気風量が200m3/hになる。室圧制御システム10Cでは、局所排気風量が400m3/hから300m3/hに変更された場合において、還気ダクト内圧力を還気ダクト内目標圧力(−180Pa)に保持することで(還気ダクト内圧力が還気ダクト内目標圧力になることで)、排気ファン17の排気風量が100m3/hから200m3/h(所定の風量)になる。
室圧制御システム10Cでは、給気ダクト内目標圧力が変更された場合、還気ダクト内目標圧力を変更する必要があるが、その後に局所排気風量が400m3/h(局所排気運転モード(4))から300m3/h(局所排気運転モード(5))に変更されたとしても、その変更によって還気ダクト内目標圧力(−180Pa)が変わることはなく、還気ダクト内圧力が還気ダクト内目標圧力(−180Pa)に保持されることで排気ファン17の排気風量が所定の風量になる。
給気ダクト内目標圧力が変更され、局所排気風量が変更された場合においても、排気ファン17における排気風量の調節と給気ファン16における給気風量の調節と圧力制御ダンパ19における空気風量の調節とが同時に行われるとともに、室圧センサ22の測定結果に連動する圧力制御ダンパ19の空気風量の調節速度が一番速く、風量センサ21の測定結果に連動する給気ファン16の給気風量の調節速度が二番目に速く、圧力センサ33の測定結果に連動する排気ファン17の排気風量の調節速度が圧力制御ダンパ19における空気風量の調節速度および給気ファン16における給気風量の調節速度よりも遅い。
室圧制御システム10Cは、圧力センサ33が測定した還気ダクト内圧力が還気ダクト内目標圧力になることで、排気ファン17(第1排気ファン)の排気風量(第1排気風量)が所定の風量になり、それによって排気ダクト17および局所排気ダクト15a,15b(第2排気ファン)から排気される総排気風量と給気ダクト12に流入する外気風量とが等しくなって総排気風量と外気風量との風量バランスが維持されるから、局所排気ダクト15a,15bから大気に排気される局所排気風量(第2排気風量)が変更された場合でも、還気ダクト内目標圧力を変更する必要はなく、局所排気風量(第2排気風量)が変更された後の試運転時に、各ダクト12〜15a,15bに設置されたボリュームダンパ25a〜25iのダンパ開度を試行錯誤を繰り返しながら細かく調節する作業を省くことができ、調整時間と手間とを要せずにクリーンルーム11(空調対象室)の室圧を目標室圧に保持することができる。
室圧制御システム10Cは、排気ファン17(第1排気ファン)の排気風量(第1排気風量)の調節とともに、風量センサ21が測定した給気ダクト内風量が給気ダクト内目標風量になるように給気ファン16の給気風量が調節され、室圧センサ22が測定したクリーンルーム11(空調対象室)の室圧が目標室圧になるように圧力制御ダンパ19によって還気ダクト13に流れる空気風量が調節されるから、クリーンルーム11の室圧を目標室圧に確実かつ容易に保持することができる。
室圧制御システム10Cは、室圧センサ22の測定結果に連動してクリーンルーム11(空調対象室)の室圧を目標室圧にする圧力制御ダンパ19の空気風量の調節速度を一番速くすることで、クリーンルーム11の室圧を迅速に目標室圧にすることができるとともに、風量センサ21の測定結果に連動して給気ダクト内風量を給気ダクト内目標風量にする給気ファン16の給気風量の調節速度を二番目に速くし、圧力センサ33の測定結果に連動して還気ダクト内圧力を還気ダクト内目標圧力にする排気ファン17の排気風量の調節速度を三番目にすることで、システム10C(各ダクト12〜15a,15b)を循環する空気の風量の安定化を図ることができ、クリーンルーム11の室圧が安定し、クリーンルーム11の室圧を目標室圧に確実に保持することができる。
図8は、他の一例として示す室圧制御システム10Dの構成図であり、図9は、図8の室圧制御システム10Dにおける目標値と風量と圧力との関係を示す図である。図8では、空気(外気、混合気、還気、排気、局所排気)の流れを矢印で示す。この室圧制御システム10Dが図1のそれと異なるところは、第2風量センサ21の代わりに定風量装置32(CAV)を利用している点、第1風量センサ20の代わりに圧力センサ33を利用している点にある。この室圧制御システム10Dの定風量装置32および圧力センサ33を除いたその他の構成は図1の室圧制御システム10Aのそれらと同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1の室圧制御システム10Aの説明を援用することで、この室圧制御システム10Dのその他の構成の説明は省略する。なお、第2風量センサ21の代わりに可変風量装置(VAV)を利用することもできる。
室圧制御システム10Dは、クリーンルーム11(空調対象室)に接続された給気ダクト12および還気ダクト13と、還気ダクト13に接続された排気ダクト14(第1排気ダクト)と、クリーンルーム11に接続された2本の局所排気ダクト15a,15b(第2排気ダクト)と、給気ダクト12に設置された給気ファン16と、排気ダクト14に設置された排気ファン17(第1排気ファン)と、局所排気ダクト15a,15bに設置された局所排気ファン18a,18b(第2排気ファン)と、還気ダクト13に設置された圧力制御ダンパ19および圧力センサ33と、給気ダクト12に設置された定風量装置32(CAV)と、クリーンルーム11に設置された室圧センサ22とを備えている。
定風量装置32(または可変風量装置)は、図4のそれと同一であり、給気ファン12(チャンバー26b)とクリーンルーム11(ボリュームダンパ25a)との間に延びる給気ダクト12に設置されている。圧力センサ33は、図6のそれと同一であり、給気ファン12(ボリュームダンパ25c)と排気ダクト14(第1排気ダクト)の接続箇所29との間に延びる還気ダクト13に設置されている。圧力センサ33に接続された指示調節計34は、図6のそれと同一である。指示調節計34のメモリには、還気ダクト内目標圧力が記憶(設定)されている。
室圧制御システム10Dでは、図9に示す局所排気運転モード(1)に設定されているものとする。還気ダクト内目標圧力が−70Pa設定され、給気ダクト内目標風量が1500m3/hに設定されているとともに、空調対象室の目標室圧が45Paに設定されている。さらに、外気風量が500m3/hに設定され、局所排気風量が400m3/hに設定されている。室圧制御システム10Cの局所排気運転モード(1)〜局所排気運転モード(3)における外気や混合気、還気、排気の流れは、図1のシステム10Aのそれらと同一である。
室圧制御システム10Dでは、クリーンルーム11に設置された室圧センサ22がクリーンルーム11の室圧を測定し、測定した室圧を圧力制御ダンパ19に送信する。圧力制御ダンパ19は、室圧センサ22から受信した室圧と基準圧との差圧が目標室圧となるように排気ダンパのダンパ開度を調節する。室圧と基準圧との差圧が目標室圧となるように圧力制御ダンパ19が排気ダンパのダンパ開度を調節することで、クリーンルーム11の室圧が目標室圧(45Pa)に保持される。
還気ダクト内圧力が還気ダクト内目標圧力と異なる場合、圧力センサ33が接続された指示調節計34は、還気ダクト内圧力が還気ダクト内目標圧力になる排気ファン17の排気風量(100m3/h)を演算し、排気ファン17の排気風量を100m3/hにする排気ファン17の出力を割り出し、割り出した出力を排気ファン17の制御部に送信する。指示調節計34から排気ファン17の出力を受信した排気ファン17の制御部は、排気ファン17をインバーター制御し、排気ファン17の出力を指示調節計34から受信したそれにすることで、排気ファン17の排気風量が100m3/hになる。室圧制御システム10Dでは、還気ダクト内圧力が還気ダクト内目標圧力と異なる場合において、還気ダクト内圧力が還気ダクト内目標圧力(−70Pa)になることで、排気ファン17の排気風量が100m3/h(所定の風量)になる。
室圧制御システム10Dは、排気ファン17における排気風量の調節と定風量装置32(または可変風量装置)における風量調整と圧力制御ダンパ19における空気風量の調節とが同時に行われる。室圧制御システム10Dでは、室圧センサ22の測定結果に連動する圧力制御ダンパ19の空気風量の調節速度が一番速く、定風量装置32(または可変風量装置)における風量調整速度が二番目に速く、圧力センサ33の測定結果に連動する排気ファン17における排気風量の調節速度が圧力制御ダンパ19における空気風量の調節速度および定風量装置32(または可変風量装置)における風量調整速度よりも遅い。したがって、制御動作の開始は、排気ファン17、定風量装置32(または可変風量装置)、圧力制御ダンパ19全て同時であるが、制御動作の安定までの時間は、圧力制御ダンパ19→定風量装置32(または可変風量装置)→排気ファン17の順になる。
室圧制御システム10Dにおいて、それら局所排気ファン18a,18bの一方が停止し、または、それら局所排気ファン18a,18bの出力が減少し、図9に示すように、局所排気風量が400m3/hから300m3/hに変更されて局所排気運転モード(1)から局所排気運転モード(2)に変更され、還気ダクト内目標圧力が−70Paであり、給気ダクト内目標風量が1500m3/hで変更がない場合、圧力センサ33が接続された指示調節計34は、還気ダクト内圧力を還気ダクト内目標圧力(−70Pa)になる排気ファン17の排気風量(200m3/h)を演算し、排気ファン17の排気風量を200m3/hにする排気ファン17の出力を割り出し、割り出した出力を排気ファン17の制御部に送信する。
排気ファン17の制御部は、排気ファン17をインバーター制御し、排気ファン17の出力を指示調節計34から受信したそれにすることで、排気ファン17の排気風量が200m3/hになる。室圧制御システム10Dでは、局所排気風量が400m3/hから300m3/hに変更された場合において、還気ダクト内圧力を還気ダクト内目標圧力(−70Pa)に保持することで(還気ダクト内圧力が還気ダクト内目標圧力になることで)、排気ファン17の排気風量が100m3/hから200m3/h(所定の風量)になる。
さらに、室圧制御システム10Dにおいて、局所排気風量が300m3/hから200m3/hに変更されて局所排気運転モード(2)から局所排気運転モード(3)に変更され、還気ダクト内目標圧力が−70Paであり、給気ダクト内目標風量が1500m3/hで変更がない場合、圧力センサ33が接続された指示調節計34は、還気ダクト内目標圧力が還気ダクト内目標圧力(−70Pa)になる排気ファン17の排気風量(300m3/h)を演算し、排気ファン17の排気風量を300m3/hにする排気ファン17の出力を割り出し、割り出した出力を排気ファン17の制御部に送信する。
排気ファン17の制御部は、排気ファン17をインバーター制御し、排気ファン17の出力を指示調節計34から受信したそれにすることで、排気ファン17の排気風量が300m3/hになる。室圧制御システム10Dでは、局所排気風量が300m3/hから200m3/hに変更された場合において、還気ダクト内圧力を還気ダクト内目標圧力(−70Pa)に保持することで(還気ダクト内圧力が還気ダクト内目標圧力になることで)、排気ファン17の排気風量が200m3/hから300m3/h(所定の風量)になる。
室圧制御システム10Dでは、局所排気風量が400m3/h(局所排気運転モード(1))から300m3/h(局所排気運転モード(2))に変更され、さらに、局所排気風量が300m3/h(局所排気運転モード(2))から200m3/h(局所排気運転モード(3))に変更されたとしても、その変更によって還気ダクト内目標圧力(−70Pa)が変わることはなく、還気ダクト内圧力が還気ダクト内目標圧力(−70Pa)に保持されることで排気ファン17の排気風量が所定の風量になる。
室圧制御システム10Dは、圧力センサ33が測定した還気ダクト内圧力が還気ダクト内目標圧力になることで、排気ファン17(第1排気ファン)の排気風量(第1排気風量)が所定の風量になり、それによって排気ダクト17および局所排気ダクト15a,15b(第2排気ダクト)から排気される総排気風量と給気ダクト12に流入する外気風量とが等しくなって総排気風量と外気風量との風量バランスが維持されるから、局所排気ダクト15a,15bから大気に排気される局所排気風量が変更された場合でも、還気ダクト内目標圧力を変更する必要はなく、局所排気風量(第2排気風量)が変更された後の試運転時に、各ダクト12〜15a,15bに設置されたボリュームダンパ25a〜25iのダンパ開度を試行錯誤を繰り返しながら細かく調節する作業を省くことができ、調整時間と手間とを要せずにクリーンルーム11(空調対象室)の室圧を目標室圧に保持することができる。
室圧制御システム10Dは、排気ファン17(第1排気ファン)の排気風量(第1排気風量)の調節とともに、クリーンルーム11(空調対象室)に給気する空気の給気風量が定風量装置32(または可変風量装置)によって所定の給気風量に維持され、室圧センサ22が測定した空クリーンルーム11の室圧が目標室圧になるように圧力制御ダンパ19によって還気ダクト13に流れる空気風量が調節されるから、クリーンルーム11の室圧を目標室圧に確実かつ容易に保持することができる。
室圧制御システム10Dは、室圧センサ22の測定結果に連動してクリーンルーム11(空調対象室)の室圧を目標室圧にする圧力制御ダンパ19の空気風量の調節速度を一番速くすることで、クリーンルーム11の室圧を迅速に目標室圧にすることができるとともに、定風量装置32(または可変風量装置)における風量調整速度を二番目に速くし、圧力センサ33の測定結果に連動して還気ダクト内圧力を還気ダクト内目標圧力にする排気ファン17の排気風量の調節速度を三番目にすることで、システム10D(各ダクト12〜15a,15b)を循環する空気の風量の安定化を図ることができ、クリーンルーム11の室圧が安定し、クリーンルーム11の室圧を目標室圧に確実に保持することができる。