JP2008170056A - 室圧制御方法およびその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】扉により開閉される開口を介して連通する少なくとも2室内の異なる室内気圧をそれぞれ目標室圧に保持し、かつ前記扉が開から閉の状態になった時にダンパ装置の動き幅を小さくして迅速に各室内を目標室圧に戻すと共に、扉が開状態の時に環境の異なる2室の内の少なくとも1室について他の室の空気との混合を防止して室内の清浄度を確保する室圧制御方法及び装置を提供する。
【解決手段】室10,11内の設定室圧を変動させる外乱がない時、第1室圧制御を実行してこれら室内の気圧を目標室圧に維持すべくダンパ装置30,31のダンパ開度を制御し、扉15が開くと、該扉15の開き度合いに応じて室圧の変動がした対象室に対し第2室圧制御を実行してダンパ装置30,31を通過する風量を調整し、扉15が閉鎖されたとき、ダンパ装置30,31を通過する風量を目標室圧に維持する第1室圧制御に戻す。
【選択図】図1

Description

本発明は、室圧制御方法およびその装置に関し、さらに詳細には扉により開閉される開口を介して連通する少なくとも2室の室内気圧を所定の気圧に制御する室圧制御方法およびその装置に関する。
半導体製造又は研究建家、医薬品製造又は研究建家、或いは食品加工又は研究建家などにおける内部室の室内気圧(室圧)は、外部から塵埃や細菌の進入を防ぐ目的から外部より高い気圧に設定され、或いは細菌などの外部への漏出を防止する目的から外部より低い気圧に設定され、また扉により開閉される開口を介して連通する室どうしもそれぞれ異なる気圧に設定されている。このような目的で設定された室圧(目標室圧)は、室圧制御装置により管理されている。従来の技術では、各室の室圧をそれぞれ設定された目標室圧に調整する室圧制御が、一般的に、室圧に変動が生じている室(対象室)の室圧と設定された目標室圧との差を減じるように、例えばダンパ装置を介して対象室への給気量或いは対象室からの排気量を変化させる方法により行われていた。
しかし、対象室の目標室圧と異なる気圧となっている隣室や廊下などと対象室とを接続している扉が開かれた場合、従来の室圧制御を行うと、ダンパ装置は、対象室内の気圧を目標室圧にするために調整し得る最大或いは最小の調整位置に変更され、対象室の室圧は目標室圧になることなく、条件によっては室圧のハンチング(大きな乱れの繰り返し)を起こす。
さらに、扉が閉鎖され、対象室の室圧が室圧制御により目標室圧に調整し得る状態になったとしても、対象室内の空気量のバランスが著しく乱されたままの状態から制御を行うことになり、またこの制御の初期値が著しく目標位置から外れた状態から制御を行うことになるので、扉を閉鎖した直後に大きな室圧の乱れや、ハンチングを生じる。このような問題を解決するために特許文献1に開示された室圧制御装置では、扉の開閉を検知するセンサを設け、扉の開閉をこのセンサで検知して開信号および閉鎖信号を出し、これらの信号に基づいて風量調整手段であるダンパ装置のダンパ開度を制御しようとするものである。
すなわち、特許文献1の室圧制御装置では、扉が開かれたときにセンサから供給される開信号に基づいてダンパを扉の開く直前の開度に固定する。その後、扉が閉鎖されたときは、センサから供給される閉信号に基づいて、扉の開く直前の開度に固定されていたダンパをその状態から再び動かし、室内の気圧の変動に追従して設定圧力に室圧制御を行うようにしている。
特許第1842965号
かかる室圧制御を行う対象室は、一般的に、一定の環境を維持することが非常に重要であるので、たとえ室圧制御を行っていたとしても2室を連通する開口の扉が開かれることによって一時的に各室を目標室圧に維持することができなくなる場合がある。そのような場合でも、環境の異なる2室のうちの少なくとも1室について他の室の空気との混合を防止する必要があるが、特許文献1に開示された発明の室圧制御装置では、扉が閉鎖された直後から室圧の変動に追従してダンパ制御を行っているものの、他室の空気との混合防止が不完全である、という問題があった。
本発明の目的は、扉により開閉される開口を介して連通する少なくとも2室内の異なる室内気圧をそれぞれ目標とする室圧に保持し、かつこれら室を連通する開口の扉が開状態から閉状態となったときにダンパ装置の動き幅を小さくして迅速に各室内を目標室圧に戻すと共に、開口の扉が開状態のときに環境の異なる2室のうちの少なくとも1室について他の室の空気との混合を防止して室内の清浄度を確保する室圧制御方法およびその装置を提供する。
本発明の室圧制御方法は、前述した技術的課題を解決するために以下のように構成されている。すなわち、室圧制御方法に係る第1の発明は、扉により開閉される開口を介して連通する少なくとも2つの室のそれぞれに接続された給気管および排気管を備える給気装置および排気装置の少なくとも一方に取り付けられ、通過風量を変更可能なダンパ装置のダンパ開度を調整して前記各室内の気圧を予め設定した異なる目標室圧に維持する室圧制御方法であり、その特徴とするところは、前記扉が閉鎖されているときに、前記各室内の気圧を予め設定した前記目標室圧に維持すべく前記各ダンパ開度をフィードバック制御する第1室圧制御と、前記扉が開かれるとき又は開かれたときに、前記各室について前記各ダンパ装置の前記各ダンパ開度を前記第1室圧制御とは異なる内容で制御する第2室圧制御と、前記扉が開いた状態から閉鎖されたときに、前記各ダンパ装置の前記ダンパ開度を前記第1室圧制御に戻すことを含み、前記第2室圧制御では、前記扉の開動作から所定の開き度合いまでの間、前記ダンパ装置の前記ダンパ開度が、前記第1室圧制御中の最大ダンパ開度と最小ダンパ開度とのほぼ中間の定風量値開度に変更され、前記扉が前記所定の開き度合いを越えている間、前記ダンパ装置の前記ダンパ開度が、前記定風量値開度より所定量増減した開度に変更されることである。
第1の発明に係る室圧制御方法は、前述した必須の構成要素からなるが、この第1の発明の一実施形態として、前記第2室圧制御においては、前記定風量値開度への変更が、前記扉の開動作及び前記所定の開き度合いまでの開放を検出したときに供給される第1検出信号により実行され、さらに、前記定風量値開度より所定量増減した前記ダンパ開度への変更が、前記所定の開き度合いを越える前記扉の動きを検出したときに供給される第2検出信号により実行される。
また、室圧制御方法に係る第2の発明は、扉により開閉される開口を介して連通する少なくとも2つの室のそれぞれに接続された給気管および排気管を備える給気装置および排気装置の少なくとも一方に取り付けられ、通過風量を変更可能なダンパ装置のダンパ開度を調整して前記各室内の気圧を予め設定した異なる目標室圧に維持する室圧制御方法であり、その特徴とするところは、前記扉が閉鎖されているときに、前記各室内の気圧を予め設定した前記目標室圧に維持すべく前記各ダンパ開度をフィードバック制御する第1室圧制御と、前記扉が開かれるとき又は開かれたときに、前記各ダンパ装置の前記各ダンパ開度を前記第1室圧制御とは異なる内容で制御する第2室圧制御と、前記扉が開いた状態から閉鎖されたときに、前記各ダンパ装置の前記ダンパ開度を前記第1室圧制御に戻すことを含み、前記第2室圧制御では、前記扉の開動作から所定の開き度合いまでの間、前記ダンパ装置の前記ダンパ開度が、前記第1室圧制御中の最大ダンパ開度と最小ダンパ開度とのほぼ中間の定風量値開度に変更され、前記扉が前記所定の開き度合いを越えている間、前記ダンパ装置の前記ダンパ開度が、前記各室の室圧を前記定風量値開度から予め設定された調整幅の範囲内で前記目標室圧に近づくようにフィードバック制御されることである。
第2の発明の室圧制御方法は、前述した必須の構成要素からなるが、この第2の発明に係る一実施形態として、前記第2室圧制御において、前記定風量値開度への変更が、前記扉の開動作及び前記所定の開き度合いまでの開放を検出したときに供給される第1検出信号により実行され、さらに、前記各室の室圧を前記目標室圧に近づけるように前記定風量値開度から予め設定された調整幅の範囲内でのフィードバック制御が、前記所定の開き度合いを越える前記扉の動きを検出したときに供給される第2検出信号により実行される。
かかる第1及び第2の発明に係る他の実施形態としては、前記第1室圧制御および前記第2室圧制御が、前記各ダンパ装置に設けられているダンパ制御器の記憶装置に格納されたアプリケーションプログラムにより実行されることである。
また、本発明は室圧制御装置でもあり、前述した技術的課題を解決するために以下のように構成されている。すなわち、本発明に係る室圧制御装置は、扉により開閉される開口を介して連通する少なくとも2つの室にそれぞれ接続している給気管を備える給気装置と、前記各室にそれぞれ接続している排気管を備える排気装置と、前記給気装置および前記排気装置の少なくとも一方に取り付けられ、前記各室ごとの給気もしくは排気の風量を調整するダンパ及び該ダンパの動きを制御するダンパ制御器を備えるダンパ装置と、前記扉の開動作及び開き度合いを検出して前記ダンパ制御器に検出信号を供給する検出手段とを備え、前記各ダンパ制御器が、前記扉の閉鎖時に前記各室内の気圧を予め設定された目標室圧に維持すべく前記ダンパ装置のダンパ開度を随時調整し、前記検出手段から供給される前記検出信号に基づいて前記ダンパ装置のダンパ開度を変更し、さらに前記扉の閉鎖時に前記各室の前記気圧を前記目標室圧に制御すべく前記ダンパ装置の前記ダンパ開度を随時調整するとき前記ダンパ装置の最大ダンパ開度と最小ダンパ開度とを記憶する記憶装置を備え、前記各ダンパ制御器が、前記扉の開動作から前記所定の開き度合いまでの間、前記検出信号に基づいて前記ダンパ装置の前記ダンパ開度を所定の開度に変更して前記ダンパ装置を通過する前記風量を変更し、前記扉が前記所定の開き度合いを越えている時、前記ダンパ開度を所定量だけ増減し又は各室の前記目標室圧に近づくように所定の調整範囲内でフィードバック制御をするかのいずれかを行うことを特徴とする。
本発明の室圧制御装置は、前述した必須の構成要素からなるが、この発明の一実施形態として、前記検出手段により供給される前記検出信号が、前記扉の開動作から前記所定の開き度合いまでの間に供給される第1検出信号と、前記第1検出信号を供給した後、前記扉が前記所定の開き度合いを越えて開いたときに供給される第2検出信号とを含み、前記ダンパ制御器が、前記ダンパ装置の前記ダンパ開度を、前記第1検出信号に基づいて前記最大ダンパ開度と最小ダンパ開度とのほぼ中間の定風量値開度に変更し、前記所定の開き度合いを越える前記扉の開動作で供給する前記第2検出信号に基づいて、所定量だけ増減し又は各室の前記目標室圧に近づけるように所定の調整範囲内でフィードバック制御するかのいずれかを行うことである。
本発明の室圧制御方法およびその装置によれば、2室を連通させる開口を開閉する扉が開かれることにより室圧に変化が生じたとき、ダンパ装置のダンパ開度を所定の定風量値開度にするか、又は目標室圧に近づけるようにダンパ開度を所定の調整範囲内でフィードバック制御し、さらに扉が閉鎖したときには、対象室を目標室圧に維持するようにダンパ装置のダンパ開度を定風量値開度に変更して該ダンパ装置を通過する風量を随時調整するようにしたので、扉が開いたときのダンパ装置におけるダンパ調整位置に乱れを起こすことがなく、その結果、扉が閉鎖したときに対象室の気圧を迅速に目標室圧に戻すことができると共に、扉の開放中に高い室圧の対象室から低い室圧の対象室へ流れる空気流の形成を維持することができるので、高い室圧内の空気が他の空間の空気と混合するのを防止できる。
また、本発明の室圧制御方法およびその装置では、少なくとも2室を連通する開口に取り付けられた扉が開動作から所定開き度合いまで開くときに第1検出信号を供給し、それに基づいてダンパ装置のダンパ開度を所定の定風量値開度にするようにしたので、扉が僅かに開いたときでもダンパ装置のダンパ変異幅を小さくでき、これによりその後の適正なダンパ開度の制御を行うことができる。
さらに、本発明の室圧制御方法およびその装置では、第1検出信号に基づいてダンパ装置のダンパ開度を所定の定風量値開度に変更した後、第2検出信号に基づいてダンパ装置のダンパ開度を所定量だけ増減する調整又は所定の範囲内で目標室圧に近づける制御のいずれかをするようにしたことから、ダンパ装置のダンパ開度の選択に複雑な演算をする必要がない。そのため、中央制御装置(主コントローラ)を用いる必要がなく、ダンパを動かすためにダンパ装置それ自身に設けられているダンパ制御器の制御部で処理が可能なことからこの室圧制御方法およびその装置を安価に形成することができる。
以下、本発明の室圧制御方法およびその装置を添付の図に示された好適な実施形態についてさらに説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る室圧制御装置を用いた空調システムの概念図である。この空調システムでは、互いに隣接する2つの室10,11を例としている。ただし、室を2つに限定するものではなく、室が3つまたはそれ以上あってもよい。図1に示される空調システムでは、目標室内気圧(目標室圧)が最も高い第1室10と、第1室10よりも目標室圧が低い第2室11との各室圧を本発明の室圧制御方法およびその装置により制御する。また、第1室10と第2室11との各目標室圧は、室外の気圧よりも高い。
第1,2室10,11は、側壁12によって仕切られ、さらに、各室10,11の周囲を囲む天井(図示せず)、床13、周壁14によって室外と仕切られている。側壁12には、図2に示されるように第1室10と第2室11とをつなぐ出入り口(開口)Kが形成されていて、この開口Kは扉15により開閉可能とされ、また周壁14にも第2室11と室外とをつなぐ出入り口が(開口)が形成されていて、この開口も同様に扉16により開閉可能とされている。
前者の扉15は、縦方向に延びる一方の側部が、開口Kを画成している側壁12の枠部材に蝶番で取り付けられ、縦方向に延びる一方の側部を軸として第1室10から第2室11に向かって0〜180度の範囲で旋回するスイング式の片開き自在戸である。従って、この扉15を第2室11側から第1室10内に入り込ませるように開くことはできない。扉15を開けると、該扉15で開閉される開口Kを介して第1,第2室10,11どうしが連通し、この開口Kを通って両室10,11の往来が可能となる。扉15の閉鎖時に該扉15が整合状態に納まる扉枠には、扉15の開閉を識別すると共に、扉15の開き度合いを識別するための2つの開閉センサ17a,17bが取り付けられている。各開閉センサ17a,17bは、インターフェイス18を介して後述するダンパ制御器に接続されている。
後者の扉16は、扉15と同様に扉枠に取り付けられ、周壁14に対して0〜180度の範囲で旋回するスイング式片開き自在戸である。この扉16を開けると、該扉16で開閉される出入り口を介して第2室11と室外とが連通し、該出入り口を通って第2室11と室外との往来が可能となる。第1,第2室10,11には、各室10,11に所定量の空気を供給する給気ダクト20(給気管)がつながり、また第1,第2室10,11から所定量の空気を排出する排気ダクト26(排気管)がつながっている。給気ダクト20は、基幹ダクト21と、基幹ダクト21から分岐して各室10,11に向かって延びる分岐ダクト22a,22bとから形成されている。基幹ダクト21には給気用送風機23が取り付けられ、各分岐ダクト22a,22bにはそれぞれ1つの定風量ユニット24,25が取り付けられている。各分岐ダクト22a,22bは、各室10,11の天井に施設された給気口(図示せず)につながり、それら室10,11に個別に連通されている。定風量ユニット24,25は、給気ダクト20の内部気圧の変動に対して該定風量ユニット24,25内を通る空気通過量を調節し、各室10,11へ供給する空気量を常時一定に保持する。
他方、排気ダクト26は、基幹ダクト27と、基幹ダクト27から分岐して各室10,11へ向かって延びる分岐ダクト28a,28bとから形成されている。各分岐ダクト28a,28bは、各室10,11の天井などに施設された排気口32につながり、各室10,11に個別に連通されている。基幹ダクト27には排気用送風機29が取り付けられ、各分岐ダクト28a,28bにはそれぞれ1つのダンパ装置30,31が取り付けられている。これらのダンパ装置30,31は、風量調整手段として空気流路に配置されたダンパ(開閉翼)をモジュトロールモータ(回転機)30a,31aの回転力により回転し、該空気流路を開閉して空気流路を流れる空気量を調整する。また、各ダンパ装置30,31は、モジュトロールモータ30a,31aの動きを制御するダンパ制御器30b,31bを備えている。
ダンパ装置30,31の動作として、モジュトロールモータ30a,31aがダンパ制御器30b,31bからの制御信号により回転されると、ダンパが回転して所定角度に設定され、これにより空気流路に対するダンパ開度が調整され、その結果、空気流路を通過する空気の流量が調整される。なお、ダンパには、並行翼ダンパ又は対向翼ダンパを使用することができる。
第1,第2室10,11には、各室10,11の室内気圧を時系列で連続的に測定する圧力センサ33,34が設置され、圧力センサ33はインターフェイス35によりダンパ装置30のダンパ制御器30bに接続され、圧力センサ34は、インターフェイス35によりダンパ装置31のダンパ制御器31bに接続されている。なお、第1,第2室10,11の目標室圧に特に限定はなく、各室10,11の用途や容積等によって目標室圧を所定の範囲で適宜設定することができる。また、第2室11の目標室圧が第1室10のそれより高くてもよく、さらに、各室10,11の目標室圧が室外の気圧より低くてもよい。なお、定風量ユニット24,25、ダンパ装置30,31、開閉センサ17a,17b、及び圧力センサ33、34には、配線(図示せず)を介して所定の電力が供給されている。
ところで、扉15,16には、各室10,11の気密を保持するためにエアタイトが使用されている。また、ドアノブは、グレモンハンドルであり、扉15,16を閉めたときにグレモンハンドルをロックすることで扉15,16に気密性を高めている。開閉センサ17aには、リミットスイッチ(トリガーセンサ)が使用されている。リミットスイッチは、扉15,16のデッドボルトの動きを接点信号に変換し、ON/OFF信号を出力する。開閉センサ17aは、扉15,16を開く前及び閉じた後にグレモンハンドルを回転させる動作を検出する。
また、扉15に取り付けられる開閉センサ17bには、マグネットスイッチが使用され、該マグネットスイッチは、磁力で扉15の開き度合いを検出する。具体的には、開閉センサ17aは、図2に示されるように扉15を閉めたときにドアノブが対向する扉枠に取り付けられている。開閉センサ17bは、扉15が所定の開き度合いのときにマグネットスイッチが反応する位置の扉枠に取り付けられている。マグネットスイッチが反応するまでの遊び(ストローク)を利用することで、開閉センサ17bが反応する扉の開き度合い(開き角度)を所定の値に設定することができるから、開閉センサ17bの種類および取付け位置を適宜選択することでセンサ17bが反応する扉の開き度合いを自由に設定することができる。扉15を開く際に、扉15のノブを旋回させるとデッドボルトが動くのでその時点で開閉センサ17aが反応し、その後、扉15のエアタイトが解かれ、開閉センサ17bの順に反応する。これとは逆に、扉15を閉める際には、開閉センサ17bが反応し、その後開閉センサ17aが反応する。
この室圧制御装置を用いた空調システムでは、図1にFで示されるように給気用送風機23により送気された所定量の空気が給気ダクト20を通って各室10,11に給気され、他方、所定量の空気が排気用送風機29により各室10,11内から排気ダクト26を通って室外に排気される。また、この室圧制御装置を用いた空調システムでは、給気用ダクト20の内部を流れる空気に圧力変動が生じたとしても、定風量ユニット24,25によって分岐ダクト22a,22bの空気通過量が一定に保持され、常時定量の空気が各室10,11に供給されている。各室10,11から排気ダクト26を通って室外に排気される空気量は、ダンパ装置30,31により調整されている。扉15,16が閉鎖されているときに、第1,第2室10,11内の室圧は、それぞれの室ごとに設定されている目標室圧に定風量ユニット24,25およびダンパ装置30,31により保持されている。
ダンパ装置30,31の各ダンパ制御器30b,31bは、所定の演算を行う中央処理装置(CPU)と所定の条件を記憶する記憶装置とを有するマイクロプロセッサ(図示せず)により構成されたコンピュータである。各ダンパ制御器30b,31bの中央処理装置は、記憶装置に格納されたアプリケーションプログラムを起動し、所定のオペレーティングシステムに従い、所定の条件を記憶する初期条件記憶手段と、各室10,11の室内気圧を目標室圧に保持する室内気圧調整制御(第1室圧制御)手段とを実行する。ここで、「扉15の実際の開き度合い」とは、図2示されるように扉15が開かれたときの側壁12と扉15のなす角度θ(扉の開き角度θ)を意味している。また、各ダンパ制御器30b,31bの中央処理装置は、記憶装置に格納されたアプリケーションプログラムを起動し、所定のオペレーティングシステムに従い、所定の条件を記憶する初期条件記憶手段と、扉15の開閉を記憶すると共に扉15の実際の開き度合いを複数の段階に区分して識別する扉開閉識別手段と、ダンパ装置30,31におけるダンパ開度を所定の状態に調整するダンパ開度調整制御(第2室圧制御)手段とを実行する。ここで、扉15が開かれることにより開口Kを介して連通される第1室10及び第2室11を「対象室」という。
この室圧制御装置を用いた空調システムの起動中、ダンパ制御器30b,31bの記憶装置には、圧力センサ33,34から第1,第2室10,11の実測室内気圧が常時入力され、また、各ダンパ制御器30b,31bの記憶装置には、開閉センサ17a,17bから扉15の開閉情報が常時入力されている。開閉情報には、扉15が開いた状態にあるか、閉鎖された状態にあるかの他、扉15の実際の開き度合いが含まれる。各ダンパ制御器30b,31bは、扉15が閉まっている状態にあると判断すると、第1,第2室10,11に対して室内気圧調節制御(第1室圧制御)を継続して実行する。次いで、扉15が開かれると、開口Kを介してつながるこれら第1,第2室10,11に対する室内気圧調節制御(第1室圧制御)を一時中断する。室内気圧調節制御が一時中断されると、ダンパ装置30,31における各ダンパ制御器30b,31bが、所定の制御内容(第2室圧制御)にしたがってダンパ装置30,31のダンパ開度を調整し、ダンパ装置30,31を通過する風量を変更する。また、ダンパ制御器30b,31bは、開いた状態にある扉15が閉鎖されたと判断すると、それまで実行していた第2室圧制御を終了し、その後、第1,第2室10,11に対して室内気圧調節制御(第1室圧制御)を再び実行する。
図3のフローチャートに基づき、各ダンパ制御器30b,31bによって実行されるこのシステムのプロセスの詳細を説明すると、以下のとおりである。第1,第2室10,11の使用者は、扉16を開けて第2室11に入り、扉16を閉めた後、この空調システムにおける室圧制御装置の主電源スイッチ(図示せず)をONにして該室圧制御装置を起動させる。なお、室圧制御装置の起動中、扉16の開閉はないものとする。また、ダンパ制御器30b,31bには、予め入力装置などを介してこのシステムのプロセスを実行するために必要な諸条件が入力されているものとする。必要な諸条件とは、目標室内気圧、扉15が開いたと仮定したとき仮想開き度合(扉15の仮想開き角度)がある。入力されたこれらの条件は、各ダンパ制御器30b,31bの記憶装置に格納されている(初期条件記憶手段)。
ダンパ制御器30b,31bの記憶装置には、扉15の実際の開き度合と扉15の仮想開き度合との対応関係が格納されている。ダンパ制御器30b,31bは、開閉センサ17a,17bのON/OFF信号に基づいて扉15の開閉を識別する。開閉センサ17a,17bがOFFのときは、扉15の実際の開き度合が0度で扉15が閉められた状態にある。より具体的には、扉15のノブが使用者によって回されてもいない状態にある。開閉センサ17aがONで開閉センサ17bがOFFのときは、扉15のノブが回されたか、或いは扉15の実際の開き度合が0度を超え30度以下の範囲にある。開閉センサ17bは、扉15の開き角度が30度になったときにONするような扉枠位置に取り付けられている。従って、2つの開閉センサ17a,17bがいずれもONのときは、扉15の実際の開き度合が30度を超えた範囲にある。
従って、室圧制御装置が起動されると、各ダンパ制御器30b,31bは、扉15が閉じた状態にあるかを判断する(S−1)。ダンパ制御器30b,31bは、開閉センサ17a,17bからの開閉情報に基づき、扉15が閉じた状態にあると判断すると、第1,第2室10,11に対して第1室圧制御、即ち室内気圧調節制御を継続して実行し(S−2)、第1,第2室10,11の室内気圧が目標室圧の範囲内にあるかを判断する(S−3)。室内気圧調節制御において各ダンパ制御器30b,31bは、各室10,11の目標室圧(目標値)を基準入力信号に変換し(設定)、偏差をもとに制御対象が所定の動作をするように制御信号を作る(調節)。さらに、制御信号を操作に必要な操作信号(操作量)に変換するとともに(操作)、変動が生じたときの制御量を検出してそれを基準入力信号と同種の物理量(主フィードバック量)に変換し(検出)、その物理量をフィードバックして基準入力信号と比較する。室内気圧調節制御において各ダンパ制御器30b,31bは、設定、調節、操作、検出の各要素が閉ループを形成するフィードバック制御を行う。ここで、操作量はモジュトロールモータ30a,31aの回転を制御する電圧や電流、周波数であり、制御対象はダンパ装置30,31のモータダンパであり、制御量はモータダンパの回転角度(翼の開度により空気流路を通過する空気通過量)である。偏差とは、目標室圧と主フィードバック量との差で制御量を訂正動作させる動作信号である。なお、フィードバック制御の制御動作は、PID制御である。
第1室圧制御である室内気圧調節制御では、圧力センサ33,34が測定した各室10,11の実測室内気圧が各ダンパ制御器30b,31bに入力され、入力された実測室内気圧とあらかじめ設定された第1,第2室10,11の目標室圧とを常時比較して所定の角度制御量を作る。ダンパ制御器30b,31bは、この角度制御量に基づき、モータダンパを回転させて回転角度を変更し、空気流路を狭めたり広げたりすることで、ダンパ装置30,31を通過する空気通過量を調節する(S−4)。ダンパ制御器30b,31bは、実測室内気圧が目標室圧の範囲に入ると、その時点におけるモータダンパの回転角度を保持する。このような第1室圧制御(室内気圧調節制御)が実行されているときのモータダンパの開度変動は、図4の特性図(第1室10を目標室圧に制御するダンパ装置30のダンパ開度変動を室圧変動及び扉の開閉動作と共に示す特性図)において線部分36として示されている。図4に示される特性図では、第1室10における室内圧力の変動が特性線40で示され、また、扉15の;開閉動作が信号のON,OFFで示されている。
第1室圧制御が実行されているときに、扉15のハンドルが回されて図2に示されるように扉15が開けられると、ステップ1(S−1)において各ダンパ制御器30b,31bは、開閉センサ17a,17bからの開閉情報に基づき、扉15が開けられたと判断し、開けられた扉15を特定するとともに(S−5)、その扉15が開閉する開口Kを介して連通する室に対して第1室圧制御を一時的に中断し、これら各室に対し、扉の開き度合(角度)が0度(扉のノブが回転されたとき)〜30度のときの設定風量値(第1定風量値)に変更(第2室圧制御の第1動作)し、扉の開き度合(角度)が30度を超えるとき前述の第1定風量値に対して所定量増減した設定風量値(第2風量値)に変更(第2室圧制御の第2動作)する(S−6)。この第2室圧制御については、さらに具体的に後述する。その後、開かれていた扉15が閉鎖されると、この第2室圧制御を終了して再び第1室圧制御に戻る(S−7)。使用者が、第1,第2室10,11の使用を終了して室外に出るときには、この空調システムにおける室圧制御装置の主電源スイッチ(図示せず)をOFFにしてこの室圧制御装置を終了(S−8)させた後に扉16を開けて退室する。
ここで、第2室圧制御の具体的な内容について以下に説明する。第1室圧制御が実行されている間は、ダンパ装置30,31のダンパ開度が微小に変動し、各室10,11内の気圧を目標室圧に調整している様子が図4の特性図における線部分36から明らかである。このように第1室圧制御が実行されているときに、扉15のハンドルが回されると(図4の特性図における横軸(時間)上の位置t)、開閉センサ17aがONとなってその検出信号(第1検出信号)が各ダンパ制御器30b,31bに供給される。その結果、ダンパ制御器30b,31bは、扉15が開かれ、第1,第2室10,11が開口Kを介して連通されることを判断して第1室圧制御を一時的に中断する。
ところで、開閉センサ17aだけがONとなっていて開閉センサ17bがOFFとなっている場合には扉15の開き度合いが0度〜30度の範囲であって、扉15が開かれようとしている状態か、或いは僅かに開かれた状態である。そのため、その後、扉15が完全に開かれるのか、又は再び閉められるのか分からない。そこで、各ダンパ制御器30b,31bは、ダンパ装置30,31のダンパ開度を設定値に変更する。この「ダンパ開度の設定値」とは、第1室圧制御が実行されている間にダンパ装置30,31におけるダンパ開度の微小変動における最大開度位置と最小開度位置のほぼ中間の開度をいう。そのため第1室圧制御が実行されているときには、ダンパが最大に開いた位置(最大開度位置)とダンパが最小に閉じた位置(最小開度位置)とが各ダンパ制御器30b,31bの記憶部に逐次更新されながら保存される。
このように扉15の開き度合いが0度〜30度のときには、ダンパ装置30,31のダンパを設定開度に変更すると共にそのダンパ開度を維持し(図4の特性図における線部分37a)、その結果、ダンパ装置30,31を通過する風量値(第1定風量値)に変更される。これにより、上述したようなダンパ開度のハンチングも生じることがなく、従って、扉が閉鎖されたとき、ダンパ開度を目標室圧に制御するのに都合のよい適正状態に迅速に復帰させることができる。
次いで、使用者が、扉15を引き続いて開き、その開き度合いが30度を越えると、開閉センサ17bがONとなりその検出信号(第2検出信号)が各ダンパ制御器30b,31bに供給される(図4の特性図における横軸(時間)上の位置t)。各ダンパ制御器30b,31bは、開閉センサ17bからの信号を受けると、開閉センサ17aもONであることから、扉15が30度を越えて開かれたことを判断する。これにより、ダンパ制御器30b,31bは、所定開度に維持されていたダンパの開度を基準にして10%〜30%増減したダンパ開度に変更する。
ところで、扉15が大きく開放されると、室圧の高い第1室10では、内部の空気が開口Kを通過して室圧の低い第2室11に流れるので双方の室圧に変動が起こる。すなわち、室圧の高い第1室10では、室圧が低下し、室圧の低い第2室11では、室圧が上昇する。このような場合、逐次に目標室圧に制御する第1室圧制御のままではダンパ開度の激しい乱れ(ハンチング)を生じ、扉が閉鎖されたとき、ダンパ開度を目標室圧に制御するのに都合のよい適正状態に迅速に復帰させることができない。また、上述したようなダンパ開度のハンチングが生じると、ダンパの位置によっては第2室11から第1室10への空気の流入が起こることも考えられる。このことは、第1室10の空気が外部空間の空気と混合して該第1室内の環境が変化することを意味し、第1室10の室圧を高く維持する意義が失われる結果となる。
そこで、この室圧制御方法では、具体的には、室圧の高い第1室10から室圧の低い第2室11への空気の流れ込みを維持するために、第1室10から排気される風量を少なくするようにダンパ装置30のダンパ開度を10%〜30%減少(絞る)し(図4の特性図における線部分37b)てダンパ装置30を通過する風量値を第2定風量値とする。他方、第2室11については、ダンパ装置31を通過して排気される風量を逆に多くするためにダンパ装置31のダンパ開度を10%〜30%増加(開く)する。いずれにしても第1室10と第2室11の室圧は目標室圧から外れるが、ダンパ装置30,31を通過する風量を第1定風量値からそれぞれ所定量増減した第2定量風量値にするようにダンパ開度を変更することにより、室圧の高い第1室10の室圧低下が抑制されると共に該第1室10から室圧の低い第2室11への空気の流れ込みが維持され、しかも各ダンパ装置のダンパは、該各ダンパ装置を通過する風量が定風量値からそれぞれ所定量増減するようなダンパ開度に固定されるので、室圧の高い第1室10から室圧の低い第2室11に向かって開口Kを通る空気流が形成されるので、室圧の低い第2室11の空気が室圧の高い第1室10へ流れ込むのを防止できる。
なお、上述した各ダンパ装置30,31におけるダンパ開度の増減は、ダンパ装置30,31が排気ダクト26の各分岐ダクト28a,28bに設置されている場合であり、ダンパ装置30,31が、給気ダクト20における分岐ダクト22a,22bに設置されていた場合には、ダンパ装置30,31を通過する風量値が正反対になる。すなわち、ダンパ装置30,31が、給気ダクト20に設置されていた場合には、第1室10に給気する分岐ダクト22aに設置されるダンパ装置30のダンパ開度を大きくして該ダンパ装置30を通過する給気風量を増加させ、他方、第2室11に給気する分岐ダクト22bに設置されるダンパ装置31のダンパ開度を小さくして該ダンパ装置31を通過する給気風量を減少させることになる。
次いで、扉15が閉鎖方向に旋回され、開閉センサ17bがOFFになると(図4における横軸(時間)上の位置t)、開閉センサ17bから各ダンパ制御器30b,31bへの検出信号が停止される。しかし、開閉センサ17aはONの状態であるので該開閉センサ17aからは検出信号が供給され続ける。その結果、各ダンパ制御器30b,31bは、扉15が閉鎖される状態にあると判断し、図4の特性図における線部分37cで示されるように、ダンパ装置30,31を通過する風量が前述した扉の開動作から30度まで開く場合と同じ定風量値になるようにダンパ開度が変更される。その後、扉15が完全に閉められて、開閉センサ17aがOFFになると(図4の横軸(時間)上の位置t)、開閉センサ17aからの検出信号も停止する。これにより、ダンパ装置30,31に対する第2室圧制御が終了すると同時に、各ダンパ制御器30b,31bの第1制御部が、再び第1室圧制御(室内気圧調節制御)を実行する。
このように第2室圧制御では、扉15の開動作を検知したとき及びそれに引き続いて扉15が所定開き度合(30度)まで開放したときに、それまで実行していた第1室圧制御(室内気圧調節制御)を中断して、ダンパ装置30,31のダンパ開度を、第1室圧制御が実行されている間にダンパ装置30,31におけるダンパ開度の微小変動における最大開度と最小開度のほぼ中間の開度に変更(第2室圧制御における第1動作)してダンパ装置30,31を通過する風量値を第1定風量値に変更し、その後、扉15が30度を越えて開かれたときには上述した中間の開度から10%〜30%増減した開度に変更(第2室圧制御における第2動作)してダンパ装置30,31を通過する風量値を第2風量値に変更し、扉15が閉鎖され始めて30度以下になったことを判断したときには再び前述した中間の開度、次いで扉15が完全に閉鎖されたときには第1室圧制御に戻すものである。そのため、扉15が閉鎖された後に第1室圧制御に戻っても、ダンパ開度を迅速に調整して、室圧に変動が生じた対象室を速やかに目標室圧に戻すことができる。同時に、扉15が開かれている間に室圧の高い第1室10に、これに連通する第2室11の空気が流れ込んで起こる空気の混合を防止することができるので、第1室10の環境を維持することもできる。
前述した本発明の第1実施形態に係る室圧制御方法では、扉15の開動作から所定開き度合いを越えて開き、その後、扉が閉鎖するまでの間、第1室圧制御とは異なる内容の第2室圧制御を行うものであったが、本発明の室圧制御方法では第2室圧制御について、第2実施形態として以下に説明する別の制御内容で実行することもできる。すなわち、この第2実施形態に係る室圧制御方法に係る第2室圧制御における第1動作では、扉15の開動作から所定の開き度合い(30度)までの間におけるダンパ装置30,31のダンパ開度は、前述した第1実施形態の場合とまったく同じであり、第1室圧制御が実行されている間にダンパ装置30,31におけるダンパ開度の微小変動における最大開度と最小開度のほぼ中間の開度に変更(第2室圧制御の第1動作)してダンパ装置30,31を通過する風量値が第1定風量値に変更される。
その後、扉15が所定の開き度合い(30度)を越えて開かれたときの第2動作では、第1実施形態の場合とは異なり、ダンパ制御器30b,31bは、第1,第2室10,11の室圧を目標室圧に近づけるように所定の調整幅内でフィードバック制御をする。具体的に、第1室10について説明すると、第1室10における室内圧力とダンパ装置30のダンパ開度を扉15の開閉動作と共に示す図5の特性図のように、ダンパ装置30のダンパ開度は、扉15が大きく開かれる(第2検出信号ON)ことにより第1室10の室圧が低下するので、所定の調整範囲(図5に参照符号38で示す範囲)内で目標室圧に近づけるべく、図5の特性図における曲線部分39で示されるようにフィードバック制御される結果、次第に絞られる。これにより、排気される風量が減少されるので、第1室10内の室圧は、目標室圧にならないまでも第2室11の室圧との関係では高い室圧を維持することになり、そのため開口Kを介して第2室11へ向かう空気流が形成され続け、第1室10における空気の混合が防止されると共に、扉15が閉鎖された後に第1室圧制御に戻っても、ダンパ開度を迅速に調整して、室圧に変動が生じた対象室を速やかに目標室圧に戻すことができる。
なお、図4及び図5の特性図において、ダンパ開度の変動を示す特性線36a,37a,37b,37cは、前述したように室圧の高い第1室10のためのダンパ装置30についての場合を示しているもので、第1室10より室圧の低い第2室11のためのダンパ装置31の場合には、既に説明しているように第1室10からの空気が開口Kを介して流れ込むため、結果的にみると第2室11への給気量が増加していることと同じになるのでダンパ開度は第1室10用のダンパ装置30とは異なり逆に大きくされ、これにより排気量を増加させて第2室11の目標室圧に近づけるように調整されることになる。
この発明に係る室圧制御方法およびその装置について、前述した実施の形態では、室が2つの場合についてこれらの室が扉を開けることにより連通する場合を例にして説明したが、2室以上の室がそれぞれ扉の開閉により連通可能な場合にも適用できることはいうまでもない。
本発明の一実施形態に係る室圧制御装置を用いた空調システムの概念図である。 図1の空調システム概念図における2つの室を連通させる出入り口を開閉する扉とこれに設けられた開閉センサの取付け状態を示す斜視図である。 本発明に係る室圧制御方法の一例についてのフローチャート図である。 本発明に係る室圧制御方法の一実施形態についてダンパ装置のダンパ開度変動を室圧変動及び扉の開閉動作と共に示す特性図である。 本発明に係る室圧制御方法の他の実施形態についてダンパ装置のダンパ開度変動を室圧変動及び扉の開閉動作と共に示す特性図である。
符号の説明
10 第1室
11 第2室
12 側壁
13 床
14 周壁
15,16 扉
17a,17b 開閉センサ
18,35 インターフェイス
20 給気ダクト
21 基幹ダクト
22a,22b 分岐ダクト
23 給気用送風機
24,25 定風量ユニット
26 排気ダクト
27 基幹ダクト
28a,28b 分岐ダクト
29 排気用送風機
30,31 ダンパ装置
30a,31b モジュトロールモータ
30b,31b ダンパ制御器
32 排気口
33,34 圧力センサ
36 第1室圧制御によるダンパ開度変化
37a,37b,37c,39 第2室圧制御によるダンパ開度変化
39 第2実施形態における第2室圧制御中のダンパ開度特性線
40 対象室における室圧変動の特性線

Claims (7)

  1. 扉により開閉される開口を介して連通する少なくとも2つの室のそれぞれに接続された給気管および排気管を備える給気装置および排気装置の少なくとも一方に取り付けられ、通過風量を変更可能なダンパ装置のダンパ開度を調整して前記各室内の気圧を予め設定した異なる目標室圧に維持する室圧制御方法において、
    前記扉が閉鎖されているときに、前記各室内の気圧を予め設定した前記目標室圧に維持すべく前記各ダンパ開度をフィードバック制御する第1室圧制御と、
    前記扉が開かれるとき又は開かれたときに、前記各室について前記各ダンパ装置の前記各ダンパ開度を前記第1室圧制御とは異なる内容で制御する第2室圧制御と、
    前記扉が開いた状態から閉鎖されたときに、前記各ダンパ装置の前記ダンパ開度を前記第1室圧制御に戻すことを含み、
    前記第2室圧制御では、前記扉の開動作から所定の開き度合いまでの間、前記ダンパ装置の前記ダンパ開度が、前記第1室圧制御中の最大ダンパ開度と最小ダンパ開度とのほぼ中間の定風量値開度に変更され、前記扉が前記所定の開き度合いを越えている間、前記ダンパ装置の前記ダンパ開度が、前記定風量値開度より所定量増減した開度に変更されることを特徴とする室圧制御方法。
  2. 前記第2室圧制御において、前記定風量値開度への変更が、前記扉の開動作及び前記所定の開き度合いまでの開放を検出したときに供給される第1検出信号により実行され、さらに、前記定風量値開度より所定量増減した前記ダンパ開度への変更が、前記所定の開き度合いを越える前記扉の動きを検出したときに供給される第2検出信号により実行される請求項1に記載の室圧制御方法。
  3. 扉により開閉される開口を介して連通する少なくとも2つの室のそれぞれに接続された給気管および排気管を備える給気装置および排気装置の少なくとも一方に取り付けられ、通過風量を変更可能なダンパ装置のダンパ開度を調整して前記各室内の気圧を予め設定した異なる目標室圧に維持する室圧制御方法において、
    前記扉が閉鎖されているときに、前記各室内の気圧を予め設定した前記目標室圧に維持すべく前記各ダンパ開度をフィードバック制御する第1室圧制御と、
    前記扉が開かれるとき又は開かれたときに、前記各ダンパ装置の前記各ダンパ開度を前記第1室圧制御とは異なる内容で制御する第2室圧制御と、
    前記扉が開いた状態から閉鎖されたときに、前記各ダンパ装置の前記ダンパ開度を前記第1室圧制御に戻すことを含み、
    前記第2室圧制御では、前記扉の開動作から所定の開き度合いまでの間、前記ダンパ装置の前記ダンパ開度が、前記第1室圧制御中の最大ダンパ開度と最小ダンパ開度とのほぼ中間の定風量値開度に変更され、前記扉が前記所定の開き度合いを越えている間、前記ダンパ装置の前記ダンパ開度が、前記各室の室圧を前記定風量値開度から予め設定された調整幅の範囲内で前記目標室圧に近づくようにフィードバック制御されることを特徴とする室圧制御方法。
  4. 前記第2室圧制御において、前記定風量値開度への変更が、前記扉の開動作及び前記所定の開き度合いまでの開放を検出したときに供給される第1検出信号により実行され、さらに、前記各室の室圧を前記目標室圧に近づけるように前記定風量値開度から予め設定された調整幅の範囲内でのフィードバック制御が、前記所定の開き度合いを越える前記扉の動きを検出したときに供給される第2検出信号により実行される請求項3に記載の室圧制御方法。
  5. 前記第1室圧制御および前記第2室圧制御が、前記各ダンパ装置に設けられているダンパ制御器の記憶装置に格納されたアプリケーションプログラムにより実行される請求項1〜4のいずれかに記載の室圧制御方法。
  6. 扉により開閉される開口を介して連通する少なくとも2つの室にそれぞれ接続している給気管を備える給気装置と、前記各室にそれぞれ接続している排気管を備える排気装置と、前記給気装置および前記排気装置の少なくとも一方に取り付けられ、前記各室ごとの給気もしくは排気の風量を調整するダンパ及び該ダンパの動きを制御するダンパ制御器を備えるダンパ装置と、前記扉の開動作及び開き度合いを検出して前記ダンパ制御器に検出信号を供給する検出手段とを備え、
    前記各ダンパ制御器が、前記扉の閉鎖時に前記各室内の気圧を予め設定された目標室圧に維持すべく前記ダンパ装置のダンパ開度を随時調整し、前記検出手段から供給される前記検出信号に基づいて前記ダンパ装置のダンパ開度を変更し、さらに前記扉の閉鎖時に前記各室の前記気圧を前記目標室圧に制御すべく前記ダンパ装置の前記ダンパ開度を随時調整するとき前記ダンパ装置の最大ダンパ開度と最小ダンパ開度とを記憶する記憶装置を備え、
    前記各ダンパ制御器が、前記扉の開動作から前記所定の開き度合いまでの間、前記検出信号に基づいて前記ダンパ装置の前記ダンパ開度を所定の開度に変更して前記ダンパ装置を通過する前記風量を変更し、前記扉が前記所定の開き度合いを越えている時、前記ダンパ開度を所定量だけ増減し又は各室の前記目標室圧に近づくように所定の調整範囲内でフィードバック制御をするかのいずれかを行うことを特徴とする室圧制御装置。
  7. 前記検出手段により供給される前記検出信号が、前記扉の開動作から前記所定の開き度合いまでの間に供給される第1検出信号と、前記第1検出信号を供給した後、前記扉が前記所定の開き度合いを越えて開いたときに供給される第2検出信号とを含み、
    前記ダンパ制御器が、前記ダンパ装置の前記ダンパ開度を、前記第1検出信号に基づいて前記最大ダンパ開度と最小ダンパ開度とのほぼ中間の定風量値開度に変更し、前記所定開度を越える前記扉の開動作で供給する前記第2検出信号に基づいて、所定量だけ増減し又は各室の前記目標室圧に近づけるように所定の調整範囲内でフィードバック制御するかのいずれかを行う請求項6に記載の室圧制御装置。
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