JP6770357B2 - クリーンルーム用空調システム - Google Patents

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本発明はクリーンルーム用空調システムに関する。
産業用施設では、清浄度のクラスが異なる部屋が複数設置されていることが多い。例えば、その産業用施設として、食品工場や医薬品製造工場、病院、再生医療用施設、動物飼育施設等がある。これらに設置された部屋では、清浄度の低い部屋から高い部屋への空気の漏洩を抑制するため、隣り合う部屋同士の室圧に差が設けられるように室圧が管理される。クリーンルームの差圧を制御する方法としては、例えば、給気ダクトや排気ダクトに室圧制御用ダンパを設置し、当該室圧制御用ダンパの開度を調整することで、ダンパの通風抵抗を調整し、クリーンルームの室圧を制御する方法がある。
前記のような複数のクリーンルームを備えた施設では、作業者が、隣接するクリーンルーム同士を接続するドアを開閉して、室圧の異なるクリーンルーム間を移動することがある。このとき、作業者がドアを開閉すると、ドアを挟んだ両方のクリーンルームの室圧が変化することになる。そして、それぞれのクリーンルームに設置された室圧制御用ダンパは、それぞれのクリーンルームの室圧がそれぞれの設定室圧になるように、その開度を制御される。
しかし、それぞれのクリーンルーム同士の設定室圧差が大きいと、ドアの開放に伴う室圧変動も大きくなるため、室圧制御用ダンパの開度は大きく変化する。また、両クリーンルーム間での作業者の移動が終わり、ドアが再び閉められると、それぞれのクリーンルームの室圧は、室圧制御用ダンパの開度がドアを開ける前の定常状態における開度と異なるため、設定値との間に差が生じてしまう。そのため、さらに、室圧を回復するように室圧制御ダンパが制御されることになる。
これらのように、ドアが開閉されると、室圧制御用ダンパの開度は変化してしまう。そのため、一端ドアを開放し、再度ドアを閉じた時に室圧が設定値に戻るのに時間を要するという課題がある。そこで、例えばドアの開閉に伴って生じる室圧変動に対する室圧の回復性を向上させる技術が望まれている。
このような技術に関連して、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、室圧制御室のドアの開閉を検知する開閉検知センサを設け、当該開閉検知センサからのドアの開信号により室圧コントローラの作動をいったん停止させ、室圧制御用ダンパの動作を一端停止し、続くドアの閉信号により前記室圧コントローラの作動を再度開始させ、室圧制御用ダンパの動作を再開させることが記載されている
特開昭63−247542号公報(特に請求項1参照)
特許文献1に記載の技術は、室圧制御用ダンパを用いた室圧制御である。そのため、ダンパ羽がモータで駆動されることになるため、ダンパの羽の重さや通風抵抗により動作の遅れが発生する。さらには、ダンパ羽の開度での非線形な制御となるため、室圧制御の追従が悪くなることもある。特に、低風量時(ダンパを通過する風量が低い場合)では、ドア開閉を伴わない定常時においてもオーバーシュートが起こり、制御が不安定になる場合がある。
また、低風量時にドア開閉を伴う非定常の動作が発生した場合には、追従性の悪さから設定室圧に回復するまでに時間がかかったり、制御が一時的に困難になったりする場合がある。特に、後者のように制御が困難になった場合には、その後の室圧回復は制御が可能になってから行われることから、室圧の回復はさらなる時間が要される。従って、特許文献1に記載の技術においては、前記のようにドア開閉時に変動した室圧から設定室圧への回復に時間を要する課題がある。
本発明はこれらの課題に鑑みて為されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、クリーンルーム内の連通口(例えばドア)を開閉した場合に、変動した室圧から設定室圧への回復時間の短いクリーンルーム用空調システムを提供することにある。
本発明者らは前記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、以下のようにすることで前記課題を皆解決できることを見出して本発明を完成させた。即ち、本発明の要旨は、建屋内に配置された少なくとも二つのクリーンルームに前記建屋外の外気を導く給気ダクトと、前記給気ダクトを通流し、前記少なくとも二つのクリーンルームに外気を給気する給気装置と、前記少なくとも二つのクリーンルームのそれぞれの天井板に備えられ、前記少なくとも二つのクリーンルームからの排気を、前記少なくとも二つのクリーンルームの外部であって前記建屋の内部である天井裏に排気するとともに、回転速度を変更可能な排気ファンを備え、当該排気ファンの回転速度を制御することにより前記天井裏への排気量を制御可能な排気装置と、前記少なくとも二つのクリーンルームの室圧を測定する室圧計と、前記少なくとも二つのクリーンルームのうち、隣接するクリーンルーム同士であって、室圧差が設けられることで高圧側のクリーンルームと低圧側のクリーンルームとを構成するクリーンルーム同士を連通する、開閉可能な連通口と、前記連通口の開閉を検知する連通口開閉検知センサと、前記連通口開閉検知センサによって前記連通口が開かれたことを検知したときに、前記高圧側のクリーンルーム及び前記低圧側のクリーンルームのそれぞれに備えられた前記排気装置の制御をいったん停止し、当該停止の直前の状態で排気を継続するとともに、前記連通口が開かれた後、前記連通口が再び閉じられたことを検知したときに、前記高圧側のクリーンルーム及び前記低圧側のクリーンルームのそれぞれに備えられた前記排気装置の制御を再開する演算制御装置と、を備えることを特徴とする、クリーンルーム用空調システムに関する。
本発明によれば、クリーンルーム内の連通口(例えばドア)を開閉した場合に、変動した室圧から設定室圧への回復時間の短いクリーンルーム用空調システムを提供することができる。
第一実施形態のクリーンルーム用空調システムの全体図である。 第一実施形態のクリーンルーム用空調システムに備えられる天井排気ユニットの構成図である。 第一実施形態のクリーンルーム用空調システムにおいて行われる制御を示すフローチャートである。 第一実施形態のクリーンルーム用空調システムに備えられることが可能な天井排気ユニットの変形例である天井排気ユニットの構成図である。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明を実施する形態(本実施形態)を説明する。なお、参照する各図はいずれも模式的なものであり、各図に示される部材の大きさや位置等の装置構成は、実際のものとは異なることがある。
[1.第一実施形態]
図1は、第一実施形態のクリーンルーム用空調システム100(以下、単に「空調システム100」ということがある)の全体図である。空調システム100は、建屋4の内部に設置された二つのクリーンルーム1,2に対して適用されるものである。そして、詳細は後記するが、クリーンルーム1の室圧とクリーンルーム2の室圧との間には室圧差が設けられており、クリーンルーム1の側が高圧、クリーンルーム2の側が低圧になっている。
また、これらのクリーンルーム1,2からの排気は、クリーンルーム1,2の外部であって建屋4の内部である天井裏3に排気されるようになっている。また、クリーンルーム1,2同士を行き来可能なように、クリーンルーム1,2を連通するドア5(連通口)が設けられている。このドア5は開閉可能なものであるが、通常時には閉められており、これによりクリーンルーム1,2同士の室圧差が維持されている。一方で、一方のクリーンルームから他方のクリーンルームに作業員が移動する際に、このドア5が開けられて、作業員が移動することになる。
ドア5には、ドア5の開閉を検知するドア開閉検知センサ1000が取り付けられている。そして、このドア開閉検知センサ1000は、図1及び後記する図2において破線で示す電気信号線により、コントローラ50(後記する)に接続されている。従って、コントローラ50は、ドア5の開閉を、ドア開閉検知センサ1000からの電気信号によって判断することができるようになっている。
空調システム100は、給気側として、建屋4の外部の空気(外気)を空調したうえでクリーンルーム1,2に給気する取り込む空調機11と、クリーンルーム1,2に給気される空気が一定の風量になるように制御する定風量制御装置12と、クリーンルーム1,2に給気される空気から微粒子等を除去するHEPA(High Efficiency Particulate Filter)フィルタ13とを備えている。これらのうち、空調機11には、外気中の塵埃等を除去するフィルタ11aと、クリーンルーム1,2に給気する空気の温度を制御する熱交換コイル11bと、給気ダクト10の内部を空気が通流するようにする給気ファン11cとが備えられている。
空調機11と定風量制御装置12とクリーンルーム1,2とは、給気ダクト10を介して接続されている。また、給気ダクト10は、途中で分岐して、クリーンルーム1,2に接続されている。従って、空調機11によって取り込まれた外気は、途中で分岐した給気ダクト10を通流し、定風量制御装置12及びHEPAフィルタ13を経由して、クリーンルーム1,2にそれぞれ給気されることになる。このとき、定風量制御装置12によって、クリーンルーム1,2には一定の風量で給気が行われることになる。なお、クリーンルーム1,2への給気は、それぞれの天井に形成された吹き出し口14を通じて行われることになる。
また、空調システム100は、排気側として、クリーンルーム1,2の内部の空気を天井裏3に排気する天井排気ユニット40A,40Bと、天井裏3に排気された空気を外部に屋外排気として排気するための排気口71とを備えている。天井排気ユニット40A,40Bの構成については図2を参照しながら後記する。そして、天井排気ユニット40A,40Bが、後記するコントローラ50によって制御されることで、クリーンルーム1,2の室圧が制御されている。具体的な制御方法は図3を参照しながら後記する。また、排気口71には、虫や大きな塵埃の侵入を防止するためのフィルタ(図示しない)が設置されている。
ここで、図2を参照しながら、空調システム100に備えられる天井排気ユニット40Aについて説明する。
図2は、第一実施形態のクリーンルーム用空調システム100に備えられる天井排気ユニット40Aの構成図である。天井排気ユニット40A,40Bは同じ装置構成を有するため、ここでは説明の簡略化のために、クリーンルーム1に備えられた天井排気ユニット40Aを例に挙げる。従って、天井排気ユニット40Bを構成する各部材の説明は省略するが、天井排気ユニット40Aにおける各部材に付した符号において「A」の文字に代えて「B」を付した部材が、天井排気ユニット40Bにおける同じ構成及び機能を有する部材に相当する。具体的には例えば、天井排気ユニット40Aを構成する排気ファン41Aと、天井排気ユニット40Bを構成する排気ファン41Bとは、同じ構成及び機能を有している。そして、天井排気ユニット40Bを構成する各装置のうち、天井排気ユニット40Aと同じ作用を奏するものについては、その説明を省略する。
天井排気ユニット40Aは、クリーンルーム1の天井板6に形成された開口に嵌合するように天井板6に取り付けられている。そして、天井排気ユニット40Aによって、前記のようにクリーンルーム1内の空気が天井裏3に排気されている。天井排気ユニット40Aは、筒状の形状をしており、排気ファン41Aと、HEPAフィルタ42Aと、気密ダンパ43Aと、粗塵フィルタ45Aと、カバー46Aと、吸い込み口25Aとを備えて構成される。これらのうち、排気ファン41Aと、HEPAフィルタ42Aと、気密ダンパ43Aとは、筒状の筐体51Aに収容されており、その内部に支持固定されている。また、カバー46Aは、図示しない支持部材によって、筐体51Aに支持固定されている。気密ダンパ43Aは、通常運転時には全開になっており、クリーンルーム1の内部を消毒するとき等に全閉にされる。気密ダンパ43Aが全閉にされることで、クリーンルーム1の内部が気密になる。なお、この気密ダンパ43Aの開閉は、図2において破線で示す電気信号線を介して接続されたコントローラ50(図1参照、図2では図示しない)によって制御される。
排気ファン41Aが駆動されると、クリーンルーム1の内部の空気は吸い込み口25Aを通じて天井排気ユニット40Aに吸い込まれる。天井排気ユニット40Aに吸い込まれた空気は、HEPAフィルタ42Aによって微粒子等が除去された後、天井裏3に排気される。また、排気ファン41Aの停止時には、粗塵フィルタ45Aによって、天井裏3からの大きな塵埃の天井排気ユニット40Aへの侵入が防止される。また、カバー46Aによって、天井裏3からのネズミや虫等の天井排気ユニット40Aへの侵入が防止される。
また、天井排気ユニット40Aには、排気ファン41Aの駆動を制御する制御器47Aが備えられている。この制御器47Aは、後記する室圧計44Aとともに、図1及び図2において破線で示す電気信号線によって、コントローラ50(図1参照、図2では図示しない)に接続されている。そして、制御器47Aは、このコントローラ50からの制御信号によって、制御される。ここで、排気ファン41Aはインバータ制御されるものである。そのため、制御器47Aが排気ファン41Aの駆動周波数を制御してファンの回転速度を変化させることで、排気ファン41Aによる室圧制御が可能になっている。そして、室圧を高めたいときにはファン回転速度が遅くなるように、また、室圧を低くしたいときにはファン回転速度が速くなるように、排気ファン41Aの駆動が制御されている。
また、この排気ファン41Aの駆動を制御するために使用される、クリーンルーム1の内部の室圧を測定する室圧計44Aが、クリーンルーム1に備えられている。従って、具体的な制御方法は図3を参照しながら後記するが、室圧計44Aにより測定された室圧の測定値に基づいて、コントローラ50が前記の排気ファン41Aの駆動を制御することになる。
図1に戻って、空調システム100には、空調システム100の制御を行うコントローラ50が備えられている。このコントローラ50には、図1において破線で示す電気信号線を通じて、前記の図2を参照しながら説明した室圧計44A,44B、制御器47A,47B及びドア開閉検知センサ1000が接続されている。従って、コントローラ50は、室圧計44A,44Bによってクリーンルーム1,2の室圧を測定し、その測定値に基づいて、制御器47A,47Bを制御するようになっている。また、ドア開閉検知センサ1000のドア開閉検知に基づいて、制御器47A,47Bを制御するようになっている。具体的な制御方法は、図3を参照しながら後記する。
なお、コントローラ50は、いずれも図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、I/F(インターフェイス)、HDD(Hard Disk Drive)、センサ回路、制御回路等を備え、ROMに格納されている所定の制御プログラムがCPUによって実行されることにより具現化される。
図3は、第一実施形態のクリーンルーム用空調システム100において行われる制御を示すフローチャートである。図3に示すフローは、特に断らない限り、図1に示したコントローラ50によって行われる。このフローを構成する各ステップについて、図1及び図2を併せて適宜参照しながら説明する。
空調システム100の運転時、コントローラ50は、室圧計44A,44Bによって、クリーンルーム1,2の室圧を監視している(ステップS101)。さらに、コントローラ50は、クリーンルーム1,2のそれぞれの室圧が予め設定した設定室圧になるように、天井排気ユニット40A,40Bの排気ファン41A,41Bの駆動をそれぞれ制御している(ステップS101)。
これとともに、コントローラ50は、ドア開閉検知センサ1000により、ドア5が開けられたか否かを判断している(ステップS102)。即ち、前記の制御中、ドア開閉検知センサ1000から、ドア5が開けられた旨の電気信号をコントローラ50が受信した時に、コントローラ50は、ドア5が開けられたことを検知することになる。
この判断の結果、クリーンルーム1,2のドア5が開けられていない場合(No方向)、ドア5が開けられるまでステップS102の判断が繰り返される。一方で、ドア5が開けられた旨の電気信号をコントローラ50が受信することで(Yse方向)、ドア5が開けられたと判断した場合(ステップS103)、コントローラ50は、排気ファン41A,41Bの駆動制御をいったん停止する(ステップS104)。具体的には、コントローラ50は、クリーンルーム1,2の室圧によらず、ドア開閉検知センサ1000によってドア5が閉じられたと検知されるまで、排気ファン41A,41Bの回転速度が当該停止直前の回転速度のまま維持されるように、排気ファン41A,41Bに駆動が制御される。そして、これにより、クリーンルーム1,2の双方で排気が継続される。
ここで、ドア5が開けられると、ドア5を通じて、高圧側のクリーンルーム1から低圧側のクリーンルーム2に空気が流れ込むことになる。そして、クリーンルーム1からクリーンルーム2に空気が流れ込むことで、クリーンルーム1の室圧とクリーンルーム2の室圧とは略同じになる。即ち、ドア5が開けられることで、クリーンルーム1の室圧と、クリーンルーム2の室圧とは、速やかに略同じになる。
そして、コントローラ50は、ステップS104での制御を行った後、ドア開閉検知センサ1000により、ドア5が閉じられたか否かを判断している(ステップS105)。即ち、ドア開閉検知センサ1000から、ドア5が閉じられた旨の電気信号をコントローラ50が受信した時に、コントローラ50は、ドア5が閉じられたことを検知することになる。
この判断の結果、クリーンルーム1,2のドア5が閉じられていない場合(No方向)、ドア5が閉じられるまでステップS105の判断が繰り返される。一方で、ドア5が閉じられた旨の電気信号をコントローラ50が受信することで(Yse方向)、ドア5が閉じられたと判断した場合(ステップS105)、コントローラ50は、前記のステップS104において停止していた排気ファン41A,41Bの駆動制御を再開する(ステップS107)。具体的には、前記のステップS101と同様に、クリーンルーム1,2の室圧が設定室圧になるように排気ファン41A,41Bの回転速度が制御される。これにより、ドア5が閉じられた後には、再度クリーンルーム1,2の室圧が設定室圧になるように制御され、クリーンルーム1,2同士の室圧差が回復される。
また、空調システム100では、天井排気ユニット40A,40Bを使用し、排気ダクトを使用せずに天井裏3への排気が行われている。そのため、ドア5が開かれた場合でも、従来のような狭い容積の排気ダクトを通じて、空気の行き来が生じるのではなく。広い天井裏3を介しているため、空気の行き来が生じることはほぼ無い。そのため、ドア5の開閉に伴うクリーンルーム1,2以外のクリーンルームへの空気の流れが生じることがなく、クリーンルーム1,2の安定した室圧制御が可能となる。さらには、排気ダクトが使用されていないため、試運転時に行われる各装置の微調整が容易になる。
そして、天井排気ユニット40A,40Bでは、排気ファン41の回転速度の制御が行われ、これにより、クリーンルーム1,2の室圧の制御が行われている。排気ファン41A,41Bのモータ速度は、従来使用されていたダンパの開度を制御するためのモータ速度よりも速い。そのため、従来のようなダンパの開度調整ではなく、排気ファン41A,41Bでモータ速度を制御してファンの回転速度を制御することで、従来使用されていたダンパよりも応答性に優れた室圧制御を行うことができる。そのため、ダンパの開度を制御することで室圧制御をしていた従来と比べて、追従性をより高めることができる。
また、ドア5の開放に伴う室圧変動を回復する際、天井排気ユニット40A,40Bが前記のように良好な追従性を有するため、排気ファン41A,41Bの回転速度の変更制御が速やかに行われ、回復が行われることになる。ただし、空調システム100では、前記のように、ドア5が開けられたときに排気ファン41A,41Bの制御がいったん停止されている。そして、再びドア5が閉じられたときに、天井排気ユニット40A,40Bの制御が再開されている。このようにすることで、ドア5が開けられている間には、排気ファン41A,41Bの回転速度はドア5を開ける前の定常時の回転速度に近い値に制御され、いったん変動したクリーンルーム1,2の室圧は、速やかに設定室圧付近に戻るように制御される。
この点について、従来技術と比較しながら説明する。
従来の技術として特許文献1に記載の発明においては、ドア5が開けられることで、クリーンルーム1,2の室圧は略同じになる。そして、ドア5が閉じられることで、クリーンルーム1,2のそれぞれにおいて、室圧制御ダンパの開度が調整されることで室圧の回復が図られる。ここで、本明細書では、ドア5が閉じられた時からクリーンルーム1,2の室圧の回復が行われて室圧が安定した時(定常時)までの時間を「回復時間」と定義する。
一方で、本実施形態に係る空調システム100では、ドア5が閉じられた時からクリーンルーム1,2の室圧の回復が行われて室圧が安定した時までの時間、即ち回復時間が、従来よりも短くなっている。これは、天井排気ユニット40A,40Bによる前記のような良好な追従性によるとともに、ドア5が開けられた時点で排気ファン41A,41Bの駆動がいったん停止されていることによる。即ち、排気ファン41A,41Bの駆動がいったん停止されていることで、クリーンルーム1,2の室圧は、前記のように、速やかに設定室圧付近に戻るように制御される。また、良好な追従性のため、ドア5が閉じられた後即座に室圧の回復が開始される。そのため、本実施形態に係る空調システム100では、従来の技術として特許文献1に記載の発明と比べて、回復時間を短くすることができる。
また、特に低風量時において、従来使用されていた差圧制御ダンパでは、ドア開閉を伴わない定常時においてもオーバーシュートが起こり、室圧の制御が不安定になる場合がある。さらには、このような場合に、ドア開閉を伴う非定常の動作が発生した場合には、追従性の悪さから、設定室圧に回復するまでに時間がかかってしまったり、設定室圧に制御するのが一時的に困難になったりする可能性がある。しかし、天井排気ユニット40A,40Bを用いた場合には、排気ファン41A,41Bの回転速度によって風量を変化することができるため、低風量でも制御を行うことができる。また、低風量状態でドア5の開閉が行われた場合でも、ドア開閉検知センサ1000との連動により、一端変動したクリーンルーム1,2の室圧は、速やかに設定室圧付近に制御される。これにより、省エネルギ性能を高めることもできる。
[2.変形例]
以上、本発明について実施形態を挙げて説明したが、本発明は前記の実施形態に何ら限定されるものではない。
例えば、天井排気ユニットの形態は、図2に示すものに代えて、図4に示すものであってもよい。
図4は、第一実施形態のクリーンルーム用空調システムに備えられることが可能な天井排気ユニットの変形例である天井排気ユニット40Cの構成図である。この図4に示す天井排気ユニット40Cは、前記の図1に示した空調システム100において、天井排気ユニット40A,40Bに代えて取り付け可能なものである。従って、天井排気ユニット以外の構成は前記の空調システム100(図1参照)と同様なので、その装置構成の記載の図は省略する。
天井排気ユニット40Cでは、排気ファン41の上方であって排気ファン41を囲うように形成された開口53を覆うように、吐出蓋48が備えられている。この吐出蓋48の上面には、天井排気ユニット40Cの鉛直方向に取り付けられた吐出ガイド52が貫通している。そして、排気ファン41Cの駆動停止中には、吐出蓋48の側壁下端面と筐体51の上面とが接触して、吐出蓋48は筐体51Cの上面に載置された状態になっている(図4に示す状態)。なお、この吐出ガイド52の数は何本でもよいし、また、排気ファン41Cを囲うような環状であってもよい。
この状態において、排気ファン41Cの駆動を開始すると、排気ファン41Cの駆動に伴って生じる空気の圧力(風圧)により、吐出ガイド52に沿って吐出蓋48は浮き上がる。これにより、筐体51と吐出蓋48との間に隙間が形成され、この隙間を通じて、クリーンルーム1,2から天井裏3への排気が行われるようになっている。なお、吐出ガイド52の上側端部には、折り曲げ部52aが形成されている。そのため、浮き上がった吐出蓋48は、この折り曲げ部52aに接触した時に、それ以上の浮き上がりが抑制される。そして、排気ファン41Cの駆動が停止されると、吐出蓋48はその自重によって下方に降りてきて、図4に示す状態に戻ることになる。
また、排気ファン41Cの駆動停止中の図4に示す状態に戻って、吐出蓋48の内側上面と、筐体51の上面に対して高さを有して固定された電磁石49とが接触するようになっている。この電磁石49は、通電されることで金属(銅等)を吸着可能になっており、破線で示す電気信号線により接続されたコントローラ50により、その通電が制御されるようになっている。そして、図示はしないが、吐出蓋48の内側上面における、電磁石49と接触する部分には、銅等の金属部材(図示しない)が配置されている。また、筐体51の上面において、吐出蓋48の側壁下端面と接触する部分には、気密性を確保するためのパッキン(図示しない)が備えられている。そして、電磁石49を通電すると、吐出蓋48が筐体51に固定されて、吐出蓋48の鉛直方向の移動が制限されるようになっている。
また、前記の内容の他にも、例えば図1において、建屋4には、排気口71に代えて排気ファンを設けて、天井裏3から外部への排気が促されるようにしてもよい。
さらに、排気ファン41による風量制御は、前記のような周波数を変化するのではなく、電圧やパルス等を変化させることで調整するようにしてもよい。
また、前記の実施形態では、室圧差が設けられているクリーンルーム1,2同士を連通させるものとしてドア5を例示したが、開けることで当該室圧差を失わせるようなものであれば、例えば窓など、どのようなものであってもよい。
さらに、前記の実施形態では、二つのクリーンルーム1,2が備えられている例を挙げたが、三つ以上のクリーンルームが備えられていてもよい。この場合、それぞれのクリーンルームの室圧を適宜監視して、必要な室圧制御を行えばよい。
1 クリーンルーム(高圧側のクリーンルーム)
2 クリーンルーム(低圧側のクリーンルーム)
3 天井裏
4 建屋
5 ドア(連通口)
10 給気ダクト
11 空調機(給気装置)
40A,40B,40C 天井排気ユニット(排気装置)
41A,41B,41C 排気ファン
44A,44B 室圧計
47A,47B 制御器
48 吐出蓋
49 電磁石
50 コントローラ(演算制御装置)
51A,51B,51C 筐体
53 開口
100 空調システム
1000 ドア開閉検知センサ(連通口開閉検知センサ)

Claims (2)

  1. 建屋内に配置された少なくとも二つのクリーンルームに前記建屋外の外気を導く給気ダクトと、
    前記給気ダクトを通流し、前記少なくとも二つのクリーンルームに外気を給気する給気装置と、
    前記少なくとも二つのクリーンルームのそれぞれの天井板に備えられ、前記少なくとも二つのクリーンルームからの排気を、前記少なくとも二つのクリーンルームの外部であって前記建屋の内部である天井裏に排気するとともに、回転速度を変更可能な排気ファンを備え、当該排気ファンの回転速度を制御することにより前記天井裏への排気量を制御可能な排気装置と、
    前記少なくとも二つのクリーンルームの室圧を測定する室圧計と、
    前記少なくとも二つのクリーンルームのうち、隣接するクリーンルーム同士であって、室圧差が設けられることで高圧側のクリーンルームと低圧側のクリーンルームとを構成するクリーンルーム同士を連通する、開閉可能な連通口と、
    前記連通口の開閉を検知する連通口開閉検知センサと、
    前記連通口開閉検知センサによって前記連通口が開かれたことを検知したときに、前記高圧側のクリーンルーム及び前記低圧側のクリーンルームのそれぞれに備えられた前記排気装置の制御をいったん停止し、当該停止の直前の状態で排気を継続するとともに、
    前記連通口が開かれた後、前記連通口が再び閉じられたことを検知したときに、前記高圧側のクリーンルーム及び前記低圧側のクリーンルームのそれぞれに備えられた前記排気装置の制御を再開する演算制御装置と、を備えることを特徴とする、クリーンルーム用空調システム。
  2. 前記排気装置は、
    前記排気ファンを収容する筐体と、
    前記排気ファンからみて空気の流れ方向下流側であって前記筐体に形成された開口を覆うように配置され、前記排気ファンの稼働により生じる風圧によって開くとともに、磁石に対して吸着可能な部位を備えた吐出蓋と、
    当該吐出蓋に形成された吸着部位を前記筐体の側に引きつける電磁石と、を備えて構成
    されていることを特徴とする、請求項1に記載のクリーンルーム用空調システム。
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