JP5060670B2 - シリカ系キラルナノ構造体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明で用いる直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有するポリマー(A)としては、線状、星状、櫛状構造の単独重合体であっても、他の繰り返し単位を有する共重合体であっても良い。共重合体の場合には、該ポリマー(A)中の直鎖状ポリエチレンイミン骨格のモル比が20%以上であることが、安定な結晶を形成できる点から好ましく、該ポリエチレンイミン骨格の繰り返し単位数が10以上である、ブロック共重合体であることがより好ましい。
酒石酸は市販されている、D−酒石酸、L−酒石酸を単独で、又は、D−体とL−体との非等量混合物(エナンチオマー過剰の混合物)を用いることができる。これら酒石酸の光学異性体を選択することにより、得られるポリマー/酒石酸の酸塩基型錯体であるキラル結晶体の構造を制御することが可能である。
前記ポリマーと酒石酸とからなる酸塩基型錯体は白色粉末である。その粉末は1〜80μmの粒子径を有する粒子であり、特に10〜50μmの粒子径を有する粒子とすることが可能である。このとき、粒子は完全な球体であることを必要とせず、楕円形であっても、又複数の球体の一部が重なり合った形状であって良い。楕円形のときの粒子径はもっとも長い部分を言うものであり、複数の球体が重なり合った場合には、それぞれの球体の最も長い部分を便宜上粒子径という。
酸塩基型錯体からなるキラル結晶体(X)は、下記の工程を経由して得ることができる。
(I)直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有するポリマー(A)を熱水中に溶解させた(I液)を調製する工程、
(II)光学活性酒石酸(B)を熱水中に溶解させた(II液)を調製する工程、
(III)(I液)と(II液)とを混合し、ポリマー(A)と光学活性酒石酸(B)との酸塩基型錯体を形成させる工程、
(IV)(III)で得られた酸塩基型錯体を含む混合熱水液を降温させることにより、酸塩基型錯体からなるキラル結晶体を析出させる工程。
上記のキラル結晶体(X)の構成には、アミノ基とカルボン酸残基とが高密度に含まれている。この2種類の官能基は、アルコキシシランの加水分解及びそれらの縮合反応の触媒として機能する。即ち、アミノ基とカルボン酸残基の同時存在は、シリケートの加水分解的縮合反応(ゾルゲル反応)を促進させる有効な触媒である。従って、前記キラル結晶体(X)をシリカソース(Y’)と混合することで、その結晶体(X)表面でのゾルゲル反応が進行し、キラル結晶体(X)とシリカ(Y)とが複合したシリカ系キラルナノ構造体(α)を得ることができる。
上記のシリカ系キラルナノ構造体(α)は、直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有するポリマー(A)、光学活性酒石酸(B)、シリカ(Y)の三つの成分を主成分として構成されるが、その構造体中では、ポリマー(A)とシリカ(Y)との間は、強く物理結合しているため、そのポリマー(A)を内部に残したまま、光学活性酒石酸(B)成分だけを当該構造体(α)から洗い落とし(溶出させ)、直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有するポリマー(A)とシリカ(Y)とを主成分とするシリカ系キラルナノ構造体(β)を得ることができる。尚、本発明において主成分とするとは、意図的に第三成分を用いない限りにおいて、原料に由来する不純物以外の成分、若しくは溶出や焼成によって充分に除去できずに変性等が起きた成分が入ることがあっても、その他の成分を含まないことを言うものである。
前述のシリカ系キラルナノ構造体(α)中の有機成分である酒石酸(B)とポリマー(A)は、当該構造体(α)を空気中で加熱焼成することで分解除去される。これにより、シリカ(Y)成分を主成分とするシリカ系キラルナノ構造体(γ)を得ることができる。
前述で得られるシリカ系キラルナノ構造体(α〜γ)のシリカ(Y)の化学構造は基本的にSiO2に代表される。これら構造体とシランカップリング剤とを接触させると、当該シリカ(Y)にO−Si−C結合成分が導入され、有機シラン修飾シリカ系キラルナノ構造体を得ることができる。
単離乾燥した試料を測定試料用ホルダーにのせ、それを理学社製広角X線回折装置「Rint−Ultma」にセットし、Cu/Kα線、40kV/30mA、スキャンスピード1.0°/分、走査範囲10〜70°の条件で測定を行った。
単離乾燥した試料を測定パッチにより秤量し、それをSIIナノ技術示差走査熱量分析測定装置(TG−TDA6300)にセットし、昇温速度を10℃/分として、20℃から800℃の温度範囲にて測定を行った。
単離乾燥した試料をガラススライドに載せ、それをキーエンス社製表面観察装置VE−7800にて観察した。
単離乾燥した試料を炭素蒸着された銅グリッドに乗せ、それを(株)トプコン、ノーランインスツルメント社製EM−002B、VOYAGER M3055高分解能電子顕微鏡にて観察した。
試料を300℃で3時間以上減圧乾燥させた後、TriStar3000(Micromeritics社製)を用いて比表面積を測定した。マイクロ細孔面積と外部表面積はt−plot法により算出した。
円二色性の測定はCD用積分球装置(DRCD−466粉体CD測定ユニット)を取り付けたJ−720(日本分光製)を用いて行った。CD測定用試料は、塩化カリウムと混合分散により調製した。
市販のポリエチルオキサゾリン(平均分子量50,000、平均重合度約500、Aldrich社製)30gを、5Mの塩酸水溶液150mLに溶解させた。その溶液をオイルバスにて90℃に加熱し、その温度で10時間攪拌した。反応液にアセトン500mLを加え、ポリマーを完全に沈殿させ、それを濾過し、メタノールで3回洗浄し、白色のポリエチレンイミンの粉末を得た。得られた粉末を1H−NMR(重水)にて同定したところ、ポリエチルオキサゾリンの側鎖エチル基に由来したピーク1.2ppm(CH3)と2.3ppm(CH2)が完全に消失していることが確認された。即ち、ポリエチルオキサゾリンが完全に加水分解され、ポリエチレンイミンに変換されたことが示された。
[D−酒石酸とLPEIからなるキラル結晶体とシリカとが複合したシリカ系キラルナノ構造体(α−1)<SiO2/LPEI/D−Tart>]
合成例1で得たLPEI粉末316mg(4mmolのエチレンイミン[EI]ユニット)を4gの蒸留水中に加え、それを約95℃まで加熱し、LPEIが完全に溶解した水溶液([EI]=1000mM)を調製した。一方、D−酒石酸(D−Tart、東京化成工業株式会社製)粉末300mg(2.0mmol)を4.0gの蒸留水に溶解し、その溶液をLPEIの熱水溶液中に加えた。この混合物溶液(95℃)を室温(25℃)まで自然冷却し、沈殿物を得た。得られた沈殿物を遠心分離にて分離し、蒸留水で洗浄、回収して大気中で3日間乾燥して粉末を得た。収量は477mgであった。
[L−酒石酸とLPEIからなるキラル結晶体とシリカとが複合したシリカ系キラルナノ構造体(α−2)<SiO2/LPEI/L−Tart>]
実施例1において、D−酒石酸の代わりにL−酒石酸(L−Tart、東京化成工業株式会社製)粉末を用いる以外は、実施例1と同様な方法でキラル結晶体LPEI/L−Tart及びシリカ系キラルナノ構造体(α−2)<SiO2/LPEI/L−Tart>を作製した。
[シリカ系キラルナノ構造体(α−1)中の有機成分を加熱除去してなるシリカ系キラルナノ構造体(γ−1)]
実施例1で作製したシリカ系キラルナノ構造体(α−1)<SiO2/LPEI/D−Tart>250mgをセラミックス製の坩堝中に入れ、それを電気炉にて600℃まで加熱し、その温度で3時間放置した。これで得たシリカ系キラルナノ構造体(γ−1)のTEM観察から、ナノフィイバー構造が確認できた(図15)。シリカ系キラルナノ構造体(γ−1)の比表面積(BET)は665m2/gであったが、その内、μポアー由来の表面積は553m2/gであり、単純外表面由来の面積は112m2/gであった。
[シリカ系キラルナノ構造体(α−2)中の有機成分を加熱除去してなるシリカ系キラルナノ構造体(γ−2)]
実施例2で作製したシリカ系キラルナノ構造体(α−2)<SiO2/LPEI/L−Tart>250mgをセラミックス製の坩堝中に入れ、それを電気炉にて600℃加熱し、その温度で3時間放置した。これで得たシリカ系キラルナノ構造体(γ−2)のTEM観察から、ナノフィイバー構造が確認できた(図18)。シリカ系キラルナノ構造体(γ−2)の比表面積(BET)は653m2/gであったが、その内、μポアー由来の表面積は549m2/gであり、単純外表面由来の面積は104m2/gであった。
[有機シラン修飾シリカ系キラルナノ構造体−1]
上記実施例3で得たシリカ系キラルナノ構造体(γ−1)200mgをフェニルトリメトキシシラン(1.0mmol)のトルエン溶液(200mg)と混合し、窒素雰囲気下6時間還流し、有機シラン修飾シリカ系キラルナノ構造体−1を得た。TG−TDA分析結果から、フェニル基の導入量は0.67mmol/gであることがわかった。この粉体の固体CDスペクトル測定結果、芳香族環のC=C結合の紫外線吸収波長範囲(190−230nm)において、負のコットン効果が確認された(図21)。これは、フェニル基がキラル空間構造を構成するシリカ壁面に結合されたことを示唆する
[有機シラン修飾シリカ系キラルナノ構造体−2]
上記実施例4で得たシリカ系キラルナノ構造体(γ−2)200mgをフェニルトリメトキシシラン(1.0mmol)のトルエン溶液(200mg)と混合し、窒素雰囲気下6時間還流し、有機シラン修飾シリカ系キラルナノ構造体−2を得た。TG−TDA分析結果から、フェニル基の導入量は0.64mmol/gであることがわかった。この粉体の固体CDスペクトル測定結果、芳香族環のC=C結合の紫外線吸収波長範囲(190−230nm)において、正のコットン効果が確認された(図22)。これは、フェニル基がキラル空間構造を構成するシリカ壁面に結合されたことを示唆する。
[エナンチオマー過剰状態でのシリカ系キラルナノ構造体(α−3)<SiO2/LPEI/ee−Tart>]
合成例1で得たLPEI粉末158mgを3gの蒸留水中に加え、それを約95℃まで加熱し、LPEIが完全に溶解した水溶液を調製した。一方、D−酒石酸(120mg)とL−酒石酸(30mg)混合粉末を3.0gの蒸留水中溶解し、その溶液をLPEIの熱水溶液中に加えた。この混合物溶液(95℃)を室温(25℃)まで自然冷却し、結晶化させた。沈殿物を遠心分離にて洗浄、回収し、大気中で3日間乾燥させ、LPEIとD,L−酒石酸(ee)とからなる粉末を得た。
[ラセミ酒石酸とLPEIからなる酸塩基錯体型結晶体とシリカとが複合してなるシリカ系ナノ構造体<SiO2/LPEI/(±)−Tart>]
合成例1で得たLPEI粉末316mg(4mmolのエチレンイミン[EI]ユニット)を4gの蒸留水中に加え、それを約95℃まで加熱し、LPEIが完全に溶解した水溶液([EI]=1000mM)を調製した。一方、D−酒石酸(150mg)とL−酒石酸(150mg)混合粉末(合計モル数2.0mmol)を4.0gの蒸留水中溶解し、そのラセミ体溶液をLPEIの熱水溶液中に加えた。この混合物溶液(95℃)を室温(25℃)まで自然冷却し、結晶化させた。沈殿物を遠心分離にて洗浄、回収し、大気中で3日間乾燥させ、粉末を得た。収量は472mgであった。
[シリカ系キラルナノ構造体(α−1)<SiO2/LPEI/D−Tart>中の酒石酸を除去してなるシリカ系キラルナノ構造体(β−1)]
実施例1で得られたシリカ系キラルナノ構造体(α−1)500mgを1%NH3水溶液20mLに加え、室温で30min静置させ、遠心分離により回収した。この操作を4回行い、最終的に蒸留水で2回、2−プロパノールで1回洗浄した。40℃で減圧乾燥を行い、白色粉末266mgを得た。得られた粉末のFT−IRスペクトル測定の結果(図33)、酒石酸のCOOH(図33a)由来の振動が消失(図33b)しており、本発明のシリカ系キラルナノ構造体(β−1)であることを確認した。この構造体(β−1)と硝酸銅水溶液を混合してLPEIに銅イオンを配位結合させた後、それを固体CDスペクトルにて測定した。図34aの結果から、銅錯体吸収波長(250nm前後の強い吸収)範囲で強い負のコットン効果が現れた。
[シリカ系キラルナノ構造体(α−2)<SiO2/LPEI/L−Tart>中の酒石酸を除去してなるシリカ系キラルナノ構造体(β−2)]
酒石酸としてL−酒石酸を用いて得られたシリカ系キラルナノ構造体(α−2)を用いる以外は実施例8と同様な方法により、シリカ系キラルナノ構造体(β−2)を得た。これに実施例8と同様にしてLPEIに銅イオンを配位結合させた後、それを固体CDスペクトルにて測定した。図34bの結果から、銅錯体吸収波長(250nm前後の強い吸収)範囲で強い正のコットン効果が現れた。
[シリカ系ナノ構造体<SiO2/LPEI/(±)−Tart>中の酒石酸を除去してなるシリカ系ナノ構造体]
比較例1で得られたシリカ系ナノ構造体<SiO2/LPEI/(±)−Tart>を用いて実施例8と同様な方法で酒石酸を除去した。更にこれに実施例8と同様にして銅イオンを配位結合させた後、それを固体CDスペクトルにて測定した。図34cの結果から、銅錯体吸収波長(250nm前後の強い吸収)範囲で楕円率の波形変化はなかった。これは実施例8と9と全くことなる結果である。
[シリカ系キラルナノ構造体(α−1)<SiO2/LPEI/D−Tart>の高温焼成から得られるシリカ系キラルナノ構造体(γ−3)]
実施例1の方法で、シリカ系キラルナノ構造体(α−1)を調製し、その粉体250mgをセラミックス製の坩堝中に入れ、それを電気炉にて900℃まで加熱し、その温度で2時間放置した。これで得たシリカ系キラルナノ構造体(γ−3)の比表面積(BET)は402m2/gであったが、その内、μポアー由来の表面積は317m2/gであり、単純外表面由来の面積は86m2/gであった。これは実施例3の600℃焼成に比べて、表面積は低下傾向であった。即ち、900℃の高温ではシリカの内部空間が縮小したと考えられる。
Claims (8)
- (1)直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有するポリマー(A)の水溶液と、光学活性酒石酸(B)の水溶液とを混合し、酸塩基型錯体のキラル結晶体(X)を得る工程、
(2)前記工程(1)で得られたキラル結晶体(X)の存在下で、シリカソース(Y’)のゾルゲル反応を行い、キラル結晶体(X)のキラル構造が転写されたシリカ(Y)で当該キラル結晶体(X)を被覆する工程、
(3)光学活性酒石酸(B)を酸性または塩基性水溶液で溶出する工程、
を有することを特徴とする直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有するポリマー(A)とシリカ(Y)とを含有し、キラルな空間構造を有することを特徴とするシリカ系キラルナノ構造体の製造方法。 - (1)直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有するポリマー(A)の水溶液と、光学活性酒石酸(B)の水溶液とを混合し、酸塩基型錯体のキラル結晶体(X)を得る工程、
(2)前記工程(1)で得られたキラル結晶体(X)の存在下で、シリカソース(Y’)のゾルゲル反応を行い、キラル結晶体(X)のキラル構造が転写されたシリカ(Y)で当該キラル結晶体(X)を被覆する工程、
(3’)前記工程(2)で得られた複合体を焼成し、有機成分を除去する工程、
を有することを特徴とする、シリカ骨格中にキラルな空間構造を有することを特徴とするシリカ系キラルナノ構造体の製造方法。 - 請求項1〜2の何れか1項記載の製造方法で得られるシリカ系キラルナノ構造体に、更に、
(4)シランカップリング剤と接触させる工程、
を有する、シリカ(Y)にO−Si−C結合が導入されてなることを特徴とする有機シラン修飾シリカ系キラルナノ構造体の製造方法。 - 前記工程(1)における、直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有するポリマー(A)中のアミン官能基と、光学活性酒石酸(B)中のカルボン酸官能基とのモル比が1:1となるように用いる請求項1〜3の何れか1項記載のシリカ系キラルナノ構造体の製造方法。
- 前記光化学活性酒石酸(B)がD−酒石酸、L−酒石酸又はエナンチオマー過剰な酒石酸である請求項1〜4の何れか1項記載のシリカ系キラルナノ構造体の製造方法。
- 前記シリカ系キラルナノ構造体の形状が、ナノファイバー又はナノシートの集合体である請求項1〜5の何れか1項記載のシリカ系キラルナノ構造体の製造方法。
- 請求項1〜6の何れか1項記載の製造方法で得られることを特徴とするシリカ系キラルナノ構造体。
- 固体円二色性スペクトルにて、正または負のコットン効果を有するものである請求項7記載のシリカ系キラルナノ構造体。
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