JP2014034496A - シリカ系ナノシート、その集合体及びそれらの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 鱗片状または薄片状などの高アスペクト比を有するシリカナノシート、有機−シリカ複合ナノシート、金属酸化物−シリカ複合ナノシート、及びこれらの簡便な製造方法を提供する。
【解決手段】 結晶性3級アミン系ポリマーであるポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)を結晶化させることで得られる、単一ナノシート構造もしくはナノシートが集体してなる球状構造体、もしくはこれらにポリオキソメタレートアニオンを吸着させてなる構造体を鋳型としたシリカソースのゾル−ゲル反応により、高アスペクト比を有するシリカ系ナノシート及びその集合体である球状構造体を簡便に製造することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、結晶性を有するポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)が媒体中で自己組織的に形成構築した結晶体の利用に関するものであって、詳しくは、その構造体を鋳型としてシリカソースのゾルゲル反応を行うことによって得られる、シリカ系ナノシート、その集合体及びその製造方法に関するものである。
ナノメートルサイズで、構造及び形態が制御された無機酸化物は、従来の機能に加えて、その構造及び形態特有の機能が発現することから、多くの研究者が注目し、活発に研究されている。例えば、鱗片状シリカは、シリカの持つ耐熱性、難燃性、絶縁性及び吸着機能の他に、高い吸油性や保湿性を有し、また触媒粒子や機能性酸化物などの吸着性の向上が期待されている(例えば、特許文献1〜3参照)。これらは、鱗片状シリカが重なり合うことによって生じる積層構造またはラメラ構造が層状の細孔を作り出すことにより、これらの機能の向上が発現されたものである。
前記特許文献1〜3では、鱗片状や薄板状のような高アスペクト比を有するシリカを、酸処理した層状ケイ酸塩またはシリカゾルを5時間から15時間以上水熱処理することによって得るものである。しかしながら、水熱反応による合成は、高温で長時間反応させる必要があり、また珪肺を引き起こす原因になる結晶性シリカが生じるため、特に前記特許文献1ではその改善方法が開示されているが、シリカの結晶化度には注意を払わなければならなかった。
一方、層状ケイ酸塩を用いずに、高アスペクト比を有するシリカの合成方法としては、カチオン性界面活性剤を用いる平板状シリカ微粒子の製造方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、界面活性剤を用いる場合は、界面活性剤の濃度やシリカソースの濃度の他に、ゲル化を抑制するための温度制御やpHの条件の厳密な制御、そして5時間から20時間以上の長い反応時間が必要であった。
近年、バイオシリカの研究から端を発した、塩基性(特にアミノ基)を有する結晶性ポリマーを用いた金属酸化物ナノ構造体の合成法が、特異的構造をもつ金属酸化物またはその薄膜を合成する上で、学術的及び産業的にも関心を集めている。その代表例として、結晶性を有する直鎖状ポリエチレンイミン骨格をもつポリマー、または結晶性ポリ(L−リシン)及びその共重合体を用いたシリカミネラリゼーションが挙げられる。特に、直鎖状ポリエチレンイミンは、結晶成長を制御することにより多様な構造及び形態を示し、これをゾル−ゲル反応の鋳型とすることで、多様な特異的構造をもつシリカナノ構造体及び有機−シリカ複合体を、温和な条件でかつ効率的に誘導できることが報告されている。このことから、塩基性官能基をもつ結晶性ポリマーが構築するナノ構造体を用いることは、特異構造を有する金属酸化物を合成する上で、有効な手段であるといえる(例えば、非特許文献1、2参照)。
上記の塩基性官能基をもつ結晶性ポリマーを用いた鱗片状もしくは薄板状金属酸化物を誘導した例としては、例えば、非特許文献3または4で報告されている、ポリ(L−リジン)とリン酸塩存在下でのケイ酸の縮合により得られる六角形シリカプレート、またはpH緩衝剤存在下で直鎖状ポリエチレンイミンの結晶成長を制御することで得られるナノシート状シリカが挙げられる。しかしながら、これらはリン酸塩、pH緩衝剤などの添加剤による処理を必要としており、アミン系結晶性ポリマーだけで構築した高アスペクト比のナノ構造体を鋳型として利用した例はなかった。
特開平11−029317号公報 特開2000−72432号公報 特開2001−163613号公報 特開2005−002146号公報
Ren−Hua Jin and Jian−Jun Yuan,Chem.Commun.,1399−1401(2005) Ren−Hua Jin and Jian−Jun Yuan,Adv.Mater.21,3750−3753(2009) Melanie M. Tomczak,et al.,J.Am.Chem.Soc.127,12577−12582(2005) Hiroyuki Matsukizono, Ren−Hua Jin,J.Nanopart.Res.,13,683−691(2011)
本発明が解決しようとする課題は、アスペクト比を有するシリカ系ナノ構造体を温和な条件でかつ短時間で簡便に得られる製造方法を提供することであり、またそのような製造方法で得られる、新規なシリカ系ナノシートを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、結晶性を有する3級アミン系ポリマーであるポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)(以下、PCEIと称することもある)を媒体中で結晶化させることで得られる、単一ナノシート構造もしくはナノシート凝集体構造を利用し、これらを鋳型としてシリカソースを用いてゾル−ゲル反応を行うことにより、簡便な方法でポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)とシリカとが複合してなる新規なシリカ系ナノシートが得られること、更には、ポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)結晶体が弱酸性条件下においても安定であることから、このシリカ系ナノシート中にポリオキソメタレート(以下、POMと称することもある)をも複合化できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、シリカ系ナノシートの製造方法として以下の4つの製造方法を提供するものであり、更にこれらの製造方法で得られる、厚みが10〜30nmの範囲のシリカ系ナノシート及びその集合体を提供するものである。
(製法A)(1−1)ポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)の結晶体を調製する工程、
(1−2)工程(1−1)で得たポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)結晶体とシリカソース溶液とを混合し、ポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)とシリカとが複合されてなるシリカ系ナノシートを得る工程、を有することを特徴する、シリカ系ナノシートの製造方法。
(製法B)(2−1)ポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)の結晶体を調製する工程、
(2−2)工程(2−1)で得たポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)結晶体とシリカソース溶液とを混合し、ポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)とシリカとが複合されてなるシリカ系ナノシートを得る工程、
(2−3)工程(2−2)で得られたシリカ系ナノシートを加熱焼成し、有機成分を除去する工程、を有することを特徴とするシリカ系ナノシートの製造方法。
(製法C)(3−1)ポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)の結晶体を調製する工程、
(3−2)工程(3−1)で得た結晶体とポリオキソメタレートの水溶液とを混合し、ポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)とポリオキソメタレートとの複合体を得る工程、
(3−3)工程(3−2)で得た複合体とシリカソース溶液とを混合し、ポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)とポリオキソメタレートとシリカとが複合されてなるシリカ系ナノシートを得る工程、を有することを特徴とする、シリカ系ナノシートの製造方法。
(製法D)(4−1)ポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)の結晶体を調製する工程、
(4−2)工程(4−1)で得た結晶体とポリオキソメタレートの水溶液とを混合し、ポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)とポリオキソメタレートとの複合体を得る工程、
(4−3)工程(4−2)で得た複合体とシリカソース溶液とを混合し、ポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)とポリオキソメタレートとシリカとが複合されてなるシリカ系ナノシートを得る工程、
(4−4)工程(4−3)で得たシリカ系ナノシートを加熱焼成し、金属酸化物とシリカとが複合されてなるシリカ系ナノシートを得る工程、を有することを特徴とする、シリカ系ナノシートの製造方法。
本発明によれば、温和な条件かつ短時間にシリカソースのゾル−ゲル反応によって、単一ナノシートまたはその集合体である球状構造体の表面を一定の厚さのシリカで被覆した、有機−無機複合体であるシリカ系ナノシートを簡便に提供することができる。さらに、有機成分は加熱焼成等によって除くことができ、これにより得られたシリカは、有機成分の空間が細孔となって比表面積を増大させることから、例えば、吸湿剤、吸着材、樹脂や化粧品のフィラー、触媒担体などに利用できる。また、弱酸性条件においてもPCEIは鋳型として機能することから、酸性無機酸化物との複合化により、それによる機能化が可能となる。このような複合酸化物は、例えば、触媒としての機能や助触媒機能を発現することが期待できる。
実施例1で得られたシリカ系ナノシートのSEM画像である。 実施例1で得られたシリカ系ナノシートのTEM画像である。 実施例2で得られたシリカ系ナノシート集合体のSEM画像である。 実施例3−1で得られたPCEI−POM複合シリカ系ナノシート集合体のSEM画像である。 実施例3で得られたPCEI−POM複合シリカ系ナノシート集合体のTEM及びTEM−EDSマッピング画像である。 実施例4で得られたPCEI−POM複合シリカ系ナノシート集合体のSEM画像である。 実施例4で得られたPCEI−POM複合シリカ系ナノシート集合体のTEM及びTEM−EDマッピング画像である。
本発明で提供するシリカ系ナノシートは、PCEIが媒体中で自己組織化によって結晶化し構築するナノシート及びその球状集合体を鋳型とし、シリカソースをその表面上でゾル−ゲル反応することにより、シリカでそのシートを内包し、その形態を転写することで得られるPCEI内包シリカを基本とするものである。このとき、PCEIが構築するナノシートの表面にPOMをあらかじめ吸着させてから、その表面上で同様にシリカソースのゾル−ゲル反応を行うと、PCEI−POM複合体を内包したシリカとなる。
〔PCEIの結晶体の調整〕
PCEIの合成方法としては、1982年頃に環状のN−シアノエチルアジリジンモノマーを用いてカチオン開環重合により、目的のポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)を得られることを橋本らが報告している(J.Macromol.Sci.,1982,A17,559−569.)。本発明者らは、別の合成方法として、直鎖状ポリエチレンイミン(以下、LPEIと称することもある)にアクリロニトリルを定量的に反応させることで、簡便にPCEI及びPCEI−LPEIの共重合体を得ることに成功した。
後者の方法により合成したPCEIでは、原料であるLPEIの繰り返し単位の長さがアクリロニトリルとの反応によって変化しないことから、LPEIの繰り返し単位の長さがPCEIの繰り返し単位の長さとなる。原料となるLPEIは周知の方法で合成することができる。すなわち、市販品またはオキサゾリンモノマーを重合させて得られるポリオキサゾリン類、例えば、ポリオキサゾリン、ポリ(2−メチルオキサゾリン)、ポリ(2−エチルオキサゾリン)、ポリ(2−フェニルオキサゾリン)などを酸や塩基で加水分解することで得ることができる。PCEIの長さは、結晶性を発現する範囲内であれば特に制限はないが、N−シアノエチルエチレンイミンの繰り返し単位が10以上であることが好ましく、ナノシート状の結晶体あるいはその集合体(以下、これらをまとめてナノ構造体と称することがある)を効率よく得るためには20〜10000の範囲であることが特に好ましい。
PCEIのナノ構造体は、良溶媒と貧溶媒共存下で加熱溶解後、冷却による再結晶化を経ることで得られる。PCEIは極性溶剤、例えば、アセトニトリル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなどには容易に溶解する。ナノ構造体を得るためのPCEIの濃度は、良溶媒中で0.1wt%〜10wt%の範囲であればよく、特に1wt%〜5wt%の範囲であることが好ましい。一方で、PCEIは水、アルコール、エーテル及び環状エーテル、エステル、非極性溶剤、例えば、アルカン類やトルエンなどには溶解できない。ナノ構造体を得るための貧溶媒の添加量は良溶媒や貧溶媒の種類によって調整する必要があり、例えば、良溶媒にN,N−ジメチルホルムアミド、貧溶媒に水を用いる場合、良溶媒に対し貧溶媒の量は体積比で0.1〜0.4であることが好ましい。貧溶媒の量が少ない場合は加熱溶解後に冷却してもPCEIが析出せず、また貧溶媒の量が多い場合は加熱しても溶解しないことから、均質なナノ構造体が得られない。そして、良溶媒と貧溶媒共存下でのPCEIの加熱溶解温度は、溶媒の沸点以下であることが好ましく、PCEIが溶解する温度付近で調整するほうが特に好ましい。例えば、良溶媒にN,N−ジメチルホルムアミドと貧溶媒に水を用いる場合、水の添加量にもよるが60℃〜70℃であることが特に好ましい。
PCEIのナノ構造体を得るには、上記の貧溶媒の量を調整することで、形状を選択的に制御することができる。単一のナノシート状の結晶体は、比較的貧溶媒の量が少ない場合に得られ、ナノシートの球状集合体は、比較的貧溶媒の量が多い場合に得ることができる。例えば、良溶媒にN,N−ジメチルホルムアミドと貧溶媒に水を用いた場合、単一分離状態のナノシート構造を得るには良溶媒に対し貧溶媒の量は体積比で0.1〜0.2であることが好ましく、ナノシートが集合し球状体とする場合には体積比で0.2〜0.4であることが好ましい。
また、PCEIは、25℃付近でpH5以下の水溶液に溶解し、pH5以上の水溶液には溶解しない。これを利用して、PCEIナノ構造体を得る方法もある。すなわち、PCEIを酸性化合物の水溶液、例えば塩酸、硝酸、硫酸、または酢酸などのカルボン酸のpH5以下の酸性水溶液に溶解し、そこに、塩基性化合物の水溶液、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、アンモニア水溶液、炭酸ナトリウム水溶系、または有機アミン、例えば、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ピリジンなどをゆっくりと加え、pH5以上に調整することでナノシートの球状の集合体構造のPCEIナノ構造体を得ることができる。その際のポリマー濃度は0.1〜10wt%範囲であれば好適であるが、均質なナノ構造体を得るには0.1〜1wt%が特に好ましい。
〔PCEI−POM複合体〕
PCEIのナノ構造体は、前述のようにpH5付近でも溶解せずに、その構造及び形態を維持している。このとき、これらのPCEIナノ構造体の界面(表面)ではプロトン化されたアミンのアンモニウムカチオンがあり、その近傍に対アニオンが存在している。すなわち、PCEIナノ構造体は、その界面にアニオンを吸着させることによってPCEI−アニオン複合体を得ることができ、そこにシリカソースを用いてゾル−ゲル反応を行うことで、PCEI−アニオン複合体ごとシリカで被覆した複合構造体を得ることができる。
上記のアニオンとしては、触媒としての機能を有するポリオキソメタレートを吸着させることで、得られるシリカ系ナノシートにその機能を付与することができる。ここで「ポリオキソメタレート」は、「ポリ酸」「ポリオキソアニオン」とも呼ばれており、一分子内に中心金属を2つ以上含む金属酸化物クラスターアニオンである。
POMは、その種類によるが、pHによってそのクラスター構造が変化し、特に塩基性条件では分解して、溶解してしまうことが知られている。しかしながら、PCEIナノ構造体の塩基性は比較的弱いため、POMの酸性水溶液と混合した際は溶液が酸性となる。これらのことから、PCEIナノ構造体の形状の維持と、その表面へのPOM吸着が可能となり、PECI−POM複合体を得ることができる。この時、POMの種類に応じ、より好適なpHになるように調整を行ってもよい。
POMとしては、その中心金属がタングステン又はモリブデンであることが好ましく、モリブデン酸アニオン、例えば、七モリブデン酸等、もしくはタングステン酸アニオン、例えば、メタタングステン酸、パラタングステン酸等のアニオンが挙げられる。これらの酸を用いても少量であればPCEI−POM複合体を得ることは可能だが、アニオンの吸着量を増やすにはこれらのアンモニウム塩、4級アルキルアンモニウム塩、もしくはアルカリ金属塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等を用いることが好ましく、特にアンモニウム塩、4級アルキルアンモニウム塩類が好適である。
PCEI−POM複合体を得る際、POMのPCEIナノ構造体への吸着量はPOM水溶液の濃度に依存する。POMの重量濃度としては濃いほうが好ましいが、濃すぎる場合には局所的な反応やpHの低下によりPCEIのナノ構造体の形態が変化することがあり得るので、5〜20wt%であることが好ましく、特に10〜15wt%であることが好ましい。
PCEIナノ構造体とPOMの混合の際の比率は、PCEIのシアノエチルエチレンイミン部位のモル数に対してPOMのアニオンのモル比が過剰量になるように用いることが好ましく、特に1〜2倍であることが好適である。例えば、メタタングステン酸塩の場合では6価のアニオンであることから、PCEIのシアノエチルエチレンイミン部位に対してモル比にして0.17以上のメタタングステン酸塩を用いることが好ましく、特に0.17〜0.33倍用いることが好適である。
PCEIとPOMの反応時間は、PCEIとPOMとの反応が平衡に達するまで撹拌しておくことが好ましく、具体的には室温(20〜35℃程度)で3時間以上撹拌しておくことが好ましい。
PCEIとPOMとの反応は、PCEIナノ構造体がプロトン化されるほど得られるPCEI−POM複合体の収量が増加することから、PCEIナノ構造体の分散水溶液のpHを調整することも、収量の増加には効果的である。用いるpH調整剤としては、例えば、塩酸、硝酸等の一価の無機酸、もしくは酢酸、酒石酸等のカルボン酸、またはこれらのアンモニウム塩、もしくはナトリウム等のアルカリ金属塩等が挙げられる。硫酸やリン酸等の無機酸の場合にはPOMの変質を招く可能性があるため、使用は避けたほうがよい。PCEIナノ構造体の分散水溶液のpHは、pH5〜7に調整することが好ましく、特にpH6〜7に調整することが好ましい。
PCEIとPOMとの反応後の後処理においては、余分なPOMを取り除くために蒸留水で洗浄することが好ましいが、洗浄によってPOMが流出することから、その使用量やできれば少ないほうが好ましく、洗浄回数は3回程度で十分である。
上記の操作によりPCEIナノ構造体には、熱重量分析による解析から50wt%程度までのPOMを吸着させることができる。
〔シリカソースを用いたゾル−ゲル反応〕
上記の方法で得られるPCEIの単一分離状態のナノシートは、ナノメートルオーダーの厚みを有し、二次元的な広がりを有する構造である。そのナノシートは、厚みが5〜15nmであり、幅(直径相当)の大きさは100nm〜1μmであり、観察されるナノシートの形態や大きさは均一なものが得られる。また、ナノシートが球状に集合してなる集合体の場合は、その直径は1〜5μmで、PCEIの結晶化条件によって、多少大きさの違いがあるが、観察される集合体の形態や大きさは均一なものが得られる。これらをシリカソースと混合し、ゾル−ゲル反応を行うとシリカで被覆され、その形態がシリカに転写された有機無機複合状態のシリカ系ナノシートを得ることができる。さらに、上記の方法により得られたPCEI−POM複合体に対して、同様にゾル−ゲル反応を行うと、PCEI−POM複合体ごとシリカで被覆したシリカ系ナノシートを得ることができる。
PCEIナノ構造体は、完全に乾燥させたり、水以外の溶媒中に分散させたりすると、シリカ析出能力が不足することがあるため、水または混合水溶液に濡れた状態にしておくことが好ましい。シリカ析出の際には、ナノ構造体形成の際に用いた溶剤を含んだまま蒸留水で希釈してゾル−ゲル反応を行ってもよいが、蒸留水で希釈した後に遠心分離等で固体を回収する手法で溶剤を除いて、シリカソースを用いてゾル−ゲル反応を行い、シリカ系ナノシートを得ることもできる。
本発明で用いるシリカソースとしては、テトラアルコキシシラン類、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、またはそれらの4〜8量体である市販品のオリゴマー、例えば、メチルシリケート51(MS−51、コルコート社製)やエチルシリケート40(コルコート社製)などを用いることができる。
ゾル−ゲル反応で用いる溶媒は、水もしくはメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコールやPCEIが溶解しない比率での親水性極性溶剤、例えば、THF、アセトン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなど、との混合水溶液を用いることができる。テトラアルコキシシラン類は、水による加水分解によりケイ酸もしくはそのオリゴマーとして水中に溶解するが、そのものは水には溶解しない。そこで、アルコールとの混合水溶液を用いれば、テトラアルコキシシラン類が溶解した均一溶液でゾル−ゲル反応を行うことができる。しかし、テトラアルコキシシラン類は、水中で相分離した状態でも界面で加水分解が進行してケイ酸が溶出していくことから、ゾル−ゲル反応で用いる溶媒として水のみを使用してもシリカを得ることはできる。
ゾル−ゲル反応においては、PCEIのモノマー単位であるシアノエチルエチレンイミンに対し、シリカソースであるテトラアルコキシシランの量を過剰とすれば好適にPCEIを内包するシリカ系ナノシートを形成できる。過剰の度合いとしては、シアノエチルエチレンイミンに対し2〜1000倍等量の範囲であることが好ましい。また、ゾル−ゲル反応時の水性媒体中におけるポリマー濃度は、0.1〜30wt%にすることが好ましい。
ゾル−ゲル反応の時間は1分から数日まで様々であるが、アルコキシシランの反応活性が高いメトキシシラン類の場合は、反応時間は1分〜24時間でよく、効率を上げるために反応時間が30分〜5時間であればさらに好適である。また、反応活性が低い、エトキシシラン類、ブトキシシラン類の場合は、ゾル−ゲル反応の反応時間が24時間以上であることが好ましく、その時間を一週間程度とすることがより望ましい。
上記の操作により得られるシリカ系ナノシートは、厚みが10〜30nmで長さが200〜1000nmの湾曲した単一分離状態のナノシート、もしくはそれらが球状に集合した直径1〜5μmの球状の集合体であることを特徴とする。
上記の操作により得られるPCEI内包のシリカ系ナノシートに含まれるPCEIの含有量は、熱重量分析による120〜800℃までの重量減少から求められ、25〜50wt%のものが得られる。特に単一分離状態のシリカ系ナノシートの場合は29〜40wt%、球状集合体の場合は43〜50wt%の範囲のものが好適に得られる。これらは、ゾル−ゲル反応における、水または混合水溶液の量、シリカソースの濃度、もしくはシリカソースとの反応時間を調整することによって、PCEIとシリカの重量比を任意に変化させることが可能である。しかしながら、反応の効率と目的の構造ではないシリカの副生の抑制を考慮すると、上記の操作でゾル−ゲル反応を行うことが好ましく、この操作では、前記の範囲でPCEIを含有したものが最も効率よく得られる。PCEI−POM複合体を用いた場合でも、ナノシートの大きさは前記と同様であり、PCEIの含有率は50〜65wt%、POMの含有率は25〜50wt%のものを得ることができる。
〔PCEIを内包するシリカ系ナノシートの加熱焼成〕
上記の操作より得られたPCEI、又はPECI−POM複合体を内包するシリカ系ナノシートは、加熱焼成等により有機成分を除去することができる。これらの処理によってもその全体形状が変化することはなく、厚みが10〜30nmで長さが200〜1000nmの単一分離状態のナノシート、もしくはそれらが球状に集合してなる直径1〜5μmの球状シリカを得ることができる。PCEI−POM複合体を内包したシリカ系ナノシートを加熱焼成等した場合には、POMは、焼成処理により金属酸化物となって結晶化し、ナノサイズの単結晶粒子としてシリカ内に含まれることとなる。即ちPOMの中心金属がタングステン、モリブデンである場合には、それぞれ、酸化タングステン、酸化モリブデンのナノ粒子がシリカと複合化されてなるナノシートとなる。
有機成分であるPCEIを除く方法としては、加熱焼成処理や溶剤洗浄が考えられるが、有機成分を完全に除去するためには焼成炉中での焼成処理法が好ましい。焼成処理では、空気、酸素存在下での高温焼成と不活性ガス、例えば、窒素、ヘリウムの存在下での高温焼成を用いることもできうるが、通常、有機成分を完全に除去するためには空気、酸素存在下での高温焼成が好適であり、特に安全性の観点から空気中での焼成が好ましい。
焼成する温度としては、PCEIは400℃付近から熱分解できるため、400℃以上の温度であれば好適に除去でき、シリカの形状を維持する観点から900℃以下にすることが好ましい。
上記の方法より得られたシリカ系ナノシートは、単一分離状態のナノシートの場合は30〜40wt%の質量減少が、球状の集合体の場合は45〜55wt%の質量減少を伴い、有機成分の除去が行われたことが確認できる。PCEI−POM複合体を内包するナノシートの場合、焼成後に含まれる金属酸化物の含有量は40〜65wt%の範囲のものが得られる。得られたシリカ系ナノシートは比表面積が焼成前よりも増大し、例えば、触媒等とした場合の反応効率が高まったり、吸着材として使用する場合の吸着量が多くなったりする等の効果を有することになる。
以下、実施例および応用例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を表す。
[X線回折法による分析]
単離乾燥した試料を測定試料用ホルダーにのせ、それを理学社製広角X線回折装置「Rint−Ultma」にセットし、Cu/Kα線、40kV/30mA、スキャンスピード1.0°/分、走査範囲2〜40°の条件で測定を行った。
[示差走査熱量分析]
単離乾燥した試料を測定パッチにより秤量し、それをSIIナノ技術示差走査熱量分析測定装置(TG−TDA6300)にセットし、昇温速度を10℃/分として、20℃から800℃の温度範囲にて測定を行った。
[走査電子顕微鏡による形状分析]
単離乾燥した試料をガラススライドに載せ、それを日本電子社製JSM−7500又はキーエンス社製表面観察装置VE−9800にて観察した。
[透過電子顕微鏡による形状分析]
単離乾燥した試料をグリッドに載せ、それを日本電子社製透過電子顕微鏡(JEM−1400又はJEM−2200)にて観察した。
[原子間力顕微鏡による形状分析]
単離乾燥した試料をガラススライドに載せ、それをSII社製原子間力顕微鏡(SPA400,SPI4000)にて観察した。
[蛍光X線スペクトルによるタングステン及びシリカの含有量測定]
蛍光X線測定はリガク社製のZSXを用いて、真空条件下で行った。
合成例1[PCEIの合成]
原料となるLPEIは、例えば、非特許文献4等に記載の方法に基づき、市販のポリエチルオキサゾリン(平均分子量50,000,平均重合度約500,Aldrich社製)を5N塩酸によって加水分解を行い、これを中和して得た。このLPEIの20.10gを、60mLのメタノール中に加え、LPEIが完全に溶解した溶液を調製した。それに、60mLのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)と、エチレンイミンユニットに対して1.5倍のアクリロニトリルの20.56gを加えた後、60℃にて40時間攪拌した。
この反応液を室温に冷却後、貧溶剤である酢酸エチル(1.2L)に滴下して、ポリマーを沈殿させた。その沈殿物を吸引濾過で回収し、メタノール洗浄後、固体物を70℃下真空乾燥し、淡黄色の粉末を得た。収量は21.54gであった。得られた粉末をH−NMR(重アセトニトリル)にて同定したところ、2.58ppmに主鎖のエチレンイミンに由来したシグナルが見られ、側鎖のシアノエチル基に由来した三重線のシグナルが2.50ppmと2.81ppmにカップリング定数J=6.6Hzで見られた。その積分比は4:2:2であった。即ち、LPEIのすべての2級アミンがシアノエチル化され、PCEIが得られたことが示された。また、FT−IRを測定した結果、2243cm−1にシアノ基の特性吸収のシグナルが確認された。さらに、GPCによる分子量測定では、ポリマーの数平均分子量は24000であり、分子量分布は1.42であった。
合成例2[PCEIからなる単一分離状態のナノシートである結晶体の製造]
2mLのDMFに、合成例1で得られた0.10gのPCEIを溶解させた後、0.6mLの蒸留水を加えた。この操作により沈殿物が生成したが、それを約60℃の水浴にて約1分間加熱して、完全に溶解させた。その溶液を室温にて1時間ほど放置させた。これにより、淡黄色の固体が析出した。この固体を遠心分離機にて、10mLの蒸留水で3回ほど洗浄した。
これで得た固体をXRD測定に用いた。2theta角度14.8、19.1、20.3、21.9、24.1、30.1、32.6°に強い散乱ピークが現れた。このことから、この固体はポリマーの結晶体であることが示唆された。この固体を平らなシリコン基板に載せ、それを原子間力顕微鏡にて観察したところ、ナノシート状の構造体が確認された。その厚さは7nm以下であった。
合成例3[PCEIからなるナノシートの球状の集合体の製造]
2mLのDMFに、合成例1で得られたPCEIを0.10gに溶解させた。次に、0.8mLの蒸留水を加えた。この操作により沈殿物が生成したが、約70℃の水浴にて約1分間加熱した。その溶液を室温にて1時間ほど放置させた。これにより、淡黄色の懸濁溶液が得られた。この懸濁溶液を10mLの蒸留水に滴下し、遠心分離機を用いて固体を回収して、10mLの蒸留水で3回ほど洗浄した。これにより、淡黄色の固体が得られた。
これで得た固体をXRD測定に用いた。合成例2と同様に、2theta角度14.8、19.1、20.3、21.9、24.1、30.1、32.6°に強い散乱ピークが現れた。このことから、この固体はポリマーの結晶体であることが示唆された。
実施例1[PCEIからなる単一分離状態のナノシートを用いたシリカ系ナノシートの製造]
合成例2で得られた結晶体を20mLの蒸留水に加え、攪拌することにより固体を分散させた。そこに、1.0mLのテトラメトキシシラン(TMOS)を加え、1時間攪拌した。これにより、得られた固体を遠心分離機で回収し、エタノールで3回洗浄後、70℃で減圧乾燥させた。得られた固体の収量は243mgであった。得られた固体のFT−IRを測定した結果から、Si−O結合の吸収を示す1060cm−1のシグナルとシアノ基の吸収を示す2242cm−1のシグナルが観察された。SEM観察では均一の大きさで形の揃った単一ナノシート状シリカが観察された(図1)。TEM観察では、15nm程度厚みの単一分離状態のシリカ系ナノシートが観察された(図2)。
実施例2[合成例3で得た集合体を用いたシリカ系ナノシートの製造]
合成例3で得たPCEIナノシート集合体を20mLの蒸留水に加え、攪拌することにより固体を分散させた。そこに、1.0mLのTMOSを加え、2時間攪拌した。これにより、得られた固体を遠心分離機で回収し、エタノールで3回洗浄後、70℃で減圧乾燥させた。得られた固体の収量は224mgであった。得られた固体のSEM観察では、ナノシートが集合した球状の構造体が観察された(図3)。このことは合成例3で得られたポリマー結晶体は特定構造のシリカを誘導する有効なテンプレートであることを示唆する。
実施例3−1[合成例3で得た集合体へのメタタングステン酸アニオンの吸着]
合成例3で得たPCEIナノシート集合体に50%メタタングステン酸アンモニウム水溶液(日本無機化学工業社製 MW−2)0.23mLと0.01Mの塩酸1mLを加え、室温で3時間攪拌した。これにより、得られた固体を遠心分離機で回収し、2mLの蒸留水で3回洗浄することで、淡黄色の固体103mgを得た。
得られた固体を乾燥し、SEM観察を行った結果、ナノシート集合体である球体が観察された(図4)。これのTEM観察を行うと、ナノシートが観察され、さらにTEM−EDSマッピング画像からC、N、Oの他にWが存在することが観察された(図5)。これにより、PCEIにメタタングステン酸アニオンが吸着されたことが示唆された。TG−DTA測定結果から、52%の質量減少が見られたことから、PCEIと酸化タングステンの質量比が52:48であることがわかった。
実施例3−2[実施例3−1で得たPCEI−メタタングステン酸複合体を用いたシリカ系ナノシートの製造]
実施例3−1で得たPCEI−メタタングステン酸複合体100mgを蒸留水20mLに分散させ、MS−51を1.0mL加えて、室温で3時間攪拌した。これにより、得られた固体を遠心分離機で回収し、蒸留水及びエタノールで3回洗浄し、減圧乾燥させることで白色の固体120mgを得た。
得られた固体のSEM観察を行った結果、ナノシートの集合体である球体が観察された(図6)。これのTEM観察を行うと、ナノシート状の構造体が観察され、さらにTEM−EDSマッピング画像からC、N、Oの他にWとSiが存在することが観察された(図7)。これにより、PCEI−メタタングステン酸複合体を内包したシリカが得られたことが示唆された。TG−DTA測定結果から、62%の質量減少が見られたことから、PCEIと酸化タングステン及びシリカの質量比が62:38であることが判明した。また、XRFの測定結果から、SiとWの質量比が39:61であった。これにより、PCEI−メタタングステン酸複合体内包シリカに含まれるPCEI、酸化タングステン及びシリカの質量比はそれぞれ62:23:15であると判明した。
実施例4[実施例1で得たシリカ系ナノシートの焼成]
実施例1で得たナノシートを卓上電気マッフル炉(アサヒ理化製作所社製 AMF−20)で800℃まで3時間昇温させ、800℃で2時間保持した後に、室温まで冷却することで、有機成分を取り除いたシリカ系ナノシートを得た。得られたナノシートはその全体形状が焼成前と変化していないことを、SEM、TEMにより確認した。
実施例5[実施例2で得られたシリカ系ナノシートの焼成]
実施例2で得たナノシート集合体を卓上電気マッフル炉(アサヒ理化製作所社製 AMF−20)で800℃まで3時間昇温させ、800℃で2時間保持した後に、室温まで冷却することで、有機成分を取り除いたシリカ系ナノシート(球状集合体)を得た。得られた集合体はその全体形状が焼成前と変化していないことを、SEM、TEMにより確認した。
実施例6[実施例3で得たシリカ系ナノシートの焼成]
実施例3で得たPECI−POM内包のシリカ系ナノシートを卓上電気マッフル炉(アサヒ理化製作所社製 AMF−20)で800℃まで3時間昇温させ、800℃で2時間保持した後に、室温まで冷却することで、有機成分を取り除いたシリカ系ナノシートを得た。得られたナノシートはその全体形状が焼成前と変化していないことを、SEM、TEMにより確認した。

Claims (12)

  1. (1−1)ポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)の結晶体を調製する工程、
    (1−2)工程(1−1)で得たポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)結晶体とシリカソース溶液とを混合し、ポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)とシリカとが複合されてなるシリカ系ナノシートを得る工程、
    を有することを特徴する、シリカ系ナノシートの製造方法。
  2. (2−1)ポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)の結晶体を調製する工程、
    (2−2)工程(2−1)で得たポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)結晶体とシリカソース溶液とを混合し、ポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)とシリカとが複合されてなるシリカ系ナノシートを得る工程、
    (2−3)工程(2−2)で得られたシリカ系ナノシートを加熱焼成し、有機成分を除去する工程、
    を有することを特徴とするシリカ系ナノシートの製造方法。
  3. (3−1)ポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)の結晶体を調製する工程、
    (3−2)工程(3−1)で得た結晶体とポリオキソメタレートの水溶液とを混合し、ポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)とポリオキソメタレートとの複合体を得る工程、
    (3−3)工程(3−2)で得た複合体とシリカソース溶液とを混合し、ポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)とポリオキソメタレートとシリカとが複合されてなるシリカ系ナノシートを得る工程、
    を有することを特徴とする、シリカ系ナノシートの製造方法。
  4. (4−1)ポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)の結晶体を調製する工程、
    (4−2)工程(4−1)で得た結晶体とポリオキソメタレートの水溶液とを混合し、ポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)とポリオキソメタレートとの複合体を得る工程、
    (4−3)工程(4−2)で得た複合体とシリカソース溶液とを混合し、ポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)とポリオキソメタレートとシリカとが複合されてなるシリカ系ナノシートを得る工程、
    (4−4)工程(4−3)で得たシリカ系ナノシートを加熱焼成し、金属酸化物とシリカとが複合されてなるシリカ系ナノシートを得る工程
    を有することを特徴とする、シリカ系ナノシートの製造方法。
  5. ポリオキソメタレートの中心金属が、タングステン又はモリブデンである請求項3又は4記載の製造方法。
  6. シリカとポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)とが複合されてなるシリカ系ナノシートであって、その厚みが10〜30nmの範囲であり、ポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)の含有量が25〜50wt%の範囲であることを特徴とするシリカ系ナノシート。
  7. シリカとポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)とポリオキソメタレートとが複合されてなるシリカ系ナノシートであって、その厚みが10〜30nmの範囲であり、ポリ(N−シアノエチルエチレンイミン)の含有量が50〜65wt%の範囲であり、ポリオキソメタレートの含有量が10〜25wt%の範囲であることを特徴とするシリカ系ナノシート。
  8. ポリオキソメタレートの中心金属が、タングステン又はモリブデンである請求項7記載のシリカ系ナノシート。
  9. シリカと金属酸化物とが複合されてなるシリカ系ナノシートであって、その厚みが10〜30nmの範囲であり、金属酸化物の含有量が40〜65wt%であることを特徴とするシリカ系ナノシート。
  10. 金属酸化物が、酸化タングステン又は酸化モリブデンである請求項9記載のシリカ系ナノシート。
  11. 単一分離状態のナノシートである請求項6〜9の何れか1項記載のシリカ系ナノシート。
  12. 請求項6〜10の何れか1項記載のシリカ系ナノシートが集合し球状体を形成してなることを特徴とするシリカ系ナノシートの集合体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014133689A (ja) * 2013-01-11 2014-07-24 Univ Kanagawa キラルな金属酸化物構造体及びその製造方法
JP2016063006A (ja) * 2014-09-17 2016-04-25 トヨタ紡織株式会社 柱状集合体
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